辻おさむ市政レポートNo.191 原発 即時 ゼロ

辻おさむ市政レポートNo.191(2012.9.23.)

日本共産党尼崎市会議員 辻 おさむ

辻おさむ市政レポートNo.191はこちら(PDFファイル)

・エネルギー・環境戦略「すぐゼロに」となぜいえぬ
・「再稼働」の前提は重大
・すべての原発から撤退を
・「原発をなくす尼崎の会」が結成総会

2012年9月議会一般質問 早川すすむ:公共施設だれにとっての最適化なのか/中学校給食の実施を

2012年9月議会一般質問 早川すすむ議員

保健・福祉の拠点集約2ヵ所化は、だれにとっての最適化なのか

日本共産党議員団の早川です。

3月議会予算委員会総括で、私は、みずからの質問の最初に、市役所の仕事はこのまちに住む住民にとって公平に憲法に保障された生きる権利を保障することだと考えるが、市長の考えはいかにと問わせていただきました。

 この特別委員会に対して、市長は、-いわゆる生存権は憲法の規定により国民に等しく保障される権利であると述べ、さらに、この権利を実現するために国がその役割を担っているのと同じように、本市もその役割を担っていると認識していると答えられました。

 この部分で認識が一致してよかったとお答えしましたが、このことを基本に、きょうは幾つか質問を行っていきます。

 まずば、公共施設の最適化の問題です。

 先日、議会の特別委員会で素案の提示がありました。一定の改善があるようですが、しかし公共施設の現状と課題で示された、50平方キロメートルの市域でコンパクドでどこでも行きやすいまちだから、相談や申請の窓口を集約するという基本的な考え方は変わりませんでした。

 そこで、市長と意見の一致した市民に生きる権利の公平性の立場で幾つか質問をしたいと思います。
 今回の質問では、市民が利用する施設のうち、市役所の根幹的な業務である福祉保健業務の施設についてお尋ねします。

 今回の公共施設の最適化は、最適化というよりも市の拠点施設の再配置、統廃合だと考えています。財政状況が厳しいのですべての市の拠点施設の建てかえが困難、合築等によって市有地の高度利用を行い、あいた市有地を売却することによって建てかえ財源の確保を行う、建物の数が減るから維持管理コストの抑制も可能になる、そして前回の再配置以降、問題となっている支所や地区会館の機能、利便性の向上を行うということでしょう。

 私も、財政が厳しい中、現在ある施設のすべての建てかえが難しいことは理解します。合築もその一つの方策であると理解します。その上に立って、建物の更新を進める上で必要なことは、今後50年間の尼崎市行政の拠点施設の再配置、建設となるということです。

 1つ目として、今回の施設の統廃合計画は、老朽施設の建てかえを伴うものであり、一たん決めれば耐久年数である50年近く使い続けることになります。6年前の再配置のように、四、五年て都合が悪くなったというわけにはいきません。つぶして建て直しなどというわけにはいきません。それだけに、現状の徹底的な総括を行い、利用者である市民とともに慎重な検討が必要です。

 もう一つの点として、公共施設の配置を考えるとき最も優先される事項は、その施設を利用する市民の利便性をまず優先して考えるのが本来の公平性の確保と考えます。少子・高齢化の進行は避けられず、移動弱者に対する公平性をどう確保するのかも重大な問題です。ユニバーサルデザインを意識するとするならば、市民にとっての距離のバリアもしっかりと考えておかなければなりません。

 今述べた2点を、市役所、支所機能を持つ拠点施設の計画として基本に置かなければならないと考えています。

  さて、6月議会の一般質問でも、サービスセンターや保健・福祉センターの拠点集約化に対する懸念を会派議員が述べました。そのときの御答弁でも、利便性の面で影響が出る、事務手続の窓口として社会福祉協議会などの協力を求めたいとされました。

 日本共産党議員団としても、この問題点については、広く市民の皆さんからの聞き取りを行いました。
 若いお母さんからは、支所単位に行われている健診事業が遠くなるのは、小さい子供を抱えた母親には大変。働きながら保育所を利用し、子育てをしています。支所なら半休で健診に行けたが、立花まで行くとなると仕事を休まなければ。子供の病気のときも休むので、有休が足らなくなる、そんな声が上がっています。

 また、健診で相談した保健師さんが近くにいてくれるので、育児相談もしやすかった。今度の案では、バスと電車で行かなければならないなどの声が聞こえました。

 高齢者の方たちからも、バスを乗り継いでいくのは命を削る。支所やったら手押し車を押して行けるんだがなどの声がありました。

 前回の再配置のときも、移動弱者である小さな子供を育てる世帯や高齢者に配慮をして、地域での健診・相談業務を残した経過があります。今、相談・申請業務が不十分で、結局本庁というととになっているという再配置担当の特別委員会などでの答弁がありました。

  こめ特別委員会での答弁など、市職員OB、特に支所、保健・福祉の窓口などに従事した、またその関連部署にいた方々にもお話を聞きました。

 進達業務が中心で、専門性が高い相談は本庁へとなっているという説明があったことをお伝えすると、本庁の専門家と連携しながらできるだけワンストップで対応する努力を職員はしてきた。高齢な市民の方に市役所に行けとは言えない。保健師業務でも地域に出る努力はしているが、機能縮小で事務仕事が多く、地域に出られないと聞いている。発達におくれや不安を感じている小さな子供を持つお母さんの相談窓口は近いほうがよいなどの御意見をいただきました。

 今の地域拠点、特に地域保健、地域福祉担当の機能を利用する市民や直接従事する職員にとっては、素案総括にある問題点の解決は、身近な窓口の機能強化ということだと感じました。

 こう考えると、さきに述べた2点のうち、利用する市民の利便性から考えたとき、2ヵ所統合は果たして最適化に当たるのかが疑問です。もともとあった機能を集約し、利用する市民の利便性を損ねたのが前回の再配置なら、もとに戻すことも考えるべきと思います。

 お尋ねします。今回の保健・福祉の拠点集約2ヵ所化は、だれにとっての最適化なのですか、お答えください。

  次に、今回の変更点で気になった点をお問きします。

 支部社協による申請業務め取り扱いです。

  市民の皆さんとの意見交換会で、市拠点での申請業務の継続が課題となったのでしょう。社協支部にその相談、申請の任を委託したいということなのでしょうが、本当にそれでいいんでしょうか。

  社会福祉協議会とはどういうものでしょうか。確かに地域のコミュニテイーづくりのアドバイザー事業などを尼崎市社会福祉協議会に委託し、まちづくりのパートナーと考えておられるようですが、社会福祉協議会は市役所の下請団体ではないはずです。

 全国社会福祉協議会のホームページによると、社会福祉協議会の設立の趣旨は、1951年に制定された社会福祉事業法にその根拠を持つ社会福祉活動を推進することを目的とした営利を目的としない民間組織であり一組織ですと書かれております。さらに社会福祉協議会は、それぞれのまちで「地域に暮らす皆様のほか、民生委員・児童委員、社会福祉施設・社会福祉法人等の社会福祉関係者、保健・医療・教育など関係機関の参加・協力のもと、地域の人々が住み慣れたまちで安心して生活するこ仁のできる「福祉のまちづくり」の実現をめざしたさまざまな活動をおこなっています」とされていました。尼崎市社会福祉協議会のホームページでも、同様の内容が記されています。

 尼崎市社会福祉協議会は、町会が単位福祉協議会を兼ねるという他市の福祉協議会とは違う特徴を持っています。確かにその特徴を生かして、地域福祉の増進のための計画づくりや地域防災の担い手として市のパートナーたる存在にはなるでしょう。しかし、社会福祉協議会は、パートナーであって決して市の事業の下請業者ではないのです。

 今回の見直しで、地域の福祉、保健の相談、申請の窓口業務を地域振興センターと同居している支部社協に業務委託しようとしています。

 お尋ねします。なぜ社会福祉協議会に地域の窓口業務を行わせるのですか。これは、進達業務は支所には必要ということではないのですか、お聞かせください。

 次に、地域の福祉・保健の拠点が2ヵ所に集約されるのとは逆に、福祉事務所が2分割されます。わずか6年前に福祉事務所の効率化を掲げ、本庁に集約しながら、情勢の変化に対応できず、南北2ヵ所に再分割したということだと思います。こちらも2ヵ所でよいのかということが言えます。この問題を考えるときに、利用する市民の立場にとってどうかという問題です。

 支所に福祉事務所があったときであれば、仕事の帰りに給料明細も届け、相談もできたが、今は郵送していて、相談が必要なときには仕事を休むしかない。ケースワーカーが応対をしていたのを医療券の発券を頼んで初めて知った、だれがだれだかわからないどいう声を何度も聞きます。利用者、ケースワーカーにとっての機能強化とは、まず1ヵ所がどうだったかという総括が必要なのではないでしょうか。その上で、福祉事務所の行うサービスに必要な技術のある人員の育成、確保と設置箇所数を決めるべきです。

 お尋ねします。福祉事務所の統合についての総括はどのようにやられたのですか。また、2ヵ所で十分とお考えなめか、その根拠を教えてください。

子育て支援策として中学校給食の実施を

 さて、これも3月予算委員会総括質疑でお尋ねした問題ですが、中学校給食に関して、財政負担が最も軽い全員弁当方式を提案させていただきました。私は、本来、小学校給食のように自校調理方式がふさわしいと考えていますが、川隣の西宮市ははるか以前から実施、反対側の大阪市でも実施に向けた検討、いや実施が始まっています。そして芦屋市も実施に向けた検討の動きがあり、神戸市も検討を始めている。阪神間で尼崎市だけが何もしていない、こんな状態がいいのかという意味で、次善の策として提案させていただきました。

 しかし、教育委員会の答弁は、財政が厳しいというものと、「生徒全員に提供する場合は学校給食法に基づく完全給食になりますので、クリアしなければならないいろんな課題があると考えております」と、検討する課題が多いというものでした。

 そのことについて、会派の議員が6月議会で質問して確認していますが、1つ目として、1日1万食を超える食数に対応できる業者の確保が難しい、2つ目としで、通常の給食方式に比べて保護者負担、すなわぢ給食費が高くなる、全国平均が4, 300円なのに対して弁当方式では6,300円となるということでした。3番目として、子供のアンケートで、現状維持を望む子のほうが給食を望む子供より7ポイント高いということでした。

 私は、弁当方式に固執するつもりはありませんが、もし市長が3月議会で述べられたように、財政再建のめどが立ったら中学校給食の検討をというのならば、財政再建が市当局の思惑どおり進めば5年先から検討、自校方式であれセンター方式であれ、実現はさらに先ということになってしまいます。 10年近く先まで、他都市にあって尼崎市にない子育て支援策が中学校給食ということになります。

 総合計画で、世代間のバランスのとれたまちにしたい、若い世代の流出をとめたい、住んでもらいたいと計画をし、また公共施設の最適化で生まれる公共用地を活用してまでも若年世帯の呼び込みをしたいという今の市の方針が絵にかいたもちではないかと感じてしまいます。総合計画づくりでも用いられた転入転出アンケートでも、教育環境整備が流出の上位に位置していることを考え合わせればなおさらです。また、市教委が独自で行っている学力・生活実態調査でも、児童・生徒の学力と食事の関連で、朝食を食べるなど、基本的習慣と学力は相関関係を持つと分析されていることと考え合わせれば、朝食抜き、昼食菓子パンなどという子供をなくす努力を保護者任せにせず、取り組むことが必要なのではないでしょうか。
 

そこで改めてお聞きしたいんですが、教育長が述べた3つの、理由のうち、1つ目、1万食対応の業者の確保は難しいというのは、先の保障もないことを理由にしていますが、5年、10年のスパンで考えれば問題もないでしょう。また、食中毒の心配なども考えて1社だけに頼むことはできないはずですから、2校ずつ、3校ずつなど10社程度の業者に分散すればいい問題であり、許容範囲に入る事業者数もふえてきます。

 2つ目の、保護者の負担が通常の給食方式に比べて大きくなるという問題は、数のメリットが働くことで、各校数個の現行注文弁当より単価が下がると考えられます。さらに、教育委員会がモデルとされた吹田市の注文弁当方式ですが、会派議員の聞き取りでは、これまで弁当を持ってきていた家庭が注文弁当を頼むことが多いということを考え合わせれば、PTAなどの理解も得られる可能性があるのではないでしょうか。まずは聞いてみてはいかがですか。

 現在は、愛情弁当、お金を持たせての注文弁当方式しかない中、保護者は小学校給食を基準に考えるからということでしょうが、私も子供が中学生のとき、どうしても夫婦とも弁当がつくれないときは、購買のパン、牛乳の昼食を買わせたことがあります。女の子の場合は、牛乳に菓子パン2つで400円程度、男の子の場合は、牛乳に菓子パン3つから4つで600円程度渡していたと思います。 6,300円を月20日で割ると320円程度となり、この基準で考えると一概に高いとは言えません。

 逆に、教育長が述べておられるように、全員配食を行なえば学校給食法にのっとった給食になるのですから、要援護・準要援護世帯にとっては愛情弁当よりも安く、栄養価の保障が行えるものになります。

 さらに、3つ目の子供のアンケートで、現状維持を望む子供のほうが給食を望む子供より7ポイント高いという問題は、これは今ない中での質問ですから、小学校で給食を食べてきた1年生から順次実施してみれば違和感は発生しません。

 こう考えると、6月議会の教育長の答弁はやらない理由探しにしか聞こえないのですが、まずお尋ねします。

子供の育ちや学力向上にも栄養バランスの整った食事が必要と考えておられるなら、形式はどうであれ、早急に中学校給食を始めるべきと考えますが、いかがですか。

 さて、日本共産党議員団は、先日、兵庫県相生市を視察してまいりました。兵庫県の西の端にある人口4万人弱のまちですが、尼崎と同じように工業で栄え、工業で衰退したまちです。このまちの中心産業は造船業でした。アイ・エイチ・アイを中心とした造船関連企業が、造船不況のあおりから新造船から撤退、多くの世帯がまちを出るという状況が造みました。さらに、お隣の姫路市が西播磨地域の中心として大きく発展、さらに人口流出が進んだということです。

 山陽新幹線の駅のあるまちとして、駅前の再開発やバブル期、新幹線通勤などを期待して宅地開発など、市は手をつけましたが、見事に破綻、財政再建に血道を上げる数年が続いたということです。

 そんな相生市ですが、今、子育て応援都市を宣言して若い世代から脚光を浴びています。 3期目に入った現市長が再開発などハード事業を大幅縮小し、子育て支援のソフト事業に予算の使い方をシフトしました。この事業を推進しているのは、定住促進室という横断組織です。新婚世帯への家賃助成制度、市外からの定住者に対する住宅購入費補助、出産祝い金制度、幼稚園授業料の補助、幼稚園から中学校までの完全給食の無料化、中学校卒業までの医療費無料化などを系統的に施策化し、子育てするなら相生へと積極的にフェイスブックなどで発信も行っています。この情報発信を見て、阪神間からも住宅のあっせんを求める問い合わせが多く寄せられているということです。実際にこのまちで出産することを希望する市民がふえ、母子手帳の交付数がふえたということでした。小さな自治体ですが、思い切った取り組みであると感じました。

 さて、繰り返しになりますが、市長も総合計画や議会の発言でも子育てする市民の定住促進を言われ、公共施設の最適化でも、若い世帯の定住化のために最適化で遊休化する土地を宅地化するとしています。この尼崎を選んで住んでほしいということだと思います。土地は編み出せるかもわかりませんが、さて、このまちが選んでもらえるかどうかが問われています。

 先日行った日本共産党議員団の聞き取り調査で、若い子育て中の女性から、住宅情報誌などのランキングで尼崎市は低い位置にあると教えてもらいました。大阪市、神戸市の大都市に挟まれ、交通の利便がよい位置的好条件にありながら、子育て支援策が他都市に劣り、若い世代が住もうと選ばないまちになっているということです。

 同じ聞き取り調査で年配の男性からは、子供たちが結婚して家を探すとき、家賃助成制度のある大阪市に住んだ。助成が終わるころにはうちのそばに来てほしいと思っていると、家を飛ばして川向こうで家を探している。

 家のそばだが西宮市のほうが子育てをしやすいということだと嘆いておられました。これが尼崎の現状ではないでしょうか。

 相生市のように地域の先頭に立つことは難しいかもしれませんが、せめて近隣市に肩を並べる子育て支援策を行わなければ、若い世帯の定着は難しいと言わざるを得ません。

 御存じのように、大阪市は新婚世帯への家賃助成制度があり、中学校給食も実施の検討に入ったと言われています。反対側の西宮市は、かなり早い時期から中学校給食を実施しており、ことしからは中学校卒業までの医療費無料化を始めました。神戸市も、芦屋市も中学校給食の実現に向けた検討が始まっている中、大阪湾岸エリアの自治体で給食がない、もしくは検対していないのは尼崎市だけということになります。

 財政が厳しくても、お隣と肩を並べる状況をつくりださなければ定住促進は難しいと言えます。シテイプロモーションなども推進していますが、その目的は尼崎のイメージアップに置かれていると思います。しかし、若い世帯が住んでみたいと思う施策で発信できるものが少な過ぎます。

 お尋ねします。真剣に弱年人口の定着を目指すなちば、相生市のような定住促進のための組織をつくるべきと考えますが、いかがですか。

 以上で第1問を終わります。(拍手)

○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。
 作野健康福祉局長。

○健康福祉局長(作野靖史君)今回の保健・福祉の拠点集約2所化は、だれにとっての最適化なのかといった御質問でございます。

 現在、各支所の建物は老朽化しており、建てかえ等の早急な対応が必要となっております。また、地域保健担当におきましては、乳幼児健診等のスペースが非常に狭陰であり、また段差や階段の急勾配など、安心・安全な事業実施に施設面での課題を抱えております。

 一方、地域福祉担当では、現在、申請受け付け等の窓口業務を中心に行っておりますが、高齢化の進行等により市民の福祉ニーズはますます増大し、多様化、複雑化しておりますことから、今後はより専門的な相談や支援が行える体制が必要であり、保健・福祉の連携の重要性も高まっております。

 今回御提案させていただきました保健福祉センターにつきましては、こうした市民ニーズに適切かつ迅速に対応できるよう、地域保健担当、地域福祉担当を集約し、保健・福祉に係る各組織が一体的に十分な連携のもと、専門性を待った総合相談窓口機能を充実するとともに、乳幼児健診等の施設面での課題を解消し、安心・安全な健診環境を確保しようとするものでございます。こうした市民サービスの充実を目指す中で、必要となる人件費や施設整備費、維持管理費といつだコストも含めて最適化を行うものでございます。

 次に、なぜ社会福祉協議会に窓口業務を行わせるのか、進達業務は支所に必要ということではないのかといった御質問でございます。 

 今後ますます増大し、多様化、複雑化する市民の保健福祉ニ一ズに連切に対応していくには、行政だけで実施するのは困難であり、民間の相談支援機関と連携した実施体制の構築が不可欠と考えております。
 社盛福祉協議会は、地域福祉の推進や社会福祉事業の企画実施等を行う団体であり、その支部祉協は、日々の業務を通じて地域の実情、課題をきめ細かく把握し、地域福祉、地域コミュニティーの推進を担っておられます。こうした機能を有する支部社会福祉協議会に市の窓口業務の一部を担ってもらうことは、地域の福祉課題をより早期に行政に伝えていただけることも期待でき、さらにお年寄りや障害者等の移動困雑考等の利便性の確保にもなると考え、進達等の窓口業務を委託しようとするものでございます。

 次に、福祉事務所の統合についての総括はどのようにやっているのか、また2ヵ所で十分と考えているのか、その根拠は何かといった御質問でございます。

 今回の公共施設の見直しに向けまして、健康福祉局といたしましては福祉事務所の1所統合の検証と最適な箇所数について、平成23年度から内部で検討を進めてまいりました。

 そうした中で、整理いたしますと、平成17年度の福祉事務所の統合は、経営再建プログラムにおけます公共施設の再配置と統廃合の中の改革改善項目の一つとして、市民サービスの効果的な提供と事務処理の効率化などを目的とし実施したものでありました。平成17年度の統合によりまして、ケース処遇や面接相談業務の平準化、事務処理の効率化が図られるとともに、福祉窓口の本庁集約化によって福祉課題に関する処遇困難ケースの検討が適時に行えるなど、市として組織的な対応ができるようになっており、目的についてはおおむね達成できたと考えております。

 一方で、平成20年秋のリーマンショック等を背景といたしまして、当初の傾向を大きく上回る被保護者数の増加によって規模が大きくなった福祉事務所の管理スパンや職員の執務スペースの問題など、組織の肥大化による弊害が生じてまいりました。

 また、近年増加傾向にあります児童虐待への対応や精神障害者に関する支援など、保健師や精神保健福祉相談員とケースワーカーや家庭児童相談員など、ネットワークや個別カンファレンスの必要性が従来にも増して高まり、保健と福祉の一層の連携が行政運営上の大きな課題の一つとなってまいりました。

 こうしたことから、公共施設の最適化に向けた取組(素案)の中でお示しをしております総量の圧縮による維持管理コストの抑制と建てかえ等の財源確保、施設の機能・利便性の向上といった基本的な考え方を踏まえ、健康福祉局といたしましても、今後、保健福祉に関する総合相談窓口を設置し、より専門性の高いサービスの提供を行っていくため、限られた財源や職員数について勘案する中で、2ヵ所の保健福祉センターとして最適化を図っているものでございます。

 なお、他の中核市の福祉事務所の設置状況を見ますと、1所当たりの担当保護世帯数が大体5,000世帯から6,000世帯のところが多くなっております。隣接する西宮市では約5,300世帯、豊中市では約6,900世帯となっておりまして、いずれも1福祉事務所の設置でございます。鹿児島市は、尼崎市に次いで世帯数の多いところでございますが、約1万1,000世帯ございます。そしてここは2つの福祉事務所を設置しておりますので、1所当たり約5,500世帯ということでございます。

 尼崎市の保護世帯数は、今、約1万2,800世帯でございますので、これを2所化いたしますと1ヵ所当たり約6,400世帯ということになりますので、他市と比較いたしましても適正な規模になるのではないかというふうに考えております。

  以上でございます。

○議長(安田雄策議員) 徳田教育長。

○教育長(徳田耕造君) 子供の育ちや学力向上にも栄養バランスのとれた食事が必要と考えるなら、形式はどうであれ、早急に中学校給食を始めるべきと考えるが、どうかとのお尋ねでございます。

 生徒にとって栄養価等を考慮しますと、小学校で実施してるような給食が望ましいものと考えておりますが、給食の実施に当たっては、給食室整備に係る経費、就学援助に係る扶助費など、財政負担を伴う経費も生じるため、今後の財政状況を考慮しますと、限られた財源の中、大変ハードルが高く、現状では困難な状況でございます。

 こうしたことから、生徒たちの給食改善や子育て支援の観点から、本年10月から実施いたします中学校弁当事業を成功させ、早期にすべての中学校で中学校弁当を実施することについて努力してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(安田雄策議員)俵総務局長。

○総務局長(俵 雄次君) 若年人口の定着を目指すのならば、相生市のような定住促進のための組織をつくるべきではないかといった御質問でございます。

 定住促進につきましては、子育てファミリー世帯への補助や学校跡地を利用した転入・定住促進策の推進など、さまざまな取り組みを進めているほか、次期総合計画にも掲げているように、本市の重要な課題の一つとして認識をしてるところでございます。

 相生市のように定住促進の組織を設置し、取り組まれているところもございますが、定住促進のための施策は教育や子育てといった身近な市民生活に関するものが多いこともあり、新たに組織を設置するのではなく、現行の組織における各分野の有機的な連携のもとに、おのおのの専門的能力を最大限発揮する形で、定住促進に向けた施策の検討、構築を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

次善の策として中学校弁当を全員に

○(早川 進議員) お答えをたくさんいただきました。

 まず、給食の話なんですけども、ハードルが高い、財政が大変だということなんですけど、質問の中でも言わせていただいたように、これ、教育上の問題だげじゃないんですけど、本当にこのまちが谷間になってしまって、定住促進ができる、若い世代にも来てもらってバランスのとれたまちができるんですか。

 例示させていただいたのは、特別な例じゃないと思っています。流出される状況などについてのそちらがやられた調査の中でも、やはり中学校で学力、学校環境の問題とかを挙げられている。そしたら、学校環境をよくしていく、ちゃんとした栄養価のあるものを食べたほうが学力も上がるという調査までされていて、そして、そのことがまちを選ぶ一つの動機になっているということを挙げられていて、じゃあお金がないからとのまちを選んでもらうのはあきらめましょうというんだったら、定住のための土地をつくり出すような最適化はやらなければいいということになってしまう。一体何のための事業なのか。ちぐはぐだから促進をする一つの組織をつくれと言っているのに、それはやらないと言う。

 ハードルは高いからやらない、財源がないからやらない、そしたらこのまちはどんどん置いていかれてますます若い人たちは住んでくれない、こういうことでいいのかということだと思うんですよね。そのあたりについて、企画財政局長はどのようにお考えですか。

○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。
 吹野企画財政局長。

○企画財政局長(吹野順次君)今回の新しい総計でももちろん記載しておりますとおり、やっぱりこの都市の体質転換を図る上でも、現役世代の定住、あるいは尼崎に来ていただくということは非常に大きな柱の一つでございます。その中で、今話に出ておりますように、学校教育のこともそうでございますし、居住環境のこともそうでございますし、市の総合的なまちづくりの中で、全般的にそういうことで若い人たちに尼崎を選んでいただくという状況をつくっていくことは、当然必要なことでございます。

 ただ一方で、やはり非常に厳しい今の財政状況がございますので、今申し上げましたような目的と、あるいは財政状況をはかりながら、バランスをとった中で施策を選択していくということで、今の話に出ております中学校給食につきましても、全く必要がないとかいうことは全く考えているところではございません。

 以上でございます。

○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) 必要性はあるというのは、3月議会で市長も述べられたことなんですよ。必要性があるんだったらタイムリーにやらなければ、もう選ばれないまちだというふうなレッテルを張られかけてるわけです。住宅の情報誌などで、ここは子育て支援に優しいまち。小野市が非常に高い位置についたそうです、神戸に近いせいもあるでしょうけども。そういうことを考えたときに、あのまちは医療費の無料化もやってます、給食もやってます、こういうことで高い評価を受ける。最後に御紹介した相生市も、小さなまちですけども、頑張って何とかしたいいということで定住促進室を持って、子育てする間は相生市がいいですよということを売り込みをされている。

 苦しくてもやるときにやらなければ、この問題、解決の糸口が出るどころか、ますます若い世代が流出をしていって、今、都市課題だと言われている高齢化社会にどう対応するのかという問題で、まちの担い手そのものがいなくなってしまうようになると思うんですけども、なぜ今やれない。それはお金がないからというのはわかるんですけど、やはりそればっかり言ってないで、教育委員会も努力をしてもらえばいいと思うんですけども、県なりに補助金を出すように強く迫るとか、大阪府がやると言ってるんだからと。そういうふうな形で何とか早期の実施に向けた努力、検討すらやらないと言ってるんですからね、市長は3月に。財政再建が終わったら考えますということですから、それだったらどうしようもないでしょうということでこの質問を組ませていただいたんですけど、どうですか、検討してみて、財源づくりとかをやってみる気はございませんか。

○議長(安田雄策議員)答弁を求めます。
 稲村市長。

○市長(稲村和美さん) 前回の答弁に少し誤解があるのかもしれませんけれども、まず中学校給食につきまして、私自身もやはり一日も早く推進をしたいという思いはございます。会派を超えて議会のほうからも強く御意見いただいていること、大変力強く思っております。

 また一方で、財源から考えたときに、せめてじゃあ弁当方式での給食実施ができるんじゃないかということも、一つの有力な御提案だというふうにも思っております。

 検討しないというふうに答弁しましたのは、恐らく芦屋市のような委員会を立ち上げての検討は、現状においてはやるつもりがないというふうにご御答弁したんではないかと記憶をしておりますけれども、私どもといたしましても、これまで御答弁しましたように、まずはとにかく、これまでの経緯経過もございますので、中学校弁当を現在の方式で、これまでの問題点を踏まえて何とか改善をして、学校側、そして保護者の皆さん、そしてもちろん生徒たち自身に喜んでもらえるような弁当を導入したいということで、今、教育委員会のほう、全力を挙げて取り組んでくれております。そういった中で、保護者の皆さんの意向、学校のほうからの御意見を踏まえながら、今、本当に議会の皆さんからいただいているような御意見、しっかり踏まえて検討はしていくつもりでございます。

○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) 検討していただけるということなら、積極的な検討を行っていただきたいんですよ。北村議員からもありましたけど、私たちの調査の中でも例に挙げておられる吹田市、共産党の吹田市の議員団に聞き取り調査をさせていただくと、中学校弁当デラックス、子供の嗜好に合ったものを出したら、今まで弁当を持ってきていた層でその弁当に乗りかわってる人がおられて、実際にパン食をしてた子たちはパン食のまま変わっていないなんでいうことも実施状況の中から御報告をいただいたことがあるんです。

 ですからどうせ出すんだったら、私は次善の策として中学校弁当を全員に出せばいいと。そうすれば給食になる。そしたらパン食してる子たちもパン食じゃなくて栄養価のとれる弁当を食べることができるんだったら、それがベストじゃないですかという形で、3月、御提案させていただいたんですけども、そのことについてはどうですか。いや、そうではないんだと、あれによって吹田市はパンを食べてる子供の数が減ってますとかということがあるんですか。私たちの調査では、ほとんど数に変動はないと聞いてるんですが。

○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。
徳田教育長。

○教育長、(徳田耕造岩) 吹田市の例につきまして、最近のデータ、少し手に入れてないところがございますけども、大阪府の例でちょっと説明させていただきたいと思います。

 この9月から大阪府の学校では、128校の中学校のうち45校で選択制の弁当穀食を実施したと、9月から入ったということでございますけども、1食当たり300円ぐらいで、今のところは一月単位で申し込むというような話でございまして、9月当初の、初めて始まったときには14%ぐらいの子供たちがそれを利用したというようなところがございますので、弁当に関して一定程度、我々もそういったことで同じことができるのじゃないなと。

 大阪府が300円で尼崎市が350円ぐらいと、なおかつ栄養バランスも、今回は栄養士を入れて中学生の子供たちの嗜好に合ったようなもの、あるいは弁当箱も新たに購入いたしまして進めていくわけですから、まずはその中学校弁当を、今、試行してるわけですので、それの様子を見させていただきたいというふうに考えております。

○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) いや、質問は、別に今の中学校弁当をとやかく言ってるわけではないんです、注文弁当を。全体に出したち、それが学校給食になってパン食をする子がいなくなるじゃないですかということで御提案させていただいてるんです。私はもともと自校調理の給食にしたらええと思うてますが、それはなかなか難しいかもわかれへんけども、まず今できることからやろうと思ったらできるのに、できないと言われるから言ってるんであって、試算も教育委員会から3月議会のとき出してもらいました。センター方式なら幾らかかる、弁当を全員に出したら何ぼかかると出してもらったら、届かない数字、じゃないと思うからやってほしいと言ってるんだけど、まず御検討いただけるかどうかだけでもお返事いただけますか。

○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。
 徳田教育長。

○教育長(徳田耕造君)先ほどもお話しさせていただきましたけども、今は中学校の弁当を実施しようとしておるわけでございます。これまでやってきた内容をやはり改めまして、改善すべき点を改善して、今から、10月から実施していこうと。中学校3年生で10月の中旬から、もう既に業者も決まりましたので、そこから実施していこうというふ引こ思っておりますので、その動向をまず見きわめる中かち考えていくべきだというふうには考えております。

 以上でございます。

○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) とりあえず全員弁当はやってもらえそうもないんであれなんですけど、動向を見定めるのはいいですけど、前回の弁当の失敗、それから実際のところ、この間新聞報道に出てたのでいくと13%、どういう13%が買ったかということも大きな問題なんですよ。今まで愛情弁当でお母さん頑張ってたけど、お母さん、ちょっといいかな、今月はという子たちが買ったんだとすると、それはそれでまた、じやあ根本的にお弁当を今まで持ってこなかった、これなかった子供たちをどう保障するのかというのは違ってくる。吹田市はそういう例が出てると私たちは聞いてるから全員でやったらどうですかということですから、まず検討するなり何なり、今のやり方でどれだけ、どういうふうになるかを見ていただくのはいいんですけども、早急なる全員に対する給食をやってほしいということを要望しときます。

本当にこのまちに若い世代を呼び込もうとする施策として適当なのか

次に、公共施設の最適化なんですけども、私はだれのための最適化になるんですかと問わせていただきました。本当にこれが最適化なのかどうか。バリアフリー、ユニバーサルデザインの観点も入れて新しい建物は建てるということなんですけども、前回の最適化のときに問題になったことがそのまま今回も問題になってるんですよね。

 支所のほうへ移したら動線が合わなくなるということは、職員組合のほうからはさんざん尼識情報とかで出されていましたし、私たちも動線が合わなくなるだろうということで改造が必要なんじやないか。小田支所なんかについていえば、3階に旧公民館がありますから、エレベーターを外づけでもつければ、その分動線的にも場所的にも広くなるんじやないかと言ったら、これは耐震基準の問題か何かで、設計上の問題でつけられませんというお答えで、動線の悪いまま実施をしてきたということになると思うんですけど、私は今のお話聞いてると、どうしても市役所の都合としか聞こえないんですよ。

 最初に言ったように、これから40年、50年使う施設を建てるんですよね、`まずこれから。建てていくんだったら、40年、50年先の市役所め姿、きのうも荒木議員が少し言われてましたけども、どうしていくのかということをきちんと考えていかなければならないときにその2所で本当にいいのか。

さっき作野局長、私は要求してませんけど、たくさん資料を読んでいただきまして、1所6,000人が適量だと言いましたけど、あと二、三年考えたら2所に分けても7,000人超えますよ、1ヵ所。それがじやあまた適量でないから、それからまた3ヵ所目を建てるんですか。そんなことできないんじやないですか。だったら40年間使う施設、50年間使う施設だから、利用者の立場に立ってどうしていくのかが最適化だということだと思ってるんです。

  健康福祉局長へもう一度お伺いしたいのと、資産統括局長にもお伺いしますけど、今回の統廃合計画で6ヵ所ある地域保健・地域福祉担当の機能強化をする考えはなかったんですか。

 ○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。
  芝資産統括局長。

 ○資産統括局長(芝 俊一君)保健福祉センターにつきましては、高齢化の進行等によりまして今後ますます拡大が予想される保健福祉サービスのニ-ズ、あるいはそれを支えます社会保障制度の多様化、複雑化に対応するために、保健と福祉が緊密に連携をしまして、専門的かつ総合的に各種の相談に応じられる窓口が必要である、こういう認識のもとで、福祉事務所あるいは福祉担当各課、保健センターを再編することによりまして整備をしていこうというものでございます。

  また、施設面では、現在の各支所の老朽化が著しいという状況がございます。ほとんどの施設が乳幼児健診や予防接種の安全・安心な実施という面で構造的に課題を抱えているというような実態がございます。こうしたことから、新たに保健福祉センター内に十分な健診スペースと待合スペースなどを設けることによりまして、こうした課題を解決できるものというふうに考えております。

  しかしながら、本市の極めて厳しい財政状況では、こうした取り組みを6ヵ所で実現するということは、コスト面、あるいは人員体制、こうした面から問題があり、困難でございます。市民に移動などのご負担をお願いしなければなりませんが、最も経済的なコストで効果的な市民サービスが提供できるよう検討を重ねました結果、保健センターは市内2ヵ所に設置しようということにしたものでございます。

 以上でございます。

***********

 ○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) コストという言葉が聞こえてくるんですけども、これ、支所を建てかえるんですよね。支所も建てかえる、そして地区会館と合築をして、どちらかの土地、いろんなパターンが出てましたけども、あいた土地は売ってそのお金で建てようというんだったら、今、動線が合わないからという部分については、改良した建物を建てればいいんじやないですか。

 福祉事務所の問題にしてもそうですけど6ヵ所ある問題点が集約したときの逆になるというんなら、私は福祉事務所そのものを全部戻せるとは思いません。福祉事務所的機能、保健センター的機能を持っていって、管理部門はこっちに置くなら置いてたらいいと思います。今まで過去に総合センターに出張所を設けて、そこにケースワーカーが座ったこともあるし、そこで申請の受け付げをしたこともある。保健師もそこに座ったことがある。

 こんな経験もされてるんですから、コストの問題とか機能集約の問題は、これだけITイヒが進んだ中でできない話じゃないと思うんですよ。

  ましてや、今度支所を建て直していくというんだったら、その支所の中に会議室も要るでしょうし、そして地区館も人るんなら、そしたら今の小田支所でやってるような、健診の日以外はコミュニテイールームとして部屋を使っているとか、そういうことをちゃんと考えて設計をすれば、各支所に保健センターを持っていったって、保健センター的機能を持っていったって、福祉事務所的機能を持っていったって、1階上がるかどうかだけの話じゃないですか。そしたら、言っときますけど、本庁南の第2駐車場につくる建物はそんな背の高いものを建てなくてよくなって、そうすると防災面で問題があるからどう建てるのかをもう一度よく考えてもらったらいいと思うんですけど、6つあって当たり前のものを、なぜ子供たちが不便になる、障害者が不便になることを今やらなければならないというのが大きな問題なんです。

  福祉局長、さっきのお答えはもういいですけど、1つお伺いしますけど、御不便になるということはいろんな委員会で言われてるんですけど、健診は尼崎市のやる保健衛生業務の基本であると私は思ってるんですけど、市民の到達までの時間的な距離は許容範囲とお考えなんですか。

 ○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。
  作野健康福祉局長。

○健康福祉局長(作野靖史君)確かに6ヵ所、今現在は地域により身近なところにそういうサービス拠点がございますので、非常に便利な、利便性の商い施設になってると思います6それが2ヵ所に集約をされるわけでございますので、当然利便性が悪くなるということで、これまでもその部分については、そういう形になるという説明をさせていただいたところです。

 他のこれもまた例を言いますと、大体市域面積が同じところで人口的にも同じような類似団体がございます。

 こういったところもやっぱりいろいろ調べてみますと、2ヵ所ないし3ヵ所の保健センターの設置でやっておられるところもあります。それから、全く同じような面積で1ヵ所しか置いておられないところもございます。それから、複数、例えば7ヵ所ほど設置をされてるような団体もございますけれども、同じような人口で、それでも、そこはやっぱり市域面積が500平方キロを超えて、尼崎市よりも10倍以上の広い市域ということで、そういうたくさんの設置をされてるわけです。

 そういったことを見ますと、他都市でもやっぱり2ないし3ヵ所での実施体制となっておりますので、尼崎市が極端に利便性が悪いというようなことにはならないと、このように思っております。

○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) 総合計画にも書かれていますし、「現状と課題」、資産統括局になる前に、企画にあったときに書かれた文書がありますけど、このときにも少子・高齢化が違んでくるということがさんざん書かれています。そして財政力が大変になるということも書かれてるんですけど、逆に少子・高齢化の中で、さっき売りの問題を少しお話ししましたけど、子育てしやすいまちということを売ろうと思ったときに、150キロある西宮市も2ヵ所ですよと、だからうちも2ヵ所ですよで売りになりますか。

 私はこの問題も、一つは子育て支援をしてきて、遠大な計画を持ってるんです、10年間で若い世代を定着させようとかいう。それでもって、その中で、それから40年間使い続ける支所を再構築、再建設するということの計画の中で、それが本当にこのまちに若い世代を呼び込もうとする施策として適当なのか。それから、もっともっと高齢化が進んでくる、さっきの質問の中では4割なんていう地区も出始めている中で、それが2ヵ所に集約されてくるようなことでいいのかどうか。私は大きな疑問だと思います。

 他のまちでこれでやれてるからやれますではなくて、尼崎のよさをどう出していくのか、おくれてしまっている子育て応援をどうしていくのかと考えたとき、今売れるものをどんどん捨てていくようなやり方はやめたほうがいいんじゃないですか。シティプロモーションの上からもそう私は感じますよ。

 近い、近いと言いもっても、宮ノ北からさんさんタウンのセンターに行くのに、武庫之荘駅まで20分バスに乗っていって、それから10分電車に乗って、それから並んで順番とって、健診終わったらくたくたになって親子どもども帰っていく、こんなこと考えられますよ。違いますか。

 私の住んでいる杭瀬のまちからでも、4時を回ったら、ここにできたセンターから帰るのにJ R尼までしか帰れません。あと乗りかえないといけないんです。それが利慢性は我慢してもらえる範囲なのかどうかということで、私、お聞きしたんですけど、作野局長はそれで利便性は犠牲になっても仕方がない、許してもらえるようだとお考えですか。

○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。
 作野健康福祉局長。

○健康福祉局長(作野靖史君)確かに利便性は悪くなるんですけれども、例えば今、赤ちゃん健診を受けに来られて、また違う日にBCGの予防接種を受けられる、あるいは育児の健康教室みたいなものの受講を別の日にされる、そういった形で、現在事業がいろいろ実施されてる中で、市民の方、利用されてるんですけれども、例えば赤ちゃん健診に来るときに予防接種、BCGも続けて受けれるとか、あるいは健康教室も開催されておればそこにも参加ができる。例えば今まで3回に分けて保健センターのほうへ行ってたのを、1度行くだけで2つできるとか3つできるとか、そういった部分での利便性の確保というのもやっぱり考えていかないとと思っておりますので、他都市で先進的にそういうことをやられてる 自治体もあるように問いておりますので、そういった部分をしうかりと勉強して、できるものは積極的にやっていくという姿勢で、少しでも利便性が確保できるように、こんなふうに取り組んでいきたいと思っております。

以上でございます。

○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) 今あるところで3回行ってい るわけですよ。市長もお子さんをお育てになって、皆さんは市役所でお働きの間に奥さんが健診等々に連れていかれてるのかもわかりませんけども、私も健診に連れていったことあります。とてもじゃないですけど、あわせてもう一つ何かするなんていって、子供がもつわけありませんよ。

 じゃあそういう制度をするんだったら、今度できる新しい施設どちらにも、授乳室は当然あるでしょうけど、託児室をつくって預かってくれる施設をつくるとか、そんなことまで考えてるならわかりまずけど、そこまで何の発表もない中ですから、、当然、子供が疲れてくるとお母さんは安心して勉強なんてしてるわけもないですから、そんなことできるわけないと私は思ってます。

 だから、今6ヵ所あって、お母さんたちは行かれたときには階段怖いとかと言ってますけど、便利と言ってるものをわざわざ遠くに集約する必要があるのかどうか。

 40億も50億もするセンターをつくっていく必要があるのかどうか。それだったら、6ヵ所化することで約7億円程度の負担が増になりますという表を資産統括局のほうからいただいてますけども、それぐらいだったらと言ったら怒られますけども、その負担を考えながらやっていけばいいことじゃないかなと私は思いますので、いろんな努力を考えられるのはいいと思いますけど、6ヵ所化にしていくことをもう一度再考していただきたいとお願いしときます。

  それと窓口業務は必要だというお答えだと思うんです。

 各地域拠点での。何でそれを社協なんですか。社協は下請けですか。そのことは大きな問題だと思うんです。

  それと、私は市役所の職員が現場を知らないととが大きな問題だと思ってますかち、そういうことを外部委託するんだったら、みずからセンターにきちんと職員を配置すればそんなことしなくていいわけですよ。専門的なことも相談がてきて、保健と福社の連携もてきるように福社事務所も6個に戻せば、今の建てかえる施設の中を工夫すればもっと違った形がてきるんじやないてすか。

今ても健診と会議室は共用してます。ならば地区館機能の会議室を少し多目につくるだけて、そんなに大きなコストアップになるとも思わないんてすけど、そのあたりはいかがてしょうか。

 ○議長(安田雄策議員) 芝資産統括局長。

 ○資産統括局長(芝 俊一君)社会福社協議会が決して市の下請機関てあるというふうには考えておりません。

 各支所には、地域コミュニティーを担うというようなことで各社会福社協議会の支部が入っております。そういった職員の方にお願いをして、ご高齢者あるいは障害者の方の窓口業務を取り扱っていただく、そういうことをお願いしようということてございまして、そこにいてる職員の方にそういう業務を担っていただくと、そういう考え方てございます。

  以上てございます。

 ○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) それって下請というんじやないてすか。それてお金が入ってくるから、支部社協は潤うかもしれませんけども。

  それともう一つ、きのう、荒木議員の地域振興センターを6ヵ所残すということは6行政区を残すことかという問いに対して、決してそうてはないというようなお答えをされてるんてすけども、2ヵ所化するということは、この6行政区という考え方を外すために2ヵ所化するんてすか。

 ○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。

○資産統括局長(芝 俊一君) あくまでも保健福社センターは南部と北部の2ヵ所、そちらのほうに設置をしていくと。地域コミュニティーの拠点となる地域振興センター、それと地区会館の複合施設につきましては、従来の既に形成されております6地区を拠点とした6ヵ所にそういう複合施設をつくっていくと、そういう考え方のもとに出した素案てございます。

 以上てございます。

 ○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) 地域コミュニティーはそばになければできなくて、生活弱者、移動弱者については連くまて来てもらってもいいという考え方に聞こえてしまうんてすけど、そういう解釈でいいんてすね。

○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。
  芝資産統括局長。

○資産統括局長(芝 俊一君) 決してそういうことてはございません。地域コミュニティーというものは既に形成されております。こういったものにつきましては、従前どおり6ヵ所設置をしていこうと、拠点施設につきましては6ヵ所を整備していこうと。

  保健福社につきましては、よりサービスの向上を目指して保健と福社の連携、そういったことを先はどから健康福社局長が申し上げておりますように、サービスの充実、そういったものも図っていかなければならない。今の福社事務所1ヵ所体制ては非常に手狭になってきてる、そういったものを2ヵ所化して、そこに保健の窓口もつけて、サービスをさらに充実していこうと、そういう発想から2ヵ所化していこうというようにお示しをしているものてございます。

  以上てす。

○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川進議員)福社や介護の担い手を民間事業者が担ってくれるようになったということもあると思うんてす。それから、市の出してこられる文書の中にも6をベースに考えた事業というのがいっぱいありますね。

 大島の裁判の中て明らかになった公立保育所の配置は9つにしたいのを、今はこども青少年局になってますけども、保育部のほうが出されたことがあります。これも1行政区に1つ、北部の大きな子供の多いところを2ヵ所にして9つというごとてす。

  それから、説明文章の中にもありますし、従前から説明に使っておられる民生委員さん、児童委員さん、これも6つの支部に分かれて運動されています。その方々にも担ってもらうんてしょう。地域包括も同じように6つの地域の中に幾つかずつ配置をするという形をとっておられて、そのコーディネートは市役所てやると、2ヵ所てやるということなんてすけど、今6つの地域が拠点となっていろいろな事業もやられてますし、福社の事業もそうやってやられてる中て、どうして市役所だけが2カ所に引きとってやってしまうんてすか。なぜ6ヵ所に十分散していくという考え方をとらないんてすか。

  ということは、やっぱり地域振興センターは残すけれども、地域という考え方はとらないて、全市1つという考え方をとられるとするなら、この組織の最適化を考えられる前に、「尼崎は1つの町てすから、コンパクトなまちてすから、地域を解体します。6支所を解体してやっていきますが、どうてすか」ということをまず市民に問われることが必要になってくるんじゃないてすか。

  いやいや、振興センターて社協さんとだけは仲良く地域てやりますよというお話にしかならないんて、私、こういう聞き方するんてすけど、そうじゃなくて、これから少子・高齢化が進む中て、市民に身近な窓口にちゃんと市の職員がいる、民生児童委員さんとも補導委員さんともちゃんと地域てお話がてきて、地域を見ながら物事がてきる。社協の方に地域のことを知ってもらうことも必要かもわかりませんけども、同じこどを市の職員がしっかり知っておる、そういう体制をつくっていくことがこれからの地方自治の中で必要になってくると私は思っていますけども、芝さんはいかがなんですか。

 ○議長(安田雄策議員) 答弁を求めます。
  芝資産統括局長。

 ○資産統括局長(芝 俊一君) 先ほどから申し上げておりますように、保健福祉センターを6所化するというような議員の御提案でございますが、先ほど健康福祉局長が申し上げましたように、人材の面もございます。あるいはコストの面もございます。そういったことを総合的に勘案いたしまして、2所化が最適であるというような考え方をお示ししております。

  また、それとは別に、地域コミュニティーにつきましては、既に形成されているというようなことから、現在の6ヵ所、それを複合化して整備をしていこうというような考え方でございます。

  以上でございます。

 ○議長(安田雄策議員) 早川進議員。

○(早川 進議員) 時間が余りないんであれなんですけど、6つあったのを1つにしたのは役所の都合でしたんですよ。使いにくい施設に保健センター機能を持ち込んだのも、最終的には市役所さんがそれでいくと決めてやったことなんです。

 6つにしてあったものを1つにして、そのとき置いてきた地域振興センターは根づいてるから。

 じゃ、もともとあったのを1つにしたのはおかしいという結論が出てるのに、それをもとに戻すのは、いや、違うんだというのは、私には詭弁にしか聞こえません。

  それから、人件費、コストの問題はあると思うんですけど、私は、市役所の仕事は何なのか最初にお話をさせていただきましたけども、市役所の仕事はすべての人が公平に生きる権利を守っていくとするならば、市役所の職員がコーディネーターであってはだめだと思っています。市役所の職員は、積極的に住民の人権を守っていく、生きる権利を守っていくために、マドヘ出ていく人、そういう人がたくさんいたほうがいいと思ってます。

  ですから、さっきの質問の中で3級が、4級がという話がありましたけども、そんな問題ではなくて、どれだけ市民の中に入って、市民の方々が福祉の利用、保健の利用ができる、そんな市役所になるのかというのがこれからの地方分権の中で必要な施策だと思ってます。そのことを私は絶えずこれからも言い続けたいと思いますし、市役所はコーディネーターではなくて、市役所は市民の命を公平に守るとりでであってほしいということを願って、私のすべての質問を終わらせていただきます。(拍手)

 ○議長(安田雄策議員) 早川進議員の質問は終わりました。早川進議員は自席にお戻りください。

2012年9月議会一般質問 田村征雄:市立幼稚園の統廃合問題

2012年9月議会 一般質問

2012年9月13日 日本共産党議員団 田村征雄

<登壇1>

<市立幼稚園の統廃合問題について>

まず、資料を配布させていただいております、市立幼稚園の統廃合問題について伺っていきます。

教育委員会は、昨年5月に「市立幼稚園教育振興プログラム素案」を発表し、市立幼稚園教育の6つの柱を提示しました。

6つの柱そのものについては、保護者市民の方々からは、おおむね賛同の意見があったと思いますが、18園のうち9園を廃止することについては、7園の保護者らから、園の存続を求める陳情が議会に提出されました。

陳情審議の中で、保護者の方々の意見陳述や議員からの意見では
○通園距離が1.5kmと就学前の児童が小学生よりも遠距離の通園になること
○住んでいる小学校区にある幼稚園の前を通り過ぎて、他の小学校区の幼稚園に通園させ不合理なことがおきること
○子育て支援の拠点は、地域に密着していることがベストであること
○現役世代の定住、転入を促進し、子育て世代を増やして行こうという、今後のまちづくりの方向性に逆行していること
○何よりも、保護者や住民の理解と合意が得られていないこと
などの意見があり、そして地域の幼稚園を残していただくことが最大のメリットだとの意見陳述は今も覚えています。

また、昨年12月の文教委員会では「保護者や市民の意見を十分に聞いたうえで、幼稚園教育振興プログラム素案を見直すこと」と意見をまとめました。

こうした議論を受けて、今年6月議会の直前に、教育委員会が素案の見直し案を発表しましたが、素案で示した9園の廃止を、博愛、梅園、富松、武庫南、武庫庄の5園は廃止し、大庄、立花東、武庫北、園和の4園は暫定存続という案に見なおすというものでした。

暫定存続というのは、暫定園と近接した地域の2園または3園の入園応募者数が、合計の定員数を2年続けて割り込んだら、その暫定園を廃止にするものです。

つまり見直し案は、もとの素案通り最終的には9園を廃止すると記載しています。

この見直し案で、教育委員会が各幼稚園保護者らと地域で説明会を実施してきました。

ほとんどの園で、保護者会の役員が交代している事情もあり、見直し案の受け止め方は、園和幼稚園のように暫定存続に対してすら強い反対の園もあれば、参加者自体が少なく、強い反対の意見がなかったところもあったように聞いています。

その結果、素案、その次に素案の見直し案としてきたものを、教育委員会は、案をはずした「尼崎市立幼稚園教育振興ブログラム」として、8月に公表しました。

見直し案から、案をはずしたプログラムの決定まで2か月の早業でした。

①まず、質問します。

「尼崎市立幼稚園教育振興ブログラム」は、議会で議決しておらず、教育委員会内部で決定したものだと理解しますが、いかがですか。答弁願います。

このプログラムにもとづいて、教育委員会は、8月23日の教育委員会議で、「9月議会に5園の廃止条例を提案する」と決めたとのことであります。

②そこで質問します。

見直し案で廃止を予定していた5園の保護者説明、地域説明では、9月議会に廃止条例を提案することは確定していると説明していたのかどうか、ご答弁願います。

次に、私から幼稚園担当に、9月議会に、廃止条例を提案するのかどうか、8月の後半に数回にわたり、確認していましたが、「まだ分からない」というばかりでした。

地域の市立幼稚園で幼児教育をと考えている保護者や地域のまちづくりなどに影響が出る問題であり、廃止の計画があったとしても、その計画はどのように進んでいくのかという段階と違い、実際に廃止条例が提案されて議決された場合は、あと戻りできない事態となります。

それだけに、保護者や地域の住民に説明するだけでなく、説明会でだされた意見を踏まえて、理解と合意が得られたのかどうかを十分に検討し、理解と合意が得られていないのであれば、該当する幼稚園の廃止を条例提案するのは差し控えて、さらに理解と合意を得る努力を積み重ねていくことが、行政のあるべき姿ではないかと考えます。

③そこで質問します。

この議会に、廃止対象の富松、武庫庄、博愛の三園の保護者などから、存続を求める陳情が提出されていますが、教育委員会はこれら三園の廃止について理解も合意も得られたと判断していたのかどうか、これらの陳情が提出されたことをどのように受け止めているのか、答弁願います。

④さらに質問します。

園和幼稚園の保護者説明会でも、園田地区会館での地域説明会でも、園和幼稚園は暫定園ではなく、存続園にして欲しいとの強い意見があったと考えますが、いかがですか?

答弁願います。

次に、資料ナンバー1をご覧願います。

私立幼稚園就園奨励補助金の市外の支給人数と金額の実績ですが、一番右はしの小さな欄は、24年度の申請人数です。

つまり、尼崎市外の私立幼稚園に、尼崎市民の園児が入園して申請すれば、市が補助金をだします。保護者の口座に入りますが、幼稚園の保育料として、市外の私立園に払い込まれるものです。

保護者のつながりがある園とか、特別の幼児保育に魅力を感じて入園させているとか、2人、3人まで程度ならそういうことはあるでしょう。

平成24年度の申請人数ですが、10番目の豊中市の「こうづしま幼稚園」の69人は突出しています。同じく11番目の豊中市の庄本幼稚園の23人とあわせると92人も豊中市の私立幼稚園にお世話になるのです。

⑤そこで、質問します。

⑤-1 就学前教育を希望する尼崎の子どもたちは、市立であれ、私立であれ、本来、尼崎の幼稚園で幼児教育をうけるのが望ましいと考えますが、いかがですか?

⑤-2 次に認定されれば計92人もの児童が豊中市の私立幼稚園に通園している実態をなぜとお考えか、どのように受けとめているのか? あわせて答弁願います。

次に、特設学級の件です。

プログラムでは、市立幼稚園では、好奇心が旺盛な幼児期に、自ら進んで遊びながら知識や技術を獲得する、あるいは遊びの中で他の幼児たちと関わり合うことで、ルールや他人を思いやる心を見につけるといった「遊びを通した学び」を大切にしている、としています。

近年、少子化、核家族化、自然や遊び場の減少、人間関係の希薄化など子どもたちをとりまく社会が大きく変化しているとし、国も幼児教育を重視する方向を示しています。

しかしながら、子どもの変化という面では従来と比べ、自制心や耐性、規範意識が十分に育ってない、あるいは運動能力が低い園児や発達障害を持つ園児が増加傾向にあるといえるなどとプログラムの趣旨で指摘しています。

その上で、プログラムの特設学級の項では、市内で、特設学級への入園希望や、特別な支援を必要とするか否かの判断が難しい園児が増加傾向にある、と指摘しています。

いわゆる発達障害は、ADHD、アスペルガー症候群、LDであり、これらに該当する園児が増える傾向といっています。

⑥そこで質問します。

⑥-1 発達障害の園児をもつ保護者の状況ですが、これらの園児は見た目には他の園児と変わらない場合があり、保護者からすれば、この障害が社会的に認知されていないためもあり、我が子が発達障害だとは受けいれられない、あるいは分っていても内緒にしたがる、そして他の保護者から「子育てのせい」といわれたりして、保護者の心理的負担が大きいという状況があると理解していますが、いかがですか?

⑥-2 さらに、同じような子どもたちをもつ親が、互いに子育ての悩みを交流したり、経験を交流する場があることは、親を孤立させず、親も子どもも、みんなで見まもり、励まし合う大切なことだと理解していますが、いかがですか? あわせて答弁願います。

次に、園和幼稚園の特設学級に通園していた子どもと保護者の方々の取組です。

園田東中学校の東側道路に面して園和幼稚園があります。また、園田東中学校の西側、約200mの位置に、園和小学校があります。

園和幼稚園の特設学級を卒園した児童が園和小、園田東中へと進学していく中で、園和幼稚園、園和小、園田東中の保護者らの連携は、これまで5年近い実績があり、発達障害(グレーゾーン)の子どもの親の会がつくられ、さまざまな取り組みを進めてきました。

親の会は園和小のクラブハウスを借りて、30人の会員が、会員でない親たちの相談にのり、月1回の集まり、月に1回、通信としてニュースを配布するなど先進的な取り組みを進めています。このような活動をしいるのは、市内でただ1か所だと聞いています。

⑦そこで質問します。

園和幼稚園の特設学級をスタートとして、園和小や園田東中学校も交えて、親の会が活発な活動をしていることを教育委員会は知っていたのでしょうか?

知っているのなら、いつからどのように掌握していたのか、どのように評価しているのか、答弁願います。

第一問を終わります。 <以上 第一問 終り>

教育長答弁①

 市立幼稚園教育振興プログラムは、市内の幼児人口の減少や、子どもたちをめぐる教育環境の変化を踏まえ、幼稚園教育を充実するために、市立幼稚園の運営形態の中で効果的でない部分を見直し、充当していこうとする教育委員会が策定した行政計画でございます

 この計圃は、昨年末の文教委員会でいただいたご意見を踏まえ、約1年間に及ぶ意見交換会など保護者をはじめ地域の方々の様々なご意見にも丁寧に対応を行う中で、内容を修正し、正案化したものでございます。

  (議会で議決したものでない/田村)

教育長答弁②

保護者説明会や地域説明会の開催時期におきまして、例改正議案を提出する時期が未確定でありましたことから、早ければ9月議会に提案すると、説明してきたところでございます。

教育長答弁③

 見直し案の策定について約1年間に及ぶ保護者の皆様等との意見交換に引き続き、プログラム(案)を公表した後も、保護者の皆様、地域の未就園児を抱える保護者の皆様のご理解が得られるよう、全市立幼稚園及び地域での説明会を開催してまいりました。

 また、個別に意見交換を求められた保護者の方々とも意見交換を重ね、ご理解いただくよう努めてまいりました。

そうしたなかで、お聴きいたしましたご意見を踏まえ、教育委員会といたしましても暫定的に存続する幼稚園を設定し、入園応募者が特定の園に集中しないように配慮する、また、就学前の子どもを抱えておられる保護者の皆様に十分、周知を行う期間を設けるため、実施時期を2年遅らせるなど修正を加えたプログラム(案)を策定し、改めて保護者をはじめ地域の方々向けの説明会を開催するなどT寧な対応に努めたところでございます。

 今回、3件の陳情をお受けするなど、廃止となる幼稚園周辺にお住まいのすべての方々の理解を得られたものではございませんが、これまで時間をかけてご意見をお聴きし、内容を見直してきた経過もございますことから、現在の市立幼稚園が抱える課題を早期に解消し、幼稚園教育をより充実させていくために、今回、プログラムに基づき、廃止条例を提案させていただいたものでございます。

教育長答弁④

 園和幼稚園の保護者説明会及び園田地区会館での地域説明会におきまして、園和幼稚園を暫定的に存続させるのではなく、恒久的に存続させてほしいというご意見を複数の方からいただいたところでございます。

教育長答弁⑤-1

子ども達の成長のなかでは、就学前教育は大変重要なものと考えております。

市内にお住まいの子ども達には、市内の幼稚園で就学前教育を受付ていただ<方が望ましい面もあると考えておりますが、幼稚園は義務教育ではな<、また通園区域を定めていないため、各ご家庭が、お子様の就学前教育を十分に検討され、利便性なども考盧された上で入園先の幼稚園を決定されているものと考えております。

 したがいまして、いずれの幼稚園で就学前教育を受けるかにつきましては、保護者の選択肢の一つであると考えております。 

教育長答弁⑤-2

 各ご家庭が、お子様の就学前教育を十分に検討されたうえで、利便性なども考慮されて、入園先の幼稚園を決定されているものでございますことから、いずれの幼稚園で就学前教育を受けられるかにつきましては保護者の選択肢のーつであると考えております。

教育長答弁⑥-1

発達障害は、乳幼児期にわかる場合が少な<、保護者は障害であることに気づきにくいことがあります。

 そのため・発達障害であると診断された保護者は、子どもの障害を客観的に理解できずに戸惑うことも多<、対処の仕方がわからない、周囲の理解が得られないなど、様々な不安や葛藤を感じながら子育てをされておられます。

 このような面で、心理的に大きな負担を感じている保護者がおられると認識しております。

 このことに対応するため、各幼稚園におきましては、園長が中心になって、保護者の心理的負担の軽減を図るよう、子育て等の相談にのっているところでございます。

教育長答弁⑥-2

 発達障害等がある園児をもつ保護者が互いに悩みや経験を交流できる場があることは、保護者の心理的負担を軽減する上でも大切なことであると理解しております。

教育長答弁⑦

園和小学校や園田東中学校のある地域において、発達障害のお子様を持つ親の会があることは承知いたしておりましたが、園和幼稚園の保護者も関わりがあることを知りましたのは、プログラム(素案)の公表後でございます。

 親の会の皆様の活動につきましては、地域活動の1つとして、心強<感じております。

教育委員会といたしましては、今回のプログラムの実施により、全園に特設学級を設置するとともに、養護教諭の配置を通して、市内全体の子ども達の発達に関する専門機能の強化を図ってまいりたいと考えております。

<登壇2>

市立幼稚園の統廃合問題で2問目に入ります。

暫定園と存続園をグループとして、応募数が定員の合計を上回るか下回るかを、暫定園の廃止の判断基準にしている問題について、園和幼稚園と園和北幼稚園のケースで、問題提起してみます。

まず、配布している資料ナンバー2をご覧いただきます。

平成24年5月現在の住民基本台帳による、小学校区別、就学前の年齢別人口です。
右端欄外に、私が計算した、1歳平均の人数を手書きしています。

38番目の園和は0歳から5才児まで909人、1歳平均で152人です。
39番目の園和北は同じく、772人、1歳平均で129人です。

この人口の数字はこのままで推移せず、一定の転入、転居があり得ますが、人口の傾向として大きくは変わらないと考えます。

絶対数としては、園和の方が、園和北より就学前の人口が多いのです。この人数がすべて幼稚園に行くものではなく、保育所に行く子もあれば、家庭保育の子もあるでしょう。

しかしほぼ同じ比率の傾向で市立幼稚園に応募すると考えていいでしょう。

次に資料ナンバー3をご覧願います。


平成21年度から24年度まで4年間の幼稚園別の定員、園児数、応募者数の実績です。
4歳児の最近4年間の応募数は、園和で定員30人に対して、37人、35人、38人、41人と35人を上廻っています。
園和北は、同じく定員30人に対して、38人、30人、32人、29人と、ここ3年間は30人に近いか、やや下回る傾向ですが。今のところいずれも両園を足せば優に60人を超えているので、園和の暫定は当面、存続されるでしょう。
ところが今後、園和が36人、35人であっても、園和北が23人、24人になった場合、両園で足しても60人を下回り、幼稚園教育振興プログラムの基準では、応募数の多い方の園和が廃止されてしまうことになるのです。
園和は園田駅に近く生活に便利のため、園和のほうが人口も応募数が多い傾向は続くと思われます。

⑧そこで質問します。

園和と園和北をひとつのグループにして、応募数が両園の定員を2年続けて下回れば、多い方の暫定園の園和を廃止し、一方、定員を大幅に割り込んでも存続園の園和北はずっと存続されることになるとしています。園和と園和北との事例ですが、「プログラム」の暫定園の存廃の基準は合理性に欠けると考えられますが、なぜ合理的な説明ができない基準をもとに存続園、暫定園という区分けをしたのか、答弁願います。

園和と園和北を例示して質問しましたが、他の園でも、同様なケースがある可能性があります。

次に、これまでの説明会などの説明で、園和と園和北のどちらかを残すとすれば、耐震基準に適合している園和北を残すという考え方を教育委員会が説明してきていました。

しかし、園和北の応募数が仮に25人前後に減ってきた場合、耐震化されていないことだけをもって応募数の多い園和を廃止することには、保護者、住民の方々の理解と合意は得られないと私は確信します。

本来、阪神淡路大震災のあとただちに耐震化工事を実施しておくべきだったのです。

時間の関係で1問をとばして、次に行きます。

さて、東園田地区から豊中市の私立幼稚園になぜこんなに多くの児童がお世話になっているのか、であります。

資料ナンバー4をご覧願います。

こうづしま幼稚園に通園しているのは、東園田町、椎堂、つまり猪名川、藻川に囲まれた東園田地区ばかりです。庄本幼稚園もほぼ同様です。

東園田地区には、市立の園和、園和北の2園がありますが、私立幼稚園はありません。

…次から私が紹介することが質問になります。…

92人もの児童が、豊中の私立幼稚園に通園しているのは、
第一に、東園田地区に幼稚園が少ないこと
第二に、市立幼稚園の4歳児定員が少ないからです。

そして、園和の保護者の方々から聞いたことですが、4歳児の定員が30人しかなく、申し込んでくじ引きになったら、はずれるかも知れない、そうすると市立幼稚園に入園させたいと思うと5才児保育からしか入れなくなる、一方、豊中市の私立幼稚園なら、3歳児から申し込めば、ほとんど全員が入園できる、と言っているのです。

保護者の方々の個人的好みだけで豊中の私立に通園させているわけではないのです。

子どものために確実に2年保育、または3年保育ができる幼稚園に入れさせたいという、切実な願いが背景にあるのです。

4歳児の春を泣かせたくないということなのです。

⑨以上述べたことについて質問します。

豊中市の私立幼稚園に東園田地区の多くの児童が通園している理由として、東園田地区に幼稚園が少ないこと、東園田地区の市立幼稚園2園の4歳児定員が少ないことのほか、確実に2年保育、3年保育の幼稚園に入園させたいという保護者の願いがある、という意見は、もっともだと考えますが、いかがですか?

⑩次に、通告してありませんが、浜田委員長に簡単な質問をさせていただきます。

今日、私が配布している資料のうち、市外の私立幼稚園に通園している実態を示す資料1と資料4の2点について、市立幼稚園教育振興プログラムを審議している教育委員の会議、浜田委員長が運営している会議に提出されたことがありますか。

イエスかノーの質問ですが、ご答弁願います。

 

次に、特設学級の設置の問題です。

東園田地域で障害者の方々が生き生きと生活している状況を紹介します。
園田地域には障害者の作業所が比較的多くあります。駅前の商店街通りには、飲食店、物販店、喫茶店も出ています。
そして何よりも、園田カーニバル、水辺まつり、あるいは独自のイベントなどで、高校生から成人の障害者もハンディをもった子どもたちと交流している、それが当たり前になっており、地域に密着していきいきと暮らしています。

その原点は、園和幼稚園の特設学級からのスタートです。

教育委員会のプログラムでは、存続園は9園すべてに特設学級を設置し、暫定園は暫定期間が始まる平成28年度から、特設学級を一律に廃止するというものですが、東園田地域で築いてきた、子どもから大人までの障害者ネットワークを原点から壊してしまうではないかと、地域の住民が怒りの声を上げています。

⑪そこで質問します。

⑪-1 園田地域には、子どもから大人まで障害者のネットワークがあり、自主的にさまざまな活動に取り組んでいることを、教育委員会はいつから知っていますか?

⑪-2 このネットワークをまもり、発展させていくことについてどのようにお考えですか?

あわせて答弁願います。

以上で第2問を終わります。<以上 第2問終わり>

教育長答弁⑧

プログラム(素案)では、市立幼稚園の存廃について、個々の幼稚園の応募状況に配慮するものではな<、入園応募者数に見合った定員を確保することを前提に、園数を9園に集約することとし、市内全体のバランスや、保育室数、徒歩通園圈内の応募者数ができるだけ多くなるなどの客観的な基準をもって選定いたしました。

 しかしながら、素案の公表後、保護者の皆様から、市立幼稚園の集約によって、特定の園に入園希望者が集中するとのご意見をいただいたことから、入園希望者が集中する間は近隣の園を暫定的に存続させようとしたものでございます。

 具体的に、園和北幼稚園と園和幼稚園では、徒歩通園圈内の入園応募者数で大きな差はございませんでしたが、敷地面積が園和北幼稚園の方が広いことや、園和北幼稚園の園舎が新耐震基準であるのに対し、園和幼稚園の耐震補強工事は、園舎の南側の園庭に園舎を支える壁を設置することになるなど大がかりになる可能性が高いことから、園和北幼稚園を存続する園、園和幼稚園を廃止予定園と位置づけたものでございます。

教育長答弁⑨

保護者の中には、議員ご指摘のご意見をお持ちの方もおられると思います。しかしながら、豊中市に近い園田地区の応募状況を見ますと、園和幼稚園におきましては、抽選により入園者を決定させていただいたため、残念ながら抽選に漏れた方もおられますが、他の幼稚園の入園状況等をご案内させていただいているところでございます。さらに、今回のブログラムでは、市内全体では、幼児数が減少傾向にあり、どの地区においても定員を維持または削減している中で、園田地区に限りましては、過去の地区全体の応募倍率等を見て、定員を増やすなど配慮をしているところでございます。

教育長答弁⑪-1

 東園田地域、特に園和小学校区を中心に、ハンディの有無に関わらず、相互に理解し尊重し合う中で、安心して暮らすことのできる地域を築こうと、以前から活動されてきたことを存じております。

教育長答弁⑪-2

 議員ご指摘のように、東園田地域における、このネットワークを園和小学校のみならず、園和北小学校区へも広げていただきたいと考えているところでございます。

障害者の方々との活動の原点は、園和幼稚園からスタートするとのことですが、園和幼稚園の特設学級の在園児のうち、園和小学校区内のお子様は、平成22年度3人、平成23年度1人、平成24年度O人でございます。

 また、特設学級を移設すると、これまで育ててこられた障害者ネットワークの活動に影響を与えるとのことでございますが、市内全幼稚園で均等に質を高めていくためにも、特設学級の園を増やしてまいりたいと考えているところでございます。

⑩濱田教育委員長答弁

見たことはありますが、教育委員の会議で配布はされていません。(趣旨)

<登壇3>

答弁がありましたが、第3問で問題提起したいと思います。

幼稚園教育の振興と銘打ったプログラムですが、

特設学級の件では、東園田地区では、発達障害の子どもたちが生き生きできるように、幼稚園、小学校、中学校の「親の会」が連携して支えています。

また、地域には活発に活動している福祉のコミュニティがつくられており、ハンディをもっている方々と共に生きる、そういうまちづくりに貢献し、行政との直接的な関わりはなく、まさに住民自治の一翼を担っているのです。

こういう活動が、全市的に広がるようにしていく上で、園和幼稚園の存続は大きな意味があります。他都市から視察にきてもらっていいような先進例を作っているのです。

親の会のみなさんが行ったききとり調査では、たとえば、今まで園和小学校の校区の園和幼稚園児が、園和北小学校の校区にある、園和北幼稚園に通園した場合、園和北の親の会の活動に参加しますか?という問いかけには、全員が「ノー」と答えたとのことです。

その理由は、学校内のことがほとんどなので、複数学校にまたがった場合、話ができなくなる、人数が多すぎると参加しにくくなる、学校ごとに行事も先生も違うので、参考にしづらい、などの意見がでているようです。

こういうことを十分に検討する必要があります。

次に、市立幼稚園の存廃の問題ですが

第一に、現役世代の定住、転入の促進というまちづくりの視点から、身近な子育て支援の場所としての市立幼稚園を住民合意もないままに、廃止していいのかどうか、当局の説明に対して、保護者らの理解、合意がどうであったのか、が問われます。

文教委員会で、陳情審議が行われるので、委員会で議論していきたいと考えます。

第二に、東園田地区では、4歳児の定員が絶体的に不足しています。

豊中市に90人もの児童が幼児教育の世話になっている現状に目を向けないで、尼崎の幼児教育の振興、充実といえるのでしょうか。

第三に、豊中市に世話になっている実態の資料が、教育委員の会議に提出されたことがないとのことでしたが、それで尼崎の幼稚園教育の振興を客観的に検討したことになるのでしょうか。

稲村市長の政治姿勢として、都市の体質転換、現役世代の定住、転入の促進との関係で、市長に質問していきます。

豊中市の私立保育園に90人もの尼崎のこどもたちがお世話になっている件です。

昨年、園和幼稚園の存続の会は、存続を求める陳情に添えて、12000筆を超える署名が提出されました。東園田地区では、豊中の私立に通園させている保護者達も含めて、町ぐるみの運動になっているのです。

保護者の皆さんが好きで選択しているのではなく、園和、園和北の4歳児定員が少ないためもあって選択せざるを得ないのです、4歳児の春を泣かせない、という保護者の気持ちが、そういう実態をもたらしていることをどう考えたらいいのかであります。

また、就学前のこどもたちですから、いくら通園バスがあっても、例えば、東園田地区から武庫之荘の私立幼稚園に30分かけて通園しようとはなりにくいでしょう。

その園で行事がある時も、保護者の方々にとって、武庫之荘までは行きにくい、しかし、猪名川を渡れば自転車で10分程度で行ける、豊中市の幼稚園なら近いから行ける、こういう地域的、地理的条件のために、豊中市にお世話にならざるを得ないのです。

こうづしま幼稚園をインターネットで検索すると、就園奨励補助金のほかに、豊中市の独自の助成金があると書いてありました。

この質問にあたって、こうづしま幼稚園の園長さんに電話してみました。

東園田からお世話になっています、と前ぶれして、豊中市の独自の助成金は、尼崎市民で通園している方々にも支給されるのかと、豊中市民だけの補助です、という答えでした。

こういうこともあるのです。

市民の選択です。という教育委員会のような答弁をしていると、豊中で世話になっている尼崎市民が、豊中市に引っ越そうかということになることも考えられます。

稲村市長にお聞きします。

幼稚園も少ない、4歳児の定員も少ない、そして川に囲まれている東園田地区という、地理的地域的条件のところで、幼児教育で尼崎の子が90人も豊中市のお世話になっている、こういう実態に対して、子育て世代の定住のためにも、市として、なんらかの対応が必要だと考えますが、いかがですか、ご答弁願います。

豊中市にお世話にならなくてもいいように、東園田地区の実態を改善してこその、尼崎の幼稚園教育の振興、充実ではないでしょうか。

コンパスで円を描いて残す9園を決めました、といってきましたが、園和北とあわせ、園和の両園を存続園にすべきであります。

教育委員会は「9園削減ありき」という発想にとらわれ、柔軟な対応ができないのです。

教育委員会は地域の保護者らの意見に誠実に対応していただきたいと思います。

豊中市の私立幼稚園に90人もの子どもたちが通園している問題で、市長の答弁これからですが、教育長の答弁、見解が妥当か、私の意見、考えが妥当か、議員の皆様にもよく考えていただくようお願いしまして私の質問を終わります。

ありがとうございました。

⑪稲村市長の答弁

 田村議員からの園和幼稚園、園和北幼稚園に関する質問です。
先ほど来、豊中市の私立幼稚園に尼崎市から通園させている保護者が非常に多い、という
ご指摘ですが、議員の質問の中にもありましたように、市の境目に位置する地域であり、豊中市が近くにあって、それが選択されていることをもって、尼崎市の定数を考えることにはならないとは思います。

 就学援助の尼崎市の制度も当然、豊中市の幼稚園に通っている保護者にも対象になるので、そこが大きな問題になるとは思っていません。
 ただし、さきほどおっしゃっていたように、園田は定員をわりこんでいるわけではないことは十分に承知しております。
このたび修正させていただいたプログラムにおいて、保護者の皆さんのそういった、より近い尼崎の公立に通わせたいという気持ちに充分そぐえるように、今後の推移を見ながら丁寧な対応をしていきたいと思っています。以上です。

(終)

2012年9月議会一般質問 田村征雄:河川堤防の液状化耐震調査について

2012年9月13日 日本共産党議員団 田村征雄

<河川堤防の液状化耐震調査について>

 次に、津波防災対策について伺います。

 東日本大震災からちょうど1年6か月に達したところです。いまなお、2814人が行方不明であり、34万人が避難されたままです。
これまで、防潮堤のことや避難誘導のことを取り上げてきましたが、今回は、河川堤防対策です。

 8月29日に、内閣府が、「南海トラフ」を震源とするマグニチュード9.1の巨大地震が起きた場合、最悪で32万3千人が犠牲になるとの、新たな地震の被害想定を発表しました。

尼崎に到達する津波高は5メートルとされました。

 全体で、従来の犠牲者数を13倍も上回る想定をしたのは、グニチュード9クラスの巨大地震を「想定外」として備えを欠き、甚大な被害を生んだ東日本大震災の反省を踏まえたためです。
 注目すべきは被害想定の大きさではなく、手だてを尽くせば被害を少なくできることを明確にしていることです。
 つねに「最悪」を想定し、「命を守ることを最優先」にすることを防災の鉄則にすべきです。国、地方自治体、住民のレベルで、地域の状況をつかみ、避難体制の整備などを点検し、改善する日常的な取り組みが急がれます。

 さて、尼崎は、市域の大半が海抜ゼロメートル地域であり、地盤の状況から、液状化の被害が懸念されます。

 東日本大震災では、東北地方から関東地方の広範囲にわたり、2000箇所の堤防が損壊しました。
 過去の地震による堤防の被害と比較して、範囲も規模も甚大であり、河川堤防の耐震性確保の必要性や、そのあり方を見直す必要があります。
 財団法人・国土技術研究センターが、昨年5月に、国土交通省の委員も含めた専門家による「河川堤防耐震対策緊急検討委員会」を立ち上げ、4か月後の昨年9月に「報告書」をまとめました。
 報告書は、東日本大震災の揺れが、大きな振動が長時間続いたことから、「被災した堤防」の「大規模な変形(沈下、のり面の崩れ、亀裂等)の原因は液状化であった」と結論づけ、「従来から被害の形態として想定されていた基礎地盤の液状化を原因とするものが多数発生した他、これまで地震による堤防の被災として主眼が置かれていなかった堤体の液状化による被災が多数発生した」と指摘しています。
 つまり、これまでになかった堤防そのものが液状化して、壊れてしまったというのです。
 武庫川、猪名川、藻川の堤防も、土で出来ている堤防です。地震で堤防が壊れたところに、津波が来たり、集中豪雨による増水があったりでは、尼崎の町はひとたまりもありません。
 報告書では、堤体の液状化を対象として耐震性能照査を行う必要性を指摘しています。

⑧そこで質問します。

 武庫川、猪名川、藻川の堤防について、国および県は、堤防本体の液状化を対象とした耐震性能調査をしているのでしょうか。まだであれば、国、県に調査を求めるべきではありませんか。答弁願います。

<都市整備局長答弁>

 財団法人国土技術研究センターが、東日本大震災を踏まえた今後の河川堤防の耐震対策の進め方について、昨年9月にまとめた報告書では、これまでの基礎地盤の液状化による沈下変形に加え、今後は、堤防本体の液状化による沈下、変形も耐震性能調査の対象に含める必要があるとしております。
 この報告書を受け、今年2月に、国土交通省が「河川堤防の耐震点検マニュアル」を改定し、その中で、堤防本体の液状化に対する点検について実施していくことを明記しております。
 お尋ねの尼崎市域の武庫川、猪名川、藻川の堤防につきましては、国及び県が、この耐震点検マニュアルに基づき、堤防本体の液状化も含めた耐震点検を、現在、行っているところであり、点検の結果によって、今後、必要な対策について、検討していくと伺っております。

2012年9月議会一般質問 広瀬さなえ:教師の多忙、いじめ根絶、35人以下学級の実現

2012年9月議会 一般質問

2012年9月13日 日本共産党議員団 広瀬さなえ

日本共産党議員団の広瀬さなえです。
教師の多忙問題について、いじめ問題根絶と中学校3年生までの35人以下学級の実現について質問します。

尼崎市の小学校教諭の過重労働が認定された裁判をご存じですか?
尼崎市の小学校教諭が地方公務員災害補償基金を相手にたたかい、公務災害認定を求める裁判に勝利したのです。

原告は、2004年3月16日5校時終了後、突然気分が悪くなり救急車で病院へ運ばれ、くも膜下出血と診断されました。緊急に手術をうけましたが、脳梗塞後遺症による四肢麻痺などの障害がのこり、今も病院で療養生活を送っています。原告は、当時、6年生の学級担任をしていました。1週間後の3月23日の卒業式にむけて激務をこなしていました。また、子どもたちを立派に卒業させたいとの思いから、さまざまなとりくみをおこなっていました。図書教育担当などのしごとを沢山受け持ちがんばっていました。原告の発症直前の時間外労働は、自宅での持ち帰り仕事をふくめると150時間を超えていました。しかも、発症に近づくに従い、時間外労働が増加し、直前の1週間は40時間を超えていました。

基金は①公務過重があったとはみとめられない②持ち帰り残業は認めないとの立場で、発症前1カ月154時間の時間外勤務のうち、認定したのは、わずか30時間ほどでした。

神戸地裁での裁判は2009年7月から2011年12月まで2年半にわたって争われました。この裁判で弁護団が重点をおいたのは「持ち帰り残業」の立証でした。裁判では原告の授業を除くすべての業務を20項目に分類整理して、業務遂行に必要な時間を推定し、3学期が始まる1月8日から被災前日の3月15日までの間、原告が、いつどこで何をしたのかを1日ごとのタイムテーブルにした表を作成しました。学校の現場をしらない裁判官でも原告の勤務実態が目に見えてわかるような表になりました。

時間外勤務は発症前約2カ月で266時間にもなり、週当たりの平均時間外勤務時間は25時間となるのです。
原告は、朝は8時ごろ出勤し、午後6時ごろ学校をでることを常とし、常に、仕事を持ち帰り、休日も出勤することが多かったと聞きます。

Q1、質問します。
「忙しい」などと言う言葉では言い表せません。教師もいのちを奪われかねない異常さであると考えます。解決すべき問題であるとの認識を教育委員会はもっていますか?

[答弁要旨]
教師の業務といたしましては、日々の授業はもちろんのこと、成績処理や校務分掌上の事務、また年々多様化する保護者への対応、さらには部活動の指導等多岐多様に及んでおります。

また、教師の意識としましても児童・生徒のために全力で取り組み、労力や時間を惜しまず職務にあたることから、それらが教師の多忙化につながっていることは十分に認識しております。

そうしたことから、教育委員会としましても、教師が心身共に健康を維持・増進するとともに児童生徒と向き合う時間を確保し、教育活動をさらに充実させるためにも、勤務時間の適正化に努めなければならないと考えております。

2012年5月15日付けの労働裁判の事例集である判例タイムスには「原告の公務の特徴」についてこう書かれてありました。

「原告の本件疾病発症前1カ月間における時間外勤務時間は合計140時間に及んでいる。また、原告は、平成16年2月14日以降のすべての休日に休日勤務を行い、発症2日前には10時間の休日勤務を行っていた。また、原告は、卒業間近の6年生の担任教諭として、期限のある成績評価や文集、卒業カードの作成等を行っていたうえ、図書主任や学年卒業記念文集作成責任者、書教育研究会幹事長などの責任ある地位についており、原告の公務は期限に追われたものであった」

これで教師の忙しさの現状のすさまじさがわかります。

判例タイムスには、小学校教職員の公務の一般的特質や勤務実態等としてこう書かれています。

「教職員の公務は、その特質として、多様な児童及び保護者を仕事の対象者にしているため、児童1人1人に気配りがもとめられるが、げんざいは、やる気のある児童が減少する一方で学校に対するクレームや要求の多い保護者が増加していく状況にある。
また、学校公務についても、学習指導、教材研究及び学級運営等に関し、多様できめ細かな内容が要求されるようになって過密化多様化しており、教職員は、個別の支援の少ない状況で学習指導等の多種多様なカリキュラムに積極的に対応する個人的努力を求められるため、仕事の量的・質的負担は大きく、多忙な状態になっている」

として、教師の仕事は、授業をするだけでなくそれ以外にもたくさんあること、そのしごとの中身は専門家としての質の高さが問われるため、負担が大きいこと、そのために、判決は、多忙な毎日であることを認めざるをえませんでした。

兵庫県の超過勤務に関する通達の項ではこう書かれています。

兵庫県教育長は、H21年3月25日付けで各県立学校長、各教育事務所長、及び各市町組合教育長に対して県内の公立学校(ただし、神戸市立学校を除く)を対象とした勤務実態調査に照らし、教職員の超過勤務を20%から30%削減することを目標とすることなどを内容とする「教職員の勤務時間の適正化について」(通知)を出しています。

Q2、質問します。
通知がだされる前には教師の超過勤務の実態はどうであったのか?
通知がでてどんな対策をとったのか?
それにより、超過勤務は減ったのか?
お答えください。

[答弁要旨]

兵庫県教育委員会において、教職員の多忙化の要因やその改善を図るために「教職員の勤務時間適正化検討委員会」が設置され、平成21年3月「教職員の勤務時間適正化対策プラン」がまとめられました。

その背景として、平成20年度に県教委が実施しました教職員勤務実態調査で、1日あたりの教師の超過勤務時間の平均は、小学校では1時間58分、中学校では2時間33分となっており、本市においてもその実態は、同程度だったと推測されます。

これらを踏まえ、本市におきましても平成21年度から学校と連携して「教職員の勤務時間適正化対策プラン」に基づき、「ノー残業デー」「ノー会議デー」「ノー部活デー」の実施や部活動の終了時間の設定、校務のICT化に向けデータベースによる生徒の名簿管理や指導要録作成等のための校務支援ソフトの導入を行うとともに、他の学校での業務改善事例の活用を奨励し、教職員の超過勤務時間の縮減に努めてまいりました。

これらの取組により、超過勤務時間については、縮減傾向にあると考えております。

教育委員会といたしましても、今後とも学校業務の一層の改善を目指した取組を進め、心身ともに健康な教職員による豊かな教育が行われるよう各学校を指導していきたいと考えております。

これで第一問目の質問を終わります。

<2回目登壇>

ノ―会議デ―、ノー残業デー、ノ―部活デ―等を実施している。モデル校を創って検討している。超過勤務は減ったのかについては、今後アンケートを取るとの答弁でした。実際の超過勤務がいくらなのかがわからないと超過勤務は減らされません。現場の声を聞いてみると、「記録簿をつけても何ら改善されないので付ける気にならない」といって付けていないという実態も聞きました。教師の仕事は人間を育てる仕事です。ものをつくるのではないのでこれで終わりとわりきれないのです。だから、①ムダをなくす②効率化でしごとの全体量を減らすとしても「子どもの人格形成と知識と体力、情操を子どもの発達に即して身につける」ためには、楽しい授業を準備し、どの子にも目を配り続けなければなりません。健康で、そのしごとを全うしようと思えば、少人数学級の実施や教師の数を増やす以外ありません。そうしなければ、命を縮める教師や病気になったりする教師がでてきます。そうならぬように、教育委員会は尼崎での裁判から教訓を学ぶべきです。

次は、いじめ問題根絶と中学校3年生までの35人以下学級の実現についてです。

さて、大津の事件がおきて、テレビをみていると、「警察が入った」との報道があり、「学校に警察が入ってなにが解決するのか?」というのが私の大きな疑問でした。学校の中のことをどうして学校で解決できなかったのか?この答えが知りたくて、この夏、神戸で開かれた、教師、民間研究団体、保護者が共催する「教育の集い」に行き、「子どものいのちを守り人間としてたいせつにする学校、地域、社会を考えるシンポジウム」と分科会に参加しました。

「子どもの人権110番」で活動する弁護士の村上裕さんは「学校を警察にあづけると子どもは取り調べの対象になり、学校がのびのびと学ぶ場所ではなくなる」「学校の先生を抜きに調査をすれば学校崩壊となり、非常に不幸だ」「学校は子供たちの尊厳が守られ、SOSを発信できる居場所でなければならない」と指摘し、「そうでない学校が見慣れた風景にならないよう、感覚を研ぎ澄ました教師集団としての専門性が問われている」と語りました。私もそのとおりだと思いました。

尼崎の子どもがいじめが原因で自殺したりすることがないように、警察が学校に入らなければ、解決できないということがないようにとの思いで質問していきます。

「教育の集い」では、今回のいじめ問題解決にむけて国民へのアピールを発表しました。討論で共感的に受け止められたのはつぎの5点です。

① いじめを暴力や人権侵害の問題としてとらえること
② 教職員が子どもの命と人権を守ることをなによりも大切にする感覚を研ぎ澄ますこと、それはいじめられている子どもに対してだけでなく、いじめている子どもにも同様であること
③ 子どもの中にこそ解決の力があり、それを引き出すことが大切なこと
④ 保護者、教職員が敵対関係に陥るのではなくともに力をあわせた学校づくり、地域づくりが求められていること
⑤ 「競争と管理」「自己責任」を基調とした新自由主義的な「教育改革」が子どもたちばかりでなく親や教職員など子どもに関わる人々に多大なストレスを与え続けており、この抜本的な改善なくしては根本的な解決はむつかしい

以上の5つの観点で質問していきます。

まず、一つ目の観点
 「いじめを暴力や人権侵害の問題としてとらえること」についてです。

大津のいじめ自殺事件をうけて、尼崎市は、今まで1カ月ごとのいじめに対する報告をいじめだとわかればすぐ報告するようにしたとのことです。対応がはやいほど解決しやすいということはあたりまえのことですから、いいことだと思います。

さて、文科省の「いじめ調査」のいじめの定義が変更されています。

「一方的に継続的で深刻な痛苦を感じているもの」から「継続」の文字と「深刻」の文字がなくなりました。その上に、H19年からは発生件数から認知件数へと変更になっています。

定義の変更でいじめの数は増えるはずです。ところが、尼崎市のいじめの数は減っているのです。小学校は、H21年度、H22年度、H23年度で8件、7件、8件と横ばいです。中学校は20件、17件、3件となっています。

Q3、質問します。
尼崎市では、いじめが少なくなっているのか、見えにくくなっているのかどちらですか?

[答弁要旨]

学校において、子どもたちは多くの人との関わりの中で精神的な成長を遂げており、時には友人とのトラブルに合うことがあります。子どもの感じ方によっては、それをいじめと感じたり、けんかと感じたり、様々です。

そこで、学校はあくまでもいじめられた側の立場に立つという認識のもと、個別の状況を把握し、いじめの問題かどうかを判断しております。

いじめの報告件数に関しましては、学校がいじめと認知し、子ども同士での解決が難しく、学校が関わった件数であります。

今後もさらに、子どもの実態把握に真摯に取り組み、未然防止・早期対応を心がけ学校と教育委員会が一体となって、いじめ問題の解決に取り組んでまいります。

私の地域の盆踊りの日、子育て真っ最中の人に聞いてみました。

まず、小学校、中学校、大学生の子どもを持つおかあさんです。
「子供会に入っています。情報は子どもからも親からも入ってきます。今のところ問題はありません。学校にも、よく行きます。学校と親が信頼関係を気付けているかどうかが大事だと思います」とのことでした。

青年団でがんばっているお父さんたちに聞きました。「父親たちでいじめの問題についてはなしをしていることはありません。嫁がやっていると思います。ただ、『いじめられたら言えよ。おとうさんが学校に言いに行ってやるから』と子どもには言ってあります」とのことでした。

孫がいじめられた経験があるというおばあちゃんに聞きました。
「いじめられているということがわかったのは、友達や友達のおかあさんからです。学校の先生にも話して、問題が大きくならずにすみました」とのことでした。

地域の方は子供会に入って自分の子どもをいろんな目で見てもらうことの大事さを語っていました。親が学校に出入りして学校と信頼関係をもつ大事さをかたっていました。「何かあれば、お父さんに言え!」とたくましいメッセージを子どもに発信していました。

ところが、「いじめを担任に話しても子どもは担任よりも親がこわいので、親の言うことを聞いても担任の言うことを聞かない。結局相手の親に言い、なんとかおさまりましたが、親に言えないときには、泣き寝入りしかありません。」と言った方がいました。この方は、「いじめは結構ありますよ」とも言っていました。

Q4、質問します。
いじめが解決せず、泣き寝入りしている場合があるのではないですか?

[答弁要旨]

いじめの発見については、本人からの訴えをはじめとして、教職員による発見や教育相談アンケート、周囲の子どもや保護者からの情報提供等により、学校が積極的にいじめの認知に努めているところであります。

しかしながら、学校が知らないところでいじめがあることも考えられることから、県教育委員会のいじめ相談窓口や警察などの関係機関の情報提供もいかし、色々な側面からいじめの早期発見と解決に取り組んでいきたいと考えております。

8月3日、衆議院では青少年問題特別委員会がひらかれ、いじめ問題について審議が行われています。

議事録を読みました。H21年2月から3月に、内閣府が不登校の意識調査をしています。対象は、H16年度に高校を退学した者及び同年度に中学校3年生で不登校であった者です。その結果で、もっとも多い回答は、友人関係、いじめ、けんかなどが、約50%となっています。文科省も学校を通じて不登校調査を行っていますが、不登校になったもののなかでいじめが原因は2.3%となっているのです。本人に直接聞くと不登校生徒のうち、いじめなどの人間関係が原因であるものが50%にもなるのに、学校からの調査では2.3%になっているというかけ離れたものになっているのです。これに対して「こういう統計をずっと認めて、垂れ流し続けていること自体が、現場のいじめに対する感度を鈍らせていると言わざるを得ない」ことが指摘されています。

尼崎市の不登校児童・生徒におけるいじめはどうなっているでしょうか?

9月4日付けで中学校の不登校数は459人。いじめが原因はたったの2人です。小学校は130人でいじめは0です。

Q5、質問します。
不登校においてのいじめの数は、実態を表していないと考えます。実態を正確につかまねば解決はできません。総務省の調査は本人に郵送で聞いています。
なんらかの方法で、たとえば、不登校児童に年齢の近い学生や社会人が訪問指導をおこなっているハートフルフレンド事業など、本人に直接聞く方法が必要ではないですか?

[答弁要旨]

教育委員会といたしましては、不登校になった子どもに対し、学校や保護者の要請により、訪問指導員やハートフルフレンドを派遣し、補充学習やカウンセリング、屋外活動等を行うとともに、子どもの実態を把握する中で、不登校になった原因についても、子どもや保護者から聞き取り、学校と連携を図りながら、対応しているところでございます。

さらに、適応指導教室の「はつらつ学級」に通う不登校になった子どもに対して、指導員やカウンセラーが子どもの状況の把握と丁寧な対応に努めております。

今後も、学校と教育委員会が一体となり、不登校になった子どもに対応するとともに、いじめの実態把握といじめ問題の解決にも全力で取り組んでまいります。

「教育のつどい」では福井雅英さん(北海道大学教職大学院教授)は、稚内市の「荒れた学校だった南中学校のアンケート(1984年)を紹介。「ひやかしをみたことがありますか」「パシリを見たことがありますか?」など具体的な例で質問し、最後に、「あなたは、これらのことをいじめだとおもいますか?」と聞くのです。一般的に「いじめはあるか?」と聞いて「ない」と答える人は、なにがいじめなのか分からない場合がある」と。そこから話し合いをはじめて翌年、「奇跡の再生」をはたし、現在も引き継がれ、いじめがおこったらすぐ対策をとっているといいます。

Q6、質問します。
いじめている子もいじめられている子もいじめだと認識していないことも考えられます。「いじめはいけない」ことを教える前にひやかしやパシリがいじめにつながるんだということを教える必要があると考えます。いかがですか?

[答弁要旨]

子どもの発達段階や経験によって、何気ない会話や悪ふざけでも、子どもによっては精神的な苦痛と感じることもあり、その行為がいじめにつながることを子どもたちに伝え、自分の言動を振り返らせることは、重要なことであると考えております。

そのため、道徳の時間や学級活動の時間において、話し合いなどを通じて、いじめについての認識を深めるよう指導してまいりたいと考えております。

村山士朗さん(大東文化大学教授)は「いじめでなければいいのだろうか?と切り出しました。「子どもたちは、イライラ感やむかつき、不安感を持っている。それが、他者にむかえば、いじめや校内暴力、自分にむかえば、自傷行為や自殺、モノにあたれば、器物損壊になる。だから、いじめ問題を語る時に、いじめだけの狭い枠で考えるのではなく、子どもの思いを受け止めることが必要」と話しました。そして、「教員に対しては、自分の学校が、文部科学省の調査で“いじめはゼロ”と“いじめはある”のどちらを報告しているか確かめてほしい。評価の対象になるから“いじめはゼロ”とかいていることがある」といいました。そして、夏休み明けには全国に問題提起していきたいと締めくくりました。

Q7、質問します。
「教育のつどい」では「いじめ」を暴力や人権侵害としてとらえることが共感的にうけとられました。いじめを暴力や人権侵害としてとらえる段階に来ていると考えます。いかがですか?

[答弁要旨]

いじめは、命にかかわることもある人権侵害の問題であると認識しております。

教育委員会としましては、教員自らが人権感覚を磨くと
ともに、子どもたちの道徳性や規範意識を伸張させ、あゆる機会を通して、自他を大切にすることや、かけがえのない命を大切にする心の育成の推進について指導してまいりたいと考えております。

二つ目の観点
「教職員が子どもの命と人権を守ることをなによりも大切にする感覚を研ぎ澄ますこと、それはいじめられている子どもに対してだけでなく、いじめている子どもにも同様であること」についてです。

「いじめ」問題が発生すると「知らなかった」という学校や教師の態度は、もはや許されません。子どもたちの人権や命にかかわる問題がおきた場合は、いくら学校や教師が多忙であっても、その子どもたちの人権、生命をまもることがすべてに優先されなければなりません。

 とくに、「いじめ」については、その対応を担任まかせにしないことです。「いじめ」をうけている子どもの苦悩や「訴え」をみのがさない敏感さとともに、初期の段階でのすばやい対応がもとめられています。初期の段階での対応いかんで、かなり解決が期待されます。そのためにも、教育行政は“いじめ総点検”など「対策マニュアル」のおしつけでなく、職員会議で子どもの状態などが真正面から討議できるよう、さらに日常的にも教職員の機敏な連絡や情報交換などをとおして、教職員の創意をふくめた対応をすばやくはかるべきです。

「教育のつどい」のシンポジュームでは、兵庫県の中学校教員は「嫌だ!と思えばいじめ」と言い切りました。クラス担任ではなく学年付きというこの教師は「学校の親は私」「あなたの命は守る」と生徒たちに伝え、忙しい担任に代わって学年すべてに目配りをしているとのことです。

そして、担任には「問題があっても担任のせいじゃないよ。問題があれば、行動する前にすぐに連絡して」というルールをつくり、タイムリーな指導に心がけているとのことでした。大変な学校現場で工夫をしながらなんとかがんばっているのです。

この中学校教員は続けて言いました。

「それにしても1クラス40人は多すぎる。これを機会に30人学級にして命が守れる学校にしてほしい」と。
そして、教師に健康とゆとりがあることが子どもを大事にできる保障だと言いました。

同僚の新任教師は初任者研修のため毎晩12時まで学校に残り、仕事をしている現状について改善の必要性を語りました。

さきほどの衆議院特別委員会の参考人であったPHP総研教育マネジメント研究センター長は、安心して楽しく学べる場をつくるため教員を増やし、いじめ問題に専念する教員を配置するよう求めました。

Q8、質問します。
安心して、楽しく学べる場をつくるために、教員を増やし、いじめ問題に専念する教員を配置することを国に求めるべきと考えます。いかがですか?

[答弁要旨]

いじめ問題に対して、的確に対応するために、担任だけに任せるのではなく、学級や学年の垣根を越えて、さらに家庭や関係機関と連携しながら、学校全体での取り組みを推進していく教員が必要であると考えております。

それらのことに対応するために、生徒指導加配教員の増員を、兵庫県都市教育長協議会を通じて、国に要望しているところです。

Q9、質問します。
「いじめられる」子どもは、いつでも安心して相談できるようにしてほしいという切実な願いをもっています。この子どもたちや父母などの訴えに、学校や教育機関は、真剣にこたえる相談窓口などを開設すべきです。同時に、現在、多くの子どもたちにとって相談しやすい場所となっている保健室の拡充と養護教諭の複数配置などの増員を急ぐべきです。いかがですか?

[答弁要旨]

教育委員会といたしましては、教育総合センター内に「教育相談担当」を設け、臨床心理士5名を含む専門家による、電話相談や面接での相談を受け付けております。

一方、学校におきましては、子どもにとって相談しやすい環境を整えることが大切であり、養護教諭やスクールカウンセラーを含めた学校全体で相談体制の充実に取り組んでいるところでございます。

今後も、保健室をはじめとする身近に相談できる体制づくりを推進し、様々な相談窓口も活用しながら、子どもや保護者が安心して相談できるよう努めてまいります。

三つ目の観点
「子どもの中にこそ解決の力があり、それを引き出すことが大切なこと」についてです。

子ども自身のとりくみをうながすことは、子ども同士で相互の信頼と連帯感が深まることになり、「いじめ」克服にとって大切なことです。あらゆる場で子どもの発言を保障し、クラスや児童・生徒会などで議論を深めていくことがとりわけ重要です。そのさい、論議を中途半端なものにせず、本音をだしきる討論によって、一人ひとりの良さや個性のちがいを尊重し、なによりも人間を大事にするということを深め、「いじめ」を許さない決意を全員のものにしきることです。このようなとりくみのなかで、子どもの自治の力や人権意識が育つでしょう。

 ほんらいどの子どもも正義感や人への思いやりをもっているし、「いじめ」をなくしたいと思っています。

「教育の集い」では子どもの中にこそ解決のちからがあり、それをひきだすことが、たいせつなことも共感的にうけとめられました。

「教育の集い」に参加した神奈川県の私立高校生は、「このような問題は、生徒を信頼していっしょに考えさせてほしい」と話しました。また、この私立高校生は「中学校で傷ついた経験のある生徒が多く、クラスの班長会を毎週開き、来ていない友達がいれば、だれがどのように声をかけるか話し合っている。1人ひとりの生徒が考えれば、いじめは減らせると思う」と言いました。

Q10、質問します。
子どもの中にこそ解決のちからがあるとかんがえます。いかがですか?
尼崎市での、この観点での実践例があれば紹介してください。

[答弁要旨]

学級・学年といった集団から相互に信頼しあえる人間関係を作り、生徒会活動を中心とした学校全体での取組に発展させ、自らの手でよりよい学校生活を生み出す実感を子どもに与え、主体的に地域や社会に参画し、行動する力の育成を推進することが大切であると考えております。

そのため、本市におきましては、今年度から「社会力育成モデル事業」として、生徒会の代表者を集め、いじめ問題等について討議したり、発表したりする宿泊研修を実施しました。

今後も各学校において生徒会を中心とした自治能力の向上をはかり、子どもたちの中でいじめの問題を自分の力で解決する能力も養っていきたいと考えております。

四つ目の観点
「保護者、教職員が敵対関係に陥るのではなくともに力をあわせた学校づくり、地域づくりが求められていること」についてです。

「教育のつどい」の緊急シンポジウムのパネリストの一人、Aさんの長男は、少し前までいじめられていました。からかいの対象にされ、暴力もふるわれていましたが、それを見て、笑っていた生徒もいたとのことです。夫も学校へ行き、先生もクラス運営に苦労していることがわかりました。長男を殴った子も、「自分がターゲットにされるのが怖くていじめる側に回っていた」とわかり、その子には、あやまってもらったといいます。いろいろ調べて、「地域の人が頻繁に出入りしている学校は、あまり荒れていない」とわかったので、「親として、学校と一緒にできることはやっていきたい」と発言しました。

息子がいじめの加害者になったという母親は「クラブでの言葉の行き違いによるトラブルから、仕返しがエスカレートした」が、学年の担任全員にクラブ顧問も加わり、対策を相談してくれた事例を話しました。「言葉の行き違いはいじめにならない」「トラブルの段階で話し合えばよかった」「自分は気づいてもやめろとはいえなかった」などの意見が出され、みんながあやまった。発覚から一週間でおさまった。感心したのは、この事実経過が校長にも伝わり、校長を先頭に、教員が集団で解決にあたったとのことでした。それだけに、最近の報道の多くにある「学校はあてにならない」という基調に違和感を覚えていたといいました。仮に「あてにならない学校」であっても学校が変わらなければ、いじめの解決にはならないと言いました。

子どもたちは、「先生にいっても解決しない」「いえば、チクったと思われる」とほんとうのことを言えなくなっている場合があるといいます。

Q11、質問します。
「いじめ」を告発することは、勇気のいることです。「いじめ」にたちむかう力を発揮させるために、教師、父母、地域が子どもたちのとりくみをささえ、はげましていかなければなりません。尼崎では、この点について、どうされていますか?実例をあげて示して下さい。

[答弁要旨]

教室全体にいじめを許容しない、またいじめに立ち向かうといった雰囲気を形成することは、いじめ問題の解決のために最も必要なことであると考えております。

そのため、道徳や学級活動を中心に各教科においていじめが人権や命にかかわる重要な問題であることや、いじめに立ち向かう勇気や考え方を育むような指導をしております。

加えて、中学校区ごとに児童生徒健全育成協議会を組織し、小・中学校の教員、PTA、地域の保護司、民生委員などが学校内外の情報交換をおこなったり、研修会を実施するなど、それぞれの立場で子どもたちの健全育成に寄与しております。

また、中学校においては「こころの教育推進事業」として、生徒、保護者を対象に講演会を実施し、子どもたちが自他の生命を大切にし、他者を思いやる心を身につけ、法やきまりの意義を理解し、遵守する生徒を育成する取組をおこなっております。

五つ目の観点
「“競争と管理”“自己責任”を基調とした新自由主義的な「教育改革」が子どもたちばかりでなく親や教職員など子どもに関わる人々に多大なストレスを与え続けており、この抜本的な改善なくしては根本的な解決はむつかしい」についてです。

「教育のつどい」では北海道教育大学教職大学院教授の福井雅英さんから大津の事件の概要が話されました。昨年10月11日自宅マンションでの自殺、17日アンケート実施、11月2日アンケート公表(いじめ認めるが自殺との因果関係を認めず、今年2月警察に届ける、7月19日滋賀県警動くという概要に続いて、子どもと教師の状況が報告されました。

仲良しグループの行動は、7月に一緒にテーマパークにいき、9月にプロレスごっこをし、9月29日に手しばり粘着テープ事件となっているようです。これに対して、教師集団は9月30日「いじめとちがうんか?」と疑問をもちはじめたものの、10月5日トイレでの暴行ありとの通報に教師が駆けつけた時には収まっていたため、「けんか」ではないかと考え、15分ほどその場ではなしをして、「けんか」と判断した経過も付け加えられました。結局、「けんか」と判断された1週間後に命をたっているのです。

滋賀の教師が新聞やテレビで報道されなかった学校の現実を発言しました。

「子どもたちは、受験競争で日常的にイライラしていました。手縛り粘着テープ事件があった日は、子どもたちが、あっちでもこっちでも手縛り粘着テープごっこをしていたので自殺した子どものグループだけに目をむけるなどということにはなりませんでした。」と語り、悲痛な思いが伝わった時には、会場は重苦しい雰囲気に包まれました。日常的に手のつけられない状況があり、いじめられているということさえもつかめない状況であったのだとわかりました。

わたしは、「どう解決したらいいんだ この現実!」と叫びたいような気持と「このような現状のなかでは、子どもも教師もまともな感覚がなくなるな。異常なことが日常になってしまうと感覚が麻痺してくるな」という思いを強くしました。

それにしても、なぜここまでの状況が生み出されるのでしょうか?

自殺した生徒が通っていた大津の中学校は、学校選択制により、毎年50人が学区外から入学し、教室が足りなくて詰め込みになっていたと言います。山本由美さん(和光大学教授)は、「小中一貫校や統廃合によって多くの学校が大規模広域化しており、地域の崩壊が加速している」と話し、「国連子どもの権利委員会から再三“過度の競争”の問題が勧告されても、なんら対策がとられず、全国いっせいテストは続けられている」「新学習指導要領の全面実施により、授業時間が増えて、詰め込みも加速し、ますます子どもを追い込んでいる」と指摘しました。

兵庫県の中学教員は今でも子どもたちはへとへとだと言いました。授業が終われば、クラブ活動。そのあと塾通い。複数志願制度が始まり競争が激しくなっている。その上、学区拡大がはじまれば、もっと大変になると言います。

Q12、質問します。
いま、生徒数が減り、進学希望者のほとんどを高校に入学させることは可能です。これを機会に、学区を合理的に縮小するとともに、入学制度の改善、私学助成の増額などで、名実ともに高校の希望者全員入学を実現して過度の競争教育を緩和すべきです。いかがですか?

〔答弁要旨〕

公立高等学校における入試制度や学級数は、県教育委員会が所管しているところでございます。

確かに本市でも、中学卒業生の約97%が高等学校へ進学している状況になっております。

しかしながら、一方で、社会の変化や生徒・保護者のニーズが多様化しており、行きたい学校に入りたいという要望もあります。

したがいまして、今後とも、生徒・保護者のニーズに対応するため、学力の向上に努めるとともに、適切な進路指導に努めてまいります。

中学3年生までの35人以下学級の実現を

「これがいじめにつながるのよと教え、子どもの力を信じて解決の糸口を見つける、学校、家庭、保護者が信頼しながら子どもをはぐくんでいく」このとりくみには時間がかかります。あらゆる社会のひずみが学校現場に現れています。勉強を教え、しつけをし、いじめの解決にも奔走しなければならない。これが、学校現場の現状です。とてもではないが、今のクラスの人数ではできません。

わたしが中学校のとき、宿題をしていかなかった生徒は立たされました。宿題をしていかなかったわたしは当然立っていました。貧しい私の家では、宿題をする時間もないだろうと担任でもない国語の先生が「あなたは宿題をしなかったのではなく、宿題ができなかったんだから、立たなくてよろしい」と言ったときの驚きを昨日のように覚えています。少しだけ正義感の強かったわたしは、「勉強する時間はありました」と言って立ち続けました。その時の誇らしい気持ちを今でも思い出します。学校は、そのように生徒のことを皆の先生が知ってくれていました。それが学校の本来のすがたではないでしょうか?

 教育の集いでは、西宮から来たという教師が「子どものために精一杯やっているんです。これ以上やれと言われても限界です。そのこともわかってほしい」と悲痛な叫びをあげました。

教職員がいくら多忙であっても「いじめ」解決への努力は、最優先されなければならないことは当然です。しかし、いまの教職員が忙しすぎてゆとりのないことが、「いじめ」問題への対応を困難にしているのも事実です。したがって、文部省は、「いじめられている子どもの立場に立った親身の指導をおこなうこと」を強調するなら、なによりも教職員を多忙化から解放しなければなりません。そのために、教職員をふやし、労働条件を改善することを急ぐべきです。アメリカの20人学級を見学して「これではいじめはおきない」とかつての自民党政府の首相でさえ言わざるをえませんでした。世界第三の経済力をもつわが国は、教育条件整備では後進国となっています。せめて、35人以下学級の早期実現を急ぐべきです。

Q13、質問します。
中学3年生までの35人以下学級の実現は急がれると考えます。いかがですか?

[答弁要旨]

新聞報道によりますと、文部科学省は公立小中学校の全学年の「35人学級」を平成29年度までに実現したい考えで、概算要求いたしました。

教育委員会といたしましても、出来るだけ早い少人数学級の実現は、きめ細かな教育の実施の観点からも望ましいものと考えております。

 

文教委員会の陳情にもあるように、35人以下学級について昨年公立義務教育諸学校の学級編成及び、教職員定数の標準に関する法律が改正され、小学校1年生の基礎定数化ははかられたものの、小学校2年生については、国の義務標準数の改正が行われていません。そのため、本来、もともと目的があって国が配置している特別な目的の加配の教師で対応しているのです。その結果、加配の教師が少なくなっているのです。兵庫県では、現在1年生から4年生までの少人数学級を実施していますが、実際には加配の教師で対応しています。国は、2年生までの35人学級を実施せよと自治体に押し付けながら、教師の数を増やしていません。そのため、自治体も学校現場も困っています。

Q14、質問します。
「少人数学級」実現にあたっては、現在配置されている少人数指導等に対する加配教員を減らすことなく、35人以下学級を実現すべきと国に求めるべきです。いかがですか?

[答弁要旨]

現在小学校2年生までの35人学級を実施しておりますが、実施に際しては、少人数指導等の加配教員も転用されております。

教育委員会といたしましては、35人学級の実施は望ましいと考えておりますが、一方で、少人数指導等も児童生徒の学力向上に有効であると考えていることから、指導方法工夫改善加配教員の転用のない純増での35人学級の実施が望ましいと考えており、全国都市教育長協議会を通して、国に対し要望しているところでございます。

これで、第2問目の質問を終わります。

<3回目登壇>

旧教育基本法では、めざすべき教育の目的について次のように明記していました。

 「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する」(前文)
「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」(第一条「教育の目的」)

今でも、私は、教育のめざすべきものは、こうであるべきだと思っています。

 学校教育は、成長期にある子どもたちに、知識と体力、情操を、子どもの発達に即して身につけさせ、子どもたちが次の時代を自らの力で創造できる人間として育っていくことを助けることに専念するものでなければなりません。これが、憲法の求める教育の中心点です。教育は、競争ではありません。

国連子どもの権利委員会の勧告を無視し、学校現場における過度の競争教育をあらためもせず、競争と管理の教育をますます強めようとしていることに教育のゆがみの最大の原因があります。

学区の拡大は、競争をもっと激化させます。高校の学区拡大は中止すべきです。

大阪府と大阪市では橋下・「維新の会」と公明党などが強行した首長の教育への権限を強化した首長の教育への権限を強化する教育関連2条例で、教育の政治介入、統制と競争が強められようとしています。

その一つが「教育行政基本条例」です。同条例では首長が教育委員会と協議して「教育振興基本計画」案を作成するとしています。

大阪府は8月末、同計画の「中間まとめ」を発表しました。そこでは、地方教育行政法で首長の権限外とされている「教育目標」が設定され、「自立して力強く生きる人づくり」「自律して社会を支える人づくり」など、橋下・「維新」の価値観での「人材」育成が目標に掲げられています。

「公私の切磋琢磨」による「高校の教育力の向上」を強調。一部の超エリートを育成する一方、「3年連続定員割れ」の高校を含めた府立高校の統廃合を計画的にすすめるとしています。高校の“生き残り”をかけた激烈な競争が学校と生徒にのしかかります。

大阪府内の中学校教師は「政治介入によって教育が恣意的に動員されることがあってはならないという思いで始動した戦後教育の基本理念に対する正面からの挑戦。学校現場を破壊する危険性を秘めている」と警報を鳴らします。

私もそう思います。学校が激烈な競争で学校現場が破壊されては、いじめの根絶はできません。この大阪の動きを全国に広めるわけには参りません。

「いじめ」問題は、社会の病理の一つです。

「いじめ」問題の克服には、基本的には、社会と政治の病理現象をなおしていくことが求められているのです。そのために、父母、教師、地域の人びとがそれぞれの力を発揮するときであると考えます。人間として子どもが大切にされ、学校が学校らしい役割をはたせるよう父母、教師、地域の人びとが子どもとともに力をあわせることは、日本の民主主義の発展に大きな意義をもっています。

住民本位の、人間尊重の立場から、政治や社会の全般にわたる病理を正すためのとりくみが大切です。みんなで声をあげることが大事です。ともに「いじめ克服」のとりくみに力を合わせようではありませんかと呼びかけて、私のすべての質問を終わります。

2012年9月議会一般質問 松村ヤス子:住宅リフォーム助成制度で地域内経済の活性化を

2012年9月議会 一般質問

2012年9月12日 日本共産党議員団 松村ヤス子

住宅リフォーム助成制度で地域内経済の活性化を

日本共産党議員団の松村ヤス子です。

2001年9月議会から、繰り返し、実施を求めてき住宅リフォーム助成制度について質問します。

市民が、自宅のリフォームを市内業者に発注する場合、10万円~20万円程度を限度として、工事費の5%~10%程度を市が助成する制度です。現金で助成する場合が多いようですが、市内商店で通用する商品券で助成する場合もあります。

全国商工団体連合会の調査によれば、2012年7月には533の自治体で実施。2004年12月時点では、87自治体、その6年後の2010年10月には2倍の175自治体に、その後、半年間で1.9倍の330自治体に、そして、今年の7月までの2年間では、3倍以上の533自治体と急激に増加しています。この8年間では、6倍以上に増え、全自治体の3割にのぼっています。

533自治体のなかには、西宮市も入っています。

西宮市では、2012年度当初予算に「環境などに配慮した住宅リフォーム助成モデル事業」を予算計上し、制度が固まってすぐに、7月26日~8月25日の1ヶ月で申し込みを完了させました。募集を上回る応募があったとのことです。担当課長さんは、まず、モデル事業として実施、その後、さまざまに検証し、恒久的な事業にするかどうか判断したいとのことでした。

西宮市当局の答弁も議事録で読みました。だんだん答弁内容が悪くなる尼崎市とは正反対に、徐々に前向きな答弁へと変化しているのがとても印象的でした。

西宮市も尼崎市と同じく、明石市の実態を調査しています。尼崎市は、助成のあるなしにかかわらず、工事せざるを得ないような事例を取り上げ、「経済対策として効果がない」と答弁し、西宮市は、「波及効果がある」と答弁しています。明石市は、私たちにも、尼崎市が答弁に引用したようなケースもあるが、西宮市の答弁にある内容どおり、大変肯定的に説明されました。明石市は、私たちにも、尼崎市にも、西宮市にも同じ内容で説明していると思います。そして、説明の中心は、「地域経済対策として波及効果の高い事業」と位置づけていることにあります。

尼崎市と西宮市の答弁の違いは、中小零細事業者の要求である仕事づくりに応え、地域内経済の活性化に前向きかどうかの政治姿勢の違いによると受け止めざるを得ません。

2011年3月議会で、西宮市当局は次のように答弁しています。

「市内の中小零細企業及び個人事業主への訪問活動をおこなっており、経営状況や各業界の動向等を聞き取り、融資等各制度の説明をしている。その際、景気が良くならない、社会全体の景気をあげるような施策を考えてほしい、市の関連工事、物品購入等において、市内事業者に発注、調達してほしいなどの意見を聞いており、組織内で課題共有に努めている。産業実態調査の結果も踏まえ、建設関連事業者を含む中小零細企業及び、個人事業主への支援策について広く検討していく」との内容です。

建設関連事業者を含む中小零細企業及び、個人事業主の営業情況が厳しいという実態をしっかり把握していることから、支援策が必要との認識を持ち、支援策の一つとして、明石市などに学び、今年度から、住宅リフォーム助成モデル事業を実施することになったわけです。

西宮市の住宅リフォーム助成モデル制度は、「市内産業の活性化と市民の生活環境の向上を図ることを目的とする」と明記されています。

住宅リフォームのみの場合は、工事経費の10%で最高10万円を助成します。

尼崎市も実施していますが、雨水タンクや浸透桝を設置する際には、工事費の50%を補助する国の制度があります。この制度は、工事完了期日が来年2月末日までですが、これと合わせて、住宅リフォームを行う場合は、リフォーム助成は、少し上乗せして、工事経費の12%で、最高12万円を助成するとしています。雨水タンクや浸透枡設置に対する助成と通常のリフォームより上乗せのあるリフォーム助成の両方をうけられる制度です。

このような別の助成制度と合わせて、住宅リフォーム助成を行なうのは、全国初とのことです。

西宮市は中小零細事業者及び個人事業主への訪問調査などで実態把握につとめ、要望を聞き取り、それに応えるために、施策化に努めているわけです。

私の近所に何人かの職人さんを抱えている個人の塗装業者がおられます。年を追うごとに仕事が減り、月のうちの大半は仕事がないとのことです。

先日、私宅を含めて、近所一体の給水鉛菅の取替え工事が行われましたが、その水道業者からも、仕事が激減しているとお聞きしました。

中小事業者対策としては、これまでから、融資制度が中心でしたが、業者は、仕事があってはじめて役に立つのが融資だといっています。

質問

建設関係などの中小零細事業者・1人親方の仕事確保に対する支援が問われていますが、その必要性はないとの認識でしょうか。

答弁

建設関係などの中小零細事業者に対する支援については、ご指摘のとおり、融資制度が中心であったものであるが、その支援の必要性については、否定するものではない。

 

市内の零細な工務店の社長さんが、「最近は、市外の大手住宅建設会社が新築だけでなく、リフォームにも進出しており、市内工務店のリフォームの仕事を奪っている」と嘆いていました。そして、「大手の下請に入った業者は請け負い単価をたたかれ、仕事があっても大変厳しい情況にある」と語ってくれました。
これでは、地域内循環型の経済を目指すとする市長の思いとも相容れないのではないでしょうか。
市内の工務店とともに仕事をする水道工事、電気工事、ガス工事、屋根葺き、内装工事、ガラス、畳など関連事業者はほとんどが市内事業者とのことです。

住宅リフォーム助成制度は、長引く不況で困っている零細事業者への仕事づくり支援策として、期待されている事業です。だからこそ全国でも増えているのです。以前、リフォーム助成をしても総需要は増えない、と答弁しています。本当にそうでしょうか。なかには、助成のあるなしにかかわらず、せざるを得ない工事もあるでしよう。しかし、明石市の職員さんは、助成制度があることで、思い切って、リフォームすることにしたとの市民の声や助成制度があることで、リフォームの範囲を広げることにしたとの市民の声も聞いていると話してくれました。

質問

住宅リフォーム助成事業は、大手の市外の住宅会社に回る仕事を市内の工務店及び、関連の市内零細事業へ発注することを促す、つまり、市内事業者の仕事おこしになり、市内循環型経済を目指す尼崎市の方針に沿った事業だと思いますが、いかがですか。

答弁

住宅リフォーム助成制度は、助成の対象工事業者を市内事業者に限定することにより、受注機会を拡大することで、一時的に経済波及効果は発生するが、助成することが住宅リフォームの総需要を増やす「きっかけ」となるのか、そのための施策として最も適しているのか、また、一方で、消費者保護の観点から住宅リフォーム事業者の質の向上を図るなど多くの課題がある。

そうしたことから、住宅リフォームにとどまらず、限られた財源の有効活用などを勘案しながら、本市の地域経済の特徴を踏まえ、持需要続的な波及効果が発生する施策を検討していきたいと考えている。

質問

住宅リフォーム助成制度以上に、市内の工務店及び、関連の市内零細事業者への仕事おこしになる施策が考えられるのであればどんな施策があるのか、教えてほしい。

答弁

現在、本市においては、環境と産業の共生を目指す尼崎版グリーンニューディール関連事業のなかで、市内事業者へのインセンティブを設けている。

たとえば、私立保育所・幼稚園を対象にした『太陽光発電システム設置費補助制度』において、設置工事を市内事業者に限定しているほか、『太陽熱温水器』、『エコウィル』、『エネファーム』などの設置においても、市内事業者が機器の設置工事を行う場合は、助成額の割り増しを実施している。

これらの事業のように、今後も引き続き、本市にとって相応しい需要喚起手法について、施策の重点化方向に基づき、検討していきたいと考えている。

質問

活力ある尼崎市を取り戻すためには、財政が大変だからこそ、底辺の底上げが必要です。住宅リフォーム助成制度を実施することを強く求めますが、答弁願います。

答弁

地域内で経済が循環し、持続的な発展を遂げていくためには、効果的で適切な取り組みによる底上げが必要であると認識している。

そうしたことから、先ほど答弁させていただいたように、限られた財源の有効活用などを勘案する中で、住宅リフォーム助成制度にとらわれず、検討していきたいと考えている。

 一般質問「生活保護制度は、命を守る最後の砦」に続く

 

2012年9月議会一般質問 松村ヤス子:生活保護制度は、命を守る最後の砦

2012年9月議会 一般質問

2012年9月12日 日本共産党議員団 松村ヤス子

生活保護制度は、命を守る最後の砦

次に生活保護制度についてお尋ねします。

生活保護制度は、命を守る最後の砦、最低生活を保障するきわめて重要な制度です。戦後、国民主権、生きる権利、教育を受ける権利、働く権利などを保障する新しい憲法が制定されました。しかし、これら、憲法上の権利が、だんだんおかしな方向に進められつつあることに、今、私は、大きな危惧を抱いています。最低限度の生活保障の制度がおかしくなれば、それは、生活保護利用者だけの問題ではなく、社会全体の質が悪くなり、社会発展のレベルが問われ、圧倒的多くの人々のしあわせを壊しかねないと思っています。
そういう大事な制度だけに、私は、こだわらねばとの思いを強くし、質問を重ねているのです。

5月にお笑いタレントの母親が生活保護を受給していると報道されて以来、生活保護バッシングが社会に大々的に広められてきました。

これに関連して、6月議会で、親族の扶養については、

①生活保護法上、扶養義務者の扶養は、保護利用の要件とはされていないこと

②成人に達した子どもの親に対する扶養義務は、「その者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、余裕があれば援助する義務」にすぎないこと

③しかも、扶養の程度、内容は、あくまでも話し合い、合意をもととするものであること

④扶養の程度、内容が、扶養義務者の「社会的地位にふさわしい生活を成り立たせる」ことを前提としても、なお著しく少ないと判断される場合には、福祉事務所が、家庭裁判所に扶養義務者の扶養を求める手続きが、生活保護法77条に定められていること

の4点にそって運用しているかを確認する質問をしました。

答弁は、厚生労働事務次官通知の規定どおり、実施しており、私が確認を求めた4点にも沿っていると考える。とのものでした。

 

一方、橋下徹大阪市長は、選挙で選ばれた市長は、何をするかを、白紙委任されるのは当然、職員は市民の言うことではなく、市長のいうことを聞けとの態度です。それとあわせて、生活保護制度や公務員へのバッシングもひどいものであり、ファシズム的で非常に危険なものを感じています。

尼崎市もその影響を受けてのことかもしれませんが、7月25日、生活保護担当課から、生活保護受給世帯における「扶養届」の状況調べについて新聞発表をするとの報告を受けました。扶養義務者から扶養届の提出があったもののうち、2親等以内、つまり、両親・子・兄弟姉妹・祖父母・及び子・兄弟姉妹の配偶者のうち、尼崎市の公務員及び世帯員合算収入が1千万円以上の世帯を対象にした調査結果です。担当職員さんが、説明にこられたさい、「市職員だからといっても、若い職員では、収入が少ない。公務員かどうかでなく、収入が高いかどうかで考えるならともかくも・・・」とつぶやく声が聞こえました。調査する担当課自身が疑問を持ちながらの公務員も含めての扶養調査だったように感じられました。

質問

市がおこなった、生活保護受給世帯における「扶養届」の状況調べについて、うかがいます。
この調査をすることは、市のどの組織で、決定されたのか。

答弁

この調査については、生活保護の実施にかかる関連業務の一環として、福祉事務所において調べることにしたものである。

質問

市職員の親族の生活保護受給者調査は、何を目的として行ったのか。また、公務員だからと、なぜ、一律に調査対象にしたのか。

答弁

人気タレントの親族への扶養義務に関する報道や、東大阪市の生活保護の扶養義務者の中に市職員が含まれていたことなどの報道を受け、扶養届をもとに内部的に調査を行ったものである。

この調査では、身分の安定した公務員とともに、一定の経済力のある扶養義務者、たとえば、世帯合算で年収1千万円以上の世帯を抽出することで、今後の扶養義務の履行に生かすため、状況把握を行ったものである。

質問

公表の必要性があると判断した理由はなにか。

答弁

東大阪市や大阪市などの近隣自治体の報道を背景に、本市に対しても複数の報道機関から取材があったため、社会的な関心が高いと判断し、発表したものである。

質問

保護受給者の2親等以内の親族が公務員である場合と公務員でない場合とで、扶養に対する考え方が異なるのか。

答弁

公務員であるか否かによって、扶養に対する考え方が異なるものではない。

質問

この調査ののち、市は保護利用者と2親等以内の親族にどのような新たな対応をしたのか。また、しようと考えているのか。

答弁

本市の調査では、扶養義務者からの費用徴収を規定視した生活保護法第77条の適用を検討するような対象事例はなかった。 これまで、扶養義務者に対する扶養能力の調査については、国の通知に基づき、先ずは当事者間での協議を優先して行っており、今後も同様に対応していく。

ところで、市では、以前から扶養義務者から源泉徴収表の提出を求めているとのことです。扶養義務者と生活保護利用者とは別世帯であり、なかには、いろんな事情を抱えていることもあるでしょう。

6月議会では、扶養義務は、直ちに法律に訴えて法律上の問題として取り運ぶことは、性質上なるべく避けることが望ましいので、努めて、円満理に履行させることを本旨とするとの答弁でした。この答弁が意味するところは、絶対に強制力を働かせてはならないということだと受け止めています。

質問

源泉徴収表の提出を求めることは、「努めて円満理に履行させることを本旨とすることと規定されている」とは相容れないと思いますが、いかがですか。

答弁

扶養届に添付してもらう源泉徴収表の写しは、扶養義務者の所得から、扶養能力があるかどうかを把握する資料の一つとして求めているものである。

また、扶養届の提出を求める際にも、生活保護の申請にあたり、申請者から扶養義務者の状況を聞いたうえで提出を求めるなど一定の配慮を行っている。

したがって、源泉徴収表の提出と円満な扶養義務の履行が相容れないようなものとは考えていない。

質問

源泉徴収票の提出を求める法的根拠があるのか。

答弁

扶養義務者の資産及び収入の状況については、生活保護法第29条に基づき、福祉事務所が官公署等に調査できるとされている。

扶養義務の履行に当たっては、扶養義務者の扶養能力だけでなく、扶養する意思を有していることが必要となるため、調査という手段をとるのではなく、扶養届けにおいて、扶養の可否の申し出理由を補強する資料の一つとして、福祉事務所長の判断として源泉徴収票の提出を求めているものである。

質問

源泉徴収票の提出をしなければ、保護申請は却下されるのか。

答弁

源泉徴収票の提出がないことのみをもって、生活保護の申請を却下するというようなことは、ない。

同じ、7月25日には、中央社会保障推進協議会と全国生活と健康を守る連絡会が、生活保護の「不正受給」を口実とした扶養強要強化の中止を求める厚生労働省への申し入れと記者会見を行っています。厚生労働省が文書で回答したのではありませんが、当日交渉した団体の方の文責による回答内容がメーリングリストで送られてきました。

厚生労働省は、

①    生活保護の扶養義務の強要強化はしない

②    地方公務員に対する親族調査と扶養強要については、そういった調査が必要とは思わない。しかし、国として実施するなとは言えない。

③    扶養については基本的には現在の運用で行いたい。ただ、収入があるのに扶養義務を果たしていない例外的な人に、扶養が困難であることの証明義務を課すことや保護費の返還の仕組みづくりを生活保護全体の「見直し」の中で検討したい。最後のセーフティネットなので必要な人が受けられなくならないように、その一方、国民の理解が得られるようにしたい。

と回答したとのことです。

厚生労働省の回答の中で、「収入があるのに、扶養義務を果たしていない例外的な人に、扶養が困難であることの証明義務を課すことや保護費の返還の仕組みづくりを生活保護全体の「見直し」の中で検討したい」としているようですが、果たして、「扶養できないことの証明」は簡単にできるのでしょうか。

「証明義務を課す」となれば、たとえば、毎月2万円を援助している場合に、その2万円がぎりぎりの額であり、2万5千円や3万円は援助できないことを「証明せよ」ということになります。援助する側の収入と支出の明細・領収書を全部出せということになるのでしょうか。たとえ、すべて明らかにしたとしても、「扶養が困難である証明」など不可能だと思います。

質問

親族に「証明義務を課す」ことを求めるとすれば、親族関係をこじれさせることにつながると考えますが、いかがか。

答弁

国は、平成24年7月の「生活支援戦略」の中間まとめの中で。「保護を必要とする人が受けられなくなることのないよう留意しつつ、扶養可能な扶養義務者には、必要に応じて保護費の返還を求めることも含め、適切に扶養義務を果たしてもらうためのしくみを検討する」としているが、検討内容は明らかになっていない。したがって、現段階において、親族との関係をこじれさせることにつながるかどうかについては、答えることができないが、その後の精神的な支援などを含めて考えると、あくまでも、円満理に扶養義務の履行を求めることが肝要ではないかと考える。

質問

福祉事務所としては支援の額が妥当かどうか、扶養義務を果たしているかどうか行政の立場で、責任をもって判断しなければならなくなります。そんな判断ができるのか。

答弁

扶養義務の程度については、国の通知の中でも、「社会通念上それらのもの(扶養義務者)にふさわしいと認められる程度の生活を損なわない程度」として、抽象的な尺度が示されており、現在の運用では、家庭裁判所の審判例により判断することになっている。先ほども述べたとおり、現段階では、国から新たな実施基準が示されていないため、扶養義務者からの支援の額が妥当かどうか、また、扶養義務を果たしているかどうかの判断ができるのかといった質問には応えることはできない。

質問

親族に、扶養が困難であることの証明書義務を課すことは、結局、保護申請をあきらめさせることにつながり、北九州市であった「おにぎり食べたい」と書き残して、餓死した事件のような状況を生み出すことにつながるおそれがあると考えるが、どうか。答弁願います。

答弁

親族にどの程度、また、如何に、「証明義務を課す」のか、また、課さないのか、いまだ明らかになっていないので答えられないが、生活保護を必要とする人が申請できないようなことは、決してあってはならないと考えている。

「生活保護費でパチンコしたり、酒を飲んでいる」こんな批判の声をよく聞きます。

生活保護費の使い方は、本人の自由です。ただ、どういう生き方をするかの違いだと思いますが、特にひとり暮らしの場合は、家でテレビを見ていると電気代がかさむし、1人でいるのがさびしいなど、孤独な人が多いと感じるところです。本来なら、ケースワーカーが、話し相手になる余裕を持って担当することが望まれるところです。ケースワーカー1人あたり、30世帯ぐらいを担当することが望まれるという声もあります。しかし、そこまでできなくても、このような方たちには、生活費の保障だけでなく、市民団体やボランティアなどにも働きかけて、人としてのつながり、知り合いをつくる仕掛作りが求められると思います。ぜひ検討してほしいと要望しておきます。

深刻なのは、アルコール依存症、ギャンブル依存症の人です。依存症は病気であり、自分の力だけでは行動をコントロールできない状態にあります。

本来、そういう場合は、治療の促進、精神科医療との連携、精神保健福祉サービスが必要なのです。

質問

行動を抑制できないサイクルにはまり込んで、抜け出せない状態の人には、ワーカーを始め専門職による酒やギャンブルをやめる援助や生活支援の強化が必要です。職員配置は十分になされているのでしょうか。尼崎市での取り組みの実態をお聞かせください。

答弁

依存症の治療には長期的かつ継続的な支援が必要なため、ケースワーカーが保健所の精神保健福祉相談員と連携するなどして、精神科医による専門的な受診を促すほか、アルコール依存症に関しては、必要に応じて断酒界などの自助グループへの参加を進めており、参加する場合には、交通費の支給を行っている。

 また、依存症の方は、病気によるトラブルが原因で、どうしても、地域で孤立しがちになるため、ケースワーカーをはじめ、職員による支援が重要だと認識しており、今後一層の保健福祉の連携・充実に努めていきたいと考えている。

また、生活保護受給者が増えているのは、基準が甘くなってきたからではないか。もっと厳しくすべきとの声も聞きます。

本当にそうでしょうか。本来なら、生活保護が適用されて当たり前の人なのに、申請させようとせず、帰らせるといった状況が尼崎市にもありました。

私の経験ですが、商売がうまくいかず、高利の借金で、食べるにも事欠き、餓死寸前のところを知人に発見され、緊急入院。回復した後、福祉事務所から、「65歳以下なので、保護は打ち切る。仕事を探して働きなさい」といわれている、と、助けた知人から相談がありました。「また、餓死させようとするのか。仕事がみつかり、自立できるようになるまで、保護すべき」と話し継続となりました。

「失業し、家賃を滞納している。貯金もそこをついた。一生懸命仕事を探しているが、見つからない。家の明け渡しをいわれているが、保護課からは、65歳以下だから保護できないといわれた」という市民もいました。面接の若い職員さんは、同行した私にも同じ説明をしました。わたしは、「なぜ、65歳以下なら保護できないのか、その理由をききたい。上司に説明にきてほしいと伝えてほしい」といったところ、若い職員は上司に相談の上、申請書を持ってきました。

住宅扶助費よりかなり高額な家賃の家に住んでいる人が「家賃の安い家に引越ししてから相談に来るようにといわれた。お金がないから引越しはできない。こまっている」といった相談もありました。

これらは、すべて、いわゆる違法な「水際作戦」です。違法だからこそ、福祉事務所の幹部職員は、私の指摘を受け入れ、対応を変えざるを得なかったのです。しかし、その「水際作戦」で、多くの生活困窮者が泣かされてきたものと思います。

2006年度、日本弁護士会が行った全国一斉電話相談では、福祉事務所にいったものの、生活保護の利用に至っていないケースのうち、66%が違法の可能性があるとの結果だったということです。尼崎市だけでなく、全国的に水際作戦が行われていたのです。

高齢化、低年金、失業、低賃金、など、貧困が広がるなか、全国的な市民運動などの強まりで、水際作戦が是正され、行政が基準を守るようになってきたのです。基準が甘くなってきたわけではありません。

その結果、2007年度から2011年度の状況を見ると、保護利用者は154万3200人から210万8000人と1.36倍に増えていますが、その一方で、ホームレス数は1万6018人から9576人と40%減少、自殺者も3万3093人から3万651人にと7.4%ですが減少しています。

質問

このようなに、生活保護制度が「最後のセーフティネット」として、「人の命を支える」という大事な役割を果たしていることを示しており、基準を厳しくすることは、ホームレスや自殺者、餓死者を増やすことにつながるものと思いますが、福祉事務所はどう考えますか。

答弁

生活保護の申請権の侵害などの違法行為は、指摘されたような深刻な事態につながるおそれがあるものと考え、適切な対応を行っているところである。 いずれにしても、生活保護法が、憲法25条に規定する生存権の理念に基づいて定められたものであることを十分に踏まえた上で、生活保護制度を運用することが大事であると考えている。

8月10日に成立した消費税増税法は、当初、さんざん、社会保障の安定財源にするためといわれてきました。しかも、増税法が成立した後も、野田首相は「国民には負担をかけるが、全額社会保障に使う」と公言しました。

消費税増税法とセットになった「社会保障制度改革推進法」の附則に、生活保護の見直しが盛りこまれました。そこには、不正受給への厳格な対応、正当な理由なく就労しない場合の厳格な対処、給付水準の適正化という規定が盛り込まれました。

その上、政府は、8月17日、2013年度予算の概算要求基準を閣議決定しました。

その概算要求基準は、

要するに、

①「歳出の大枠71兆円」を遵守するために、これまで聖域とされてきた社会保障分野の支出を削る、

②そうは言っても、高齢化に伴う自然増(8、400億円)は止めようがないので、その分も含めて生活保護を見直すことで削る、というものです。

削る場合の方法としては、生活保護基準額を下げるか、あるいは、扶養や就労などの状況を厳しくするなど、受給できるハードルを高くすることが考えられます。

生活保護基準の引き下げは、生活保護利用者やあらたに生活保護を申請しようとする人たちだけの問題ではありません。

質問

生活保護基準の引き下げは、税制や社会保障負担や市の低所得者対策など、どういう事業に連動して、市民負担を引き上げますか。

答弁

生活保護受給者については、健康で、文化的な最低限度の生活を保障するセーフティネットとしての生活保護制度による支援のほか、本市では、本人はもとより、その家族構成に応じた支援を行っている。そのような支援策の具体的なものとしては、生活保護受給者が養育する児童にかかる保育料を無料とすることや児童ホームの利用料の免助、就学に係る学用品費や給食費の支給、さらには市立高等学校の授業料の免助、年金等の社会保険料の免徐、市営住宅に係る家賃の減免などがある。

生活保護が、受給できなくなった場合、これらの支援策については、制度の対象外となることや一定の負担が生じるなどの影響を受けることになる。

 

生活保護費の75%は国負担です。各種の施策の中で、国の負担が最も高いのが、生活保護制度だと思います。その生活保護費は、100%といっても差し支えないほど、市内消費に回ります。2011年度決算をみると、生活保護費に関する国庫負担金は約242億円、地方交付税の生活保護に関する基準財政需要額が、約74億円、合わせて、316億円が、実質的な国の負担となっています。その半額を生活扶助とすれば、158億円です。たとえば生活扶助費を1割削減するとすれば、単純に、16億円の影響が出ます。それに、生活保護の対象から外れる世帯、低所得者施策の対象から外れる世帯が出ることになり、それらに対する国の負担額も削減されることになります。

 

生活保護基準の引き下げは、市内に回るお金の総額が、削減されることになり、市内経済にも悪影響が出るのではないかと思いますが、答弁願います。

答弁

生活保護基準の引下げがなされるようなことがあった場合、市内経済に悪影響を及ぼすかどうか、明確には判断できない。

 

次に市財政とのかかわりです。

生活保護費など扶助費が増加し、その上、税収が増えないために、市の財政が厳しいと説明されてきました。

私は、10年前の、2002年9月議会で、生活保護費が本当に財政難の原因なのかと疑問を持ち、生活保護費の負担額と地方交付税との関係について、初めて質問しました。大変単純な発想ですが、市税収入が落ちれば地方交付税が増える。生活保護費が増えれば、これも地方交付税を引き上げる要因になる。地方交付税の役割は、財政力の異なる自治体間の財政調整機能と財政力の弱い自治体に対する財源保障機能を果たすものと何度も聞いてきたのに、との思いからです。国の基準どおり実施しているのに、市財政悪化の要因になるのは、おかしいと思い、市が負担している25%の額と基準財政需要額との比較表を出してもらいました。その当時、10億円程度の不足があり、基準財政需要額の不足を是正するよう国に求めるべきと質問しました。当局は、私の主張を認め、乖離をなくすように国に求める努力をしているとお聞きしています。

その後の乖離の実態も検証したいと思い、あらためて、2004年度から2011年度までの8年間の25%の一般財源負担額とそれに対する基準財政需要額の決算額を調べました。基準財政需要額の不足額は、2004年度8.18億円、05年度9.03億円、06年度9.43億円、そして、07年度11.80億円、08年度9.30億円、09年度11.13億円、10年度11.94億円、と毎年度不足し、2011年度は縮まりましたが、3.74億円の不足です。この8年間の不足総額は、74億5500万円です。尼崎市にとっては、決して、容認できる額ではありません。

 

8月24日、25日に、第4回生活保護問題議員研修会に参加し、武田公子金沢大学教授による生活保護費と地方財政の分科会に出席しました。その際の資料によると2000年度から2009年度の全国の自治体の生活保護費一般財源負担額の合計額と基準財政需要額の合計額は、国全体で見ると、ほぼ同額、ほとんど差がないグラフが示されていました。武田教授は、大阪市のように保護率が高い都市を除いては、生活保護の増加が自治体財政を圧迫するというのは、正しくないと説明されました。

先に述べた尼崎市のここ8年間を見ても、生活保護の一般財源負担額は、毎年、増加しています。しかし、基準財政需要額が一般財源負担額の増加に比例して増加しているわけではありません。10年前は、今よりも保護率は低かったのですが、一般財源負担額に比べて、基準財政需要額不足は、当時も10億円程度ありました。

 

質問

生活保護の増加が市財政を圧迫しているというのは、正しくないと考えます。問題は、基準財政需要額の不足にあると思いますがいかがですか。

答弁

生活保護費に係る基準財政需要額算定結果と決算額の乖離については、これまでおおむね10億円規模の乖離が生じていたので、国に対して、市の実態を需要額に反映するよう、要望してきた。その結果、平成23年度においては、乖離が大幅に改善したところである。

しかし、この乖離が改善してもなお、本市の財政状況は、逼迫した状況となっているが、こうした要因はひとつではなく、扶助費の増のほか、市税収入や収益事業収入の落ち込み、過去のまちづくりにおいて発行した多額の市債等の償還など、さまざまな要素が重なり合って結果であると認識している。

 

研修会で、私は、「全国的に、基準財政需要額と一般財源負担額とがほぼ同額ということは、生活保護費は、100%国負担にしても、厚生労働省の予算になるか、総務省の予算になるかの違いはあるが、国の負担額そのものが、増えるわけではないとの論拠になると思うが」と質問したところ、「論拠になる」といわれました。

質問

全国的にみた場合、一般財源負担額と基準財政需要額にほとんど差がないことを考えると、生活保護制度は、100%国庫負担とするよう求める根拠になります。この根拠も踏まえて、積極的に、100%国負担を求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

答弁

生活保護制度のような、国の責務において全国一律の取り扱いがなされ、各団体において裁量の働く余地のない事業については、その全額が国庫負担で実施されるのが本来あるべきすがたであると考えている。

こうしたことから、生活保護制度については、全国市長会などを通じて、この旨、国へ要望を行っているところである。

なお、仮に生活保護制度が全額国庫負担に移行すると、地方財政計画全体が大きく組み替えられることとなるが、このことが、本市の財政運営に影響しないよう、あわせて配慮を求める必要があると考えている。

質問

また、市の幹部職員が、「職員の人件費削減分が、生活保護費に消えていく」といっているのを直接聴いたことがあり、ショックを受けました。市職員にも地方交付税との関係を正しく説明し、理解を得る必要があると考えますが、いかがですか。

答弁

職員に対する地方交付税を含めた財政制度全般に係る理解を深めるため、これまでも情報発信に努めてきたところである。

具体的には、平成22年度に、「本市の財政について」と題して、地方財政計画・地方交付税を含めた内容をまとめ、全6回にわたって、職員へ向けて周知を図っている。

また、今年度においても、先般、「尼崎市における地方交付税の現状と課題」という内容で資料をまとめ、職員向けに周知を図るとともに、試験や質問を募集しながら、理解の促進に努めているところである。

地方財政計画や地方交付税は、非常に複雑な制度であり、何回ではございますが、今後とも機会をとらえて、できるだけ分かりやすく、正確に情報を発信し、職員の理解が一層深まるよう、取り組んでまいりたいと考えている。

 

また、必死になって、働かなくても、生活保護になったら食べていける。生活保護は、働く意欲をなくしてしまう。という声もよく聞きます。働けるのに、働かない人を作るのが生活保護だといっているわけです。
生活保護法第1条には、「この法律は、日本国憲法第25条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とあります。

質問

先に述べたような状態があるとすれば、福祉事務所が、「自立を助長することにある」と規定している生活保護法の目的を定めた第1条どおりの取組を十分行っていないことを示しているといえるのではないでしょうか。

答弁

福祉事務所では、平成14年度から就労促進相談員を配置し、基本的な身だしなみから生活習慣の確立のための指導、履歴書の書き方から面接の受け方にいたるまでの助言、また、ハローワークへの動向訪問など、状況に応じてきめ細かく就労活動を支援してきた。

しかし、長引く経済・雇用状況の悪化などを背景として、就労活動を行っても、なかなか就職に結びつかないため、働く意欲の減退が懸念されている。

こうしたことから、平成23年度から「就労意欲喚起等支援事業」を、そして平成24年度からは、ボランティア活動等を通じて、自立に向けての意欲を高める「ボランティア・職業体験事業」を開始するなど、積極的に自立の助長に向けた取り組みを進めているところである。

 

2012年に入ってから、障害のある人と、その方を支えている2人暮らしの世帯で、支えている方が生活苦で亡くなられた後、支えられている方が餓死するなどの大変痛ましい事件が相次ぎました。生活保護の利用率、捕捉率の低さが影響していると考えられます。

3度も福祉事務所に行っているのに、追い返されていたことがわかっています。

生活保護世帯が増えたと大問題にされていますが、人口でみた場合の2010年の保護利用率はイギリス9.27%、ドイツ9.7%、フランス5.7%、に対して、日本は1.6%と、きわめて低いのです。保護率の高い国は、貧しい人の割合が高いのではなく、人権を守る制度として、利用しやすい制度になっているようです。
国や自治体の財政が厳しいといっても、日本全体が貧しいわけではなく、税制や社会保障制度による所得の再配分機能が十分に果たせない仕組になっているのが根本問題です。

所得の再配分機能を高めて、社会保障に必要な財源を確保し、一人ひとりの人間としての尊厳を尊重する社会にすることこそが求められています。

 大資本中心の経済対策から中小零細事業者も1人親方も支援され、地域内循環を高める経済政策に力を入れてこそ真に豊かで住みやすい、地域をつくるものと思います。

 力の弱いものを切り捨てる社会は、真に豊かな社会ではないと述べて、私のすべての質問を終わります。

中学校給食と中学校卒業まで医療費無料に 署名運動用ポスター

子育て支援でまちを元気に
・尼崎でも中学校給食の実現を
・中学校卒業まで医療費無料に

全市で取り組まれている署名運動をすすめるためにプラスター(ポスター)の版下を用意しました。
下記のリンクからダウンロードしてご活用ください。(リンクで右クリック 対象をファイルに保存)

(A3サイズ4枚はりあわせ用は、ポスターの画像をのりしろを含めてA3サイズ4枚に分割、4ページになっています。ファイルサイズが大きいので、ダウンロードに時間がかかります。)

子育て支援_給食プラスター(1)

子育て支援_給食プラスター(1)A3サイズ(画像PDF 約4MB)

子育て支援_給食プラスター(1) A3サイズ4枚はりあわせ用(画像PDF 約14MB)

 

子育て支援_給食プラスター(2)

子育て支援_給食プラスター(2)A3サイズ(画像PDF 約6MB)

子育て支援_給食プラスター(2) A3サイズ4枚はりあわせ用(画像PDF 約21MB)

 

子育て支援_医療費プラスター

子育て支援_医療費プラスター A3サイズ(画像PDF 約4MB)

子育て支援_医療費プラスター A3サイズ4枚はりあわせ用(画像PDF 約16MB)

子育て支援署名板_前垂れ用ポスター
子育て支援署名板_前垂れ用ポスター A3サイズ (画像PDF 約80KB)

(ある系列のコンビニではマルチコピー機でPDFファイルの印刷ができます。1枚80円。
USBメモリにコピーして持ち込みます。)

日本共産党尼崎市会議員団 市政情報

お問い合わせ先電話 6489-6070(議員団控室直通)

日本共産党尼崎市会議員団 市政情報 2012.9.9.PDF版はこちら

9月議会の一般質問日程が決まりました

日本共産党議員団の一般質問日程が次のとおり決まりました。
ぜひ傍聴にお越し下さい。前の発言者の終了時間によって変わることもあります。
インターネット中継もご利用ください。

●9月12日(水)午後3時20分頃から(予定) 60分
松村ヤス子議員:住宅リフォーム助成制度について/生活保護制度について

●9月13日(木)午後1時30分頃から(予定) 45分
田村征雄議員:市長の政治姿勢について/市立幼稚園の統廃合問題について/津波防災対策について

●9月14日(金)午後13時30分頃から(予定) 60分
広瀬さなえ議員:市長の政治姿勢について/教師の多忙問題について/いじめ問題根絶と、中学校3年生までの35人学級の実施について

●9月14日(金)午後4時頃から(予定) 60分
早川すすむ議員:(1問1答方式)市役所は何のために存在するのか/公共施設の最適化について/総合計画・子育て支援の具体化について

 

尼崎市が「総合計画」説明会   あわせて「まちづくり大学」

来年度からの新たな尼崎市総合計画の説明会が「まちづくり大学あまがさき」として、市内各地で開催されます。
9月29日(土)14:00~16:00 園田地区会館
10月9日(火)14:00~16:00 尼崎商工会議所
10月21日(日)14:00~16:00 大庄地区会館
10月26日(金)14:00~16:00 トレピエ
11月17日(土)14:00~16:00 園田学園女子大学
11月22日(木)18:30~20:30小田地区会館

「こんにちは日本共産党議員団です!」第144号 公営審答申に対する日本共産党市議団の見解

日本共産党尼崎市会議員団ニュース第144号(2012年9月7日)

「市バスは完全民営化が望ましい」との公営審答申に対する日本共産党市議団の見解

2012年9月 日本共産党市議会議員団

「こんにちは日本共産党議員団です!」第143号(この記事の画像PDF)

「市バス事業の担い手のあり方について」を諮問ざれた公営企業審議会(以下、公営審)は、11月の第一回の公営審で、会長から「現行のバスネットワークとサービス水準は維持することを前提に」と確認の発言があり、議論が始まりました。審議の結果、公営審の多数意見として「完全民営化方式が望ましい」と答申しました。この答申に対する日本共産党市議団の見解は以下の通りです。

1.市バス問題の経過と公営審に至る問題点

(1) 今回の公営審設置の経過

市バス事業のあり方は、地方公営企業法にもとづき、公営審において議論されるのが基本ですが、前回の公営審の前後で、尼崎市は三つの会議体を設置して検討してきた経過があります。

2008年3月「市バス事業のあり方懇話会」報告書

2009年6月「尼崎市公営企業審議会」答申
→改善型地方公営企業として「直営」のもと、経営改善を図ると提起。課題として、市内部で検討している「高齢者特別乗車証制度」の見直し(敬老パスの有料化)の影響等を危惧しつつ、総合交通政策の策定は急務と提起。

2010年7月「尼崎市地域交通会議」答申
→市バスの現行の路線を、社会的重要度、採算性の2点で評価し4分類に区分。「社会的重要度、採算性ともに低い路線は、原則廃止」と提起。
そのため当該地域の住民が、路線の存続を求める陳情を議会に提出。

2011年8月「尼崎市バス交通検討会議」報告
副市長、局長級10人による庁内会議体→「持続可能なバス交通サービスの方向性」として、経営形態等について検討。

2012年7月「尼崎市公営企業審議会」(今回の公営審)
「バス交通事業の担い手のあり方について」を諮問、「完全民営化」を答申。

(2) 今回の公営審答申に至る問題点

① 問われた市と交通局の経営能力

「市バス事業の担い手のあり方について」が諮問された背景に、交通局会計の急速な悪化がありますが、その要因には当局の経営判断の問題がありました。自家用自動車の普及と人口減少により乗客数が減り続けているもとで、市民とともに「市バスを積極的に利用しましょう」という市役所あげての取組みがどうであったのか検証が必要ですが、公営審での議論は不十分でした。交通局はこれまでいくつかの経営改善策を実施したものの、経営悪化をくい止めるまでには至らず、逆に、敬老パスの有料化の際には、重大な経営判断の誤りがありました。有料化による乗客減が経営に影響するのではないかとの議会からの指摘を無視し、市長部局、交通局が有料化を推進しました。結果、乗客減は見込みを上廻り、経営を悪化させ経営健全化団体への転落の危機をもたらし、一般会計から経営支援金を投入せざるを得ない事態をつくりだしました。

② 総合交通政策を策定せずに公営審を設置

前回の公営審答申が急務と提起した「総合交通政策の策定」をしないまま、公営審が設置されたことは問題です。例えば、今回の公営審での議論として、民営化した場合において、極端に赤字となった路線については、コミュニティバスやデマンドバスを導入するなどの議論がありましたが、その場合は、「総合交通政策のもとでの対応であり、公営審の課題ではない、企画財政局の課題だ」との会長発言がありました。総合交通政策が策定されていないために、想定される赤字路線対策など公営審で議論されてしかるべき課題が議論されないまま、「完全民営化ありき」の答申となりました。総合交通政策の策定を怠ったまま、「市バス事業の担い手」を諮問するやり方に問題があったことを示しています。

③ 尼崎交通事業振興(株)への対応については事前の検討が不十分

「バス事業の担い手」を公営審で議論する前に、交通局が出資して設立し、現在は市バス8路線の運転業務の受委託関係にある「尼崎交通事業振興(株)」をどうするのかについて、本来、市長と自動車運送事業管理者とで、「バス事業の担い手」とする場合には、どのように条件整備が必要か、との視点での検討があってしかるべきでした。「尼崎バス交通検討会議」の報告では、「尼崎交通事業振興(株)について、担い手としてふさわしい体制を整えるには、これまで以上の人的、財政的なバックアップが必要とし、設立経緯を踏まえ、会社の意思を尊重する中で、協議していくこととなる。」と指摘していました。ところが、市長部局、交通局と尼崎交通事業振興(株)とで、どのような協議をしたのか、について不明であり、公営審には報告がありませんでした。

例えば、協議の結果、尼崎市交通事業振興(株)を担い手の一つとして、検討の対象にできるという一定の方向が出れば、公営審の諮問内容も違っていたはずです。しかし、尼崎交通事業振興(株)を担い手の対象とすることについて、市の検討は不十分でした。

2.「完全民営化が望ましいとする答申」の問題点

(1) 完全民営化で、市民のバス交通サービスが悪化しないか?

市バス事業は市直営だからこそ、半径300m以内にバス停があり、28路線という緻密なバスネットワークにより市民の足をまもり、バス交通サービスを維持できたものと考えます。一方、民間のバス事業者は、公共交通の一翼を担うとはいえ、利潤の追求と株主配当をだすことが第一の使命です。市バスを完全民営化すれば、「赤字路線が切り捨てられないか」という市民の不安の声があがるのは当然です。

このような市民の不安に対して、答申は「公共性確保に向けた取組みについて」として、「民営化の移行に際し、バス交通サービス水準の維持、確保に向け、事業者と協議を行い、協定を締結すること」としています。

①市とバス事業者の協定の内容は不明確

バス交通サービス水準の維持、確保に向け、市が事業者と協定を締結するとしているものの、協定の内容も有効期間も不明確です。

他都市の例では、協定期間は2年ないし3年程度です。協定期間が過ぎれば、バス交通サービスは民間企業の意のままとなり、利益確保第一の経営姿勢から路線やサービス水準が悪化する可能性があります。

公営審では、協定に盛り込む事項については、議論がされませんでした。

②市はバス事業者にいくらまで補助金を出すのか

答申で「路線の維持に対する公的負担の基準について、整理すること」と記述された点については、結局、民営化しても赤字路線に対しては市が補助金を投入することを意味しており、市が補助金を投入する基準を明らかにすることを求めています。

この考えでは、市が示した「負担の基準」によっては、つまり、ある路線に対して、市の負担の基準では補助金を一定額以上投入できないと市が判断すれば、民間バス事業者は、「それなら路線は維持できない、路線廃止します」という対応になることが考えられます。

公営審では、完全民営化すればすべてがうまくいくかのような議論がありました。しかし、補助金をいくらまで出すのか、バス事業者から想定超える要求が出た場合どうするのか、バス事業者に市がどこまで発言権をもてるのか不透明です。

③ 高齢者特別乗車証制度は存続されるのか

公営審では、高齢者特別乗車証制度を維持してほしいとの意見がありました。実際にこの制度がどういう形になるのかは、確定していません。阪神バスや阪急バスが担い手になった場合、現行の市内区間について、高齢者特別乗車証制度の対象とするのかどうかは議論がされていません。

④ バス事業者の選定にあたり、市はどのような条件を示すのか

バス事業者の選定にあたり、協定にもりこむ内容、協定の期間について、市の負担の基準、高齢者特別乗車証制度についてなど、市民の足と福祉をまもる条件をどのような内容にするのかは、これからの課題です。

(2) 交通局運転手、交通事業振興(株)運転手・職員の雇用を守れるのか

「完全民営化」を実施すれば、市交通局の廃止に伴い運転手(技術職員)100名を含む120数名の職員の雇用、処遇問題が発生します。公営審の質疑応答で、市長部局で全員を受け入れる状況にはない、との答弁がありました。

また、市の政策で設立運営されてきた尼崎交通事業振興(株)は会社の清算等で70数人の運転手を含む100数名の雇用問題が発生します。

答申では、「交通局に在籍する職員の処遇については、多様な選択肢を用意するなど、職員の希望に添えるよう責任をもって対応すること、また、尼崎交通事業振興株式会社のあり方については、会社の意思を尊重し設立の経緯を踏まえ、市として責任をもって対応すべきであること」と記載されました。この趣旨がどのように推移していくのか、議会としてのチェックが必要です。

3.民営化に向けた市の当面の取り組みについて

答申を受けた当局は、市バス事業の民営化計画を策定していくことになると思われます。当面、議会の特別委員会に民営化計画の素案を提示し、今年秋から冬にかけて、市民説明会とパブリックコメントの募集を実施していくものと思われます。

市当局は、議会や市民意見を踏まえて2012年度末(2013年3月末)には、民営化の方策を確定する考えです。

4.日本共産党市議団は、次のように考えます。

通勤、通学をはじめ買い物や通院など、すべての市民が健康で文化的な生活を営むためには、移動の権利が保障されなければなりません。

そのため、公共交通の要としてのバス交通ネットワーク、サービスのあり方などについて、市長はまず総合交通政策を策定すべきであります。

次に、日本共産党市議団は、公営審で「完全民営化」に反対し、バス事業の担い手を「間接営型方式で」と提案、尼崎交通事業振興(株)を担い手として検討するよう求めてきました。その場合、交通局の経営ノウハウなど人的な支援、財政面の支援は当然です。尼崎交通事業振興(株)を担い手とすれば
第一に、市が関与する仕組みを活かし、公共性を維持し、バスネットワークとサービスをまもる保障となります。
 第二に、バス事業に対する市民や議会の意見を反映できるメリットがあります。
 第三に、ノンステップ、アイドリング機能のある今の市バスをそのまま利用できる点も市民にとってのメリットの一つです。

つまり、市が関与する仕組みを維持していくことがバス事業と利用する市民にとって最大のメリットになると考えます。

また、市には、尼崎市交通事業振興(株)を設立してきた株主責任、道義的責任があります。

今の時期に公共団体が離職、失業の不安をつくることは問題があり、200人近い雇用問題に前向きに対応することが自治体の使命ではないかと考えます。