2012年9月議会 一般質問
2012年9月13日 日本共産党議員団 田村征雄
<登壇1>
<市立幼稚園の統廃合問題について>
まず、資料を配布させていただいております、市立幼稚園の統廃合問題について伺っていきます。
教育委員会は、昨年5月に「市立幼稚園教育振興プログラム素案」を発表し、市立幼稚園教育の6つの柱を提示しました。
6つの柱そのものについては、保護者市民の方々からは、おおむね賛同の意見があったと思いますが、18園のうち9園を廃止することについては、7園の保護者らから、園の存続を求める陳情が議会に提出されました。
陳情審議の中で、保護者の方々の意見陳述や議員からの意見では
○通園距離が1.5kmと就学前の児童が小学生よりも遠距離の通園になること
○住んでいる小学校区にある幼稚園の前を通り過ぎて、他の小学校区の幼稚園に通園させ不合理なことがおきること
○子育て支援の拠点は、地域に密着していることがベストであること
○現役世代の定住、転入を促進し、子育て世代を増やして行こうという、今後のまちづくりの方向性に逆行していること
○何よりも、保護者や住民の理解と合意が得られていないこと
などの意見があり、そして地域の幼稚園を残していただくことが最大のメリットだとの意見陳述は今も覚えています。
また、昨年12月の文教委員会では「保護者や市民の意見を十分に聞いたうえで、幼稚園教育振興プログラム素案を見直すこと」と意見をまとめました。
こうした議論を受けて、今年6月議会の直前に、教育委員会が素案の見直し案を発表しましたが、素案で示した9園の廃止を、博愛、梅園、富松、武庫南、武庫庄の5園は廃止し、大庄、立花東、武庫北、園和の4園は暫定存続という案に見なおすというものでした。
暫定存続というのは、暫定園と近接した地域の2園または3園の入園応募者数が、合計の定員数を2年続けて割り込んだら、その暫定園を廃止にするものです。
つまり見直し案は、もとの素案通り最終的には9園を廃止すると記載しています。
この見直し案で、教育委員会が各幼稚園保護者らと地域で説明会を実施してきました。
ほとんどの園で、保護者会の役員が交代している事情もあり、見直し案の受け止め方は、園和幼稚園のように暫定存続に対してすら強い反対の園もあれば、参加者自体が少なく、強い反対の意見がなかったところもあったように聞いています。
その結果、素案、その次に素案の見直し案としてきたものを、教育委員会は、案をはずした「尼崎市立幼稚園教育振興ブログラム」として、8月に公表しました。
見直し案から、案をはずしたプログラムの決定まで2か月の早業でした。
①まず、質問します。
「尼崎市立幼稚園教育振興ブログラム」は、議会で議決しておらず、教育委員会内部で決定したものだと理解しますが、いかがですか。答弁願います。
このプログラムにもとづいて、教育委員会は、8月23日の教育委員会議で、「9月議会に5園の廃止条例を提案する」と決めたとのことであります。
②そこで質問します。
見直し案で廃止を予定していた5園の保護者説明、地域説明では、9月議会に廃止条例を提案することは確定していると説明していたのかどうか、ご答弁願います。
次に、私から幼稚園担当に、9月議会に、廃止条例を提案するのかどうか、8月の後半に数回にわたり、確認していましたが、「まだ分からない」というばかりでした。
地域の市立幼稚園で幼児教育をと考えている保護者や地域のまちづくりなどに影響が出る問題であり、廃止の計画があったとしても、その計画はどのように進んでいくのかという段階と違い、実際に廃止条例が提案されて議決された場合は、あと戻りできない事態となります。
それだけに、保護者や地域の住民に説明するだけでなく、説明会でだされた意見を踏まえて、理解と合意が得られたのかどうかを十分に検討し、理解と合意が得られていないのであれば、該当する幼稚園の廃止を条例提案するのは差し控えて、さらに理解と合意を得る努力を積み重ねていくことが、行政のあるべき姿ではないかと考えます。
③そこで質問します。
この議会に、廃止対象の富松、武庫庄、博愛の三園の保護者などから、存続を求める陳情が提出されていますが、教育委員会はこれら三園の廃止について理解も合意も得られたと判断していたのかどうか、これらの陳情が提出されたことをどのように受け止めているのか、答弁願います。
④さらに質問します。
園和幼稚園の保護者説明会でも、園田地区会館での地域説明会でも、園和幼稚園は暫定園ではなく、存続園にして欲しいとの強い意見があったと考えますが、いかがですか?
答弁願います。
次に、資料ナンバー1をご覧願います。
私立幼稚園就園奨励補助金の市外の支給人数と金額の実績ですが、一番右はしの小さな欄は、24年度の申請人数です。
つまり、尼崎市外の私立幼稚園に、尼崎市民の園児が入園して申請すれば、市が補助金をだします。保護者の口座に入りますが、幼稚園の保育料として、市外の私立園に払い込まれるものです。
保護者のつながりがある園とか、特別の幼児保育に魅力を感じて入園させているとか、2人、3人まで程度ならそういうことはあるでしょう。
平成24年度の申請人数ですが、10番目の豊中市の「こうづしま幼稚園」の69人は突出しています。同じく11番目の豊中市の庄本幼稚園の23人とあわせると92人も豊中市の私立幼稚園にお世話になるのです。
⑤そこで、質問します。
⑤-1 就学前教育を希望する尼崎の子どもたちは、市立であれ、私立であれ、本来、尼崎の幼稚園で幼児教育をうけるのが望ましいと考えますが、いかがですか?
⑤-2 次に認定されれば計92人もの児童が豊中市の私立幼稚園に通園している実態をなぜとお考えか、どのように受けとめているのか? あわせて答弁願います。
次に、特設学級の件です。
プログラムでは、市立幼稚園では、好奇心が旺盛な幼児期に、自ら進んで遊びながら知識や技術を獲得する、あるいは遊びの中で他の幼児たちと関わり合うことで、ルールや他人を思いやる心を見につけるといった「遊びを通した学び」を大切にしている、としています。
近年、少子化、核家族化、自然や遊び場の減少、人間関係の希薄化など子どもたちをとりまく社会が大きく変化しているとし、国も幼児教育を重視する方向を示しています。
しかしながら、子どもの変化という面では従来と比べ、自制心や耐性、規範意識が十分に育ってない、あるいは運動能力が低い園児や発達障害を持つ園児が増加傾向にあるといえるなどとプログラムの趣旨で指摘しています。
その上で、プログラムの特設学級の項では、市内で、特設学級への入園希望や、特別な支援を必要とするか否かの判断が難しい園児が増加傾向にある、と指摘しています。
いわゆる発達障害は、ADHD、アスペルガー症候群、LDであり、これらに該当する園児が増える傾向といっています。
⑥そこで質問します。
⑥-1 発達障害の園児をもつ保護者の状況ですが、これらの園児は見た目には他の園児と変わらない場合があり、保護者からすれば、この障害が社会的に認知されていないためもあり、我が子が発達障害だとは受けいれられない、あるいは分っていても内緒にしたがる、そして他の保護者から「子育てのせい」といわれたりして、保護者の心理的負担が大きいという状況があると理解していますが、いかがですか?
⑥-2 さらに、同じような子どもたちをもつ親が、互いに子育ての悩みを交流したり、経験を交流する場があることは、親を孤立させず、親も子どもも、みんなで見まもり、励まし合う大切なことだと理解していますが、いかがですか? あわせて答弁願います。
次に、園和幼稚園の特設学級に通園していた子どもと保護者の方々の取組です。
園田東中学校の東側道路に面して園和幼稚園があります。また、園田東中学校の西側、約200mの位置に、園和小学校があります。
園和幼稚園の特設学級を卒園した児童が園和小、園田東中へと進学していく中で、園和幼稚園、園和小、園田東中の保護者らの連携は、これまで5年近い実績があり、発達障害(グレーゾーン)の子どもの親の会がつくられ、さまざまな取り組みを進めてきました。
親の会は園和小のクラブハウスを借りて、30人の会員が、会員でない親たちの相談にのり、月1回の集まり、月に1回、通信としてニュースを配布するなど先進的な取り組みを進めています。このような活動をしいるのは、市内でただ1か所だと聞いています。
⑦そこで質問します。
園和幼稚園の特設学級をスタートとして、園和小や園田東中学校も交えて、親の会が活発な活動をしていることを教育委員会は知っていたのでしょうか?
知っているのなら、いつからどのように掌握していたのか、どのように評価しているのか、答弁願います。
第一問を終わります。 <以上 第一問 終り>
教育長答弁①
市立幼稚園教育振興プログラムは、市内の幼児人口の減少や、子どもたちをめぐる教育環境の変化を踏まえ、幼稚園教育を充実するために、市立幼稚園の運営形態の中で効果的でない部分を見直し、充当していこうとする教育委員会が策定した行政計画でございます
この計圃は、昨年末の文教委員会でいただいたご意見を踏まえ、約1年間に及ぶ意見交換会など保護者をはじめ地域の方々の様々なご意見にも丁寧に対応を行う中で、内容を修正し、正案化したものでございます。
(議会で議決したものでない/田村)
教育長答弁②
保護者説明会や地域説明会の開催時期におきまして、例改正議案を提出する時期が未確定でありましたことから、早ければ9月議会に提案すると、説明してきたところでございます。
教育長答弁③
見直し案の策定について約1年間に及ぶ保護者の皆様等との意見交換に引き続き、プログラム(案)を公表した後も、保護者の皆様、地域の未就園児を抱える保護者の皆様のご理解が得られるよう、全市立幼稚園及び地域での説明会を開催してまいりました。
また、個別に意見交換を求められた保護者の方々とも意見交換を重ね、ご理解いただくよう努めてまいりました。
そうしたなかで、お聴きいたしましたご意見を踏まえ、教育委員会といたしましても暫定的に存続する幼稚園を設定し、入園応募者が特定の園に集中しないように配慮する、また、就学前の子どもを抱えておられる保護者の皆様に十分、周知を行う期間を設けるため、実施時期を2年遅らせるなど修正を加えたプログラム(案)を策定し、改めて保護者をはじめ地域の方々向けの説明会を開催するなどT寧な対応に努めたところでございます。
今回、3件の陳情をお受けするなど、廃止となる幼稚園周辺にお住まいのすべての方々の理解を得られたものではございませんが、これまで時間をかけてご意見をお聴きし、内容を見直してきた経過もございますことから、現在の市立幼稚園が抱える課題を早期に解消し、幼稚園教育をより充実させていくために、今回、プログラムに基づき、廃止条例を提案させていただいたものでございます。
教育長答弁④
園和幼稚園の保護者説明会及び園田地区会館での地域説明会におきまして、園和幼稚園を暫定的に存続させるのではなく、恒久的に存続させてほしいというご意見を複数の方からいただいたところでございます。
教育長答弁⑤-1
子ども達の成長のなかでは、就学前教育は大変重要なものと考えております。
市内にお住まいの子ども達には、市内の幼稚園で就学前教育を受付ていただ<方が望ましい面もあると考えておりますが、幼稚園は義務教育ではな<、また通園区域を定めていないため、各ご家庭が、お子様の就学前教育を十分に検討され、利便性なども考盧された上で入園先の幼稚園を決定されているものと考えております。
したがいまして、いずれの幼稚園で就学前教育を受けるかにつきましては、保護者の選択肢の一つであると考えております。
教育長答弁⑤-2
各ご家庭が、お子様の就学前教育を十分に検討されたうえで、利便性なども考慮されて、入園先の幼稚園を決定されているものでございますことから、いずれの幼稚園で就学前教育を受けられるかにつきましては保護者の選択肢のーつであると考えております。
教育長答弁⑥-1
発達障害は、乳幼児期にわかる場合が少な<、保護者は障害であることに気づきにくいことがあります。
そのため・発達障害であると診断された保護者は、子どもの障害を客観的に理解できずに戸惑うことも多<、対処の仕方がわからない、周囲の理解が得られないなど、様々な不安や葛藤を感じながら子育てをされておられます。
このような面で、心理的に大きな負担を感じている保護者がおられると認識しております。
このことに対応するため、各幼稚園におきましては、園長が中心になって、保護者の心理的負担の軽減を図るよう、子育て等の相談にのっているところでございます。
教育長答弁⑥-2
発達障害等がある園児をもつ保護者が互いに悩みや経験を交流できる場があることは、保護者の心理的負担を軽減する上でも大切なことであると理解しております。
教育長答弁⑦
園和小学校や園田東中学校のある地域において、発達障害のお子様を持つ親の会があることは承知いたしておりましたが、園和幼稚園の保護者も関わりがあることを知りましたのは、プログラム(素案)の公表後でございます。
親の会の皆様の活動につきましては、地域活動の1つとして、心強<感じております。
教育委員会といたしましては、今回のプログラムの実施により、全園に特設学級を設置するとともに、養護教諭の配置を通して、市内全体の子ども達の発達に関する専門機能の強化を図ってまいりたいと考えております。
<登壇2>
市立幼稚園の統廃合問題で2問目に入ります。
暫定園と存続園をグループとして、応募数が定員の合計を上回るか下回るかを、暫定園の廃止の判断基準にしている問題について、園和幼稚園と園和北幼稚園のケースで、問題提起してみます。
まず、配布している資料ナンバー2をご覧いただきます。
平成24年5月現在の住民基本台帳による、小学校区別、就学前の年齢別人口です。
右端欄外に、私が計算した、1歳平均の人数を手書きしています。
38番目の園和は0歳から5才児まで909人、1歳平均で152人です。
39番目の園和北は同じく、772人、1歳平均で129人です。
この人口の数字はこのままで推移せず、一定の転入、転居があり得ますが、人口の傾向として大きくは変わらないと考えます。
絶対数としては、園和の方が、園和北より就学前の人口が多いのです。この人数がすべて幼稚園に行くものではなく、保育所に行く子もあれば、家庭保育の子もあるでしょう。
しかしほぼ同じ比率の傾向で市立幼稚園に応募すると考えていいでしょう。
次に資料ナンバー3をご覧願います。
平成21年度から24年度まで4年間の幼稚園別の定員、園児数、応募者数の実績です。
4歳児の最近4年間の応募数は、園和で定員30人に対して、37人、35人、38人、41人と35人を上廻っています。
園和北は、同じく定員30人に対して、38人、30人、32人、29人と、ここ3年間は30人に近いか、やや下回る傾向ですが。今のところいずれも両園を足せば優に60人を超えているので、園和の暫定は当面、存続されるでしょう。
ところが今後、園和が36人、35人であっても、園和北が23人、24人になった場合、両園で足しても60人を下回り、幼稚園教育振興プログラムの基準では、応募数の多い方の園和が廃止されてしまうことになるのです。
園和は園田駅に近く生活に便利のため、園和のほうが人口も応募数が多い傾向は続くと思われます。
⑧そこで質問します。
園和と園和北をひとつのグループにして、応募数が両園の定員を2年続けて下回れば、多い方の暫定園の園和を廃止し、一方、定員を大幅に割り込んでも存続園の園和北はずっと存続されることになるとしています。園和と園和北との事例ですが、「プログラム」の暫定園の存廃の基準は合理性に欠けると考えられますが、なぜ合理的な説明ができない基準をもとに存続園、暫定園という区分けをしたのか、答弁願います。
園和と園和北を例示して質問しましたが、他の園でも、同様なケースがある可能性があります。
次に、これまでの説明会などの説明で、園和と園和北のどちらかを残すとすれば、耐震基準に適合している園和北を残すという考え方を教育委員会が説明してきていました。
しかし、園和北の応募数が仮に25人前後に減ってきた場合、耐震化されていないことだけをもって応募数の多い園和を廃止することには、保護者、住民の方々の理解と合意は得られないと私は確信します。
本来、阪神淡路大震災のあとただちに耐震化工事を実施しておくべきだったのです。
時間の関係で1問をとばして、次に行きます。
さて、東園田地区から豊中市の私立幼稚園になぜこんなに多くの児童がお世話になっているのか、であります。
資料ナンバー4をご覧願います。
こうづしま幼稚園に通園しているのは、東園田町、椎堂、つまり猪名川、藻川に囲まれた東園田地区ばかりです。庄本幼稚園もほぼ同様です。
東園田地区には、市立の園和、園和北の2園がありますが、私立幼稚園はありません。
…次から私が紹介することが質問になります。…
92人もの児童が、豊中の私立幼稚園に通園しているのは、
第一に、東園田地区に幼稚園が少ないこと
第二に、市立幼稚園の4歳児定員が少ないからです。
そして、園和の保護者の方々から聞いたことですが、4歳児の定員が30人しかなく、申し込んでくじ引きになったら、はずれるかも知れない、そうすると市立幼稚園に入園させたいと思うと5才児保育からしか入れなくなる、一方、豊中市の私立幼稚園なら、3歳児から申し込めば、ほとんど全員が入園できる、と言っているのです。
保護者の方々の個人的好みだけで豊中の私立に通園させているわけではないのです。
子どものために確実に2年保育、または3年保育ができる幼稚園に入れさせたいという、切実な願いが背景にあるのです。
4歳児の春を泣かせたくないということなのです。
⑨以上述べたことについて質問します。
豊中市の私立幼稚園に東園田地区の多くの児童が通園している理由として、東園田地区に幼稚園が少ないこと、東園田地区の市立幼稚園2園の4歳児定員が少ないことのほか、確実に2年保育、3年保育の幼稚園に入園させたいという保護者の願いがある、という意見は、もっともだと考えますが、いかがですか?
⑩次に、通告してありませんが、浜田委員長に簡単な質問をさせていただきます。
今日、私が配布している資料のうち、市外の私立幼稚園に通園している実態を示す資料1と資料4の2点について、市立幼稚園教育振興プログラムを審議している教育委員の会議、浜田委員長が運営している会議に提出されたことがありますか。
イエスかノーの質問ですが、ご答弁願います。
次に、特設学級の設置の問題です。
東園田地域で障害者の方々が生き生きと生活している状況を紹介します。
園田地域には障害者の作業所が比較的多くあります。駅前の商店街通りには、飲食店、物販店、喫茶店も出ています。
そして何よりも、園田カーニバル、水辺まつり、あるいは独自のイベントなどで、高校生から成人の障害者もハンディをもった子どもたちと交流している、それが当たり前になっており、地域に密着していきいきと暮らしています。
その原点は、園和幼稚園の特設学級からのスタートです。
教育委員会のプログラムでは、存続園は9園すべてに特設学級を設置し、暫定園は暫定期間が始まる平成28年度から、特設学級を一律に廃止するというものですが、東園田地域で築いてきた、子どもから大人までの障害者ネットワークを原点から壊してしまうではないかと、地域の住民が怒りの声を上げています。
⑪そこで質問します。
⑪-1 園田地域には、子どもから大人まで障害者のネットワークがあり、自主的にさまざまな活動に取り組んでいることを、教育委員会はいつから知っていますか?
⑪-2 このネットワークをまもり、発展させていくことについてどのようにお考えですか?
あわせて答弁願います。
以上で第2問を終わります。<以上 第2問終わり>
教育長答弁⑧
プログラム(素案)では、市立幼稚園の存廃について、個々の幼稚園の応募状況に配慮するものではな<、入園応募者数に見合った定員を確保することを前提に、園数を9園に集約することとし、市内全体のバランスや、保育室数、徒歩通園圈内の応募者数ができるだけ多くなるなどの客観的な基準をもって選定いたしました。
しかしながら、素案の公表後、保護者の皆様から、市立幼稚園の集約によって、特定の園に入園希望者が集中するとのご意見をいただいたことから、入園希望者が集中する間は近隣の園を暫定的に存続させようとしたものでございます。
具体的に、園和北幼稚園と園和幼稚園では、徒歩通園圈内の入園応募者数で大きな差はございませんでしたが、敷地面積が園和北幼稚園の方が広いことや、園和北幼稚園の園舎が新耐震基準であるのに対し、園和幼稚園の耐震補強工事は、園舎の南側の園庭に園舎を支える壁を設置することになるなど大がかりになる可能性が高いことから、園和北幼稚園を存続する園、園和幼稚園を廃止予定園と位置づけたものでございます。
教育長答弁⑨
保護者の中には、議員ご指摘のご意見をお持ちの方もおられると思います。しかしながら、豊中市に近い園田地区の応募状況を見ますと、園和幼稚園におきましては、抽選により入園者を決定させていただいたため、残念ながら抽選に漏れた方もおられますが、他の幼稚園の入園状況等をご案内させていただいているところでございます。さらに、今回のブログラムでは、市内全体では、幼児数が減少傾向にあり、どの地区においても定員を維持または削減している中で、園田地区に限りましては、過去の地区全体の応募倍率等を見て、定員を増やすなど配慮をしているところでございます。
教育長答弁⑪-1
東園田地域、特に園和小学校区を中心に、ハンディの有無に関わらず、相互に理解し尊重し合う中で、安心して暮らすことのできる地域を築こうと、以前から活動されてきたことを存じております。
教育長答弁⑪-2
議員ご指摘のように、東園田地域における、このネットワークを園和小学校のみならず、園和北小学校区へも広げていただきたいと考えているところでございます。
障害者の方々との活動の原点は、園和幼稚園からスタートするとのことですが、園和幼稚園の特設学級の在園児のうち、園和小学校区内のお子様は、平成22年度3人、平成23年度1人、平成24年度O人でございます。
また、特設学級を移設すると、これまで育ててこられた障害者ネットワークの活動に影響を与えるとのことでございますが、市内全幼稚園で均等に質を高めていくためにも、特設学級の園を増やしてまいりたいと考えているところでございます。
⑩濱田教育委員長答弁
見たことはありますが、教育委員の会議で配布はされていません。(趣旨)
<登壇3>
答弁がありましたが、第3問で問題提起したいと思います。
幼稚園教育の振興と銘打ったプログラムですが、
特設学級の件では、東園田地区では、発達障害の子どもたちが生き生きできるように、幼稚園、小学校、中学校の「親の会」が連携して支えています。
また、地域には活発に活動している福祉のコミュニティがつくられており、ハンディをもっている方々と共に生きる、そういうまちづくりに貢献し、行政との直接的な関わりはなく、まさに住民自治の一翼を担っているのです。
こういう活動が、全市的に広がるようにしていく上で、園和幼稚園の存続は大きな意味があります。他都市から視察にきてもらっていいような先進例を作っているのです。
親の会のみなさんが行ったききとり調査では、たとえば、今まで園和小学校の校区の園和幼稚園児が、園和北小学校の校区にある、園和北幼稚園に通園した場合、園和北の親の会の活動に参加しますか?という問いかけには、全員が「ノー」と答えたとのことです。
その理由は、学校内のことがほとんどなので、複数学校にまたがった場合、話ができなくなる、人数が多すぎると参加しにくくなる、学校ごとに行事も先生も違うので、参考にしづらい、などの意見がでているようです。
こういうことを十分に検討する必要があります。
次に、市立幼稚園の存廃の問題ですが
第一に、現役世代の定住、転入の促進というまちづくりの視点から、身近な子育て支援の場所としての市立幼稚園を住民合意もないままに、廃止していいのかどうか、当局の説明に対して、保護者らの理解、合意がどうであったのか、が問われます。
文教委員会で、陳情審議が行われるので、委員会で議論していきたいと考えます。
第二に、東園田地区では、4歳児の定員が絶体的に不足しています。
豊中市に90人もの児童が幼児教育の世話になっている現状に目を向けないで、尼崎の幼児教育の振興、充実といえるのでしょうか。
第三に、豊中市に世話になっている実態の資料が、教育委員の会議に提出されたことがないとのことでしたが、それで尼崎の幼稚園教育の振興を客観的に検討したことになるのでしょうか。
稲村市長の政治姿勢として、都市の体質転換、現役世代の定住、転入の促進との関係で、市長に質問していきます。
豊中市の私立保育園に90人もの尼崎のこどもたちがお世話になっている件です。
昨年、園和幼稚園の存続の会は、存続を求める陳情に添えて、12000筆を超える署名が提出されました。東園田地区では、豊中の私立に通園させている保護者達も含めて、町ぐるみの運動になっているのです。
保護者の皆さんが好きで選択しているのではなく、園和、園和北の4歳児定員が少ないためもあって選択せざるを得ないのです、4歳児の春を泣かせない、という保護者の気持ちが、そういう実態をもたらしていることをどう考えたらいいのかであります。
また、就学前のこどもたちですから、いくら通園バスがあっても、例えば、東園田地区から武庫之荘の私立幼稚園に30分かけて通園しようとはなりにくいでしょう。
その園で行事がある時も、保護者の方々にとって、武庫之荘までは行きにくい、しかし、猪名川を渡れば自転車で10分程度で行ける、豊中市の幼稚園なら近いから行ける、こういう地域的、地理的条件のために、豊中市にお世話にならざるを得ないのです。
こうづしま幼稚園をインターネットで検索すると、就園奨励補助金のほかに、豊中市の独自の助成金があると書いてありました。
この質問にあたって、こうづしま幼稚園の園長さんに電話してみました。
東園田からお世話になっています、と前ぶれして、豊中市の独自の助成金は、尼崎市民で通園している方々にも支給されるのかと、豊中市民だけの補助です、という答えでした。
こういうこともあるのです。
市民の選択です。という教育委員会のような答弁をしていると、豊中で世話になっている尼崎市民が、豊中市に引っ越そうかということになることも考えられます。
稲村市長にお聞きします。
幼稚園も少ない、4歳児の定員も少ない、そして川に囲まれている東園田地区という、地理的地域的条件のところで、幼児教育で尼崎の子が90人も豊中市のお世話になっている、こういう実態に対して、子育て世代の定住のためにも、市として、なんらかの対応が必要だと考えますが、いかがですか、ご答弁願います。
豊中市にお世話にならなくてもいいように、東園田地区の実態を改善してこその、尼崎の幼稚園教育の振興、充実ではないでしょうか。
コンパスで円を描いて残す9園を決めました、といってきましたが、園和北とあわせ、園和の両園を存続園にすべきであります。
教育委員会は「9園削減ありき」という発想にとらわれ、柔軟な対応ができないのです。
教育委員会は地域の保護者らの意見に誠実に対応していただきたいと思います。
豊中市の私立幼稚園に90人もの子どもたちが通園している問題で、市長の答弁これからですが、教育長の答弁、見解が妥当か、私の意見、考えが妥当か、議員の皆様にもよく考えていただくようお願いしまして私の質問を終わります。
ありがとうございました。
⑪稲村市長の答弁
田村議員からの園和幼稚園、園和北幼稚園に関する質問です。
先ほど来、豊中市の私立幼稚園に尼崎市から通園させている保護者が非常に多い、という
ご指摘ですが、議員の質問の中にもありましたように、市の境目に位置する地域であり、豊中市が近くにあって、それが選択されていることをもって、尼崎市の定数を考えることにはならないとは思います。
就学援助の尼崎市の制度も当然、豊中市の幼稚園に通っている保護者にも対象になるので、そこが大きな問題になるとは思っていません。
ただし、さきほどおっしゃっていたように、園田は定員をわりこんでいるわけではないことは十分に承知しております。
このたび修正させていただいたプログラムにおいて、保護者の皆さんのそういった、より近い尼崎の公立に通わせたいという気持ちに充分そぐえるように、今後の推移を見ながら丁寧な対応をしていきたいと思っています。以上です。
(終)