2023.10月決算議会 まさき一子の反対討論

おはようございます。日本共産党議員団のまさき一子です。

会派を代表して認定第1号2022年度歳入歳出決算、認定第2号水道事業会計決算、認定第4号下水道事業会計決算、認定第5号モーターボート競争事業会計決算及び議案第88号モーターボート競争事業会計未処分利益剰余金の処分について反対討論をします。

 

尼崎市は国民健康保険証未交付率が県下で連続ワースト1位となっており、保険証が手元になく、必要な医療が受けにくい状況を市がつくっています。

高すぎる保険料により多くの市民は払いたくても払えない状況です。県や国に対して全体的な保険料の引き下げるための補助金の増額を求めるとともに、一般財源からの繰り入れ、基金を活用してその引き下げを実施すべきであり、国保料については認められません。

 

介護保険料は来年度から第9期が始まりますが、一層の負担増に市民から悲鳴の声が上がっています。今でも第1段階から第6段階の65歳以上の被保険者は全体の8割近くを占めています。年間の保険料が2か月分の年金額に及ぶ人もいて、高すぎる保険料が市民生活を脅かしています。国や自治体の支援を強化すべきです。

 

マイナンバーカードについては、多くの国民が不安を抱き、これまで普及が遅れていた大きな原因である個人情報漏洩の懸念は払しょくされるどころか、ますます不安が広がっています。今年の通常国会で来年秋から健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一体化をはかるマイナンバー法の改悪を強行しました。本来なら任意であるはずのカード取得を実質強制するものであり、認めることはできません。

 

行政のアウトソーシングでは、経費削減を理由に、これまでも保育所の民間移管、市民課窓口やサービスセンター、上下水道業務などアウトソーシングが行われてきました。わが会派は市職員の専門技術の継承ができないこと、スキルの後退による市民サービスの低下を招くことを繰り返し指摘してきました。市民生活の重要なインフラ設備である下水処理場までも民間委託がすすめられ、災害などの緊急時に対応できなくなることを危惧します。行政の重要な業務のアウトソーシングは認められません。

 

尼崎市の水は、ウオーターニュースで掲載されているように安全で、近隣都市と比べて料金が安いと市民に好評です。しかし水道料徴収については、2期滞納すると督促が送り付けられ、応じない場合水道が止められ、全額支払いが求められます。人の命にかかわる水の停止であり強権的な水道料徴収は認められません。

 

あまっ子ステップアップ事業は、ベネッセコーポレーションによる公教育の委託事業です。

教育の市場化に道を開き、金数調査の実態が明らかにせず子どもの学力向上に効果があるのか疑問です。忙しい年度末に結果が集中し教師の負担やストレスも多くあります。この事業は6年が経過しており検証が必要です。

 

モーターボート事業については、コロナ禍で増収になったことを手放しで喜ぶことはできま

せん。それにともなって、ギャンブル依存症になる市民の増加が懸念されるからです。市と

して責任をもって依存症対策に取り組むべきです。

 

県道園田西武庫線整備事業は地元住民と土地売却の合意は得られたということですが、県の事業であり計画の全容や進捗状況等が明らかにされていません。市の負担金も膨れ上がっています。周辺住民に対しても丁寧な説明が必要であり認められません。

 

以上の理由から、認定第1号、2号、4号、5号、議案第88号については反対します。ご賛同いただきますようよろしくお願いします。

 

 

おかしいと思ったこと自分の言葉で発信 川中だいじ記者(12歳)【しんぶん赤旗日曜版より】

地元大阪や全国の気になったニュースを一人で取材し、一人で記事を書いているのは川中だいじ記者(12歳)中学生!

しんぶん赤旗日曜版10月1日号11面で赤旗記者が「記者を取材」しています(笑)

自分で「日本中学生新聞」を書き、インターネットやx(旧Twitter)で発信しています。すべてスマホ一台で!

大阪都構想の住民投票で「大阪市がなくなると困る」と小学四年のときに友達に話しただけで先生に注意されたそうです。え?なんで??ですよね。

ならば、新聞で、と新聞委員会に入ったそうです。

原子力発電所のこわさや参議院選挙の記事も書きました。中学生は取材ダメと断られても記者活動を続け、四月の大阪府知事選では初の記者会見に参加しました。将来の夢は政治家かジャーナリスト。頼もしい中学生です♪

 

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松沢ちづる  090-8142-5272   川崎としみ 080-1458-9931   

まさき一子 090-9099-4048  山本なおひろ 090-4265-8862

性搾取 少女たちのSOS【しんぶん赤旗日曜版より】

虐待や性暴力を受け、家や学校に居場所のない少女たちがいます。

街に追いやられ、さらなる性搾取や暴力にさらされる少女たちを、民間の若年女性支援団体が支えてきました。

昨年来、この活動が攻撃にさらされています。

来年4月、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(女性支援法)が施行されるのを前に、求められる取組みを報道しています。

性産業があふれる新宿歌舞伎町。

街にたたずむ若い女性たちを道を埋め尽くす男性たちが物色する光景。

彼らの間を縫い、少女たちに声をかける若手女性支援団体「Colabo」月に2,3回開催する無料カフェの案内をしています。

代表の仁藤夢乃さん「少女たちはそれまでにも児童相談所や学校などに助けを求めています。でも被害者なのに非行や問題児扱いされ、傷つけられ家に帰されてしまう。公的支援が不足する中、街に集まる彼女たちに居場所や仕事を提供するのは性売買業者や買春男性たちです。少女たちは加害者のほうが福祉よりましだと考えている。」

ショックな話ですが本当のことです。

コラボなど民間団体が必死に頑張っているところに東京都は活動の必要性を認め、若年女性支援事業を委託してきたのですが、昨夏ごろからネット上で大々的な攻撃にさらされています。カフェが襲撃されたりもしたのに、都は妨害に抗議せずバスカフェに中止を要請。公的責任を後退させたそうです。

コロナ禍で進む低年齢化、中学生の被害も後を絶ちません。

コラボの理事 細金和子さんは「日本社会では女性たちが性的な商品として扱われて」「構造的な買春社会ともいえます。」

売春防止法も買春男性は処罰もせず、買われた女性を取り締まる差別的なものです。そこに人権の視点はありません。

女性支援法を「絵にかいた餅」にしないためには、自治体で策定される基本計画がどのようなものになるか。

尼崎市では、長らく放置されていた実質的な売春街「かんなみ新地」がようやく一掃されました。尼崎市が性搾取を許さない街になっていくのは、今後の本気度にかかってきます。

わたしたち市民も性搾取を容認せず、一緒に声をあげていきましょう。

 

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稲垣吾郎さん「矛盾あるのが人間らしい」【しんぶん赤旗日曜版】

たびたび、しんぶん赤旗日曜版に登場してくださる稲垣吾郎さんです♪

新しい舞台は町の写真館を舞台にした会話劇。2代目店主 純九郎を演じます。

親の呪縛から解き放たれず、自分の生き方を見つけられないキャラクターです。

稲垣さんは舞台のタイトル「多重露光」を「ミルフィーユノイメージ」と言います。「いろんな思いが多面的に重なってドラマが生まれていく、人間もそうじゃないですか。醜い部分とか弱いところとか矛盾を抱えていて、そこが人間らしくて面白い。」

稲垣さんは坂本龍一さんに「ふわふわして地上から足が浮いているようなホバークラフトみたいな状態が君の魅力だよ」と手紙をもらったそうです。素敵ですね。

しんぶん赤旗日曜版10月1日号 32面

 

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スクープ!ウソで固める軟弱地盤 辺野古基地【しんぶん赤旗日曜版より】

この見出しの付け方に座布団5枚!と叫びました(笑)

ウソで固める軟弱地盤。

新基地建設の埋め立て予定地 大浦湾側で軟弱地盤の存在が判明、地盤改良をしないと工事ができない事態に陥っています。防衛省は設計変更を申請しましたがもちろん県は×!裁判所も県政敗訴の不当判決をし、アメリカ言いなりの政府。

その中でしんぶん赤旗編集部が重大疑惑をスクープ!

防衛省は耐震設計のデータを旧基準(震災前07年)で出していたのです。

工事承認の要件は満たさない可能性もある重大問題です。

工事の遅れ避けるため「都合のいいシナリオ」を作ったようにも見えますよね。

 

しんぶん赤旗日曜版では1面6,7面を使って詳細を伝えています。

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要介護認定で税金が安くなる【しんぶん赤旗日曜版より】

 

月2.8万円が支給される特別障害者手当とは別に、所得税や住民税の負担を軽くする「障害者控除」があります。

障害者手帳がなくても65歳以上で介護保険の要介護認定を受けている非tおは市区町村に申請して「障害者控除対象者認定書」を受け取れる可能性があります。

しんぶん赤旗日曜版9月24日号では、この制度を使い、年約5.5万減税できた方を紹介しています。

しんぶん赤旗日曜版 (jcp.or.jp)

矢沢さんご夫妻の申請に必要だったのは、申請書、介護保険証、詰めの本人確認書類だけでした。

自治体によっては要支援の方も対象の自治体もあります。

しんぶん赤旗日曜版、見本誌をお届けします。

お気軽にお声がけください。

 

 

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9月21日~議会日程はこちらです

9月21日(木曜日) 午前10時から 議員総会室 予算特別委員会(分科会報告、採決)
9月21日(木曜日) 午後1時から 大会議室 議会運営委員会
9月21日(木曜日) 午後1時30分から 本会議場 本会議(第5日目)
9月22日(金曜日) 午前10時から 第1委員会室 決算特別委員会(総務分科会)
9月22日(金曜日) 午前10時から 第2委員会室 決算特別委員会(健康福祉分科会)
9月25日(月曜日) 午前10時から 第1委員会室 決算特別委員会(経済環境企業分科会)
9月25日(月曜日) 午前10時から 第2委員会室 決算特別委員会(建設消防防災分科会)
9月26日(火曜日) 午前10時から 第1委員会室 決算特別委員会(文教分科会)
10月3日(火曜日) 午前10時から 議員総会室 決算特別委員会(分科会報告、総括質疑)
10月4日(水曜日) 午前10時から 議員総会室 決算特別委員会(総括質疑)
10月6日(金曜日) 午前10時から 議員総会室 決算特別委員会(意見表明、採決)
10月10日(火曜日) 午前10時から 大会議室 議会運営委員会
10月11日(水曜日) 午前10時から 大会議室 議会運営委員会
10月11日(水曜日) 午前10時30分から 本会議場 本会議(第6日目)

2023.9月議会 山本なおひろの一般質問と当局答弁要旨【住宅や店舗リフォーム助成・生活保護行政について】

日本共産党議員団の山本直弘です。

私は、地域経済対策として「住宅リフォーム助成制度」「店舗リフォーム助成制度」の創設と、生活保護行政に関わるいくつかの事項について質問いたします。

さて、共産党議員団は先月の17日、18日の2日間、行政視察に行きました。

1日目は東京都世田谷区、2日目は群馬県高崎市で、高崎市では住宅リフォ一ム助成制度、高崎市においては「高崎市住環境改善助成事業」と、店舗リフォーム助成制度、高崎市においては「高崎市まちなか商店リニューアル助成事業」とよばれる施策について学びました。

 

今、かつてない円安と、物価高騰、原材料不足などにより、多くの中小業者は経営がゆきづまり、新型コロナの感染症法上の分類が2類から5類に移行しても、業態によっては期待されたほど業績が回復せず、コロナ下を上回るペースで倒産件数が増加しています。そして、中小企業向けの実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化し、今後さらに中小企業・中小業者の倒産・廃業が増える可能性があります。地域経済の主役である中小企業・中小業者支援が今ほど必要な時はありません。

高崎市の「住環境改善助成事業」は、市民が市内業者に住宅の修繕や改修工事を依頼すると、助成金として工事に要した費用の30%、上限20万円を支給し、間接的に市内申小企業・業者を支援する制度です。

同時に既存住宅の長寿命化や住環境の改善を図ることを目的としています。エアコンや給湯器、便器などの製品単体の購入は対象外ですが、外壁や屋根の塗装などの外装工事、浴室やキッチンなどの水回り改修工事、壁紙の張替えや障子ふすま、畳の取り替えなど、非常に多くの種類の工事が助成対象になっています。

 

予算規模は、当初予算で1億円、申請は500件の見込みですが、補正予算5千万円を足して2022年度は1億5千万円、805件の申請。総工事費951,051千円で、予算額の6倍以上の経済流通となっています。

当初は、東日本大震災の影響で業績が落ち込む市内中小企業の支援事業として創設され、3年間実施して、その後継続するかどうかを検討するということでしたが、市民からの継続の要望が強く13年も続いているということです。

いわゆる「住宅リフォーム助成制度」、名称は各自治体により様々ですが、高崎市も含め2020年10月時点で、全国327の自治体で実施されています。

兵庫県内では、12の市町で実施。神戸市や姫路市、明石市で実施され、阪神間ではお隣の西宮市や宝塚市、川西市など、全国に倣って市内経済活性化の目的で積極的に実施しています。

 

尼崎市でも長年、中小業者団体をはじめ、多くの市民が同制度の創設を求めてきましたが、財政的な制約などで実現には至っていません。高崎市の取り組みを聞いてわたしは、この制度はコロナと物価高騰等で疲弊した市内中小企業・中小業者と、住宅のリフォームを希望する市民が潤うことで、市内経済循環の起爆剤になりうる制度だと思いました。

同時に、申請者の7096以上が65歳以上の高齢者であることからして、この制度は高齢者の住宅環境の改善に寄与するものだということです。

おたずねいたします。

Q1 尼崎市でも、地域経済対策として「住宅リフォーム助成制を創設する考えはありませんか

答弁要旨

本市では、先進市の調査・研究を行った上で、居住中の住宅に対し「エコリフォーム助成」を実施しておりました。

しかしながら、本市には、約8,000戸の空き家があることから、まずは、その対策に注力すべきとの考えのもと、「エコリフォーム助成」を終了し、空き家を改修するための補助事業を開始したものであり、これらが活用されることで、地域経済対策に寄与していると考えていることから、地域経済対策として、「住宅リフォーム助成事業」を設ける予定はございません。

また、国においては、住宅の改修費補助として「こどもエコすまい支援事業」を創設するなど、様々な補助制度を設けておりますので、これらの国の制度を本市においても情報発信し、制度の活用を促進することで、地域経済対策に寄与するものと考えております。(以上)

 

 

次に生活保護行政に関わり、いくつか質問いたします。

まず、物価高騰にともなう電気代の値上げにより、生活保護利用者はエアコン使用をためらい、それによって命の危険にさらされている問題です。

今年の夏も異常な暑さで、9月2日朝日新聞で報道されたように、今年の7月は観測史上最も暑い7月だったことに続き、8月もここ126年で最も暑かった8月であることが、気象庁データの分析から判明しました。これまでの記録だった2010年8月の平均気温を約0.4度上回り、平均気温が最も高い1か月ともなりました。巷で言われているように、正に地球環境が、「温暖化」を超えて「沸騰化」している現状で、日中はもちろん、朝晩もエァコンを使用しないと過ごせない日々が続きました。

昨年の調査ですが、全大阪生活と健康を守る会連合会が行った、2022年夏の生活実態アンケート(247人からの回答)では、回答した生活保護世帯の9割が自宅にエアコンを設置しているにもかかわらず(1割の世帯は設置していないことは驚きですが)、実際に使用しているのは5割で、半数が扇風機などでしのいでいるということです。

おたずねいたします。

Q2.生活保護世帯がエアコン使用を控えている実態を把握していますか。

答弁要旨

エアコンについては、新規申請時の面談、実地調査の際に保有の有無を確認しているほか、定期的な家庭訪問の際には、生活状況を確認する中で、エアコンの使用状況等についても適宜確認を行っており、エアコンを保有している方でも電気代の負担が気になり使用を控えるという声をよくお聞きしています。

こうした声も踏まえ、全国市長会等を通じまして、すべての生活保護受給世帯に対して冷房器具使用に係る電気料金相当分を扶助する制度の創設について要望を行っており、引き続き国への要望を行ってまいります。以上

 

次に店舗リフォーム助成制度についてです。

高崎市においては「高崎市まちなか商店リニューアル助成事業」は、市内商業の活性化を目的に、商売を営んでいる人、またはこれから営もうとする人が、「店舗の改装」や「店舗等でする備品の購入」に対し、100万円を上限に、その費用の2分の1を補助する事業です。

2020年からはHACCP (ハサップ)にもとつく、飲食店衛生向上特別枠が設けられました。また、利用回数については2018年からは2回目、昨年2022年度からは3回目の利用が可能となりました。

設立の経緯は、2012年の7月から9月の3か月間で、職員が市内300店舗を訪問し聞き取り調査を行った結果、約20%が「店舗の改装を検討している」と回答し、その内、約半数が「補助があれぼ改築したい」という声があり、この結果を踏まえ、翌年2013年度から始まった制度で、11年間続いているということです。

2022年度の予算規模は、当初予算3億5千万円で補正予算1億円を追加して4億5千万円。申請件数840件に対して515件の決定件数に対し、助成されたのは3億7千万円で、それによって施行された工事費は8億円となっています。

利用者からは、「商売のやる気が出た」「改装で売り上げが伸びた」「新規のお客様が増えた」といった喜びの声と共に、工事を施行した業者からも「経営意欲が増した」「忙しくなり、先々のことが考えられるようになった」という声が寄せられ、相乗効果が生まれているということでした。また、施行業者を市内業者に限定したことで、小規模事業者や中小企業者に仕事が回る仕組みになっていて、経営が安定し、事業主だけではなく、そこで働く従業員の仕事への意欲の向上が図られ、雇用の安定と定着につながっているそうです。

「店舗リフォーム助成制度」も、名称は各自治体により様々ですが、高崎市も含め2023年10月時点で、全国201の自治体で実施されています。

おたずねいたします。

Q3.尼崎でも、事業者訪問や聞き取り調査をこれまでおこなってきていると思いますが、店舗リフォームに対する要望はつかんでいますか。

答弁要旨

商業団体との会合や事業所訪問など、日頃の業務を通じ、お聞きしている市内事業者からの声としましては、店舗のリフォームについてのご意見もありますが、多くは人手不足や後継者が見つからないといったものであり、その他、キャッシュレスへの対応や商店街への防犯カメラの設置、アーケードの改修など、様々なご意見をお聞きしています。以上

Q4。地域経済対策として「店舗リフォーム助成制度を創設する考えはありませんか。

答弁要旨

店舗リフォーム助成制度につきましては、対象となる施行業者を市内事業者に限定することで、店舗改装の受注機会の拡大やリフォームに関連した備品の購入など、一定の経済効果が発生するものと考えられます。

一方で、今年度実施しています「脱炭素化設備等導入促進支援事業」は、中小企業者の設備導入を支援するとともに、新たに市内事業者に担っていただく簡易省エネ診断を創設し、市内間取引を促進していくことで、市内事業者支援と地域経済対策にもつながっているもので、予定していた100件を超える申請をいただく中、より大きな経済効果が得られるものと考えています。

そうした中、現在のところ、店舗リフォーム助成制度を実施する考えはございませんが、店舗リフォームに活用可能な金融機関における融資の情報のPRや、引き続き、事業者ニーズに加え、経済効果も含めた地域経済対策に資する事業について、検討してまいります。以上

次に、生活保護に関わってお聞きします。

総務省の調査で、昨年5月~9月の熱中症の救急搬送状況は、「65歳以上の高齢者」が最も多く55%、発生場所は「住居」が最も多く40%で、「道路」(17%)「屋外」(12%)を大きく上回っています。

生活保護利用者には自宅で過ごす高齢者も多く、年々気温が上昇する中、猛暑対策は急務です。保護費がじわじわと減らされる中、エアコンの修理、買い替えにともなう費用は利用者負担になっています。厚生労働省は2018年から保護世帯ヘエアコン購入費の支給(現在、最大6万2千円)を認めていますが、

条件は新規保護開始か、転居先にエアコンがない場合などに限られています。保護利用が長い人ほど古いエアコンを使っていて、故障しやすく、「故障したらどうしようもない」という声も聞かれます。社会福祉協議会の貸付制度はありますが、保護費減額や物価高騰で返済していく余裕はありません。

千葉県流山市では、低所得世帯を対象にエアコン新規購入・買い替え費用の補助制度(最大4万5千円、保護世帯は買い替えのみですが最大3万円)が今年の6月から実施されています。

おたずねいたします。

 

Q5.生活保護受給者にエアコンの新規購入・買い替え費用を補助する制度をつくるべきではないでしょうか。

答弁要旨

冷房器具(エアコン)の新規購入に関しては、一定の要件に該当し、真にやむを得ないと実施機関が認めたときに生活保護制度で支給できるとの規定がある一方で、買い替えについては支給できる規定がなく、毎月の保護費のやり繰りや社会福祉協議会の貸付事業の利用を助言することとなります。

このように、現時点の生活保護制度においては、買い替えに係る費用は日々の生活費に含まれるとの整理がなされていることから、市独自に補助を行うという考えはございませんが、保護費のやり繰り等で冷房器具の買い替えに至らない状況があることも勘案し、全国市長会等を通じて、すべての生活保護受給世帯に対して冷房器具の設置や買替えを支給対象とするよう求めているところであり、引き続き国への要望を行ってまいります。以上

 

私は昨年9月の第9回定例会一般質問で、生活保護のしおりのパンフを市の施設、生涯学習プラザなどに置いて、市民に制度の周知をするべきだと求めました。それは、政府の意図的な誘導によって、市民の中に生活保護を受給することが後ろめたい、恥だといった観念が浸透しているのではないかという懸念があったことが理由です。そうではなく憲法25条で保障された、その時代、社会に応じて、最低限度の生活を下回らないよう、国が最低生活費を保障した—と言っても不十分な金額ですが—生存権、国民が政府に要求できる社会権であること。これがまだまだ市民の中に浸透していない。むしろ偏見と差別をもつ人が多い状況を憂慮して求めたものでした。誰もがいつ何時、何らかの事情で職を失い、収入源が絶たれることは起こりうることです。そういった時に雇用保険の失業給付など、社会のセーフティーネットの存在はその社会の暮らしやすさを計る大きな指標であります。

生活保護制度はそういった社会のセーフティーネットの根幹、大本ともいうべき、重要な制度であることは疑う余地はありません。

Q6.生活保護制度の周知のためのポスター、チラシを作成し、生涯学習プラザなど公共施設に掲示、常備し、保護受給者に対する差別や偏見、分断をなくすための一助にすべきだと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

生活にお困りの方に対しましては、南北保健福祉センターのしごとくらしサポートセンターにおいて、生活全般の相談を受けており、それぞれの状況を丁寧にお聞きし、各種支援策を紹介する中で、生活保護制度の案内も行っています。

その上で、相談者が希望される場合や職員が必要と判断する場合は生活保護の窓口を案内し、そこでさらに詳しい説明を行い、必要な支援に繋げています。

このように、支援が必要な方に対しては、個別の事情を踏まえた相談・支援を実施しているため、市独自で生活保護に特化したポスターなどを作成する考えはありませんが、生活保護制度は憲法で定められた権利であり、生活保護を必要とされる方が申請に抵抗感を抱かれるようなことがないように丁寧に制度の説明を行い、寄り添った対応を心がけてまいります。(以上)

 

次に保護利用者の車利用に関することについておたずねいたします。

私が相談に乗っている受給者の方で、コロナ禍で仕事が全くなくなってしまい、生活に困窮した建設業を営んでいる方がいらっしゃいます。申請時、今後仕事をしていく上でこれまで使っていた車は、現場に行くことはもちろん、道具を積むためにどうしても必要ということで、保有が認められました。しかし、仕事が入ることはいまだになく、再起のめどがたっていない状況が続いています。そんな中、収入認定の度に「次に仕事がなかったら車保有を取り消す可能性がある」などと、ケースワーカーから言われているそうです。

ご本人は、「車を取り上げられたら事業を続けることができなくなる。生活保護から自立するためにも、もう少し長期的に見てほしい。」と困惑しています。

おたずねいたします。

Q7.生活保護受給者の自動車については、画一的に所有を打ち切るのではなく、個別の事情を最大限斟酌し、配慮すべきだと思いますがいかがですか。

答弁要旨

生活保護受給者が自営業等を行うために自動車を保有している場合、その保有可否の判断においては、当該自動車が、事業を行うためのものであるか、また事業の種別、地理的要件、処分価値、維持費なども踏まえ、総合的に判断を行っています。

また、コロナ禍における時限的対応として、現時点において収益がない場合であっても、コロナ終息後において、収入が増加すると考えられる場合には、車両のほかにも自営に必要な店舗、機械器具等の資産について、一定の経過期間は処分を猶予することとされており、画一的に所有を取り消すことは行っていませんが、当該処分の猶予期間は、原則概ね6か月」とされていることから、期限到来後には、改めて、保有可否の判断を行うこととしているものです。以上

 

まとめ

まず申し上げたいのは、地域内循環型経済こそ、地域経済再興の道であるということです。

コロナ禍の以前から、消費税の8%10%増税の影響により、中小企業・業者は疲弊していました。そこにコロナ禍によって追い打ちをかけられた。

今後、地域経済を再興、発展させるためには、大型店や、外資を呼び込むことでなく、地域の中小企業・中小業者を行政施策で支援しつつ、地産地消をはじめ、地域内循環型の経済へ抜本的に転換していくことが必要だと思います。

私はその起爆剤として、この「住宅リフォーム助成制度」「店舗リフォーム助成制度」がなりうると確信いたします。

これまで市は「需要の先食いでしかなく、経済効果は薄い」と制度の実施に後ろ向きな姿勢を続けてきました。であるなら、全国でこれだけ多くの自治体で、継続してされていることについて説明がつかないではありませんか。

また、生活保護制度に関わる質問をしましたが、国の生活保護施策待ちでなく、その不十分な隙間を埋めるような市としてのフォローが今、求められています。

毎年の猛暑と、未曽有の物価高騰により、生活保護利用者をはじめ低所得者に命の危険が現実にさしせまっている。国に対して夏季手当の創設を求めると共に、エアコン購入費・修繕費の助成や、電気代の補助など、憲法25条の実践ともいうべき、市民のいのちと健康を守るための市の取り組みがかつてなく求められているのではないでしょうか。

「誰一人取り残さない」を掛け声だけに終わらせないためにも、抜本的な施策の転換こそ必要であることを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

 

 

 

 

2023.9月議会 川﨑としみの一般質問と当局答弁要旨【自治体DXデジタル化・少子化時代の保育所の在り方】

 

日本共産党議員団の川﨑敏美です。

今回の一般質問のテーマは自治体のデジタル化と少子化時代における保育所等のあり方についてです。

 はじめに自治体のD Xデジタル化についてです。

岸田首相は今年の通常国会の施政方針演説でデジタル社会への移行が当面の最大の政治課題の一つであるとして、「地方創生に向けたすべての基礎となる取り組みが、デジタルの力で地域の社会課題を解決し『全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会』を実現するのがデジタル田園都市国家構想だと述べています。デジタル社会の推進によって、本当に全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会がやってくるのでしょうか?

 国は2年後の2025年度中に、全国一斉に自治体のDXデジタル化を開始しようとしています。

 

Q1 このデジタル化を推進することによって、どのようなメリットが生まれるのでしょうか?また進捗状況は全体を100として考えた場合、現時点でどの程度まで到達しているのでしょうか?

答弁要旨

国は、自治体のデジタル化、いわゆる「自治体DX」を進めることの意義として、「住民の利便性の向上」や「業務の効率化により、人的資源を行政サービスの更なる向上に繋げること」などを挙げております。

議員お尋ねのデジタル化の進捗状況を現時点で数値化して具体的に申し上げることは困難ですが、市民の皆さまの利便性、満足度向上を常に念頭に置きながら、取り組みを進めてまいります。以上

 

 次に少子化時代における保育所のありかたについてです。 国立社会保障人口問題研究所のデータによれば、2008年が日本の人口のピークとされ、現在約1億2千万人が約90年後の2110年には 4000万人 まで減少するとされています。この数字は明治の頃の人口と変わらないということです。近年の子ども1歳から4歳までの人口は 2000年から2020年を比べてみると、この20年間で591万人から468万人へと123万人も減少、21.2%の減少率です。

  「地方創生」の目標として合計特殊出生率は2020年が1.6 、2030年が1.8 、2040年が2.07を掲げています。しかし、実際には2020年で1.26となり、この統計を取り始めて最低の値となっており出生率は上がろうとしていません。目標の78.8%の達成率でしかありません。

子どもの出生数は2020年が77万人であったのが 2023年には73万人となっています。

保育所等利用者は2021年 2,742,071人から2022年には2,729,899人となり、一年前と比べて12,172人の減少、減少率は0.4%となっています。保育所等利用者が減少したのは2022年が初めてのことです。

日本は少子化が先進国1位のスピードで進んでいます。しかし、女性の就業率上昇がそれ以上の速さで進んだため、保育所利用者は増え続けました。少子化に歯止めがかからなければ、いずれ保育所の利用者も減少に向かいますが、それはまだ10年以上先のことだと思われていました。ところが2020年に新型コロナ感染症が生じ、少子化のスピードが想定以上に早まりそうです。その結果、全国的には2025年までに保育所利用者が減少すると予想され、保育所利用者は増え続けると言う大前提の転換が生じそうです。所謂2025年問題です。

 少子化時代における今後の保育所のあり方が問われています。

 

Q2 近年の推移を見ると、尼崎での合計特殊出生率、出生数は減少、保育所等利用者数については、緩やかな増加傾向を示しています。今後尼崎において保育所利用者が減少すると予想される年度はいつ頃と予測されていますか?

 

答弁要旨

直近3力年の4月時点の保育施設等の利用者数は、令和3年度8,475人、令和4年度8,716人、令和5年度8,969人と増加が続いています。

今後については、第2期子ども・子育て支援事業計画策定の際に実施した保護者へのニーズ調査の結果から算定した潜在的保育ニーズが54.4%であることを踏まえ、人口減を想定した推計においても、令和10年頃までは保育ニーズの増加が続き、1万人を超えるものと見込むとともに、利用定員に関しては令和10年時点では充足されていないものと考えております。

また、国においてば全ての子育て家庭を対象とした「こども誰でも通園制度」の創設など、今後も保育制度の見直しが考えられることから、保育所等の利用者数は令和10年以降も、当面の間、伸び続けるものと見込まれます。

市としましては、より精緻に中長期的な将来推計を行ってまいりますが、現時点では、いつから利用者数が減少に転じるか予測することは困難であります。以上

 

第2登壇 

答弁ありがとうございました。

【自治体のデジタル化】

第1問でデジタル化の進捗状況は○○ということでした。

Q3 自治体のデジタル化を実施するにあたって、どのような体制、スケジュールで臨むのですか?デジタル政策監はどのような役割を果たしていくのでしょうか?民間事業者ベンダーとの関係性はどのようなものになるのでしょうか?

答弁要旨

本市のデジタル化につきましては、市長をトップとし、私が議長を務めるDX推進会議を設置し、DXに係る方針を策定するとともに、DXについての全庁的なマネジメントを図っていく予定であり、その実行部隊として総務局(デジタル推進課)を中心とする体制で進めてまいります。

デジタル政策監はDXに係る方針(案)の策定及びその評価、全庁のデジタル化に係る助言などを担っていただく予定でございます。

なお、デジタル化を進めるにあたってのベンダーとの関係性につきましては、システムの導入や運用に加え、市民の皆さまの利便性、満足度向上を図るため、最新の情報や技術などの動向を得ることができるパートナーとして、互いに協力する関係であると考えております。以上

 

国が推し進めようとしている「行政のデジタル化」で危惧されるのは、行政内容の吟味を無視して、行政のやり方(形態)だけを拙速に変えようとしていることだと思います。

デジタル社会の基礎となるデジタル技術には、利便性とともに大変危険な特徴があります。

デジタル技術の危険性として、個人的危険性と社会的危険性があります。個人的危険性として、デジタル機器にあまりに依存しすぎると、長い期間にはさまざまな影響が現れて大変心配です。例えば教科書が読めない中学生とか、簡単な暗算ができない大学生など、すでに色々な問題が起きています。

 社会的危険性として、個人情報を含む様々なデータが企業や国に集中・集積されて、人々が知らない間に監視され、治安体制の強化に利用されるようになると、行き着く先はデジタル監視国家になってしまうという問題です。元々デジタル技術にはその技術的な特質から様々な危険性を持っています。

資料1参照 

労働者教育協会理事 友寄秀隆 研究者がデジタルの社会的危険性について考察。6つの問題を指摘しています。

 

 第1に、情報処理の「不可視性」、第2に情報処理の「集中・集積、流通、検索の容易さ」、第3に情報の「模倣のたやすさ」、第4にデジタル情報の「匿名性」を利用した「新たな犯罪」、第5にデジタル機器の「故障」、第6に戦争兵器への利用などです。

 デジタル社会を推進するのに際して、デジタル技術の利用を間違うことの危険性、デジタル技術の悪用による危険性の問題を深く検討しなければならないと思います。

 

Q4 市はこのような社会的な危険性に対して、どのような対策を講じようとしていますか?

 

答弁要旨

自治体がDXを進める大前提として、取り扱う個人情報に対するセキュリティの確実な担保が必要であると考えております。

そのためには、技術的な対策はもとより、情報を取り扱う職員に対する情報セキュリティ対策を確実かつ継続的に実施し続けることが何よりも重要であり、各種監査や研修等をはじめとする全職員の情報セキュリティに対するリテラシーの向上に向けた取組を、より一層強化する必要があると認識しております。

加えて、AI等の新たな技術の活用に関するりテラシーの向上も進めていくことにより、議員ご指摘のような社会的危険性に対する的確な判断や行動へつながるものと考えております。以上

 

 新しい技術の発展にはそれに対応する厳格な社会的ルールが必要です。例えば鉄道、船舶、自動車、航空機の普及には交通法規が必要なように、デジタル社会の安全性を保つためには、個人情報の保護はデジタル社会の大前提とならなければなりません。

 政府の重点計画でも、個人情報及びマイナンバー制度における安心・安全の確保として、行政機関等の検査をはじめ、効果的かつ効率的な監視監督に向けた取り組みの強化を図る等、個人情報及び特定個人情報の取扱いについて、国民の安心・安全が確保されるよう各種取り組みを拡充するとあります。

デジタル化の推進と個人情報保護の強化は一体ですすめられるべきです。“本人同意なしに個人情報を提供する”など個人情報の「利活用」をはかる国の改悪の押しつけに反対し、自治体の個人情報保護制度を守り、発展させることが必要です。

 

Q5 本市では厳格な社会的ルールとして、個人情報の保護をどのように進めようとしているのでしょうか?

答弁要旨

個人情報保護法が改正され、令和5年度から、個人情報保護制度については、すべての地方公共団体において共通の制度となったところです。改正後の同法では、個人情報保護とデータの流通の両立の考えのもとに、個人情報の漏えい等を防止するための安全管理措置を規定し、各地方公共団体の制度運用について、国の個人情報保護委員会が監督・監視を行う制度となっております。本市におきましても、こうした制度の中で、安全管理措置をはじめとした個人情報の取扱いについて、法律の規定を厳格に履行することにより、個人情報保護を徹底していくものでございます。以上

 

総務省は数年前から「スマート自治体研究会」を設けて報告書を発表、自治体のデジタル化の究極の目標は「スマート自治体」を実現することだと述べています。「スマート自治体」とは最新のデジタル技術を装備した賢い自治体という意味です。「スマート自治体」を実現するためには「国・地方公共団体の情報システムの共同化・集約」が必要になるとしています。

今の仕事を前提にした改築方式ではなく引越方式が必要、つまりは全く新しいシステムの構築を行い、そのために「ベテラン職員の経験をAIに蓄積・代替」して職員を事務作業から解放するとしています。これはベテラン職員のリストラにつながるのではないでしょうか。自治体業務のデジタル化は、自治体の人減らし「合理化」に拍車をかけ、職員不足をますます深刻にするのではないでしょうか。

 

Q6 このような懸念に対して、本市でも実際に自治体のデジタル化によって職員の削減が行われていくのでしょうか?

答弁要旨

今後の人口減少社会においては、生産年齢人口の減少による労働力不足が見込まれます。そのため、今後、限られた体制において、多様化する市民ニーズに対応し、市民サービスを維持・向上させていくためにも、デジタル技術やAl等の活用を積極的に図り、市民の利便性向上とともに、職員が直接的に取り扱う業務量そのものを減少させていくことが重要と考えております。そういった状況の中、本市におきましては、デジタル化に伴う業務の効率化により生み出される人的資源については、福祉や子育てなど、行政需要の増加が見込まれる分野へ重点的に配分していくことを基本に考えております。以上

 

さらなる職員の削減の方向ではなく、デジタル化から取り残された市民への対応が必要とされている。

 2021年5月に制定されたデジタル改革関連法の中に「地方公共団体情報システム標準化法」という法律がありますが、これが実際に情報システムの標準化を求める法的根拠となっています。

 標準化の対象とされているのは、基幹系20業務 資料2参照 で、これらの業務の情報システムについては、自治体は国が定めた標準化基準に適合するものを採用しなければなりません。具体的には、国が指定する、自治体が共通に利用するガバメントクラウドの上に、各ベンダーが標準仕様に準拠したアプリケーションを構築し、自治体はその中から自らに最適と思われるものを選択する、つまり自治体は情報システムをいわゆるSaaS(Software as a Service)で運用するという制度設計です。

※SaaS(インターネットを通じて、ソフトウエアーを提供する事業者のクラウドサーバーに接続し、サービスを利用するものをいう)

自治体の情報システムの標準化共通化の基本的な問題は、自治体の独自のサービスが標準化によって削られてしまうおそれがあるということです。国は、実際の情報システムのカスタマイズの自由を保障すること、そのための財源措置を保証することが必要です。

 

Q8 国の示す共通部分以外の尼崎の独自政策を反映させていくための項目はどのようなものがあるのか、具体的にお示しください。

Q9 尼崎独自のサービスを反映していくための取り組みはどうなっているのか、市独自の費用負担はどの程度になるのか、試算されていますか?

答弁要旨

システム標準化は、自治体独自のシステム運用による人的・金銭的負担の拡大や、市民サービスを向上させる取組を情報システムの差異によって迅速に普及できないなどの課題を解決することを目的としており、国においては、標準準拠システムのノンカスタマイズを原則としているところでございます。

そういった状況を踏まえる中で、本市においても、独自施策について、新たなシステムを構築(アドオン)することは原則不可とした上で、これまでシステムで対応していた事務については、改めてその事務の必要性を検討するとともに、事務手順の見直しやシステム以外のICTツールの活用によって対応していくことを基本と考えております。

仮に独自政策部分をシステム構築(アドオン)する場合は本市がその部分に係る全額を費用負担することになります。以上

 

行政手続きのオンライン化・情報システムの標準化・共通化の究極的なねらいはデータ連携基盤の構築です。データ連携のあり方や全体像がわかるように、データ連携基盤の透明性を確保するとともに、住民のパーソナルデータについて、本人の同意なしに個人情報が他者に利用されることを拒否できるといった、「自己情報コントロール権」を確保する仕組みを設けることが必要ではないでしょうか。

 先般、本市でも個人情報保護法の条例改訂がなされましたが、市民のプライバシーの尊重、本人の自己情報コントロール権を確保する仕組みづくりについてはまったく疎かにされています。

 

Q10 デジタル化の推進のための社会的ルールを作っていくためにも、市民に対する説明とともに、理解を求めることが必要だと思いますが、どのような取り組みを考えていますか?

答弁要旨

自治体情報システム標準化については、法で定められたものであり、国からの指示やルールにより、本市も含め、すべての自治体が住民サービスに影響を与えることなく、円滑に移行するよう、現在その準備を進めているところでございます。以上

 

国は拙速に、半ば強引にデジタル化を推進しようとしています。しかしマイナ保険証に見られるように、マイナンバーカード制度の根幹が揺らいでいます。このままデジタル化を強行すれば、直接市民と向き合う自治体が混乱、市民の人権が守れないといったことも出てくるのではないでしょうか。

 

Q11 自治体のデジタル化・D Xについて、本市も全国市長会などを通じて、国に要望もされることだと思いますが、今後どのようなことを国に要請することを考えていますか?

答弁要旨

システム標準化やDXにつきましては、その費用負担等を含め、既に全国市長会、中核市市長会ともに本年6月に国へ提言を行っております。また、先月17日に開催された中核市市長会においても総務大臣に要望するとともに、松本市長と杉原デジタル政策監がデジタル庁副大臣と面会し、自治体情報システム標準化に関して、移行経費だけでなく、標準化に伴って発生する関連システム改修費の全額国費負担とすることや事業者による経費の高止まりが発生している可能性があるため指導等を行ってほしい旨の申し入れを行ったところでございます。今後新たな課題が生じた場合も、こうした様々な機会を通じて、国に要望をしてまいりたいと考えております。以上

 

 【意見・要望】

国に対してデジタル化の延期とともに、市の独自システムの構築のための助成制度を行うことを求めるべきだと思います。また市民に対しては、自治体のデジタル化にともなって、個人情報はどう守られ、市民生活がどのように変わるのか、市役所での手続きがどう変化するのか、知らせることが必要です。単にお知らせにとどまるのではなく、市民からの意見聴取を積極的に求め、今後のデジタル化への対応を市民と共有すべきだと考えます。

 

【保育所における2025年問題、少子化時代における保育所のあり方について】

 

 少子化の下で、今後保育所が直面する問題を整理してみると3つのことがあげられます。

  • 保育所利用者の減少、②保育所等の定員充足率が大幅に低下すること、③待機児童の解消が数字上は進むこと等です。そしてその結果として保育所が定員割れに直面するということになってしまいます。

尼崎ではどうなるのでしょうか。待機児童対策のために、民間の保育所の誘致に取り組んでいますが、コロナ禍以前に策定した保育計画の見直しが求められます。

 

 保育所等の定員の充足率も、全国平均は近年低下してきています。2012年97.2%、2020年には92.2%まで低下しています。

 

Q12 尼崎市の保育所の定員の充足率はどのように推移していますか?

答弁要旨

令和5年4月時点の保育施設における定員充足率は、99.3%でございます。本市の定員充足率の推移としましては、5年前の平成30年4月時点は101.8%、一昨年の令和3年4月時点は100.6%、前年の令和4年4月時点は99.2%と、従前から100%前後で推移しております。なお、直近の令和5年9月時点の定員充足率は、103.8%でございます。以上

 

 これまで待機児童対策のために、民間保育所の誘致を進めてきましたが、今年に入ってから法人保育園会の申し入れにもあるように、これ以上の保育園の新規の誘致は行うべきでないという声も上がってきています。

 

Q13 私立保育園の誘致の現在の進捗状況と、これらの計画の見直しについて検討されているのでしょうか

答弁要旨

本市では、これまで待機児童対策として、保育の量確保事業を実施しており、その中で、新設の民間保育所の公募・設置を進めてまいりました。具体的には、令和元年度以降、保育ニーズが高い地域に新設保育所を9箇所開設し、720人の定員を確保しました。また、令和6年4月までに3箇所開設する予定であり、270人の定員を確保しております。加えて、今年度においては、新設保育所4箇所の公募・選定を行い、令和7年4月までに360人の定員を確保するよう取組みを進めています。令和元年度から令和7年4月までを通算しますと、合計16箇所の新設保育所を設置し、定員1,350人を確保しているものでございます。近年の少子化による就学前児童数の減少傾向を踏まえると、いずれは保育ニーズも頭打ちとなることが想定されますので、今後の保育ニーズの動向を的確に見極めながら、既存施設の活用に軸足を置いた待機児童対策を進めてまいります。以上

 

国が推し進める保育政策の元では、行政がとるべき道は、一つは公立施設の統廃合を進め、公立施設の定員を減らすこと。そして公立施設の役割を福祉的役割に矮小化する。もう一つは、通常保育は民間中心にし、市町村の関与を減らすことです。

しかし、こうした方向ではより良い保育をつくっていくことになり得ません。むしろ保育所利用者の減少を利用して、保育基準の改善を進めることが必要ではないでしょうか。

 

資料3 

 

日本における5歳児一人当たりの床面積は1.98平方メートルに対して、アメリカ3.25(スエーデン7.5)、保育士一人当たりの5歳児の人数は、日本は30人、アメリカ9人(スエーデン6人)。日本の基準の多くは戦後すぐに決められたままで、他の国に比べて極めて劣悪です。保育利用者が減少する割合に応じて、基準を引き上げる、利用者が30%減れば30:1の配置基準を20:1に改善するということです。同様に面積基準もそのように変えれば、子ども一人当たりの1.98平方メートルを2.6平方メートルにすることができます。保育所の定員数についても同様に措置すれば、100人定員が70人になり、運営費が変化しなければ経営面での問題は生じないのではないでしょうか。

 

Q14 少子化時代における今後の保育のあり方として、保育利用者の減少➡最低基準の改善➡保育環境の改善+運営費の維持といった方向性をめざすべきだと考えます。市の見解は?

答弁要旨

急速な少子化・人口減少に歯止めをかける必要があるとして、少子化対策を推進する「こども未来戦略方針」が令和5年6月に国から示されました。その中で、幼児教育・保育について、量の拡大から質の向上へと政策の重点を移すこととし、1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1へと職員配置基準を改善するとともに、民間給与動向等を踏まえた保育士等の更なる処遇改善を検討することと明記されております。また、これらの検討内容については、令和6年度のこども家庭庁の予算概算要求において、事項要求として列挙されております。

従いまして、保育環境や教育・保育施設の運営費についても、保育の質の向上に向けた改善が図られるものと考えておりますことから、今後も国の動向を注視して参りたいと考えております。以上

 

少子化時代における保育所のあり方を考えるうえで、重要な問題が残されています。コロナ禍を体験して、ポストコロナの新しい社会、保育所はどうあるべきかという課題です。

 新型コロナ禍は社会に対して様々な仕組み、生活の見直しを提起しています。新型コロナ感染症 が広がる中で、保育所は地域のエッセンシャルワーカーの就労を保証する施設として注目されました。子育て中の医師・看護師が働くためには、子どもを保育所に預けなければなりません。保育所は地域医療を維持するために欠くことができない存在です。これは公立私立に関係なく保育所が果たすべき役割です。一方保育所内で陽性者が発生した場合保育所は休園となり、地域医療を崩壊させないためには、地域で一定数の子どもを保育できる体制を築かなければなりません。感染症や自然災害の中で、公立保育所は子どもの受け入れ、保育士の派遣などを通じて地域レベルで保育を保障するセイフティネットの役割を果たすことができるのではないでしょうか。

 

Q15 コロナ禍以前に策定された公立保育所の民間移管計画等はいったん凍結して、災害時や感染症対策の際に、全市的に、公立保育所が地域レベルで保育を保障するセイフティネットの役割を果たすことができる体制を新たに構築するべきだと考えますが、市の見解は?

答弁要旨

平成10年度以降取り組んでいる公立保育所の民間移管事業のうち、平成21年度以降の民間移管については、平成19年9月に定めた『公立保育所の今後の基本的方向』を基に実施しております。

この基本的方向に従い、平成31年度から令和6年度までを計画期間とする第4次民間移管計画を策定し、現行計画の最後に当たる南武庫之荘保育所については、現在、令和6年4月1日からの民間移管に向けて準備を進めております。

一方、『公立保育所の今後の基本的方向』を平成19年に策定以降、子ども・子育て支援新制度の開始、幼児教育・保育の無償化や医療的ケァ児への対応など、保育環境を取り巻く社会情勢や、地域における保育二一ズの変化が生じております。

こうした状況を踏まえ、次期民間移管計画については、今日的視点に立った上で、公立保育所の担うべき役割について改めて整理する必要があることから、今年度、庁内の関係部局の職員で構成する「公立保育所のあり方検討会」を設置しました。本検討会のなかで、地域保育のセーフティネットとしての公立保育所の役割についても検討課題として議論を進めているところでございます。以上

 

少子化時代に対応した国の保育所に対する政策的誘導は、自治体の保育に対する公的責任を後退させ、やがては公立保育所のさらなる統廃合を進めていくものとなっています。待機児童対策ができたからそれでいいといったものではありません。

コロナ禍を体験して、医療崩壊を引き起こさないためには、エッセンシャルワーカー、看護師、医師等が安心して仕事ができる体制づくりが求められています。

公立施設が地域における保育の質、量に責任を持つことが求められていると思います。地域の標準的保育を提供し、地域の保育水準を保つ取り組みが必要だと思います。

 

「いまの保険証 残せばいい」荻原博子さん【しんぶん赤旗日曜版より】

「そうだそうだ~」の声が聞こえてきそうな、9月10日付けしんぶん赤旗日曜版の見出しです。

一面の写真は、しんぶん赤旗日曜版読者から編集部に送られてきたハガキ。「いまの保険証を残してほしい」という声があふれています。

 

マイナンバーカードと健康保険証を一本化した「マイナ保険証」を国民に強要するため岸田政権は来年秋に今の保険証を廃止しようとしています。マイナ保険証を持たない人などに発行する「資格確認書」の見直しで保険証廃止の強行を狙う岸田文雄首相。しかし資格確認書を保険証とはまったく違います。

経済ジャーナリストの荻原博子さんは

「マイナ保険証を持たない人をどう特定するかが大変。マイナ保険証を持っていてもトラブルにあって使わない人もいる。ますます混乱してしまうことは目に見えています。」と語ります。

しんぶん赤旗日曜版9月10日号では1面6面で、「一本化で不便になる」「マイナ保険証まるでコント」と問題点をあげ、なぜここまで岸田首相がマイナ保険証にこだわるのか、その背景にあるのは「財界の圧力」と「財界の狙いは個人情報のパッケージ」だと論じています。

経済界から一切の献金ももらっていないしんぶん赤旗だからこそ、忖度ゼロで書けること。

ぜひ、ご一読ください。

 

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