要介護認定で税金が安くなる【しんぶん赤旗日曜版より】

 

月2.8万円が支給される特別障害者手当とは別に、所得税や住民税の負担を軽くする「障害者控除」があります。

障害者手帳がなくても65歳以上で介護保険の要介護認定を受けている非tおは市区町村に申請して「障害者控除対象者認定書」を受け取れる可能性があります。

しんぶん赤旗日曜版9月24日号では、この制度を使い、年約5.5万減税できた方を紹介しています。

しんぶん赤旗日曜版 (jcp.or.jp)

矢沢さんご夫妻の申請に必要だったのは、申請書、介護保険証、詰めの本人確認書類だけでした。

自治体によっては要支援の方も対象の自治体もあります。

しんぶん赤旗日曜版、見本誌をお届けします。

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9月21日~議会日程はこちらです

9月21日(木曜日) 午前10時から 議員総会室 予算特別委員会(分科会報告、採決)
9月21日(木曜日) 午後1時から 大会議室 議会運営委員会
9月21日(木曜日) 午後1時30分から 本会議場 本会議(第5日目)
9月22日(金曜日) 午前10時から 第1委員会室 決算特別委員会(総務分科会)
9月22日(金曜日) 午前10時から 第2委員会室 決算特別委員会(健康福祉分科会)
9月25日(月曜日) 午前10時から 第1委員会室 決算特別委員会(経済環境企業分科会)
9月25日(月曜日) 午前10時から 第2委員会室 決算特別委員会(建設消防防災分科会)
9月26日(火曜日) 午前10時から 第1委員会室 決算特別委員会(文教分科会)
10月3日(火曜日) 午前10時から 議員総会室 決算特別委員会(分科会報告、総括質疑)
10月4日(水曜日) 午前10時から 議員総会室 決算特別委員会(総括質疑)
10月6日(金曜日) 午前10時から 議員総会室 決算特別委員会(意見表明、採決)
10月10日(火曜日) 午前10時から 大会議室 議会運営委員会
10月11日(水曜日) 午前10時から 大会議室 議会運営委員会
10月11日(水曜日) 午前10時30分から 本会議場 本会議(第6日目)

2023.9月議会 山本なおひろの一般質問と当局答弁要旨【住宅や店舗リフォーム助成・生活保護行政について】

日本共産党議員団の山本直弘です。

私は、地域経済対策として「住宅リフォーム助成制度」「店舗リフォーム助成制度」の創設と、生活保護行政に関わるいくつかの事項について質問いたします。

さて、共産党議員団は先月の17日、18日の2日間、行政視察に行きました。

1日目は東京都世田谷区、2日目は群馬県高崎市で、高崎市では住宅リフォ一ム助成制度、高崎市においては「高崎市住環境改善助成事業」と、店舗リフォーム助成制度、高崎市においては「高崎市まちなか商店リニューアル助成事業」とよばれる施策について学びました。

 

今、かつてない円安と、物価高騰、原材料不足などにより、多くの中小業者は経営がゆきづまり、新型コロナの感染症法上の分類が2類から5類に移行しても、業態によっては期待されたほど業績が回復せず、コロナ下を上回るペースで倒産件数が増加しています。そして、中小企業向けの実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化し、今後さらに中小企業・中小業者の倒産・廃業が増える可能性があります。地域経済の主役である中小企業・中小業者支援が今ほど必要な時はありません。

高崎市の「住環境改善助成事業」は、市民が市内業者に住宅の修繕や改修工事を依頼すると、助成金として工事に要した費用の30%、上限20万円を支給し、間接的に市内申小企業・業者を支援する制度です。

同時に既存住宅の長寿命化や住環境の改善を図ることを目的としています。エアコンや給湯器、便器などの製品単体の購入は対象外ですが、外壁や屋根の塗装などの外装工事、浴室やキッチンなどの水回り改修工事、壁紙の張替えや障子ふすま、畳の取り替えなど、非常に多くの種類の工事が助成対象になっています。

 

予算規模は、当初予算で1億円、申請は500件の見込みですが、補正予算5千万円を足して2022年度は1億5千万円、805件の申請。総工事費951,051千円で、予算額の6倍以上の経済流通となっています。

当初は、東日本大震災の影響で業績が落ち込む市内中小企業の支援事業として創設され、3年間実施して、その後継続するかどうかを検討するということでしたが、市民からの継続の要望が強く13年も続いているということです。

いわゆる「住宅リフォーム助成制度」、名称は各自治体により様々ですが、高崎市も含め2020年10月時点で、全国327の自治体で実施されています。

兵庫県内では、12の市町で実施。神戸市や姫路市、明石市で実施され、阪神間ではお隣の西宮市や宝塚市、川西市など、全国に倣って市内経済活性化の目的で積極的に実施しています。

 

尼崎市でも長年、中小業者団体をはじめ、多くの市民が同制度の創設を求めてきましたが、財政的な制約などで実現には至っていません。高崎市の取り組みを聞いてわたしは、この制度はコロナと物価高騰等で疲弊した市内中小企業・中小業者と、住宅のリフォームを希望する市民が潤うことで、市内経済循環の起爆剤になりうる制度だと思いました。

同時に、申請者の7096以上が65歳以上の高齢者であることからして、この制度は高齢者の住宅環境の改善に寄与するものだということです。

おたずねいたします。

Q1 尼崎市でも、地域経済対策として「住宅リフォーム助成制を創設する考えはありませんか

答弁要旨

本市では、先進市の調査・研究を行った上で、居住中の住宅に対し「エコリフォーム助成」を実施しておりました。

しかしながら、本市には、約8,000戸の空き家があることから、まずは、その対策に注力すべきとの考えのもと、「エコリフォーム助成」を終了し、空き家を改修するための補助事業を開始したものであり、これらが活用されることで、地域経済対策に寄与していると考えていることから、地域経済対策として、「住宅リフォーム助成事業」を設ける予定はございません。

また、国においては、住宅の改修費補助として「こどもエコすまい支援事業」を創設するなど、様々な補助制度を設けておりますので、これらの国の制度を本市においても情報発信し、制度の活用を促進することで、地域経済対策に寄与するものと考えております。(以上)

 

 

次に生活保護行政に関わり、いくつか質問いたします。

まず、物価高騰にともなう電気代の値上げにより、生活保護利用者はエアコン使用をためらい、それによって命の危険にさらされている問題です。

今年の夏も異常な暑さで、9月2日朝日新聞で報道されたように、今年の7月は観測史上最も暑い7月だったことに続き、8月もここ126年で最も暑かった8月であることが、気象庁データの分析から判明しました。これまでの記録だった2010年8月の平均気温を約0.4度上回り、平均気温が最も高い1か月ともなりました。巷で言われているように、正に地球環境が、「温暖化」を超えて「沸騰化」している現状で、日中はもちろん、朝晩もエァコンを使用しないと過ごせない日々が続きました。

昨年の調査ですが、全大阪生活と健康を守る会連合会が行った、2022年夏の生活実態アンケート(247人からの回答)では、回答した生活保護世帯の9割が自宅にエアコンを設置しているにもかかわらず(1割の世帯は設置していないことは驚きですが)、実際に使用しているのは5割で、半数が扇風機などでしのいでいるということです。

おたずねいたします。

Q2.生活保護世帯がエアコン使用を控えている実態を把握していますか。

答弁要旨

エアコンについては、新規申請時の面談、実地調査の際に保有の有無を確認しているほか、定期的な家庭訪問の際には、生活状況を確認する中で、エアコンの使用状況等についても適宜確認を行っており、エアコンを保有している方でも電気代の負担が気になり使用を控えるという声をよくお聞きしています。

こうした声も踏まえ、全国市長会等を通じまして、すべての生活保護受給世帯に対して冷房器具使用に係る電気料金相当分を扶助する制度の創設について要望を行っており、引き続き国への要望を行ってまいります。以上

 

次に店舗リフォーム助成制度についてです。

高崎市においては「高崎市まちなか商店リニューアル助成事業」は、市内商業の活性化を目的に、商売を営んでいる人、またはこれから営もうとする人が、「店舗の改装」や「店舗等でする備品の購入」に対し、100万円を上限に、その費用の2分の1を補助する事業です。

2020年からはHACCP (ハサップ)にもとつく、飲食店衛生向上特別枠が設けられました。また、利用回数については2018年からは2回目、昨年2022年度からは3回目の利用が可能となりました。

設立の経緯は、2012年の7月から9月の3か月間で、職員が市内300店舗を訪問し聞き取り調査を行った結果、約20%が「店舗の改装を検討している」と回答し、その内、約半数が「補助があれぼ改築したい」という声があり、この結果を踏まえ、翌年2013年度から始まった制度で、11年間続いているということです。

2022年度の予算規模は、当初予算3億5千万円で補正予算1億円を追加して4億5千万円。申請件数840件に対して515件の決定件数に対し、助成されたのは3億7千万円で、それによって施行された工事費は8億円となっています。

利用者からは、「商売のやる気が出た」「改装で売り上げが伸びた」「新規のお客様が増えた」といった喜びの声と共に、工事を施行した業者からも「経営意欲が増した」「忙しくなり、先々のことが考えられるようになった」という声が寄せられ、相乗効果が生まれているということでした。また、施行業者を市内業者に限定したことで、小規模事業者や中小企業者に仕事が回る仕組みになっていて、経営が安定し、事業主だけではなく、そこで働く従業員の仕事への意欲の向上が図られ、雇用の安定と定着につながっているそうです。

「店舗リフォーム助成制度」も、名称は各自治体により様々ですが、高崎市も含め2023年10月時点で、全国201の自治体で実施されています。

おたずねいたします。

Q3.尼崎でも、事業者訪問や聞き取り調査をこれまでおこなってきていると思いますが、店舗リフォームに対する要望はつかんでいますか。

答弁要旨

商業団体との会合や事業所訪問など、日頃の業務を通じ、お聞きしている市内事業者からの声としましては、店舗のリフォームについてのご意見もありますが、多くは人手不足や後継者が見つからないといったものであり、その他、キャッシュレスへの対応や商店街への防犯カメラの設置、アーケードの改修など、様々なご意見をお聞きしています。以上

Q4。地域経済対策として「店舗リフォーム助成制度を創設する考えはありませんか。

答弁要旨

店舗リフォーム助成制度につきましては、対象となる施行業者を市内事業者に限定することで、店舗改装の受注機会の拡大やリフォームに関連した備品の購入など、一定の経済効果が発生するものと考えられます。

一方で、今年度実施しています「脱炭素化設備等導入促進支援事業」は、中小企業者の設備導入を支援するとともに、新たに市内事業者に担っていただく簡易省エネ診断を創設し、市内間取引を促進していくことで、市内事業者支援と地域経済対策にもつながっているもので、予定していた100件を超える申請をいただく中、より大きな経済効果が得られるものと考えています。

そうした中、現在のところ、店舗リフォーム助成制度を実施する考えはございませんが、店舗リフォームに活用可能な金融機関における融資の情報のPRや、引き続き、事業者ニーズに加え、経済効果も含めた地域経済対策に資する事業について、検討してまいります。以上

次に、生活保護に関わってお聞きします。

総務省の調査で、昨年5月~9月の熱中症の救急搬送状況は、「65歳以上の高齢者」が最も多く55%、発生場所は「住居」が最も多く40%で、「道路」(17%)「屋外」(12%)を大きく上回っています。

生活保護利用者には自宅で過ごす高齢者も多く、年々気温が上昇する中、猛暑対策は急務です。保護費がじわじわと減らされる中、エアコンの修理、買い替えにともなう費用は利用者負担になっています。厚生労働省は2018年から保護世帯ヘエアコン購入費の支給(現在、最大6万2千円)を認めていますが、

条件は新規保護開始か、転居先にエアコンがない場合などに限られています。保護利用が長い人ほど古いエアコンを使っていて、故障しやすく、「故障したらどうしようもない」という声も聞かれます。社会福祉協議会の貸付制度はありますが、保護費減額や物価高騰で返済していく余裕はありません。

千葉県流山市では、低所得世帯を対象にエアコン新規購入・買い替え費用の補助制度(最大4万5千円、保護世帯は買い替えのみですが最大3万円)が今年の6月から実施されています。

おたずねいたします。

 

Q5.生活保護受給者にエアコンの新規購入・買い替え費用を補助する制度をつくるべきではないでしょうか。

答弁要旨

冷房器具(エアコン)の新規購入に関しては、一定の要件に該当し、真にやむを得ないと実施機関が認めたときに生活保護制度で支給できるとの規定がある一方で、買い替えについては支給できる規定がなく、毎月の保護費のやり繰りや社会福祉協議会の貸付事業の利用を助言することとなります。

このように、現時点の生活保護制度においては、買い替えに係る費用は日々の生活費に含まれるとの整理がなされていることから、市独自に補助を行うという考えはございませんが、保護費のやり繰り等で冷房器具の買い替えに至らない状況があることも勘案し、全国市長会等を通じて、すべての生活保護受給世帯に対して冷房器具の設置や買替えを支給対象とするよう求めているところであり、引き続き国への要望を行ってまいります。以上

 

私は昨年9月の第9回定例会一般質問で、生活保護のしおりのパンフを市の施設、生涯学習プラザなどに置いて、市民に制度の周知をするべきだと求めました。それは、政府の意図的な誘導によって、市民の中に生活保護を受給することが後ろめたい、恥だといった観念が浸透しているのではないかという懸念があったことが理由です。そうではなく憲法25条で保障された、その時代、社会に応じて、最低限度の生活を下回らないよう、国が最低生活費を保障した—と言っても不十分な金額ですが—生存権、国民が政府に要求できる社会権であること。これがまだまだ市民の中に浸透していない。むしろ偏見と差別をもつ人が多い状況を憂慮して求めたものでした。誰もがいつ何時、何らかの事情で職を失い、収入源が絶たれることは起こりうることです。そういった時に雇用保険の失業給付など、社会のセーフティーネットの存在はその社会の暮らしやすさを計る大きな指標であります。

生活保護制度はそういった社会のセーフティーネットの根幹、大本ともいうべき、重要な制度であることは疑う余地はありません。

Q6.生活保護制度の周知のためのポスター、チラシを作成し、生涯学習プラザなど公共施設に掲示、常備し、保護受給者に対する差別や偏見、分断をなくすための一助にすべきだと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

生活にお困りの方に対しましては、南北保健福祉センターのしごとくらしサポートセンターにおいて、生活全般の相談を受けており、それぞれの状況を丁寧にお聞きし、各種支援策を紹介する中で、生活保護制度の案内も行っています。

その上で、相談者が希望される場合や職員が必要と判断する場合は生活保護の窓口を案内し、そこでさらに詳しい説明を行い、必要な支援に繋げています。

このように、支援が必要な方に対しては、個別の事情を踏まえた相談・支援を実施しているため、市独自で生活保護に特化したポスターなどを作成する考えはありませんが、生活保護制度は憲法で定められた権利であり、生活保護を必要とされる方が申請に抵抗感を抱かれるようなことがないように丁寧に制度の説明を行い、寄り添った対応を心がけてまいります。(以上)

 

次に保護利用者の車利用に関することについておたずねいたします。

私が相談に乗っている受給者の方で、コロナ禍で仕事が全くなくなってしまい、生活に困窮した建設業を営んでいる方がいらっしゃいます。申請時、今後仕事をしていく上でこれまで使っていた車は、現場に行くことはもちろん、道具を積むためにどうしても必要ということで、保有が認められました。しかし、仕事が入ることはいまだになく、再起のめどがたっていない状況が続いています。そんな中、収入認定の度に「次に仕事がなかったら車保有を取り消す可能性がある」などと、ケースワーカーから言われているそうです。

ご本人は、「車を取り上げられたら事業を続けることができなくなる。生活保護から自立するためにも、もう少し長期的に見てほしい。」と困惑しています。

おたずねいたします。

Q7.生活保護受給者の自動車については、画一的に所有を打ち切るのではなく、個別の事情を最大限斟酌し、配慮すべきだと思いますがいかがですか。

答弁要旨

生活保護受給者が自営業等を行うために自動車を保有している場合、その保有可否の判断においては、当該自動車が、事業を行うためのものであるか、また事業の種別、地理的要件、処分価値、維持費なども踏まえ、総合的に判断を行っています。

また、コロナ禍における時限的対応として、現時点において収益がない場合であっても、コロナ終息後において、収入が増加すると考えられる場合には、車両のほかにも自営に必要な店舗、機械器具等の資産について、一定の経過期間は処分を猶予することとされており、画一的に所有を取り消すことは行っていませんが、当該処分の猶予期間は、原則概ね6か月」とされていることから、期限到来後には、改めて、保有可否の判断を行うこととしているものです。以上

 

まとめ

まず申し上げたいのは、地域内循環型経済こそ、地域経済再興の道であるということです。

コロナ禍の以前から、消費税の8%10%増税の影響により、中小企業・業者は疲弊していました。そこにコロナ禍によって追い打ちをかけられた。

今後、地域経済を再興、発展させるためには、大型店や、外資を呼び込むことでなく、地域の中小企業・中小業者を行政施策で支援しつつ、地産地消をはじめ、地域内循環型の経済へ抜本的に転換していくことが必要だと思います。

私はその起爆剤として、この「住宅リフォーム助成制度」「店舗リフォーム助成制度」がなりうると確信いたします。

これまで市は「需要の先食いでしかなく、経済効果は薄い」と制度の実施に後ろ向きな姿勢を続けてきました。であるなら、全国でこれだけ多くの自治体で、継続してされていることについて説明がつかないではありませんか。

また、生活保護制度に関わる質問をしましたが、国の生活保護施策待ちでなく、その不十分な隙間を埋めるような市としてのフォローが今、求められています。

毎年の猛暑と、未曽有の物価高騰により、生活保護利用者をはじめ低所得者に命の危険が現実にさしせまっている。国に対して夏季手当の創設を求めると共に、エアコン購入費・修繕費の助成や、電気代の補助など、憲法25条の実践ともいうべき、市民のいのちと健康を守るための市の取り組みがかつてなく求められているのではないでしょうか。

「誰一人取り残さない」を掛け声だけに終わらせないためにも、抜本的な施策の転換こそ必要であることを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

 

 

 

 

2023.9月議会 川﨑としみの一般質問と当局答弁要旨【自治体DXデジタル化・少子化時代の保育所の在り方】

 

日本共産党議員団の川﨑敏美です。

今回の一般質問のテーマは自治体のデジタル化と少子化時代における保育所等のあり方についてです。

 はじめに自治体のD Xデジタル化についてです。

岸田首相は今年の通常国会の施政方針演説でデジタル社会への移行が当面の最大の政治課題の一つであるとして、「地方創生に向けたすべての基礎となる取り組みが、デジタルの力で地域の社会課題を解決し『全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会』を実現するのがデジタル田園都市国家構想だと述べています。デジタル社会の推進によって、本当に全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会がやってくるのでしょうか?

 国は2年後の2025年度中に、全国一斉に自治体のDXデジタル化を開始しようとしています。

 

Q1 このデジタル化を推進することによって、どのようなメリットが生まれるのでしょうか?また進捗状況は全体を100として考えた場合、現時点でどの程度まで到達しているのでしょうか?

答弁要旨

国は、自治体のデジタル化、いわゆる「自治体DX」を進めることの意義として、「住民の利便性の向上」や「業務の効率化により、人的資源を行政サービスの更なる向上に繋げること」などを挙げております。

議員お尋ねのデジタル化の進捗状況を現時点で数値化して具体的に申し上げることは困難ですが、市民の皆さまの利便性、満足度向上を常に念頭に置きながら、取り組みを進めてまいります。以上

 

 次に少子化時代における保育所のありかたについてです。 国立社会保障人口問題研究所のデータによれば、2008年が日本の人口のピークとされ、現在約1億2千万人が約90年後の2110年には 4000万人 まで減少するとされています。この数字は明治の頃の人口と変わらないということです。近年の子ども1歳から4歳までの人口は 2000年から2020年を比べてみると、この20年間で591万人から468万人へと123万人も減少、21.2%の減少率です。

  「地方創生」の目標として合計特殊出生率は2020年が1.6 、2030年が1.8 、2040年が2.07を掲げています。しかし、実際には2020年で1.26となり、この統計を取り始めて最低の値となっており出生率は上がろうとしていません。目標の78.8%の達成率でしかありません。

子どもの出生数は2020年が77万人であったのが 2023年には73万人となっています。

保育所等利用者は2021年 2,742,071人から2022年には2,729,899人となり、一年前と比べて12,172人の減少、減少率は0.4%となっています。保育所等利用者が減少したのは2022年が初めてのことです。

日本は少子化が先進国1位のスピードで進んでいます。しかし、女性の就業率上昇がそれ以上の速さで進んだため、保育所利用者は増え続けました。少子化に歯止めがかからなければ、いずれ保育所の利用者も減少に向かいますが、それはまだ10年以上先のことだと思われていました。ところが2020年に新型コロナ感染症が生じ、少子化のスピードが想定以上に早まりそうです。その結果、全国的には2025年までに保育所利用者が減少すると予想され、保育所利用者は増え続けると言う大前提の転換が生じそうです。所謂2025年問題です。

 少子化時代における今後の保育所のあり方が問われています。

 

Q2 近年の推移を見ると、尼崎での合計特殊出生率、出生数は減少、保育所等利用者数については、緩やかな増加傾向を示しています。今後尼崎において保育所利用者が減少すると予想される年度はいつ頃と予測されていますか?

 

答弁要旨

直近3力年の4月時点の保育施設等の利用者数は、令和3年度8,475人、令和4年度8,716人、令和5年度8,969人と増加が続いています。

今後については、第2期子ども・子育て支援事業計画策定の際に実施した保護者へのニーズ調査の結果から算定した潜在的保育ニーズが54.4%であることを踏まえ、人口減を想定した推計においても、令和10年頃までは保育ニーズの増加が続き、1万人を超えるものと見込むとともに、利用定員に関しては令和10年時点では充足されていないものと考えております。

また、国においてば全ての子育て家庭を対象とした「こども誰でも通園制度」の創設など、今後も保育制度の見直しが考えられることから、保育所等の利用者数は令和10年以降も、当面の間、伸び続けるものと見込まれます。

市としましては、より精緻に中長期的な将来推計を行ってまいりますが、現時点では、いつから利用者数が減少に転じるか予測することは困難であります。以上

 

第2登壇 

答弁ありがとうございました。

【自治体のデジタル化】

第1問でデジタル化の進捗状況は○○ということでした。

Q3 自治体のデジタル化を実施するにあたって、どのような体制、スケジュールで臨むのですか?デジタル政策監はどのような役割を果たしていくのでしょうか?民間事業者ベンダーとの関係性はどのようなものになるのでしょうか?

答弁要旨

本市のデジタル化につきましては、市長をトップとし、私が議長を務めるDX推進会議を設置し、DXに係る方針を策定するとともに、DXについての全庁的なマネジメントを図っていく予定であり、その実行部隊として総務局(デジタル推進課)を中心とする体制で進めてまいります。

デジタル政策監はDXに係る方針(案)の策定及びその評価、全庁のデジタル化に係る助言などを担っていただく予定でございます。

なお、デジタル化を進めるにあたってのベンダーとの関係性につきましては、システムの導入や運用に加え、市民の皆さまの利便性、満足度向上を図るため、最新の情報や技術などの動向を得ることができるパートナーとして、互いに協力する関係であると考えております。以上

 

国が推し進めようとしている「行政のデジタル化」で危惧されるのは、行政内容の吟味を無視して、行政のやり方(形態)だけを拙速に変えようとしていることだと思います。

デジタル社会の基礎となるデジタル技術には、利便性とともに大変危険な特徴があります。

デジタル技術の危険性として、個人的危険性と社会的危険性があります。個人的危険性として、デジタル機器にあまりに依存しすぎると、長い期間にはさまざまな影響が現れて大変心配です。例えば教科書が読めない中学生とか、簡単な暗算ができない大学生など、すでに色々な問題が起きています。

 社会的危険性として、個人情報を含む様々なデータが企業や国に集中・集積されて、人々が知らない間に監視され、治安体制の強化に利用されるようになると、行き着く先はデジタル監視国家になってしまうという問題です。元々デジタル技術にはその技術的な特質から様々な危険性を持っています。

資料1参照 

労働者教育協会理事 友寄秀隆 研究者がデジタルの社会的危険性について考察。6つの問題を指摘しています。

 

 第1に、情報処理の「不可視性」、第2に情報処理の「集中・集積、流通、検索の容易さ」、第3に情報の「模倣のたやすさ」、第4にデジタル情報の「匿名性」を利用した「新たな犯罪」、第5にデジタル機器の「故障」、第6に戦争兵器への利用などです。

 デジタル社会を推進するのに際して、デジタル技術の利用を間違うことの危険性、デジタル技術の悪用による危険性の問題を深く検討しなければならないと思います。

 

Q4 市はこのような社会的な危険性に対して、どのような対策を講じようとしていますか?

 

答弁要旨

自治体がDXを進める大前提として、取り扱う個人情報に対するセキュリティの確実な担保が必要であると考えております。

そのためには、技術的な対策はもとより、情報を取り扱う職員に対する情報セキュリティ対策を確実かつ継続的に実施し続けることが何よりも重要であり、各種監査や研修等をはじめとする全職員の情報セキュリティに対するリテラシーの向上に向けた取組を、より一層強化する必要があると認識しております。

加えて、AI等の新たな技術の活用に関するりテラシーの向上も進めていくことにより、議員ご指摘のような社会的危険性に対する的確な判断や行動へつながるものと考えております。以上

 

 新しい技術の発展にはそれに対応する厳格な社会的ルールが必要です。例えば鉄道、船舶、自動車、航空機の普及には交通法規が必要なように、デジタル社会の安全性を保つためには、個人情報の保護はデジタル社会の大前提とならなければなりません。

 政府の重点計画でも、個人情報及びマイナンバー制度における安心・安全の確保として、行政機関等の検査をはじめ、効果的かつ効率的な監視監督に向けた取り組みの強化を図る等、個人情報及び特定個人情報の取扱いについて、国民の安心・安全が確保されるよう各種取り組みを拡充するとあります。

デジタル化の推進と個人情報保護の強化は一体ですすめられるべきです。“本人同意なしに個人情報を提供する”など個人情報の「利活用」をはかる国の改悪の押しつけに反対し、自治体の個人情報保護制度を守り、発展させることが必要です。

 

Q5 本市では厳格な社会的ルールとして、個人情報の保護をどのように進めようとしているのでしょうか?

答弁要旨

個人情報保護法が改正され、令和5年度から、個人情報保護制度については、すべての地方公共団体において共通の制度となったところです。改正後の同法では、個人情報保護とデータの流通の両立の考えのもとに、個人情報の漏えい等を防止するための安全管理措置を規定し、各地方公共団体の制度運用について、国の個人情報保護委員会が監督・監視を行う制度となっております。本市におきましても、こうした制度の中で、安全管理措置をはじめとした個人情報の取扱いについて、法律の規定を厳格に履行することにより、個人情報保護を徹底していくものでございます。以上

 

総務省は数年前から「スマート自治体研究会」を設けて報告書を発表、自治体のデジタル化の究極の目標は「スマート自治体」を実現することだと述べています。「スマート自治体」とは最新のデジタル技術を装備した賢い自治体という意味です。「スマート自治体」を実現するためには「国・地方公共団体の情報システムの共同化・集約」が必要になるとしています。

今の仕事を前提にした改築方式ではなく引越方式が必要、つまりは全く新しいシステムの構築を行い、そのために「ベテラン職員の経験をAIに蓄積・代替」して職員を事務作業から解放するとしています。これはベテラン職員のリストラにつながるのではないでしょうか。自治体業務のデジタル化は、自治体の人減らし「合理化」に拍車をかけ、職員不足をますます深刻にするのではないでしょうか。

 

Q6 このような懸念に対して、本市でも実際に自治体のデジタル化によって職員の削減が行われていくのでしょうか?

答弁要旨

今後の人口減少社会においては、生産年齢人口の減少による労働力不足が見込まれます。そのため、今後、限られた体制において、多様化する市民ニーズに対応し、市民サービスを維持・向上させていくためにも、デジタル技術やAl等の活用を積極的に図り、市民の利便性向上とともに、職員が直接的に取り扱う業務量そのものを減少させていくことが重要と考えております。そういった状況の中、本市におきましては、デジタル化に伴う業務の効率化により生み出される人的資源については、福祉や子育てなど、行政需要の増加が見込まれる分野へ重点的に配分していくことを基本に考えております。以上

 

さらなる職員の削減の方向ではなく、デジタル化から取り残された市民への対応が必要とされている。

 2021年5月に制定されたデジタル改革関連法の中に「地方公共団体情報システム標準化法」という法律がありますが、これが実際に情報システムの標準化を求める法的根拠となっています。

 標準化の対象とされているのは、基幹系20業務 資料2参照 で、これらの業務の情報システムについては、自治体は国が定めた標準化基準に適合するものを採用しなければなりません。具体的には、国が指定する、自治体が共通に利用するガバメントクラウドの上に、各ベンダーが標準仕様に準拠したアプリケーションを構築し、自治体はその中から自らに最適と思われるものを選択する、つまり自治体は情報システムをいわゆるSaaS(Software as a Service)で運用するという制度設計です。

※SaaS(インターネットを通じて、ソフトウエアーを提供する事業者のクラウドサーバーに接続し、サービスを利用するものをいう)

自治体の情報システムの標準化共通化の基本的な問題は、自治体の独自のサービスが標準化によって削られてしまうおそれがあるということです。国は、実際の情報システムのカスタマイズの自由を保障すること、そのための財源措置を保証することが必要です。

 

Q8 国の示す共通部分以外の尼崎の独自政策を反映させていくための項目はどのようなものがあるのか、具体的にお示しください。

Q9 尼崎独自のサービスを反映していくための取り組みはどうなっているのか、市独自の費用負担はどの程度になるのか、試算されていますか?

答弁要旨

システム標準化は、自治体独自のシステム運用による人的・金銭的負担の拡大や、市民サービスを向上させる取組を情報システムの差異によって迅速に普及できないなどの課題を解決することを目的としており、国においては、標準準拠システムのノンカスタマイズを原則としているところでございます。

そういった状況を踏まえる中で、本市においても、独自施策について、新たなシステムを構築(アドオン)することは原則不可とした上で、これまでシステムで対応していた事務については、改めてその事務の必要性を検討するとともに、事務手順の見直しやシステム以外のICTツールの活用によって対応していくことを基本と考えております。

仮に独自政策部分をシステム構築(アドオン)する場合は本市がその部分に係る全額を費用負担することになります。以上

 

行政手続きのオンライン化・情報システムの標準化・共通化の究極的なねらいはデータ連携基盤の構築です。データ連携のあり方や全体像がわかるように、データ連携基盤の透明性を確保するとともに、住民のパーソナルデータについて、本人の同意なしに個人情報が他者に利用されることを拒否できるといった、「自己情報コントロール権」を確保する仕組みを設けることが必要ではないでしょうか。

 先般、本市でも個人情報保護法の条例改訂がなされましたが、市民のプライバシーの尊重、本人の自己情報コントロール権を確保する仕組みづくりについてはまったく疎かにされています。

 

Q10 デジタル化の推進のための社会的ルールを作っていくためにも、市民に対する説明とともに、理解を求めることが必要だと思いますが、どのような取り組みを考えていますか?

答弁要旨

自治体情報システム標準化については、法で定められたものであり、国からの指示やルールにより、本市も含め、すべての自治体が住民サービスに影響を与えることなく、円滑に移行するよう、現在その準備を進めているところでございます。以上

 

国は拙速に、半ば強引にデジタル化を推進しようとしています。しかしマイナ保険証に見られるように、マイナンバーカード制度の根幹が揺らいでいます。このままデジタル化を強行すれば、直接市民と向き合う自治体が混乱、市民の人権が守れないといったことも出てくるのではないでしょうか。

 

Q11 自治体のデジタル化・D Xについて、本市も全国市長会などを通じて、国に要望もされることだと思いますが、今後どのようなことを国に要請することを考えていますか?

答弁要旨

システム標準化やDXにつきましては、その費用負担等を含め、既に全国市長会、中核市市長会ともに本年6月に国へ提言を行っております。また、先月17日に開催された中核市市長会においても総務大臣に要望するとともに、松本市長と杉原デジタル政策監がデジタル庁副大臣と面会し、自治体情報システム標準化に関して、移行経費だけでなく、標準化に伴って発生する関連システム改修費の全額国費負担とすることや事業者による経費の高止まりが発生している可能性があるため指導等を行ってほしい旨の申し入れを行ったところでございます。今後新たな課題が生じた場合も、こうした様々な機会を通じて、国に要望をしてまいりたいと考えております。以上

 

 【意見・要望】

国に対してデジタル化の延期とともに、市の独自システムの構築のための助成制度を行うことを求めるべきだと思います。また市民に対しては、自治体のデジタル化にともなって、個人情報はどう守られ、市民生活がどのように変わるのか、市役所での手続きがどう変化するのか、知らせることが必要です。単にお知らせにとどまるのではなく、市民からの意見聴取を積極的に求め、今後のデジタル化への対応を市民と共有すべきだと考えます。

 

【保育所における2025年問題、少子化時代における保育所のあり方について】

 

 少子化の下で、今後保育所が直面する問題を整理してみると3つのことがあげられます。

  • 保育所利用者の減少、②保育所等の定員充足率が大幅に低下すること、③待機児童の解消が数字上は進むこと等です。そしてその結果として保育所が定員割れに直面するということになってしまいます。

尼崎ではどうなるのでしょうか。待機児童対策のために、民間の保育所の誘致に取り組んでいますが、コロナ禍以前に策定した保育計画の見直しが求められます。

 

 保育所等の定員の充足率も、全国平均は近年低下してきています。2012年97.2%、2020年には92.2%まで低下しています。

 

Q12 尼崎市の保育所の定員の充足率はどのように推移していますか?

答弁要旨

令和5年4月時点の保育施設における定員充足率は、99.3%でございます。本市の定員充足率の推移としましては、5年前の平成30年4月時点は101.8%、一昨年の令和3年4月時点は100.6%、前年の令和4年4月時点は99.2%と、従前から100%前後で推移しております。なお、直近の令和5年9月時点の定員充足率は、103.8%でございます。以上

 

 これまで待機児童対策のために、民間保育所の誘致を進めてきましたが、今年に入ってから法人保育園会の申し入れにもあるように、これ以上の保育園の新規の誘致は行うべきでないという声も上がってきています。

 

Q13 私立保育園の誘致の現在の進捗状況と、これらの計画の見直しについて検討されているのでしょうか

答弁要旨

本市では、これまで待機児童対策として、保育の量確保事業を実施しており、その中で、新設の民間保育所の公募・設置を進めてまいりました。具体的には、令和元年度以降、保育ニーズが高い地域に新設保育所を9箇所開設し、720人の定員を確保しました。また、令和6年4月までに3箇所開設する予定であり、270人の定員を確保しております。加えて、今年度においては、新設保育所4箇所の公募・選定を行い、令和7年4月までに360人の定員を確保するよう取組みを進めています。令和元年度から令和7年4月までを通算しますと、合計16箇所の新設保育所を設置し、定員1,350人を確保しているものでございます。近年の少子化による就学前児童数の減少傾向を踏まえると、いずれは保育ニーズも頭打ちとなることが想定されますので、今後の保育ニーズの動向を的確に見極めながら、既存施設の活用に軸足を置いた待機児童対策を進めてまいります。以上

 

国が推し進める保育政策の元では、行政がとるべき道は、一つは公立施設の統廃合を進め、公立施設の定員を減らすこと。そして公立施設の役割を福祉的役割に矮小化する。もう一つは、通常保育は民間中心にし、市町村の関与を減らすことです。

しかし、こうした方向ではより良い保育をつくっていくことになり得ません。むしろ保育所利用者の減少を利用して、保育基準の改善を進めることが必要ではないでしょうか。

 

資料3 

 

日本における5歳児一人当たりの床面積は1.98平方メートルに対して、アメリカ3.25(スエーデン7.5)、保育士一人当たりの5歳児の人数は、日本は30人、アメリカ9人(スエーデン6人)。日本の基準の多くは戦後すぐに決められたままで、他の国に比べて極めて劣悪です。保育利用者が減少する割合に応じて、基準を引き上げる、利用者が30%減れば30:1の配置基準を20:1に改善するということです。同様に面積基準もそのように変えれば、子ども一人当たりの1.98平方メートルを2.6平方メートルにすることができます。保育所の定員数についても同様に措置すれば、100人定員が70人になり、運営費が変化しなければ経営面での問題は生じないのではないでしょうか。

 

Q14 少子化時代における今後の保育のあり方として、保育利用者の減少➡最低基準の改善➡保育環境の改善+運営費の維持といった方向性をめざすべきだと考えます。市の見解は?

答弁要旨

急速な少子化・人口減少に歯止めをかける必要があるとして、少子化対策を推進する「こども未来戦略方針」が令和5年6月に国から示されました。その中で、幼児教育・保育について、量の拡大から質の向上へと政策の重点を移すこととし、1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1へと職員配置基準を改善するとともに、民間給与動向等を踏まえた保育士等の更なる処遇改善を検討することと明記されております。また、これらの検討内容については、令和6年度のこども家庭庁の予算概算要求において、事項要求として列挙されております。

従いまして、保育環境や教育・保育施設の運営費についても、保育の質の向上に向けた改善が図られるものと考えておりますことから、今後も国の動向を注視して参りたいと考えております。以上

 

少子化時代における保育所のあり方を考えるうえで、重要な問題が残されています。コロナ禍を体験して、ポストコロナの新しい社会、保育所はどうあるべきかという課題です。

 新型コロナ禍は社会に対して様々な仕組み、生活の見直しを提起しています。新型コロナ感染症 が広がる中で、保育所は地域のエッセンシャルワーカーの就労を保証する施設として注目されました。子育て中の医師・看護師が働くためには、子どもを保育所に預けなければなりません。保育所は地域医療を維持するために欠くことができない存在です。これは公立私立に関係なく保育所が果たすべき役割です。一方保育所内で陽性者が発生した場合保育所は休園となり、地域医療を崩壊させないためには、地域で一定数の子どもを保育できる体制を築かなければなりません。感染症や自然災害の中で、公立保育所は子どもの受け入れ、保育士の派遣などを通じて地域レベルで保育を保障するセイフティネットの役割を果たすことができるのではないでしょうか。

 

Q15 コロナ禍以前に策定された公立保育所の民間移管計画等はいったん凍結して、災害時や感染症対策の際に、全市的に、公立保育所が地域レベルで保育を保障するセイフティネットの役割を果たすことができる体制を新たに構築するべきだと考えますが、市の見解は?

答弁要旨

平成10年度以降取り組んでいる公立保育所の民間移管事業のうち、平成21年度以降の民間移管については、平成19年9月に定めた『公立保育所の今後の基本的方向』を基に実施しております。

この基本的方向に従い、平成31年度から令和6年度までを計画期間とする第4次民間移管計画を策定し、現行計画の最後に当たる南武庫之荘保育所については、現在、令和6年4月1日からの民間移管に向けて準備を進めております。

一方、『公立保育所の今後の基本的方向』を平成19年に策定以降、子ども・子育て支援新制度の開始、幼児教育・保育の無償化や医療的ケァ児への対応など、保育環境を取り巻く社会情勢や、地域における保育二一ズの変化が生じております。

こうした状況を踏まえ、次期民間移管計画については、今日的視点に立った上で、公立保育所の担うべき役割について改めて整理する必要があることから、今年度、庁内の関係部局の職員で構成する「公立保育所のあり方検討会」を設置しました。本検討会のなかで、地域保育のセーフティネットとしての公立保育所の役割についても検討課題として議論を進めているところでございます。以上

 

少子化時代に対応した国の保育所に対する政策的誘導は、自治体の保育に対する公的責任を後退させ、やがては公立保育所のさらなる統廃合を進めていくものとなっています。待機児童対策ができたからそれでいいといったものではありません。

コロナ禍を体験して、医療崩壊を引き起こさないためには、エッセンシャルワーカー、看護師、医師等が安心して仕事ができる体制づくりが求められています。

公立施設が地域における保育の質、量に責任を持つことが求められていると思います。地域の標準的保育を提供し、地域の保育水準を保つ取り組みが必要だと思います。

 

「いまの保険証 残せばいい」荻原博子さん【しんぶん赤旗日曜版より】

「そうだそうだ~」の声が聞こえてきそうな、9月10日付けしんぶん赤旗日曜版の見出しです。

一面の写真は、しんぶん赤旗日曜版読者から編集部に送られてきたハガキ。「いまの保険証を残してほしい」という声があふれています。

 

マイナンバーカードと健康保険証を一本化した「マイナ保険証」を国民に強要するため岸田政権は来年秋に今の保険証を廃止しようとしています。マイナ保険証を持たない人などに発行する「資格確認書」の見直しで保険証廃止の強行を狙う岸田文雄首相。しかし資格確認書を保険証とはまったく違います。

経済ジャーナリストの荻原博子さんは

「マイナ保険証を持たない人をどう特定するかが大変。マイナ保険証を持っていてもトラブルにあって使わない人もいる。ますます混乱してしまうことは目に見えています。」と語ります。

しんぶん赤旗日曜版9月10日号では1面6面で、「一本化で不便になる」「マイナ保険証まるでコント」と問題点をあげ、なぜここまで岸田首相がマイナ保険証にこだわるのか、その背景にあるのは「財界の圧力」と「財界の狙いは個人情報のパッケージ」だと論じています。

経済界から一切の献金ももらっていないしんぶん赤旗だからこそ、忖度ゼロで書けること。

ぜひ、ご一読ください。

 

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2023.9月議会 まさき一子の一般質問と答弁要旨【子どもの権利擁護委員会の活動・公立校施設改修】

 

日本共産党議員団のまさき一子です。

私は尼崎子どものための権利擁護委員会の活動についてと公立小中高等学校施設改修についてお聞きします。

 

まず最初は尼崎市子どものための権利擁護委員会の活動について

 

尼崎市子どものための権利擁護委員会は「尼崎市子どもの育ち支援条例」に基づき、2021年4月1日に発足し、同年7月1目から活動を開始しました。

子どものための権利擁護委員会似後権利擁護委員会と言います)とは、体罰事案等の子どもの権利が著しく侵害される重大な事案が発生したことから、子どもの権利をしっかり守る仕組みを作るために、調査審議を行う独立性と専門性有する機関です。

委員会の組織は、弁護士、大学教員等子どもの人権擁護について知識と経験を有する専門家3名と相談窓口の相談員4名で組織されています。その機能は調査・調整、提言、広報・研修の機能を有しています。

 

権利擁護委員会の活動報告書のはじめに「日本が1994年に批准した子どもの権利条約には、子どもが有している諸権利が規定されています。私たちの活動の基本は、子ども一人ひとりが、それらの諸権利を自分のチカラで行使できるようにサポートすることです。子どもの権利条約第12条には、子どもの意見表明権が規定されています。子どもに関わる、あらゆる制度、あらゆる場面で、子どもの声や意見が反映されるよう、子ども自身が参画することが必要です。これにより、子どもの最善の利益は実現されます」とあります。

 

Q1ここで言われている子どもの意見表明権とは何ですか。

子ども自身が参画するための、具体的な方策はどのようにされていますか?

 

答弁要旨

児童の権利条約は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約で、4つの大きな原則があり、その一つに「子どもの意見表明権」があります。

これは、「子どもは自分に関係のある事柄について、自由に意見を表すことができ、大人はその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮する」というものです。子ども自身が意見を表明する権利を保障するには、子ども自身が社会参画するための環境を整える必要があり、そのため、子どものための権利擁護委員会では、「子どもの話をしっかり聞く」、「子どもの意思や意見を尊重する」、「子どもにとって一番いい解決策を一緒に考える」といったスタンスでその活動を行っているところです。以上

 

 

次に公立学校の施設整備についてです。

 

共産党議員団は、冬休みに続いて、今年も夏休みに40年以上経過した公立小中学校施設の視察に行きました。各学校の問題は山積していますが、今回問題が多いと思ったのが、武庫の里小学校でした。築42年になる児童数500人。武庫地域では比較的新しい学校です。

しかしその傷み具合が尋常でなく、比較的新しい建物ということで置き去りにされてきた学校なのだろうと思わざるを得ません。

 

資料をご覧ください。

①建物の外壁はクリーム色のはずなのに黒ずんでいます。今年の8月15日の台風で玄関ひさし部分の瓦がはがれていました。

②校舎の窓に「この窓はひらきません」という張り紙があちこちにありました。

③廊下の壁にひびがあり、雨もりがありました。

「尼崎学狡施設マネジメント計画」では学校施設については、施設の構造躯体の状況において、文科省が作成した「学校施設の長寿命化計画策定に係る解説書」に基づいて、構造躯体の健金度を評価しています。結果大半の施設の躯体は概ね健全と評価されています。

 

Q2外壁の汚れ、窓が開閉できない’況壁のひび割れ等この学校の構造躯体の状況はどのように評価されたのでしょうか。

 

答弁要旨

学校施設マネジメント計画では、文部科学省の「学校施設の長寿命化計画策定に係る解説書」に沿って構造躯体の健全性を調査しております。

武庫の里小学校は、平成24年度に耐震化事業で補強工事を実施しており、耐震診断時のコンクリート圧縮強度が基準の13.5ニュートンパー平方ミリメートル(N/m㎡)以上であることから、構造躯体は健全であると評価しております。構造躯体以外の仕上げ材料については、老朽化が進んでいるのが現状で、雨漏りや外壁のモルタル仕上げの剥離などが見られ、その対応が課題であると認識しており調査を行い必要に応じて修繕工事などの対応を行ってまいりたいと考えております。

以上

 

 

これで第一問目を終わります。2問目からは一問一答で行います。

 

2問目の最初は子どものための権利擁護の相談窓口についてです。

尼崎市の2020年度の人口は45万8000人。内19歳未満の人口は7万人です。権利擁護委員会の2021年度の相談件数は、7月から翌3月までに40件でした。相談件数が多い月は7月に9件、10月8件、3月8件です。これについて7Hに相談窓口開設について市報あまがさきで広報したこと、10月は子ども人権アンケートの裏面に案内を掲載したこと、さらに2月末に全児童生徒に対して周知用のカード・リーフレットを配布したことによって件数の増加に繋がったと市は評価しています。

2022年度の相談件数は33件です。今年度は7月末までの相談数は20件です。そのうちリーフレット配布後5月からの約2か月間で相談件数17件ありました。

共産党議員団は、東京都世田谷区の子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」(13年度は132件、18年度340件に達し、その後コロナ禍で減少傾向でしたが、22年度367件でした。

せたホッとの相談手段として、電話、メール、来所、はがき、手紙、FAXがあります。

 

2021年度から実施しているはがき相談の効果があり、相談数の増加がみられました。22年度ははがき相談が102件そのうち子どもからIO1件、保護者から1件です。はがきは子どもにおいて初回の相談方法の41.6%を占めており主要な相談方法になっています。特に自分用のスマートフォンを持たない小学3・4年の時期が多いとのことでした。

世田谷区は子どもの人口は本市の約2.3倍ですが、相談件数は本市の約10倍です。本市は制度の周知を公表することで一時的には相談件数が増えますが、まだまだ年間件数が少ないのが現状です。

 

Q3せたホッとに比べると本市の相談数が圧倒的に少ないのは、SOS発信へのハードルが高いということでしょうか?または市民への周知と認知が低いということでしょうか?当局の見解はいかがですか?

答弁要旨

子どものための権利擁護委員会の相談窓口につきましては、令和3年7月に開設後、毎年、学校を通じて全児童生徒及びその保護者のみならず、関係機関に対してリーフレットやカードの配布だけでなく、活動報告会や市政出前講座等を通じて周知を図っているところです。

その相談件数から、まだまだ同委員会の活動内容が子どもたちやその保護者に十分に浸透していないことで、相談への敷居も高く捉えられているのではないかと考え、本年度、リーフレット及びカードを子どもたちの心に響くよう、子どもたちをターゲットにした形に一新したところであり、周知活動を更に強化していきたいと考えております。以上

 

 

Q4本市の相談手段はどんなツールがありますか?

答弁要旨

相談方法としては、来所相談、電話、メール、ホームページの専用フォームのほか、 LINEでの相談受付も行っております。以上

 

せたホッとでは、はがきは学校を通じて年に2回配布されます。配布時期になると子ども自身の相談数が増えます。子どもが記載して返事の送り先に学校または自宅を選ぶことができます。

本市の権利擁護委員会では、2021年は子ども本人からの相談数は40件中8件、保護者から28件、その他4件でした。22年は子どもからの相談は33件中8件でした。

本市では、相談のカードとリーフレットを全児童・生徒に配布されていますが、市民へ周知は不十分です。だから子ども自身の相談は少ないのだと思います。

 

Q5市民への周知と子ども自身がSOS発信できる相談窓口にしていくために、現制度の課題をどのように考えておられますか。

 

答弁要旨

先ほどもこ答弁しましたとおり、現在の課題点としましては、子どものための委員会の活動内容が子どもたちやその保護者に十分に浸透していないことがあげられますが、子ども自身が子どもの意見表明権などについて知るvことができるよう、「児童の権利条約等についての啓発の取組」も必要であると考えております。以上

 

Q6本市としては子ども本人のはがきによる相談については、どのように考えますか。

 

答弁要旨

子ども本人のはがきによる相談も、相談のきっかけとしては有効であるかと考えていますので、子どもにとって相談しやすい窓口となるよう、「せたホッと」のはがきの取組を含めた先進市の取組を調査し、今後の取組の参考としていきたいと考えております。以上

 

子どもにとって本人が相談する行為には勇気がいると思います。でも問題から逃げないでSOSを発信できる、大人を信頼して助けをもとめる、話し合って解決に向かう成功例を体験することは、子どもの自立・成長する上でかけがえのない財産になるのではないでしょうか。

 

つぎに学校に出向いての人権教育についてです。

 

せたホッとでは、設立当初からせたホッと職員自ら学校に出向き、人権のための授業を行う活動をしています。いじめ防止授業や子どもの安全を守るセーフティ教室、子どもの権利についてなどの出前講座を実施してきました。いじめ授業については、世田谷区内の公立小中学校年間1~5校実施しています。せたホッとの中心となっている弁護士が、学年クラス別小人数で実施するために1校でも何回かに分けて実施しているそうです。

本市の権利擁護委員会は8Aにサマーセミナー、校長や教師との懇談会、関係機関との講演会、年間活動報告等啓発活動をしてきました。今後子どもを対象にした活動をどう広げていかれるのか、人権教育についての考えをお聞きします。

 

Q7子どもに対するいじめ防止授業や子ども自身の安全を守る対策等はどのようにされているのでしょうか。

 

答弁要旨

これまで子どもの権利擁護委員会では、市政出前講座のほか、学校や保育園、PTAなど主に大人向けに、委員会の活動内容や子どもの権利についての研修などの活動を行ってきましたが、今後は、教育委員会とも調整し、いじめ防止等をはじめとする子どもの権利擁護について子どもたち向けの活動も行っていくことを確認しているところです。以上

 

先日、市民グリーンの宮城議員、須田議員主催で、女性議員対象に行われた「人権をべ一スにした性教育」の学習会に参加しました。印象的だったのが養護教諭による学習指導要領に書かれている一辺倒の性教育ではなく、人間を理解するうえで大きく踏みこんだ内容でした。

一部紹介します。「顔目耳口と体には名前があります。体の臓器や器官のすべてに名前がありプライベートゾーンの性器にも名前がついています。その部分は常に清潔に保たれるように、自分で洗うんです。そして他人には見せないように大切にして自分の体を好きなってほしい」ということでした。また男女一緒に性教育を行い、女性の生理時の体の苦痛や負担を男児にも理解できるように教える。自分も他人の体もいとしく思う、好きになる。まさしく人権教育でした。教育委員会にお聞きします。

 

Q8性教育を通じた人権教育についてどのようにお考えでしょうか。

権利擁護委員会にお聞きします。

 

答弁要旨

各学校におきましては、教育活動全体を通して、児童生徒が人権の意義・内容等を理解し、人権感覚を身につけ、具体的な態度や行動に表せるように人権教育に取り組んでおります。

性についても、各校で学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階を踏まえて、生活科、体育科、理科等の授業をはじめ、様々な機会を通じて指導しております。また、教育委員会といたしましても、すべて中学校で「予期せぬ妊娠」「デートDV」「性的マイノリティ」について、関係機関との連携や専門家の講演などを通して学ぶことができるよう学校を支援しているところでございます。

議員ご指摘の通り、子どもたちがプライベートゾーン等、性に関する内容を学ぶことは、自分の大切さとともに、他の人の大切さを認めることにつながり、人権教育の一環として非常に大切であると考えております。

以上

 

Q9今後子どもたちへの人権に対する啓発活動の方向性をお示しください。

 

答弁要旨

先ほどもこ答弁しましたとおり、今後は、大人に対する周知啓発活動と並行して、子どもたちに対して、児童の権利条約をはじめとする子どもの権利についての啓発にも取り組んでたいと考えております。

 

 

公立小中学校の学校施設整備について

 

第1問目につづいて、武庫里小学校の廊下についてです。

資料④廊下や階段はモルタル材でありザラザラ感がある素材で、ほこりがしみ込み黒ずんでいます。まるで道路を歩くイメージです。学校の廊下が掃除では汚れが取れず黒く薄汚れていては子どもの学習環境にはそぐはないと思いました。

また、武庫里小学校は南校門から入ると緑の並木があり、メルヘンチックな雰囲気です。

しかし足元を見ると、資料⑤石畳みに樹木の根っこがはり、盛り上がったり段差はあったり、校舎周辺の至る所で石パネルがはがれています。校舎周辺の石畳のゆがみについては、来年度車いすの児童が入学する予定ですが、改修計画はありません。これでは尼崎市が目指すインクルーシブ教育とは相反しています。

今年1月に出された「尼崎学校施設マネジメント計画(実施計画)」には、今年から2032年までの10年間で、・概ね築20年及び60年目に中規模改修を実施。・概ね築40年目に大規模(長寿命化)改修を実施するとしています。しかし計画に挙がっている建替え・大規模改修および中規模改修対象校は、築80年以上の小学校5校の建替え計画と、築20年の明城小学校の中規模改修、市尼高校の中・大規模改修です。計画がない築42年目の武庫里小学校はあと10年間放置状態なのでしょうか。

 

Q10①~⑤について、また表面に見えない配管の劣化もあります。施設全体の問題としてメンテナンスの対象になるのではありませんか?築40年目の大規模改修に挙がらなかったのはなぜですか?

 

答弁要旨

本市の学校施設は、昭和30年代後半から昭和50年代にかけての児童生徒急増期に建設した校舎が多く、築40年以上の校舎が160棟と全体の約6割を占めるなど多くの校舎の老朽化が進んでおります。

このため、学校施設マネジメント計画の実施計画では、築年数や点検調査に基づいて実施した劣化状況の評価を参考に優先順位付けを行い、建替えや改修等を進めることとしています。概ね20年以内に建築された学校については計画的に予防保全を実施し長寿命化を図ることとしています。それ以前に建築された武庫の里小学校などについては、施設の状況について日常点検などにより不具合の兆候を把握するなど、安全性や機能性の確保のため、必要に応じて外壁改修、などの対応工事や修繕を実施してまいります。以上

 

私は武庫里小の体育館の隅に置かれた傷みが激しい跳び箱の数々、校庭の隅に放置されたサッカーのゴールを見たとき、この学校はすべてに対して手を入れることなく放置された学校ではないかと思わざるを得ませんでした。跳び箱はこの冬までに修理することが決まっておりここでは取り上げません。しかし長い間放置されてきたことが一目瞭然です。こんな状況を議員のみなさんと共有したいと思って資料の番外編に挙げさせていただきました。

 

次はトイレについてです。

1棟(1・2・3階)のトイレは改修され、特別支援学級や1年生の児童が使用しています。

しかし資料⑥、あと2棟と体育館横のトイレは42年前のトイレで女子の和式3個・洋式1個の割合で設置されていました。しかしその洋式トイレが使用禁止の張り紙や掃除道具と一緒に置かれたり、子どもが快適に用をたすようになっていません。水洗浄の為にドアが腐食しています。現場の教師によると「低学年では和式トイレを使えなくてお漏らしをする子もいます。学校に行きたくない原因にもなりえる」「トイレの改修が一番の要望です」との話がありました。

資料⑦は、男子トイレに上の階から汚水が漏れてきて大騒ぎになりました。教師は「改修されましたが廊下までアンモニア臭が漂うことがあった」と。今でも隣の女子トイレはにおいがきつくありました。

教育委員会は「2021年度にすべての小中学狡で1棟以上のトイレ等の整備は完了した。今後は洋便器率の低い学校からから順次改修を進める」としています。確かに武庫里小学校は42年前にごく一部洋便器にされましたが使用できない、配管の異常が生じています。

 

Q11武庫里小学校のトイレ改修のスケジュールはどのようになっていますか。

 

答弁要旨

武庫の里小学校につきましては、平成25年に北東棟のトイレ改修を実施し、3か所のうち1か所のトイレが改修済みであり、校内の総便器数に占める洋式便器率は50.80/oとなっております。

他の改修工事との調整や国の交付金を活用することもあるため具体的なスケジュールをお示しすることはできませんが、洋式便器化率の低いところから順次改修を進めているところであり、毎年3~4校程度整備を進めてまいりたいと考えております。以上

 

武庫里小学校だけではなく、多くの小中高校のトイレの洋式化は、児童・教師・保護者の一番の要望です。排泄は人権の問題として保障するべきです。

これまでも国の交付金待ちではなく、市独自でもトイレの改修を急げと要望を繰り返してきました。教育委員会は「トイレ改修は大きな予算がかかる。国の交付金が必要」と繰り返してきました。しかしお金の問題ではなく、これでは未来を担う子どもが大切にされているとは思えません。

文教委員会で市立尼崎高校に視察に行った際、校長は「市尼は洋式トイレがなくすべて和式です。女子生徒がかわいそうで、洋式トイレにしてほしいjと強く要望されていました。

現場での校長の思いはもっともだと思います。

 

本市の教育予算に対する決算では、不用額が2022年度7億1000万円ありました。21年度の不用額は4億6700万円、20年度は3億4000万円、19年度は6億1000万円でした。

 

Q12この不用額の一部でも次年度に繰り越して、トイレの改修を国の交付金待ちではなく市独自でも進めるべきと思いますがいかがですか。

子どもの人権、学ぶ環境、学力向上、健康と健やかな成長のためにも公立小中高校のトイレ改修は最優先で取り組むべきと考えますが。いかがですか。

答弁要旨

多くの要望があるトイレの改修につきましては、現在の洋便器率が7割近くまで進みましたが、今後もまだ多くの学校で改修を進める必要があります。

トイレ改修には多額の費用が必要であり、限られた財源の中で、少しでも多くのトイレ改修を進めるためにも、国の交付金を活用してまいります。以上

 

最後は学校施設でモルタル材の落下について

先日の8月27目付の朝日新聞に、「老朽校舎、危険が降ってくる。軒裏から落下公立小中学校で年1200件」という記事がありました。

北九州市立の小学校で「落ちてきた破片が子どもに当たった」高さ14mの校舎4階部分の軒からモルタル片が落下。児童の5人頭や手足に当たり、1人が足の指を骨折したものです。

昨年の10月には埼玉県久喜市の市立中学校で60kgを超すモルタル片が落下しました。

けが人はいなかったものの、いずれも1970年~80年代に建てられたもので、40年以上経過していました。

文部科学省の調査では、全国の公立小中学校の施設で2021年度、軒裏からモルタル片が落下した事例は1211件発生し、外壁を含むとさらに増えるということです。

 

Q142021年の文科省の調査時、本市も応えていると思いますが、のモルタル落下する恐れがある小中学校はどれほどありましたか?

 

答弁要旨

2021年実施の「公立学校施設の老朽化状況調査及び耐震改修状況フォローアップ調査」において、モルタル片が落下していた事例があると回答した学校数は5校となります。なお、該当の学校に関しましては、現地確認の上、必要な修繕について実施済みです。以上

 

資料の⑧、本市でも七松小学校の4階軒裏のモルタルが落下する恐れがあり、危険範囲付近に近づかないよう赤いコーンが置いてありました。七松小学校は築60年経過した施設です。

 

Q15七松小学校の場合の、対応はどのようにされるのでしょうか?

 

答弁要旨

七松小学校につきましては、平成30年の大阪北部地震の際に議員ご指摘の校舎4階部分の軒裏モルタルが

落下したため、その周辺も含め落下の恐れがある部分についてはモルタル部分を撤去し、補修を実施しております。

その後も、建築基準法に基づく法定点検及び職員による目視点検等を定期的に実施しておりますが、コーンによる安全確保も併せて行っているものでございます。以上

 

外壁の仕上げにモルタルを使っている学校施設が多く時間がたつとひびが生じ、そこから雨水などが入り込み、内部の鉄筋がさびて膨張。外壁のモルタルが押し出され剥離につながります。先ほどの北九州市は対策チームを設置し、ドロ一ンによる赤外線カメラによる壁の浮きを見つける点検方法を研究しています

 

東洋大学名誉教授で工学博士の長沢悟氏は「落下はどこの学校でも起こりうる可能性がある。早急な改修や修繕が必要で、国の財政支援も求められる。財政が難しい場合は専門家を交えた点検を適切に行って、緊急度を判断し、子どもには危険範囲に近づかないように工夫が求められる」とのことです。

 

Q16老朽化した施設の軒裏のモルタルの落下事故防止のために、専門家による診断と対応を検討するべきと考えます。いかがですか。

答弁要旨

現在は、学校職員による日常点検や建築基準法に基づく法定点検等により不具合の兆候を把握し、落下事故防止のために外壁や軒裏のモルタルなどの浮きが見られる箇所は叩いて落とすなど、応急対応を順次行っているところでございます。

外壁の高所部分の詳細調査については、足場等が必要なため費用がかかることから、他都市ではドローンによる赤外線調査の研究も進められています。今後、調査の精度や費用、他都市での事例を含め、効率的かつ効果的に調査する方法を研究してまいります。以上

 

また文科省は長寿命化改良事業として、築40年以上経過した建物については下限額7千万円以上の改修工事については費用の助成があり、かかる費用の3分の1を補助するものです。しかし7千万円以下の日常的な修繕費用は自治体の全額負担となります。最後の質問です。

 

Q17国に対して財政支援をしっかりと求めてほしい、強く要望しますが、いかがですか?

答弁要旨

学校施設の整備については、多額の経費が必要なことからも、国に対し財政支援を要望いたしております。例えば中核市教育長会では、令和6年度文教に関する国の施策及び予算に関する要望事項の中で、学校の施設整備等の推進について、また、全国都市教育長協議会においては、学校施設整備事業の確実な財政措置について、大規模改造・長寿命化事業の補助要件の緩和、学校トイレの洋式化に関する財政措置の拡充などを国に要望しております。今後も引き続き、国に対し要望を続けてまいります。以上

 

 

これで私の一般質問終わります。

ジャニー喜多川氏性虐待問題 赤旗の報道姿勢について

まさに、今、ジャニーズ事務所が設置した外部専門家による再発防止特別チームが調査結果を公表し、組織の解体的出直しで新社長に東山紀之さんが就任ということがマスコミ中をにぎわせていますね。

しんぶん赤旗日曜版9月10日号では31面にて、調査報告書について掲載しています。

被害を訴える元ジャニーズジュニアなど軽41人から聞き取りを実施して、まとめた調査結果では1950年代以降、2010年代半ばまで性加害が繰り返され、少なくとも数百人の被害者がいると報告。

原因は、ジャニー氏の性的嗜好異常、姉のメリー喜多川氏の放置と隠ぺい、事務所の見て見ぬふり、同氏とジュニアとの権力構造の関係をあげています。

また、メディアの沈黙にも言及しています。テレビ局をはじめとするマスメディアが同事務所に忖度したということですね。これが被害を拡大させたと指摘しています。

「赤旗」の報道姿勢について、しんぶん赤旗日曜版では、

しんぶん赤旗は特別チームの調査報告書が指摘したようなジャニーズ事務所のタレントを紙面に出すために批判を控えるようなことはしていません。

でも、ジャニー氏の性加害については2003年東京高裁で性加害が認定された際の時事通信の記事を掲載して以来、今年4月まで報じていません。

ジャニー氏の性加害が深刻な人権侵害であるとの認識が弱く、独自に取材してこなかったためです。

と述べています。

そして、その反省の上に立って性加害を決して許さない、人権を尊重した報道を貫いていきます。とのコメントを赤旗編集局名で掲載しています。

全文はこちら

ジャニー氏性加害問題/「赤旗」の報道姿勢について (jcp.or.jp)

 

 

ジャニー氏性虐待問題 赤旗の関連記事はこちらもご覧ください

ジャニーズ前社長性加害/告発次々 真摯に究明を (jcp.or.jp)

性暴力防止へ規定を/本村氏、ジャニーズ問題追及/衆院法務委 (jcp.or.jp)

 

日本共産党の主張 2023.8.31

主張/ジャニーズ性加害/声上げた被害者を守る社会に (jcp.or.jp)

 

 

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9月議会★一般質問の予定です

一般質問の見込み時間をお知らせします。

9月6日(水)午後3時20分~4時04分 まさき一子 議員

 1,市長の政治姿勢について

 2,尼崎市子どものための権利擁護委員会の活動について

   ・「子どものための権利擁護」相談窓口について

   ・学校に出向いての人権教育について

 3,公立学校の施設整備について

   ・学校トイレ改修について

   ・学校施設でモルタル材の落下について

9月8日(金)午前11時05分~11時41分 山本なおひろ 議員

  1,市長の政治姿勢について

  2,住宅リフォーム助成制度、店舗リフォーム助成制度の創設について

  3,生活保護行政について

9月8日(金)午後3時47分~4時23分  川﨑としみ 議員

  1,市長の政治姿勢について

  2,自治体のDX デジタル化について

  3,保育所における2025年問題 少子化時代の保育所のあり方について