2024年10月 山本なおひろ議員の総括質疑と当局答弁要旨

おはようございます。日本共産党議員団の山本直弘です。

2023年度決算審査に当たり、川崎敏美議員と共に会派を代表して総括質疑をいたします。どうぞよろしくお願いします。

 

  • 不登校対策事業について

 

不登校対策事業費として

 

、「個々の不登校児童生徒の要因・背景等を把握し、不登校                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  の未然防止、早期発見・早期対応につなげるとともに、多様な状況に応じたサポートを行う」とあり、その中の教育支援室運営事業で教育支援室「ほっとすてっぷ」、ハートフルフレンド、サテライト教室、校内支援室といった種類の違うサポート体制をしいて、今年度からはモデル校で校内サポートルームエリアを設置して効果検証を踏まえ、広げていくという事です。

また、2026年4月開校予定の、学びの多様化学校は全国でもまだ少ない不登校児童生徒のための中学校、「児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施することができる不登校特例校」を開校することは、増え続ける不登校児童生徒のための新たな学びの選択肢として大いに歓迎すべきものです。

 教育委員会職員も全国の先進事例を視察することなどで、調査研究されています。何事も全く新しい大規模な事業を行うことは大変なことであり、様々な試行を伴うと思いますので、教育委員会の方々には敬意を表するものですが、学びの多様化学校の概要についてお聞きした中で、給食を実施しない方向であることが説明されました。

 しかし、不登校特例校であるから一斉に給食をとることが困難であるということだけでは、市が施策評価に掲げる「健やかな体づくり」の目的にある「児童生徒の体力向上を図るとともに学校給食などの活用による食育の推進に取り組む」ことに矛盾するのではないでしょうか。保護者の方の負担軽減の観点からも、2023年1月から開始された中学校給食との公平性の観点からも、「学びの多様化学校」において給食の実施は必要なのではないでしょうか。

 

おたずねします。

 

Q1 給食を行わない方向に議論が傾いていると思いますが、これまでどのような議論がされたのですか。

 

答弁要旨

 学びの多様化学校は、不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施できる学校という特徴を持つ中、学校給食の実施についても、不登校児童生徒の置かれている様々な状況を考慮し、よりよい方法を模索するため庁内で協議してまいりました。

 学校給食は、児童生徒の健康の保持増進や食育、また、保護者の負担軽減の観点から異議があるものと理解しており、そのため、本市の小中学校においては現在、学校給食を実施しているところです。

 他方、学校給食は決められた時間に決められたものを食べる必要があり、時間的な制約が生じるものであることや、他者と一緒に食事をとることに対する不安への対応が難しくなること、また、その都度、給食を食べるかどうかを生徒自身に確認を行うこととなり、それらのことにより生徒に心理的負担が生じる状況が想定されます。

 そうした学校給食のメリットとデメリットを考慮した上で、出来る限り行動の制限や心理的な負担を低減させた方がよいとの考えに至り、今のところ、学校給食法に基づく学校給食は実施しない方向とする一方、保護者の負担軽減も考慮しながら、生徒個々のニーズや状況に応じて昼食がとれるような環境体制づくりを目指し検討していくこととしております。以上

 

おたずねします。

Q2 給食をしないことを前提にするのではなく、当事者である子どもたちや保護者の方の声を聞いた上で、決めていくべきだと思いますがいかがですか。

 

答弁要旨

 学びの多様化学校の設置にあたり、不登校児童生徒に関わる方々から直接意見を聴取するため、今月9日に不登校の子を持つ保護者等を参加対象者とした市長との車座集会を予定しております。

 また、今後、ほっとすてっぷ等の不登校支援の場において、児童生徒からも学びの多様化学校に関する意見を聴くことを検討しているところであり、その中で昼食の摂り方に関しての子どもたちや保護者の意見も検討材料として学びの多様化学校づくりに生かしてまいりたいと考えております。以上

 

  • ひきこもり等支援事業について

事務事業の「ひきこもり等支援事業」の目的として、「ひきこもりやごみ屋敷問題、多頭飼育問題等で、支援に拒否的であったり、課題に気づいていない当事者を必要な支援につなぎ、本人の自己肯定感・社会性の育みや、自立の促進を図る。また当事者の家族へ必要な支援を行うことで、家族の福祉の増進を図る」とあります。

私はこの間、ごみ屋敷問題で困っている地域の方からの相談を受けました。1つは独居老人の方で生活保護の利用者でしたが、排泄物や猫の死骸など様々な異臭が立ち込める老朽住宅にお住まいの方でしたが、サービス付き高齢者向け住宅に入居して急転直下解決しました。

もう一人の方は現在進行形で、猫の多頭飼育状態と共に、2018年の台風21号の影響で老朽家屋の2階部分の天井が抜け落ちたままの状態が長年放置されている家屋で、近年毎年のように発生する風水害のたびに、外壁部分をはじめ様々なものが周囲に飛散し、非常に危険な状態になっているが、一向に本人が改善する気がないという近隣住民の方からの相談でした。ここも一人暮らしの方ですが、周囲と溶け込めない、孤立した状態になっていて、頑なに家の修繕や整理を拒んでいるようです。

 

おたずねします。

Q3 昨年度の本市における、いわゆるごみ屋敷の認知件数と解消件数、未解消件数を教えてください。

 

答弁要旨

 昨年度、しごと・くらしサポートセンター等において、生活に困窮する方々からの様々な相談をお聞きする中で、17件のごみ屋敷に関する相談がございました。

 これら17件のうち、2件についてはごみ屋敷状態の解消が確認されておりますが、他の15件については未解消状態となっております。以上

 

 

環境省の調査で、ごみ屋敷は2018年度~22年度の累計で、全国で5224件に上っています。しかし、解消を直接の目的とした法律や国の制度はなく、国から自治体への通知もありません。ですから、この問題に関わる行政職員は様々な試行錯誤をしながら、暗中模索であると思われます。

総務省では「ごみ屋敷条例」を独自に定めて指導や支援を行っている自治体など、人口10万人以上の30市区を選び181の事例を調査しました。その結果、周辺に悪影響が及んでいたのは149件(82.3%)。うち未解消は119件(65.7%)で、主な理由として「居住者から理解を得られていない」が最も多く97件。そのほか「居住者が解消を望んでいない」が69件、「家族・親族の協力が得られない」が18件となっています。居住者の約7割が認知症や精神疾患、生活困窮など健康面や経済面の課題を抱えていることも明らかになっています。

おたずねします。

Q4 昨年度の未解消事案の理由について教えてください。

 

答弁要旨

 ごみ屋敷事案は、認知症や精神疾患等により、自らが支援を望まないケースが多く、ごみ屋敷解消に向けて、まずは、対象者との関係性の構築など、時間をかけた支援が必要となります。

 そのため、専門職によるアウトリーチなど信頼関係の構築を粘り強く進めておりますが、対象者の方から理解を得るまでにいたっておらず、こうしたことが未解消事案の主な理由であると考えております。以上

 

先の調査の中で、自治体の環境部や福祉担当部局などが連携し対応した89件の解消率は約4割で、「複数部署が重層的に関わることで解消率が向上」といった意見があり、また、医療機関や社会福祉協議会などが連携し、生活課題を抱える人を公的支援へつなぐ専門職「コミュニティーソーシャルワーカー(CSW)」による見守りや声掛け、介護保険法に基づく地域ケア会議を活用した対応事例もあるということです。

 

おたずねします。

Q5 市では、包括的な支援体制の中で、ごみ屋敷問題にどのような体制で取り組んでいますか。また、その中でぶつかる課題は何ですか。

 

答弁要旨

 本市では、ごみ屋敷問題をはじめ複雑・複合化した課題の早期把握と様々な課題の包括的な支援に取り組む重層的支援を進めております。

 その中で、地域の身近な相談窓口である地域振興センターや社会福祉協議会と連携し、ごみ屋敷の早期把握につなげるとともに、重層的支援推進担当の開催する支援会議等において、都市整備局、経済環境局等のごみ問題に関連する部局や弁護士、地域住民などの様々な支援関係者が課題解決に向けて連携する体制を構築しております。

 しかしながら、先ほどもご答弁申し上げました通り、ごみ屋敷事案は、認知症や精神疾患等により、自らが支援を望まないケースが多く、課題解決に向けては長期的なかかわりが必要となることが課題と考えております。以上

 

全国では、京都市や大阪市、関東では東京都世田谷区など、まだ少数ですが、ごみ屋敷解消を目的とした条例が制定されています。

 

 おたずねします。

Q6 ごみ屋敷条例制定のメリット、デメリット、また制定の是非についてどのように考えますか。

 

答弁要旨

 議員お尋ねの環境省等の調査で言及されている、いわゆる「ごみ屋敷条例」を制定するメリットとしましては、先行自治体にも確認しましたところ、関係部局の意識醸成に加え、対象世帯を明確化することにより、関係者によるアプローチがしやすくなることで、迅速な対応が可能になると聞いております。

 一方、デメリットとしましては、条例の対象とならない世帯への支援が希薄化してしまう可能性もあることが想定されます。

 根本的な解決のためには、ごみの問題そのものを解決するだけでなく、精神面や生活面での課題など、対象世帯が抱える複合的な課題にも対応する必要があることから、本市では条例の制定ではなく、多機関協働による重層的支援の枠組みにより、解決に向けた支援に取り組んで参ります。以上

 

 

  • 市内経済の活性化について

新型コロナの感染症法上の位置づけが5類から2類に移行されて、1年半近くなりました。しかし、大手企業はいざ知らず、地域に根差した市内の中小零細事業者の経営とくらしは依然として厳しい状況に追い込まれています。コロナ禍の時期には国の持続化給付金、県の時短営業協力金などが行政予算から手当されていましたが、むしろコロナ禍が明けてからの、円安等などに起因した未曽有の物価高騰により飲食店、小売店をはじめとした市内中小零細事業者は大変な状況に追い込まれています。「お客がいっこうにもどらず、週に3日しか店を開けていない。その他の日はパートに出てる」というスナック経営の方、「コロナの最中にもらった給付金を少しずつ取り崩して何とかやってきたがもう限界」と悲鳴をあげる居酒屋店主。

 切迫した市内業者の声に耳を傾けることが今求められているのではないでしょうか。

 

おたずねします。

Q7 市は毎年、事業者訪問を一部行っていますが、一万以上ある市内事業者の状況を把握するための悉皆調査をおこなうべきだと思いますがいかがですか。

 

答弁要旨

 事業所の現状把握につきましては、市内事業者の景況感等を把握するため、四半期ごと(年4回)に、様々な業種や規模の事業者を対象に「事業所景況調査」を毎年実施することに加え、勤労者の労働条件を把握するため、同じく毎年実施している「労働環境実態調査」においては、適宜小規模事業者も対象として実施しています。

 また、その他にもコロナ禍における企業活動への影響調査など、時宜にあった特定テーマを設定し、アンケート調査を実施するとともに、調査結果の課題や本市産業に関する実態を把握するため、企業訪問による現地調査も実施しているところです。

 そうした中、限られた人員や予算の中で悉皆調査の実施は難しい状況ですが、引き続き、企業訪問等に加え、禁輸機関等が実施するアンケート調査も参考にしながら、市内事業者の現状把握を行い、効果的な産業施策の構築につなげてまいります。以上

 

稲村前市長時代の2019年、産業基本条例にもとづく産業振興推進会議の1部会として、市内中小事業者の団体、商店連盟や地域の企業などで連絡会議がつくられました。

座長に関西学院大学の佐竹教授をむかえ、1度だけ中小企業センターで開催されました。この会議には、当時私も勤めていた中小業者団体の尼崎民主商工会もそのメンバーに入っていて、会長と共に参加した記憶があります。当時のデフレ不況のもと、中小業者の営業と暮らしを集めたアンケート調査の結果をお示しし、稲村前市長は「今日みなさんから出された要望や実態は非常に参考になった。市の経済施策に生かしていくためにも、今後も会議を開催していきたい」と、会議の終わりに言っていました。  

しかしその後、座長の佐竹教授が急逝したこともあったためか、2回目以降は開かれないままに時が過ぎて今に至ります。

 

おたずねします。

 Q8 前市長時代から中断している、市内の小規模企業・事業者が集い、商工業施策にいかすための連絡会議の再開を求めますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 本市において事業所全体の9割以上を占める中小企業・小規模事業者は、地域経済における重要な役割を担っていると認識しています

 また、議員ご紹介の連絡会議につきましては、常設の会議体ではなく、「ヒトについて」というテーマで、1度、開催したものであり、現時点で開催する予定はございません。

 一方で、連絡会議という形ではありませんが、これまでから、市職員が書く団体との意見交換会に出向くとともに、産業団体が主催する会合に市長も参加させていただく中、事業者や団体と、課題の共有に加え、本市産業施策に対する意見交換を行っているところです。

 今後につきましても、市職員による企業訪問の充実に加え、市長・副市長が企業を訪問し、直接、生の声をお聞きするなど、引き続き、課題など現状把握を行う中、効果的な事業者支援に取り組んでまいります。 以上

2024年10月 決算特別委員会 川﨑としみ議員の総括質疑と当局答弁要旨

【子どもの医療費助成について】

市民意識調査で、本市にこれからも住み続けたいと回答した市民の割合が85.9%、その理由として尼崎市への愛着、買い物などの利便性、地域とのつながりが評価されています。一方で住み続けたくないとの理由としては、ルールマナー、子ども子育て支援、防犯が挙げられています。単身世帯および2人世帯がファミリー世帯になっても、本市に住み続けたいと感じてもらえる街づくりが必要とは、誰しも思うところです。

子育てをしやすい街だと感じている市民の割合は、51.2%前年比+0.8%ほぼ横ばいで推移しています

こうしたデータから見ても、ファミリー世帯定住のために1丁目1番地に取り組むべき課題は、医療費助成事業、18歳までの子どもの医療費を所得制限なしで無料化にする制度だと思います。

子ども医療費助成制度は、2021年・22年・23年(令和3・4・5年)と助成金額を約1億円・3億円・5億円と事業費をのばしてきました。そして医療費の2割負担が→所得別にゼロ円とか、400円とか、800円と減り、市民に大変喜ばれ、また、多くの市民が救われていると思います。

 

Q .1 実際にこのこども医療費助成制度の件数は、2021年以来、どのように推移していますか?また受診する診療科目の変化について、どのような特徴があるのでしょうか?

答弁要旨

 乳幼児等医療費助成事業とこども医療費助成事業を合わせた年間総助成件数につきましては、拡充前の所得制限があった令和3年度は約52万件でしたが、制度拡充後の令和4年度は約63万件、令和5年度は約78万件と増加しており、この伸びについては、制度拡充以外の全国的な医療費の増加分も加味されております。

 次に、受診する診療科目の変化につきましては、医科・歯科・調剤のデータを見ますと、令和3年度から令和4年度には医科120%、歯科116%、調剤123%と全体的に助成件数が増加しており、令和4年度から令和5年度には医科121%、歯科111%、調剤134%と更に全体的に助成件数が増加している状況であり、調剤の伸びが他に比べて少し高い伸びを示しております。以上

 

歯科の受診が増えていると思います。歯科の先生は口の中に貧困やネグレクトがあると言われます。お金がなくて歯を治せない、兄弟でもらった薬を分けているなどのことが、解消の方向に向かっているのではないでしょうか。

 

Q .2 市は歯科の受診が増えていることを、どのように評価されていますか?

答弁要旨

 先ほどご答弁申し上げましたとおり、令和3年度から令和4年度、さらには令和5年度と歯科も含めて全体的に助成件数は増加しております。

 この要因としましては、これまでの制度拡充に伴い、医療費の負担が軽減されたことにより、必要な時に安心して受診できるようになったことによるものと認識しております。以上

 

さらなる支援策の強化が必要だと思います。

 

Q .3 18歳までの医療費完全無償化にするためには、どのくらいの予算が必要とされるのでしょうか?

答弁要旨

 子どもの医療費助成制度について、18歳までを完全無償化にする場合、完全無償化をしている未就学児を除き、小学生及び中学生の無償化に約1億8千万円、高校生の無償化に約3億2千万円必要となり、合わせて約5億円の財源が必要になると試算しております。以上

 

一気に実施すべきだとは思いますが、今の財政状況からはすぐには無理となるのであれば、段階的にどのように進めていくのでしょうか。

 

Q.4 段階的に実施するとなれば、どのような展開をめざしているのでしょうか?

答弁要旨

 先ほど答弁いたしましたとおり、現在、診療科目ごとの実績も含め、受診頻度や事業費の変化・推移など、その効果や影響について、検証を進めています。

 一方で、完全無償化は、経常的に多額の財源が必要となるため、制度の持続可能性について留意が必要であると考えております。

 そのため、制度拡充にあたっては、先に申し上げた検証結果に加え、制度の持続可能性を考慮するほか、ライフステージごとの子育て世帯の家計負担の状況や、すでに実施している各種支援策とのバランスなど、様々な視点で検討し、できるだけ早期に拡充策を明らかにしてまいります。以上

 

ぜひとも子育てしやすい街、当面は兵庫県下で、他の市町とそん色のない他の市町並みにしていただきたい。早期の取り組みを求めます。

 

【上下水道事業へのPPP/PF I手法の導入について】

 

市は、2027年(令和9年)より、下水道事業の一部をPPP/PFI化しようとしています。国は補助金助成で、国の政策を強引に自治体に押し付ける政策を実行してきており、それが市民の暮らしに真にプラスになるのか、慎重な検討が必要だと思います。

またこれまでも、様々な分野で事業の民営化が急速に進んできたことに対し、市民サービスに直結する公共事業を見直す取り組みがはじまっています。イギリス・欧州では上水道の民営化は公共に戻す等のことが行われ、日本では「公共を取り戻す」スローガンのもとに、いくつかの自治体でも民営化の見直しが始まっています。

本市でも、アウトソーシングの実効による課題として、市職員のノウハウの損失、災害時の対応、コストの妥当性といった問題点をあげています。

 

Q .5 これらの課題について、どのような検証を図り、事業計画を作っていくのかお答えください?

 

答弁要旨 

PPP/PFIは公共施設の整備・運営に民間事業者の創意工夫等を活用することにより、効率的かつ効果的なサービスを実現する手法であり、本市の下水道事業におきましても、施設の老朽化や技術職員の不足が懸念されるといった課題を抱える中、国が推進する官民連携方式である「ウォーターPPP」の考えを踏まえた上で、当該方式の導入を計画的に進めるものです。

 この手法の導入にあたっては、公営企業局内に設置する検討会議で議論を重ねるとともに、下水道事業や民間事業者の動向、また、コスト分析などに高い知見を有する事業者への導入検討業務の委託などを通じ、職員のノウハウの蓄積、災害時の対応や導入コストなどの課題につき、十分に精査した上で導入に向け検討をしてまいります。 以上

 

 

今後、補助金がでるから、PPP/PFI化で事業の民営化を進めることにはもっと慎重になるべきだと思います。絶えず検証し、立ち止まって評価を行い、問題解決のために何をなすべきか考察すべきと考えます。

能登の地震の際、公務員が現場にいなくて、受援体制が整わず、復興に遅れが生じている現状に私たちは遭遇しています。

 

先に実行ありきでの進め方は改めるべきです。また国に対してPPP/PFI化の事業でなければ補助金を出さないという、国の強引な政策誘導に自治体の主体的な判断で取り組みが進められるよう、こうした制度を見直すべきだと主張することも大事ではないでしょうか。

 

Q.6 全国市町村会等を通じて、施策誘導につながるひも付きの補助金制度はやめるよう申し入れるべきです、市の考えは?

 

答弁要旨

 下水道事業における、いわゆるウォーターPPPは、増大する施設の老朽化への対応や、技術職員の不足か懸念される課題が全国的となる中、国において、新たな官民連携方式として示されたものです。

 また、国は、このウォーターPPPの導入拡大に向け、下水道事業の汚水管の改築に係る国庫補助採択について、この官民連携方式の導入が決定済みであることを、令和9年度以降に採択要件化することとしております。

 本市としましては、下水道事業の持続可能性が懸念される課題に対し、国が示す「ウォーターPPP」の導入による効果の発現を期待するところであり、ご指摘の補助金の採択要件化の廃止を申し入れる考えはございません。以上

 

【公立保育所の役割について】

1)待機児童対策について

保育所の待機児童数は2019年236人が2023年11人まで減少しました。しかし、隠れ待機児童と呼ばれる、保育所を希望していながら、実際には様々な理由で、保育所に入所できていない子どもの数は、2020年895人、2021年865人、2022年607人、2023年597人、2024年530人となっています。やや減少傾向となっていますが、いまだに530人というのは、大変大きな数字だと思います。

 

Q .7 直近の隠れ待機児童の状況は、どうなっていますか?

 

答弁要旨

 保護者が育児休業中で早期の副食を希望しない者や、特定の保育施設等を希望している者など、国の待機児童の定義には該当しない、いわゆる未入所児童数につきましては、令和6年4月1日時点では530人、現在把握できる直近のデータの令和6年8月1日時点で780人となっております。以上

 

2)ゼロ歳児の定員割れ問題について

待機児童対策のために昨年度は3カ所民間園を増やして228人の定員増、来年度はさらに4か所増やして360人の定員増を図ろうとしています。しかし実際には、民間園では定員割れという問題が発生しています。特にゼロ歳児で極端な定員割れといった問題が発生しています。民間園では4月当初から、定員に基づく職員の配置を行っていますが、実際に定員が充足されるのは10月ごろになってしまう、結果人件費がますます民間保育園の経営を圧迫しています。年度途中で職員を募集してもなかなか職員が集まらないからと、4月から職員体制を整え苦労されています。

ある保育園では、昨年はゼロ歳児の定員7人に対する、定員割れは4月が2人、5月が一人だけでしたが、今年は4月から7月まで5人、8月も4人、9月も3人とあり、年度中に定員7名を満たすことは難しい予測となっています。結果その分だけ子どもの委託費は一人当たり月額で215,120円減少しています。今年度10月以降2名の定員割れが続くと想定しても、年間でマイナス9,680,400円減収になるということです。

 

Q .8 このような実態について、市はどのように把握されていますか、数字をつかんでいますか?

 

答弁要旨

 各法人保育施設における保育士の配置につきましては、年齢ごとのクラス単位での詳細な状況までは把握しておりませんが、市に対して「保育士等配置状況確認書」を毎月ご提出いただく中で、入所児童数に対して保育士数の充足状況を把握しております。

 また、法人保育園等におきましても、保育士を募集しても、必要な時期に必要な人材を確保することが困難なため、年度途中の入所児童数を見越した保育士数を年度当初から確保することが人件費の増加につながり、少なからず経営に影響を及ぼしていることについて、法人保育園会からお聞きし、補助金創設のご要望もいただいております。以上

 

Q .9 また、ゼロ歳児が年度当初から少なくなってきている、その原因はどこにあると思いますか?

Q .10 大阪市のような市独自の支援策を構じる考えはありませんか?

 

答弁要旨

 議員ご指摘のとおり、大阪市では0歳児は育児休業SY風良悟からの途中入所が多く、保育施設においては年度途中における保育士確保が困難であることから、年度途中の入所を見越し、年度当初から保育士を配置している保育施設に対し、その間の保育士の人件費を助成する「0歳児途中入所対策事業」を実施しております。

 本市におきましても、育児休業制度の拡充等により、大阪市と同様に年度当初の0歳児の利用が少なくなっておりますが、年度当初から年度末にかけて順次、保護者の産後休暇や育児休業が終了するなど、年度途中において利用希望者が増加している状況です。

一方で法人保育園や認定こども園の入所児童数については、令和6年4月時点でも利用定員に対する平均入所率が100%を超えており、依然として保育ニーズが高い状態で推移しております。

 また、今後もしばらくの間は保育ニーズの増加が続くと見込んでいることから、一時的な0歳児クラスの定員割れに対する補助制度の創設は現時点では考えておりませんが、いずれ迎える少子化の影響等も見据えながら、持続的に法人保育施設の運営が確保できるよう保育行政を進めてまいります。 以上

 

こうした状況下で、市に対してすでに法人保育園会から要望も届いていると思いますが、大阪市などで行われているような支援が求められています。大阪市では、保育人材確保策として、0歳児の途中入所に対応するため、1歳児保育士配置基準を改善するための人件費助成が行われています。年度途中の入所を見越した保育士を配置する保育施設に対し0歳児が入所するまでの間(4月〜9月)、0歳児一人当たり140.400円の助成が行われています。

 

 

3)障害児対策 公私間格差

障害児やグレーゾーンにいる子どもたちが保育園、公立の保育所に入所しづらい状況が出てきているのではないでしょうか。またこうした子ども達の受け入れが、公立と民間で大きな差が生まれています。

私たちはかねてより公私間格差の解消を訴えてきました。2022年の9月議会で真崎一子議員が、また昨年の3月予算委員会の総括質疑では、松澤議員が質問しています。障害児保育事業補助で、現在障害児1人に月74,140円の加算がされていますが、この単価は20年以上変わっていません。障害をもつ子どもの対応には保育士がつきっきりで当たる必要があり、公立保育所では障害児2人に1人の保育士が加配となっていますが、法人園では障害児一人につき74140円ですから賃金べ一スにすれば障害児3人に保育士1人の加配となり、明らかに公私間格差があると思います。と質問しています。

【資料23年3月予算 松澤議員の総括質疑 答弁】

公立保育所におきましては、概ね障害児2名に対し保育士1名とする配置を標準としております。一方、法人保育施設においては、加配保育士の有無にかかわらず、法人保育施設からの申請等に基づき、市において障害児として判定された児童1人当たり、月額74,140円を補助する制度を活用し、障害児保育に対応されています。障害児若しくは気になる児童の態様も様々であり、その実情に即して各法人保育施設において、保育士の配置がなされるなか、一概に公私間格差があるとの認識はございませんが、障害児若しくは気になる児童が多数在籍していることは認識しており、障害児保育推進の観点から、今後もよりよい保育士確保策を検討してまいりたいと考えております。

 

昨日の維新の会の別府議員の質問にも答えられていると思いますが、お尋ねします。

 

Q .11 民間への助成を公立並みに引き上げることは、なぜできないのでしょうか。いつから実行されるのですか?

答弁要旨

 法人保育施設障害児保育事業補助金につきましては、昨日、別府議員にご答弁した内容と重なりますが、加配保育士の有無にかかわらず、市が障害児として判定した児童1人当たり、月額74.140円(年額889.680円)を補助する制度で、保育に必要な経費として人件費だけはなく、研修費や設備購入費等も補助対象としております。

 このような中、保育現場の法人保育園会からも補助制度の充実を図るよう要望を受けておりますこと、また、補助額につきましても、地方交付税により財政措置された平成15年度以降、単価額を設定して約20年にわたり変更していない状況でございます。そのため、阪神間の各自自治体の水準、昨今の物価高や人件費の高騰、保育現場のニーズ等の状況や「尼崎市就学前教育ビジョン」に基づく私立幼稚園等への新たな補助制度の内容を踏まえた上で、よりよい障害児保育の環境整備につながる制度の在り方を検討してまいりたいと考えております。以上

 

公立といえども障害児や障害を抱えていると思われる子ども達が、入所待ちといった状況が生まれています。

 

 

今後、事業計画の次期策定、公立保育所の今後の基本的方向についての見直しや時期公立保育所の民間移管計画の検討などが行われようとしています。現実との乖離、見込み違いが生まれないような、充分な対策を講じてほしいと思います。

 

以上で日本共産と市議団の2023年度決算、施策評価等に対する総括質疑を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

 

2024年9月予算特別委員会 まさき一子議員による反対討論

【小児慢性特定疾患 医療費受給証とマイナ保険証との連携
 不安は払しょくされていません】

 日本共産党議員団の真崎一子です。
団を代表して、議案第73号一般会計補正予算第5号の小児慢性特定疾病対策事業費について反対討論をします。

小児慢性特定疾病(以下小児慢特といいます)は、医療費助成の対象となる指定難病であり、その疾病数は788疾病あります。

 今回、議会で審議されました議案73号は、医療費受給資格をマイナンバーカードで確認するためのシステム改修を行う医療機関、薬局に対して改修に係る費用を補助するためのもので、1800万円が計上されています。
対象者は本市内で470人ということです。

2022年6月に難病・小児慢性特定疾病の診断情報など、厚生労働省より研究者に提供したデータファイルに、本来削除されるべき個人情報、氏名、生年月日、住所等、延べ5640人分が含まれていることが判明しました。
厚労省の職員による情報を消し忘れた人的ミスによるものでした。
個人特定され、受給者証が原則マイナ保険証と連携されることに対し、患者団体からは不安の声があります。

 医療機関の窓口で確認できるのは指定難病の有無だけで、病名はわからないようにされていますが、マイナ保険証では患者の個人情報保護と安全管理措置を十分に行い、難病への偏見や差別等につながらないようにすることが必要です。

 また小児慢特は、回復困難な重度の疾病が多くあり、治療上のトラブルで命を脅かすこともあります。
 医療機関の機器の不具合や停電などの際には、マイナ保険証による診療受付に支障をきたすことも予測され、システムトラブル等による他人の情報が紐づけられた場合、投薬・治療情報の取り間違いによる疾病の憎悪、アナフィラキシーショックの発症など重大な医療事故につながる危険性があります。
難病・小児慢特受給証とマイナ保険証とをデータに連携させることは慎重に行うべきです。

 よって議案第73号 一般補正予算の小児慢性特定疾病対策事業費については反対します。議員のみなさんのご賛同をお願いしまして反対討論を終わります。

2024年9月議会 川﨑としみ議員の一般質問と当局答弁要旨

日本共産党議員団の川﨑敏美です。

昨年の12月議会でとりあげた犯罪被害者の支援策と、児童ホームの職員の処遇改善について、質問します。

 

  • 犯罪被害者に寄り添う市政を

犯罪被害者の多くの皆さんは、事件により近親者が亡くなったり傷つけられたりして、そのショックは計り知れないものがあり、自力でさまざまな支援制度の申請を独力で行うことは大変困難です。

国が発表しているデータ(注:机上配布資料)があります。年度別犯罪被害者数と「給付金」申請者数及び支給金額の推移です。給付金とは犯罪被害にあった被害者と遺族に国から支払われる見舞金のことです。

 

西暦年(和暦)

 殺人件数 件

傷害(傷害致死)件

 支給件数

 支給金額合計

2008年(平成20)

  1,297      

28,291(不明)

  510件

 9億700万円

2009年(平成21)

  1,094

26,464(不明)

  656件

12億7700万円

2011年(平成23)

  1,052

25,922(131)

  835件

 20億6500万円

2019年(令和1)    

   950

21,188(67)

  393件

 10億2936万円

2022年(令和4)

   853   

19,514(56)

  441件

 14億8447万円

 

 上表の通り、毎年事件数も減少しているが、事件件数に比べて給付金の支給件数は少ない。その理由として考えられるのは、①申請主義であること。②被害者に寄り添って、制度を知らせ、手続きを援助する体制が出来ていないことがうかがわれます。

昨年の12月議会で、尼崎市の犯罪被害者支援条例を制定してからの申請実績をお聞きしました。市の答弁は「条例を施行した2015年(平成27年)7月から2021年(令和3年)度まで遺族見舞金が7件、重症病見舞金が35件、転居費用助成が4件、家賃助成が6件となっており、年平均で7件程度の申請、なお、2022年(令和4年)度は申請がなく、2023年度につきましては、11月末現在で重症病見舞金が4件申請されている」とのことでした。

 

 質問1 尼崎市では、条例制定以後、この間の犯罪発生件数はどのくらいあったのでしょうか?支給率はどのくらいあったのでしょうか?また国に対する犯給金の申請や支給状況について把握されていますか?

 

 答弁要旨

  本市の犯罪発生件数につきましては、兵庫県警本部発行の犯罪統計書によりますと、市内3警察署の刑法犯認知件数は平成28年以降の7年間で36,965件あり、うち、殺人が45件、傷害が1,224件となっております。

 これら認知件数は、尼崎市民以外の被害者も含まれており、その内訳は公表されていないことから、支給率については把握しておりません。

 しかしながら、市といたしましては、支援の漏れが生じないよう、報道等により被害者が市民であると知り得た場合には、所管警察署に確認するなど警察と連携し、取り組んでいるところであります。

 なお、国の犯罪被害者等給付金の申請状況や支給状況についても、尼崎市民に限定して公表されていないことから、把握しておりません。以上

 

 

ある被害者は夫が亡くなってから、犯給金の申請期限2年間のギリギリになって申請をされたということです。犯給金として定められている金額は2023年の最高額で約2594万円、平均で約707万円であることに、夫の命の価値はたったこれだけなのかと悲嘆に暮れ、どうしても納得がいかなかった。またいざ申請となると書類の記述がままならない、これ以外にも、日常生活を取り戻すために、いろんな申請(死亡届・相続手続き・学校への届け)が必要で、おまけに夫がなぜ亡くなったのか、窓口の担当者が変わるたびに何度も説明しなければならないという心労に耐えながらの生活が続いていたので、ギリギリの申請となったと言われていました。

遺族に寄り添い、必要な時はカウンセリングが受けられる支援体制が求められていると思います。

 

質問2 犯罪被害者に寄り添い、支援していくためにはワンストップの相談窓口等が必要とされていると思いますが、市はどのようにお考えですか?

 

答弁要旨

 本市といたしましても、犯罪被害者の負担を考えますと、ワンストップの相談窓口で対応することが望ましいと考えており、支援が他局にまたがる場合には、危機管理安全局の生活安全課が主体となり、関係局と連携を図っております。

 また、県においても、今年度から見舞金制度が創設されたことから、被害者支援に関する相談を受ける際には、相談者のご負担を軽減するため、県・市職員の同席のもと聞き取りを行うなど、連携しながら、可能な限りワンストップができるよう努めてまいります。以上

 

 

前回の質問でもお尋ねしましたが、明石市の条例が3年ごとに見直しの規定を設けていることを紹介した上、支援策の引き上げを求める質問に対し、市は「犯罪被害者支援につきましては、国が中長期的な支援を実施するべきと考えておりますことから、現段階で、明石市が実施されているさまざまな対策を実施していく事は考えておりませんが、犯罪被害に遭われた遺族や重傷病者への見舞金については、条例制定後一定の年数が経過していることから、被害直後の被害者支援策が現在の社会状況と適合しているのかを、近隣他都市の動向を注視しながら、検証していきたいと考えております。」と答えています。市は見舞金の検討をする、これだけを行うということだったのでしょうか。

国の支援策が昨年から今年にかけて議論され一定の前進が図られています。今年の秋ごろには改定される見通しとなっているようです。

今回の国の犯罪被害者への支援策の改定は、国の犯給金の支給基準の大幅な見直しが主です。しかし、これらはいずれも今後起きる犯罪事件に対してのものであり、過去に遡及されません。

また、犯罪被害者の多くの皆さんが求めていた国による損害賠償の立替払い制度は設けられませんでした。裁判で損害賠償が認められても、加害者に支払い能力がない、逃げて支払わないなどのことで、実際に少しでも賠償金が支払われているのは6.8%にすぎません。尼崎市在住の被害者遺族のある方は、約2980万円の判決に対して、加害者は資産があるにもかかわらず、わずか700万円の支払いですませています。国はこうした損害賠償を立て替える制度については今回も見送りとしています。

実際に住んでいる市町村での生活支援が必要とされています。

昨年の12月議会で、市へのお願いとして質問の最後で、私は、このように述べました。国の制度の充実が重要ではありますが、被害者の思いが国になかなかとどかない状況です。犯罪被害にあった市民の生活を本当の意味で支え、積極的な役割を果たせるのは市町村です。是非とも尼崎で条例が制定されてからの8年間を振り返り、改めて被害者の生活再建は権利であることをご理解いただき、条例の見直しに踏み込んでいただけたらと思います。

 国が真に犯罪被害者が事件以前の生活を取り戻すために、国が実施するまでの間、自治体が率先して支援すべきだと考えます。

 

質問3 制定してから8年も経っている条例改正について、明石市で実施している賠償金の立替、賠償金の判決が時効になった際の印紙代の建て替え支援、賠償金を得るための訴訟支援等、具体的な見直しは検討されていませんか?

 

答弁要旨

 本市といたしましては、条例制定後に一定の年数が経過していることから、見直しの必要性について認識しておりますが、国・県・市それぞれが担うべき役割がある中で、明石市で実施している制度そのものを採用することは難しいと考えております。

 具体的な取り組みとしましては、今年度は他都市の制度や支援状況の把握を進めているところであり、今後、犯罪被害者当事者や民間支援団体の皆様へ予定しているヒアリングの中で、犯罪被害者の皆様が抱いている課題や必要とされている支援内容等をお聞きしたいと考えております。

 併せて、関係課が参画する庁内連携会議を設置し、支援策の見直しや条例改正の是非を含め協議していきたいと考えております。以上

 

 

以上で第一問を終わります。

 

 

第2登壇

 

  • 児童ホームの職員の処遇の改善について

 

議員団は7月に指導員の皆さんと懇談しました。今年度から2点、大きく働き方が変わったと言われていました。

一つは、児童ホームの開所時間が19時まで延長されたことと、学校によって違いがあるのですが、授業時間の短縮化によって子どもたちの下校時刻が早まっている学校があり、去年まではおおむね14:45であったのが早い日で13:30となっています。多くの学校はこれまでとあまり変わっていませんが、今後は授業時間の短縮が増えて、下校時間が早くなる学校が増えていく可能性があるということです。児童に対応する時間は早まり長くなっており、そのため開所のために必要な前日の日誌のチェックや、指導員同士の打ち合わせが難しくなり、連携がとりにくくなっています。

二つめは、ICT化の導入によるものです。業務効率化のための準備は通常業務と並行しながらの新たな作業となり、これまでにない負担が生じる中で、こどもたちの育成支援や保護者支援にあたってこられたということです。

児童ホームの指導員さんは、これまで嘱託職員さんとも呼ばれてきましたが、2020年から会計年度任用職員となり、今年度から非常勤行政事務員の指導員A(有資格者・月額報酬)と非常勤事務補助員の補助指導員B(日額報酬)さんが児童ホームの運営に携わっています。働く時間はAは週30時間、Bは週27時間です。パートだけで現場を支えています。

指導員の勤務時間は、平日と長期休業日によっても出勤時間が異なっており、複雑な勤務体系となっています。

今年度から、児童ホームの開所時間が19時まで延長されたこと等もあって職員配置がかわり、40人定員1クラスで児童を預かるホームでは有資格者の指導員Aが3名(去年まではAが2名とBが1名)、60人定員ではAが3名と事務補助員、無資格(有資格者もいるがAにならなかった人は無資格扱い)の補助指導員Bさん1名の配置に改定されています。
 これにより昨年度まで春・夏・冬の長期休業日には、日給月給の賃金であるBさんが、Aさんの勤務時間6時間より長く、働いてもらうことが常でした。今年度から40人定員1クラスの学校は6時間勤務のAさんが3名のみとなったことで、Bさんの不平等な働き方と平日の勤務ローテーションは改善されました。しかし長期休暇中は開所時間が増えたので、人手不足が生じるようになっており、Aさんが多くの超過勤務をしなければならない状況が生まれています。

 

質問4 人員不足はどこまで逼迫しているのでしょうか?必要な人員に対してその充足率はどうなっているのか?また、その対策についてどのようにされようとしていますか?

 

答弁要旨

 令和6年度からの児童ホーム開所時間の延長にあたっては、施設責任者や現場職員、職員団体役員など様々な立場の職員で構成する検討会での協議や職員アンケート等を行い、様々なご意見をいただきながら、議論を重ねる中で、今年度からの児童ホーム指導員の勤務体制の再構築を行いました。

 議員ご指摘の指導員の配置体制の見直しは、長期休業期間を除く平日の延長育成時間の勤務シフトの負担軽減を図ること、行政視線事務システムや入退室管理等システムの導入によるICT化の促進は、事務の効率化により、指導員の業務負担の軽減を図ることを目的としたもので、職員団体をはじめとする現場職員の要望を受け、実施したものでございます。

 なお、令和6年度の指導員の充足率は93%で、保育業界における全国的な人手不足の影響などから欠員が生じており、長期休業期間等で指導員に超過勤務が発生しているところでございます。

 指導員の欠員補充対策としましては、通年募集のほか、市ホームページやSNSによる広報、ハローワークや求人サイト、人材派遣の活用などを実施しており、引き続き、欠員の解消に向けた取組を進めてまいります。以上

 

派遣会社からの人材派遣

人がなかなか集まらないので、人員の不足を人材派遣会社から入れているということですが、勤務時間は現場責任者が派遣の本人と調整する等のこともあって、勤務シフトのやりくりに苦労しているとのことでした。そこから派遣されてくる人は、学童保育の経験がない人が多いということです。

 

質問5 派遣会社からどれだけの人員を派遣してもらっているのか、その人数と費用について教えてください。

 

答弁要旨

人材派遣会社からの派遣人数につきましては、令和5年度において、児童ホーム指導員の有資格者枠16ポストに対し、延べ18人の派遣を受けておりました。

 また、児童ホーム指導員派遣事業費につきましては、令和5年度決算見込み額で、2,046万5千円となっております。以上

 

共産党議員団は、従来から指導員を正規職員として採用すべきと提案してきました。それがすぐに実行できないのであれば、当面、現行のパートタイマー制も残しつつ、好きな時間で働けるフレックスタイム制を導入するとか、会計年度任用職員のフルタイム8時間制を取り入れるべきではないでしょうか?そうすれば、現場で直面している指導員同士の打ち合わせや、開所までの準備時間が不足している等の問題の多くが解決するのではないでしょうか。現在のような全員が最大6時間、週30時間しか働けないパートの指導員さんの働き方では、若い人たちが働き続けることができる職場として選択できない、結婚してこどもを育てることができない、せっかく仕事に慣れても、将来のことを考えると転職してしまうといった環境ではないでしょうか。

 

 

質問6 児童ホーム指導員の会計年度任用職員は、社会通念上の常勤職員である1日8時間勤務のフルタイム職員を現場に取り入れるべきではありませんか?

答弁要旨

 会計年度任用職員の勤務条件につきましては、所管部局である総務局と協議を行う中で、それぞれの職が担う職務・職責を十分に勘案し、その業務に見合った業務量を精査して設定しているものであり、議員ご提案のフルタイムの会計年度任用職員は、現在の本市の制度上では設置されておりません。

 児童ホーム指導員の勤務時間につきましては、児童ホームの開所時間や業務量等を考慮して定めているところですが、人員確保の観点から、労働者の多様な就労ニーズを踏まえ、勤務条件を工夫する必要はあるものと考えており、地方公務員制度の範囲内で、より効果的、効率的な勤務時間の設定に努めてまいりたいと考えております。以上

 

 

待機児童対策も、指導員さんとの懇談で大きな話題となりました。1・2年生しかいない児童ホームでは、3年生以上の上級生との関わりがなくなり、学年の縦の関係がつくりにくくなっています。春には、ほとんど一から指導員が1年生に児童ホームの生活を指導していかなければならないといった状況が生まれています。

 

あらためて児童ホーム、学童保育における指導員の仕事について、その役割とは何か考えてみました。児童ホームとのかかわりがない人にとって一般的には、「こどもと遊んでいるだけ」との見方がまだまだ多いのではないでしょうか。しかし指導員の仕事は、

  • 子供が安全に安心して過ごせる生活を守る。
  • 放課後や学校休業日を過ごすために必要とされる基本的な生活内容をつくる(休息やおやつの提供など)。
  • 子どもが遊ぶための環境の整備と、援助を行う。
  • 子ども一人ひとりと、子どもたちの生活内容を豊かにするための継続多岐な働きかけを行う。
  • 保育内容を記録する。
  • 保育内容に関する情報の共有のための会議や打ち合わせを行う。
  • 連絡帳などを通じて子どもの様子を保護者に伝える。

などがあり、「こどもと遊んでいるだけ」ではありません。

その業務内容は、安全管理、学校地域との連携、特別支援児童の対応、性被害防止、発達に合わせた育成支援、(日誌・計画書・報告書の作成)などの事務、今年度からはICT化への対応、来年度以降は昼食提供事業も検討されており、これらの業務は多岐にわたっており、まさに学童保育の専門性が問われるところとなっています。

私は、学童保育には留守家庭児童、子どもたちの放課後の生活を保証すること、子ども集団を豊かにすることが、求められていると思います。保護者の労働を保証するための制度という側面はありますが、第一は子どもファースト、子どもたちの生活の場、人間として健全に発達できる場としての位置づけが重要であると思います。

 

質問7 当局は指導員が学童保育の専門性を深めていくための取り組みを強化すべきだと思うが、この点をどのように捉えているのか?新しい指導員に対する初心者研修、一定の期間ごとの研修制度を充実すべきではないか?

 

答弁要旨

 児童ホームは年齢や発達の状況が異なる多様な子ども達が一緒に過ごす場であり、児童ホーム指導員には、それぞれの子どもの発達の特徴や子どもどうしの関係を捉えながら適切に関わることで、一人ひとりと集団全体の生活を豊かにすることが求められるものと認識しております。

 そうしたことから、児童ホーム指導員に対し、その資質の向上を図るため、兵庫県が実施する放課後児童支援員認定資格研修や子育て支援員研修の受講のほか、採用時の新任研修、実例を踏まえた児童の育成支援、安全・安心の対応、指導員の役割や職場倫理等の研修を実施しているところでございます。

また児童ホームの現場においては、一度に多くの指導員が業務を離れることが出来ず、研修の時間を確保しにくいといった課題がありますことから、ICT化の推進の一環として、各施設に行政支援事務システム端末を導入し、録画動画の活用やオンラインでの研修の取り組みを進めており、引き続き、指導員の資質向上のための研修の機会の確保と充実に努めてまいります。以上

 

第3登壇

 

最後は意見・要望を述べさせていただきます。

犯罪被害者支援について、兵庫県下では尼崎市は明石市に次いで、積極的な取り組みを進めてきたと思います。しかし被害者と遺族のみなさんが事件以前の生活を取り戻すためには、さらにきめの細かい、被害者に寄り添う支援策が必要だと思います。一つ提案として基金の創設をお願いしたいと思います。毎年条例に基づいて予算が計上されていますが、未執行の分を基金に積んでいく、広く募金を呼びかけるなどして、支援のための財源を恒常的につくりだす等のことを行なってほしいと思います。

児童ホームの職員の処遇の改善についてです。指導員さんから、最初に尼崎市新型コロナウイルス感染症「記録と検証」プロジェクト報告書の中で、指導員さんから児童ホームでもどんだけ頑張ったか、でも児童ホームのことがいっこも書かれていない残念との声がありました。この意見今後の検証活動の参考にしていただきたいと思います。

児童ホームが白井市長の時に、当時私は保護者の組織である尼崎学童保育連絡協議会の事務局長を務めていました。有料化をめぐって、白井市長と懇談した際、有料化によって得た収入は今後の児童ホームの施策の充実のために使いますとおっしゃっていました。市はこの約束を実践してこられたのでしょうか。私は尼崎の児童ホーム、学童保育の制度は学校内の敷地内に公設・公営で設置されており全国一だと思っています。それを支えている指導員の皆さんが、全員パートで55歳からは昇給もストップという状況が何十年も続いているのです。現場は高齢化も進み、これ以上頑張って働いてと言えない状況です、周30時間のパート職員のみでの安全な運営は限界がきています。こども家庭庁は今年度「運営費における常勤職員配置の改善を」打ち出しています。市はこの補助金制度を積極的に活用して、欲しいと思います。そして学童保育を必要とする子どもに、豊かな生活の場を保障するために、指導員の常勤配置、複数体制の確立を要望します。指導員の多様な働き方と共に生活をしっかり保障する取り組みが必要だと思います。それが引いては、児童ホームの子どもたちの健やかな成長を保障することになると思います。

 

以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

2024年9月議会 山本直弘議員の一般質問と当局答弁要旨

 

日本共産党議員団の山本直弘です。

今日は「介護保険訪問介護事業所の状況」「生活保護行政」について質問いたしますので、よろしくお願いします。

 

今年度の介護報酬改定によって、訪問介護の基本報酬が2~3%引き下げられました。訪問介護事業者が他の介護サービスより高い利益を上げているとの厚生労働省が行なった調査を根拠にしていますが、実態は「約4割の訪問介護事業者が赤字」の状態であることが明らかになっています。

基本報酬が引き下げられれば赤字事業者が増加、廃止・倒産に拍車がかかり、訪問介護サービスの基盤が壊滅的に損なわれる懸念が、全国の事業所から出されたにも関わらず、政府は強行しました。

この比率からすると、2022年4月時点で約3万4400カ所ある全国の訪問介護事業所のうち、赤字事業所は1万2600カ所以上にも上り、尼崎市では304カ所ある事業所の約120カ所になります。

訪問介護事業は、在宅サービスの基本のサービスです。地域の小規模訪問介護事業所がなくなれば、行き場のない「介護難民」や、家族の「介護離職」が広がります。介護保険制度の理念である「介護の社会化」に逆行します。

 

おたずねします。

 

 Q1  訪問介護の基本報酬引き下げ以降、市内の訪問介護事業者の声を聞いていますか。

 

答弁要旨

 令和6年度の介護報酬改定では、議員ご案内のとおり、介護事業経営実態調査において、他の介護サービスより高い利益を上げているとのことから、訪問介護の基本法主7卯を2%から3%引き下げたとの見解が厚生労働省から示されました。

 この見直しに対しましては、全国ホームヘルパー協議会と日本ホームヘルパー教会が厚生労働大臣に「令和6年度報酬改定における改訂事項について」という文章を提出し、訪問介護の現場従事者を代表して強く抗議されていることは承知しております。

 本市では、現在のところ、訪問介護事業所の皆様から、報酬改定に関するご意見等をお聞きしていませんが、引き続き、指定事業所の開始や廃止の推移等を把握する中で、これらの状況を注視していきたいと考えております。以上

 

次に生活保護行政に関わり、質問いたします。

 

本来保護制度を利用できる人が、実際に利用できている割合を示す、いわゆる捕捉率ですが、これが日本においてどれだけか。2016年国民生活基礎調査による推計で、最低生活費以下の世帯703万世帯中、生活保護世帯は159万世帯、22.6%となっています。ドイツの100%、アメリカの76.7%などと比較して著しく低い捕捉率になっています。

全国的に、世帯数でいえば、コロナ禍前の2019年と比較して1万5千世帯増加していますが、 最高時からは人数で15万人減少している状況です。

尼崎市においても、保護利用者の数が物価高騰にもかかわらず、微減となっています。

日本の捕捉率が低い原因として、花園大学社会福祉学部の吉永純教授は、①生活保護をできるだけ使わせないようにする国の根強い抑制政策②資産保有の厳しい制限③生活保護基準の引き下げ、の3点を挙げています。

 

おたずねします。

 

Q2 生活保護利用者が増えない、微減とはいえ減少していることについて、どのようにとらえていますか。尼崎市において特別な背景があるのでしょうか。

以上で第1問を終わります。   

 

答弁要旨

 本市における生活保護の開始件数自体は、コロナ禍の令和2年度以降も増加し続けておりますが、受給者に占める後期高齢者の割合が増加し、死亡等による保護の廃止件数が年々増加していることから、生活保護利用者数(いわゆる受給者数)全体としましては、減少しているものですので、特に本市だけが特別な背景があるものとは考えておりません。以上

 

 

第1登壇終了

 

第2登壇

 

 4月の訪問介護の基本報酬が引き下げられて、2024年の上半期の「訪問介護事業所」の全国の倒産件数が40件と過去最高となっています。売り上げ不振が34件、従業員数別では10人未満が26件と小規模事業者の売り上げ不振が大半を占めている状況です。今回の改定で処遇改善加算は引き上げられましたが、職員の処遇にすべてが当てられ、本来の報酬引き上げによる事業収益増ははかられず、より一層厳しい経営状況になっていると「介護労働センター事業所調査」で指摘されています。

 

 

 Q3 市内の訪問介護事業所に、基本報酬が引き下げられた4月以降、経営にどのような影響が及ぼされたのか、アンケート調査などをして市が把握するべきだと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 先ほど答弁申し上げたとおり、厚生労働省の見解として、介護事業経営実態調査の結果に基づき、基本報酬を引き下げたことや、現在のところ、訪問介護事業所の皆様から報酬改定に関するご意見等をお受けしていないことから、現時点でアンケート調査の実施は考えていませんが、引き続き、今後の訪問介護事業所の状況を注視していきたいと考えております。 以上

 

私は市内の中規模の訪問介護事業所で働く職員の方に、4月以降の状況をお聞きいたしました。

収益に関して前年比72%と、同じサービスを提供しても収益額は減少している。また、訪問介護の有効求人倍率は15.5倍であり、人手不足はさらに深刻な状況に陥っているという事です。

 物価高騰の影響も大きく、第一四半期の水光熱費は前年比較で約200万円も増加している。昨年度は2回の物価高騰支援補助金の申請ができたが、それだけでは全く補てんできない状況であった。今年度もぜひ物価高騰支援補助金について検討してほしい。と訴えられていました。

おたずねします。

 

 Q4. これら事業者に、今年度も物価高騰支援補助金を拠出するお考えはありませんか

 

答弁要旨

 令和4年度と令和5年度の「福祉施設等物価高騰対策支援事業」につきましては、国の地方創生臨時交付金の財源を活用し、実施したものでございます。

 令和6年度につきましては、市全体の地方創生臨時交付金の財源の活用方法や国・県の動向を注視する中で、対応について、検討していきたいと考えております。

 なお、国に対しましては、物価の高騰から介護事業所が厳しい経営環境に置かれていることを踏まえ、全国市長会より、「物価高騰対策」として、介護事業所の施設の整備・安定的な事業運営のため、国による財政措置や支援施策等の支援を講じることを提言しております。以上

 

「生活保護の申請は、国民の権利」であるということを、広く市民に知らせることは、格差社会がすすむ現下の状況においてますます重要になっていると思います。

コロナ禍を経て、かつてない円安と物価高騰が市民のくらしを脅かしている中、生活保護利用者が減っているのには、制度の周知、アナウンスが不十分なのではないでしょうか。

 

 資料①をご覧ください。(別紙)

 

京都府京丹後市では、尼崎市のスローガン同様、「誰ひとり置き去りにしないまちづくり」を目指し、生活保護の案内ビラを自治会組織を通じてこの間、2回にわたり全戸に配布して、市民に制度周知を進めています。

おたずねします。         

 

Q5 地域のコミュニティ掲示板に「生活保護は権利であるという」ポスターを掲示し、市関連施設にチラシを置くことを求めますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 生活にお困りの方に対しましては、南北保健福祉センターのしごとくらしサポートセンターで生活全般の相談を受けており、それぞれの状況を丁寧にお聞きし、相談者が希望される場合や、その意思表示が明確になされなくても、職員が必要と判断する場合は生活保護の窓口におつなぎし、必要な支援を行っています。また、生涯学習プラザや国保、税の窓口などでお困りの方についても、必要に応じて保健福祉センターへつなぐよう関係部署間で連携を図り、市民からの相談に対して幅広く受け止める相談体制を整えております。

 また、生活保護の新生児における相談では、様々な聞き取りを行う中で生活保護制度上の権利のみならず義務についても漏れなくお伝えしており、ポスターやチラシだけでは必ずしも生活保護制度を詳細にお伝えすることは困難と考えております。

したがいまして、本市におきましては、こうしたポスターの掲示や市の関連施設にチラシを置くのではなく、支援が必要な方に対しては、個別の事情を踏まえた相談・支援を実施し、生活保護を必要とされる方が申請に抵抗感を抱かれるようなことがないよう、丁寧に制度の説明を行い、寄り添った対応を心がけてまいります。以上

 

 

ポスターやチラシで大まかな制度を知らせるとともに、実際に相談窓口で具体的な制度を市民にわかりやすく説明する上で役割を果たすのが、「生活保護のしおり」です。

行政が生活困窮者に生活保護制度の内容を説明し、市民と生活保護を結びつける架け橋、ファーストコンタクトであり、生活保護を行政がどう位置付けているのかのリトマス試験紙であります。当の厚生労働省自身が、自治体に対して正しく新しい「しおり」にするよう毎年求めています。

「生活保護のしおり」は各自治体が独自に作成していますが、「生活保護問題対策全国会議」のホームページには、申請者、利用者の権利について記載すべき事項が漏らされていないか、をチェックリスト形式で掲載されています。

尼崎市のしおりについてチェックしたものが資料②です。

×が多いほど「しおり」としての記載が不十分であるということです。

チェックしてみますと、38項目に対して実に×が23カ所にも及びます。〇は12個。微妙な△が3個となっています。

 

 Q6  申請手続き2―において、①本人だけでなく扶養義務者、同居の親族にも申請権があることが記載されているか、②相談から保護開始までの手続きの流れが説明されているか、③保護決定は申請から14日以内に決定して書面で通知するのが原則であることが書かれているか、これらが尼崎市のしおりに記述がありません。改善すべきだと思いますが、ご所見をお聞かせください。

 

答弁要旨

 生活保護のしおりは、生活保護の開始にあたって、制度のしくみや基本的な考え方、権利義務を説明する資料として作成し、配布しています。議員ご指摘の記載項目は生活保護を申請する前の手続き等に関する情報であり、申請手続きについては、相談窓口用飼料「生活保護制度について」を用いて面接相談員が丁寧に説明しています。

 なお、議員ご指摘の項目のうち本人以外の申請権者については明確に記載できておりませんので、速やかに追記させていただきます。以上

 

 

 Q7 調査(能力)―(13)では、稼働能力の活用が求められることだけでなく、病気や障がい、その他の理由で働けないなど無理な場合は求められないことや職業訓練などの支援があることが記載されているか。これも記述がありません。改善すべきだと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 先ほども答弁いたしましたとおり、生活保護のしおいは保護の開始決定後に配布するものとなっておりますので、ご指摘の病気や障害の方が働くことができない場合に申請を躊躇されることがないよう、生活保護相談にあたって配布する「生活保護制度について」に記載し、丁寧に説明してまいります。

 一方、職業訓練などの記載については、「自立にむけたおもな支援について」の項目において、思うように就職に結びつかない方などに対して、ボランティアや職業体験等を通じて就労に向けた準備を行っていく就労準備支援事業等についても記載しており、ケースワーカーが就労支援全般を詳しく案内していますので、引き続き誤解のないよう丁寧な説明に努めていきます。以上

 

 

3-3の 調査(扶養)については、全て記述されていません。

 2021年の改正により、申請時の扶養照会は、扶養の期待ができる親族にしか照会はしなくてよいということになりました。

扶養義務者の扶養についての説明、扶養照会の履行が期待できると判断される者に対して行うものであること、申請者本人が扶養照会を拒否する場合は尊重すること、DVや虐待被害者の保護、などをわかりやすく記述すべきです。 

 

おたずねします。

 

Q8 直近3年の新規相談における扶養照会率をお示しください。また、実際に金銭的援助につながった数をお示しください。

 

答弁要旨

 令和3年度から5年度の直近3年間におきましては、府y法紹介率については、36.6%となっております。

また、直近3年間における新規相談に係る扶養調査において、実際に金銭援助に繋がった数は1件です。以上

 

扶養照会については、その効果、つまり扶養照会をしたことにより金銭援助につながるケースはどこの自治体でも1%にも満たない状況です。

 申請者の意に沿わない扶養照会は、申請のハードルを無用に上げ、本来制度を利用できる市民が捕捉されないことにつながりかねないと思います。

 時間の関係上、しおりの記述の改善の指摘は一部にとどめましたが、それ以外のバツの項目についても記述の改善を求めるものです。

 

利用者の「健康で文化的な生活」を支え、自立した生活を支援するケースワーカーの役割は重要です。しかし、その日々の業務は対応する利用者の数が、尼崎市において一人のケースワーカーが21年度114.1世帯、22年度113.8世帯、23年度113.4世帯と、国が定める80世帯の1.4倍にもなっていて、非常に過重な負担となっている状況があります。

少なくとも国が示す80世帯とすることが、ひいては利用者にとっても安心して生活していくことにつながるのではないでしょうか。

 

Q9 ケースワーカーが担当する利用者を80世帯に近づけることが必要だと考えますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 本市の生活保護に係るケースワーカーについては社会福祉法に定める標準の配置数は満たしておりませんが、別途、高齢者世帯の家庭訪問を担う行政事務員や、就労支援を専門に行う行政事務員を配置することで、役割分担のもと、被保護者への支援強化と合わせ、ケースワーカーの負担軽減を図っているところです。

 あわせて令和5年度には生活保護システムを更新し、ケースワーカー1人1台の端末の配置や一部電子決済の導入など、業務の効率化や業務を行いやすい環境づくりに努めております。

 今後ともこうした業務の改善を図りつつ、ケースワーカーの増員についても、引き続き、関係部署との調整を進めてまいります。以上

 

次に、利用者の住環境に関わるトラブルについて2つほど事例をお聞きしているので、紹介します。

 Aさんは、約8年前に保護開始で入居しましたが、浴室に水を張ると水漏れがひどい状態で、1度も浴室に入れず、銭湯に通うことで過ごしてきました。最近、下の住居に水漏れし、階下の部屋の補修費用50数万円がAさんに請求されました。メンテナンスをしっかりやらない家主の責任なのに関知しない。現在弁護士に相談中とのことです。

 Bさんは、この6月に入居しましたが、家の中の蛇口の全てが水漏れしていて、ハウスクリーニングもされていない状態でした。不動産業者に抗議すると「黙っていろ」「バックには怖い人がついているからな」と脅され、ケースワーカーに相談したら「転居しよう」と言うだけだったということです。     

 

 おたずねします。

Q10 こういった保護利用者の住環境に関わる事例について、市として対策をすべきではないですか。

 

答弁要旨

 お示しいただきました事例につきましては、いずれも、生活保護受給者の方が、家主と任意に賃貸借契約を行い、その結果として、一定の住宅瑕疵があることが発覚したものではないかと思われます。

 このような民民の契約上のトラブルに市が直接的に介入することは困難ですが、賃貸借契約内容に照らして借主側が主張可能な事項をお伝えするなど、側面的に支援を行うとともに、必要に応じて法律係争に関わることについては法テラスを案内するばど、その問題解消に向けて丁寧に相談に応じ、対応していきます。以上

 

さて、地球温暖化の影響により、毎年のように各地の最高気温が過去最高になるなど、夏を過ごすことが命がけとなっています。

全国生活と健康を守る会連合会は7月、厚生労働省に来年度予算要望を行いました。全国から100名以上が参加し、口々に生活保護制度の不備を訴え、来年度予算で改善するよう訴えました。「電気代の請求が怖くてエアコンが使えない」「(物価高で)1日3食は食べられず、食事を減らしている」など「地球沸騰化」の猛暑と物価高騰の下での生活実態を訴えました。特につらい暑さの中、「夏季加算の新設」は死活問題で、救急車で搬送された方は「死ぬかと思った」と怒気をこめて発言され、正にいのちがかかった緊急事態ではないかと思います。

尼崎市内で今年度、8月31日までに熱中症により緊急搬送された件数は446件、うち65歳以上の高齢者は281名、63%。幸い死亡者はゼロでしたが、かつてのように扇風機だけでひと夏を超すことは非常に困難な気候です。

 

おたずねします。

Q11 尼崎市において、今夏、生活困窮でエアコンを使用できずに緊急搬送された市民の事例を把握していますか。

 

答弁要旨

 すべてを把握しているわけではありませんが、生活保護世帯において、熱中症により自宅から救急搬送された事例があったことについては承知しております。

 生活保護世帯に対する熱中症対策については、定期的な家庭訪問等を実施する際に熱中症に対する注意喚起を行うとともに、冷房器具の設置状況を確認し、未設置世帯については必要に応じて社会福祉用議会の貸付金の活用等によりエアコンの設置・修繕を促すなどの働きかけを行っております。

 なお、電気代を心配したエアコンの私用控えが懸念されますことから、これまでから夏季加算の創設を国に対して機会をとらえて要望しており、今後もこうした取組を継続してまいります。以上

 

日中はもちろん、夜も連日の熱帯夜が続き、扇風機だけでしのぐのは容易ではありません。しかし、保護利用者の方の中には、エアコンが故障して修理する費用、買い替える費用がない方がいます。

 

Q12 国の動向待ちでなく、市独自のエアコン購入の補助制度を創設すべきだと考えますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 厚生労働省社会・援護局長通知により、エアコンにつきましては、家具什器費に含まれており、保護開始時に最低生活に直接必要な家具什器の持ち合わせがないときなど、一定の要件に該当し、真にやむを得ないと実施機関が認めたときに、購入費用について支給できますが、買い替えや修理については支給できる規定がなく、社会福祉協議会の貸付制度の活用なども図りつつ、毎月の生活費のやりくりの中から捻出していただくこととなっております。

 このように、現時点の生活保護制度においては、エアコンの買い替えなどにかかる費用は日々の生活費に含まれるといった整理がなされておりますことから、市独自で助成を行う考えはございませんが、保護費のやりくり等で買換えには至らない状況があることも勘案しまして、すべての生活保護受給世帯に対してエアコン購入費を支給対象とするよう、引き続き全国市長会などを通じて国に要望してまいります。以上

 

                               

 尼崎市は水際作戦はおこなっていませんが、貧困と格差がかつてなく広がっているもと、もう一歩、二歩踏み込んだ積極的な保護行政を行っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

2024年9月議会 松沢ちづる議員の一般質問と答弁要旨

              

日本共産党議員団の松澤千鶴です。

 

私は、トレピエと北図書館の複合再編に関して、強度行動障がいを有する人の親なき後の問題をテーマに質問をします。

 

まず、トレピエと北図書館についてです。市は8月18日と22日にタウンミーティングを行いました。私も傍聴にいきましたが、はっきり言って市民の意見を十分聴く説明会ではなかったと感じました。 

タウンミーティングの進め方は、1部で新図書館のコンセプトが強調される一方、トレピエの方向性は説明されませんでした。質問時間もありませんでした。

2部のグループトークのテーマは ○今のまちや対象施設のいいところ、改善すべきところは? ○どんなまちになってほしい⁉ ○施設が新しくなって、自分の普段の生活にどんな変化が起こると楽しい⁉ ○その他、基本的な方向性に係る市の説明を聞いた感想 というものでした。

 私が傍聴したテーブルは、トレピエ利用者が一人だけで、トレピエの機能が縮小されると危惧する意見をだされましたが、進行役の市職員は特にその意見を拾ってテーブルの話題にするわけでもなく、むしろ聞き流して、他の参加者の他の声を聞こうとしていました。

私は、市の側の作為を感じました。しかしそのあとの全体発表では、10グループ中4グループからトレピエは今後どうなるのかと疑問の声が簡単に紹介されていたので、私がたまたま傍聴したグループが特別だったのかも知れませんが。

 

 トレピエと北図書館の複合再編については、今年度予算で方向が示され、初めて開かれた市民説明会です。トレピエがこれからどうなるのか心配して参加した市民も多かったと思います。後日何人かの参加者から、「何にも説明されない。市民の声も聞こうとしない。」「余計に不安になった。あんな市民説明会は初めてだった」と苦情を聞いています。

 

Q1 今回のタウンミーティングの目的は何でしたか。また、どのように評価していますか。

 

答弁要旨

 今回のタウンミーティングでは、各施設の特徴や利用状況、課題などの現況や取り組みの方向性について、参加いただいた皆様と共有したうえで、個別のハード面でのご意見やご要望だけでなく、今回の取組をきっかけとして、どのようなまちづくりを期待するのか、どのように地域の賑わいづくりや各種活動の活性化につなげていくのか、といったご意見をいただくことを目的として開催いたしました。

 今回、実施したタウンミーティングの成果としては、施設の整備内容だけでなく、今後のまちの姿についてのご希望、ご期待など、多くのご意見をいただけた一方で、男女共同参画社会づくり等の拠点は現在地周辺で別途整備するという方向性について、女性・勤労婦人センターを利用して活動されている方々のご理解が十分に得られませんでした。

 そうしたことから、今後は活動に必要な施設整備といったハード面だけでなく、ソフト面での工夫や連携についても検討を進め、ご理解を得られるよう丁寧に対応してまいりたいと考えております。

 以上

 

次に強度行動障がいを有する人の親なき後の支援体制について質問します。

 

 強度行動障がいとは、自分の体を叩いたり食べられないものを口に入れる、危険につながる飛び出しなど、本人の健康を損ねる行動や、他人を叩いたり物を壊す、大泣きが何時間も続くなど、周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度でおこるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態をいいます。

 私は、44歳の強度行動障がいを有する自閉症で発語もない重度知的障がいの息子と暮らす74歳の母親から話を聞きました。息子が4歳になっても言葉が出ず療育施設に通いはじめたそうですが、夫は子の障がいを受け入れられず離婚。その後は一人で本人含め2人の子どもを育ててこられました。特別支援学校に通い、卒後は作業所へ。行動援護のサービスなども利用して現在に至っています。母親の一番の心配事は自分が死んだ後のことです。これまで保護者会や自閉症の親の会などで支え合い、グループホームの建設や支援体制の充実にがんばってきたけれど、強度行動障害があるため施設入所は先方から断られ続けているとのことです。母親は、健康に自信があったけれどこの頃洋右通が出てきて、いつまで息子と付き合えるかという思いが湧いてきた。親亡き後のことが気になってきたとはなされました。

 

Q2 強度行動障がいを有する人への尼崎市の支援体制について、特に南北の保健福祉センター障害福祉課の役割について、現状はどうなっていますか。

 

 答弁要旨

  強度行動障害を有する方への支援につきましては、南・北障害者支援課内にある「基幹相談支援センター」が中心となり、市からの委託相談支援事業所等で構成される「あまがさき相談支援連絡会」において、関係機関が互いに連携した切れ目のない支援を提供するためのネットワークのあり方について協議を行っております。

 また、今年度の法改正で個別事例の検討を通じた地域サービス基盤の開発等の体制づくりが規定されたことを受け、同連絡会において、強度行動障害を含む個別事例検討の進め方についても、協議しているところです。

 特に、南北障害者支援課では、強度行動障害を有する方が生涯福祉サービス等につながりにくいことや、サービスの安定的な継続が困難であるなどの状況を踏まえ、相談支援事業所の相談支援専門員が当事者がご家族にしっかり寄り添えるよう、相談支援専門員への助言や同行訪問等に取り組んでいるところです。以上

 

これで第1問を終わります。2問目からは一問一答で行います。

 

6月議会で我が会派の真崎議員がトレピエの果たしてきた役割などについて、網羅的に質問しました。それらに対する当局の答弁について、質問します。

トレピエの事業展開等については、男女共同参画審議会やトレピエ運営委員会での意見を踏まえる中で、今日的な視点も入れながら検討されることになると答弁がありました。

 

Q3 市民意見は聞かないのですか。

 

答弁要旨

 女性・勤労婦人センターの事業展開等、今後のあり方につきましては、広くご意見をお聞きすることが重要であると認識しております。

 このため、女性・勤労婦人センターに関係する2つの付属機関には、市民利用者として、また公募市民としてもご参加いただき、ご意見をいただいておりますことに加え、タウンミーティングの他にも女性関係団体や施設利用団体との意見交換会の実施、アンケート形式による意見聴取など、様々な機会を通じて市民の皆様のご意見をうかがっていく予定です。以上

 

Q4 今日的な視点も入れながら検討とは、具体的にどういうことですか

 

 答弁要旨

  女性・勤労婦人センターにつきましては、施設設置から50年を迎え、法の動きや社会情勢などが大きく変化していることもあり、名称や、設置目的などを今日的な視点で見直し、今後のあり方を検討する必要があると考えております。

 具体的には、第4次尼崎市男女共同参画計画の副題である「性の多様性を前提としジェンダー平等な社会をめざそう」の趣旨に沿って、性別に関わらず、いわゆる男女二元論ではなく、誰もがその個性と能力を十分に発揮できる社会の実現に、幅広い対象者に配慮した施設のあり方や事業展開等について、検討してまいりたいと考えております。以上

 

 次に、都市公園法に規定する教養施設には該当しない理由として、トレピエの事務所は、子育てや夫婦関係の悩みなどに関する相談やカウンセリングといった、対象が限られた業務や啓発セミナー等の企画や運営管理などの業務を実施する場所であり、特定の業務を処理するための事務所であると説明されました。

 私はこの答弁を聞いて、びっくりしました。ずいぶんと対象を厳格に規定しています。

また、「特定の業務を処理するための事務所」という表現に至っては、機械的で冷たさを感じました。現在トレピエが行っている業務は、当局が答弁された内容をはるかに超え、ジェンダー平等の立場から男性の人権や多文化共生まで豊かに広がっています。今後もっと求められる役割は広がるのではないでしょうか。

 

Q5 市は、トレピエの事務所機能を限定的に捉えすぎているので、発展的に捉えなおし検討する良い機会ではないですか。

 

答弁要旨

 6月議会においてご答弁いたしましたが、都市公園法第2条第2項は、都市公園の効用を全うするため、公園内に設置できるものの一つとして、教養施設を規定し、その詳細を都市公園法施行令第5条第5項で、植物園、動物園、水族館、野外劇場、図書館などと限定列挙しているものです。

 トレピエ(尼崎市立女性・勤労婦人センターの事務所は、子育てや夫婦関係の悩みなどに関する相談やカウンセリングといった、対象が限られた業務や啓発セミナー等の企画や運営管理などの業務を実施する場所であり、特定の業務を処理するための事務所であることから、都市公園法に規定する教養施設には該当しないものでございます。以上

 

次に、トレピエ事務所の施設整備などについては、事業全体の中でアドバイザリー業務委託の事業者の支援などを受けながら検討を進めるとおっしゃっています。

 

Q6 検討を進めるのは何について、どんなテンポで進めるのですか。

 

 答弁要旨

  現在地周辺で別途整備する男女共同参画等の拠点施設の整備内容については、男女共同参画社会づくりの取組やジェンダー平等などの今日的課題への対応を踏まえ、その活動に必要な居室を確保していくことを基本としながらソフト面での工夫や連携をあわせて検討してまいります。

 具体的な施設の規模やその機能などにつきましては、付属機関である男女共同参画審議会や女性・勤労婦人センター運営委員会でのご意見のほか、タウンミーティングにおける市民・利用者のご意見、また利用者グループなどの関係団体へのヒアリングなどを踏まえ、来年度策定を予定している基本計画の中でお示ししてまります。以上

 

 

市の進め方は、今、新図書館の整備とまちづくりが主になっており、トレピエの機能については後しになっています。これでは市民は不安感や不信感を募らせるばかりです。

 トレピエの今後の方向について、市民の声を聞き政策に反映させていくべきです。

 

Q7 タウンミーティングのやり方を改め、まずトレピエについて市民の声を聞くことからやり直すことを求めますが、いかがですか。

 

 答弁要旨

  今回のタウンミーティングは、個別のハード面だけでなく、新施設の整備などをきっかけとして、まち全体の将来像について、みなさまと一緒に考えることを主な目的として実施したものです。

 新たな男女共同参画社会づくり等の拠点施設をはじめとした核施設の具体的な整備内容などについては、法規制などを踏まえる中で、こうしたタウンミーティングでの意見交換や、関係団体等へのヒアリングなどを通じて、検討を行っていくこととしており、検討が一定程度、進めば、改めてタウンミーティングを開催することやヒアリングを行うなど、引き続き丁寧に取組を進めてまいりたいと考えています。以上

 

 

次に、強度行動障がいについて質問します。

 

強度行動障がいを有する人への支援では、行動の激しさやその頻度が高いことから、本人や周囲の安全確保のために力で抑え込まざるを得ない場面が日常的にあります。それはしばしば虐待ととらえられることもあり、意欲ある支援者が悩み疲弊し、本人の状態がさらに悪化するなどの実情があります。

 厚生労働省は、強度行動障がいを有する人の地域における支援体制の在り方、支援人材の育成・配置について検討するために、「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会」を立ち上げ、2022年10月から2023年3月まで計8回の検討を行い、報告書が出されています。ポイントは、ある特定の事業者、支援者だけが支援するのではなく、チームで支援する体制を地域でつくっていくこと、そのための人材育成だと読み取りました。

 人材育成ですが、行動援護のサービスを提供するヘルパー資格は、兵庫県が実施している強度行動障害支援者養成研修の基礎研修と実践研修を修了し、直接業務1年以上の経験とされています。

 

Q8 行動援護のヘルパー資格を持つ人は現在何人で、どのような職場に従事されていますか。

 

 答弁要旨

  行動援護事業所に従事するヘルパーの届出は、令和6年8月現在、市内13事業所で計149人となっております。以上

 

 全てヘルパー事業所で、グループホームなどの職員は受講していないのですね。

基礎・実践研修いずれも受講料は6000円で、事業所負担となっています。尼崎市は介護保険では、介護人材確保支援事業として初任者研修、介護福祉士実務者研修に対し上限6万円で個人は2分の1、法人は3分の2の財政支援をしています。

 

Q9 強度行動障害支援者養成研修についても、市の財政支援を行うべきではないですか。

 

 答弁要旨

  行動援護などの外出支援の障害福祉サービス事業所が不足している理由としましては、人員体制の問題や報酬設定、求められる専門性の問題等、様々な要因が考えられます。今後、その要因を分析する中で、事業所・支援者を確保するための方策について、強度行動障害支援者要請研修受講への財政支援等も含め研究してまいります。以上

 

 2022年度国が行った「強度行動障害児者の実態把握等に関する調査研究」の中で実施された、支援者が感じている支援の困難さや負担が大きい状況についての事業所ヒアリング調査によると、①人員体制が不十分、②精神的負担、③事業所の専門性が不十分、④環境設定の難しさ,⑤事務作業の負担、⑥連携の難しさ、⑦経費の負担などが課題として示されています。もちろん尼崎市だけで課題解決していけるものではなく、兵庫県や近隣市との連携の中で解決の道は拓かれていくと思います。

 全国には優れた実践をされている社会福祉法人やNPO法人、それを支える自治体独自の取組があります。

 

Q10 市は、全国の実践を積極的に調査研究していますか。

 

 答弁要旨

  国が実施した調査研究報告等の中で、全国様々な社会福祉法人等において、強度行動障害をお持ちの方への丁寧なアセスメントから安心感のある生活環境の提供、パニック時の適切な対応など、日々の支援に工夫されている状況や、自治体においてなされているそういった取組の後方支援などの事例が紹介されております。

  その中で例えば福岡市で取り組まれている、相談支援から集中支援、地域移行支援及び定着支援の流れを相談支援事業者や通所支援事業所、グループホーム、居宅介護、行動援護などの複数の事業所が連携する事業スキーム等は非常に参考になるところであり、本市でも何らか取り入れることができないか、今後、社会保障審議会等、様々な会議体でご意見を伺う中で研究してまいりたいと考えております。以上

 

 地域支援体制については、今年度から始まった市の第7期障害福祉計画の中で、はじめて「強度行動障害を有する障害のある人の支援体制の充実」が目標の一つに掲げられ、2026年度までに支援ニーズ等の把握と支援体制の整備を検討・実施するとあります。

 

Q11 支援ニーズ等の把握と支援体制の整備について、進捗状況を教えてください。

 

答弁要旨

 地域での支援体制の整備につきましては、「あまがさき相談支援連絡会」において、強度行動障害などの支援につながりにくい人に対して、関係機関が互いに連携した切れ目のない支援を提供するためのネットワークのあり方について検討を行っております。また、その入口として、相談支援事業所の相談支援専門員が寄り添い関わることで、サービス等利用計画の作成から適切な障害福祉サービスに安定的につなげていくための基幹相談支援センターによる相談支援事業所へのサポート体制についても協議を行っているところです。

 これらの取り組みを通して、引き続き支援ニーズの把握や支援体制の整備に努めてまいります。以上

 

 市の取組はまだまだ緒についたばかりです。強度行動障害支援者養成研修を係わる全ての従業者ができ受講し、さらに中核となる専門性の高い指導者養成の研修体制をつくるべきです。これは、県との協議が必要でしょう。

 また、今ある報酬体系では、支援者が安心して働きつづけられる労働環境ではありません。県と共に国への要請が必要でしょう。

私は、今回強度行動障がいを有する息子をもつ一人の母親から話をお聞きし、40年余り息子が少しでもよりよく生きていけるようにとがんばってきたけれど、母親自身が自分の終活を考えるこの時期を迎えてもなお、社会に安心して息子を託せない辛さを目の当たりにしました。

 

Q12 市長に伺います。市長はご自身の政治姿勢として「誰ひとり取り残さない」ことをつねづね語っておられます。市長は、この息子と母親に何をしますか。何ができますか。お答えください。

 

市長答弁

  障害福祉の分野については、私が教育長時代から、迷う特別支援学校の保護者の皆様ともおつきあいがあった関係で、コミュニケーションをする機会があり、市長になる前から障害福祉施設、生活介護事業所等を含む、生涯福祉施設に訪問する機会もあり、また、市長に就任してからも、一日かけて各障害福祉施設を回ったり、また、車座集会ではサービスを提供する事業者の皆様の問題意識を伺うなど意識して取り組んでまいりました。

 課題として思っているのは、高齢介護以上に一般の税でこの措置をしなければいけない分野であるために、どうしても施策の充実について、いわゆる前進的にならざるをえないところがありまして、私自身も非常に歯がゆい思いをしながらですね、ただ、一つひとつ、声を聞きながら解決をしていかなければならない分野だと思っております。

  強度行動障害の方々についても、私も施設に伺って、それぞれの状態というのを拝見させていただいたこともありますけれど、今はおそらく高齢になった方々については県内の少ない施設に最後は預けられる方が多いかというふうに認識しておりますけれども、理想はやはり地域のグループホーム等で過ごすことができるようになっていくことが大事だと思っておりまして、その点についてはまさに松沢議員のご指摘の通り、担い手の問題等さまざまな質の充実と体制の強化というのが必要だと思っておりますので、この点については障害福祉計画でも掲げられましたので、私自身も先にたって進められるように頑張って参りたいと思います。

 

  今日は当事者の母親が傍聴に来られているかと思います。市長から誠意ある答弁をいただき、それだけでもこの先に少し光が見えたかもしれません。これで、私の質問を全て終わります。ありがとうございました。

 

2024年9月議会 まさき一子議員の一般質問と答弁要旨

 

日本共産党議員団の真崎一子です。

今日は子ども誰でも通園制度について、小中学生の就学援助費について、小中学校給食の無償化について、子どもの医療費の無償化について質問します。

 

まずは子ども誰でも通園制度についてです。

 

子ども誰でも通園制度(以後通園制度という)は、国の主導で全国一律の事業として整備し、0歳6ヵ月~2歳児で保育事業所に通園していない子どもを、月IO時間以内で保育事業所や公立保育所、幼稚園等を利用できる制度です。保育事業所と利用者の直接契約になり、市の役割が大きく後退します。

 

2024年度から一部の自治体で試行的に導入し、26年度はすべての自治体で実施する予定としています。

今年は115自治体で試行しています。兵庫県では神戸、姫路、加西、養父、南あわじ市の5市で導入しました。

通園制度は0歳6ヵ月~2歳児までの人見知りが激しい時期に、月10時間という上限の中で月1・2回だけ、あるいは週に2時間半だけ預けられる。最悪の場合空きがある異なる事業所を転々とさせられる。子ども同士の関係や子どもと保育士の関係が出来上がっているところヘポンと入れられる、まるで荷物のように。子どもにとって不安な思いだけで2時間ほど過ごすことになります。こんな保育環境が子どもにとって望ましいと言えますか。

質問します。

 

Q1、通園制度は、子どもの健全な成長発達に懸念があります。

通園制度に対する市の見解をお示しください

 

答弁要旨

 こども誰でも通園制度は、すべての子どもの育ちを応援し、子どもの良質な成育環境を整備するとともに、すべての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルに関わらない形での子育て支援を強化するために、令和8年度から子ども・子育て支援法に基づく新たな給付制度として全自治体で実施できるよう、国において現在、詳細な制度設計がなされております。

 具体的な制度の内容は、月一定時間までの利用可能枠で就労要件を問わずに時間単位で柔軟に保育所等を利用できるようにすることで、子どもが家庭とは異なる経験や家族以外の人と関わる機会を持つことにより、健やかな成長につながるなど、すべてのこどもの育ちを応援することを目的とするものと認識しております。

 本市においても、こうした国の制度目的を踏まえ、すでに試行的事業を実施している先行自治体での子どもの安全・安心面や保育士の負担増大などの取り組みを検証するとともに、関係団体と意見交換を行う中で、こども誰でも通園制度の意義・目的に沿った運用ができるよう検討を進めてまいります。

 なお、法人保育施設がこども誰でも通園制度を実施するに当たって、市は、実施施設の認可や確認、利用者の給付認定、利用実績を確認のうえ給付、同制度の実施に関する監査、助言等を行わねばならないことと同法で定められており、利用調整以外は、通常保育に係る業務と同等の業務を市の役割として果たすこととされています。 以上

 

 

続いて就学援助の単価引き上げについて伺います。

2023年度は国の要保護基準において、中学生の就学援助費が引き上げられ、新入学学用品費が3000円上げられ6万3000円になりました。近隣都市では昨年度から伊丹、宝塚、明石市は6万3000円に。西宮市は6万円。尼崎市は4万7400円のまま、その差は1万5600円です。

小学校はどうでしょうか。24年度から新入学児童の学用品費用は、3000円増の5万7060円になりました。伊丹、宝塚、明石、西宮市は今年度5万4060円です。ここでも、尼崎市は4万600円でありその差は1万3460円です。質問します。

 

Q2、尼崎市は小中学校とも新入学用品費の増額はされなかった。

他都市と比べて少ない理由をお答えください。

 

答弁要旨

 就学援助費の支給費目の一つである新入学学用品費は、資格要件を満たす保護者に対して、その児童生徒の市立小学校の及び中学校などの入学前又は入学後において支給されるものであり、その設定金額は国が示す金額を参考に、市の裁量により決められるものでございます。

 本市は令和2年度新入生向けに新入学学用品費の設定金額の増額を行いましたが、その後、新型コロナウイルス感染症の流行に起因した家計急変への対応により、就学援助認定者数が増えたことや、オンライン学習通信費という新たな支給メニューが追加されたことで、多くの財源が必要となりますことから、設定金額の更なる増額を行うことができなかったものでございます。以上

 

就学援助制度は、全ての子どもが安心して楽しく学校生活、勉強ができるように経済的な理由で就学させることが困難な保護者に給食費用や学用品費の一部を援助する制度です。住んでいるところで支援に格差がつくのは子どもの人権が守られていないと言えるのではないでしょうか。

質問します。

 

Q3、今後、他都市と足並みをそろえる考えはありますか?

 

 答弁要旨

 新入学学用品費は、児童生徒が新しい学校生活をスタートさせる際に、学用品等の調達の一助にしていただくものです。そのため、近年の物価高騰の傾向などから、設定金額の増額は必要であると考えております。

 しかしながら、設定金額を他都市並みに増額するためには、増額の予算措置が必要となりますので、今後、関係部局と協議しながら設定金額の引き上げを検討してまいります。 以上

 

次は、小中学校の給食費の無償化についてです。

今年8月3日のテレビ朝日ANNニュースで、 NPO法人「ひとり親家庭サポート団体全国協議会」が7月20日~28日までに全国ひとり親家庭2100世帯に行った調査によると、31.8%の家庭が「1日2食」、2,2%が「1日1食」と回答しました。夏休みに入り給食がないことに加えて、物価高で「おかゆにしてかさ増しする」「エアコンの使用を控える」など厳しい生活実態を訴える声が上がっていました。

文科省の2023年度9月の給食無償化の調査では、児童生徒全員を対象に無償化を実施しているのが547自治体。支援要件を設けるなど一部の児童生徒を対象にして無償化を実施しているのが145自治体。

23年度中に40自治体で無償化を実施しており、全国の自治体へと広がっています。

 

子育て支援策の柱の一つである給食の無償化について、跡見学園女子大学の鴉(がん)咲子教授は「コロナ危機後、食材高騰の中で子どもの食の格差が拡大している。この格差を小さくする役割が学校給食にはある。給食の無償化にはすべての子どもが給食費を気にせずに、安心して給食を食べられるというメリットがあると述べました。

また鷹氏は隣国の韓国の給食無償化を紹介し、「就学援助のような所得制限のある給食費への支援を転換し、普遍的支援である給食無償化を実施している。給食に農業予算を使っている、高校まで給食を実施している、費用は基礎自治体だけでなく都道府県にあたる広域自治体も負担しているなどが韓国の特徴。」と述べています。無償給食は、韓国の憲法第31条3項で「義務教育は無償にする」に基づくものです。そして給食は教育の一環であるということに同意しているということです。

 

日本でも、憲法第26条第2項に「義務教育はこれを無償とする」と明文化しており、学校給食法では食材費は保護者負担となっておりますが、学校給食も教育の一環として国の責任で実施するべきです。東京都では給食費用の2分の1を保障し、今年4月から23区すべてで小中学校の無償化が始まりました。青森県でもこの10月から無償化が都道府県で初めて実施されます。質問します。

 

Q4、市として、国と兵庫県に対しても給食の無償化を求めてほしい。いかがですか?

Q5、小中学給の無償化について県との協議はやっているのですか。給食無償化への市の見解、また今後の方向性をお示しください。

 

答弁要旨

 給食費の無償化については、多額の財源が必要になりますことから、その実現は各自治体の財政力により左右されるのではなく、国の財政負担により全国一律に実現することが望ましいと考えております。

 そのため、本市におきましては、全国の自治体の長や教育長で構成される各種市長会及び教育長会などを通じて、給食費の無償化の早期実現を国に対し求めているところでございます。

 また、兵庫県と給食費の無償化について、協議はいたしておりませんが、兵庫県には国に対して国の財政負担による無償化の実施を働きかけていただくよう求めているところでございます。

 一方、本市における給食費の無償化については、本市の財源のみで給食費を無償化することは、多額の財源を要することから、財政状況等を踏まえた責任ある検討が必要であると認識しており、引き続き、国や県の動きを注視しながら、検討して参ります。以上

 

 

目本は食糧自給率、カロリーべ一スで38%と先進国の中で最低水準です。

物価高騰で食材やエネルギーが高騰しています。減反や日本の農業政策を外国の輸入に頼ってきた弊害が今沸騰しています。これら食糧難や物価高騰が国民の生活を圧迫し、米や食材が買えない不安が町中に渦巻いています。学校給食の値上げが保護者を苦しめています。そのすべてが国の責任です。政治の方向転換が必要だと思います。

 

市は国県に学校給食の無償化を強く求めるべきです。

国が実施するまでのつなぎとして地方自治体は「住民の福祉の向上」の立場で住民の要望を踏まえて学校給食の無償化を推進、実施するべきでしょう。しかし小申学校への完全無償化は毎年多額の財源がかかり、尼崎独自での無償化は難しいと思っています。兵庫県と協議して、小中学校一方のみ、多子世帯、

半額負担等、段階的に条件を設けてでも前進するべきです。

 

 

第2登壇

2問目の初めは、こども誰でも通園制度の子どもの安全についてです。

 

今でも、保育所等を利用していない家庭においても、一時的に家庭での保育が困難になった場合や育児疲れによる保護者の負担を軽減するために支援が必要とされた場合に、月12日間利用できる一時預かり制度があります。利用者と保育事業所との直接契約ですが、市が補助金を支払うため、利用した時間や月回数、担当者まで詳細に情報を共有します。預かる際には事前の保護者・子どもの面接と慣らし保育もあります。子どもの特性を事前に知り安全に保育するためです。

 

しかし通園制度はスマホで申し込み、子どもの情報を送信するという申請方法です。慣らし保育もありません。また事業所や日時を固定せずその都度申し込んで利用する自由利用の場合はコロコロと子どもが入れ替ったり、初めて保育される子どももいます。そんな状況で安全な保育ができるでしょうか。

 

2015年~22年までに発生した保育所や幼稚園での死亡事故件数で一番多いのは、0歳児25件38.5%、二番目が1歳児23件35.4%、三番目が2歳児で5件7,7%でした。就学前施設で起こった死亡事故の82.5%がこの年齢です。しかも保育初日に起こっている事故があるというのも見逃すことができません。保育所で過ごすことに慣れていない子どもへの対応について保育現場では戸惑いもあり、保育士不足に拍車がかかります。質問します。

 

Q6、保育士不足が深刻な保育事業所で、通園制度は子どもの安全性が脅かされます。当局の見解はいかがですか。

 

答弁要旨

 保育所は、子どもたちが日々安全・安心に過ごすことができるよう、生活や遊びの環境を整え、乳幼児期の健やかな育ちを支えることが求められており、こども誰でも通園制度においても、こうした子どもの安全が当然のこととして確保される必要があります。

 ご指摘のあった申込方法につきましては、事前に利用申込者が記載する登録洋式や面談の機会を用いて、保育所が子どもの健康状態、生活リズム、発達の状況やアレルギーを確認するなど、子どもの安全確保について適切に対応ができるよう、現在、国において制度設計が進められております。

 また、深刻な保育士不足に対応するため、引き続き、保育士確保・定着化に係る支援等の実施に加え、更なる拡充策の検討を行うなど、法人保育施設への支援に取り組んでまいります。

 さらに、利用者と保育施設、市がつながるシステムなど、今後、見込まれる保育現場での職員の負担の軽減についても、国の検討会で議論されているところであり、これら国の検討過程を注視し、安定的な運営を確保する方策を検討する必要があるものと認識しています。以上

 

政府は、今年と来年は試行段階で、2026年には全自治体で施行するとしています。利用者と保育事業者との直接契約であり、市の関与がない場合トラブル時の対応や責任を押し付けられたり、また保育士の配置等、保育事業所の負担が大きくなります。法人園長会との協議を重ね、納得した実施が必要だと思います。質問します。

 

Q7、本市としてはいつから実施に向けた検討し、実践しようと考えておられますか?

法人園長会との協議をするべきと思いますが、当局はどう考えますか。

 

答弁要旨

 こども誰でも通園制度は、令和6年6月5日の子ども・子育て支援法の改正により、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、令和8年度からすべての自治体で実施することとされております。

 こうしたなか、本市では、現在制度実施に向けた庁内会議等において検討を進めているところですが、本格実施に係る設備・運営基準や配置基準等、実施するために必要な制度の詳細は現時点で国から示されていません。

 このような状況ですが、保育現場とも丁寧な協議を重ねていく必要があると考えておりますので、現時点において国から示されている内容を基に、今月から法人保育園会等に対し説明、協議していく予定です。

 今後は、引き続き、国の情報や近隣で試行的事業を実施している自治体から具体的な課題を確認するとともに、法人保育園会等との意見交換の実施、子ども・子育て審議会での意見聴取等、関係機関と丁寧に調整を行いながら、対応してまいりたいと考えております。 以上

 

通園制度は子ども一人当たり、1時間利用者負担300円、国の補助850円の1150円が定されます。この制度を担当する保育士を確保しなければなりません、朝から夕方まで子どもがコンスタントに確保できれば、保育事業所の経営は成り立ちますが、曜日や時間帯によって空きができると、赤字になる可能性があります。

一時預かり保育の場合は、半日または1日預かっても、1臼単位で保育料は計算できるために、保育事業者の安定した収入と利用者が月12日利用できる等の需要があります。

質問します。

 

Q8、現在行っている一時預かり保育制度を充実することが、子どもや保護者、保育士にとって安定した保育ができるのではありませんか。当局の見解をお示し下さい。

 

答弁要旨

 一時預かり事業の利用にあたっては、利用者は保育施設に事前登録を行い、契約を締結した上で、直接保育施設に申込いただく仕組みであり、こども誰でも通園制度と同様、市が利用者と保育施設の間に入って受け入れを調整することはございません。

 また、保育施設経営の観点から、こども誰でも通園制度においては需要と供給が一致しないと運営が困難になるのではないかとのご指摘ですが、一時預かり事業においても同様の課題があると考えており、利用料の設定につきましても、国は誰でも通園制度と一時預かり事業では同水準になることを想定した制度設計を検討しております。

 このように、一時預かり事業と誰でも通園制度には類似点があることから、こども誰でも通園制度の開始に当たっては、一時預かり事業についても一定の整理がなされるものと考えております。

 

 

最後は子どもの医療費無料化についてです。

 

子どもの医療費に対する助成制度の通院は2023年5月1日時点では「高校卒業まで」が1202自治体(69%)となっています。「中学卒業まで」は482自治体(28%)併せて97°/・の自治体で実施しています。

会派の決算学習会で、当局は「今後は他都市を参考に医療費助成の対象を高校生まで拡充することを検討中」と答弁をされました。

 

厚労省は2023年国民生活基礎調査を行い、今年7月に発表しました。18歳未満の子どもがいる世帯を「児童のいる世帯」といいます。

 

資料をご覧ください。

 

①児童のいる世帯は全世帯の18.l%すごい勢いで少子化が進んでいます。

②児童のいる世帯の母親は77.8%が働いています。正職員32.4%と非正規職員35.5%。

③全世帯の生活状況は23年度大変苦しい26.5%、やや苦しい33.1%併せて約60%が、生活が苦しい状況。

④児童のいる世帯の生活の苦しいが65%を占めている。

調査では児童のいる世帯の平均所得金額は、22年度は812万円です。

子育て世帯は決して収入が少ないわけではなく、仕事もある、マイホームも車もある、保険にも入っている、税金も払っているけれど生活が苦しい。子どもの教育や部活・塾にお金がかかる、大学の入学金・学費が高い、家や車のローンがある等の出費に苦しんでいる人も多いのではと思われます。

 

尼崎市は子育てしやすい街、子育て世帯の転入促進の街を目指していますが、子育て世帯の生活実態がこんなにひどいことになっている現状では、子育て支援の充実、子どもの医療費の無料化の充実は待ったなしの課題です。せめて他都市並みのサービスの提供が必要ではないでしょうか。

 

改めてお聞きします。

 

Q9、子どもの医療費の助対象を高校生まで拡充を行うのですね。

実施時期及び助成の内容についてお答えください。

QIO、市は児童のいる世帯の生活実態を見てどのように思いましたか?子どもの医療費 中学卒業まで所得制限を外して無料にすることの決意をお聞かせください。

 

答弁要旨

 18歳までの制度拡充に向けましては、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、検討を進めているところでございます。

 その検討にあたりましては、これまでの制度拡充による効果や影響について、拡充前後の受診回数や事業費の変化・推移などについて検証するほか、ライフステージごとの子育て世帯の家計負担などの状況や、すでに実施している各種支援策とのバランスも含め、様々な視点で検討し、制度設計を行っているところです。

 また、ご指摘の「子育て世帯の生活実態」に対しましては「あまがさき子ども・子育てアクションプラン」にも掲げておりますとおり、子育てや教育にかかる「経済的負担」は大きいものであり、軽減を図っていくべき課題と捉えております。

 いずれにいたしましても、こうした現状認識のもと、各種検証をおこなった上で、財政状況も考慮し、できるだけ早期に拡充策を明らかにしてまいります。以上

 

 

「万博に学校で子どもを連れていかないで」署名を提出

「万博に学校が子どもを連れて行かないことを求める会」が

教育委員会に4052筆の署名を提出しました。

市議団からは松沢ちづる市議が教育委員会との窓口を設定し、同席しました。

 

構成団体からはメタンガス爆発、交通路の心配、巨大岩のオブジェの不安など、
アンケートに取り組む中で聞こえてきた意見などを伝えました。

教育委員会としては、安全第一で行事は下見などを行うことが大前提であるが、
判断をしようにも、まったく判断するための材料になる情報がない状況で、
学校現場としても手も足も出ない状況で困惑しているというような発言がありました。