2025年9月議会 こむら潤議員の一般質問と当局答弁要旨

第一登壇

 日本共産党議員団の小村潤です。今日は、高齢者にやさしい交通アクセスとバス利用料金のあり方について、多文化共生のまちづくりについて、学校体育館へのエアコン設置についてお聞きします。

まず、高齢者にやさしい交通アクセスとバス利用料金のあり方についてお聞きします。

日本共産党は、物価高のもと、市民の皆さんの暮らし向きや願いをお聞きするアンケート調査に取り組んできました。私のすんでいる大庄地域では、アンケートに回答いただいた方のほとんどが60代以上の高齢者でした。

その中では「年金暮らしで、医療費の負担が大きい。やりくりが大変。」「足が悪くて移動が大変だが、息子と同居のため介護度は要支援2となり、介護の対象にならない」「運転免許返納後の生活なのでバス路線が減って困っている」「買い物に行くのが不便」など、物価高によって限られた年金収入での生活が、さらに苦しくなっていることがわかります。また、高齢で体力や気力が減退し、日中の買い物や通院、お出かけといった移動も思い通りに行かない様子も伝わってきます。

特に、路線バスのルートが不便で、市内の移動でも電車やバスを複数乗り継ぐ、路線バスの本数が少なくて使いたい時間帯に便がない、阪神バスの定期パスが値上がりして高すぎる、といった市内路線バスへの要望の声が複数集まりました。

 

現在、本市内を走る阪神バスの尼崎市内線は、2016年から尼崎市営バス全路線を阪神バスに移譲し事業を引き継いだものです。資料をご覧ください。

尼崎市交通局の沿革については左の表の通りです。1948年尼崎市営バスの運行開始、1969年以降高齢者バス運賃助成制度が始まりました。2016年に阪神バスへの事業移譲に伴い、乗車払い方式がICカード化、定期方式が阪神バスの商品「グランドパス」を活用することになりました。右の表のように、2010年以降、市は利用者と市が乗車料金の半分ずつを負担するとの方針を継続し、2024年の値上げから半額助成になるよう助成額が引き上げられましたが、民営バスの定期パスは所得区分はあるものの、高齢者にとって、あまりに高額な経済負担を強いることになっています。

 

今年の9月から、阪神バスは路線バスの料金を改定し、240円区間を250円に値上げしました。乗車払い券への市の助成額は端数分を切り捨て120円で据え置かれ、利用者の負担は130円になります。一方、定期券「グランドパス70」については今回は値上げをせず据え置かれますが、今後も値上がりは予想されます。この5年間のグランドパスと乗車払い券の利用者推移からみると年々、定期パスより乗車払い方式の利用が増えています。これは、グランドパスが半額助成されても一般枠で年間26,800円もしてしまうという、経済的負担の大きさが原因なのではないでしょうか。

 

お尋ねします。

 

Q1:グランドパスの金額が抑えられれば利用も増えるのではないでしょうか。物価高騰の中、高齢者の経済負担を軽くし、バスを利用しやすくするためにグランドパスへの市の助成額を半額以上へと引き上げるべきと思いますが、いかがですか?

 

答弁要旨

 グランドパス70の利用者は、コロナ禍以前に比べますと減少傾向にありますが、地域活動や余暇、買い物、通院の利用など、高齢者の社会参加や生きがいづくりに効果がある事業と考えております。

 議員のご指摘の通り、平成22年度の利用者負担の導入時から、本事業を持続可能なものとするため、利用者と市のそれぞれが費用の半分を負担し、制度を支え合う考えで事業を継続しており、現在のところ、グランドパス70の市の助成額を半額以上に引き上げる考えはございません。

 今後におきましても、市報やホームページ、シニア元気↑(UP)パンフレットへの掲載など、利用者増に向けた広報活動を進め、高齢者の社会参加や生きがいづくりの推進に向け、事業継続に努めてまいりたいと考えております。以上

 

次に、多文化共生のまちづくりについてです。

本市は、昨年11月に多文化共生施策アクションプラン、今年3月に多文化共生社会推進指針を発表しました。多文化共生社会推進指針の策定について、本市ホームページで『本市の在留外国人は令和6年4月1日現在で13,208人となり、「尼崎市国際化基本方針」を平成6年に策定した当時と比較し、人口構成や在留資格は大きく変化、国においては更なる外国人材の確保に向けた取組を進めている。
 今後、ますます就労を目的として来日する外国籍住民とその家族の受入れが進む中で、言語や文化の異なる子どもたちを受け入れる教育現場における対応や、外国人就労に伴う企業等や労働者の支援、生活者としての日本語教育、地域社会の構成員として、外国籍住民と地域住民が共生するための地域の理解促進など、これまでの「国際交流」、「国際協力」といった視点から、「多文化共生」に視点を転換し、本市の歴史的背景も踏まえつつ、新たな課題やニーズを捉えた取組を進めていく必要がある。』と紹介されています。

 実際に市内でも多くの外国人の方が街で生活をされている様子が見られます。

そんな中、この直近の選挙で、一部の政党や候補者によって外国籍の人たちに対する誤った情報を拡げ、日本人と外国人の間に差別や分断を持ち込むヘイトスピーチがおこなわれたことは重大だと感じています。

市長にお尋ねいたします。

 

Q2:そもそも地方自治法における市民の定義とは何でしょうか。外国籍住民は、尼崎市民ですか?

答弁要旨

 地方自治法第10条におきましては「市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする。」と規定されておりますので、外国籍住民も当然ながら、尼崎市民でございます。以上

 

第二登壇

 

バス路線のルートについては、「元浜方面から武庫之荘に出るのに一苦労だ」「築地にバスのルートを作ってほしい」「稲葉元町から蓬川公園に行くのに何本も乗り換える」「生活保護利用者なので福祉事務所にたびたび通うが、出屋敷方面に行くバスが少なくて困る」など多くのご意見を伺っています。

「民営に移譲したので利用が少ないからとか、赤字だからと便の削減やルート撤退をしてしまうのではないか」という不安も、市民には少なからずあります。

 

Q3:市営バスは住民のニーズにこたえてきたと思います。今後も市民の足として誰もが利用しやすいバスであるよう、便数を増やす、市内ルートを充実させるなど、阪神バスにより強く要請すべきではないでしょうか?月一回、市は阪神バスと情報交換をおこなっているとうかがっていますが、便数やルートを増やすことができない理由があればお答えください。

答弁要旨

 近年、バス事業者を取り巻く大きな課題として、少子化・高齢化やライフスタイルの多様化の進展による利用者の減少に加え、急速な運転しの担い手不足の問題があり、阪神バスにおいても、市営バス時代の路線、便数の維持に努めてきたものの、運転士不足により黒字であるにも関わらず減便せざるを得ない路線が生じており、さらなる増便などは困難であると認識しております。

 このため本市では、持続可能な公共交通に向けて、バス運転士採用の一助となることを目指し、市営住宅の空き室提供や多様な主体との共創の取り組みを開始し、この間、一定の成果は現れつつあるものの、路線の充実など抜本的な解決策には至っていない状況です。

 将来に渡り、公共交通を維持し、交通利便性の高い、住みやすい街を実現するため、引き続き、阪神バスと蜜に連携しながら、バス運転士の確保策に取り組むとともに、今秋に実証運行を行うAIオンデマンド型交通といった路線バスを補完する新たな取組についても研究を進めるなど、様々な可能性を探ってまいりたいと考えております。以上

 

多文化共生のまちづくりについて、本市で暮らし、はたらく外国籍住民への対応と共に、急激な外国籍住民増加に不安を抱える市民に対し、理解をひろげるため、冷静で丁寧な市職員の対応が求められます。

 

Q4:全庁的な多文化共生社会への理解推進や取り組みへの市職員の意識統一は、どのようにすすめていきますか?

 

答弁要旨

 本市では、多文化共生社会の実現に向けて、職員の理解促進を図るための職員研修として、例えば、市民に配慮したわかりやすい対応や説明を進めるための「やさしい日本語」の研修や全所属長を対象とした多文化共生研修、さらには外国人総合相談窓口の職員が各地域課に出向き、本市の外国籍住民を取り巻く現状や課題について職場研修を実施しています。

 併せて、外国人総合相談窓口の多言語相談員が、必要に応じて外国籍住民に同行し、庁内各課における行政手続きの支援を行う中で、外国籍住民の実情を知るとともに、接し方などに関する庁内職員の理解が深まりつつあります。

 今後も、こうした取組を進め、多文化共生社会の実現に向け、職員の意識醸成に努めてまいります。以上

 

今後、特定技能2号の外国籍労働者が増えていけば、家族をもつ外国籍世帯も増加が予想されます。妊娠、出産、育児、また医療にかかる場面なども当然増え、相談する機会が増えると予想します。

また、2024年に成立した技能実習改定法は、「育成就労制度」と名前を変えても現行制度と実質的に変わりはなく、「研修」とは名ばかりの安い労働力の供給手段とされ、強制労働、低賃金、残業手当不払い、パスポート取り上げ、高額の保証金や違約金、強制帰国、セクハラと性的暴行など、数々の人権侵害が続発し、重大問題となってきました。

今、外国人労働者問題について求められているのは、外国人労働者の基本的人権が保障される秩序ある受入れと、共に生活するための支援体制です。その現場的な相談体制を担うのは、やはり地方自治体となってくると思います。

 

私が特に懸念しているのは、外国籍女性に対する性被害性暴力の実態が見えないという事です。2021年にNHKで報道された番組では「届かないSOS 外国人労働者への性暴力」と題し、女性技能実習生が「日本の受け入れ企業の社長や社員から日常的に体を触られ続けた」などの性暴力被害が告発されていますが、こうした事例は氷山の一角で、実際には相談することが難しい実態が浮き彫りにされています。「性暴力被害者を相談窓口・支援機関につなぐ バーチャル・ワンストップ支援センター ひょうご」のウェブサイトでは、外国人向けに医療通訳サービス、兵庫県警、アジア女性自立プロジェクトの通訳支援などのリンクを紹介しています。

本市においては、外国人総合相談センターを設け、日常的な相談体制をとっていますが、担当局に確認すると性被害に関する相談はない、とのことでした。

お尋ねします。

 

Q5:災害時の避難、生活困窮、女性支援など、複雑な状況説明や専門用語を要する事象の相談には、本市ではどのように対応しますか?

 

答弁要旨

 日本語や日本の習慣・文化への理解が乏しい外国籍住民からの複雑な相談内容を職員が理解したり、また、情報を正しく伝えたりすることは容易ではありません。

 そのため、すべての言語に完全に対応することは困難ですが、例えば災害時における避難方法や災害情報を伝えるため、ハザードマップや避難誘導板を多言語化したり、外国籍住民の利用の多い相談窓口に通訳タブレットを設置したりするなど、取組を進めているところです。

 災害対応や社会制度に限らず、今後、福祉や医療等専門的かつ複合的な相談が増加することも想定されることから、適切な支援につながるよう、引き続き効果的な施策について、関係部局と協議・検討してまいります。以上

 

次に、学校体育館へのエアコン設置についてお聞きします。

7月30日、カムチャッカ半島付近を震源とする地震の影響で、本市でも津波注意報が発令、一部の地域で避難指示が出され、津波等一時避難場所である市立クリーンセンター第二工場、小学校等へ計239人の方が避難されました。

この時期、熱中症の危険性が叫ばれています。避難所となる学校体育館はかなりの暑さですが、小中学校の体育館はまだエアコンがありません。主要事業として本年度は3つの中学校体育館で空調設備の整備に着手すると聞いていますが、避難所としていつ運営されるかわからない中、体育館のエアコン完備は待ったなしの課題です。

 

Q6:国の補助金や緊急防災減災事業債に頼るだけでなく、断熱化工事も含め市独自の予算を確保して思い切ったスピード感で進める必要があるのではないでしょうか?補助金の枠を広げることを国に要請することも視野に入れて、整備計画を急ぐべきと考えますがいかがですか?

 

これで第二登壇を終わります。

 

答弁要旨

 学校体育館の空調設置につきましては、今年度は断熱性能が異なるタイプの3校の整備に着手し、現在設計を進めているところであり、断熱化工事の有効性について、館内の空調効果とそれに要する初期投資及び維持管理費用を算出し、財源の活用方策も併せて検討しているところです。

 また国への要望につきましては、これまでも中核市市長会や兵庫県副市長会等を通じ、国庫補助金の配分基礎額や単価の増額、緊急防災・減災事業債の期間延長などを提案しておりますが、引き続き、機械を捉え実施してまいります。

 いずれにしましても、体育館空調の早期設置に向け、スピード感のある整備方針を年度内の早期にお示しできるよう準備を進めてまいります。以上

 

第三登壇

 

最後は要望にとどめます。

 2024年度決算では本市の財政運営は黒字財政という事ですので、災害級の異常気象から市民を守る観点で、学校体育館の空調整備は市の予算も思い切ってつけて取り組むことを求めます。

路線バスについては、市バスから民営バスに移譲しても、公共性の高いバス事業は住民の声を反映し、利便性の確保や低廉な料金設定を補償すべきです。高齢化が進む今こそ、路線バスの充実はもちろん、オンデマンド交通もぜひ実施していただきたいと要望します。

 

外国人の相談体制について、性被害性暴力については、日本人の被害者でさえ相談や支援にたどり着くことが困難です。言葉がうまく通じない、文化や習慣の違う日本で、誰に相談すべきかもわからないため被害が潜伏してしまいます。外国人向けの性被害性暴力の相談窓口体制をつくるべきだと考えます。とくに女性に対する性被害で緊急に医療的措置を必要とする場合に、尼崎総合医療センターなどにつながることができるように体制を整えていただきたいと思います。尼崎市のHPのトップ画面ですぐに「外国人SOS」など各リンクにアクセスしやすいよう表示をする、各支援団体・行政機関とのネットワークをつくり、「やさしいにほんご」選択仕様を共有するなど改善を求めます。

 

わが国が1966年に批准している国際人権規約は、外国人を含むすべての人に対し平等に人権を保障すべきだと定めています。1978年の最高裁判決では日本国憲法が保障する基本的人権も「在留する外国人に対しても等しく及ぶ」としています。外国人を「異分子」として人権保障の対象からはずすことは、国際的基準にも憲法にも反することになります。

 生活の苦しさや生きにくい社会の要因は、これまでの政治にこそ、責任があります。その矛先を日本に住み、働く外国人に向ける。それは、社会をよくする力にはまったくなりません。それどころか、その矛先はいずれ自国民に向けられていく。それが歴史の教訓ではないでしょうか。日本共産党は、排外主義に断固として立ち向かい、多様性を尊重する社会を求める市民のみなさんと、この潮流の台頭を許さないために力をあわせることを、私たち議員団の決意として述べ、すべての質問をおわります。

 

ご清聴ありがとうございました。

9月一般質問こむら資料