第1回尼崎市議会臨時会が終わる

2013_07_30_to

 第1回尼崎市議会臨時会が7月30日に終わりました。最終日は議案に対する採決が行われました。提案された9つの議案のうち日本共産党議員団は立花中学校の耐震化工事や産業問題審議会条例など7つの議案に賛成、市バス事業委譲選定委員会条例と保育所移管選定委員会条例の2つに反対しました。採決に先立って,徳田稔市議が、議員団を代表して反対討論を行いました。

○議案の名称
〈専決処分報告〉
報告第2号 平成25年度尼崎市一般会計補正予算(第2号)
報告第3号 工事請負契約の変更について(浜小学校北棟等耐震補強工事
報告第4号 訴えの提起について(災害援護資金貸付金請求控訴事件)
〈予算〉
議案第93号 平成25年度尼崎市一般会計補正予算(第3号)
〈条例〉
議案第94号 尼崎市自動車運送事業移譲事業者選定委員会条例について
議案第95号 尼崎市立保育所移管法人選定委員会条例について
議案第96号 尼崎市産業問題審議会条例の一部を改正する条例について
議案第97号 尼崎市公園緑地審議会条例の一部を改正する条例について
〈その他〉
議案第98号 工事請負契約について(立花中学校北棟等耐震補強工事)

討論の大要全文は別紙

議案第95号「保育所移管法人選定委員会条例」

 これまでの公立保育所の民間移管計画は、保護者、保育関係者などの意見を十分に聞かず、移管計画が強行されており、多くの保護者の理解が得られていない。「子ども子育て支援新制度」に基づく保育制度見直しの基本プランが策定されようとしている今、公立保育所の民間移管計画そのものを白紙にもどすべきだ。「保育所移管法人選定委員会条例」は選定委員の市民団体の代表は民生児童委員のみ、市民団体の定義が曖昧、保護者の要望が満たされず、保護者委員の権利が保障されていないなど様々な問題を含んでいる。本条例の制定に反対する。

議案第94号「自動車運送事業移譲事業者選定委員会条例」

 自動車運送事業移譲事業者の選考については、市バス廃止条例を議決し、市民の足をまもる代わりの措置として民営化を進めるために、事業者選定委員会条例を提案するべきだ。市バスを走らせている現行条例が存在しており、議会として「廃止の議決」をしていないもとで、民営化のための事業者選定委員会を先行して設置するのは、行政運営の手順として筋道が通らない。市バスは市民福祉の増進の一環として市民の足をまもる役割があり、移譲業者を選定するための条例を制定することでは市民に対する責任が果たせないので、本条例の制定には反対する。

日本共産党など超党派の女性議員で「慰安婦は必要であった」とする発言に抗議文を大阪橋下市長に送付する

 大阪市の橋下徹市長の「慰安婦は必要であった」とする発言は女性の人格をふみにじる者で許せません。ところが橋下市長はこの発言に撤回も謝罪もしていません。尼崎市議会の荒木伸子市議、(新政会)、須田和市議(緑のかけはし)、宮城亜輻市議(市民グリーンクラブ)、松村ヤス子市議((日本共産党)、真崎一子市議(日本共産党)、松澤千鶴市議(日本共産党)の6人の女性市議有志は撤回と謝罪を求める抗議文を橋下大阪市長を送りました。

2013年7月臨時議会 2議案に対する反対討論

                           2013.7.30
日本共産党市会議員 徳田 稔

2013_07_30_to

おはようございます。日本共産党議員団の徳田 稔です。
議員団を代表して議案第94号及び議案第95号に対する反対討論を行います。

最初に、議案第95号「尼崎市立保育所移管法人選定委員会条例」についてです。

 日本共産党議員団は従来から一貫して、公立保育所の民間移管そのものに反対してきています。その理由は公立保育所の民間移管を次々とすすめることは、公的保育制度の解体に道を開く危険性があるからです。

 また尼崎市における、これまでの公立保育所の民間移管計画は、保護者、保育関係者などの意見を十分に聞かずに、移管計画が強行されており、多くの保護者の理解が得られていないからです。このことは、大島保育所や立花南保育所で民間移管反対の裁判が行われている事実が証明しています。
また現在、2015年(平成27年度)実施予定の「子ども子育て支援新制度」のもとで、市の保育制度が大幅に変わる検討がなされようとしています。過去の市の計画について全面的な見直しに着手しておきながら、一方で過去の計画を実行することは矛盾しています。

 よって市は、裁判の終結を見守り、保護者や保育関係者の理解と納得が得られる状況が作り出されるか、また「子ども子育て支援新制度」に基づく保育制度見直しの基本プランが策定されようとしている今、公立保育所の民間移管計画そのものを白紙にもどすべきです。

 さらに「尼崎市立保育所移管法人選定委員会条例」は様々な問題を含んでいます。

 第一に、選定委員に「市民団体の代表」とあるが、これまで選考されてきた委員は民生児童委員のみだけで、市民団体の定義が曖昧だし、「地元の事情に精通し保育所のことがよくわかっている専門家を」との保護者の要望が満たされていないという問題があります。

 第二に、選定委員の人数が6人という定めについて、保護者委員の数を増してほしいとの保護者からの要望に応えていないという問題があります。

 第三に、この委員会はこれまで公開されておらず、委員には守秘義務が課せられており、保護者代表の委員は誰にも相談すらできず、結果的に代表として委員会に参加できない状況がつくられており、個人の判断で保育所の選定に関わるという重大な責任を負わされています。また保護者委員の代理出席や任期途中での交代を認めないなど、保護者委員の権利が保障されていない問題があります。

 これらの問題点から、公正な審議を行い民間法人を適正に選んでいくための条件が、「尼崎市立保育所移管法人選定委員会条例」には備わっていないという点も指摘します。

 以上により、「尼崎市立保育所移管法人選定委員会条例」の制定に反対します。

次に、議案第94号「尼崎市自動車運送事業移譲事業者選定委員会条例」についてです。

 まず、大阪市の市バスの民営化の取組を紹介しますが、大阪市は移譲事業者を選定する前に「市バスの廃止条例を議決する」手順にしています。

 また、尼崎市は公立保育所を民間に移管しつつありますが、手順としては公立保育所の廃止を議決してから移管法人を選考しています。これは、公立保育所の廃止条例が議決されたことをもって、その保育所における児童の保育を保障するために、法人の選考手続きに入るという、行政運営の筋道が通っている手順と考えます。

 同じように、自動車運送事業移譲事業者の選考については、本来なら市バス廃止条例を議決し、その条例をもって、市民の足をまもる「代わりの措置」として民営化を進めるために、事業者選定委員会条例を提案するべきだと考えます。

 市バスを走らせている現行条例が存在しており、議会として「廃止の議決」もしていない状況のもとで、民営化のための事業者選定委員会を先行して設置するのは、行政運営の手順として筋道が通らないことを指摘します。

 次に、公営企業の市バスは市民福祉の増進の一環として市民の足をまもる役割がありますが、民間事業者は運賃収入から利益を上げ、株主配当をだすことが事業目的のひとつです。民営化された後、現行のバス路線が存続するのは、協定による3年間だけで、協定期間が過ぎたあと赤字路線は切り捨てられる可能性があります。

 協議会が設置されるとしていますが詳細は不明であり、民間事業者への補助金制度をつくるとしていますが、これも内容は不明のままです。

 協定期間が過ぎたあとも民間事業者によってバス路線が守られる保証もはっきりしないまま、移譲業者を選定するための条例を制定することでは市民に対する責任が果たせません。以上により、本条例の制定には、反対します。

 以上、御賛同いただきますようお願いしまして反対討論を終わります。

2013年3月議会 田村征雄:市長提出議案のうち7議案に対する反対討論

市長提出議案のうち7議案に対する反対討論

                         2013.3.1 田村征雄

 日本共産党議員団の田村征雄です。

 市長提出議案のうち7議案に対する討論を行います。

議案第32号 職員定数条例の一部改正については

 地方自治体は福祉の増進を図ることが基本です。市役所は市民のためにある、職員は市民のためにいる、この視点で職員数を確保していく必要があると考えます。市役所としての公的責任を果たすべき立場から、保育所民間移管による職員減、給食調理の民間委託による職員減は認められず、一方、福祉事務所で生活困難な市民に支援の手を差し伸べるケースワーカーの増員は不十分な配置であり、本条例に反対します。

議案第37号市長及び副市長の退職手当に関する条例の一部改正については

 特別職報酬等審議会の答申にもとづき、市長、副市長の退職金を減額するものですが、
 会派としては、市長の退職金は職員と同様の計算式によるべきとの考えでありまして、過去の条例改正時には修正案を提案した経過があり、本条例には反対です。

議案第48号障害者自立支援認定審査会の委員の定数を定める条例の一部改正、および
議案第49号障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業の人員、設備及び運営の基準等を定める条例の一部改正 の両案についてです。

 従前の「障害者自立支援法」が収入のない障害者に、障害が重いほど負担が大きくなるなどの重大な問題があり、違憲訴訟が起こされました。

 民主党政権は同法廃止を約束して原告団と和解し、国と原告団で基本合意文書が結ばれたのです。
ところが、合意に基づくとされた障害者新法には、障害者を権利の主体として明記することや支援の無料化などが盛り込まれませんでした。

 このように原告団との合意を裏切るような不十分な内容の法律のまま運営するための条例改正には賛成できません。

議案第52号市立保育所条例の一部を改正する条例の一部改正については

 党議員団は、公的保育の責任を放棄する保育所の民間移管には反対です。今回、選定された社会福祉法人が移管を辞退したことにより、2013年4月1日に立花南保育所を社会福祉法人へ移管することが困難となったため、条例案は施行期日を「規則で定める日」に変更しようとするものですが、民間移管されたままの状態であることから、委員会審議において「尼崎市立保育所条例の一部を改正する条例(2011年尼崎市条例第24号)は、廃止する」との修正案を提出しましたが、賛同を得られませんでした。

 よって、原案の本条例案に反対します。

議案第53号子ども・子育て審議会条例の制定については

 子ども・子育て支援法を含む三法にもとづき「子ども・子育て審議会」を設置するための条例ですが、三法そのものに問題があります。

 三法は、市町村に保育所での保育実施義務を引き続き担うこととしたものの、認定子ども園や家庭的保育事業はその対象外としています。

 子ども・子育て新システムの問題点をそのまま導入し、例えば、「保育に欠ける児童」を対象とした児童福祉法第24条一項は「保護者の労働等の事由により、児童が保育を必要とする場合」に変更され、子どもの育ちを保障する保育から、子どもを預ける託児所化を促すものとなりました。

 また、短時間保育・長時間保育の認定がなされ、子どもたちがそろって保育を受けることができなくなり集団で成長する従来の保育が壊されてしまいます。

 運営をする側の職員配置にも困難をきたし、運営に問題を生じさせる危惧があります。なお、短時間保育となった児童にとっては、成長に欠かせない「昼寝」の時間の保障に困難があり、子どもたちの成長を保障する上で大きな問題があります。

 もとの「新システム」の見直しは当分の間の民間保育所を除いて、基本的に民主党原案に
あった保育施設の契約型利用方式、現物給付を現金給付化、保育の市場化に沿ったものにとどまっています。このほか待機児童対策も不十分のままです。こうした関連三法はおおもとでの改善が必要ですが、なされていません。

よって、審議会条例の制定には賛成できません。

議案第28号自動車運送事業会計補正予算(第一号)については

 例えば、戸ノ内地区は猪名川にかかる戸ノ内橋を渡ることによってのみ市域全体とつながる地区です。スーパーもコンビニもなく、生活の足としてバス交通は欠かせません。

 地区の人口減でバスの乗客数は減り続け、仮に民営化されてもその路線の赤字は避けられないでしょう。

 民営化後3年間は、市との協定により路線がまもられるとしていますが、協定期間後に路線が存続されるのかどうかは住民の大きな不安となっています。

 バス路線がなくなれば食料品、日常生活品の買い物、通院、通勤など生活の足がなくなり、生きていくことができなくなるのです。

 協議会を設置するとされていますが、このような不安に応えるものかどうかなんの保障もありません。

 民営化された場合、3年後、5年後、10年後もバス路線が存続するのかどうかの全体像が不明確であり、市民的議論が不十分のままの「民営化ありき」は問題があります。

 よって、民営化を前提に希望退職を募り、特別損失として経費の補正を行う本補正予算に反対します。

 

以上で討論を終わります

2012年9月決算議会 辻おさむ:平成23年度決算、市立幼稚園5園廃止を含む条例提案、保育所条例の一部改正に反対

2012年10月4日

日本共産党議員団 辻おさむ 反対討論 

平成23年度決算、市立幼稚園5園廃止を含む条例提案、保育所条例の一部改正に反対

 日本共産党議員団の辻おさむです。
 ただいま議題となっております 「認定第1号」「議案第109号」および、「議案第111号」について、反対討論を行います。

まず、認定第1号 平成23年度歳入歳出決算についてです。

 平成23年度予算は、前年の平成22年12月に稲村市長が就任されて、初めての予算でした。就任後、間もないことから、ほとんどが前市長の予算編成を踏襲したものでした。

 平成23年度一般会計決算は、歳入では、法人市民税が若干伸びたものの、市民の暮らしは、決して改善していません。平成22年度に比べて、個人市民税の課税標準が200万円以下の層の割合が増え、生活保護費は、予算時の見込みより少なかったとはいえ、増加し続けています。

 市民の暮らしが改善しないなか、市の将来負担比率が166.8%で、類似する中核市のなかでも突出して高く、借金返済に追われているのが実態です。過去の財政運営の失敗と、賃金を抑え、失業者を生み出す国の政治のあり方が、尼崎市民と市財政を苦しめる結果になっています。

このようななか、決算委員会が始まる前日の新聞報道で、入湯税を市が温浴施設業者と協議し、12年間も不正に条例に基づかない軽減を認めていたことが明らかになりました。

本来、平成23年度分としては、2358万円の歳入が見込めたところ、500万円弱しか徴収されていません。
明らかに不正があったことは間違いのない事実で、この件だけでも、決算認定に同意することはできません。

過去の分を支払うから良いではないか、とお考えの方もあるかも知れません。

しかし、ここで思い出していただきたいのは、原爆被害者の団体に対して長年運営費補助を行ってきたものを、一般団体と同じように事業補助に切りかえ、わずか年間7万円の補助金を打ち切ったことです。

私は平成23年の予算委員会の総括質疑で、原爆被害者の方たちがどんなお思いで活動をしているのかを訴えました。原爆被害者の方たちの語り部活動を委託事業としたのですけれど、語り部活動の忙しさは、会の運営と合わせても、病弱な上に平均年齢77歳という高齢の被爆者にとっては、心身ともに大きな負担となったとのことです。1人は亡くなられました。1人は、語り部活動を続ける体力がなくなりました。本当に、命を削るとはこのことです。原爆被害者の会を他の一般市民団体と同じに考えるべきではありません。運営費を補助すべきです。

このように、市財政が厳しいとして、わずかな市民サービスも切り捨てる一方で、入湯税の不正軽減は、市政の公正性にかかわる問題でもあり、到底許されるものではありません。今後の調査では、市職員以外の関与がなかったのかも含めて、徹底的に真相を明らかにすることを求めます。

また、尼崎工場の生産中止・集約のなかで1000人の削減を行ったパナソニックPDPに対しても、企業立地促進条例にもとづく不均一課税を続けるなど、企業に対しては非常に弱腰な対応です。このことも市民の納得いくものではありません。

 

さて、決算審査にあたって、市民の生活を守る点で見てみますと、国民健康保険加入世帯の一人当たり基準所得が3年間で8万円以上も下がっているのに、負担能力の限界を超える国保料へと突き進んでいます。こうした中で、滞納により、短期保険証が市役所に留め置かれたままで、手元に保険証のない世帯が、少ない月でも、4000世帯を超えるといった異常な状態は見過ごせません。

また、高齢者市バス特別乗車証の有料化で、高齢者の移動の自由が奪われた上、交通局の減収をおぎなうため、経営支援として3億5000万円が補助されています。定額補助制度も含め、無料パス制度の復活を検討すべきです。

また、住民合意という点では、昨年5月に発表された「市立幼稚園教育振興プログラム素案」で、廃止対象の9園のうち7園の保護者らから、園の存続を求める陳情が議会に提出され、昨年12月の文教委員会では「保護者や市民の意見を十分に聞いたうえで、幼稚園教育振興プログラム素案を見直すこと」との意見がまとめられました。しかし、こうした議論を受けた「素案の見直し案」でも、最終的には9園を廃止することは、「子育てしやすいまちづくり」という点でも、地域住民に合意を得られていない点でも、問題です。

また、園田西武庫線については、今に至っても非公開部分が大きく、決算に対するチェック機能という議会の権能を果たすことができない状況にいまだ置かれています。

費用負担の妥当性が判断できない状況にあるままでは認定できません。

以上の理由から、平成23年度一般・特別会計決算を認定することはできません。

 

次に、議案第109号 市立学校の設置及び管理に関する条例の一部改正についてです。

 本議案は、平成25年1月1日施行の定時制高校に関する条項と、平成28年4月1日施行の市立幼稚園5園の廃止を内容とする条項を、抱き合わせで提案されました。

議案の提案の仕方については、文教委員会の議論を踏まえ、先ほど修正案を提案させていただいています。

会派としては、廃止される尼崎工業高校、城内高校の受け皿として、琴ノ浦高校が新たな考え方のもとに設置されることについては、生徒たちが技術を身につけて、社会に出ていけるよう、現場の教職員の意見を反映させて取組むとの答弁がありましたので、賛同するものです。

 さて、議案第109号の原案は、市立幼稚園のうち、博愛、梅園、武庫南、富松、武庫庄の5園を廃止する条項を含む条例改正であります。

第一に、廃止予定の保護者らは、今ある近くの市立幼稚園に通園できるのが最大のメリットだと主張しています。小学校に行けば複数学級で切磋琢磨という環境になりますが、就学前の幼児に無理に複数学級にする必要があるのか、少人数だから友だち同士や先生との人間関係をつくりやすい良さもあるとの意見が、アンケートで多数あるとのことです。

保護者らは、一方的に今ある園を廃止してまで、複数学級にすることに同意していないのです。

第二に、説明会で、遠距離通園になる保護者に自転車通園を認めるとうちだしましたが、「2歳、3歳児の子を連れて、また妊娠中のお母さんが自転車通園するのは危険が伴う」との意見がありました。

 当局は、自転車に乗れない方々にはバス路線をつくり、バス停をつくる、とそれが実現するかのように受け取られる説明をしてきたようですが、質疑応答で、責任もって要望していくとの答弁で、民営化される中でバス停や路線新設などの確たる保障がないことが明らかになりました。

第三に、財政問題を理由に、地域の市立幼稚園を廃止するのは、地域の子育て支援の拠点を失くし、現役世代の定住、転入促進というまちづくりに逆行するものであると指摘します。

 第四に、武庫庄から小学校の用地提供者を含む社協役員などが、武庫庄幼稚園の廃止には断固反対だと、教育委員会に存続を求めています。

存続を求める陳情には5245筆の署名が添えられており、一部どころか町ぐるみで存続を願っています。また昨年、5400筆を超える署名が集まった富松幼稚園については、8月末に廃止条例の提案がされると分り、短期間に1174筆の署名が集まり、存続を求めています。

昨年の文教委員会では、「9園廃止の素案に対し、住民合意がえられていない、素案の見直しを」と意見まとめをしています。

5園の廃止は、住民合意がえられていないと判断するが、教育長、教育委員長は、住民合意がえられたと考えているのか? との質問に教育長は、「5園の廃止については、お近くのすべての方々に賛同を得たと、あるいは納得していただいたことにはなっていない、ある程度については理解していただいた、総合的判断だ」と言わざるを得ず、実質的には5園の廃止に、住民合意がえられていないことを示す答弁でした。

教育委員長の答弁は「保護者の皆さんから100%合意を得られたというものではありません、努力をしてきた、どこもなくしたくないと思いがあるが、どこかということになれば、一定ある程度の理解をいただきたい」と答弁し、さらに「教育委員の会議に5園の廃止条例を9月議会で提案すると決める際に、住民合意はえられていると判断していたのか」との質問に、教育委員長は「すべてに合意が得られたということは言えない、ただ、充実のためにお願いします、という声も聞いており、教育のために進めていきたいと思っております」と答弁し、幼稚園の統廃合を進めるとの見解でした。

 つまり、5園の廃止について、教育長も、教育委員長も、「園の廃止に合意が得られたとは言えない」との答弁です。

 こういう場合は、教育委員会事務局が幼稚園の廃止を強行しないよう、教育委員長が、教育委員の会議で、5園の廃止条例を9月議会に提案するのかどうかについて、慎重な判断をすることが必要だったのではないでしょうか。

 今回の市立幼稚園5園の廃止を含む条例提案は、住民合意が得られていないことが明らかであり、議案第109号に反対するものです。

最後に、議案第111号 市立保育所条例の一部改正についてです。

 日本共産党議員団は、公的保育制度について、「自治体は、保育条件を確保し、運営費を公費で負担し、保育の保障責任がある」として、民間移管に反対してきました。

いま、保育の構造改革=保育の市場化が進められようとしているとき、公立保育所の果たす役割はますます大きくなってきています。

公立保育所の廃止・民営化の問題点については、保護者等から「子どもと親にとって大切な保育者との深い信頼関係が断ち切られる」「自治体の保育する責任が後退する」「住民意志が反映できなくなる」「コスト削減ありきで、子どもを犠牲にしないで欲しい」など多くの意見が述べられてきました。

また、民間移管に関する保護者への説明は、民間移管ありきで進められ、保護者の納得いくものとはなっていません。ですから毎回「民間移管の撤回や中止を」という陳情が出てきます。

 本来、こどもの発達保障は、公の責任で行うべきです。子どもを大切にする国・自治体にするために公立保育所をこれ以上なくさないことがあるべき姿です。

民営化というのは、公立保育所の「廃止」です。建物はそのままですが、慣れ親しみ、信頼してきた所長も保育士さんも、今までの保育環境が全て変わってしまいます。完全に公立保育所を引き継ぐことはできないのです。

それなのに、共同保育も不十分で「納得のいくものではない」と、そこに多くの保護者は不安を持っています。共同保育期間も2ヶ月から3ヶ月に延ばされるものの、保護者は、なお不安があると述べています。

よって、議案第111号、尼崎市立保育所条例の一部を改正する条例に反対します。

 以上で、反対討論を終わります。