予算特別委員会総括質疑での川崎としみ議員の質問です

原発事故での受入問題OLYMPUS DIGITAL CAMERA
 市の地域防災計画の第3章では「原子力災害に備える 」として、以下の記述があります。『本市は、各原子力発電所よりUPZ圏外(半径30キロ圏外)の位置にあるが、原子力発電所の事故による被害状況については様々な要素が関係するため、実際の事故発生時には、事故の規模や気象条件、環境放射線モニタリング結果等を踏まえ、柔軟に対応する必要がある。このため、本市では、緊急時モニタリング活動への協力、情報伝達・広報活動、広域的避難者の受け入れ等に係る事項について検討する』。とあります。以下具体的な対応を計画しています。特に「広域的避難者の受け入れ体制の整備」については、「市は、原子力災害時に発生する広域避難者の受け入れ先となる避難場所の指定及び住民への周知、避難誘導等、受け入れ体制の構築の整備を図っていく。」としています。これらの対応は、原発が再稼働されればすぐにでも対処ができていなければならない課題です。
質問①お尋ねします。県や関西広域連合と協議するだけにとどまらず、これらの具体的な取り組みを急ぐ必要があり、大変な時間と労力、経費もかかると思われます。どのように具体化しようとしているのかお答ください。
 尼崎はわずか、直線距離で福井県の原発とは90キロしか離れていません。しかし被災された1万6千人の方にとっては避難地域としての90キロは大変遠いところです。この尼崎まで道路は渋滞、途中で放射能の検査もあり、本当に被災者の皆さんは、早期にここまでたどり着くことができるのでしょうか。代表質疑での原発に対する市長の答弁は、「原発は徐々になくしていきたい」ということでした。今、問題になっているのは再稼働の問題です。原子力規制員会の委員長でさえ審査基準をクリアーしても原発の安全性を保障するものではないと述べています。原発を動かさなければこのような防災計画、被災者の受け入れを行う必要性はありません。福島の事故は4年たっても収束していません、炉心には人間が近づくこともできず、事故の真相究明も行われていません。
質問②お尋ねします。廃炉への道筋も、放射性廃棄物の処理方法も安全に管理する術を人類はいまだに持ちあわせていません。危険な原発は再稼働させない、原発はすぐに廃炉をと自治体としての明確な声をあげていかなければならないと思いますが、市長の考えをお聞かせください。
 原子力規制委員会の再稼動のための審査には様々な問題点があります。地震、火山の噴火、津波の予知が本当にできるのか、福井県など原発が集中立地している所での同時多発事故についての対策、住民の避難計画があるかないかは審査の対象外とされている問題等々です。住民の命と暮らし、安全を守るために、原発の再稼働に反対し、原発にたよらない再生可能な自然エネルギー政策に転換することを求める自治体に尼崎が生まれ変わることを強く要望します。
内水の浸水対策
 一昨年8月25日の豪雨は、市内のあちこちで内水の浸水被害がおこりました。地域社会の防災力を強化するために、自治体がどのような役割をはたすべきかが問われています。この時の被害の教訓として、市民への災害時の対応や広報について周知徹底が不十分であり改善すべきだということがありました。また、地域コミュニティとの連携・共同で、地域環境の安全化と被害軽減活動能力向上を進めることも重要であるということがわかりました。尼崎市は過去に、工業用水として地下水をくみ上げたための深刻な地盤沈下、浸水対策として下水道事業がすすめられ日本一の普及率を誇っています。現在、市内には県所管のものもあわせて3つの下水処理場と11ヶ所のポンプ場で下水・雨水の処理排出を行っています。尼崎の雨水排除能力は現在、時間当たり46.8mmまで処理可能。今後の計画では雨水貯留管の整備やポンプ能力の増強を行うことで51.7mmまで能力アップできるとされています。しかし1昨年の降雨量は最大87mmでした。こうした対応策では、処理能力を超える降雨は、一時道路などに溢れ、低地への浸水被害をおこすことは避けようがありません。雨水排除の能力アップの方策として、山幹道路と尼宝線にかけて道路の地下に巨大な貯留管の建設計画があり、今年度の予算に設計予算が計上されています。
質問③お尋ねします。この計画の概要と、完成後の効果はどれだけのものになるのかという予測について、お答えください。
こうした計画が完成するまで、また完成しても内水の浸水対策の課題は完全に解決されないでしょう。JRより北側の立花地域の内水の浸水対策について、住民の皆さんが昨年10月に市に出前講座を要請し、様々な意見が出されました。この地域では長い間、浸水対策がいっこうに進まない、同じ尼崎の市民でありながら、大雨や台風にあうたび不安で安心して暮らせない、なんとか対策が講じられないか。また過去には市から若松公園の地下に貯留槽をつくるとの計画も出て期待していたが、いつの間にか話が立ち消えになっているとの話も出されました。
質問④お尋ねします。過去に若松公園の地下に貯留槽をつくるという計画はあったのですか。それが建設されなかった理由として、出前講座での担当者の説明は「将来、公園は市が売り払う可能性があるので、貯留槽はつくらない」というもので、このことは本当のことでしょうか。
 地域住民の安全対策よりも、土地を売り払うことを優先するのか、そんな冷たい市政であってはなりません。立花地域は、JR以北の東部からの内水、また伊丹方面から流れ込んでくる内水が押し寄せてくる低地帯です。JRがあるために西側にしか水を排出することができません。地理的に浸水被害から逃れられない地域となっており、恒常的・日常的な対策が求められるところです。
質問⑤内水対策について、ハード面だけでなく、今後は地域住民と連携・共同したソフト的な対策も必要です。市としての情報提供はもちろんのこと、住民と一緒になって様々な対策、具体的に住民の自主的な取り組みをサポートすることが必要だと思います。市としてどのような対策ができるのかお答えください。
市内の踏切対策について
 市が昨年JRから踏切事故をなくす対策を求められ、昨年3月、市は踏切の安全対策として、七松線をはさんで、西側の七ツ松踏切と東側の三反田踏切について『2014年の春から夏にかけて、試験的に自動車のみの通行止めをしてその影響を調査するための社会実験』を行いたいと、踏切周辺の3つの連協(町会)にアンケートを依頼しました。市は配布した文書の中で、今後の踏切の安全対策については、当面『2つの踏切の車の通行を止めて、重大な踏切事故の撲滅をめざしたい』、さらに『車の通行止めを実施後、二つの踏切の歩行者と自転車の立体交差化を行い、踏切を廃止したい』としています。周辺の住民にとっては生活が大きく変わる大問題です。今後の具体的計画、費用負担の問題等不明な点がたくさんありました。そこで市に昨年5月27日、住民説明会をJRと市道路維持課も入って尾浜庁舎で開いてもらいました。そのなかで、明らかになったことは
踏切事故の発生件数は2013年度年間、七ツ松踏切45件、三反田踏切10件起こっており大変危険な状態である。社会実験は、 七ツ松、東七松、三反田の 3 踏切の自動車の流れ、交通量調査、地域への影響をみて事故防止対策を考えるというものであるが、アンケート調査が進んでいない等の理由で、夏までの実施が 10 月中旬へ延期となる見通し。市が考える最終的な解決策である立体交差(人、自転車だけが通る地下トンネル) は、1カ所につき約10数億円を超える費用面から、建設の実施時期のめどは立てられない。また費用負担は市独自の予算で行うとのこと。2車線の七松線の踏切については、 対策から外れ立体交差等は考えていない。その後、昨年はついに踏切の調査は行われていません。

質問⑥お尋ねします。調査が何故行われていないのか、この間の経緯についてお知らせください。

 子ども子育て支援新制度について
 次に子ども子育て新制度の実施に関連した質問に移りますが、その前に一点だけ質問します。条例を作成する際、規則や要綱で定めるといったケースが多々ありますが、実際にこれを定める時期が明確化されていません。条例の施行日直前にしか間に合わないといったことが出てきています。条例制定の技術的な問題、環境整備が整っていないなどの条件があるためだと思います。公立保育所の民間移管の日を決める規則や、子ども子育て支援制度に係るもので児童ホームの規則等、他にもほとんどの条例で規則や要綱で、細目については定めることが多く見受けられます。これらの制定には一定のルールが必要なのではないでしょうか。最近では、立花南保育所の移管日が平成28年度以降とだけしか報告されていなかったにもかかわらず、いつの間にか今年2月に選定委員会が立ちあげられていた問題があります。市民にやさしい行政を行っていく上で、行政計画が具体的に示されない、施行の直前で規定が変更されるかもしれないといった不安を市民に与えてはいけないのではないでしょうか。
質問⑦お尋ねします。これら条例の規則、要綱を策定する時期について一定の縛り、内規的なルールを定める必要はないのでしょうか?
 新年度より子ども・子育て支援新制度の地域子育て支援事業として、放課後児童健全育成事業が開始されます。この事業名は国では放課後児童クラブと呼ばれ、全国的には学童保育とよばれ、尼崎では留守家庭児童対策事業である児童ホームのことを指しています。一般の遊びをとおしての放課後対策事業である、子どもクラブとは全く異なる制度です。
質問⑧お尋ねします。新年度より児童ホームの土曜日開所を実施予定とお聞きしています。どのような体制で行おうとしているのか、お答えください。
 本市の子ども子育て審議会の答申では、児童ホームについて、「保育所を利用する家庭が就学後、引き続き利用できるよう、親の就労日での保育を確保する観点や、子どもの成育上の観点、また子育てと仕事の両立を支援する観点からも、保育所と同様に土曜日の開所も努めるべき」と答申しています。
質問⑨お尋ねします。土曜日開所の職員の体制はどうするつもりでしょうか?
 土曜日の開所時間は9時と聞いています。学校の休業日の児童ホームの開所時間は8時30分です。どうして違いがあるのでしょう。また土曜日出勤した児童ホームの指導員は、就業時間が規制されているため、平日に休み、そのための代替え要員は子どもクラブから派遣するとされています。
質問⑩お尋ねします。子どもクラブと児童ホームの運営が混然一体とすることは問題ではないでしょうか。一線を画した運営に改めるべきと考えますが答弁を求めます。
 国の「社会保障審議会児童部会 放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告書」では、「放課後児童クラブの基本的な考え方」としてつぎのように述べています。『・放課後児童クラブは、児童福祉法に定めるとおり「授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る」ことを目的とする事業である。その事業の基準は、改正児童福祉法第34条の8の2に規定されるとおり、「児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な水準を確保するものでなければならない。」 また、放課後児童クラブは、これまで多様な形態により運営されてきているが、特に、保護者が昼間家庭にいない児童にとって、放課後に安心して過ごせる生活の場としての機能を重視して運営されている』としています。本市で行われている児童ホームはまさにこのような考え方の元に設置され、運営されてきたと考えます。『児童ホームは働く親をもつ子どもたちの毎日の生活の場ですから、健康や安全の管理など養護も含めた基本的な生活が保障され、あわせて子どもの成長段階に見合った適切な指導・援助が行われてはじめて、その役割を果たすことができます。』つまり子どもたちの遊びの場を提供する子どもクラブとは、運営上一線を画さなければなりませんし、資格を有した専門の指導員が適切に配置されなければなりません。児童ホームの子どもたちは学校からホームの部屋に入る時、「ただいま」と言い、指導員の先生も「おかえり」と言ってまるで我が家のように子どもたちを迎えています。まさに放課後のひとときの家、児童ホームは子どもたちにとって生活の場となっており大切な居場所なのです。
子どもクラブとごちゃ混ぜにして一体化させることは、保育の連続性と専門性を無視することになってしまいます。両者の厳密な線引きと棲み分けを徹底すべきです。中途半端な実施は混乱をもたらすのではないでしょうか、指摘しておきます。その他にも、新制度の元で、児童ホームの課題は山積しています。いっぺんに解決することはできないと思います。
質問⑪お尋ねします。待機児童の数はどのようになっていますか、来年度から6年までの受け入れが可能となっていますが、対応できているのでしょうか?今後の取り組みについてお答ください。
質問⑫お尋ねします。延長保育は現状18時までとなっていますが、保護者のお迎えが必要ということで、利用率はそんなに高くないと聞いています。保護者からは保育所と同様に19時まで延長してほしいとの強い要望が出されています。市の考えをお聞きします。
 新制度のもとで児童ホームは新しく生まれ変わろうとしています。1施設あたりの定員は60人から40人に改め、余裕を持った保育が実践できるようにしていく。また、尼崎ではこれまで公設・公営で行ってきましたが、新年度より民間事業者の参入を認め、認定業務も加わるなどの新たな課題も増えてきています。これまでの制度をさらにより良いものとして発展させ、本当にこの尼崎で児童ホームがあって良かったとされる、制度に創り上げていくことを要望して、児童ホームに関する質問を終わります。
保育所民間移管について
公立保育所の民間移管が、昨年4月に浜、立花、大島の三箇所が実施され、市が行った9月に在所している保護者にアンケートが実施されています。そのアンケート結果が、健康福祉員会の協議会で報告されています。私はこのアンケート結果、その内容に基づいて、民間移管の問題点を質してまいりたいと思います。私が民間移管の問題を議会で取り上げるのはこれで3回目となります。「またか、」「民間移管の問題はもうすでに決着済み、」「また民間園の悪口か」と、とらえられるかもしれません。しかし、私は、「保育所は公立、民間どちらがいい」とか言っているわけでは決してありません。公立保育所、法人保育園どちらにも長所・短所があり、全体として尼崎の保育水準を引き上げていきたいとの思いで、この問題を取り上げているという点にご理解をお願いします。以下、アンケートの内容にふれて、とかく見落としがちになるマイナスの意見に着目して、当局
の見解をお伺いします。またその視点は、市が保育所の保護者に民間移管を説明する冊子『公立保育所民間移管Q&A』に掲載している、内容に基づいて行っていきたいと思います。『公立保育所民間移管Q&A』の設問に「公立保育所が民間移管されると何が変わるのですか?保育内容は変わるのですか?」という問いがあります。その答えとして当局が説明しているのは、「私立保育園も公立保育所も国が定める基準を満たす認可保育所であり、保育所保育指針に基づいて保育をしているため、保育の内容は基本的に変わりません。移管にあたっては、原則、公立保育所の内容を引き継ぐことを移管の条件としています。」とあります。この点からアンケートをみていきます。
まずはアンケートの設問に対する選択肢の設定に関する問題です。保育内容などについて尋ねている項目で、設問6「散歩や園庭での遊びの機会についてどう感じているか」、設問7「保育士の雰囲気や保育士の対応についてどのように感じているか」そして設問8では「送迎時の対話や連絡帳などで、お子さんの日々の様子を知ることについて」尋ねている設問があります。その答えの、選択肢はいずれも、「満足している」「おおむね満足」「やや不満」「不満」「その他」となっています。私はこの選択肢では不備ではないかと思っています。「ふつう」とか「どちらでもない」という選択肢があれば、ここがもっとも多数になると思います。親はよほどのことがない限り、自分の子が通う保育所を不満とは思いたくない。不満なところに通わせている自分を自覚するのも苦痛だという親の気持ちを逆手にとって「おおむね満足」という結果を導きだしてしまう、これはちょっと恣意的だなと感じてしまうのは私だけでしょうか。それぞれの設問について、その理由を記述してもらっていますが、イ)「おおむね満足」とする理由の記述では、本来ほぼ満足だとする記述が出てくるのが自然だと思いますが、実際には不満な点の記述ばかりが出てきています。
質問⑬お尋ねします。アンケートの設問については過去との整合性、比較・対象ができないなどの制約上、できないと考えるかもしれませんが、答えを誘導するかのような選択肢の項目設定など見直して、現状を率直に反映できるアンケートに変更すべきと考えますが、ご意見をお伺いします。
その他にも指摘しておきたい点は多々あります。設問の仕方、答えの選択肢など見直しする必要があると思います。アンケートでは生活面・保育内容に関することで、ア)ふとんを持ち帰らなくなった、イ)お昼寝がはやくなくなった、ウ)敬老の日にハガキを祖父母に送ってくれた→公立では様々な困難をかかえた家庭も多く、祖父母がいない家庭も多いから、敬老の日や父の日、母の日にあえて何も行わないという人権的な配慮にてやっていな買ったのではないでしょうか。これも公立の保育を引き継ぐということから乖離している事柄ではないでしょうか。
質問⑭お尋ねします。公立で行っていたことができていない点や、また配慮してあえて公立が行っていなかったこと等が表れてきている点について、どのような指導をしているのでしょうか?

アンケートからは、民間移管後、早期教育的なことが増えている様子がうかがえます。「習い事」のせいで外遊びが減っているという記述もあります。習い事的なことなどは、公立の保育を継承するものではないのではありませんか。公立の保育の良さは、早期教育よりも、遊びと生活の中で子どもたちの力を伸ばしていくことで、それは尼崎の保育のねらいの根幹を担う部分ではなかったでしょうか。
質問⑮お尋ねします。保育所における早期教育の実施は親のニーズもあって必要性について議論の分かれる所です。しかし移管の初年度からこうしたものが実施されていいのでしょうか。まずは公立の保育を引き継ぐことに専念すべきではないでしょうか。お答えください。
子ども子育て審議会でも、就学前教育の在り方検討会の答申には、ニーズ調査のなかでは親の要望は「読み書き算数」つまり知的な力を重視してほしいという要望が強かったとありました。しかしそれに対しては答申の中でも、就学前の教育・保育で重視するものとして5つの項目をあげています。愛着の形成、情緒の安定、基本的な生活習慣の確立、様々な体験・経験の蓄積、いろいろな人と関わる力の獲得の5項目です。そして「遊びは」これらの項目を子どもたちが身につけていく上で重要な要素としています。公立は基本的な考えとしてこれらの考えを実践していたのではないでしょうか。こうした公立の保育が改められ、早期教育が即実践されたことは、保護者との十分な話し合いがなされたとは思われませんし、時期尚早だったのではないかと指摘しておきます。アンケートでは、ケガが多いという記述が目立ちます。それもケガの経過がわからない、原因不明のけがが多い、報告のないケガが多いという記述も1つや2つではありません。
質問⑯お尋ねします。子どもの安全を守るということは、何よりも第一義的に重要視されなければならない保育の現場にあって、ケガが移管によって多くなっている、つまり安全面がないがしろにされているのではないだろうか。どうしてケガが多いのか、法人は分析、調査、改善をしているのですか。
アンケートで、「引き継ぎ共同保育については、1月~3月では、子どもたちの性格接し方など、まったくひきつげていなかったが、その後の公立の先生のフォローがあったことに感謝する」そのような記述がありました。さらに、「引き継ぎは3か月だが、(引き継ぎ先の先生が)毎日というわけではないので、どれだけ把握できたかが気になる」という記述もありました。おそらく子どもたちの状況をどれだけ把握できていたのかという意味だと思います。
質問⑰お尋ねします。やはり引き継ぎ共同保育は丁寧さが求められると思います。今回、引き継ぎ共同保育の期間は、2カ所の保育所は保護者の要望で、2カ月から3カ月に延長されましたが、さしたる効果が得られていないのではないでしょうか、この期間は1年間設けるべきで、全ての公立の行事を移管先の法人が体験することが大切ですし、子どもや保護者との人間関係をつくっていくうえでも必要なことだと考えます。市の考えをお聞かせください。
アンケートの中には、フォロー保育に来ていた公立の先生が声かけや手をくだして、子どもたちを導いてくれたと想起させる、またそのことを評価する記述がありました。しかし本来のフォロー保育は、4月1日からは責任の主体は引き継ぎ先の法人保育園にあるわけですから、公立の見守り保育の先生方は手を下してはならないとルール化されていたのではありませんか。でも実際の現場では子どものために手を出さざるを得ない状況が多々あったということです。引き継ぎ先の先生が引き継ぎ共同保育の期間の最後の月の最終朱週にしか、こられていなかったという記述もあります。どうしてこれでまともな引き継ぎができるのでしょうか。疑問はつきません、引き継ぎ共同保育の期間を延長することを強く要望します。ある園では受託法人の選考委員会にかかわった保護者が2名とも、移管後、この園では安心して預けられないとして泣く泣く退園したという事態がおこっています。移管後の混乱で管理職の先生がうつ状態に陥って仕事を続けられなくなったという悲劇も起きています。卒園までここにいようと思って入園させたのに退園を余儀なくされた親子も、うつになってしまった先生もどちらも民間移管の犠牲者です。移管がある意味強引、拙速に進められたから、このような状況が引き起こされたのではないでしょうか。
質問⑱お尋ねします。民間移管計画の見直しについて市長の意見をお聞かせください?
私はこれらのアンケートの結果を見るかぎり、民間移管がスムーズに移行できているとはとても思えません。第三者委員会などを立ち上げて、第三者の目で検証すべきだと考えます。是正すべき点は正していかなければならないと思います。公立保育所はスタンダードという考えがあります。公立が施設基準、職員の配置基準が整った一定の水準を保つことで、全体の基準となる。また伝染病等緊急避難的な対応力についても保健所など公的な組織と連携しているといった有利性を備え、市内一律の対応ができるという特長を有しています。行革や効率化の名の元に、安易に公立を減らすべきではないと申し上げているのです。しかも市が進める民間移管計画の推進によって、多くの物言えぬ子どもたち、保護者が犠牲になっている、苦しんでいるということに行政が思いをはせてほしいのです。一時的な問題と片付けてもらってはいけないのではないでしょうか。計画の見直しを行うことが必要ではないでしょうか?子育て支援策は、これからの尼崎市の未来をみすえた根幹の事業として位置づけられなければなりません。現在市がすすめている民間移管は、市民の共有財産である公立保育所の土地と建物を無償で貸与・譲渡するものです、一度失ったものは戻ってきません。また民間移管は、多くの公民双方の保育士、保護者、何よりも子どもたちには、辛く苦い思いを沈殿化させていきます。そして、後世にそしられる結果をもたらしかねません。今、子育て世代を積極的に応援していく公的保育制度のあり方が、尼崎市に問われていることを指摘して、日本共産党会派の総括質疑を終わります。ここで指摘した問題、要望等については積極的に施策に反映させていただきたいと思います。また予算と議案にたいする意見については改めて意見表明で述べさせていただきます。ありがとうございました。

予算特別委員会総括質疑の松沢ちづる議員の質問です

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 阪神淡路大震災から20年がたちました。あの時、住宅が全壊しても、国は「個人の私有財産だから」と言って、再建に対する保障制度をつくりませんでした。そのため、尼崎でも4002人が災害援護資金貸付を利用して、被災後の生活再建の糧としました。災害援護資金は、国が4分の3・県が4分の1負担して市に無利子で貸付ける制度です。2005年から償還が始まり、2934人は返済が終わりましたが、なお863人・貸付金額で9億8千万円が未償還になっています。2017年度が償還期限とされていますが、未償還分は市が国や県に支払わなければなりません。そのため、市は市民には償還指導の強化、国や県には免除基準の拡大と償還期限の延長について働きかけていくとしています。日本共産党はこれまで、国会で繰り返しこの問題を取り上げ、生活保護を受けている世帯やそれに準ずる世帯、連帯保証人の返済免除を求めてきました。そこで、質問します。

質問①市は、国・県への働きかけで、神戸市や西宮市と歩調を合わせていますか。神戸市は、少額返済をしている人や連帯保証人も免除要件にすべきだと求めるようですが、尼崎市はどのような対応を求めていますか。

 未償還の863人の内訳をみると、月1000円など少額返済している人が743人、自己破産して返済不能と思われる人が64人、行方不明で徴収困難な人が65人となっています。863人の方はいずれも生活状況は厳しく、更なる償還指導の強化は、被災者に新たな困難を持ち込むことになります。そもそも、阪神淡路大震災の時国に被災者生活再建支援制度があれば、こんな借金を背負わずに済んだ人が多かったのではないでしょうか。質問します。

質問②現在少額返済している方の中には、生活保護を受けている方も実際います。最低生活費から返済させること自体、矛盾するのではないですか。

質問③市は、返済免除の拡充を国と県に精力的に求めるべきだと思いますが、いかがですか。

 日本共産党は20年前から被災者のみなさんとごいっしょに生活再建支援制度をつくれと国に要望し続け、2004年念願の被災者生活再建支援制度ができました。さらに、2007年には、住宅全壊の場合300万円まで補償する制度の拡充が実現しました。阪神淡路の被災者の運動が、支援制度を充実させてきたんです。国は昨年、東日本大震災の被災者には、返済免除の要件について、死亡または重度障害に加えて返済期限10年を経過した時点で「無資力」で返済できる見込みのない場合は、災害援護資金の返済を免除する規定を設けました。しかし、あくまで特例で、阪神淡路大震災の被災者には適用されません。市は、東日本大震災の被災者への返済免除の拡充と同じ要件を、阪神淡路大震災の被災者にも適用するよう、国に強く求めることを要望します。がんばってください。国保料収納率アップについて市は、新年度予算で国民健康保険料の収納率を88%から90%に上げるとしています。そのために2月の補正予算では2名の職員を新たに増やしました。   これまでは高額滞納世帯を中心に、預金調査を行い、窓口で市民と交渉して、できるだけ自主納付するように指導し、応じなければ資格証を交付するというやり方でした。質問します。

質問④収納率を新年度2%アップすることを目標にしていますが、そのために、具体的にはどうしようとするのですか。

 わが会派の代表質疑で「窓口で強引な対応がされているのではないか」と質しましたが、当局は「窓口で強引な対応はしていない。一人ひとりに丁寧な対応をしている」と答弁されています。しかし、昨年相談を受けた市民からは痛烈な批判の声を聞いています。こんな内容で「精神疾患と慢性疾患があり、なかなか就労が続かず生活が苦しい。国保証がなかったら必要な薬ももらえないので、何とか借金してでも国保料を払ってきた。窓口で分納手続きはしてもらったが、とにかく払え払えと言うばかりで、医療費の窓口負担3割も苦しいのにその解決策は、働いている妻と離婚すれば生活保護が受けられるということだけだった。妻とは支え合って暮らしており離婚なんて毛頭考えていない。5年以上ずっとこんなやりとりを国保窓口でしている。しんどい。」と話されます。この方は糖尿病もあり薬代だけでも毎回の受診で5千円以上かかるとおっしゃるので、院内処方している医療機関で、無料低額診療をやっているところを情報提供すると「国保窓口で1度もそんな制度があることを教えてもらわなかった。知っていたら5年前借金することもなかったのに」と、窓口対応の非情さに怒りが爆発しました。昨年12月のことです。

質問⑤市民協働局長に伺います。このケースについては局長にも対応していただき、職員指導をしっかりやってくと語っておられました。その後、どのような対策を講じられましたか。

 国保の安定化のためには、病気の早期発見早期治療、保健指導の充実で病気にならない・重症化させない、国保の収納率を上げることが重要です。当局もそのために努力されていると思いますが、市民一人ひとりに丁寧に対応してこそ収納率も上がるものです。市民から信頼される窓口対応をお願いします。次に、国保料が1年以上滞納になり資格証交付となっている市民の状況を見てみます。当局からいただいた資料によれば、2015年1月現在で759世帯が資格証交付となっておりこの方々はお医者さんにかかると全額負担です。所得に対する保険料の割合が10~20%未満で315世帯、20~30%未満で70世帯となり全体の41.2%を占めます。世帯主の年齢では、30歳代で136人、40歳代で274人、50歳代で183人となり、全体の78.1%を占めています。

質問⑥お伺います。給与年収400万円、15歳未満の子どもが2人いる40歳代の夫婦の場合、国保料はいくらになりますか。

 この場合所得が228万円くらいになりますから〇〇%の負担です。1ヵ月単位でみると、24万円ほどの月給で国保料に○○円支払うこととなります。先ほどデーターで紹介したように、働き盛りの世帯に資格証交付が多いのは、子育て真っ最中で日々の暮らしに精いっぱい、とりあえず高い国保料は後回ししている様子が伺えます。がんばったら払える国保料に引き下げることが求められます。

質問⑦稲村市長になって国保料の軽減策として所得の2割を超える分は市独自で25%減免をされています。金額にしてだいたい毎年2億3千万円ほどが一般会計から繰り入れになっています。また、白井前市長の時国保料全体の引き下げのために4億円の繰り入れが行われ、稲村市長はそれも踏襲されています。それでもなお高すぎて払えない市民が多くいて、市としては収納率を上げることが大きな課題となっています。なぜそうなるのか、原因はどこにあると考えておられますか。

 国保に加入しているのは、自営業者・失業者・無職・学生・本来なら健康保険組合や協会けんぽなどに加入すべき非正規雇用やパートの労働者など所得の低い層です。年齢も高齢者が多く占めており、医療費は高くなるばかりという宿命をもっています。国民健康保険法には第1条で社会保障制度のひとつであると規定され、第4条で国に国保事業の運営が健全に行われるための責任があることが明記されています。国保制度を安定化するためには国費の投入が不可欠です。しかし、1984年退職者医療制度が実施され、退職者が従前加入していた健保組合に国保財政の一部を負担させることとなり、国庫負担の割合はその分減らすとされました。1984年までは尼崎市の国保会計の総収入に占める国庫支出金の割合は54%ほどあったものが、年々減らされ続け、2014年では24.6%半分以下になっています。これが市でがんばって一般会計からの繰り入れをしても保険料がなかなか引き下げられない一番の理由です。国は2018年国保を広域化する方針です。そして国保の財政基盤を安定化するために、これまで地方自治体が独自に一般会計から繰り入れをしてきた分に相当する3400億円を新たに国から投入するとしています。しかしこれだけでは今までといっしょ、少しも改善はしません。そこで質問です。

質問⑧広域化になっても、6億円は、今後も国保料引き下げの為に継続して繰り入れすべきではないですか。また、国に対して国庫負担を1984年以前に戻せと要請すべきではないですか。市長の見解を求めます。

 2009年6月議会でわが会派の質問に対して、当時の担当局長が「医療費の増加、一昨年来の社会経済の低迷など、国民健康保険をとりまく環境が厳しさを増していることから、今後、制度の健全化のための国庫負担割合の引き上げについて要望していく」と答弁しておられます。ぜひ、続けて国への要請を行ってください。

質問⑨新規事業であり、相談支援事業では何を重点的に取り組もうとしていますか。

 様々な困難を抱えた市民を対象に行う事業です。前提として生活保護適用か否かをしっかり見極めたうえで、市民によりそった対応が求めてられます。昨年9月議会の一般質問でわが会派の松村議員が、生活保護世帯のうち稼働年齢世代の方々に行っている就労支援について質問しています。当局の答弁では、支援の内容として、就労支援促進相談員を配置し、ボランテイア活動や職業体験を通じた就労前の意欲喚起、履歴書作成や面接指導、ハローワークへの同行訪問、求人や能力開発に係る情報提供、しごと課を通じて各種セミナーへの参加や無料職業紹介の促進を行い、その結果就労支援を行った285人の57%にあたる105人が就職したとのことでした。フルタイム勤務は19%、大部分がパート就労で、月収5万円未満が46%、就職して生活保護から自立できたのは12人でした。そこで質問します。

問⑩健康福祉局長は、これまでの生活保護で行ってきた就労支援で、就職に結びつくまでに長期の時間を必要とする方が多いといった印象を持っていると答弁されています。生活困窮者等就労準備支援事業も一人ひとりによりそって、長期の関わりが必要と思われますが、その認識はありますか。

質問⑪生活保護に該当せず生活困窮者就労準備支援事業の対象になった方が、なかなか就職できず、その間に所持金がなくなって生活保護の適用となる場合も出てくると思われます。そのあたりのチェックはしっかりとできる体制が用意されていますか。

 代表質疑でも強調しましたが、生活困窮者支援制度が生活保護の適用を押さえる水際作戦となってはいけません。しっかりと区別し対応されるよう求めます。

次に、介護保険の問題に移ります。特養の待機者は2194人、そのうち在宅で入所の必要性が高い人が246人と代表質疑で答弁されています。

質問⑫市は入所の必要性が高い246人について、どのような判断基準で絞り込んでいらっしゃるのでしょうか。

 多くの要介護者とその家族が特養入所を待っています。新年度80床の新規特養と29床の小規模特養がオープンすると思いますが、それでもニーズに追いつきません。国は、特養の代替施設としてサービス付高齢者向け住宅の利用を促進しています。尼崎市も第6期介護保険事業計画の中間まとめで、基準を満たすものは計画値に入れていれています。

問⑬現在市内にはサービス付高齢者向け住宅がいくつあり、尼崎市民が何人入居されていますか。

サービス付高齢者向け住宅はざっと調べたところ、月12・13万円~28万円、頭金が0円から数千万円とバラバラです。自立から要介護5まで入居できるところがほとんどです。特養の原則要介護3以上でないとダメという縛りがない分、利用しやすい利点はあります。しかし、介護の質については利用料の額によって大きな差があると思われます。また、利用料の大半を占める部屋代と食事代については補足給付の制度が使えません。

質問⑭低所得の高齢者が多い尼崎市では、特養の充足が最優先だと思いますが、いかがでしょうか。

次に、介護労働者の置かれている状況について話を進めます。日本医療労働組合連合会が2月23日「2014年介護施設夜勤実態調査」の結果を発表しました。それによれば、夜勤形態は9割近くが2交代制で、そのうち7割は16時間以上の連続勤務です。小規模多機能施設やグループホームでは、そもそも1人夜勤体制が制度的に認められています。夜勤回数に法的規制はありません。看護師確保法の指針では「複数体制で2交代なら月4回」を提唱しています。介護現場ではどうでしょう。3割以上の職員が月4回以上の夜勤、グループホームでは月10回以上という回答もありました。比較的非正規職員の割合が少ない特養や老健施設でも、夜勤は1割程度非正規職員に頼っています。小規模多機能施設やグループホームでは非正規職員の夜勤が4・5割となっています。勤務シフトは早出・日勤・遅出・夜勤などが入りまじり、勤務間隔や出退時間が不規則です。そのうえ、賃金は一般労働者の7割程度と言われています。調査結果をみれば、介護労働者の置かれている非常に厳しい状況がわかります。そのうえ介護報酬平均2.27%の引き下げで5割の特養は赤字になると、全国老人福祉施設協議会は発表しています。介護報酬の引き下げは、更に利用者や労働者にしわ寄せがいく危険性が明らかだと思います。

質問⑮要介護高齢者の安全確保、介護労働者の労働環境・処遇の改善は、市民の安全や命を守ることを第一義としている地方自治体の責務だと思いますがいかがですか。

質問⑯また、その責任において、国に介護報酬の引き下げをやめよ、介護保険と別枠で実効ある介護労働者の処遇改善を行えと要請すべきではないでしょうか。市長の見解をお聞かせください。

新年度は介護保険制度が大きく変わる年です。ぜひ、介護現場の現状を市としても把握する努力を惜しまないでください。次に2017年から始める総合事業についてお聞きします。新年度予算には事業所へのアンケート調査と生活支援コーディネーターを6名配置するものが入っています。

質問⑰要支援認定者へのサービスの受け皿について、市の基本的な考えと具体策をまずお示し下さい。

国が介護保険から要支援者のヘルパーとデイサービスを外すのは、上り続ける介護予防給付費を押さえる目的があります。しかしこれは、国が決定した後でも介護の専門家や団体から、要支援者の状態を却って重度化させてしまうと警鐘が鳴らされています。そこで質問します。

質問⑱要支援状態を維持し重度化させないためには、生活支援サービスを介護事業所の専門職に実施してもらうことが一番だと思いますが、いかがですか。

国は生活支援サービスの単価を下げるように指示していますが、単価を決めるのは市です。資格を持った介護職が提供する生活支援サービスの単価は、現行の予防介護と同等か、よりその水準に近づける努力をお願いしたいです。そうすれば介護事業所は安心して今まで通りサービス提供ができます。それが要支援の人を重度化させない道です。

質問⑲高齢者が寄り合える場の確保・日常的な簡単なお世話や見守りはどうですか。

また、国は介護の専門職が対応しなくてもボランテイアやNPOでできるサービスがあるだろうと言います。いわゆる「多様なサービス」というものです。確かにあります。今でも、シルバー人材センターやボランテイアなどがワンコインサービスで庭の手入れや電球の取り換え、ゴミ出しなどのサービスをおこなっています。地域の福祉会館や地域学習館、いこいの家などを利用してお食事会をしたり気軽に集まれる場をつくっています。こうした取り組みは、独り暮らしや引きこもりがちな高齢者の日常生活を豊かにしています。しかしこの取り組みはあくまで補助的な物、ひとりひとりの要支援の方に必要な介護の専門職によるサービスを提供したうえで、区別し、併用して利用できるようにすべきです。繰り返しになりますが、市には、生活支援サービスの提供者を類型化し、それぞれのサービスの単価を決めることができます。介護の質を低下させないために、現行の事業者に「多様なサービス」を持ち込ませず、「多様なサービス」を担うのはNPOやボランテイアだと明確に線を引くガイドラインをつくるべきです。生活支援コーディネーターは、「多様なサービス」を発掘、育成し、繋ぐ部分で大いに活動していただきたいと思います。これで、私の質疑は終わります。

予算特別委員会総括質疑での真崎一子議員の質問です

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 日本共産党議員団の真崎一子です。日本共産党議員団を代表して、松沢ちづる議員、川崎としみ議員、真崎一子が総括質疑を行います。東日本大震災と福島原発事故から4年が経過しました。あらためて犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者の皆さんにお見舞い申し上げます。昨年4月の消費税8%への増税とアベノミクスによる円安と物価上昇が市民のくらしを直撃しています。昨年1年間の国内総生産(GDP)でみて、家計消費は過去20年間で最大の落ち込みとなっています。いま人口減少論が盛んに議論されています。そして政府は地方創生を叫び、補正予算を組んできました。若い人の安定した雇用が確保できないなどで、結婚しない人が増え、結婚してもゆとりのある生活ができない中で、人口が減り続ける原因ともなっています。そのために安定した雇用と地域経済を活性化し、くらし、福祉、教育を中心に子育てしやすい環境をつくっていくことが求められています。そういう立場から順次質問を行っていきます。

まずはじめに「尼っこ健診について」です。

 尼っこ健診の受診率は、2010年~2015年の推移を見ると、飛びぬけて高いとは言えませんが徐々に受診率を延ばして行っています。必要な事業であると認知されてきていると高く評価しています。ちなみにうちの小学5年生の孫も、尼っこ健診を受けました。結果は良好だったのですが、その子が言いました。「一緒に受けた友達が、黄色マーク(データが異常値)だった。その子は痩せているしスポーツもしているのに、何で黄色マークやったんやろ。私の周りにそんな子がたくさんいたよ」と大変ショックを受けていました。中学生の受診率が20%というのは、残念です。もっと自らの健康への関心が高くてもいいのではと思いますが、ヘルスアップ事業の地道な努力によって、業績を伸ばして行っていることは大変意義があると思います。私が初めて尼っこ健診の結果を見てショックを受け、2012年に一般質問で取り上げました。それから経年毎にデータを見てきました。年々子どもの生活習慣病予備軍が多くなっていること心が痛みます。小学5年生(11歳)では、昨年までは、中性脂肪・糖尿病予備軍・尿酸が高値を推移いましたが、今年度は糖尿病予備軍が初めて20%を超し第1位になりました。中学2年生(14歳)の健診では、高血圧、糖尿病予備軍、尿酸、中性脂肪と年々少しづつ上昇傾向にありましたが、今年度は糖尿病予備軍25%となっており、長年習慣化された甘いジュースやお菓子類、高カロリーな食事の影響が心配です。糖尿病予備軍の子どもが年々増加しているのが、小中学生共通の傾向です。糖尿病は痩せている子でも、若年性糖尿病の危険性が高く、将来糖尿病の合併症(例えば腎不全、心疾患、脳血管障害等)の発生が大変高くなるのではないかと心配します。

質問:この尼っ子健診の結果を受けて、子どもの成長に基本となる、食生活を含めた生活習慣の見直し、子どもが置かれている住環境、社会的な問題など、教育委員会だけでなく、地域保健や青少年の育成の立場からも対策を考えていかなければならないと思っています。市長の見解をお聞かせください。

 予防の視点で生活習慣病にさせないためにも、保護者も含めた対策を強化することを要望します。尼っこ健診事業は、全国に先駆けて子どもの生活習慣病への取り組みとして行ってきました。他都市はまだ実施しておらず、他都市との比較はできませんが、未来の尼崎市を担う子どもが、健康な大人へと成長できるように、市として何ができるかを考えていかなくてはなりません。また重要なのが、例えば肥満と高血圧、中性脂肪等、一人で2種3種と重複してデータが高い子どもが、10年後20年後の社会人になった時に、心筋梗塞や脳血管障害などの重篤な合併症を起こしやすいと言われています。

質問:重篤な生活習慣病の恐れのある子どもには、ヘルスアップ事業がおこなっているような、医療機関を受診し栄養士による栄養指導、定期的な血液検査などのフォローアップの体制づくりが必要であると考えます。例えば「子どもヘルスアップ事業」など行ったらどうでしょうか?

 子どもは、病院の医師や、栄養士、看護師や保健師との出会いや関係、知識や経験によって食生活の見直しができるようになります。でも一度正常値を超えた、糖尿病や中性脂肪が改善するまでには時間がかかります。良くなっても元の生活に戻ったら悪くなります。健康な食生活が習慣化するまで、長期的な粘り強い栄養指導が必要です。治療が継続して行えるように外来も子どもの医療費の無料化も合わせて考慮していただきたいと思います。現在、子どもの入院について所得制限はありますが、県の制度に上乗せをして尼崎市は、中学3年生まで無料です。しかし通院は、小学4年生~中3までは2割負担のままです。

質問:子ども医療は県の制度です。兵庫県の自治体が等しく医療費の無料化ができるよう、住む場所によって格差が生じないように制度の拡充を強く働きかけていただきたい。また県の制度ができるまでは、市独自での施策として、西宮市と同じように、外来も医療費の中学卒業までの無料化を進めてほしいと思いますがいかがですか?

 子どもの医療費を通院も入院も中学卒業まで無料は、兵庫県では24市町がすでに実施しています。来年度から芦屋市、姫路市、神戸市が実施に踏み切ります。子育て支援に積極的な自治体が広がっています。「子育て支援」を掲げている尼崎市も、通院医療費の無料化を強く望みます。

次は食育について質問していきます。

 2005年、国の食育基本法が成立しそれを受けて、尼崎市は「尼崎市食育推進計画」を2010年から14年までの5年間の取り組みを評価し、改善を加え、引き続き食育に関する施策を計画的に推進するために「第2次尼崎市食育推進計画案」を策定しました。食育基本法で食育とは、「生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの」と位置付け、「様々な経験を通じて『食』に関する知識と『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進する」とうたっています。昨年に食育に関する意識調査を、成人2000人、幼児保護者603人、小、中、高校生各500人を対象に「食育に関するアンケート調査」(以下アンケートと言います)を行い、その結果を検証しています。

質問:市長は「食育に関するアンケート調査」の結果をご覧になられて、尼崎市の子どもの実態をどのように思われましたか?

 私もそのように思います。また子どもの食習慣の乱れは、そのまま社会のあり方が問われているのではと感じています。そのアンケートの主な項目を紹介します。朝食の欠食率が、全国的には小学生1.5%、中学生2.8%であるのに対して、尼崎市の小学生は3.2%、中学生は7.2%です。全国と比較すると尼崎市の子どもは、2倍以上圧倒的に朝食の欠食率が高くなっています。16歳から43歳まで27年間追跡調査を北スゥエーデンで行った「コホート研究」では、朝食を欠食する、飲み物だけ、あるいは甘い食品だけの子どもは、そうでない子と比べ、27年後にはメタボリックシンドロームを発症するリスクは68%上昇するとの研究が発表されました。メタボの中には内臓脂肪の蓄積、高血圧、高血糖といった要因が重なると、将来的には糖尿病など生活習慣病を発症しやすくなります。また、朝食を抜くと昼まで空腹になり、低血糖状態、低酸素状態になり脳と体が目覚めません。頭の働きが悪くなります。小中学校時に食習慣の是正をしなくては、高校・大学・社会人になった時、もっと食習慣が乱れることは、アンケート結果でもはっきりしています。朝食を食べなければならないという概念がなくなります。

質問:本来食習慣は家庭に負うところが大きいのですが、残念ながらそれが出来ていない現状では、しっかりと公共が食育を啓発する必要があると思いますが、いかがですか。

 野菜を食べている割合はどうでしょうか。小学生では1日1回またはほとんど食べていない子どもは15.6%です。小学生は給食があるので1日1回は野菜を食べる機会があります。15.6%の子どもが給食以外はちゃんとした食事が出来ていないのではと思われます。中学生は野菜を「週に2・3回」または「ほとんど食べない」子どもが57%、高校生は71%です。子どもの野菜不足が「生活習慣病予備軍」を増やす結果となっています。野菜は1日350g必要と言われています。この数字は国民栄養調査のデータをもとに、野菜をどれだけ食べれば、カルシウム、カリウム、ビタミンC、食物繊維等の栄養素が十分に確保できるか解析を行った結果、350gという数字が出されたものです。野菜や果物をしっかりとることでビタミン・ミネラル・食物繊維・抗酸化物質が摂取でき、これらはがんや生活習慣病の予防に役立ちます。また緑黄色野菜は骨粗鬆症予防のための大切なカルシウム源になります。また、野菜を1日350g以上摂取する頻度と年間世帯収入割合を調べたアンケート結果では、世帯年収が多い世帯ほど、毎日食べているという結果が出ていました。小児科のドクターから聞いたことがあります。「生活が安定している家庭ほど、食事がヘルシー。だから肥満が少ない」と言っておられたのを思い出します。

質問:子どもの野菜不足や食習慣の乱れは、貧困や経済の問題、親の忙しさ・働き方にも大きく関わっていると考えます。市長の見解はいかがですか?

私は文教委員なので、子どもが犯した犯罪の報告をよくお聞きます。尼崎でも全国的にも、その数の多さに驚きます。そんなときいつも思うのが、事件を犯した子も、また事件の被害にあった子も家庭に居場所があったのだろうか?家に居場所がなく寂しくて、外に居場所を求める。親は生活や仕事に追われ、子どもへの関心が薄れがちになる。関心があっても声掛けをすることを煩わしく思う等のすれ違いが、子どもの居場所をなくさせていくのではと感じることがあります。せめて食事の短い時間でもお互いを見つめ合うことが、必要なんだろうなと思います。食育がおろそかされる、そうせざるを得ない家庭の事情、夜になっても親が不在、仕事や生活に追われる貧困問題も決して否定できません。小学校の先生が、「学校が長期の休みに入ると、十分に食事ができなくなる子どもがいる。休み明けに体重減少など、体調を崩して登校してくる姿を見るのが本当に悲しい」と言います。さて野菜の好き嫌いと孤食の関係もあります。以前に食育の講演で、栄養士さんが言われていました。「幼児は甘さや塩味等のうまみは美味しいと感じることが出来る。野菜の酸味や苦みは嫌います。でもお母さんやお父さんが野菜を美味しそうに食べている顔を見て、美味しものなんだと認識することができます。家族と一緒に食事することで好き嫌いはなくなります」と言われていました。子どもの頃の孤食は、健康面でも情緒面でもけっして良くありません。

質問:食育は幼児期のかかわり、親と子どもが顔を見ながら楽しく食を共にする。好き嫌いをなくす、孤食はさせない等の取り組みが必要です。保護者や子どもに、検診時や保育園、幼稚園での食育指導はどのようにされていますか。

食育推進計画が策定されて5年、今述べられた事業を展開してこられました。しかしその成果をどのような形で見て行ったらいいのでしょうか。

質問:野菜を豊富に使った超簡単レシピを配布する。「野菜を食べようキャンペーン」等、コンビニやスーパーなど若いおかあさんたちに目につきやすいところにポスターの張り出し等の啓発が必要だと思いますが、いかがでしょうか?

朝食を一人で食べる子どもが、幼児5% 小学生25% 中学生50% 高校生63.%と年齢が上がるごとに増加しています。一人で食事をしている子どもは、「食事の楽しさがわからない」「楽しくない」と答えている割合が高いことがわかりました。東京女子医科大学の名誉教授、村田光範(みつのり)先生は、「子どもが生まれて大人になっていくまで、どんな食事の仕方をしたらいいのか、子どもに対する食育の第一点は、食事は楽しいものだということを良く教えることです。その次は、食事のリズムを持つことです。空腹感を覚え、楽しい食事や非常に暖かい環境の中で、温かい食事を提供されることで、空腹感が満たされる。ということが非常に大事にされなければならない。」と食育のついて語っておられます。アンケートでは、朝ごはんは「忙しくて一緒に食べる時間がない」「お父さんは早くに出勤、子どもは部活で食べる時間はバラバラ」など、朝食を一緒に食べるのは難しいとの市民の声もありました。尼崎でも食事をきちんととっている家庭とそうでない家庭の格差が大きくなっているような気がします。尼崎市の子どもの食育、健康状況を見ますと、やはり栄養バランスのとれた中学校の給食実施が急がれます。

市長に確認。昨年の9月議会で前迫議員の答弁に市長は「そもそも給食は当然早くやろうと思ったらデリバリー方式、全てお弁当方式ということになりますけれども、これはお隣の大阪でもさまざまな意見が出ているようでございますし、小学校の給食をかなり今改善しておりますので、それと比べて本当にデリバリーでいいのかということは、少し検討しないといけないのかなというふうにも思っております。」 とお答えになっています。デリバリーはしたくないという市長の意思ととらえていいのですね。

市長に質問:来年度は「給食の検討委員会を立ち上げる」ところまでは進む予定です。なぜ来年度の予算は「検討委員会1回開催する」の予算なのでしょうか。市長は「物事を進めるには専用の職員を置かなければ、なかなか進まない」と言っておられました。職員を付けて給食を遅くても市長の任期中に実施の見通しをつけ、着手する決断をしてください。いかがですか?

確かに財政面では大変です、しかしやると決めたら遅かれ早かれしなくてはなりません。どうせやるのであれば稲村市長が2期目になったこの時期に着手してほしい。子どもたちの成長は待ってくれません。お昼にパンで済ませる子、子ども、野菜が苦手な子ども、家庭で十分な食事ができない子、一人寂しく食事をすることになれてしまっている子においしくて温かい給食を、お友達と笑顔で食べる「食事って楽しいのもなんだ」という生きた食育をと切に要望します。

少人数学級について

2011年に年ぶりに編成基準が改善され、小学1年生の35人学級が実現しました。2年生は法制化されず、毎年の予算措置で行われています。40人学級と35人学級とは学級編成が大きく違ってきます。例えば、1学年の子どもが110人の場合、40人編成では1クラスの人数が37人程度3クラスとなります。35人編成では28人程度4クラスになります。昨年35人学級の有効性を否定し40人学級に戻せ、という財務省の動きがありました。この2月、国会で、日本共産党の畑野きみえ議員は、「全小中学校で35人学級を」と下村文部科学大臣と安倍首相に求める質問をしました。下村文科相は、財務省の暴論に対して「学校を取り巻く環境が複雑になるなか、教員が子どもの指導に専念できる環境が必要だ。40人に戻せというのは文部科学省の考えや教員など、現場、保護者の声と相いれない」と答弁されました。畑野氏は、毎年度1学年づつ35人学級を拡大するように求め、小学1年生で35人学級を制度化する義務教育標準法改正は、自民党を含む全会一致で成立した。また附則で小学校2年以降も順次改定を検討・実施すると定めたことを示し「35人学級の推進を決断すべきだ。」と訴えました。安倍首相は「全会一致の重みをかみしめながら、1・2年生で35人学級が実現した。さらに35人学級の実現に向けて努力していきたい」と前向きな答弁をしました。

市長と教育長に質問:少人数学級は、2010年の文部省ヒアリングでは、全国小中高校校長会、全国知事会、日本PTA全国協議会等27団体中23団体が少人数学級を求めています。少人数学級に対する見解をお示しください。

子どもたち一人一人に行き届く教育をすすめるためには、教職員の多忙化が課題です。尼崎市が本気になって子育て支援、少人数学級の実現に足を踏み出していただきたいと思っています。次は不登校の問題です。尼崎市では、小学生は5年前まで0.3%(人数は71人)でした、今では0.64%(141人)に2倍になっています。中学生は、4.13%(人数で言えば430人)、5年前とほとんど変わっていません。高止まり状態です。

質問:尼崎市の不登校の実態を見てみますと、①不登校が小学3・4年生と比べて小学5.6年になると増えています。また小学6年と比べると中学1年生はまたまた増えています。その増えている原因はなに?②H21年の71人から5年経ったH25年には141人と倍増している原因はなに?③尼崎市は不登校が多い。その解決策は?

小学5・6年生で不登校が増えているのはクラスの人数が増え、その変化についてこれない子どもがいる、小学校の教師たちはそれを「小5ギャップ」と言っています。不登校も解決策に、スクールソーシャルワーカーを3人から6人に増員をされるとのことで、家庭訪問や担任との橋渡し、相談相手になるなどの対応には期待をしています。山形県の取り組みをご紹介します。山形県は2002年度から、小学校全学年を3年間で21~33人の少人数学級編成にする「さんさんプラン」を導入しました。県内すべての小学校で少人数学級を実現した全国初の取り組みでした。そして現場の声を反映させて中学3年まで拡充しました。導入前は不登校が全国平均を上回っていましたが、年々減少。保健室利用の減少、読書力の増加、いじめの発生件数も少ない状況です。また学力では、少人数学級導入後3年間で、全国レベルを抜いています。小学校の教師は「基礎学力がついている上に、塾に通う率が全国に比べて押さえられている」また「学力は学校でつけられると教師たちの自信にもなっている」と話しています。

質問:現在小中学校とも、新校舎や改築中の校舎が多い中、小学校は5・6年、中学校は1・2・3年とも35人学級にした場合、教室数を増やすことは可能だと思いますが、いかがですか?

市長は、公約で「少人数学級の拡大を、国県に働きかけます。都市教育長協議会を通じて国に働きかけます」と言われています。白井前市長は、就任したての頃、公約に掲げた少人数学級を実現するために、県知事に直談判に行かれたというのは、有名な話です。そして、兵庫県は小学低学年の少人数学級に取り組みました。強い公約実現の思いが県を動かしたのです。稲村市長の本気度が問われています。

市長と教育長に質問。今の尼崎市の子どもの状況を踏まえ、県や国に義務教育全学年に少人数学級の実現を強く強く強く求めてください。要望します。いかがですか?

全国でも35人以下学級を、小中全学級で取り組んでいる都道府県が増えています。ほとんどのところでは市町村教育委員会の強い要望で実現してきています。兵庫県はまだ小学校4年生までにとどまっています。毎年1学年づつの拡充でも少人数学級を求めて頂きたいと切に要望いたします。

読書力向上事業について

全小学校に図書司書を配置し、子どもたちに読書環境の充実を図ることは重要なことです。今年度で終了する、言語力向上事業に変わり、読書力向上事業を行うとしています。先日の新政会の質問に、当局は「言語力向上事業は、図書司書の嘱託員が専門性を生かした高度な内容を主体的に行う」「読書力向上事業は、図書司書のアルバイト員は、司書教諭の指示を受け補助的な役割に関わる」としています。

質問: 言語力向上事業にかかわる嘱託員15名の報酬は、4241万1000円、読書力向上事業にかかわる賃金の予算は42名で、5155万3000円です。職員が15人から42人、27人増えるのに、費用が約900万円しか違わないのですか?同じ教員または図書司書の有資格者の雇用なのに、この費用に違いはどういうことですか?

松村議員の代表質疑に対する稲村市長の答弁です

質問

戦後70年にあたっての市長の思いは。

答弁

本市は、先の大戦で幾度もの空襲に見舞われ、500人近くの犠牲者を出すなど大きな被害を受けました。近年、戦争体験者が高齢化、減少する中、戦争の悲惨さや平和の大切さを次の世代に伝え、戦争のない平和な世界を未来へとつなぐことは、私たちに課せられた重要な使命だと考えております。また先日、今年多くの団体や個人のこ協賛のもと作成された原爆被爆体験DVDr忘れてはならない夏がある」を拝見し、改めてその思いを強くしたところでございます。本年は戦後70年、また来年は市制100周年を迎えますが、この2か年にわたり、本市では8月を「平和の祭典月間」として位置付け、市内各地で様々な事業を実施することにより、多くの市民の皆様に命の尊さや平和への意識を高めていただけるよう努めてまいります。

質問

市長は関西広域連合の国への要望やガイドラインに賛成しているのか。また、なぜ市民に知らせないのか。

答弁

昨年3月に公表されました関西広域連合の広域避難ガイドラインにつきましては、避難者がどこの自治体へ避難するのかという避難元と避難先の自治体のマッチングを主として作成したものであると認識しており、広域避難する際の避難手段やスクリーニング等、まだまだ解決すべき課題が多々あることから、引き続き、県との協議を行っていくこととしております。なお、避難対応につきましては、平成26年修正の本市地域防災計画に、一定盛り込みまして、市ホームページに掲載しているところでございます。質問

関西広域連合の申し入れを満たしたからと言って、安全とは言えないと考えるが、市長はどう考えるのか。

答弁要旨かねてから、ご答弁申し上げていますとおり、原子力発電所については、計画的に無くしていくことが望ましいという、私の考えは変わっておりません。安全性の確保はもちろんのこと、原子力発電所に依存することのないエネルギー施策推進と放射性廃棄物最終処理について、道筋を明確にすべきと考えております。

質問

成長の恩恵が自動的に社会にトリクルダウンすることはないため、格差是正の対策が必要であると思うがどうか。

答弁

私は、格差是正のためには、地域経済における労働生産性を高めることが重要であると考えております。そのためには、働く場である企業の経営姿勢や経営力の向上に加え、職業訓練などにより労働者個々のスキルを高めることが非常に重要であると認識しており、そのための施策を検討、展開していく必要があると考えております。

質問

今回の地方消費税率引き上げに伴う地方消費税交付金の交付税算入について、国の説明はどうか。市は反論しているのか。また、消費税導入当初から考え方に変わりはないのか。

答弁

地方消費税率引上げによる増収分につきましては、地方消費税率の引上げによって各自治体間の財政力格差が拡大しないようにするため、当面基準財政収入額へ100%算入するとともに、社会保障の充実分等の地方負担額につきましては、基準財政需要額に100°/o算入することとされております。これを受けて、本市を含めた中核市市長会におきましては、「地方消費税率引き上げによる増収分について、偏在性是正策の一環とするのではなく、都市の実情に合わせた社会保障施策が実現できる仕組みとする観点から、早期に通常の算入率である75%とすること」と要望しております。なお、地方消費税交付金における基準財政収入額への算入率につきましては、今回の消費税率引き上げ以前は75%の算入率で算定されております。

質問

市内小売業の低調は、消費税率引き上げと賃金低下が原因だと思うがどうか。

答弁

全国的には、実質賃金の減少が続いているところですが、小売業の販売額については、国の商業動態統計によると、平成26年7月から12月までは前年度比を上回っており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の影響については限定的になってきていると考えております。一方、本市が実施している事業所景況調査では、平成26年10月から12月期でも「小売業は依然として低調」とあり、全国的な回復状況が本市では実感につながっていない状況にもあります。このように、本市小売業の景況感が低調である理由につきましては、消費増税や実質賃金の減少の影響に加え、デフレ環境下での消費者心理による需要の停滞、客数の減少や競争の激化等もあると認識しております。

質問

消費税率の引上げにより、零細な事業者や低所得者の生活が、一層苦しくなる状況について、どう考えているのか。

答弁

消費税率の引上げにあたりましては、市民の負担が増えることは事実でございますが、一方で、年金、医療、介護、子育てといった社会保障の機能強化・維持のための安定財源を確保する側面もございます。社会保障関連経費が増加の一途をたどる中、これまで国と地方は、赤字国債や臨時財政対策債などのいわゆる「借金」で対応せざるを得なかったところですが、消費税率を引上げることで、子ども・子育て支援新制度や、低所得者に対する国民健康保険料、介護保険料の軽減、低年金受給者への上乗せ給付など、今後、社会保障充実策の実施を図ろうとするところに意義があるものと考えております。

質問

消費税は、逆進性の税であり、担税力に応じた税制により人権を保障するに足る財源を確保することが大切と考えるが、どうか。

答弁

社会保障と税の一体改革におきましては、社会保障の機能強化・維持のための安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指すこととされている中、その財源を消費税率の引上げに求めております。国・地方を通じた財政の健全化、社会保障の持続可能性、世代間の公平という観点を踏まえると、偏在性が少ない安定的な財源の確保が不可欠であり、地方としても消費税率の引上げを理解した上で、国と議論を重ねてきたところでございます。なお、消費税につきましては、所得の少ない人ほど消費税負担率も高くなるという、いわゆる逆進性の問題を指摘される側面を持っていることから、消費税率の引上げにあたりましては、現在、国におきまして、低所得者の負担を減らす対策が検討されているところでございます。

 質問

「残業代ゼロJのホワイトカラーエグゼンプションは、導入すべきでないと考えるが、市長の見解は。

答弁

ご質問のホワイトカラーエグゼンプション、すなわち国の労働政策審議会で議論されてきた「高度プロフェッショナル制度」につきましては、多様な働き方に対応していくため、時間ではなく、成果で評価される新たな労働時間制度を創設し、労働者の一層の能力の発揮と生産性の向上を図ろうとするものであると認識しております。今回の国の取組みは、社会経済環境やライフスタイルの変化とともに、働き方に対するニーズが多様化する中で、時間よりも成果による評価を希望する労働者にとりましては、働き方の選択肢が増えることになり、モチベーションの向上や更なる能力の発揮が期待できる部分もあると考えております。2現在、国において、一定の年収要件を満たす一部の高度専門業務を対象に検討されているところですが、週40時間労働を基本とするこれまでの労働時間制度を一部見直すものであり、新たな制度創設に当たりましては、長時間労働の防止や休暇の確保など、労働者の健康確保に向けた所要の措置が、しっかりと講じられるべきだと考えております。

質問

歴代の政権による政策誘導が地方の衰退に拍車をかけてきたと考えるがどうか。

答弁

国による政策については、国会での議論も踏まえ、その時々で有効であると判断して取り組んでいるものと考えておりますが、社会経済状況の変化により、今日的観点から判断しますと、状況に合わなくなっている政策もあると考えます。

’質問

本市も、過去の市政運営を総括し、さらなる地域活性化をすべきと考えるが。

答弁

本市の財政状況が厳しい要因につきましては、①市税収入や収益事業収入の落ち込み、②高齢化の進行も相まった扶助費等の増加、③過去のまちづくりにおいて発行した多額の市債等の償還、などにあると分析しており、このことについては、あまがさき「未来へつなぐプロジェクト」において、これまでの行財政運営の評価として記載しているところです。地方活性化に向けましては、先ほどの真鍋議員のご質問にもお答えいたしましたように、国は、この度の地方創生の取組において、人ロ減少や都市課題を直視し、真摯に取り組む自治体に対しては、「頑張る自治体」として優遇的な措置を行うことも示しており、本市におきましても、しっかりとこのチャンスをとらえ、さらに取組を進めてまいります。

質問

①来年度以降の事務事業評価の公表時期、収支見通し、新規事業等について、どのように進めるのか。②新規事業等について、市民意見を聞いていないことや、議会で審議する時間を設けないやり方は改めるべきと考えるがどうか。③また、市長の「決める前に市民の意見を聞く」という政治姿勢に反するのではないか。

答弁

先ほどもこ答弁申し上げましたとおり、今年度は、施策評価結果の公表後、新規・拡充事業等を構築するまでの一連の作業の中で、市民の意見を十分に聞くことができたのかということについては、課題であると認識しております。来年度以降の事務事業評価、収支見通し、新規・拡充事業等にかかる一連の予算編成・公表時期につきましては、今年度と同様、施策評価を基にした進め方で取り組んでいく予定でございますが、一連の施策構築の作業の中で、市民等の意見を聞く手法やタイミングについては、今後検討してまいります。

質問

不安定雇用の拡大を防ぐために、市として、どのような努力をしていかなければならないと考えているか。

答弁

社会経済環境が変化し、人々のライフスタイルや価値観が多様化した現在、働き方自体も個々に異なりますが、より安定した生活基盤を確保していくという意味において、不安定雇用の拡大は望ましくないと考えております。現在、使用者の求人ニーズは、年々、多様化、高度化してきており、そうした中で、労働者が自らの待遇改善や、より安定した雇用条件を確保していくためには、労働者自身の技能習得やスキルアップが求められており、行政は、そのための支援を、より効果的に行っていくことが、今後、益々重要になってくるものと考えております。そのため、本市といたしましては、現在行っている一般就労希望者や就労困難者に対する人材育成などの様々な支援に加え、今後とも労働者の雇用環境の改善、生活の安定と自立に向けて、庁内はもとより、関係機関や関係団体とより一層の連携を行い、より厚みのある包括的な支援体制の構築に努めてまいります。

 質問

生活困窮者の自立相談支援事業において、まず、生活保護が適応されるケースかどうか確認することが必要だと思うが、どういう姿勢で対応するのか。また、市が生活保護の適用を排除する立場に立つことは、絶対にあってはならないと考えるが、どうか。

答弁

生活困窮者自立支援法の成立にあたり、衆議院及び参議院の厚生労働委員会におきまして、「相談者の困窮の状況に応じて生活保護制度の下で生活再建を図ることも含め、最善の対応を行う」よう附帯決議がなされております。本市におきましても、そうした考えの下、必要な方に必要な支援が届くよう、適正な制度運営に努めてまいります。

 質問

生活困窮者自立相談支援事業が、生活困窮から抜け出すまでの継続した支援になるのか。また、関係機関とは、具体的にどのようなところか。

答弁

相談支援の窓ロでは、相談者の抱える事情や想いに寄り添って課題の解決を図っていくことが肝要であり、このたび、新たな窓口に配置する支援員におきましても、そうした考え方のもとで課題が解決するまで、個別的、継続的な支援を行ってまいります。関係機関といたしましては、困窮者の早期把握や自立支援に資する観点から、社会福祉協議会や民生児童委員協議会連合会、ハローワークや若者サポートステーション、法テラスやNPOなど、個々の課題に応じて様々な団体と、一層連携を深めてまいります。

質問

生活保護を利用させないために住居確保給付金を支給するという取扱いにしてはならないと考えるが、どうか。

答弁

制度運営に際しては、恣意的な解釈により法の趣旨が損なわれることがないよう適正に対処し、広く市民の信頼を得られるように努めてまいります。

質問

生活保護利用に対する水際作戦として、社会福祉協議会での貸付や、無料低額診療事業への案内で済ませるよう指導しているのか。対応を改めて、生活状況などを丁寧に聞き、保護申請の意思を確認するよう改善すべきと考えるが、どうか。

答弁

生活保護の制度運営におきましては、ご質問のような指導はいたしておりませんが、今後、職員研修などを通して一層の援助技術の向上を図り、国通知に基づき、「申請権を侵害しないことはもとより、申請権を侵害していると疑われるような行為も厳に慎むこと」を基本に、より一層丁寧な対応に努めてまいります。以上

村議員2008作成部局教育委員会No,1質問要旨教育委員会が教育に必要な予算を市長に要求する制度のあり方をどう評価するのか。また、弊害を感じることはあったのか。

質問

「政治的中立性の確保」「継続性、安定性の確保」「地域住民の意向の反映」という教育の3大原則を守ることを強く求めるがどうか。

答弁

教育委員会は、教育行政の政治的中立性と安定性を確保しつつ、首長から独立した合議制の執行機関として設けられたものです。一方、市長は地方公共団体の統括代表者として、教育委員会の自主性と、その職務権限の独立性を侵さない範囲において市の行政と一体性を確保し、予算編成等を通じて総合的な調整を行うものです。これまでも、教育予算の編成におきましては、定期的に教育委員との意見交換を行っており、特段、弊害を感じたことはございません。答弁

今回の法改正においても、「政治的中立性の確保」「継続性、安定性の確保」「地域住民の意向の反映」については変更されておらず、教育委員会は引き続き執行機関であり、その職務権限の重要性については確保されているところでございます。今後とも、地方公共団体の統括代表者としての役割を果たしつつ、教育委員会と十分な意思疎通を図りな’がら、さまざまな教育課題に取り組んでまいりたいと考えております。

質問

中学校給食の検討委員会の構成メンバーは。

答弁

中学校給食検討委員会の構成メンバーといたしましては、食育や集団給食の専門家などの学識経験者、学校関係者、保護者代表、公募市民の合計11名程度を予定しております。

質問

実施方式の長短所を保護者や市民にわかりやすく示し、市民の意見聴取やアンケートなどの実施が必要と考えるが、いかがか。

答弁

平成27年度は、各種実施方式の研究や課題整理などの内部検討を行い、その上で、年度内には検討委員会を立ち上げてまいりたいと考えております。なお、市民への意見聴取やアンケート調査の実施につきましても、検討委員会でご議論いただきたいと考えております。

質問

給食の開始時期はおおむねいつごろか。

答弁

中学校給食検討委員会におきまして、尼崎市の中学生にとって、望ましい給食のあり方について、充分な議論を行っていただくとともに、平成28年度末には検討結果を受け、その後、市としての計画を定めてまいりたいと考えております。給食の開始時期については、実施手法によっても異なることに加え、一方で多額な経費を捻出していかなければならない全市的な課題もありますことから、市長部局とも調整してまいります。

質問

国保における滞納世帯の納付意欲をなくさせているのではないか、また、資格証世帯に対する取組みはどうか、さらに、医療機関への受診が必要な時に滞納保険料を納付できない方への対応はどうか。

答弁

国民健康保険事業は、加入者により支えあう社会保険として運営されていることから、本市では、被保険者の皆様にご理解いただけるよう、一人ひとりの保険料の納付の大切さを丁寧にお話しているところでございます。こうした粘り強い対応の結果として、平成22年度から現年度の保険料収納率は、少しずつではございますが毎年上昇しており、被保険者の皆様に一定のご理解をいただいているものと認識しております。また、資格証明書が交付されている世帯に対しましては、通常の窓ロのほか、年3回の休日開庁や

夜間窓口の開設、保険料推進員による訪問など、折衝機会を確保することで保険証の交付に努めているところでございます。さらに、被保険者の方が医療機関の受診のために来庁された場合におきましては、まず生活状況を丁寧に聞き取り、その実情を踏まえた納付の約束が出来れば、保険証をお渡しするように努めております。いずれにいたしましても、相互扶助の精神に基づいた医療保険として、今後も健全な運営ができるよう、引き続き努力して参ります。

質問

それぞれの市単位で医療費と年齢構成、所得により分賦金が定められるようだが、広域化に対して、どのように考えているのか。

答弁

国保の広域化は、市町村国保が財政上の構造的課題を抱えている中で国が財政支援の拡充等を図り、小規模な保険者の多い市町村国保の財政運営主体を都道府県に移行し、安定的な財政運営や効率的な事業の確保を目指すもので、国民皆保険制度を堅持するためには、必要であると考えております。現時点では、保険料について都道府県が医療給付費等の見込みを立て、市町村ごとの医療費水準や、所得水準を考慮した中で分賦金の額を決定するとされております。現行制度と比較して、本市の保険料水準がどのようになるかについては、確定しておりませんが、今後とも広域化の具体化に向けた取組において、

財政基盤の強化が図られるよう、その動向を注視し、適切に対応してまいります。

質問

国保の広域化により、国保加入者にどんなメリットがでるのか。また、デメリットはないのか。

答弁

国保の広域化のメリットは、私たちの命と健康を守る国民皆保険制度が将来にわたって維持されるものであり、そのために3,400億円の国費の追加投入が予定されております。公費拡充としては、自治体の責めによらない医療費の増に対する財政支援の強化や、医療費の適正化に向けた取組等に対する支援、財政リスクの分散・軽減のための財政安定化基金の創設など地域の実態に応じた支援が考えられ、実質的赤字の解消や保険料の伸び幅の抑制が期待されます。また、広域化による財政基盤の安定化のもと、国保加入者に対しては、引き続き市町村が身近な窓ロとなり、保険料の賦課徴収や保健事業などきめ細やかな対応をすることから、大きなデメリットはないと考えております。

質問

国保料引き下げのために現在行っている約6億円の繰入を広域化後も行うべきである。国保料引き下げのためなど、自治体独自の財政支援を可能にするよう、国に求めてほしい。

答弁

国保の広域化に際しては、保険料軽減のために繰り入れている額を含め、実質的な赤字解消に向けた3,400億円を国が追加で投入する予定となっております。市独自の繰入の必要性については、国の財政支援制度の拡充が本市に及ぼす影響や、本市の厳しい財政状況も勘案した上で、慎重に検討していきたいと考えております。なお、国への働きかけにつきましては、市独自の財政支援を多額に投じなくても、医療保険に対する差異が生じない制度となるよう、適宜対応してまいりたいと考えております。

質問

広域化に際しての滞納額は、どういう扱いにするのか。

答弁

国保の広域化に際しまして、現時点では、広域化までに発生した市町村の滞納等の扱いをどのように処理していくのか明らかではありませんが、適切な役割分担の中で、滞納額の解消については、引き続き市が担っていくものと考えております。今後とも、広域化を見据え、滞納額の解消に向け、収納対策に鋭意取り組んでまいります。

質問

鍼灸マツサージの助成、ヘルスアツプ尼崎戦略事業費など、市独自施策については、どうしようとしているのか。

答弁

本市では独自の施策として、あんま・マッサージ・はり・きゆうの助成、医療費適正化に向けたヘルスアップ尼崎戦略事業など、様々な取組を保険料を財源として、実施しております。

一方、国保の広域化に際しては、都道府県による統

一的な運営方針により、サービスの標準化が図られることとされています。現在、「国保広域化に向けた運営体制のありかた検討チーム」を設置し、独自施策の必要性も含めて、そのあり方について検討を進めておりますが、広域化に際して、財源がどのように確保されるか、また、本市の厳しい財政事情も踏まえる中で総合的に判断してまいります。

質問

尼崎市の特養待機者は何人か。

答弁

昨年6月に調査を行った本市の特別養護老人ホームの待機者数は、2,194人で、このうち、在宅で入所の必要性が高いと判定された方は246人でございます。

 質問

介護現場での職員確保の実態を把握しているか。

答弁

一般的に介護職員の賃金は、他の職種と比べて低いと言われており、職員募集をしても応募が少ないなど、介護職員の確保に事業所が苦慮していることについては、認識しております。また、入所者への対応が難しいなどの理由から、雇用をした介護職員が長続きしないという実態があることを、事業所とのヒアリングや実地指導などにおいて聞いております。この他にも、パートの介護職員では、扶養控除の対象となる範囲での勤務の希望があることや、夜勤はできないといった、介護職員の生活事情と事業所のニーズが一致しないなどの実態があることも聞いておりますので、介護現場での職員確保が難しい理由が、必ずしも賃金が低いことだけではないものと認識しております。

質問

今後の特養建設計画はどうなっているのか。

答弁

介護保険施設・居住系のサービスについては、特別養護老人ホーム待機者の状況を勘案し、より必要性の高い人のための施設数を確保することを目指して、整備を進めているところです。平成27年度から29年度を計画期間とする第6期介護保険事業計画におきましては、特別養護老人ホーム200床と小規模特別養護老人ホーム29床の整備着工を予定しております。

質問

介護報酬の引き下げに対して、特養の運営に支障をきたさないよう、どのような努力をするつもりなのか。

答弁

今回の介護報酬改定におきましては、基本報酬部分は引き下げが行われておりますが、一方で、処遇改善加算の報酬額は引き上げられております。また、特養については、要介護状態区分が重度の入所者が一一定の割合を超えた場合に算定できる加算の引き上げが行われております。こうした加算については、集団指導などの機会に情報提供を行うとともに、算定に関する相談があれば、必要な助言を行ってまいります。また、事業所指導の機会等を捉えて、特養の運営状況の把握にも適宜努めてまいります。更には、国と都道府県の負担により設置する地域医療介護総合確保基金において、職員のキャリアアップに向けた研修や人材の確保に向けた支援メニューが予定されておりますので、それらの情報提供にも努めてまいります。

質問

「自助努力」と「助け合い」を強いる方向は、介護における公的責任を弱めることになると考えるが、いかがか。

答弁

平成29年度の総合事業の実施後におきましても、日常生活において介護を必要とする人に対して、引き続き、専門的な知識と技術を有する専門職による介護サービスの質が確保されるよう努めてまいります。なお、今般の介護保険制度の改正では、今後高齢化がさらに進展するほか、介護人材の不足も見込まれることなどから、制度を持続可能なものとするために、従来の介護サービス等の供給における質の確保に加え、住民やボランティア、NPO等による共助の仕組みづくりなど、地域社会全体で高齢者を支えるための体制整備が求められていることから、行政が果たすべき役割は大きくなっているものと認識しております。

 質問

偽装請負を防ぐために、どのような体制にするのか。

答弁

本庁・サービスセンターの市民課窓口の民間委託につきましては、「公共サービス改革法」に基づき、将来にわたる市民サービスの維持向上に向け、コンビニ交付サービスの実施やサービスセンターの土曜日開庁に合わせ、平成28年1月より実施するものでございます。また、実施に際しましては、特に偽装請負を防止する対策等コンプライアンスを重視し、取り組んでまいります。具体的には、第1点目として、職員と業者の混在作業を防止するため、物理的にパーテーション等で明確に区分し、混在作業が発生しない環境を整備します。第2点目は、証明書の交付・不交付の決定、届出の受理・不受理の決定、専門的な相談等は別窓ロで職員が直接、市民対応を行う等の体制を構築してまいります。2さらに、法務局及び兵庫労働局とも相談・協議を重ねるとともに、委託仕様書を精査し偽装請負とならないよう万全を期してまいります。

2015年度予算審議の松村ヤス子議員の代表質疑です

OLYMPUS DIGITAL CAMERA日本共産党議員団の松村ヤス子です。1月20日、「過激武装組織IS」が2人の日本人男性を拘束し、2億ドルの身代金を要求する衝撃的なテロ事件を、広く国民が知ることになりました。その後、2人は殺害されました。救出できなかったことは、本当に残念です。ご遺族の皆様方に、心よりのお見舞いと哀悼の意を表します。あわせて、日本共産党の見解を述べます。この事件は、いかなる口実をもっても許されない残虐非道な蛮行であり、強い憤りを感じます。テロそのものは絶対に許されるものではありませんし、武力でなくせるものでもありません。相手が、最も野蛮で、無法な組織だからこそ、日本の対応は、国連の事務総長も述べているように、2014年8月の安保理決議2170にそって、国際法、国際人道法に基づいて行うべきであり、外国人戦闘員の参加を阻止し、資金源を断つなどして武装解除と解体に追い込む外交をおこなうことが必要です。そして、政府がとってきた対応については、冷静な検証が必要であり、そのために、必要不可欠な情報を公表する必要があります。もともと憲法改悪を狙っていた安倍首相は、このテロ行為の前から、現行憲法のもとでも解釈を変えて、集団的自衛権の行使を可能だとし、さらに、今回の事件を契機に、米軍などによる「IS」への空爆などへの自衛隊の支援が「憲法上は可能」とし、「邦人救出」を名目に自衛隊の海外派兵の拡大を検討するとしています。「海外で戦争する国」づくりを推進する動きは断じて認めるこことはできないと表明いたします。

  2015年度予算案等に対する代表質疑に入ります。

 昨年12月の総選挙で与党の自民党は現有295議席から291議席となり4議席 減らしています。自民党の比例代表では得票率は33.1%しかなく、68議席でした。しかし、小選挙区では48.1%の得票率で、75.6%にもなる223議席を確保しました。大政党有利に民意をゆがめる「小選挙区効果」によるものです。自民党は、小選挙区効果で多数の議席を確保したものの、国民の支持率が議席占有率に比べてはるかに低いことを自覚し、本来なら、謙虚な姿勢で国民の意志にそう政権運営をすべきです。しかし、安倍政権が行おうとしていることは、消費税率10%への引き上げ、格差拡大のアベノミクス推進、海外で戦争する国づくり、原発の再稼働、沖縄での米軍の新基地建設 などであり、このようななか、本市では、稲村市長が2期目当選後、最初の予算議会を迎えました。特に市南部の衰退は著しく、空き家が目立ち、中央・三和商店街も人通りが減少し、往年のにぎわいもなく、さびしい限りです。市民生活はますます厳しさを増しています。市民生活に大きくかかわる問題について、順次市長に尋ねてまいります。戦後70年日本の無条件降伏により、第2次世界大戦は終結しました。しかし、日本の侵略戦争と植民地支配で、310万人の日本国民とともに2000万人を超すアジアの人々を犠牲にしたにもかかわらず、日本を含むアジア・太平洋の首脳が過去の戦争での式典に集まることなど考えられません。歴代自民党政権とも異質な、侵略戦争を正当化する安倍首相が政権についていることは、アジア諸国との和解や対話の上で、大きな障害になっており、靖国神社参拝の強行は、米政府からも「失望」を表明される事態を生んでいます。これでは、中国や韓国との外交関係も築けません。侵略戦争の断罪の上に、築かれた戦後国際秩序を覆す姿勢では日本がアジアでも世界でもまともに生きてはいけません。新年度予算案では、「平和啓発推進事業費」が今年度の27万3000円から88万8000円に増額され、戦争の悲惨さを風化させないために、原爆被爆者の語り部事業を実施するなど、(仮称)平和の祭典事業が予算計上されています。

 お尋ねします。

 福島第1原発事故は収束どころか、放射能汚染が深刻化するなか、川内原発に続き、高浜原発3,4号機も、原子力規制委員会は、昨年12月17日に、審査書案を了承し、原発再稼働に突き進む安倍政権です。

  1. これに対して、昨年、12月25日に、高浜原発再稼働に関して、関西広域連合が、国に対して、
  2. 次に原発再稼働についてお尋ねします。 
  3. 戦後70年にあたって、市長の思いを改めてお聞かせください。
  4. 「二度と戦争をしない」と誓った憲法9条を壊し、日本を「戦争する国」にすることを狙う安倍政権の暴走をはばむことは国際的にも重要です。戦後70年の節目、「戦争する国」づくりを阻止し、希望ある平和な未来を切り開く努力こそ必要です。
  5. 今年は、戦後70年です。戦後50年にあたって出された、村山談話では、我が国が、かつて植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたと述べ、こうした歴史の事実を謙虚に受け止め、改めて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明するとともに、先の大戦における内外のすべての犠牲者に謹んで哀悼の意を述べる とあります。そして、戦後60年での小泉談話でも、この部分は、引き継がれました。また、自民党の幹事長経験者の野中広務氏、加藤紘一氏、古賀誠氏は、それぞれ、集団的自衛権の行使容認の安倍政権を厳しく批判しています。
  6. 昨年6月、第2次大戦の戦争犠牲者を追悼する70年記念式典に、敵同士としてたたかったアメリカ・イギリス・ロシアとドイツの首脳らが一堂に会しました。これは、ドイツ自身を含めナチス・ドイツの行為にたいする明確な否定が国家の指導者の共通の土台にあるからです。
  7. 2015年、今年は、アジア・太平洋地域で侵略を重ねた軍国主義日本の敗北から70年、節目の年です。 
  8. ことごとく、国民の過半数が反対することばかりです。特に、戦後、新しい憲法のもとで、「国民が主人公」「戦争をしない平和な日本」に私たちは、一定の安心感を持って生きてきました。それだけに、現在、多くの国民は、安倍内閣の進める方向に危機感を持たざるを得ない状態となっています。
  1. 原子力発電所の運転期間延長については、審査内容等を関係自治体に十分説明を行い、理解を得ること、
  2. 「再稼働にあたっては、安全第一義として川内原発での地元同意のプロセスによるのでなく、地域の実情に応じて対応すること、
  3. 原発から半径30㌔内の区域を含む周辺自治体と事業者との安全協定は立地自治体並みとし、早期締結に応じるよう指導し、自治体が国や事業者と平時から安全確保について提言できる法的な仕組みを構築すること
  4. 原子力災害時の広域避難が早期に策定できるよう、国が主体となって必要な調整を行うこと、また、関西広域連合は、昨年、3月には、高浜原発事故時の「広域避難ガイドライン」を発表し、尼崎市は、61か所の体育館で16,000人の舞鶴市民を受け入れるとあり、原発再稼働は、尼崎市民にとっても直接かかわる重要な課題となっています。この、国への要望からは、関西広域連合が、原発再稼働に絶対反対という立場でないことが分かります。しかし、それでも、事故が起こることを前提に国の原子力規制委員会の審査だけでなく、事故に対する様々な対策も必要だ、と しています。原発事故の恐ろしさは、他の事故と違い、空間的にも、時間的にも、異質の危険性を持っています。それに、使用済み核燃料の最終処理問題など、未解決の大きな課題を持っています。将来的にも、もっとも安全なのは、原発を稼働させないことです。お尋ねします。関西広域連合の国への要望や、広域避難ガイドラインについては、市からは、何も知らされていません。そのため、ほとんどの市民は知らないと思います。市長は、国への要望や広域避難ガイドラインに賛成しているのでしょうか。また、なぜ、市民に知らせないか、その理由をお聞かせください。関西広域連合は、原発再稼働について様々な前提条件を付けて、それが満たされなければ、再稼働は認められないとしています。しかし、満たされたからと言って、再稼働しても安全と言えるものではないと考えます。これについて、市長はどう考えておられますか。答弁をお願い します。 
  5. など、7項目の対策等を示し、その実行がなければ再稼働は容認できないと申し入れています。

アベノミクスによるトリクルダウンと市民の暮らしについてです。

 安倍首相は、社会保障制度を持続させるためにと、負担増とサービス切り下げとともに、消費税を8%に、そして、10%へと2段階引き上げを表明していました。ところが8%への引き上げで、景気が悪化したため、10%への引き上げは2017年4月まで1年半延期。その際は、景気の動向に関係なく引き上げるとのことです。社会保障の財源確保を大義名分に、大企業は1円も負担しない消費税率の引き上げを行い、一方、大企業には法人税の減税です。大企業が利益を上げれば、下請けなど中小企業もうるおい、労働者全体の賃金も上がり、雇用も増えるとする「トリクルダウン」で経済は活性化すると主張しています。しかし、経済協力開発機構・OECDは、昨年12月に発表した報告書で「成長の恩恵が自動的に社会にトリクルダウンすることはない」と指摘し、各国政府に格差是正に力を入れるよう呼びかけました。同報告書は、「所得格差が拡大すると、経済成長は低下する」とし、「格差問題に取り組めば、社会を公平化し、経済を強固にすることができる」と提言しています。また、各国政府に対して、下位40%の所得層の教育や医療などの公共サービスを充実させるよう求め、 日本にも、格差の拡大が成長を押し下げていると指摘しています。安倍首相は“大企業が利益をあげれば賃金が上がり、雇用が増える”と主張し、円安の誘導、派遣労働への置き換えなどを進めていますが、OECDは、こうした「トリクルダウン」の考え方は国際的には通用しないとしています。今、フランスの経済学者のトマピケティ著の「21世紀の資本」が、世界でも日本でも驚異的な売れ行きとのことです。1%の富裕層が世界の富の半分近くを持っており、わずか80人の億万長者が保有している富が、この5年間で倍加、昨年は、貧しい50%の人たちの富の総計を上回ったと明らかにしています。安倍首相は、社会保障のために消費税増税を、国際競争力を高めるために法人税減税をといっていますが、これまでの消費税収総額の282兆円は、同期間の法人3税の減収分の255兆円にほぼ匹敵しており、消費税が法人3税の減収の穴埋めに使われてきたことを示しています。低賃金の派遣労働などの非正規雇用が増え、働く貧困層が増加する一方、大企業や資産家に富が集中しています。所得が10億円を超える富裕層は1年間で2.2倍に急増しました。一方、「働く貧困層」と言われる人々は、史上最多の1120万人に達しています。

お尋ねします。 

 OECDが指摘するように、成長の恩恵が自動的に社会にトリクルダウンし、社会全体が潤い、格差がなくなるものではなく、格差是正の対策が必要です。市長はどうお考えですか。

  市民の暮らしはどうでしょうか。2014年度の阪神間7市で比較すると、納税者一人当たりの所得は、最も高い芦屋市が545万5千円、本市は、298万円でもっとも低く、芦屋市の54.6%です。一人あたりの市民税額も芦屋市は25万7200円、本市は10万9900円で、芦屋市の42.7%です。7市の中で、所得の低い人の割合が最も多く、高い人の割合が最も少ないのが尼崎市であり、所得そのものも、ほとんど伸びていません。個人市民税は、新年度予算でも伸びているとはいえ、0.5%の伸びしか見込めておらず、市民の所得の伸びがきわめて厳しい状況です。それにもかかわらず、生活保護の給付減、国民健康保険、介護保険などの社会保障の市民負担増で市民生活は厳しさを増す一方ではないかと思います。1015年度予算案は、予算規模が2085億4000万円で、前年度より、87億3000万円増になっていますが、市税や地方交付税など主要な一般財源が減となり、扶助費や借金返しの公債費は高い水準が続いています。税収入は、2011年度784億6900万円、その後、12年度、13年度はさがり続け、14年度で若干回復、しかし、15年度予算案では、また、減少し、786億1600万円と見込んでいます。市債は、240億円前後で推移してきましたが、15年度予算案では、300億円を超えています。

このようななか、2014年度と比べると、地方交付税・臨時財政対策債あわせて、34億4700万円の減額であり、ますます、厳しい状況になっています。結局、少しずつためてきた貯金を取り崩して対応せざるを得ない状況です。「当初予算の概要」で用語解説を毎年掲載しています。そこでは、地方交付税の規準財政需要額について、「各自治体が標準的な行政を合理的に実施したと考えた時に必要と想定される一般財源の額」であり、各自治体が実際に支出した額あるいは、支出しようとする額ではないとわざわざ解説文を入れています。現行制度上はそうだというだけのことであり、それに問題があるのか、ないのかが、根本的に問われなければなりません。2014年4月から消費税率が5%から8%に引き上げられたことにより、地方消費税率は1%から1.7%に引き上げられました。地方消費税交付金の予算は、14年度の46億3900万円から74億1500万円となり27億7600万円増加しました。しかし、この地方消費税交付金の74億1500万円のうち、社会保障財源分の30億5300万円については、留保財源なしで全額が、地方交付税の基準財政収入額に算定されます。そのために、地方交付税は、社会保障財源分と同額の30億5300万円が減額されます。これも影響し、結局、地方交付税の予算額は、14年度予算よりも22億4700万円の減額です。消費税が増税され、地方消費税交付金が増えたものの、全額が地方交付税で減額され、消費税増税で、尼崎市の収入が増えるわけではありません。全国の都道府県及び市町村の総数が1765でそのうち、2013年度では、不交付団体は、東京都や東京都内の6市、神奈川県内の2市、愛知県内の9市など49自治体にすぎません。

 お尋ねします。

 全国でわずか2.8%ほどの自治体を除けば、尼崎市を含めて、消費税のうちの0.7%分の地方消費税交付金収入は、ないに等しいことになります。全国の自治体が、是正を求めているにもかかわらず改善されないとのことですが、地方交付税算定で、地方消費税交付金の留保財源をゼロにしていることについて、政府は、どのように説明しているのでしょうか。また、その説明について、市長は、どう反論しているのでしょうか。ご答弁願います。

なお、1989年4月から、消費税が3%でスタートし、1997年4月から5%になり、その内の1%が地方消費税とされました。地方消費税が始まったときから、留保財源ゼロで全額、基準財政収入額に入れられていたのでしょうか。答弁願います。

 次に、市内事業者の動向についてです。

市内事業者の状況を把握するために、3カ月ごと年4回のDI調査である「事業所景況調査」が行われています。調査した結果の特徴をまとめて、記述された文章をみると、消費税率が8%に引き上げられる前の小売業の業況では、2013年は、 1月から3月期は、「サービス業に懸念があるものの、全体には持ち直しの兆し」 4月から6月期では「小売業の回復の遅れ」 7月から9月期では、「小売りは低調ながらもやや改善」 10月から12月期では「小売業も回復基調」とあり、13年度は、少しずつ回復しています。しかし、2014年 1月から3月期では、「小売業・サービス業は悪化」。消費税増税の後の4月から6月期では、「小売業は依然として低調」 7月から9月期も「小売業は依然として低調 」 10月から12月期も、「小売業は依然として低調」とあります。景況調査からは、消費税率の引き上げ前には、若干の回復基調もありましたが、引き上げ後の去年4月からは、小売業の業況判断DI、売上高DIはマイナスが大きく、しかも、改善の兆しが全く見えていません。正に、消費不況そのものです。

 お尋ねします。

小売業の低調が続いているのは、消費税率引き上げによる消費不況の深刻さと、賃金低下によるものだと思いますが、市はどう分析していますか。本市は、生活保護率も4%を超えており、全体として、収入・所得が低く、消費に使える総額が低い都市です。そのうえ、消費税率が引き上げられても転嫁しにくい、零細な事業者や低所得者の生活が、一層苦しくなると思います。このような市民の状況について市長はどうお考えでしょうか。消費税そののは、税の基本原則に反する逆進制の税です。国においても、地方自治体においても、大切なことは、担税力に応じた税制により人権を保障するに足る財源を確保できるようにすることだと思いますが、市長は、どう考えますか。

つぎに、残業代ゼロ法案についてです。

安倍政権は、日本を「世界で一番企業が活躍しやすい国」にするとし、雇用に関する二つの法案、いわゆる「残業代ゼロ法案」と「労働者派遣法の改悪法案」を提案する予定です。これらは、財界の要請に基づくものであり、労働者にとっては、どちらも許すことができない重大な改悪です。ホワイカラーエグゼンプション、つまり、「残業代ゼロ法案」は労働時間に関係しない、「残業という概念のない働かせ方」です。これまでも、仕事に追われ、長時間過密労働を強いられ、過労死する労働者が後を絶たない状況の日本です。この制度が人件費総額を抑える効果を持っているからこそ、財界が要請するのです。この制度を認めれば、合法的に、過労死を増やすことになります。安倍首相は、国会で、ごく限られた労働者にだけ適用するものだと答弁しています。しかし、国民の抵抗をできるだけ抑えるために、「小さく生んで大きく育てる」のが財界の利益優先の自民党政治の基本路線です。3%でスタートした消費税がいまや10%をめざしているのがよい例です。

 お尋ねします。

市民のいのちの保障という点からも、「残業代ゼロ」のホワイトカラーエグゼンプションは、導入すべきでないと考えます。市長の見解をお聞かせください。

 次に、地域経済と「地方創生」について質問します。

 政府与党は、疲弊する地方自治体に対応するとして「地方創生」を掲げていますが、地方は、なぜ、疲弊したのでしょうか。また、安倍首相は、地方創生のために、「東京一極集中の是正」をと言っていますが、なぜ東京に一極集中したのかです。一つは、地方から東京圏への人口流出は、地方の産業が壊され雇用が失われたこと。二つは、「企業立地促進法」は、多国籍企業の地方進出を後押しし、自治体の企業誘致の補助金競争をあおり、肝心の雇用は非正規を増やし、最後には大企業の身勝手な工場の縮小・撤退が繰り返され、産業の空洞化や産地の崩壊を招いてきたこと。 三つは、「平成の大合併」によって、地方自治体はほぼ半減。面積は平均で2倍になる一方、地方交付税は大幅削減され、地方の疲弊を加速させたこと。四つは、国際競争力の名で都市関連法制の規制緩和を進める都市再生政策や道路、港湾、空港など大都市部の大規模開発を進め、地方の人口を吸い上げたことです。本市経済にも影響している問題があります。2000年に商業施策の完全規制緩和で大店立地法が制定され、それまで、大型店出店に際して、地元商業者との間で行われていた「商業調整」が禁止されました。尼崎商店連盟の役員さんから、「これまでは、大型店の出店では、声がかかり、かならず、大型店と協議してきたが、この頃は呼ばれることがない。いったいどうしたのか」と怒りをあらわに話しかけられたことが忘れられません。後日、大店立地法の写しを持って「商業調整はしてはならない」旨が、条文に書かれていることを示して、「自民党がアメリカの要請に応えて、こういう法律を制定させたからです。これからは、大型店が、どんどん出てくるでしょう」と説明しました。大型店での売り上げや利益は地域内循環が弱く、市内での消費が大型店の本社に吸収されるのが特徴です。市場商店街だけでなく、自民党政権が進めた規制緩和により、酒店、米穀店、理髪店、美容院、薬局など個人店が廃業に追い込まれ、ますます、地域内循環型の経済が縮小されてきたことが市の財政にも影響しているのです。また、「補助金削減」、「地方交付税削減」、「少なすぎる税源移譲」の三位一体の改革は、本市の財政も痛めつけてきました。さらに、現在、尼崎市を苦しめているのが、多額の借金返済です。1997年に計画した、国の「第4次全国総合開発計画」に基づいて、「にぎわい・創生あまがさき」と題する総合計画を策定。政府は、1990年、2月の日米構造会議で、日本が13年間で630兆円の公共事業を行うことを約束し、全国各地で、再開発事業などが行われました。尼崎市も、国際会議ができるようにと、都市ホテルの建設、阪神出屋敷駅前、阪神尼崎駅前、JR立花駅前、JR尼崎駅前の再開発事業がすすめられたことも、多額の財政負担を余儀なくしました。市は、1988年から94年にかけて、アルカイックホテル西側の広場用地約3900㎡・167億1300万円を土地開発公社に購入させました。その後の買い戻しも全額借金で、2028年まで、元利あわせて、毎年、15億円程度、返済し続けなければなりません。しかも、この借金返しに必要な支出は、1円も地方交付税の基準財政需要額には算入されません。これら再開発などを最優先にしたこと、経済が悪化したこともあり、市財政がみるみる厳しくなり出しました。労働法制の改悪もそうです。派遣労働など不安定雇用の拡大が消費を冷え込ませ、地方経済を痛めつける原因になっています。

 お尋ねします。

このように、歴代の自民党政権の地域内経済の循環に反する方向での政策誘導が、地方の衰退に拍車をかけてきたと考えますが、市長の認識をお聞かせください。

本市としても、過去の市政運営を厳しく総括して、地域活性化にさらなる取り組みをすべきであり、政府は、そういう自治体を応援すべきです。財源を保障して地方自治の拡充をはかるなど、住民の立場にたった「地方再生」こそ求められると考えますが、いかがでしょうか。次に、「総合計画」「未来へつなぐプロジェクト」と市民・議会への情報提供の在り方についてうかがいます。これまで、「経営再建プログラム」「行財政構造改革推進プラン」という行財政改革の計画がすすめられ、今年度は新たな計画である「未来へつなぐプロジェクト」の2年目です。過去2回の計画は、11月に財政見通しと、新規事業とあわせ、スクラップすべき事業を示して市民や議会の意見を聞いてきました。先日も、市議会で議員研修会が開かれたのですが、講師の関西(かんせい)学院(がくいん)大学の  稲沢克(かつ)祐(ひろ)教授も、9月決算による点検と、予算までの半年間の進捗状況の点検の重要性を強調されていました。ところが、今回、市長は、「施策評価」を実施し、2014年9月に「施策評価」結果とあわせて、予算編成にあたっての「施策の重点化方向」などを示したものの9月の時点では、「事務事業評価」をださず、今議会に「事務事業評価」を公表されました。あわせて、「未来へつなぐプロジェクト」による改革改善項目と新規事業も、11月には示さずに、これも今議会の提出となりました。「事務事業評価」「財政見通し」「新規事業」「改革改善事業」が一度に示されたことになります。 これで、市民の意見を聞くことができるでしょうか。今年度については、秋に市長選挙があったので、一定、時間的余裕がなかったのは理解できます。

 お尋ねします。

来年度以降、今後も事務事業評価の公表時期、財政見通し、新規事業項目などについて、どのようにすすめるつもりなのでしょうか。今年のように、市民への徹底や意見を聞くことや、議会にも十分に審議する時間を与えないやり方は、改めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、市民の意見を十分聞く時間を与えないことは、市長の「決める前に、市民の意見を聞く」という政治姿勢に反するのではないでしょうか。 これで第1問目を終わります。

 第2問目

日本全体でも、本市でも、人口減少が続いています。その背景には、結婚して、子どもを生み育てることが困難な雇用環境があります。継続性がある雇用、子どもを産み育てられるだけの収入が確保できる雇用が必須の課題であり、それは、また、地域経済の活性化にとっても極めて重要な課題です。持続可能なまちづくりをする上でも、若者が元気に働き続けられるよう「雇用問題」そして未来を担う子どもたちを支援する「教育問題」について質問します。

 若者が元気に働き続けられることが大切です。

労働者派遣法改悪についてお尋ねします。

労働者派遣法は、1986年に一時的業務など13業務を対象として制定されました。その後、1996年改正で、専門的27業務に拡大され、2003年改正では、製造業にも拡大されて以降、急速に派遣労働者への置き換えが進みました。派遣労働への置き換えが進んだ後も、財界からの強い要請があったのでしょう。同じ仕事での派遣受け入れは、「原則1年、最大3年」という期間制限を撤廃し、3年ごとに派遣労働者を入れ替えさえすれば同じ仕事で、無期限に派遣労働者を使い続けることができるようにする法改正が予定されています。このような大改悪が行われれば、それこそ、正社員から派遣への大量置換えがさらに進むことは、明白です。先日、ある家主さんから、借家人が家賃を払ってくれないとの相談を受けました。その借家人の健康状態が気になるので会いに行きました。大学中途退学の40代の女性でしたが、結局、派遣労働者の仕事が切れて、手持ち金も底をつき、食事もままならない状態でした。まだまだ若いにも関わらず、心がぼろぼろになっているのがわかります。派遣労働の害悪が人間を壊していく怖さを実感しました。特に未来ある若い労働者が元気に働き続けられなくなり、低賃金の派遣労働者を増やす労働者派遣法の改悪は、若者の未来をも奪いかねません。持続可能なまちづくりの点からも、派遣労働ではなく、正規雇用の拡大が望ましいのは当然のことです。結婚して、子どもを生み育てられるためには、安定した一定の収入が得られなければなりません。人口減少をストップさせるためにも、派遣労働に歯止めが必要です。それに、不安定雇用の拡大は、本市の地域経済及び、本市財政にも大きなマイナスです。お尋ねします。不安定雇用の拡大を防ぐために、市として、どのような努力をしていかなければならないと考えておられますか。答弁願います。

 次に、生活困窮者自立相談支援事業と生活保護制度との関連についてお尋ねします。

2月12日付毎日新聞に、本市の嘱託職員である就労促進相談員の仕事ぶりの記事が掲載されているのをみて、心から、嬉しく思いました。保護利用者の心に寄り添う姿勢の大切さを示している記事でした。このように、生活保護利用者など、生活困窮者に温かく寄り添っての実践は、生活困窮者自立相談支援事業にも、ぜひ、いかしてほしいと願っています。生活保護を利用したいと思う市民は、まず、生活保護の相談窓口に行きます。保護課では、収入状況や預金などの資産関係、家賃、自動車の所有状況、健康状況、親族の状況など総合的に、聴取され、保護法に定められているその世帯の最低生活費と給与や年金などの収入状況から保護の可否が判断されます。しかし、生活困窮者自立相談支援事業についての当局の説明文書では、「自立相談窓口を設置し、生活困窮者の相談に応じて、生活困窮者の抱える様々な課題に対応した支援計画を策定し、就労支援をはじめとした、各種支援が包括的に行われるよう関係機関との連絡調整等を行う。また、離職により、住居を喪失、または、その恐れの高い生活困窮者に対し、住居確保給付金を支給する」とあり、151件、644万1千円で、1件当たり、43,000円ほどの住居確保給付金が予算提案されています。生活に困っているとして、市役所に、相談に訪れる生活困窮者と一口で言っても、その困窮のレベルはさまざまです。おそらく、自分が、生活保護制度に適用するのかどうかをしっかり知っているわけではないしょう。また、年齢が65歳未満で健康体であれば、就職して、自立をと考えるのは、当然でしょうが、問題は、就業先を確保できるかどうか、確保できた後に、就労し続けられるかの問題もあります。

 お尋ねします。

この生活困窮者自立相談支援事業では、相談者は基本的に、生活保護制度を正しく理解しているわけではないとの前提のもと、生活保護の利用が適応されるケースなのか、そうでないのかをまず、確認することが必要だと思いますが、当局は、どういう姿勢で、相談に対応するのでしょうか。答弁願います。生活保護適用が可能にもかかわらず、市民がよく知らないことをよしとして、市当局が、生活保護適用を排除する立場に立つことは、絶対にあってはなりません。明確な答弁を求めます。生活保護では、担当ケースワーカーがいます。そして、先に述べた就労促進相談員も配置されており、一人一人の生活を支える機能が明確です。生活困窮者自立相談支援事業については、まず、相談、そして支援計画、支援計画に沿って、関係機関との連絡調整をおこない、就労支援など、各種支援を包括的に行うと説明されています。 

お尋ねします。

生活困窮から抜け出すまでの継続した支援になるのでしようか。また、関係機関とは、具体的には、どのようなところが考えられのでしょうか。答弁願います。

 お尋ねします。

生活保護が適用できるにもかかわらず、生活保護を利用させないために、43,000円程度の住居確保給付金を支給するという取扱いにしてはならないと考えますが、答弁願います。

 また、生活保護利用に対する水際作戦として、生活困窮者に社協での貸し付けを意識的に誘導しているのではと受け取れる市民からの訴えも聞いていますし、福祉事務所の受付で、お金がないけれど体調が悪いので医者に行きたいとの訴えには、医療生協の無料低額診療事業のパンフレットの案内で済ませてしまうなどの対応も確認しています。このような対応を行うよう指導しているのかどうか、答弁願います。

 福祉事務所では、このような対応を改めて、生活状況・資産状況などを丁寧に聞き取り、保護申請の意志を確認するよう改善すべき考えますが答弁願います。

 次に教育問題です。

戦後の国家主義教育の反省に立ち、教育が政治からの影響を受けないようにと独立して教育行政の運営を担ってきたのが、教育委員会です。戦後70年にわたって、過去の戦争の反省の上から、政治と教育は完全に分離されており、教育委員会が教育に必要な予算を市長に要求する制度となっていました。

まずお尋ねします。

このようなあり方について市長は、どう評価されてきましたか。弊害を感じたことがありましたでしょうか。ご答弁願います。 

昨年6月に、教育委員会制度を見直し、首長権限を強化する改正地方教育行政法が成立、新年度から、教育長と教育委員長を一本化した「新教育長」を置くほか、教育方針を市長・教育長・教育委員で話し合う「総合教育会議」を設置し、市長が招集することになりました。戦前、学校教育が戦争推進に果たした役割は極めて大きく、その反省により、戦後、新しい憲法のもと、教育と政治は明確に分離されました。教育委員会は、市長部局から独立し、首長の考えによって教育内容が偏ったり、ころころ変わることを防いできました。

教育委員会は、責任をもって教育行政を検討し、その結果に基づいて市長に予算要求することを原則とし、市長は、教育委員会の要求を尊重しなければなりませんでした。いま、安倍政権は憲法改正まで視野に入れており、日本を戦争する国にしようとしている危険な状況です。教育委員長という役職が廃止され、新しく、「総合教育会議」が設置され、首長が、教育内容に踏み込んで行ける体制に変えられました。あわせて、現在、尼崎市の教育課題では、耐震化、エアコン設置、中学校給食実施、それに学力向上対策などが、特に急がれる課題であり、これに、教育委員会と市が連携して、取り組むことを市民が強く願っていることには、疑いありません。

 そこで、市長にお尋ねします。

教育委員会が設置されることになった歴史的経過を踏まえ、従来通り、教育のあり方については、「政治的中立性の確保」、「方針の継続性・安定性の確保」、「地域の人たちの参加で住民の意向を反映」するという教育におる3大原則をしっかりと守ることを市長に強く求めるものですが、答弁願います。

次に中学校給食実施についてお尋ねします。

来年度予算には、中学校給食準備事業費として、26万1000円が計上されています。検討委員会を立ち上げる予算です。

 お尋ねします。

まず、検討委員会のメンバーには、食の専門家および市民の代表は必ず、入れるべきと考えます。メンバー構成についての基本的な考え方を示してください。

自校方式、センター方式、弁当方式のそれぞれについての長短を保護者市民にわかりやすく示し、市民の意見聴取やアンケートなどの実施が必要と考えますが、いかがですか。給食の開始時期はおおむねいつごろと考えられますか。答弁願います。

 市民が元気に暮らせる街にと強く思っています。市民の暮らしやすさ、生きやすさにかかわる社会保障制度を中心に順次、質問します。安倍政権のもと、社会保障制度が大きく変えられようとしています。国民皆保険・皆年金の達成から半世紀が過ぎ、少子高齢化、貧困・格差の問題など、時代の要請に合ったものに変える必要があり、社会保障制度の改革とともに、財政健全化を同時に達成するために、「社会保障と税の一体改革」が必要だとし、「自己責任論」を前面にして、「給付抑制」と「負担増」を柱とする「社会保障と税の一体改革」が計画されています。座視することはできません。

憲法第25条は、社会保障制度の理念を定め、国民の権利であることを明確に定めています。社会保障制度の充実に努めるのが、国や自治体の責務です。私は、誰もがこの社会保障制度の恩恵によくすることができるように、経済の発展と富の偏在つまり、格差の拡大を是正する政治の見直しが求められなければならないと考えます。

順次、市長に質問いたします。

 先ず国民健康保険制度についてです。

社会保険とは比較にならないほど問題の多いのが国民健康保険制度です。まず、高すぎる国保料ゆえに、滞納し、まともに保険で医療を受けられない資格証明書についてお尋ねします。

2000年から国民健康保険料の滞納世帯には、資格証明書を発行すると法改正が行われました。資格証は国保証ではありません。受診後、医療費は100%支払い、保険料納付後に、保険負担分の返還を受け、その返還分は、直ちに滞納保険料として納付を求めるとのことです。「資格証で、受診した人がどれぐらいいるのか」と国保課に実態を聞いたところ、把握できない」との回答でした。資格証を交付されている世帯は、所得に対する保険料の割合が、10%以上20%未満の世帯と所得なし世帯で77%を占めており、世帯主の年齢構成が、30歳~50歳代の世帯が78%を占めています。これは、比較的所得そのものが低く、家族数が複数の世帯ではないかと推察されます。最近、国保の窓口対応がきわめて厳しくなっています。聞く耳を持たす、有無をも言わせない強権的な対応です。「滞納するのはあなたが悪い、高くても、払ってくれている人がいる。平等でなければならない。滞納額を減らせるように、最低でも、これぐらいずつ払ってもらわなければ、保険証は渡せない」こんな対応を市民から聞いています。私も担当幹部から「払ってくれている人との不平等」と言う言葉を何度も聞いています。同じ所得であっても、それぞれの家庭が同じ状況ではありません。平等と言う言葉で、市民を苦しめることの異常さに気づいていないことが大きな問題です。払えないことを責めるよりも、払える国保料でなければならないのです。1984年に、国保会計に占める国庫支出金の割合を49.8%から退職者医療制度の実施に合わせて、24.3%まで削減しました。国の負担を引き上げるように求めてほしいとの質問に対して、当時の国保担当局長は、「国庫負担率の引き下げ分は、診療報酬支払基金からの繰り入れで賄われているから、国庫支出金の負担割合を増やすよう国に求めることはしない」と答弁されました。私は、実際に各年度の国保会計の決算から、退職者医療制度のための診療報酬支払基金から入っている額とさまざまな名目の国庫負担の総額を比較し、国庫負担の総額の削減幅が大きいことを明らかにしました。国庫の削減により、市の国保財政が圧迫され、被保険者である市民が場合によって所得の20%以上もの保険料を払わなければならなくなっているのです。私は、国保料の計算の仕方の基本を知らないわけではありませんし、市も、一定の努力をしていることも承知しています。そして、国保課職員は、与えられた職務を忠実にこなしているだけだということも理解しています。しかし、あまりにも窓口での強烈な対応は、滞納者に、「生活やっていけないから、保険証はいらない。病気になったら、その時に考える」と言わせてしまい、払う意欲と国保と市役所に対する信頼をなくさせているのです。職員のそのような言動を是正させる幹部職員の責任そこ問われます。

 お尋ねします。

滞納する市民の実態をよく聞き、払えるように丁寧な指導をすることが必要だと思います。滞納世帯の納付意欲をなくさせることは、国保課の敗北ではありませんか。

 国保課からいただいた資料によれば、資格証から、短期保険証の交付を受けた世帯が概ね1割弱です。資格証世帯に対する取り組みをどのようにしているのか、答弁願います。

 医療機関への受診が必要になり、窓口に来ても、滞納保険料を納付できない場合は、どのような対応をしているのか答弁願います。

 次に、国民健康保険制度の広域化についてお尋ねします。 

国民健康保険制度により、誰もが保険で医療を受けることができ、世界でもトップレベルの長寿社会を築いてきました。しかし、現在、国保料の滞納により、保険証が手元にない人、また、その実態は把握されていませんが、加入の手続きをしていない無保険の人も少なからずおられます。国民健康保険制度については、2018年度から都道府県単位化すると決められています。国保については、これまでも繰り返し質問してきましたが、市民が最も願っているのは、高すぎる保険料の引き下げです。国保料を引き下げるためには、保険料以外で賄う部分、つまり、公費負担割合の引き上げ、医療費支出の削減と収納率の向上以外にありません。尼崎市財政から、現在、約6億円を繰り入れています。東京都は、日本で最も国保料が安くなっていますが、日本一、多額の繰り入れを行っているからです。広域化では、市町村が、保険料軽減のために行ってきた法定外繰り入れは、できなくなり、国保料が高くなる恐れがあります。高すぎる国保料の改善にはならないのではと危惧しています。尼崎市の国保料の所得割料率も均等割り額も現在、阪神間では最も高く、同じ所得、同じ世帯数では最も高い国保料です。2013年度の収納率は87.4%で、市は、これを広域化までに91%まで引き上げるとしています。厚労省は2011年10月~今年2月12日までに広域化をにらんで、「国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議」略して「国保基盤強化協議会」を5回開いており、第1回目の協議会で、厚生労働省の担当者は、国保の現状について、❖年齢構成では、65歳~74歳の割合が健保では2.6%にたいして、国保では約3割と高く、❖一人当たり医療費は、健保組合では13.3万円に対して、国保では29万円と高いのですが、❖加入者の平均所得は、健保組合が195万円にたいして、国保では、91万円と低いという3点を報告し、その後の協議会で、市町村国保の構造的問題への対応、そして、国民健康保険制度の見直しについて議論しています。国保基盤安定化協議会は、昨年8月に、中間整理をまとめており、都道府県と市町村の役割分担のあり方などの改正案を通常国会に提出し、2018年度に都道府県単位化をスタートさせる予定です。おなじ都道府県内であっても市町の規模や受診環境に違いがあり、都道府県内で同一基準の保険料にするのは難しくなります。地方代表からは、財政基盤強化の具体策について、あくまで、国費の投入によって抜本的な財政基盤の強化を図るべきであり、新たな地方負担を前提とすべきでないとの強い意見も出されています。当然のことだと思います。都道府県が保険料の必要額を算出し、各市はその必要額を分賦金として都道府県に納め、市は分賦金を賄うに必要な保険料を被保険者から徴収することになるようです。

 お尋ねします。

稲村市長は、もともと、広域化で保険料が安くなるとして、賛成の立場を表明されていました。いまのところ、広域化するものの、都市部では、それぞれの市単位に使った医療費と年齢構成、所得によって、分賦金が定められるようですが、このような状況変化の中で広域化に対して、どのように思っておられますか。答弁願います。

 なぜ、広域化するのか、広域化により、国保加入者にどんなメリットが出ると考えられるのでしょうか。また、デメリットはないのでしょうか。答弁願います。

 現在、市は、独自に約6億円の繰入を行っています。

 広域化後は、県に分賦金を支払うことが市の最大の義務になります。この支払い義務のある、分担金から、少なくとも従来からの繰入金の6億円を差し引いた額を市民負担の保険料として徴収することは可能だと考えます。それによる事務上の弊害はないでしょう。広域化に乗じて、市民に対する負担軽減策を奪うことは、行うべきではありません。地方自治を重視する立場から、市の独自事業に対して、市の一般会計からの繰り入れを可能にするよう、強く求めるべきです。

 お尋ねします。

国保引き下げのために現在行っている約6億円の繰り入れを広域化後も行うことを強く求めます。ご答弁願います。

国保料引き下げのためなど、自治体独自の財政支援を可能にするよう、あらためて、国に求めてください。御答弁願います。

 本市の国保料の滞納額は、現在約61億円です。市民の暮らしの状況を考えると、この滞納の整理は、そう簡単にできるとは考えられません。広域化にさいして、この滞納額は、どういう扱いにするのでしょうか。答弁願います。

 また、鍼灸マッサージの助成、ヘルスアップ尼崎戦略事業費など、独自に実施している施策などについては、どうしようとしているのでしょうか。答弁願います。

次に介護保険制度についてお尋ねします。

尼崎の特養を運営している社会福祉法人が、介護職員を募集しても人が集まらず、こまっているとの話を聞きしました。仕事の大変さに比べ、賃金が低いのではと思っています。

このような状況の中、介護保険制度で、介護報酬の削減は大きな問題です。来年度は、過去最大規模の介護報酬2.27%の削減が計画されています。特別養護老人ホームでは、6%削減ですが、事務職員・理学療法士・作業療法士・給食調理士は加算なし、試算すれば、3割赤字が5割赤字になると現場は悲痛な声をあげています。削減する理由は、特別養護老人ホームの収支差率が約9%あり、社会福祉法人に多額の内部留保があるからとのことです。しかし、全国老人福祉施設協議会の調査では実際の収支差は4.3%。社会福祉法人は事業撤退が許されず、多額の借り入れも禁止されており、施設改修などのために、一定の資金を長期保有しておく必要があり、大企業の内部留保とわけが違います。285兆円もの内部留保をためこんでいる大企業に減税する一方で、特養の内部留保を問題にするなど、許せるものではありません。日本共産党は、介護報酬とは別枠で国費による介護労働者の賃金引き上げの仕組みをつくるべきだと考えます。

 お尋ねします。

尼崎市での特養待機者は何人ですか。介護現場での職員確保の実態を把握していますか。また、今後の特養建設計画はどうなっているのでしょうか。

人手の確保は必須の問題です。必要な人材確保の上からも、特養の介護報酬引き下げは、絶対に避けなければならないと考えます。特養の運営に支障をきたさないよう、市は、どのような努力をするつもりでしょうか。答弁を求めます。

 それに、自治体は、2017年度からの「地域包括ケアシステム」への取組を検討することになります。厚労省は、無資格者や元気な高齢者の力も借りて、と、ボランティア的な助け合いを重視しています。介護の必要な人に、必要な介護が十分保障されるのかが問われます。

厚生労働省は、介護保険法第4条で、国民は、「健康の保持増進」と「能力の維持向上」に努めるものとすると義務を強調し、個人の自助努力とさらに、家族・近隣で支え合うことを「自立支援・介護予防の理念・意識」とし、国民に、「自助努力」と「助け合い」を強いる方向を強めようとしています。そもそも、介護保険制度は、2000年度からスタートしました。老々介護などでの介護疲れから、心中事件や殺人事件が起こり、公的介護の必要性が叫ばれ、「家族介護」から「専門的な知識・能力を備えた社会的介護」にと介護保険制度が始まったことを忘れてはならないと考えます。

 お尋ねします。

国民に、「自助努力」と「助け合い」を強いる方向は、サービスの質の低下と安上がりの制度にということであり、介護における公的責任を弱めることになると考えますが、市長はいかがお考えですか。

 市民との対面の仕事である市民課窓口業務の民間委託化についてお尋ねします。

これまでも学校給食の調理業務の民間委託化についても、「偽装請負」と言う労働法制上の観点からも質問してきました。市民課の窓口業務の民間委託についても、同様の危惧があります。窓口業務を委託化すると、市民が請求する各種文書の発行申請書を受け取るのは、民間業者の職員です。発行申請書に基づき、コンピューター入力し、必要な文書を打ち出し、手数料と交換に文書を渡すことになります。一連の作業の中で、受付の民間職員が直接、入力業務の市職員に依頼することは、偽装請負になると思われます。

 お尋ねします。偽装請負を防ぐために、どのような体制にするのか答弁願います。

これで、第2問目を終わります。

第3回登壇

私は、主権在民、戦争放棄、社会保障制度の充実、生存権尊重などを明記した現行憲法を否定する安倍政権にたいして、強い危機感を抱いています。私たちの命を守るためには、武器も爆弾も銃もいりません。最も有効なのが現行憲法を守り通すことだと確信しています。徹底して現行憲法の精神を現実の外交、そして、国政・県政・市政にいかしきることを今ほど大切にと思うことはありません。その思いを込めて、代表質疑をしてまいりました。残余の問題は、分科会、総括質疑で会派議員が質してまいります。これで、私のすべての質疑を終わります。

3月議会の本会議、予算委員会です、傍聴をお願いします

3月4日(水)午前10時より 本会議 代表質疑

       共産党は4日15時頃から松村議員が代表質疑をします

  5日(木)午前10時より 本会議 代表質疑

  6日(金)午前10時より 予算特別委員会(分科会)

  9日(月)午前10時より 予算特別委員会(分科会)

  10日(火)午前10時より 予算特別委員会(分科会)

  13日(金)午前10時より 予算特別委員会 分科会報告

  16日(月)午前10時より 予算特別委員会総括質疑

      共産党は16日15時頃から17日に真崎、松沢、川崎議員が行いまます

  17日(火)午前10時より 予算特別委員会総括質疑

  18日(水)午前10時より 予算特別委員会総括質疑

  20日(金)午前10時より 予算特別委員会 意見表明

  24日(火)午前10時30分より 本会議 委員長報告 採決など

3月議会本会議での徳田議員の反対討論です

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 日本共産党議員団の徳田稔です。日本共産党議員団を代表して、議案第35号、37号、41号、45号、48号、74号の6議案について反対討論を行います。

 尼崎市職員定数条例の一部を改正する条例についてです。市民への対応は職員を十分配置して丁寧な対応が求められます。今回の職員定数増減について、総合センターの執行の見直し30人減、生活保護業務などへの対応15人増、空き家対策推進事業への対応3人増などは必要ですので賛成です。しかし保育所民間移菅による30人減、強圧的な徴税強化につながる恐れのある市税収入率の向上に係る対応の4人増、マイナンバー法に伴う社会保障・税番号制度等への対応の10人増は必要がないと考えます。よってこの条例改正は反対です。

 尼崎市職員の公益法人等への派遣等に関する条例の一部を改正する条例では、尼崎人権啓発協会へ職員の派遣を行うものです。人権啓発協会への職員派遣の目的は、協会の役割を高め、事業の拡大や安定的、継続的に事業を行っていくための組織、事務局基盤の確立を行うためであるとされています。そのため市が人権啓発事業の一部を委託するために、職員の派遣を行うものであるとなっています。人権啓発協会の体制基盤の強化は、職員を派遣してまで事業を委託して行うのではなく、市の指導を強め協会自らの内部努力で体制を確立していくべきで、職員を派遣して行うべきではありません。よって本条例改正には賛成できません。

 尼崎市有地等活用事業選定委員会条例については、今後、学校など市有財産を売却のための事業者選定を行う委員会です。現在、市は積極的に、公共施設の統廃合をすすめています。公共施設の統廃合は市民サービスの低下を招いていきます。この事業者選定委員会は当面、東高校の跡地活用について行うとなっています。この東高校跡地の活用については、まだ住民合意が得られていません。このような中、この委員会設置によって、市民の意見が無視されたままに、市の所有する土地建物の売り払いが行われる恐れがあります。この事業者選定委員会設置は時期尚早であると考えます。よって本条例案に反対します。

 「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理等に関する条例」ならびに「尼崎教育委員会教育長の職務に専念する義務の免除に関する条例について」です。政府は、教育委員会制度を変えるための法律を成立させ、2015年4月1日から施行するとしています。その内容は一言で言えば、今の教育委員会には問題があるからと、政治権力が教育を支配しようとするものです。教育の政治的中立はまもらなければなりません。政治が教育に果たすべき責任は、条件整備などによって教育の営みを支えることです。政治が教育内容に介入し、教育をゆがめることは絶対あってはならないことです。教育委員会が教育の自由、自主性を守る本来の役割を果たすことが大切です。この様な教育の政治的中立を侵す恐れのある法改正にともなう本条例案には賛成できません。

 一般会計補正予算(8号)には、マイナンバー法による事業費関連予算が入っています。マイナンバー法は、これまで市町村が管理していた個人情報を、番号をひとつにして一元化し、情報収集を容易にするシステム化で、国が国民の選別、排除、監視をするために使われる危険性があります。このシステムの初期投資額は3000億円とされる巨額でありますが、具体的な費用対効果やメリットも示されず、国民への新たな税負担となっています。情報漏えいや成り済まし犯罪対策として様々な対策が講じられていますが、完全に防ぐことが現状では不可能です。また多くの国民は制度を知らない中で、今国会に預金へ拡大する法案が提出されます。そして今後、民間への適用も考えられている中で、憲法が保障する基本的人権の侵害にも直結しかねない重大な問題が含まれています。よってマイナンバー法に関する歳入、歳出が入っている補正予算(8号)は反対します。

 以上で反対討論を終わります。ご賛同いただきますようよろしくお願い致します。

2月議会 常任委員会が開かれます、傍聴をお願いします

2月24日(火)午前10時より 健康福祉委員会       川崎敏美議員 松沢千鶴議員

                       建設企業委員会    辻おさむ議員

  25日(水)午前10時より 経済環境市民委員会 松村ヤス子議員

                                              文教委員会      真崎一子議員

  26日(木)午前10時より 総務消防委員会     田村征雄議員 徳田みのる議員

稲村市長の平成27年度施政方針です

  ひと咲きまち咲きあまがさき~次の100年へつなぎ、確かな未来へ~

(平成27年度施政方針)

【目次】

はじめに

財政状況と平成27年度予算

施策評価と4つの重点化方向.

重点取組1教育

重点取組2子育て

重点取組3就労や自立の支援

重点取組4安全・安心

総合計画ありたいまちに基づく主な取組

市制100周年に向けて

むすびに 

 第10回市議会定例会の開会にあたり、平成27年度の市政運営に対する所信を申し上げ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解、ご賛同を賜りたいと存じます。

(はじめに)

 昨年11月、市民の皆様から信任をいただき、引き続き市長として尼崎市攻の舵取りを担うことになりました。尼崎市は、25年度から「ひと咲きまち咲きあまがさき」をキャヅチフレーズとする「尼崎市総合計画」と、行財政改革計画「あまがさき『未来へっなぐ』プロジェクト」を進めています。従来の歳出規模の抑制に重きを置いた「量の改革」から、都市の体質転換を図り、ありたいまちを目指す「質の改革」へと軸足を移し、改革の第2ステージとして、取組を進めています。尼崎の未来を見据え、ここが正念場だという思いを強くするとともに・市制100周年という大きな節目を含む重要な時期の市政運営を託された責任の大きさに、身の引き締まる思いです。tまた.’本年は、私にとって自治を学ぶ原点となりました阪神・淡路大震災から20年という節目の年でもあります。初心を忘れず、気持ち新たに、全力を尽くしてまいります。

(財政状況と平成27年度予算)

 27年度の本市の税収は、個人市民税、法人市民税ともに増加を見込むものの、固定資産税の評価替えなどの影響が大きく、市税全体では、0.3%の減と見込んでいます。また、5%から8%への消費税率引き上げにより、地方消費税交付金が増加する一方で、地方交付税は減額を見込むなど、本市が自由に使える一般財源の総額は、昨年度より減少しています。歳出面では、扶助費や公債費が引き続き高い水準で推移するなか、学校施設の耐震化などに多額の事業費を要しており、昨年度と比べ、約87億円増加しています。27年度予算は、一般会計で、2,085億4,000万円となりました。これは平成11年度以来16年ぶりに2,000億円を超える予算規模となります。また、特別会計で、企業会計で386億1,200万円、合計で4,444億5,100万円を計上しています。経常的な経費の縮減、市税収入率の向上といった構・造改革による収支改善に取り組んでいるものの、なお解消しきれない実質的な収支不足が約52億円生じており、市債や基金の活用といった財源対策を打たざるを得ない状況です。

(施策評価と4つの重点化方向)

 このように、好転の兆しが見えにくい財政状況のなかにあっても、着実に都市の体質転換とありたいまちを目指していくため、27年度の予算編成にあたっては、初めて「施策評価」を導入しました。まず、総合計画に基づく20の施策に対し、市民意識や指標の達成度を把握し、取組の効果、進捗などを点検する、いわゆる決算査定を行いました。そして、この評価結果を次年度の予算に反映させるという、市政のP(計画)D(実行)C(評価)A(改善)のサイクルを強く意識し、施策評価を通じて重点化すべきと判断した施策、また、事業転換が必要と判断した施策を中心に、新規政策の立案や事務事業の改善の議論を進めてきました。同時に、施策ごとに一定の予算枠を設定し、各局の自主性を基本とする、事業の再構築を積極的に進めました。その結果、27年度は、総合計画のありたいまちを目指す各施策の進捗を踏まえっっ、特に、子育て世代の定住・転入の促進を図るため、市民意識調査において重要度が高く満足度の低い、次の4項目に予算や職員定数を重点的に配分します。

 第1は「子どもたちの学びへの取組と安全で学びやすい学校の環境づくり」、第2は「子ども子育て支援新制度の関連施策をはじめとする子育て支援策の充実」、第3は「安定した生活を送るための就労や自立の支援」、第4は「自転車対策や老朽危険空き家、街頭犯罪への対策など安全・安心を実感できるまちづくり」です。それでは、重点化する4つの分野ごとに主な取組をご説明申し上げます。

(重点取組1教育)

 27年度の重点取組の 1つ目は、「子どもたちの学びへの取組と安全で学びやすい学校の環境づくり」です。一人ひとりの成長と活躍を支援する「ひと咲きまち咲きあまがさき」の総合計画、子育て世代の定住・転入促進を目指す行革プロジェクト、双方において大変重要な位置を占めているのが、この教育の分野です。さらなる学力向上に向けた取組とともに、安全で学びやすい環境づくりを進めます。学校の空調整備や中学校給食について、市民の皆様や市議会からも強い要望があり、昨年、私と教育長が現状や課題を直接説明し、情報を共有した上で、参加者同士が意見を交わす連続ワークショップを実施しました。これらの意見交換を踏まえ、空調未整備の小・中学校の35校に、29年度までの3年間で機器整備を進めることとします。まず耐震化工事中の学校を先行させ、次に中学校、小学校を計画しています。

 中学校給食については、導入を前提に、外部の有識者などを交え、具体的な手法などの検討を開始します。一なお、順次実施校を拡大している中学校弁当は、新たに6校を追加し、全ての中学校での実施となります。また、小学校給食室のドライ化は、新たに6校の整備を進め、統合や移転対象を除く全校で完了します。学校耐震化については、27年度、小・中学校18校、幼稚園4園での改築・改修によって、いよいよ最終段階を迎えます。また、学校の適正規模・適正配置については、・28年度の移転を目指す難波の梅小学校と啓明・大庄中学校の校舎整備やN’28年度統合を目指す若葉・西小学校と若草・小田南中学校の仮設校舎の設置を進めます。こうした学校環境の整備による市債の償還が本格化し、厳しい財政状況が続くことになりますが、充実した教育環境を活かし、子どもの生きる力や学力向上など、さらなる教育的成果につなげる取組も強化していきます。読書習慣が定着している児童・生徒ほど、知識を活用する問いへの正答率が高い傾向にあることが、全国学力・学習状況調査で明らかになりました。この結果を受け、全ての市立小学校に図書館司書や司書教諭資格者などを配置し、また、全ての市立中学校では地域ボランティアの方々のさらなる協力のもと、児童・生徒の読書への興味向上と読書習慣を育成じ、学力向上にっなげます。併せて、中央図書館ではブックオーナーズ制度を導入し、児童図書の充実に努めます。

 多彩な経験を持っ地域の人や企業による、小学生への土曜学習を支援するモデル事業や公民館の活動グループによる子どもや親子向けの公開講座の実施など、学校と地域との連携を進めます。学力向上クリエイト事業では、小中一貫型の学習カリキュラムの作成や外国語活動の実践研究など、各学校の特色ある教育活動への支援を強化します。さらに「グループで調べる・話しあう・考えを発表する」といった活用力や自主学習力を高めるため、タブレット型コンピューターを使った小集団学習の研究を進めます。タブレット端末については、全小学校のパソコン教室へ導入します。こうした教育カリキュラムの効果検証や、児童・生徒の学習面でのつまずきの早期発見と指導に活かすため、本市独自の学力・生活実態調査を国の調査対象外である小学4年生と5年生、及び中学1年生と2年生を対象に実施します。特別な支援を要する児童・生徒への対応については、特別支援員を増員するとともに、学校・園に有償ボランティアを配置し、一人ひとりの教育ニーズに応じた指導を充実します’。市立幼稚園について}ま、特設学級を6園から9園に拡大するなど、受入体制や相談機能を強化します。現在、西宮市田近野町にある尼崎養護学校については、長年にわたり市内への移転を望む声がありました。通学面の負担軽減や、良好な教育環境を整えるため、旧梅香小学校敷地への移転に向けた新築校舎の設計を行います。こうした基本的な取組に加え、寄付を主な原資とする教育振興基金をもとに、市民の皆様と尼崎の教育を振興する機運を高める具体的な取組の検討を進めます。また、本市の教育振興の方針や重点的に構ずるべき施策、いじめ対策などの首長と教育委員会の連携の強化や、迅速な危機管理体制を構築するための総合教育会議を設置します。

(重点取組2子育て)

 重点取組の2つ目は、「子ども子育て支援新制度の関連施策をはじめとする子育て支援策の充実」です。「子どもの育ち支援条例」の理念を踏まえ、本市独自の取組として策定した「就学前の子どもの教育・保育についての基本的な考え方」や、新制度の子ども・子育て支援事業計画に基づき、教育・保育の質の向上や保育の量の拡大などに取り組みます。この計画を進めるにあたっては、地区ごとの状況を適切に把握し、引き続き待機児童の解消に努めるとともに、多様化する保育ニーズに応え地域の子育て支援を充実するなど、国の進める新制度に的確に対応していきます。新たに保育施設を設置する事業者に対する補助について、27年度は、待機児童が多く保育需要見込みも高い地区での設置に向け、事業者の選定を進めます。、また、老朽化した法人保育園の増改築や大規模改修に対する補助制度の予算額を増額します。

 市立幼稚園では、教育委員会内に新たに指導主事を配置し、幼小連携や発達専門機能の強化、家庭教育支援を行うほか、一時預かり保育、遊戯室への空調整備など、幼稚園教育振興プログラムで掲げた取組を前倒しで実施します。留守家庭児童を対象とする児童ホームについては、塚口と金楽寺児童ホームの増ぜつに加え、新たに児童ホームを群する民間事業者に対する運営費補助制度を創設し、待機児童の解消に努めます。つどいの広場については、利用者との身近な会話や相談を通じ、スタッフが助言や援助を行い適切に支援窓口へ誘導する力を高めるための研修を行います。子育てに関連する分野は、保健や医療、教育、労働、都市基盤など幅広く、子どもを生み育てやすいまちづくりの実現に向け、総合的な取組が必要です。オール尼崎で子育てを応援する「次世代育成支援計画」の次期計画を策定します。

(重点取組3就労や自立の支援)

 重点取組の3つ目は、「安定した生活を送るための就労や自立の支援」です。これまで、生活保護受給者や急な離職で生活の糧を失う恐れのある方への就労支援、さらに企業活動の下支えを意識した一般的な就労支援を実施してきました。しかし、これら支援策との連携や、本市独自の取組という点において、十分に踏み込めていないと認識しています。特に今、社会とのかかわりや他者とのコミュニケーションに課題を抱え、生活が不安定な状況にあるなど、個々の状況やニーズに応じ多様な視点での対応が求められています。生活保護に至っていない生活困窮者への「第2のセーフティネット」を拡充する国の方針や、本市の状況を勘案しつつ、包括的な支援体制を構築しなければなりません。

 27年度は生活困窮者の早期把握と自立支援のために自立相談支援窓口を設置します。この窓口を通じて、生活困窮者が抱える様々な課題に対応し、支援計画を策定するとともに、各種支援が包括的に行われるよう関係機関との連絡調整などを行います。さらに一般就労に従事するための準備として、同じ境遇の当事者同士による体験型グループワークや職業体験の場の提供、就労意欲の高揚を目指すセミナーを行うなど、自立に向けた支援を強化します。併せて、子どもの貧困の連鎖を防止する取組も強化します。生活保護世帯の子ども向け補助学習支援や体験学習については、その対象を生活困窮世帯へ拡充し、実施箇所を2箇所から3箇所に増やします。これら就労や自立に向けた施策の推進には、庁内はもちろん、各団体と強く連携するなど厚みのある取組が重要です。27年度は職員を増員し、具体的施策の立案や取組を加速させていきます。

(重点取組4安全・安心)

 重点取組の4つ目は、「自転車対策や老朽危険空き家、街頭犯罪への’対策など安全・安心を実感できるまちづくり」です。これらの課題は、本市のイメージ、また、市民にとっての暮らしやすさの実感を左右する課題であり、さらなる取組を進めます。27年4月から本格的に、市内全駅で民間事業者による自転車駐輪場の管理、誘導啓発、撤去、保管返還の一体的な運営を開始します。不足している駐輪場について、民間活力でのさらなる整備を促すため、1台あたりの補助金額を増額するなど補助総額を拡大します。駅周辺の駐輪マナー向上について、駐輪マップの更新;ポスターの作成、レンタサイクルのPRといった取組を拡充します。自転車専用レーンについて、JR尼崎駅南側の長洲久々知線に整備するなど、引き続き取組を進めます。また、自転車の交通安全教育について、小学校区ごとの事故マップを作成し、児童や保護者に配布するなど意識の向上を図ります。併せて、環境に優しく健康にも良い、自転車で移動しやすい本市の強みを活かすまちづくりを目指し、庁内横断プロジェクトチームを立ち上げ、総合的な自転車政策の検討を進めます。空き家対策にっいては、27年度に施行予定の条例や国の特別措置法に基づき、体制を強化し取組を進めます。警察や地域、行政との一体的な取組により効果が出てきているひったくりなど街頭犯罪の防止については、認知件数をさらに減少させるため、可動式防犯カメラを導入します。また、県の防犯カメラ設置補助を受けた地域団体に上乗せ補助を行うなど、効果的な取組を進めます。犯罪被害者への支援について、27年度に施行予定の条例に基づき、被害者の権利利益の保護のため、見舞金の支給など被害者に寄り添った取組を行います。

(総合計画ありたいまちに基づく主な取組)

 以上、重点化して取り組む事業についてご説明いたしました。その他、法改正や喫緊の課題に対応する事業、ありたいまちを目指し着実に取組を進めるべき事業といたしましては、人の育ちと活動を支援する取組として、・旧梅香小学校敷地に建設予定の中央公民館と多目的ホールの複合施設の設計・終戦から70年の節目として開催する平和の祭典・婚姻歴のないひとり親の子育てサービス利用料などに係る負担の公平化を図るための、寡婦(夫)控除のみなし適用などに取り組みます。市民の健康と就労を支援する取組として、

・健診の受診や健康行動を促進する「健康ポイント制度」の導入

・地域包括支援センターの機能強化や認知症施策の充実をはじめとする、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組

・県立総合医療センターのオープンにあわせ、午前0時以降の小児救急対応を、急病診療所から医療センターへ移管し、電話相談窓口を開設する

などの取組を進めます。

産業活力とまちの魅力を高める取組として、

・空き店舗率70%以上の市場

・商店街などが行う防火・防犯対策や老朽化したアーケード撤去などへの支援

・まちの魅力を発信するサミット第3弾となる全国工場夜景サミットの開催、

・観光などの案内機能を持つ「あまらぶインフォメーシヨン」のJR尼崎駅構内への開設

・本市の文化行政の指針となる文化振興ビジョンの策定などに取り組みます。

まちの持続可能性を高める取組として、

・環境モデル都市実現に向けた、スマートコミュニティの構築や燃料電池自動車の導入支援

・市営バス事業の民間移譲に向けたICカードシステム導入の支援

・武庫川河川敷緑地の適正利用に向け、近隣住民からの苦情が多いバーベキュー利用のあり方を検証する社会実験などに取り組みます。

(市制100周年に向けて)

 さて、いよいよ市制100周年まであと1年を切りました。私は、この100周年を本市が市民自治のまちとして飛躍する契機にしたいと考えています。日々、健康で安全・安心に暮らしていくためには、一人ひとりが問題意識や課題を共有すること、そして、その解決に向けて市民や事業者、行政が協力してできることを探り、実践することが求められる時代になりました。暮らしのなかの課題とは案外身近なもので、ゴミや騒音、医療や介護・マナーなど・その対処を税だけに頼れば市民の皆様の負担は増える一方です。一人ひとりが課題の本質を学び、少し意識を高めて暮らしを変える、ルールを守る、社会的な課題を解決するための事業に挑戦する、もちろん行政の職員力も高めていく。このような力を育むための取組がますます重要になっています。そこで、市民の主体的な学習や実践を支援し、学びを通じて地域を支える人材の創出を目的とする「まち大学あまがさき」の28年度開校を目指します。27年度は学びの場や内容を紹介するウェブサイトの開設などに取り組みます。現在進行中の「尼崎らしいまちづくりのルールを考える市民懇話会」やタウンミーティングでの意見を踏まえ、28年度の自治基本条例の制定を目指し、さらに取組を進めます。また、この2月に、尼崎商工会議所と尼崎信用金庫、本市の3者で締結した創業支援に関する連携協定を活かし、社会的課題の解決を目指す本市での創業者への支援を含め、市内経済団体と連携した取組を進めます。市民全体の活動を支える場のひとっとして、聖トマス大学跡地の活用についても、具体的な検討を進めます。100年の歴史を振り返るにあたり、本市発祥の地である城内地区を抜きには語れません。開明庁舎、文化財収蔵庫、旧尼崎警察署など歴史的建築物が集積するこの地区を、本市の歴史・文化発信の舞台にしていくため、27年度は、これら建築物を活用した音楽祭を開催します。

 さらに、記念事業の検討、新尼崎市史の編集などを進めるとともに、一みんなで100周年を作り上げていくといった想いを持っていただくための参加型事業として、ワークショップや魅力あふれるCMの募集、新聞やすごろくづくりなどの取組を進めます。また、市民・事業者の皆様への機運を醸成しでいくため、市内各地において様々な事業のPRに取り組みます。市制100周年のキャッチフレーズは[100周年知れば知るほど“あまがすき”vjです。地域への愛着と誇り、すなわちシビックプライドを高める取組を重ねながら、尼崎の未来を見据え、次の100年に向けたまちづくりを進めます。

(むすびに)

 一昨年末、国においてまち・ひと・しごと創生法が成立しました。2060年に1億人程度の人口を確保するという中長期ビジョンど、東京一極集中を是正し、地方での安定した雇用の創出や、新しい人の流れづくり、若い世代の結婚・出産・育児をしやすい地域づくりなどを柱とする総合戦略が示されました。この流れを受け、昨年末に設置した丁ひと咲きまち咲きあまがさき創生本部」において、総合計画を軸に尼崎版まち・’ひと・しごと総合戦略を策定します。本市の人口は、昭和46年をピークに、以後長期的に減少が続いてきました。都市の体質転換を図るため、子育て世代の定住,・転入の促進にカを入れている本市にとって、今回の国の動きを、魅力あるまちづくりを加速させるチャンスにしたいと考えています。

 本市が他都市に先んじて直面している都市部での人口減少や高齢化、公共施設の老朽化といった課題に対し、先んじて解決を図る「課題解決先進都市」を目指して、主体的に地域や社会に参画し行動する人があふれる尼崎の未来予想図をお示しできるよう、一層の取組を進めます。ひと咲きまち咲きの「咲」という字には「わらう」という意味があります。人が咲き、まちが咲き、より良い“あまがさき”が咲き誇る未来の姿を思い描き、尼崎にかかわる全ての人の笑顔があふれるまちを目指します。

 以上、平成27年度予算案を提案するにあたりまして、私の市政に対する所信の一端と主な施策にっいてご説明いたしました。どうぞ、議員の皆様、市民の皆様、引き続き、ご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

2月市議会本会議での辻おさむ議員の質疑

 予算審議に先立つ常任委員会付託分の、議案第19号平成26年度補正予算(7号)および、議案第43号尼崎市教育振興基金条例について、質疑します。同基金条例は、本市における教育振興をはかるため、尼崎市教育振興基金を新たにつくるものであり、補正予算第7号は、競艇場からの収益を原資に「教育振興基金」に2億円を積み立てるものです。当局の説明では、来年度は、この2億円を元金にした利息分と、ふるさと納税分を加えて、ソフト事業に活用するということでした。ハードには、使わないということです。もとより、競艇場からの収益金は、かつて年間100億円あった時代もあり、その使途については、歴代市長の政治姿勢を表すものとして、重視されてきました。これまで学校プールの建設をはじめ、野草市長は、主に下水道建設をすすめ、六島市長・宮田市長は、都市整備事業につぎ込んできました。白井市長は財政規律を重視しながら、公共施設整備基金などに活用してきました。いつれも、ハード事業であり、ソフト事業には使ってきませんでした。これまで、たびたび議会で取り上げられてきました。

 平成21年9月議会の本会議で、波多正文議員が質問しておられます。当時は白井市長の時代で、収益が98%も激減し、収益が公共施設の積立金として充当されている時でした。波多議員の質問は、「センタープールの収益は、以前の市長のとき、すべて投資的経費に充当するとされていました」としたうえで、「競艇事業から生み出されている収益の活用方法、投資的事業の財源など、以前と比べて何をどのように変えたのか、十分機能しているのかなども含め、わかりやすく」説明をもとめたのに対し、当時、企画財政局長だった岩田副市長は、「競艇事業収入につきましては、従前から主に一般会計に組み入れ、教育施設や下水道事業などの投資的事業を中心に充当してまいりました。また、現在では、平成18年度からの尼崎市競艇事業緊急経営改善計画に基づく競艇場施設整備等基金への積み立てを優先いたしまして、一定額につきましては、あまがさき行財政構造改革推進プランに基づきまして財政規律の確保、その使途の明確化を図る観点から、収支に組み入れず、公共施設整備基金に積み立てていくことを基本といたしております。また、その使途につきましては、学校施設の耐震化事業などに活用しているところでございます」と答弁したうえで、「いずれにいたしましても、収益事業収入の規模は大きく減少しておりますが、まちづくりのための財源であり、また使途の明確化の観点から予算計上方法の変更はいたしましたが、投資的経費に活用するといった考え方には変わりございません。」と明確に答えておられます。今回の教育振興基金は、ハードには使えず、ソフトのみに活用するとのことですが、これまでの答弁からすると180度の方針転換です。ソフトに活用するというのは、昭和27年の尼崎競艇場始まって以来、初めてのことではないかと思います。そこでお尋ねします。競艇場収入は、ソフト事業にも使えるのでしょうか。今回、方針を大転換したのは、なぜでしょうか。今後も、競艇場収入は、ソフト事業に活用できると理解していいのでしょうか。市長の考えをお聞かせください。

(企画財政局答弁)

 事業収入は、使途制限のない一般財源でありますので、ソフト事業への活用も可能ではありますが、本市におきましては、昭和30年代になされた競艇存廃議論等の経緯経過を踏まえ、主に収益事業収入を教育施設や下水道事業などの投資的経費に充当してまいりました。教育振興基金につきましては、本市の財政状況を踏まえ、一時的にその原資を収益事業収入に求めたものでありますので、今後も収益事業収入につきましては、投資的経費を中心に活用していく考えに変わりはなく、財政規律の確保、その使途の明確化を図る観点から、一旦公共施設整備基金に積み立てることとしております。