予算特別委員会総括質疑での川崎としみ議員の質問です

原発事故での受入問題OLYMPUS DIGITAL CAMERA
 市の地域防災計画の第3章では「原子力災害に備える 」として、以下の記述があります。『本市は、各原子力発電所よりUPZ圏外(半径30キロ圏外)の位置にあるが、原子力発電所の事故による被害状況については様々な要素が関係するため、実際の事故発生時には、事故の規模や気象条件、環境放射線モニタリング結果等を踏まえ、柔軟に対応する必要がある。このため、本市では、緊急時モニタリング活動への協力、情報伝達・広報活動、広域的避難者の受け入れ等に係る事項について検討する』。とあります。以下具体的な対応を計画しています。特に「広域的避難者の受け入れ体制の整備」については、「市は、原子力災害時に発生する広域避難者の受け入れ先となる避難場所の指定及び住民への周知、避難誘導等、受け入れ体制の構築の整備を図っていく。」としています。これらの対応は、原発が再稼働されればすぐにでも対処ができていなければならない課題です。
質問①お尋ねします。県や関西広域連合と協議するだけにとどまらず、これらの具体的な取り組みを急ぐ必要があり、大変な時間と労力、経費もかかると思われます。どのように具体化しようとしているのかお答ください。
 尼崎はわずか、直線距離で福井県の原発とは90キロしか離れていません。しかし被災された1万6千人の方にとっては避難地域としての90キロは大変遠いところです。この尼崎まで道路は渋滞、途中で放射能の検査もあり、本当に被災者の皆さんは、早期にここまでたどり着くことができるのでしょうか。代表質疑での原発に対する市長の答弁は、「原発は徐々になくしていきたい」ということでした。今、問題になっているのは再稼働の問題です。原子力規制員会の委員長でさえ審査基準をクリアーしても原発の安全性を保障するものではないと述べています。原発を動かさなければこのような防災計画、被災者の受け入れを行う必要性はありません。福島の事故は4年たっても収束していません、炉心には人間が近づくこともできず、事故の真相究明も行われていません。
質問②お尋ねします。廃炉への道筋も、放射性廃棄物の処理方法も安全に管理する術を人類はいまだに持ちあわせていません。危険な原発は再稼働させない、原発はすぐに廃炉をと自治体としての明確な声をあげていかなければならないと思いますが、市長の考えをお聞かせください。
 原子力規制委員会の再稼動のための審査には様々な問題点があります。地震、火山の噴火、津波の予知が本当にできるのか、福井県など原発が集中立地している所での同時多発事故についての対策、住民の避難計画があるかないかは審査の対象外とされている問題等々です。住民の命と暮らし、安全を守るために、原発の再稼働に反対し、原発にたよらない再生可能な自然エネルギー政策に転換することを求める自治体に尼崎が生まれ変わることを強く要望します。
内水の浸水対策
 一昨年8月25日の豪雨は、市内のあちこちで内水の浸水被害がおこりました。地域社会の防災力を強化するために、自治体がどのような役割をはたすべきかが問われています。この時の被害の教訓として、市民への災害時の対応や広報について周知徹底が不十分であり改善すべきだということがありました。また、地域コミュニティとの連携・共同で、地域環境の安全化と被害軽減活動能力向上を進めることも重要であるということがわかりました。尼崎市は過去に、工業用水として地下水をくみ上げたための深刻な地盤沈下、浸水対策として下水道事業がすすめられ日本一の普及率を誇っています。現在、市内には県所管のものもあわせて3つの下水処理場と11ヶ所のポンプ場で下水・雨水の処理排出を行っています。尼崎の雨水排除能力は現在、時間当たり46.8mmまで処理可能。今後の計画では雨水貯留管の整備やポンプ能力の増強を行うことで51.7mmまで能力アップできるとされています。しかし1昨年の降雨量は最大87mmでした。こうした対応策では、処理能力を超える降雨は、一時道路などに溢れ、低地への浸水被害をおこすことは避けようがありません。雨水排除の能力アップの方策として、山幹道路と尼宝線にかけて道路の地下に巨大な貯留管の建設計画があり、今年度の予算に設計予算が計上されています。
質問③お尋ねします。この計画の概要と、完成後の効果はどれだけのものになるのかという予測について、お答えください。
こうした計画が完成するまで、また完成しても内水の浸水対策の課題は完全に解決されないでしょう。JRより北側の立花地域の内水の浸水対策について、住民の皆さんが昨年10月に市に出前講座を要請し、様々な意見が出されました。この地域では長い間、浸水対策がいっこうに進まない、同じ尼崎の市民でありながら、大雨や台風にあうたび不安で安心して暮らせない、なんとか対策が講じられないか。また過去には市から若松公園の地下に貯留槽をつくるとの計画も出て期待していたが、いつの間にか話が立ち消えになっているとの話も出されました。
質問④お尋ねします。過去に若松公園の地下に貯留槽をつくるという計画はあったのですか。それが建設されなかった理由として、出前講座での担当者の説明は「将来、公園は市が売り払う可能性があるので、貯留槽はつくらない」というもので、このことは本当のことでしょうか。
 地域住民の安全対策よりも、土地を売り払うことを優先するのか、そんな冷たい市政であってはなりません。立花地域は、JR以北の東部からの内水、また伊丹方面から流れ込んでくる内水が押し寄せてくる低地帯です。JRがあるために西側にしか水を排出することができません。地理的に浸水被害から逃れられない地域となっており、恒常的・日常的な対策が求められるところです。
質問⑤内水対策について、ハード面だけでなく、今後は地域住民と連携・共同したソフト的な対策も必要です。市としての情報提供はもちろんのこと、住民と一緒になって様々な対策、具体的に住民の自主的な取り組みをサポートすることが必要だと思います。市としてどのような対策ができるのかお答えください。
市内の踏切対策について
 市が昨年JRから踏切事故をなくす対策を求められ、昨年3月、市は踏切の安全対策として、七松線をはさんで、西側の七ツ松踏切と東側の三反田踏切について『2014年の春から夏にかけて、試験的に自動車のみの通行止めをしてその影響を調査するための社会実験』を行いたいと、踏切周辺の3つの連協(町会)にアンケートを依頼しました。市は配布した文書の中で、今後の踏切の安全対策については、当面『2つの踏切の車の通行を止めて、重大な踏切事故の撲滅をめざしたい』、さらに『車の通行止めを実施後、二つの踏切の歩行者と自転車の立体交差化を行い、踏切を廃止したい』としています。周辺の住民にとっては生活が大きく変わる大問題です。今後の具体的計画、費用負担の問題等不明な点がたくさんありました。そこで市に昨年5月27日、住民説明会をJRと市道路維持課も入って尾浜庁舎で開いてもらいました。そのなかで、明らかになったことは
踏切事故の発生件数は2013年度年間、七ツ松踏切45件、三反田踏切10件起こっており大変危険な状態である。社会実験は、 七ツ松、東七松、三反田の 3 踏切の自動車の流れ、交通量調査、地域への影響をみて事故防止対策を考えるというものであるが、アンケート調査が進んでいない等の理由で、夏までの実施が 10 月中旬へ延期となる見通し。市が考える最終的な解決策である立体交差(人、自転車だけが通る地下トンネル) は、1カ所につき約10数億円を超える費用面から、建設の実施時期のめどは立てられない。また費用負担は市独自の予算で行うとのこと。2車線の七松線の踏切については、 対策から外れ立体交差等は考えていない。その後、昨年はついに踏切の調査は行われていません。

質問⑥お尋ねします。調査が何故行われていないのか、この間の経緯についてお知らせください。

 子ども子育て支援新制度について
 次に子ども子育て新制度の実施に関連した質問に移りますが、その前に一点だけ質問します。条例を作成する際、規則や要綱で定めるといったケースが多々ありますが、実際にこれを定める時期が明確化されていません。条例の施行日直前にしか間に合わないといったことが出てきています。条例制定の技術的な問題、環境整備が整っていないなどの条件があるためだと思います。公立保育所の民間移管の日を決める規則や、子ども子育て支援制度に係るもので児童ホームの規則等、他にもほとんどの条例で規則や要綱で、細目については定めることが多く見受けられます。これらの制定には一定のルールが必要なのではないでしょうか。最近では、立花南保育所の移管日が平成28年度以降とだけしか報告されていなかったにもかかわらず、いつの間にか今年2月に選定委員会が立ちあげられていた問題があります。市民にやさしい行政を行っていく上で、行政計画が具体的に示されない、施行の直前で規定が変更されるかもしれないといった不安を市民に与えてはいけないのではないでしょうか。
質問⑦お尋ねします。これら条例の規則、要綱を策定する時期について一定の縛り、内規的なルールを定める必要はないのでしょうか?
 新年度より子ども・子育て支援新制度の地域子育て支援事業として、放課後児童健全育成事業が開始されます。この事業名は国では放課後児童クラブと呼ばれ、全国的には学童保育とよばれ、尼崎では留守家庭児童対策事業である児童ホームのことを指しています。一般の遊びをとおしての放課後対策事業である、子どもクラブとは全く異なる制度です。
質問⑧お尋ねします。新年度より児童ホームの土曜日開所を実施予定とお聞きしています。どのような体制で行おうとしているのか、お答えください。
 本市の子ども子育て審議会の答申では、児童ホームについて、「保育所を利用する家庭が就学後、引き続き利用できるよう、親の就労日での保育を確保する観点や、子どもの成育上の観点、また子育てと仕事の両立を支援する観点からも、保育所と同様に土曜日の開所も努めるべき」と答申しています。
質問⑨お尋ねします。土曜日開所の職員の体制はどうするつもりでしょうか?
 土曜日の開所時間は9時と聞いています。学校の休業日の児童ホームの開所時間は8時30分です。どうして違いがあるのでしょう。また土曜日出勤した児童ホームの指導員は、就業時間が規制されているため、平日に休み、そのための代替え要員は子どもクラブから派遣するとされています。
質問⑩お尋ねします。子どもクラブと児童ホームの運営が混然一体とすることは問題ではないでしょうか。一線を画した運営に改めるべきと考えますが答弁を求めます。
 国の「社会保障審議会児童部会 放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告書」では、「放課後児童クラブの基本的な考え方」としてつぎのように述べています。『・放課後児童クラブは、児童福祉法に定めるとおり「授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る」ことを目的とする事業である。その事業の基準は、改正児童福祉法第34条の8の2に規定されるとおり、「児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な水準を確保するものでなければならない。」 また、放課後児童クラブは、これまで多様な形態により運営されてきているが、特に、保護者が昼間家庭にいない児童にとって、放課後に安心して過ごせる生活の場としての機能を重視して運営されている』としています。本市で行われている児童ホームはまさにこのような考え方の元に設置され、運営されてきたと考えます。『児童ホームは働く親をもつ子どもたちの毎日の生活の場ですから、健康や安全の管理など養護も含めた基本的な生活が保障され、あわせて子どもの成長段階に見合った適切な指導・援助が行われてはじめて、その役割を果たすことができます。』つまり子どもたちの遊びの場を提供する子どもクラブとは、運営上一線を画さなければなりませんし、資格を有した専門の指導員が適切に配置されなければなりません。児童ホームの子どもたちは学校からホームの部屋に入る時、「ただいま」と言い、指導員の先生も「おかえり」と言ってまるで我が家のように子どもたちを迎えています。まさに放課後のひとときの家、児童ホームは子どもたちにとって生活の場となっており大切な居場所なのです。
子どもクラブとごちゃ混ぜにして一体化させることは、保育の連続性と専門性を無視することになってしまいます。両者の厳密な線引きと棲み分けを徹底すべきです。中途半端な実施は混乱をもたらすのではないでしょうか、指摘しておきます。その他にも、新制度の元で、児童ホームの課題は山積しています。いっぺんに解決することはできないと思います。
質問⑪お尋ねします。待機児童の数はどのようになっていますか、来年度から6年までの受け入れが可能となっていますが、対応できているのでしょうか?今後の取り組みについてお答ください。
質問⑫お尋ねします。延長保育は現状18時までとなっていますが、保護者のお迎えが必要ということで、利用率はそんなに高くないと聞いています。保護者からは保育所と同様に19時まで延長してほしいとの強い要望が出されています。市の考えをお聞きします。
 新制度のもとで児童ホームは新しく生まれ変わろうとしています。1施設あたりの定員は60人から40人に改め、余裕を持った保育が実践できるようにしていく。また、尼崎ではこれまで公設・公営で行ってきましたが、新年度より民間事業者の参入を認め、認定業務も加わるなどの新たな課題も増えてきています。これまでの制度をさらにより良いものとして発展させ、本当にこの尼崎で児童ホームがあって良かったとされる、制度に創り上げていくことを要望して、児童ホームに関する質問を終わります。
保育所民間移管について
公立保育所の民間移管が、昨年4月に浜、立花、大島の三箇所が実施され、市が行った9月に在所している保護者にアンケートが実施されています。そのアンケート結果が、健康福祉員会の協議会で報告されています。私はこのアンケート結果、その内容に基づいて、民間移管の問題点を質してまいりたいと思います。私が民間移管の問題を議会で取り上げるのはこれで3回目となります。「またか、」「民間移管の問題はもうすでに決着済み、」「また民間園の悪口か」と、とらえられるかもしれません。しかし、私は、「保育所は公立、民間どちらがいい」とか言っているわけでは決してありません。公立保育所、法人保育園どちらにも長所・短所があり、全体として尼崎の保育水準を引き上げていきたいとの思いで、この問題を取り上げているという点にご理解をお願いします。以下、アンケートの内容にふれて、とかく見落としがちになるマイナスの意見に着目して、当局
の見解をお伺いします。またその視点は、市が保育所の保護者に民間移管を説明する冊子『公立保育所民間移管Q&A』に掲載している、内容に基づいて行っていきたいと思います。『公立保育所民間移管Q&A』の設問に「公立保育所が民間移管されると何が変わるのですか?保育内容は変わるのですか?」という問いがあります。その答えとして当局が説明しているのは、「私立保育園も公立保育所も国が定める基準を満たす認可保育所であり、保育所保育指針に基づいて保育をしているため、保育の内容は基本的に変わりません。移管にあたっては、原則、公立保育所の内容を引き継ぐことを移管の条件としています。」とあります。この点からアンケートをみていきます。
まずはアンケートの設問に対する選択肢の設定に関する問題です。保育内容などについて尋ねている項目で、設問6「散歩や園庭での遊びの機会についてどう感じているか」、設問7「保育士の雰囲気や保育士の対応についてどのように感じているか」そして設問8では「送迎時の対話や連絡帳などで、お子さんの日々の様子を知ることについて」尋ねている設問があります。その答えの、選択肢はいずれも、「満足している」「おおむね満足」「やや不満」「不満」「その他」となっています。私はこの選択肢では不備ではないかと思っています。「ふつう」とか「どちらでもない」という選択肢があれば、ここがもっとも多数になると思います。親はよほどのことがない限り、自分の子が通う保育所を不満とは思いたくない。不満なところに通わせている自分を自覚するのも苦痛だという親の気持ちを逆手にとって「おおむね満足」という結果を導きだしてしまう、これはちょっと恣意的だなと感じてしまうのは私だけでしょうか。それぞれの設問について、その理由を記述してもらっていますが、イ)「おおむね満足」とする理由の記述では、本来ほぼ満足だとする記述が出てくるのが自然だと思いますが、実際には不満な点の記述ばかりが出てきています。
質問⑬お尋ねします。アンケートの設問については過去との整合性、比較・対象ができないなどの制約上、できないと考えるかもしれませんが、答えを誘導するかのような選択肢の項目設定など見直して、現状を率直に反映できるアンケートに変更すべきと考えますが、ご意見をお伺いします。
その他にも指摘しておきたい点は多々あります。設問の仕方、答えの選択肢など見直しする必要があると思います。アンケートでは生活面・保育内容に関することで、ア)ふとんを持ち帰らなくなった、イ)お昼寝がはやくなくなった、ウ)敬老の日にハガキを祖父母に送ってくれた→公立では様々な困難をかかえた家庭も多く、祖父母がいない家庭も多いから、敬老の日や父の日、母の日にあえて何も行わないという人権的な配慮にてやっていな買ったのではないでしょうか。これも公立の保育を引き継ぐということから乖離している事柄ではないでしょうか。
質問⑭お尋ねします。公立で行っていたことができていない点や、また配慮してあえて公立が行っていなかったこと等が表れてきている点について、どのような指導をしているのでしょうか?

アンケートからは、民間移管後、早期教育的なことが増えている様子がうかがえます。「習い事」のせいで外遊びが減っているという記述もあります。習い事的なことなどは、公立の保育を継承するものではないのではありませんか。公立の保育の良さは、早期教育よりも、遊びと生活の中で子どもたちの力を伸ばしていくことで、それは尼崎の保育のねらいの根幹を担う部分ではなかったでしょうか。
質問⑮お尋ねします。保育所における早期教育の実施は親のニーズもあって必要性について議論の分かれる所です。しかし移管の初年度からこうしたものが実施されていいのでしょうか。まずは公立の保育を引き継ぐことに専念すべきではないでしょうか。お答えください。
子ども子育て審議会でも、就学前教育の在り方検討会の答申には、ニーズ調査のなかでは親の要望は「読み書き算数」つまり知的な力を重視してほしいという要望が強かったとありました。しかしそれに対しては答申の中でも、就学前の教育・保育で重視するものとして5つの項目をあげています。愛着の形成、情緒の安定、基本的な生活習慣の確立、様々な体験・経験の蓄積、いろいろな人と関わる力の獲得の5項目です。そして「遊びは」これらの項目を子どもたちが身につけていく上で重要な要素としています。公立は基本的な考えとしてこれらの考えを実践していたのではないでしょうか。こうした公立の保育が改められ、早期教育が即実践されたことは、保護者との十分な話し合いがなされたとは思われませんし、時期尚早だったのではないかと指摘しておきます。アンケートでは、ケガが多いという記述が目立ちます。それもケガの経過がわからない、原因不明のけがが多い、報告のないケガが多いという記述も1つや2つではありません。
質問⑯お尋ねします。子どもの安全を守るということは、何よりも第一義的に重要視されなければならない保育の現場にあって、ケガが移管によって多くなっている、つまり安全面がないがしろにされているのではないだろうか。どうしてケガが多いのか、法人は分析、調査、改善をしているのですか。
アンケートで、「引き継ぎ共同保育については、1月~3月では、子どもたちの性格接し方など、まったくひきつげていなかったが、その後の公立の先生のフォローがあったことに感謝する」そのような記述がありました。さらに、「引き継ぎは3か月だが、(引き継ぎ先の先生が)毎日というわけではないので、どれだけ把握できたかが気になる」という記述もありました。おそらく子どもたちの状況をどれだけ把握できていたのかという意味だと思います。
質問⑰お尋ねします。やはり引き継ぎ共同保育は丁寧さが求められると思います。今回、引き継ぎ共同保育の期間は、2カ所の保育所は保護者の要望で、2カ月から3カ月に延長されましたが、さしたる効果が得られていないのではないでしょうか、この期間は1年間設けるべきで、全ての公立の行事を移管先の法人が体験することが大切ですし、子どもや保護者との人間関係をつくっていくうえでも必要なことだと考えます。市の考えをお聞かせください。
アンケートの中には、フォロー保育に来ていた公立の先生が声かけや手をくだして、子どもたちを導いてくれたと想起させる、またそのことを評価する記述がありました。しかし本来のフォロー保育は、4月1日からは責任の主体は引き継ぎ先の法人保育園にあるわけですから、公立の見守り保育の先生方は手を下してはならないとルール化されていたのではありませんか。でも実際の現場では子どものために手を出さざるを得ない状況が多々あったということです。引き継ぎ先の先生が引き継ぎ共同保育の期間の最後の月の最終朱週にしか、こられていなかったという記述もあります。どうしてこれでまともな引き継ぎができるのでしょうか。疑問はつきません、引き継ぎ共同保育の期間を延長することを強く要望します。ある園では受託法人の選考委員会にかかわった保護者が2名とも、移管後、この園では安心して預けられないとして泣く泣く退園したという事態がおこっています。移管後の混乱で管理職の先生がうつ状態に陥って仕事を続けられなくなったという悲劇も起きています。卒園までここにいようと思って入園させたのに退園を余儀なくされた親子も、うつになってしまった先生もどちらも民間移管の犠牲者です。移管がある意味強引、拙速に進められたから、このような状況が引き起こされたのではないでしょうか。
質問⑱お尋ねします。民間移管計画の見直しについて市長の意見をお聞かせください?
私はこれらのアンケートの結果を見るかぎり、民間移管がスムーズに移行できているとはとても思えません。第三者委員会などを立ち上げて、第三者の目で検証すべきだと考えます。是正すべき点は正していかなければならないと思います。公立保育所はスタンダードという考えがあります。公立が施設基準、職員の配置基準が整った一定の水準を保つことで、全体の基準となる。また伝染病等緊急避難的な対応力についても保健所など公的な組織と連携しているといった有利性を備え、市内一律の対応ができるという特長を有しています。行革や効率化の名の元に、安易に公立を減らすべきではないと申し上げているのです。しかも市が進める民間移管計画の推進によって、多くの物言えぬ子どもたち、保護者が犠牲になっている、苦しんでいるということに行政が思いをはせてほしいのです。一時的な問題と片付けてもらってはいけないのではないでしょうか。計画の見直しを行うことが必要ではないでしょうか?子育て支援策は、これからの尼崎市の未来をみすえた根幹の事業として位置づけられなければなりません。現在市がすすめている民間移管は、市民の共有財産である公立保育所の土地と建物を無償で貸与・譲渡するものです、一度失ったものは戻ってきません。また民間移管は、多くの公民双方の保育士、保護者、何よりも子どもたちには、辛く苦い思いを沈殿化させていきます。そして、後世にそしられる結果をもたらしかねません。今、子育て世代を積極的に応援していく公的保育制度のあり方が、尼崎市に問われていることを指摘して、日本共産党会派の総括質疑を終わります。ここで指摘した問題、要望等については積極的に施策に反映させていただきたいと思います。また予算と議案にたいする意見については改めて意見表明で述べさせていただきます。ありがとうございました。