2019.6月議会・川崎としみ議員の一般質問の発言と答弁概要です


日本共産党市会議員団の川崎敏美です。本日は障がい者の施策、雨水貯留管問題、教育にかかわる問題について3つのテーマで質問します。

初めに障がい者支援にかかわる問題についてお聞きします。

 

  • 障がい者支援のための施策

 

 

ある聴覚障害者の方からお話を聞きました。これまで市に様々な要望を出してきた、割と簡単にやってもらえるのではないかと思って要望してきたのが、市の広報誌等に、ファックス番号を明記してほしい。最近では、自宅に送られてくる封筒や文書にFAX番号とともにメールアドレスも付記してほしいと要望を出していますとのことでした。

最初の要望を出したのは20年位近く前、当時の市は「ファックス番号を公開すると、民間の事業者から広告等のファックスが殺到する、職員がその処理に追われて大変だから公開はできない」との答えで、障害者の権利より自分たちの都合を優先させていると感じてきた。

 

近年でも2011年(平成23年)に障がい者の団体として同様の要望を出しており、市の答えは、「市報あまがさきには、できるだけ多くの情報を掲載することに重点を置いて紙面の編集をしている中で、 現在、主に障害者の方が対象となる記事には、電話番号とファクス番号を掲載しているが、 紙面スペースの関係上、すべての記事について、 担当部署のファクス番号を掲載することは困難な状況にある」と答えていました。

2016年(平成28年)の要望では、先の要望に加えて、中央公民館に(1)聴覚障害者の部屋予約・相談に関してはFAXでの対応を求めました。市の答えは「公民館のFAXはコピー機と接続しており、コピーをしている間はFAXの受信内容をプリントできません。印刷速度が遅いため、枚数が多い場合は数十分間コピー機が稼働したままになります。また、受付と離れた場所に置いていることから、受信に気づきにくい状況です。こうしたことから、たとえ先にFAXで申し込みいただいていても受信に気づかず、窓口等での申請を先に受け付けてしまう可能性があります。このように、必ずしもリアルタイムでの応対をいたせるとは限らないという制約が生じてしまうことを予めご了承いただければ、FAXによる部屋予約・相談をお受けすることは可能と考えております。」と答えています。

 

何とも丁寧ではあるが、素っ気ない役所のご都合主義の答えです。広報誌の紙面を編集したり、コピー機とファックスを別々に設置する等、少し工夫すれば対応できるようなことが、放置されてきていたことに驚きました。この対応自体が、市や職員の都合優先で、市の勝手な判断です。それが障害者にとってはどうなるのかということを考えない、他者への思いやりの配慮のなさ、まさに差別的対応だと言わざるを得なかったのではないでしょうか。

 

質問1

差別解消法が施行されて以降、市の広報誌等に、ファックス番号を明記してほしいという聴覚障がい者からの要望に、市はどう応えてきたのでしょうか。

答弁

本市では、平成28年の障害者差別解消法の施行後、全所属長を対象とした研修を行い、その研修を全ての職員に周知するための伝達研修を実施したほか、平成29年度からは、毎年度、新任課長級研修と新規採用職員研修を実施し、意識啓発等を行っています。また、市の広報誌のFAX番号明記などに関する要望につきましては、各所管課で確認を行い、可能な限り改善に取り組んでいるところです。しかしながら、障害者差別解消法やその具体的な運用を示した職員対応要領の理解不足により今日においても、FAX番号の併記ができていないとの障害者団体等からの指摘が、健康福祉局を含めて寄せられています。ご不便をおかけした障害のある方には大変申し訳なく思っており、今後一層、職員の意識啓発に向けた取り組みを進めていきます。

 

(川﨑)2006(平成18)年12月の国連総会本会議で採択された「障害者の権利に関する条約」は、2008(平成20)年5月に発効しています。この条約がつくられたのは、障害者の皆さんが、「私たちのことは勝手に決めないで」と立ち上がったのがきっかけでした。この条約は、障害者への差別禁止や障がい者の尊厳と権利を保障することを義務づけた国際人権法に基づく人権条約であり、日本政府は2007年に署名しています。

2013(平成25)年に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称:障害者差別解消法)が公布、2016(平成28)年4月から施行されています。

 障害者差別解消法は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定め、差別の解消を推進し、それによりすべての国民が、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的としています。

 

尼崎市でも障害者差別解消法に基づき、2016(平成28)年8月施行で「尼崎市の職員の障害を理由とする差別解消の推進に関する対応要領」を制定しています、その第6条2項では、「人事課等の職員は相談者から障害差別相談等を受けるときは、性別、年齢、障害の状態等に配慮するとともに、面談、電話、ファックス、電子メールその他の障害者が他人とコミュニケーションを図るための多様な手段を可能な限り用いて対応するものとする」とあります。

 

この規定は、障害者への社会的なバリアをなくすための基本的な考え方だと思います。健常者が、連絡を取りたい相手と電話番号を交換するのは当たり前のことです、耳の聞こえない人が、ファックス番号や、メールアドレスでのコミュニケーション手段を求めることもごく当たり前、普通のことです。目の見えない人に音声や点字で対応するという事もあたりまえのことです。

 

質問2

市の広報や市民への通達文書、封筒等に、担当部署のファックス番号の明記や、メールアドレスなどの掲載を行うことは当たり前に実現すべきです。今後、どう対応されようとしているのでしょうか? お答えください。

答弁

市の広報誌につきましては、ページ数等の制約から全ての記事への併記を行うことは難しいものと考えていますが、通知文や封筒等につきましては、合理的配慮の観点から電話番号やFAX番号などの併記が必要ではないかと考えています。こうしたことから、現在、全庁的な状況把握を行うため、各所管課で発送する市民向けの通知文や封筒については、聴覚に障害のある方の通信手段として広く利用されているFAX番号が併記できているか、点検・確認を行っているところです。今後、その結果を踏まえ、各所管課と連携を図り、改善が必要なものから順次対応を行っていきます。

 

(川﨑)障害は社会の側にあるという「社会的障壁」をなくすために、社会全体で差別や虐待を許さず、障害者の人権の尊重のために力を合わせるべきです。

 

質問3

障害者権利条約のなかで示されている「合理的配慮をおこなわないことは差別である」との考えこそ、全庁に徹底し、行政内部の意識改革をもっと進めるべきではないか、そうすれば障がい者への対応も変わり、施策が一層拡充できると考えます。また高齢者施策など一般の施策も向上していくのではないでしょうか、市の見解を求めます。

 

答弁

「不当な差別的取扱いの禁止」や「合理的配慮の提供」については、障害者差別解消法において、行政機関の法的義務となっており、職員対応要領を通じて、全職員に周知徹底を図っていかなければなりません。こうしたことから、意識革命をさらに進めるため、今後は、現在実施している新任課長級研修や新規採用職員研修に加え、年に1回、職員対応要領の周知と、全所属においてチエックシートによる点検を行い、福祉の向上に努めてまいります。

 

(川﨑)次に雨水下水道貯留管の問題についてです。

2、雨水下水道貯留管問題

昨年度から武庫分区雨水下水道貯留管事業について、公には住民に対する9回の説明会の開催が行われ、また個別にも住民との文書を介してのものを含め、懇談等がなされています。こうした一連のやり取りについて、住民から総括的なご意見をいただくとともに、今後の取り組みに対する考えをお聞きしました。その内容を紹介し、今後の事業の取り組みに活かしてほしいという主旨で質問をします。以下4点にわたって住民の意見とそれに対応する質問をさせていただきます。

住民の意見の第1は、地方議会に対する市民の参加についてです。

今回の貯留管問題において、何度も議会や委員会の傍聴に出かけています。しかしその場では発言は許されません。市議会議員に訴えかけても、決められた質問時間を割くだけの価値がないと判断されれば、市議会では質問すらしてもらえません。委員会においても同様です。陳情の手続きを踏み、市議会議員に働きかけることで、はじめて問題を取り上げてもらうことが出来ます。

今回の貯留管問題においては、鳥場公園周辺住民に知らされる前に、予算が議決されています。市議会におけるチェック機能について考えさせられました。また議決されたものの「着工には周辺住民の理解を得る」という条件が付けられているということに更に驚きました。住民合意形成プロセスに関するコンセンサスがない状況において、この条件はあまりにも乱暴です。結局市議会で徹底した議論はされず、次の工程である下水道部や地域住民に問題を押し付けたカタチとなりました。

 

質問4

住民合意形成プロセスについて、当局はどのように考えるのですか?

答弁

武庫分区雨水貯留管整備事業につきましては、主要事業のパブリックコメントやこれまで行ってきた説明会等で多くのご意見を頂いております。今年度は、これらの意見をふまえて、現計画案を含む比較検討案の作成段階で、各検討案の地域でヒアリングを行うなど、どうすれば住民合意が得られるかということを考慮し、総合的な観点から検討し、本事業の実施に向け取り組んでまいります。なお、住民合意が得られにくい場合であっても、取り組みの必要性や趣旨、また合意が得られていない理由等について、対話の機会を確保し、最終的には、住民の皆様に理解を得られるように取り組んでまいります。

 

(川﨑)住民の意見の第2に、説明責任は誰にあるのか?という問題提起があります。

公共事業を行うためには、住民に納得してもらい、協力してもらう必要があります。今回の貯留管問題において、市民から多くの質問が寄せられています。寄せられた質問を大別すると次の2点に絞られます。

◇雨水貯留管が本当に必要なのか?

◇貯留管工事による安全に対する不安および生活への影響 (リスク評価)

これらの質問にきちんと答えることが「住民に対する説明」ではないかと考えます。

 

質問5

◇雨水貯留管が本当に必要なのか?

◇貯留管工事による安全に対する不安および生活への影響 (リスク評価)について、

改めて市の考えを示してください。

 答弁

本市は、市域の約3分の1が海抜ゼロメートル地帯となっており、少量の降雨でも自然排水が不可能な状況にあります。こうした状況の中、浸水対策を主目的として早期に下水道の整備を進めてまいりました。その結果、平成8年度に6年確率降雨の1時間あたり46.8mmに対応できる雨水整備がほぼ完了し、一定の浸水被害防除の役割を果たしてきました。

しかしながら、近年多発する集中豪雨により、本市においても浸水被害が発生していることから、更なる浸水被害の軽減を図るため、10年確率降雨の1時間あたり51.7mmへ引き上げることを平成24年度に尼崎市下水道中期ビジョンに定め、その推進に取組んでいるところです。そのような中、武庫分区におきましては、10年確率降雨へ引き上げる方策として、河川管理者と協議の結果、雨水貯留管の整備を行うものでございます。次に、雨水貯留管整備工事の安全については、工事車両の通行に際し、適切に交通誘導員の配置等を行い、施工に伴う騒音振動ついては、周辺住民の皆様への影響を極力抑える取組みを実施して参ります。なお、工事の実施にあたっては、周辺住民の皆様のご理解とご協力が必要不可欠と考えておりますので、万全を期して取り組んで参ります。

 

 (川﨑)住民の意見の第3は情報格差の問題をとりあげています。2017年 11 月に城の越公園周辺の住民を対象とした説明会が守部会館にて行われています。この時点では鳥場公園周辺や東武庫公園周辺にはまだ告知がされていません。鳥場公園周辺には2018 年 6 月に初めて小規模な説明会が行われています。しかし公園周辺に住んでいる方、全戸に対して告知は行われませんでした。説明会の告知そのものも、説明会の直前になって実施されており、また市報あまがさきでも、雨水貯留管説明会という内容で、工事場所、工事内容すら分からない記事でした。

また説明会に参加しないと情報を得ることが出来ないというのも問題だと思います。説明会で用いる資料をホームページ等で先行配付し、説明会までに内容を確認出来るようにするべきだと思いますし、説明会の議事録についても開示されるべきです。また説明会とは別に、一部の住民に対してだけシュミュレーション結果などの情報を開示しています。なぜ全ての市民に同じ情報が開示出来ないのでしょうか?このような情報格差が当局に対する不信感へとつながっていることを認識頂きたいと思います。

 

住民の意見の第4は、住民の信頼を得るためにはどうすればいいのかという点についてです。

 平成 31 年度予算決議後の尼崎市の態度は昨年度と全く変わっていません。クローズドのうちに計画を立案しようとしています。住民との間で合意すべき項目は多岐に渡ります。まず市民の疑問を真摯に受け止め、市役所と住民が合意すべき項目をまず整理する必要があります。一つ一つの項目を丁寧に合意していくことこそが最短ルートであると認識する必要があります。市役所はその説明において、以下の項目に留意すべきです。

   ・①専門用語を正しく解説し、平易な単語を用いて説明をすること

   ・②説明会で配布する資料と説明内容が一致していること

   ・③説明は文書で示し、根拠(エビデンス)を示すこと(HP 等で公開すること)

   ・④これから議論すべき項目を整理し、議事として公開すること

   ・⑤考えを改める場合は、過去の説明を消さず、新しい考えを追記すること

今回の貯留管問題において住民側からは、「住民に知らされることなく、一方的に計画が進められていることに反発を覚える」という意見が出ていました。事業の素案が決まったらパブリックコメント等により広く意見を募り、事業計画を練り直すことが必要だと感じます。

 

質問6

今後は事業計画を鍛えるということに市役所や市民が一丸となって取組み、解決策を模索しながら信頼関係を構築することが望まれると考えます。情報格差を生まないようにしていくための方策について市はどう考えますか

 答弁

今年度、新たに複数案を検討するにあたりましては、各案の地域において、工事場所周辺の状況等について、ヒヤリングの際に丁寧な情報提供を行うとともに、広くお知らせする必要がある情報については、ホームページでの情報公開を行うことで、市民の皆様の理解を深めていただき、着実に事業を実施して参りたいと考えています。

 

 (川﨑)以上が住民からのこれまでのことを振り返っての総括的な意見です。

 

さて、武庫分区雨水貯留管事業計画が3年間延期されることになりました。今後の進め方として、庁内調整や比較案作成、周辺住民ヒヤリング等の開催、技術支援会議などを行って、最終的な工事計画案が作成されることになると思います。その中で、住民の意見聴取という事がまたしても後手後手となるのではないのかと懸念しています。

 

質問7

住民へのヒヤリングは、何を聞いていくのでしょうか。また今後の具体的なスケジュールについて説明してください。技術支援会議(仮称)の構成はどうなっているのでしょうか。 

答弁

4月下旬に、下水道部内において貯留管チーム会議を立ち上げ、適宜有識者に入っていただき、アドバイスを受けながら取り組みを進めています。今年度のスケジュールといたしましては、現在、施工基地に適した用地の調査を実施し、市内部の関係部署や土地所有者等の関係者と調整を図っているところでございます。6月末から7月頃に比較検討案の作成に関する業務委託の発注を予定しており、それと並行して、有識者の参加を求め、複数案の検討作業を推進してまいります。その後、候補地の土地所有者等との協議を踏まえ、施工について技術的な検討を行った後、9月以降に、施工基地候補地の住民に対して、安全対策、騒音・振動対策のほか、工事施工あたって必要な対策についてヒアリングを行うとともに、有識者からのアドバイスも加味した検討を行い.年内を目途に工事計画案を取りまとめて参ります。

 

(川﨑)住民にしっかりと情報提供を行い、丁寧な説明をしながら、住民の意見を聞き合意形成を積み上げていく、この手順をしっかりと守っていただきたい、何よりも安易に住民の日常的な生活を奪うような計画であってはならないと思います。

以上で第1問を終わります。

 

第2登壇

 

障害者施策についての感想・意見

宝塚市と西宮市の広報誌を見ましたが、宝塚は尼崎と同様縦書きですが、工夫してできるだけファックス番号を載せています。ぜひとも参考にしてほしいと思います。

 

貯留管問題についての意見

今後の雨水貯留管の事業を進めていくうえで、住民の反対で工事中止という同じ轍を踏まないためには、住民合意をどのように形成していくかが大変大事だと思います。

まず誰と合意するのでしょうか。これまで「近隣住民」という表現が使われていますが、説明会に参加している人たちだけが対象者なのでしょうか。事業にかかわるすべての人たちを想定する必要があります。例えば工事現場に隣接している住民の方々、工事車両が走行する生活道路の沿線の住民、公園で工事をする場合はその公園を利用する人たちも対象に含める必要があるのではないでしょうか。合意を得なくてはいけない対象を明確にすることで、問題に対する対策や、説明といったより具体的な道筋がみえてくると思います。

市民にとって、工事に伴うリスクを正しく理解することはなかなか困難です。しかし心配や不安は付きまといます。また工事により迷惑をこうむることは事実でしょう。全てのリスクを包み隠さす提示し、そのリスクを回避する方法を示し、その内容が正しいと判断出来れば、おのずと合意に導くことが出来ると思います。

雨水貯留管事業だけでは、限界があって大雨対策の有効性ははかれません、以前から日本共産党議員団が主張しているように、総合治水対策の中で位置づけ、地域ごとのきめの細かい対策、校庭貯留や公園貯留、貯留槽の設置など、様々な早期に実効ある対策を講じるよう、市に求めます。

 

次に教育問題についてお尋ねします

 

3教育の充実について

 

 日々の学校で子どもたちは人間として大切にされているでしょうか。

学年が進むにしたがって受験中心の教育となり、子どもは競争に追い立てられ、他人と比べられ、豊かな子ども期が奪われています。ここまでの受験中心の日本の教育は国際的にも異例で、国連子どもの権利委員会は再三「高度に競争的な教育制度」の是正を勧告しています。

競争主義の教育は、子どもの人格形成に欠かせない遊びや休息をうばい、人間関係をとりむすぶ力も弱まります。また点数のための勉強で「何のために学ぶのか」という大切なものを失います。落ちこぼされた子どもたちは、力があるにもかかわらず劣等感をかかえます。「できる」子どもにしても、歪んだ優越感をもち、早く「答え」を出すことの訓練で、深くものを考える力が伸びなくなります。

学年が上がる毎に成績が問われる、受験のために勉強をする学力至上主義が子どもや保護者、先生をはじめ学校を追い詰めていっているのではないか。その中で子どもたちが最も追い詰められ、そのはけ口としていじめ問題が発生しているのではないでしょうか。

 教育を根本から子どもを中心に据えた視点から見直すべきだと考えます。

 

議員団は先日、学校の先生と懇談し、昨今の教育現場で起きている問題について意見交換を行いました。その中で出された問題についてお聞きしていきます。

まず、「あまっこステップアップ」調査事業についてです。

昨年12月から今年の1月に実施されています。これは新規事業として発表されており、議会には比較的早くから事業内容が示されていました。しかし学校教育の現場へは、事前に現場の意見を聞くということはなされていなかったということでした。

またその目的や内容、その詳細な実施方法などの先生たちへの説明は直前であり、ましてや保護者や生徒にはなおさらといった状況であった。

この事業実施により教師の仕事量は増え、1~2週間近くかかりきりになり、成績をつける時期とも重なり大変であった。テスト問題はベネッセのもので、小学生は問題形式に慣れていないから、戸惑いがあった。テストの振り返りも、事後の復習プリントを生徒に渡すだけ、春休みの宿題となった。しっかりフォローしなさいとの指示もなかったし、指示があったとしても、これだけにかかわって一人一人の指導にまで手は回らないとの事でした。

個々人の生徒の弱点は、担任が日常的によくわかっているし、「あまっこステップアップのテストで改めてはかる必要はない」と思う。ベネッセのテストは年間を通して子どもたちが獲得すべき課題を網羅するものでもなく、抽出した問題で数が圧倒的に足りない、子どもたちの個々のつまずきを発見しようとすれば、それだけで問題文は何十ページにも及んでしまう、業社テストでは把握できないのではないか、このような指摘をされていました。

 

質問8

以上の現場からの声に対して、教育委員会はどう考えますか?

3千万円を投じて、あまり有益性を感じることができないとの現場の声に、あまっこステップアップの必要性をどのように説明するのですか。

答弁

「あまっ子ステップ・アップ調査」の目的は、児童生徒の、学力や学習状況を経年で把握し、一人ひとりに応じたきめ細かな指導の充実を図るとともに、教員が自分の指導について振り返ることにあります。学校現場からは、一人ひとりに合わせた復習プリントの印刷は手間がかかるといった意見もありますことから、新たにレーザープリンターを整備するとともに、今年度は、スクールサポートスタッフを導入するなど、負担軽減にむけた方策を講じているところでございます。一方で、実施後の学校アンケートには、「一人ひとりに合わせた復習プリントは、子供たちが興味を持って取り組んでよかった」、「結果をまとめた資料がわかりやすく授業改善の参考になった」などの意見もありました。また、「あまっ子ステップ・アップ調査」を活用した研究部会に参加している教員からは、「自校の課題がわかり、今後の学力向上の参考になる」といった声もあります。教育委員会といたしましては、「あまっ子ステップ・アップ調査」の目的を学校と共有しながら、調査結果を活かした取組を推進してまいります。

(川﨑)

職員会議について

次にある小学校で子どもたちの学力向上のための小テスト等の時間を確保するために、もう数年も前から職員会議がなくされており、その取り組みが大変評価されていることを、学力テストの結果説明のなかで教育委員会から、以前お聞きしました。他の学校は職員会議はどうなっているかを先生たちにお聞きしました。

小学校の職員会議は2か月に1度くらいの開催で、午後1時から4時までの間に、ペーパーレスで行われるので何が大事かわからないまま、たいして意見も出されることなく流れている。

中学では月1回開かれるが、ほとんど伝達事項のみである。朝の打ち合わせも毎日行われていたものが週1回となり、その場にいなかった先生にはメモ書きが渡されるだけ。

隣のクラスの状況や、同じ学年間での情報共有は一定できていると思われるが、他学年のことになるとわからない。以前はベテランの先生が職員会議で出てきた問題に自然とサポートする関係性があって、若手の先生を助けていた。今は、学校の中で先生が孤立しているといった傾向が生まれている。

私は、この話を聞いて私たちの学生時代とは大きく様変わりしているなと感じました。あの金八先生のドラマでの職員室の風景は、今はないのだと知らされました。ましてや、子どもたちに小テストなどを行う時間を確保するために、職員会議の時間が削られるというのは、あまりに職員会議が軽視されているのではないかと感じました。

学校の運営は何よりも生徒を中心において、問題があればその情報を全職員で共有して、自由な討論が行われ、そして問題解決のためには学校全体で関わっていく、そこには自然と魅力ある教師集団がつくられていく、そうしたことを一定保障していたのが職員会議ではなかったのでしょうか。

 

質問9

職員会議は単なる伝達事項の場なのか?その位置づけは、どうなっているのか?教育委員会の見解をお伺いします。

答弁

学校教育法施行規則第48条には、「小学校には、設置者の定めるところにより、校長の職務の円滑な執行に資するため、職員会議を置くことができる。」「職員会議は、校長が主宰する。」とあります。このように、職員会議は、校長の責任と権限を前提として、その職務の円滑な執行を補助するものと認識しております。各学校におきましては、職員会議において、校長のリーダーシップのもと、教育課程の編成や行事の計画等、学校運営上重要な議題が話し合われ、情報の共有と教員間の連携にも活かされているところです。

 

(川﨑)

いじめ問題

つぎにいじめに端を発した中学生の自死事件にかかわる第三者委員会の報告が、学校現場でどのように取り扱われているのかという問題について先生方に尋ねました。

報告はどの学校でも配布されているが、特別に時間をとって職員間で議論していない。先生たちは、それぞれにその重さを個人的に受け止めているが、この問題を議論する時間的余裕が、学校現場にはないと言います。「子どもともっとかかわれる時間があったら、あのような結果にならなかったと思う」「いつか自分の所でも起こるのではないかと不安」との声があると答えられていました。

私はこうした先生方のお話を聞いていて、一人一人の子どもに寄り添う教育から、どんどん現場の先生たちが離されていっているのではないかと思いました。

 

質問10

報告書について職員間で議論もしないということでは、そこから教訓を引き出して、いじめ対策につなげるという実践ができづらくなっており、改善策が講じられるべきだと考えますが、今後どのような対応をしていきますか。

 

答弁

議員ご指摘のように、報告書について議論することは、いじめの再発防止において、とても重要なことだと考えております。管理職対象には、この報告書で指摘されたいじめの対応に関する問題点等を取り上げながら、改善点等についての研修をおこなったところでございます。その内容については、各校でも伝達するように依頼しておりますが、今後、適切な時期を考えながら広く一般の教職員等の研修等でも活用していくことを検討していきたいと考えております。

 

(川﨑)私は子どもを中心に据えた教育の在り方として、他市の先進的な事例にぜひとも学んでほしいと思います。東京の人口90万人の世田谷区で6年前から実践されている「せたホット」について、区長の保坂展人(のぶと)氏のお話をお聞きしました。お話のなかで、「先日選挙があったのですが、区内のいろんな場所で子どもたちに「せたホット」知っているかと聞くと、どの子も知っている」と答えた、世田谷では子どもの中でもしっかり市民権を得ている制度だと紹介されていました。

「せたホッと」ってどんなところ?

正式には「世田谷区子どもの人権擁護機関」といいます。通称は「せたがやホッと子どもサポート」、略して「せたホッと」と呼んでいるとのことです。
 「せたホッと」は、「世田谷区子ども条例」に基づいて設置された第三者機関で、世田谷区に住んでいる子ども、学校や仕事で世田谷区に通っている子どもの権利侵害があったときなど、問題の解決のために子どもをサポートする機関です。

 

「せたホッと」を紹介しているホームページには、子ども向けおとな向けの案内が載っています。これも大変わかりやすい記述となっています。

(子どものみなさんへ)の紹介分は、          

「せたホッと」は、世田谷区に住んでいる子どもや、学校や仕事で世田谷区に通っている子どもの権利をまもるところです。子どもは一人ひとりがまもられて大切にされる存在です。困ったとき、つらい・イヤだと感じたときは、「せたホッと」に話してみませんか。とあります。
(おとなのみなさんへ)の紹介分は、
 「せたホッと」は、子どもの人権を擁護し、救済を図るために条例によって設置された、公正・中立で独立性と専門性のある第三者機関です。子どもの権利侵害に関する相談を受け、助言や支援を行うとともに、申立て等により、調査、調整を行いながら、子どもの関係機関等に対して協力・改善を求めていきます。
 世田谷区に在住・在学・在勤している子どもの最善の利益を保障していくことを目指し、子どもに寄り添いながら、子ども自身が本来持っている力を十分に発揮できるよう、問題解決に向けた支援を行います。と案内しています。

 

また相談者についても どんな人が相談にのってくれるの?と紹介しています。

「せたホッと」には、「世田谷区子どもの人権擁護委員」(通称「せたがやホッと子どもサポート委員」)と「世田谷区子どもの人権擁護機関相談・調査専門員」(通称「せたがやホッと子どもサポート専門員」)がいます。委員には学識2名と弁護士1名が配置されています。弁護士はニュースで○○とマスコット的に紹介されており、親しみがわくキャラクターとして紹介されています。【議場配布資料についての説明】

  • 何をしてくれるの? 安心できるまで見守ることもできると、子どもたちに安心感を与えています。
  •  この世田谷区の取り組みの優れている点は、相談者の了解を得ながら、周りとも協力して問題解決をはかる努力をしているということです。まずは相談の受け方は、電話、メール、手紙、ファックス、直接会ってといろんな対応をしています。そして相談者の気持ちや意見をじっくり聞き、一緒に考え、周りの大人や友達から話を聞いて調べる、協力してもらう、相談者に代わって、要請や意見表明をすることもできるよとなっています。秘密は必ず守り、あなたが困っているとき、つらい、イヤだ、権利侵害だと感じたときは相談してみてください。
  • ぜひとも尼崎でもこのような制度を、子どもの育ち支援センター「いくしあ」などの取り組みに活かして、制度の構築ができればいいと考えるのですが、見解を求めます。

答弁

本市におきましては、平成21年に子どもの人権を尊重することを基本とし、子どもの育ちを地域全体で支えることを理念とした「尼崎市子どもの育ち支援条例」を制定しており、同条例に規定する子どもを支える各主体が、その役割及び責務を果たすことによって、子供の人権を尊重する社会の実現につながるものと考えております。本市としましては、この10月に開設する「いくしあ」に設置する総合相談窓口において、子どもの人権侵害に機関あたる児童虐待や体罰などの相談を受け関係機関が連携することで、まずは、自ら解決を目指したいと考えております。しかしながら、今回の体罰事案を踏まえ、子どもの権利擁護のための第三者機関につきまして、先行市の取組みを調査し、その有効性など検証する中で、設置に向け、検討していきたいと考えております。

 

(川﨑)以上で第2問を終わります。

第3登壇

最後に、教育問題について3つのことを意見として、述べさせていただきます。

 

第一は、学力向上についてです。

大変重要な課題ですが、それだけにあまりにも固執しすぎて、様々な弊害を生み出しているのではないでしょうか。「あまっこステップアップ調査事業」について、(現場の先生の多くが感じられている)現場の意見もくみ上げずに強行された、テストの内容も検証されずに業者のものを採用して、効果はあまり期待ができないのではないかとの意見に、教育委員会はもっと耳を傾けるべきだと思います。先生にも、子どもたちにも負担を強いるこの事業を見直し、テストは中止すべきだと思います。

 

第二は、学校全体として話し合いの場がどうなっているのかという問題です。

もっとも私たちがこだわらなければならないのは、子どもたちの全人格的な成長と発達を保障する教育の充実だと考えます。そのためには教師集団がしっかりまとまり学校全体で課題解決のために取り組んでいく環境が保障されなくてはなりません。私は一つが職員会議の在り方だと思うのです。上意下達(じょういかたつ)で連絡事項を伝えるだけの場ではなく、教師の自主性を尊重し、集団でいつも民主的で自由な討論ができるような、魅力ある教師集団がどの学校にもある、そうした学校づくりをめざしてほしいと思います。

 

最後は、みんなで考えようという事です。

教育現場でのいじめに端を発した自死事件や、クラブ指導における暴力行為について二度と起こしてはならないとの思いは、誰もが感じていることだと思います。

何故こうした事件が起こったのか原因究明していくこと、今後の対策について、教育委員会や学校現場だけに押し付けてはいけないと思っています。全市民的な議論をしていく中で、それぞれの分野での課題を明らかにし、その解決のためにみんなが力をあわせる。我関せずではなく、隣で起こっていること、特に子どもがいろんなことで傷ついていることを見逃さない、気づき見守るコミュニティ、地域をつくっていかなければならないと思います。

 

以上で私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019.6月議会・松沢ちづる議員の一般質問の発言と答弁概要です

日本共産党議員団の松澤千鶴です。私は4点について質問を行います。

まず、トライやるウイークについてです。代表質疑で、自衛隊を対象事業所にすることは止めるべきだと考えるがどうかと聞いた際、教育長は次のように答弁されました。

・県が作成した指導の手引きを参考に。・地域や学校の実情に応じた事業所の中から。・生徒が興味・関心に基づき主体的に選択している。・多様な社会体験活動を通して、豊かな感性や創造性を高めるとともに、社会とかかわる力を育むなど「生きる力」を育成するといった、トライやるウイークの目的に沿ったものである。

この答弁は、私の質問を正面から受け止めたものではなかったと感じています。私は、トライやるウイークの目的でもある「生きる力」を育む職場体験の場所として、はたして自衛隊がふさわしいのかどうかを教育長にお尋ねした訳です。その点については、全く答弁されていないと思います。

県教育委員会が作成した指導の手引きの中には、体験活動希望調査票という生徒個人の希望を聞く調査票があります。公共施設関係のところにさりげなく「自衛隊駐屯地」と載っています。県が載せているのだから自衛隊に職場体験に行っても良いということですか。生徒が主体的に選択しているからいいということでしょうか。今、安倍政権は憲法99条憲法尊重擁護義務を無視し、憲法9条を自らが改憲しようと憲法違反の暴走をしています。暴走の先には、憲法9条の縛りをなくし自衛隊が他国の軍隊と共同で軍事行動ができるようにする「戦争する国づくり」があります。昨年の2月・4月市民から中学校長や教育委員会に対し、「トライやるウイークに自衛隊の体験は止めて下さい」と要請が行われました。

その理由として、1つに自衛隊は特殊な職業だということ。自衛隊法第56条で「職務上の危険もしくは責任を回避し、または上官の許可を受けないで職務を離れてはならない」、自衛隊法第123条では防衛出動命令に服しない時は「7年以上の懲役または禁錮刑」に処せられるとあります。

理由の2つめは、2015年制定された安保関連法によって、自衛隊には「駆けつけ警護と守衛地での共同防衛」が新たな任務として加わりました。市民が持っている従来の自衛隊のイメージは災害救助や自衛の組織でしたが、新たな任務によって自衛隊の質が変わった。武器を持ち海外の戦場に行かされる、「殺し、殺される」危険が現実のものになったということです。要請書には、こうした自衛隊について十分な理解のない中学生に、自衛隊の職場体験はふさわしくない。だから止めて下さいと書かれていました。この市民の要請行動に対しても、教育長は、私が代表質疑でお尋ねした時とほぼ同じ回答をされています。

 

教育長に改めてお尋ねします。武器を持ち、海外の戦場へ行かされる危険がある自衛隊に、また、自衛のためとはいえ武器を持ち殺傷する訓練をする自衛隊が、「生きる力」を育成することが目的のトライやるウイークで中学生に職場体験させる場としてふさわしいとお考えですか。

答弁

これまでも御答弁してまいりましたように、トライやる・ウィークの体験活動場所につきましては、県が作成した指導の手引きを参考に、生徒の興味・関心、主体性を尊重し、地域や学校の実情に応じた事業所の中から選択しております。自衛隊での体験活動は、救急救命講習や災害緊急時の対応など、防災教育につながるもののほか、挨拶や時間厳守など社会人・職業人として必要な礼儀を学ぶ内容となっており、生徒のキャリア発達を支援する取組として有益な活動であると認識しております。また、これらの多様な体験活動を通じて、豊かな感性や創造力を高めるとともに、他者と協力・協働して社会に参画する態度や自ら考え主体的に行動し問題を解決する能力を育むなど、「生きる力」を育成するといった、トライやるウィークの目的に沿ったものであると考えております。以上

 

(松沢)次に、加齢性難聴者への補聴器購入補助について質問します。

人間は誰でも加齢とともに高い音から徐々に聞こえにくくなり、70歳以上の高齢者の約半数に難聴があるとされています。言葉が聞こえにくくなると認知機能が低下し、コミュニケーションにも支障が出て社会的に孤立することで、認知症のリスクが高まります。そのため、医師から補聴器の使用を進められますが、補聴器は15万~30万円もする高価なもので、購入をあきらめる人も多いのが現状です。

遺族年金で暮らしているある女性は、自分の収入だけでは到底、手が出なかったけれど、息子がお金を少し出してくれて補聴器を買うことができたと喜んでおられます。ある男性は、3万円ぐらいで買ったけれど、結局、雑音で頭が痛くなり使うのを止めたそうです。やっぱりちゃんとしたものでないと使い物にならないと言っておられます。

今日本では、補聴器購入の公的補助は障害者手帳を持つ重度の難聴者に限られています。ところが欧米諸国では、医療の問題として補助が行われており、難聴者の補聴器所有率は、イギリス47.6%、フランス41.0%、ドイツ36.9%、アメリカ30.2%です。補助の無い日本の14.4%と大きな差が出ています。

実は、昨年の12月兵庫県議会で、日本共産党県議団が提案した「加齢性難聴者の補聴器購入の公的補助制度の創設を求める意見書」が全会一致で採択されました。3月にはこれを受けて国会の場で、日本共産党の大門実紀史参議院議員が「高齢者が社会で活躍、働いていくとき、補聴器は必需品になる」と迫り、麻生財務相は「やらなければならない問題だ」と応えています。また、東京都内では8自治体が都の高齢者施策の包括補助を活用して、補聴器の現物支給や購入費助成をはじめています。

 

そこで質問します。尼崎市は、高齢者の活躍を支援するため、また、認知症予防のためにも必要な加齢性難聴者の補聴器購入に対して、公的支援制度を創るよう国と県に積極的に求めるべきだと考えますが、いかがですか。

答弁                                        加齢性難聴によりコミュニケーションの低下などが生じ、認知症のリスクが高まる可能性があるとの指摘があり、国においては国会の場で、補聴器購入に対する助成制度に関して認知機能低下予防の効果を検証するための研究を推進するとともに、補助の仕組みについて検討していかなければならない、との考えが示されております。また、県においても県議会からの質疑の中で、国への制度創設の要望等について、市町と連携しつつ今後対応していく考えが示されております。このように、国・県において研究の推進等の前向きな姿勢が示されておりますことから、現段階においては国・県に改めて要望していく考えはございませんが、引き続き国・県の動向を注視してまいります。以上

(松沢)次に、保育所待機児対策についてお聞きします。尼崎市は2018年3月に子ども・子育て事業計画の中間年の見直しを行いました。子ども・子育て支援新制度が始まった2015年から3年間で約1250人の定員増を行ったけれど、新たに1200人の定員の確保が必要という予測推計が出ました。そのため、残りの計画年度2018年、19年で合わせて719人の定員増と、637人の定員の弾力運用で約1350人分の受け入れ枠を確保しようと計画の修正を行いました。          

お尋ねします。現時点で、受け入れ枠の確保は計画通りに行っていますか。

答弁

昨日の杉山議員からのご質問に対する答弁でもお答えしましたように、本市の待機児童対策に当たりましては、平成29年度に見直しを行った「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、平成31年度までの2か年での待機児童の解消に向け、様々な確保策を講じてまいりましたが、新設保育所3か所の開設時期が遅れたことなどにより、約300人の受入枠の増が反映できなかったため、本年4 月1日時点の計画進捗の状況は、受入枠1,350人に対し1,000人の実績となっており、計画期間内の達成はできていない状況にあります。以上

 

 (松澤)さて、中間見直しで、新たに企業主導型保育事業が定員枠を確保するものとして加わりました。719人の定員増の内、企業主導型は19カ所156人の見込みです。

この制度は国の旗振りで、2016年に女性の社会進出と待機児童対策を目的に創られました。事業主体は地方自治体ではなく、国です。公益社団法人児童育成協会が窓口となり、企業が社員の子どもの保育を行うために、国に整備費などを申請し造ります。保育定員の中に地域枠を設けて、社員以外の子どもも利用ができるとしています。市の156人というのが地域枠の定員数になります。ところが、申請窓口である児童育成協会は、今年2月7日付けで2019年度新規の実施申請を控えるよう企業に対して周知をしました。「企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会で、保育の質の確保と事業の持続可能性について検討中であり、その結果報告によっては、審査内容や基準が変わる可能性がある」と内閣府が通知してきたためだとのことです。

 

お尋ねします。企業主導型保育事業が、わずか3年で事業見直しを迫られた理由について、市はどのように把握されていますか。

答弁

企業主導型保育事業は、従業員の福利厚生の一環として企業が主体となり保育事業を運営するもので、従業員の子どものみならず、地域の子どもも利用できる認可外の保育事業所でございます。

事業の運営に当たりましては、認可施設と同等の運営費が国から助成され、保育の質や安全の確保につきましては、認可施設と同等の設備等が求められており、同事業につきましては、保育需要が増え続ける中、保育の受け皿として国が平成28 年度に制度化したものでございます。この事業の見直しにつきましては、内閣府の検討委員会が、経営や運営の安定性に疑問のある事業者も見られるという主旨の報告書を提言したとの新聞報道がございましたが、当該事業は内閣府による事業であることから、市として詳細は把握しておりません。 以 上

 

(松沢)子ども・子育て支援新制度の導入当初から、日本共産党は量の確保を優先するあまり保育の質をなおざりにしてはいけないと主張し、0歳から2歳対象の小規模保育事業については、保育にあたる職員全員が保育士資格を持つA型のみにすべきだと求めてきました。

これについては、市もその方向で努力し、現在33ヵ所総定員529人の小規模保育事業所は全てA型であり、一定評価できると思います。

一方、市が今後も存続させるとしている公立保育所については、老朽化が進んでおり、日本共産党議員団は一刻も早い建て替えを以前から求めてきました。やっと北難波・武庫東・大西は第一次公共施設マネジメント計画で5年以内の建て替えが具体化され、合わせて80人の定員増の計画が出されました。しかし次屋・武庫南・杭瀬は「引き続き検討を行う」とされているだけです。

 

お尋ねします。次屋・武庫南・杭瀬については、いずれも「建替え用地がないことがネックになっている」と2016年度の健康福祉委員会で答弁をいただきましたが、その後それぞれ積極的に用地探しをしてきたのでしょうか。経過をお聞かせください。

答弁

次屋・武庫南・杭瀬保育所につきましては、いずれも老朽化が進んでおり、建て替えの必要性は認識しており、引き続き建替え用地について検討を行ってまいりました。

しかしながら、これら3所を含む公立保育所として残る9所につきましては、「公立保育所の今後の基本的方向」において、地域的な均衡も考慮して定めた経過もあり、建替え用地の選定には地域的な制約もございます。こうしたことから、これら3所それぞれについて、近隣の公園や公共施設の敷地面積及び立地環境を含め、建替え及び仮設用地としての活用の検討も行いましたが、それらに適した公共用地等の確保までには至っていないのが現状でございます。以上

 

 (松沢)次に、国民健康保険事業について伺います。

今年度、市は債権管理推進計画に基づいて、滞納指導を強化し収納率を0.78%アップする方針です。市のHPで国保を検索すると、真っ先に「滞納処分を強化しています」という項目が現われ、滞納処分の実績が3年分示されています。資料として配布されていますので、ご覧ください。「保険料を滞納すると大変なことに」の項目では、未納になると最終生命保険や給料を差し押さえますよと忠告が書かれています。私は、いくつかの自治体のホームページを見てみました。いずれも、まずはじめに「国民健康保険は、安心して医療機関にかかれるよう、加入者が相互に助け合う社会保障制度のひとつで、私たちが、健康で明るい生活を送るために、かけがえのない大切な制度」だとして、「国や県の補助金と保険料などで支えられている」と制度の説明や意義が書かれています。尼崎市のホームページは、他市と比べてずいぶん違う、国保加入者に対し威圧的だと感じるのは私だけでしょうか。

お尋ねします。他市とずいぶん違うホームページ上の表現のねらいは何ですか。

答弁

まず、本市における、国民健康保険料の徴収の手順につきまして、御説明申し上げます。

本市における、国民健康保険料の徴収にあたりましては、減免等を適用しても、なお生活に支障が生じるといった方に対して、分割納付の相談を重ねて行うことで個別事情に配慮しておりますが、一定の滞納額が発生した場合には、国税徴収法に基づく財産調査を実施しております。調査の結果、保険料を納付できる資力があると思われる時は、まず、面談にて自主的な納付を求めておりますが、それでもご理解いただけない場合などは、やむを得ず差押事前通知などの文書を送付した上で、差押処分を行っているものでございます。

御指摘のホームページ上での表現は、国民健康保険制度のあらましやしくみなどとともに、情報の発信に努めているところでございますが、こうした処分を行うには、市民の方にその内容を正しく理解していただく必要があることと、被保険者間の保険料負担の公平性から、納付意識を高めていただくことを目的として表現しているものでございます。以上

 

(松沢)厚生労働省が4月に、2018年度6月1日時点の自治体国保の財政状況に関する調査結果を公表しています。これによれば、全国で269万世帯が滞納しており、これは国保加入世帯の14.7%にあたります。兵庫県をみると9万世帯が滞納で、11.8%となっています。そこで、この調査と同じ基準日で尼崎市の数字を出していただきました。11,605世帯が滞納、国保加入世帯全体の17.3%でした。滞納率は全国平均よりも2.6ポイント、兵庫県より5.5ポイント高い状況です。 

お尋ねします。尼崎市の滞納の状況が全国や兵庫県に比べて高いのは、どのような理由によるものだとお考えですか。

答弁

本市国保の被保険者は、一人あたりの基準所得が低いといった特性から、保険料の算定におきましても、他都市と比較した場合、納付環境が厳しくなる傾向にございます。

そうした状況を緩和するため、本市におきましては、独自の取組みとして、所得に対して保険料の負担が重くなる世帯を対象に特別減免を実施することで、被保険者の保険料負担の軽減に努めているところでございます。以上

 

(松沢) さて、みなさんは、マイケル・ムーア監督の「シッコ」という映画をご覧になったことがあるでしょうか。民間医療保険しかないアメリカ医療の現状を告発したものです。初っ端に、お金がなくて病院へ行けず、膝の大きく開いた傷口を自分で縫っている男性の映像がありショッキングでした。その点、日本には、みなさんご承知のとおり国民皆保険といって、原則的に、全ての国民が何らかの公的医療保険に入り、必要な時安心して医療機関にかかれるようになっている優れた制度があります。公的医療保険には大きく分けて2つの種類があり、ひとつは中小企業で働いている人たちとその家族が入っている協会けんぽや共済組合保険などの被用者保険で、もうひとつがそれ以外の人が加入する国民健康保険・国保です。

国保には零細自営業者や働いていない人、病気などで働けない人、不安定な非正規労働者、現役を引退した75歳未満の高齢者とその家族などが加入しています。おのずと低所得層が多くなりますが、被用者保険の加入者より医療にかかる人の率はずっと高いので、必然的に医療費全体は高くなり、一人ひとりの保険料に跳ね返って来るという構造上の矛盾があります。

保険料が払いきれず滞納が長くなると、制裁措置として4カ月しか有効期間の無い短期被保険者証しかもらえない、さらに続くと国保証が取り上げられ資格証明書となり、医療機関の窓口で10割負担になる、必要な医療が受けられなくなる人が生まれてきます。

先ほどの厚労省の調査では資格証明書の発行は、全国で17万4千世帯、尼崎で420世帯でした。全国知事会はこうした状況を重く受け止め、このままでは国民皆保険制度が壊れるとして、国保の安定的な運営の責任者の一人である国に対して、新たに公費投入1兆円を要望しています。全国知事会は、2014年7月に「国民健康保険制度の見直しに関する提言」を発表。

その中で、「極めて高い、被用者保険との保険料負担の格差をできる限り縮小するような、抜本的な財政基盤の強化が必要である」としています。また、同月、当時全国知事会の社会保障常任委員会委員長だった栃木県知事は、「協会けんぽ並みの保険料負担率まで引き下げるには約1兆円が必要。協会けんぽを1つの目安にしながら、可能な限り引き下げを行ってほしい」と具体的な対応を求めています。

 

お尋ねします。代表質疑の際、「国庫負担の引き上げは国保の財政基盤強化のために必要であると認識している」と市長は答弁されました。これは、単に国保の持続的な安定運営のために必要なのか、それとも、国民皆保険を下支えする最後のセーフティーネットとして必要なのか、認識の中身を詳しく教えて下さい。

答弁

国民健康保険は、国民皆保険制度の中にあって制度の構造上、退職者や年金生活者の加入割合が多く、その財政基盤が構造的に脆弱であることや、加えて、一人当たりの医療給付費は増加し続けているといった課題を抱えてきた中で、平成30年度の都道府県単位化により、3,400億円の公費拡充がなされたところでございます。しかしながら、将来にわたる医療費の増加に対応可能な財政基盤を確立し、国民皆保険制度を堅持するためにも、保険給付費の約32%を国が負担する定率国庫負担の負担率の引上げといったさらなる財政措置の拡充は必要であると認識しております。以上

 

 これで第1問目を終わります。

第2登壇

 トライやるウイークについてです。

今回も私の質問の思いを、正面から受け止めてはいただけませんでした。残念です。日本は、戦後、太平洋戦争の反省から不戦を世界に誓い、教育の場でも平和教育に力を注いできました。しかし、安保関連法によって敵と戦うことが先鋭化されている自衛隊では、「共に生きる」ことや「いのちを大切にする」ことは否定されます。

教育の場としてふさわしくありません。自衛隊をトライやるウイークの体験職場から外すべきです。強く求めます。次に、補聴器購入についてです。国で検討が始まったとのこと、よく調べていただいてありがとうございます。ぜひ、県と力を合わせて国へ要望していってください。

 

次に、保育所待機児対策に移ります。

中間見直しでは企業主導型保育事業で156人分の定員をカバーしようとしていますが、企業型保育事業の基準をみると、職員の配置は小規模保育のB型―保育士資格を有する者は半分でOK、保育室の面積は認可基準の半分である1人当たり1.65㎡・畳1畳分を最低確保し、あとは事情を説明すればほぼ申請が受理されているようです。対象児は0歳から5歳までです。

1人当たり畳1畳分の床面積しかない所でどんな保育ができるというのでしょうか。

また、運営面では、わずか3年で国が見直しを迫られているように、助成金の不正受給や定員割れ、ある日突然の閉鎖など、安定した運営に問題点があります。更に、保護者などから苦情や相談が市に寄せられても、市には審査や指導の権限がありません

 

お尋ねします。保育の質・安全面に問題があり、市の審査や指導ができない企業主導型保育事業所を待機児童対策の1方策に掲げることは適切ではないと考えますが、市の認識をお聞かせください。

答弁

企業主導型保育事業の保育の質や安全の確保については、国の委託を受けた法人が全事業所に対し、年1 回以上、定期及び随時監査を実施しているほか、本市も年1回の指導監査を行っており、基準を満たしていない事項がある場合は改善するよう指導しております。また、当該事業を運営するに当たっては、保育室の面積や調理室など施設や設備の基準を満たさねばなりませんが、この基準は認可施設と同等の基準であるとともに、市は事前に基準を満たしていることを確認しているところです。本市としましては、保育需要が増え続ける中、保育の受け皿として国が平成28年度に制度化したものであることから、当該事業は待機児童解消のための一つの手段であると考えております。以上

 

(松沢)次に、昨年度、阪急園田駅高架下に造られる予定の保育施設を市は認可保育所としました。日本共産党議員団は「高架下は人の住む場所ではない」11時間も毎日乳幼児が生活する保育の場としては、不適切であると考えています。尼崎はそんなに土地がないのでしょうか。園田駅周辺ならば廃園にした園和幼稚園跡があるではありませんか。東京都世田谷区では、民有地を区が購入して認可保育所の土地として確保しています。

お尋ねします。尼崎市も認可保育所の用地として市有地を積極的に提供し、認可保育所の新設を後押しすべきではないでしょうか。そういう考えはありませんか。

答弁

本市では、これまでから、子ども・子育て支援事業計画に基づく待機児童解消に向けた保育の量の確保方策の1つとして、認可保育所の公募を行ってきたところでございますが、平成29年度に旧公立保育所であった市有地を活用し公募を行いましたが、応募はございませんでした。また、平成30年度におきましても、庁内協議を経て、市有地を保育所用地として提供すべく、事前に地元調整を行いましたが、公募までには至らなかったところでございます。今後につきましても、庁内で情報を共有しつつ、公立幼稚園跡地を含めた市有地を活用し、待機児童の解消に努めて参ります。以上

 

(松沢)次屋・武庫南・杭瀬保育所の建替え用地がいまだ見つからないとの答弁です。

議会では2016年12月議会に杭瀬・次屋それぞれの保育所保護者から早期建て替えを求める陳情が出され、12月、翌1月、2月とかなりの時間を割いて、白熱したやり取りが行われました。その中で委員会の要請を受け、市は建替え方針や用地確保の考え方などについて文書にまとめ、提示されました。そこでは、資産統括局や関係部局と連携を図る中で用地の確保に努めるほか、更なる選択肢の拡大についても探っていきたいと答弁されていました。あれからもう3年半が経とうとしていますが、結局なにも進展していない。第一次公共施設マネジメント計画によれば、前期の5年間は「検討中」でなにも進まず、後期になってもいつ頃建替え計画がつくられるのか分からない状況です。5年後、3つの保育所はいずれも築50年をとうに越えています。

 

お尋ねします。次屋・武庫南・杭瀬保育所についても、もっと知恵を出し合って、計画期間の後期に入ってからではなく、早急に具体的な建替え計画を作るべきではないですか。

答弁

先ほども答弁いたしましたとおり、次屋・武庫南・杭瀬保育所については、老朽化により、建替えの必要性は認識しております。これまでも、近隣の公園敷地の活用や公共施設の跡地活用を含めた検討は行ってきておりますが、次屋・武庫南・杭瀬保育所は現地での建替えには、敷地が狭く、周辺に建て替えに適した公共用地を確保できる目途が立っていない状況でございます。このため、具体的な建替え計画の早急な策定は困難でございますが、各保育所とも老朽化が進んでいる状況でございますので、今後とも引き続き、関係部局の理解や協力を得ながら、建替えに向けての検討を行い、条件が整った保育所から順次、整備年度などを明らかにする中で計画的な建替えに取り組んでまいりたいと考えております。以上

 

 (松沢)次に、国民健康保険について質問を続けます。

尼崎市の国保のホームページは、入口から「滞納は許さない」一色になっている印象です。資料をご覧ください。1問目で紹介したように、「滞納処分を強化しています」から始まり、2番目の「納付は期限内に」では滞納したときの制裁措置が説明されています。11番目にやっと「減免について」が出てきます。また、国保法44条に基づく保険料の一部負担減免及び徴収猶予などは別画面から探さなければなりません。各画面に問い合わせ窓口の紹介はありますが、どこでも「まず、相談に来てください。」と市民に呼び掛けていません。市民がこれらを見てまず感じるのは、「ちゃんと払わないといけない」という加入者としての義務よりも、威圧感、恐怖感ではありませんか。市は丁寧な納付相談を行うと言いますが、滞納がある市民や分割納付を相談したい市民にとっては、怖くて相談に行けない状況をつくることになりませんか。

代表質疑でも紹介しましたが、日給月給で働く60代後半の夫の収入で生活しているAさんは、たびたび夫が入院し収入が不安定で国保料を滞納しています。電話で市に相談をすると、「納めないと国保証を発行できませんよ」と強く言われ、「怖くて一人では窓口へ行けない」と相談に来られました。Bさんは運送の自営業をされていますが、収入が不安定で国保料を滞納されています。時々窓口へ行かれますが、まず滞納総額がこれだけだからと示されると、あきらめの気持ちになり、じっくり納付相談をしないまま早々に帰ってしまうことを繰り返されています。

 

お尋ねします。丁寧な納付相談を行う姿勢があるのなら、市民に威圧感を与えるホームページ上の表現は改めるべきだと思います。「滞納処分を強化しています」という表現を1番目にもってくることなどはもってのほかです。ホームページ上の表現を変更するつもりはありますか。

答弁

本市では、これまでから、国保被保険者の特性に応じたきめ細かな納付相談を実施してきております。今後とも、可能な限り被保険者の生活状況等の個別事情に配慮しながら、計画的な納付を促進していくよう努めて参ります。なお、先ほども御答弁いたしましたように、滞納処分の内容をホームページ上で情報発信している・目的は、こうした処分を行うには、市民の方にその内容を正しく理解していただく必要があることと、被保険者間の保険料負担の公平性から、納付意識を高めていただくために実施しているものでございます。以上

 

(松沢)なぜ尼崎市は国保の滞納率が高いのかについての市の見解は、市が作成した債権管理推進計画にも書かれています。抜粋して紹介します。「国保の被保険者には、年金生活者や退職者などの低所得とされる人が多いことが一因であると考えられる。このこと自体は、国保制度そのものが抱える構造的な課題であり、制度そのものにおいて収納率が低くなる理由として考えられる。本市は被保険者一人当たりの基準所得が阪神間で最も低くなっており、これが滞納の主な原因になっている」としながら、「低額な分納誓約が滞納発生の要因となっていた」と、いきなり滞納は「低額な分納誓約」にあったと決めつけています。そうではないでしょう。     

国保加入者は国保料を払わなければいけないけれど、年10回の分割国保料が高すぎて払いきれないから、払える金額で分納の努力をしてきたわけです。国保料が高すぎることが問題の根本にあるんです。このことに触れないで、ただ収納率を高めるために納付折衝や差押えなどの滞納処分を強化しても、滞納問題の解決には至りません。

尼崎の国保料の実態について、全国知事会が求めている「協会けんぽ並み」の保険料と比較してみましょう。40代夫婦年収400万円で子ども2人いる家族で国保は約41万3千円、協会けんぽでは20万2千円です。実に協会けんぽの2倍以上の高さです。このように国保料が高くなっている最大の原因は、国庫負担が削減されてきたことです。1984年国保法改悪、その後の事務費の国庫負担廃止などの結果、国保の総収入に占める国庫支出金の割合は、1980年代の約50%から約25%程度まで引き下げられています。その結果1兆円が削減されたと言われています。また、「低収入でも高い保険料」になる背景には、収入や資産に応じてかかる所得割に加えて、収入に関係なく各世帯に定額で係る平等割と家族の人数に応じて係る均等割が計算されます。これによって人数が多い世帯や低収入世帯ほど重い負担になっているのです。滞納問題を解決するためには、国庫負担率を引き上げよと国に要望すると同時に、市独自の国保料引き下げの対策を進めなければ、市民の5人に1人が国保加入者の本市で、市民の健康といのちを守る市の責任が果たせなくなると思います。今、全国で子どもの均等割を減免する自治体が増えてきて、現在25自治体になりました。国保料引き下げのねらいと共に、支払い能力のない子どもにまで均等割という国保料が発生するのは、子育て支援の側面からも問題だという考え方からです。今年度の尼崎市の均等割は、医療分で1人当たり約2.6万円、後期高齢者支援金分約0.9万円、合わせて3.5万円です。国保の18歳以下の子どもは8000人ぐらいなので、約2.8億円あれば減免可能です。

 

お尋ねします。尼崎市は、一昨年まで一般会計から4億円の繰り入れをしていました。また、国保基金には現在33億円があります。これらを活用すれば、子どもの均等割減免は可能です。ぜひ、検討をすべきだと思いますが、いかがですか。

答弁

国民健康保険料の算定における被保険者1人当たりに係る均等割の保険料が多人数世帯の負担増となることにつきましては、国民健康保険制度本来の課題であることから、国に対し全国市長会や中核市市長会を通じて要望をしてきたところです。また、現在、本市では、先ほども答弁しましたが、所得に対して国民健康保険料の負担が重くなっている多人数世帯等に係る軽減措置として、独自の特別減免を実施しており、均等割の加算により負担が増える子育て世帯も要件を満たす場合には、減免の対象となり負担が軽減されるところでございます。しかしながら、ご指摘の子どもの均等割の減免につきましては、今日、ニーズが高まっている子育て支援の観点から課題があるものと認識しております。従いまして、都道府県単位化の推移や、本市の独自減免のあり方などと合わせて、限られた財源の中でのより有効な支援のあり方について、今後、検討してまいりたいと考えております。以上

 

続いてお尋ねします。兵庫県下では赤穂市が第3子以上の均等割減免を実施しています。県が減免に対して補助金を出せば、もっと実施しようと考える自治体は増えるでしょう。県に対し、減免補助金の制度を創るよう求めるべきだと考えますが、いかがですか。

答弁

国民健康保険に係る県に対する要望につきましては、これまでから、県が負担している国民健康事業費補助金の引き上げを求めてきたところでございますが、今回の、国民健康保険の均等割保険料の減免につきましては、国民健康保険制度本来の課題であることから、今後とも、引き続き国に対して要望してまいります。以上

 

 

以上で第2問目をおわります。

第3登壇

 保育所問題について、次屋・杭瀬・武庫南保育所の建替え用地については、全庁で力を合わせて、早急に確保することを強く求めます

最後に国民健康保険事業について述べます。 国民健康保険は社会保険なので、「サービスを受けたいのであれば、保険料を納めなさい」という保険原理の一側面があります。また、「病気になったのは日常の健康管理ができていない自分自身の責任」だとか、「保険料は払うのが当たり前なのに払わない滞納者が悪い」などと、自己責任論の立場から加入者の生活実態をみようとしない一部の風潮があります。しかし、国民健康保険は「助け合い」の制度ではありません。国民健康保険法第1条で目的は「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与する」ことだと明言しています。社会保障の一環だということです。そして、第3条では都道府県は市町村とともに国民健康保険を行うと規定されています。つまり、自己努力や助け合いでは解決しない病気、老齢、失業などの問題に対して、社会的対応をすることが各自治体には課せられている訳です。さらに、国民健康保険の歴史を振り返るならば、戦後農業や自営業者、零細企業従業員を中心に国民の3分の1が無保険者だった時代があり、1958年国民健康保険法新法が制定されたことで、この人たちは国民健康保険の加入者となり、「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療が受けられる国民皆保険制度が確立しました。これによって、日本は世界でもトップクラスの長寿国になり、乳児死亡率などの健康指標も1位を占めています。日本のこの制度は、2000年WHOが総合点で世界1位だと高く評価をしています。今年度の国保料の通知が昨日あたりから加入者に届き、今日から臨時相談窓口も設置されています。市職員のみなさんには、国保加入者の生活実態をしっかりとお聞きし、国民皆保険制度の一端を担う誇りをもって親身な納付相談にあたることを強く求めて、私の一般質問を終わります。

 

 

2019.6月議会・小村潤議員の一般質問の発言と答弁概要です

日本共産党議員団のこむら潤です。

今日は、学校の安全管理体制について、学校の部活動における体罰問題について、高齢者の住宅問題と空き家対策について、質問します。

 はじめに、学校の安全管理体制についてです。

本年度当初予算の主要事業「施策評価をふまえた重点化施策」の中で、教育委員会は「防犯カメラなどを活用した学校安全管理体制の再構築」として今年10月から一斉に、小学校と特別支援学校の安全管理員による安全管理体制を7.5時間から2時間に縮小し、インターホンと遠隔操作式施錠装置の活用に加え、新たに防犯カメラ等を設置し、「スクール・サポート・スタッフ」、「保護者・地域による見守り活動」等をくみ合わせて安全環境の最適化を図るとしています。

このことについて、私は一人の親の立場で考えた時、「人による門前の安全管理をいきなり2時間に減らすのは危険ではないか」と感じたため、質問をいたします。

この事業について、学校関係者や保護者の方々にもどう思うか尋ねてみました。中学校に勤める、ある女性教員は「小学校が対象の話なので始めて聞いたが驚いた。中学校で不審者が侵入した事案も起きており、自分が保護者の立場なら安全管理員は2時間では不安で仕方ない。」と話していました。小学校で、門前で人が守っていることによる安心感は計り知れません。保護者に聞いても、「防犯カメラだけでよい」という声は聞きません。防犯カメラの設置は、もちろん何か起きた時の証拠として記録する事は重要ですが、引き続き安全管理員の目が必要だと感じています。犯罪の抑止力を高めるのならば、イミテーションカメラの設置や「防犯体制強化、特別警戒中」と看板で掲示するだけでも、一定の効果はあるといわれています。事業イメージでは、「安全管理員は一つの門の常駐監視や巡回をしていて、ほかの門の監視機能に課題がある。防犯カメラを設けることにより、昼間だけでなく夜間も常時不審者を監視できるようになる」とうたっていますが、そもそも、この安全管理員は、何のために置かれるようになったのかを再確認する必要があると思います。学校安全管理員配置事業趣旨には、「2001年6月に発生した大阪教育大付属池田小事件、2003年12月に宇治市や伊丹市の学校において発生した不審者による児童負傷事件をうけ、事件事故のない安心安全な学校生活を確保するため」と記されています。

 

お尋ねします。安全管理とは校内や通学路で子どもを危険から守ることで、防犯カメラにより夜間の不審者監視も可能だという説明は、子どもの安全管理とは目的が違うように思いますが、いかがですか。

 

答弁

安全管理員は、門扉前での外来者の確認と目的場所への誘導、門扉の開閉、不審者と判断した場合の学校職員への連絡、学校敷地内・校舎の巡回監視などを業務としておりますが、特定の門に配置され、学校敷地内・校舎の巡回以外の大半の業務時間は、特定の門に常駐していることから、その他の門の監視機能に課題があります。

こうしたことから、安全管理員が常駐している門も含めて、主要な門に防犯カメラを設置し、常時、不審者を監視できるよう機能強化を図り、学校の安全性をより高めようとするものであり、防犯カメラの性能も技術革新により、夜間も昼間も同様の映像が記録できることから、結果として、夜間も不審者の監視ができることになったものです。過去には、小学校に不審者が夜間に侵入した事案も発生しており、他市では防犯カメラに犯人の映像が記録され、逮捕につながった事例もありますので、学校における児童の安全の確保上、夜間の安全管理も重要なものと考えております。以上

 

また、主要事業説明には本年度当初予算が5,438万円、前年度比1,627万円の減額となっています。主目的は、安全環境の最適化ではなく、人件費のコストカットなのではないですか。

答弁

学校安全関係事業は、事件・事故のない安全安心な学校生活の維持を目的とするものであり、最小の経費で最大の効果を上げるよう、安全管理員が常駐している門も含めて、主要な門に防犯カメラを設置することにより、事業費を抑制しつつも、機能強化を図り、子どもたちの学校生活の安全性をより高めるものでございます。以上

 

 (こむら)教育委員会は2月の予算委員会の中で、「2時間で安全管理をどのように守れるのか」という質問に対し、「2時間という範囲をどこに充てるかは学校の状況によって違うが、例えば朝、門前で子ども達を迎え入れるために校長や教職員、PTA、見守りボランティア等の方が立っているので、この体制を強化して安全確保に努める」との答弁でした。

しかし、教職員の働き方を改善し、負担軽減を図るとりくみの一方で、教職員に朝のあわただしい時間の負担を増やしてしまう恐れがあります。スクール・サポート・スタッフも必ず安全管理に従事できるわけではありません。業務は教員の仕事を補助的にサポートすることが目的です。PTAでは保護者の就業率も高くなっており、朝の見守り運動に協力を得られないケースも増えています。安定した安全管理ができる人の配置が必要です。

 

お尋ねします。「学校周辺での児童生徒の安全管理」に専属で責任をもつ人員をきちんと確保すべきであると考えますが、教育長のお考えをお聞かせください。

答弁

教育委員会といたしましては、地域の皆さまによる地域全体で児童を見守る活動が児童に対する犯罪をなくし、大きな事故・事件・犯罪の被害の抑制につながっていると認識しております。そうした中で、児童の見守り隊のボランティアの方々の高齢化に伴い、一部の人に負担がかかるなど、活動が難しくなってきておりますが、今後、地域学校協働本部などと連携しながら、学校と地域の交流の中で、新たな地域の人材育成も検討しながら、今後も子どもたちの安全確保に努めていきたいと考えております。以上

 

 (こむら)4月に我が会派は、市内に移転して間もない、あまよう特別支援学校を視察しました。

「あまよう」では、登校時間と下校時間に大きなバスが学校敷地に出入りする上、保護者が自家用車で子どもを送迎することも多く、日中にも車の出入りが頻繁にあります。安全管理員の存在が、事故防止とスムーズな学校運営に大きく貢献していることがわかりました。

また、「安全管理員体制見直しの初期段階では、特別支援学校は縮小される学校の対象にはしないと説明されていたが、予算案の段階で対象となっていて、非常に残念に思っている」と学校関係者のお話をお聞きしたところです。

 

お尋ねします。どのような経緯で、あまよう特別支援学校の安全管理体制も縮小対象に含むことになったのですか?

答弁

あまよう特別支援学校につきましては、特別支援学校の特殊性があり、昨年9月の時点までは安全管理体制見直しの対象外となっておりました。しかし、昨年10月、教員が子どもたちと向き合う時間を確保するため、新年度から小学校においてスクールサポートスタッフの配置を検討するにあたり、特別支援学校においても併せて検討したところ、当該スタッフによる安全管理機能の補完も可能であり、特別支援学校においても総合的にはスクールサポートスタッフの配置が学校運営上より柔軟な対応が可能と判断したことから、見直しの対象としたものでございます。以上

 

(こむら) 不登校の子どもたちを支える点でも、安全管理員が日中、門前にいることは無駄ではありません。登校時間を過ぎてから、ぽつりぽつりと登校する子どももいます。

がんばって学校に足を向けた子どもたちが門をくぐるのを励まし、「さあ、教室に行っといで」と気持ちを支えてくれるのが安全管理員です。これが、無人でインターホン対応になるとどうでしょうか。

低学年の子どもには、インターホンを自分で押し、一人で鉄の門を開けて入る勇気が出るでしょうか。保護者が門の前まで子どもを連れて登校させた後、安全管理員の方が保護者と会話している光景もよく見られます。保護者の不安な気持ちに寄りそう役目も見逃せません。こうした顔の見える関係性は、机上の計画では見いだせない効果ではないでしょうか。

 

お尋ねします。安全管理員は警備という面だけではなく、常時、人がいることで学校を様々な意味で守ることができていると思いますが、いかがですか?

答弁

学校安全管理員は業務の中で、ご指摘のような登下校時の子どもたちへの声かけや保護者と会話を交わすこともございます。これは子どもたちが安心して学校で過ごせる環境づくりの一つとして有意義なものと考えております。今後につきましては、教職員はもちろんのこと、地域のボランティアの方々へも協力を求める中で、これまでと同様、子どもたちへの登下校時の声かけ等に努めてまいりたいと考えております。以上

 

(こむら)日中は職員室のモニター前に四六時中、人が張り付いて監視しているわけにはいきません。現在でも、「職員室が手薄になることはある」「PTAの活動で職員室に用があり訪ねたが無人だった」といった声を教員や保護者から聞いています。

お尋ねします。他の業務の片手間に安全管理ができる、という認識自体が危険であると考えますが、いかがですか?市民の安全を守る観点から、市長の見解をお聞かせください。

答弁

門扉は、基本、登校後、施錠されており、校内には一般の人は入れない状態となります。来訪者があったときは、インターホンを鳴らしてお知らせするので、その時に防犯カメラで不審者かどうかを確認することとなります。また、防犯カメラ設置後は、インターホン付きカメラのモニターに加え、事務室と職員室にモニターを1台追加いたしますことから、事務員と教頭のいずれかが来訪者を確認できる状態となります。更に、スクールサポートスタッフが配置されますと事務室あるいは職員室のいずれかで、業務に従事いたしますことから、仮に多忙であったとしても来訪者を確認できる目が増えることになりますことから、決して片手間ではなく、教職員の誰かが来訪者を確認できる状態を確保できると考えております。以上

 (こむら)次に、部活動の指導について、質問します。

市立尼崎高等学校の部活動での体罰問題が、テレビや新聞などで大きく報道されました。

一校だけの問題ではなく、市の教育活動そのものの姿勢が問われる重大な問題であると指摘します。文部科学省は、2013年3月に体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について通知を出しており、その中で「部活動は学校教育の一環として行われるものであり、生徒をスポーツや文化等に親しませ、責任感、連帯感の涵養(かんよう)等に資するものであるといった部活動の意義をもう一度確認するとともに、体罰を厳しい指導として正当化することは誤りであるという認識を持ち、部活動の指導に当たる教員等は、生徒の心身の健全な育成に資するよう、生徒の健康状態等の十分な把握や、望ましい人間関係の構築に留意し、適切に部活動指導をすることが必要」だと説明しています。   

日本共産党は、暴力をふるう体罰だけでなく、どのようなハラスメントも人権を侵害するもので許されるものではないと考えています。ことに教育の場においては、子ども達の生涯にわたる人格形成に大きく関わります。健全な育成をおびやかす状況はすぐに改めなければなりません。

 今年に入り、いくつもの問題が発覚しています。

  1. 中学校サッカー部の生徒が、他校の遠征試合を観戦に行った際、本来制服着用の決まりがあるところを私服で行ったため、他校の指導者に指導された際、殴る蹴るなどの体罰が行われた。
  2. 市立尼崎高等学校の男子バレー部で、些細な事からコーチが執拗な体罰をおこない、男子生徒に脳震盪や鼓膜裂傷などのけがを負わせたにも関わらず、救急車を呼ぶなどの措置をおこなわず、学校及び教育委員会への詳細な報告を怠っていた。
  3. 市立尼崎高等学校の野球部指導者が、学校行事の際、野球部生徒の態度が悪いと指導する際、体罰をおこなった。
  4. 中学校の教諭が、体育大会の練習中に見学している生徒の態度に指導する際、体罰をおこない、教頭に速やかな報告ができていなかった。その他にも、私はある中学校の運動部に子どもを通わせている保護者から「顧問の指導が常識の範囲を超えており、行き過ぎだと感じて子どもの安全を心配している。学校や顧問に伝えても適切な改善がなく、顧問から保護者の自分に直接電話をしてきては、子どもの進路などをちらつかせるパワハラがある。」という声をお聞きし、教育委員会に相談したこともあります。直接、殴る蹴るなどの身体的暴力をおこなっていなくても、指導者という立場を振りかざした威圧的で強権的な指導や、行き過ぎた理不尽な指導をおこなっていることも考えられます。本来、「パワーハラスメント」という言葉は労働者が職場の上司などから受ける「嫌がらせ」を指すものですが、部活動における、立場を利用した嫌がらせ、負のストレスを与えるやり方についても、同様に重く受け止める必要があるのではないでしょうか。

 

教育長にお尋ねします。こうした本市の教育現場における体罰問題について、どのように感じておられますか?

答弁

体罰は違法行為であるのみならず、児童生徒の心身に深刻な悪影響を与え、教員及び学校への信頼を失墜させる行為であり、いかなる場合であっても決して許されるものではありません。これまでから学校における体罰禁止について、周知徹底を図ってきたところですが、こうした中、市立尼崎高等学校や市立中学校で体罰事案が発生したことについては、大変申し訳なく思っております。今後、市立学校園を児童生徒が安心して通える場所とするため、全市立学校園を対象に体罰実態調査を実施するとともに、体罰根絶に向けた有識者会議(仮称)の助言を頂きながら、体罰根絶に向けた具体的方策をスピード感をもって検討してまいります。以上

 

 (こむら)部活動には、専門的な技術指導を補助する目的で、外部講師を付けることができます。外部講師には、兵庫県教育委員会の教職員研修資料「いきいき運動部活動」にもとづいて研修がおこなわれており、年一回、すべての部活動外部講師に受講するよう通知されています。

 

質問します。教員や臨時講師で、部活動の指導にあたる者、また本年度より実施されている部活動指導員に対しては、外部講師と同様の研修会はおこなわれていますか?

答弁

議員ご指摘のとおり、課外クラブ技術指導者、いわゆる外部講師については「いきいき運動部活動」等に基づいた研修を毎年実施しておりますが、本年度より実施される部活動指導員に対しても、同様の研修を、今後行ってまいりたいと考えております。また、本市では、国が策定した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」や県の「いきいき運動部活動」をふまえ、平成31年4月に「尼崎市立中学校部活動の方針」を策定したところでございます。この、「尼崎市立中学校部活動の方針」は、部活動指導に携わる教職員に対し、学校を通じて周知されておりますが、今回の体罰事案を受け、より適切な運動部活動の指導ができるような研修の実施等の対策を検討してまいります。以上

 

 

 (こむら)次に、高齢者の住宅問題と、空き家対策に関してお聞きします

最近、市民の皆さんから「空き家がふえた」という声をよくお聞きするようになりました。

昨年の台風の時には、隣の空き家の壁が倒れ掛かってきそうだ、という相談や、人通りの多い道に面した崩壊寸前の危険空き家の相談、また両隣とも住人が亡くなったり転居したりと空き家になり心細いが、自分も高齢で終の棲家なので、どこにも移らず残っている、という話など、高齢化と空き家の話題が尽きません。

私が住んでいる大庄地区は、高齢化率が他の地域より高く、昨年のデータでは総人口に対する75歳以上の方の割合が、本市全体では13.6%に対し、大庄地区は16.7%です。築40~50年以上の古い住宅に、長年住み続けてきた方が多く、子や孫は離れて暮らしているか、身寄りのないひとり暮らしの高齢者も多くなっています。国土交通省によると、全国で65歳以上の単身世帯は2010年で498万人、20年後の2030年には730万人に達すると予測しています。こういった一人暮らしの高齢者が亡くなったあと、身寄りがない、あるいは相続人も資金がなく解体や改築もできず空き家のまま放置される、といったケースが増えています。大庄地区は、住宅が密集した区域もあり、防災・防犯・街の景観の観点で見ても空き家が増えるのは望ましくありません。

過去にも様々な会派議員が、空き家対策や住宅の家賃補助など、住まいの問題について質問されておりましたが、「国や県の制度があり、紹介をしている。本市が独自で助成制度をつくったり、規制緩和や助成対象の拡大はおこなわない。」など、消極的な答弁ばかりだったと認識しております。市民がおのおのに抱いている「なんとか街をよりよくしたい」という思いを、質問にしたいと思います。本市が本年度予算で主要事業にあげられた「密集住宅市街地整備促進事業」では、防災街区整備地区計画の区域内を対象に、老朽住宅の解体費用の一部を助成するとしています。

 

お尋ねします。尼崎市密集市街地整備・改善方針が立てられたのはいつですか?この方針では、対象区域の実情を十分に踏まえ、課題に適切に対応していく必要があり、住民が主体となって合意を形成し、相互連携を図りつつ、まちづくりに取り組むこととなっており、「まちづくり勉強会」「まちづくり協議会」「まちづくり推進協議会」と段階的に進めるとしています。かなり年数が経過しているようですが、進捗状況はどうでしょうか?

 

答弁

尼崎市密集市街地整備・改善方針は平成17年3月に策定し、本市の密集市街地の整備・改善手法や優先度を定めております。この方針に基づき、平成17年度より、火災が発生した場合に延焼危険性があり優先度が高い重点密集市街地において説明会を開催するなど、意識啓発を行い、地元発意によるまちづくり勉強会の開催や、まちづくり協議会の設立を行ってまいりました。

その後、平成23年度から29年度の間に、市内5地区において防災街区整備地区計画を策定し、建替え時の壁面後退や道路空間の確保、建物の耐火規制などを定めて、住民主体による災害に強いまちづくりを進めて・おります。以上

 

 (こむら)これまで、我が会派議員は、国が策定した「新たな住宅セーフティネット制度」の活用について質問を重ねてきました。この制度は、高齢者や障がい者、ひとり親世帯、低所得者など、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅を、家主が申請登録することで、登録住宅の改修費の補助や家賃補助、家賃債務保証料の負担軽減が受けられるものです。

 

質問します。本市は兵庫県の「ひょうご住まいづくり協議会」に参画し、県の制度としてセーフティネット制度の取り組みにあたっているそうですが、この「住宅セーフティネット制度」は、現在どのくらいの方が登録されていますか?

答弁

新たな住宅セーフティネット制度における、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録につきましては、平成29年10月の法施行とともに実施しておりますが、床面積や耐震性を有するなど、登録には一定の要件があり、問い合わせはあるものの、現時点で本市での登録はございません。以上

 

 

第二登壇

 

 ご答弁いただきました、夜間の不審者監視については安全管理とはやはり別事業ではないかと思いました。スクールサポートスタッフや地域ボランティアは確実な安全管理にならないとあらためて感じました。「インターホンがなったら応対する」と言いますが、「じゃあ、不審者はインターホンを鳴らして入ってくるのか?ということなんです。悪意を持って侵入してくる人はいつどうやって入ってくるかわからないわけですから、やはり人による安全管理は必要だと思います。

また、体罰問題について、本市の今年4月に出されたガイドラインは私も見ましたが薄っぺらくて通り一遍のことが書かれているだけだと感じました。しっかりと練り直していただきたいと思います。

 

それでは、学校安全管理員配置事業について、質問を続けます

ある安全管理員をされている方から2時間への体制縮小についてご意見をいただきました。

「5月に入ってから、シルバー人材センターからの連絡網で一方的に知らされた。安全管理員の意向も聞かずに決められており、なぜ2時間にするか?の説明責任が果たされておらず、一同憤慨している。安全管理員として働く者の意見をまず聞く場を設けるべきだ」と強い憤りを訴えておられます。

たった2時間の勤務では仕事として成り立たないと、安全管理員をやめるという声も上がっているそうです。また、「学校の安全管理は児童全員の安全を守るため、子ども一人ひとりの顔を覚え、その顔色や表情も見るようにしている。いつもと違う表情の時は、家庭内暴力を受けていたケースもあった。2時間労働では、他の管理員に互いの申し送りも十分にできず、安全管理の流れを把握することができない」とのことでした。

 

お尋ねします。現場の声も聞かず、安全管理員の配置時間を2時間にしたのはなぜですか?このままでは安全管理員の担い手が不足する恐れもあると思います。安全管理員の皆さんに趣旨説明をおこなう場を設けるべきだと思いますが、いかがですか?

答弁

安全管理員の見直しにつきましては、事業開始当初と比べ、市内の事件発生件数が減少してきたこと、防犯カメラの性能の技術革新があり、防犯カメラの活用による不審者侵入防止策が主流となってきたこともあり、事前に学校現場とも協議を重ねる中で決定したものでございます。

シルバー人材センターとの契約締結にあたっては様々な課題はありましたが、働く場所の確保は大切であるとのことで、2時間の見直しについてご理解いただきました。安全管理員に趣旨説明を行う場の設定につきましては、委託契約であることから、考えておりませんが、シルバー人材センターには十分に理解を求めていきたいと考えております。(以上)

 

 

 (こむら)次に、部活動の指導のあり方について、質問を続けます。

文科省による通知には、部活動指導について言及した項もあります。

(1)部活動は学校教育の一環であり、体罰が禁止されていることは当然である。成績や結果を残すことのみに固執せず、教育活動として逸脱することなく適切に実施されなければならない。

(2)他方、運動部活動においては、生徒の技術力・身体的能力、又は精神力の向上を図ることを目的として、肉体的、精神的負荷を伴う指導が行われるが、これらは心身の健全な発達を促すとともに、活動を通じて達成感や、仲間との連帯感を育むものである。ただし、その指導は学校、部活動顧問、生徒、保護者の相互理解の下、年齢、技能の習熟度や健康状態、場所的・時間的環境等を総合的に考えて、適切に実施しなければならない。 指導と称し、部活動顧問の独善的な目的を持って、特定の生徒たちに対して、執拗かつ過度に肉体的・精神的負荷を与える指導は教育的指導とは言えない。  

(3)部活動は学校教育の一環であるため、校長、教頭等の管理職は、部活動顧問に全て委ねることなく、その指導を適宜監督し、教育活動としての使命を守ることが求められる。

この文部科学省の体罰・指導についての見解は、体罰について禁止する立場がはっきりと書かれている半面、解釈によっては体罰を「熱心な指導」と言いかねない危険性ももっています。この点においてしっかりと教育の現場で議論を深め、「いかなる暴力も教育的指導と認めない」という認識を確認する必要があります。

これまで、2004年、06年、09年と、我が会派議員が体罰問題について質問してきました。この中でも「教育委員会は体罰を行き過ぎた指導、熱心な指導ととらえていないか」という質問に対し「いかなる状況においても、体罰は人権を侵害し、信頼を失う行為であり、教育的な効果を見いだせるとは考えていない」との答弁、また「議会での答弁がきれいごとだけになっていないか。体罰を一掃する仕組みづくりをおこなう気があるのか。体罰に対する認識を職員会議などで一致させ、校内で体罰を行わない指導のあり方を模索すべきでは?」という質問には「教師の指導力を向上させ、職員間においても指導等についてお互いに指摘し合えるような関係を構築していくことが体罰防止につながると考える」と答弁されています。

 

お尋ねします。幾度となく議会でも体罰問題が取り上げられ、その都度、反省と課題解決の答弁を繰り返されてきましたが、なぜ、今回またこのように体罰が行われたのでしょうか。

理由をお聞かせ下さい。

答弁

4月29日に市立尼崎高等学校男子バレーボール部での体罰事案が発生した原因として、まずは自身の指導力不足を暴力に頼ってしまったという加害コーチの資質の問題があると考えております。

しかし、常態化していた過去の体罰も含め、これまで被害生徒からの相談や救済を求める声が学校管理職や教育委員会に届かなかったことを鑑みますとバレー部全体の中に体罰を容認する空気があったこと、部内での隠ぺい体質が蔓延していたこと、また部の運営に対する学校管理職をはじめとするチエック体制が脆弱であったのではないかという疑念を抱かざるを得ず、これらを招いた背景には、長年の学校や部活動の運営の中で築かれてきた非常に根深い組織風土があるのではないかと考えています。以上

 

 (こむら)先ほど、光本議員の質問で、現在の教育振興基本計画には体罰について対策されていなかったことがわかりましたが、教育委員会がこれまで、体罰問題を重く受け止めてこなかった証だと感じ、残念でなりません。部活動の外部講師は教育現場経験がない方が多く、指導方法について研修が必要ですが、外部講師よりも長時間指導にあたり、主導権を持っている顧問や監督といった指導者こそ生徒への影響力が大きく、きちんと指導のあり方を身につけておくべきです。

 

お尋ねします。部活動指導に携わる教職員への徹底した研修会や、部活動の指導のあり方を考える機会を、学校任せだけにせず教育委員会主導でも設けるべきだと思いますが、教育長のお考えはいかがですか?

 

答弁

教育委員会といたしましては、これまでも部活動指導に携わる教職員に対し、体罰禁止も含めた部活動の適切な指導について、研修を行ってまいりましたが、今回のような体罰事案が起こってしまい、今までの研修が不十分であったと、反省しております。今後、新たに全中学校と高等学校の課外クラブ担当者に対し、体罰防止を目的とした研修会を行うと共に、各学校においては、兵庫県教育委員会が作成した「NO!体罰」の資料を活用した研修を徹底するなど、二度と体罰事案を起こさないよう努めてまいります。以上

 

(こむら)また、さきほど紹介したような、部活動に不安や悩みを抱えて誰に相談すればよいのか困っている生徒や保護者もいます。

 

お尋ねします。保護者や生徒の声に、学校や教育委員会は誠実に対応できていますか?気軽に部活動の悩みについて相談できる窓口が必要だと考えますが、いかがですか?

 

答弁

今回の尼崎市立尼崎高等学校男子バレーボール部を発端とする一連の体罰事案を受け、実施した体罰に関する調査におきまして、新たに体罰が複数あがっていることから、これまでの学校や教育委員会における相談体制が不十分ではなかったか、反省しているところでございます。教育委員会といたしましては、体罰根絶に向けた取り組みの具体策として、市のホームページにメールやFAXによる体罰の通報窓口を設けるなど、生徒や保護者の悩みに誠実に対応できる体制を作ることで、今後、二度とこのような事態を繰り返すことのないようにつとめてまいります。以上

 

 (こむら)つづいて、高齢者の住宅問題について質問を続けます。

密集市街地が多い大庄地区ですが、防災街区整備地区に含まれていないので、助成対象外となっているのは残念です。今年の二月、大庄地区の密集市街地のアパートで火災が発生し、高齢者がおひとり亡くなられました。命は助かったものの、着の身着のままで焼け出された住民の皆さんは、たちまち全財産を無くしました。アパート全焼の原因の一つに、消火活動の遅れが考えられます。住宅が密集し道が狭く、消防車が侵入できない、水栓から火事場にホースが届かない状況で、あっという間に火が回ったとのことでした。防災街区整備地区でなくても、このように、市民の命がかかった喫緊の課題があります。地域住民からも「火事が起きた時が本当に怖い。はやく対策を考えてほしい」と声が上がっています。密集市街地整備の進捗状況を見ると、市街地の整備はすぐには解消できない長期の課題であることがわかります。

 

お尋ねします。密集市街地の整備について、柔軟に、積極的に、そして対象地区の拡大や見直しも含めてあらゆる対策を即急に試みてほしいと思います。これまで、密集市街地や老朽空き家問題に対して「他都市の事業実績や全市的なニーズを見据えて研究する」とか「固定資産税の減免制度は空き家対策に効果がない」という消極的なご答弁が続いておりますが、動き出す時が来ていると思います。前向きな対策を考えていただけますか?

答弁

これまでに防災街区整備地区計画を策定した5地区以外の密集市街地におきましても、第1問でお答えいたしましたように、地元説明会などの意識啓発やまちづくりに精通したコンサルタント派遣などを行うことにより、密集市街地の解消に向けた、地区計画やまちづくりルールなどの住民主体の取り組みを促進してまいります。また、老朽危険空家の解決に向けては、所有者による自主的な除却が原則となるため、所有者を調査し、助言・指導を行うことが最も重要な取り組みであります。しかしながら、経済的な理由が、除却が進まないことの主な要因のひとつとなっているため、除却補助制度の充実に向けて、今年度は他都市の情報収集と事例研究を行ってまいりたいと考えております。一方で、新たな老朽危険空家の発生抑制も重要であることから、所有者への啓発や利活用支援の取り組みを、関係団体と協力しながら引き続き進めてまいります。以上

 

住宅セーフティーネット制度も実用されていない状況がわかりましたが、今後の改善策は考えていますか?

 

答弁

住宅確保要配慮者への住宅の供給については、さらなる取組を進めていく必要があると考えております。今年度はまず市内の民間賃貸住宅の所有者を対象としたアンケートを実施し、所有者の意識や住宅の規模、耐震性の有無などの実情を調査し、課題を分析することとしております。そのうえで、必要な取組について福祉部局と連携しながら検討を進め、改定する住宅マスタープランに必要に応じ反映してまいります。以上

 

 

 (こむら)次に民間の賃貸住宅に住む高齢者の住宅問題です。

ある78歳の男性からの相談では「URマンションに妻と二人で暮らしているが、どちらかが死別すれば、家賃を含め生活費が払えなくなる」と将来の不安を話されました。男性の年金が月12万円、妻が9万円で、URの家賃は6~7万円です。配偶者が亡くなると一人分の年金で家賃、保険料、光熱費、医療費等を支払ったら、手元に残らないとのことでした。所得に応じて家賃が決まる市営住宅を申し込むよう勧めました。国土交通省によると、築40年以上の民間賃貸に住む単身高齢者世帯は4割を超えています。こうした家賃負担が困難になるケースが増えるのではないでしょうか。

 

お尋ねします。公営住宅は、 公営住宅法第1条で、「国と地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を建設し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするもの」と定められたものです。

現在の計画のように市営住宅の戸数を減らすのではなく、低所得の高齢者が住みやすい市営住宅を増やすべきだと思いますが、どうでしょうか。

答弁

本市の市営住宅の管理戸数は、現在、約1万戸であり、全国の中核市や類似都市と比較してもかなり多い状況であるため、将来にわたる財政負担の点から、建替えや廃止により管理戸数を削減していくこととしております。また、存続することとしている市営住宅の中には、耐震性能やエレベーターがないなどバリアフリー性能に課題があり、高齢者が入居しにくいものがあります。このような課題に対応するため、市営住宅の建替えなどによる耐震化や、エレベーター設置によるバリアフリー化を行い、安全で、高齢者が入居しやすい市営住宅の整備を進めているところでございます。以上

 

 

第三登壇

 

 最後は、要望にとどめます。

安全管理員の体制については、奇しくも先日、川崎市で登校中の児童が殺傷される悲惨な事件が発生したような社会背景の中で、もっとも重点的に人員を導入して対策を図るべきところではないでしょうか。この度、教育委員会に安全管理員の趣旨などをうかがった折り、今後の安全管理体制について5月30日にいただいた説明では「事業開始から10年以上経過し、開始当初に比べ、社会環境にも変化がみられる。」「本市と同様、安全管理員を配置している西宮市でも半日の勤務体制」などの理由で、見直しがされた、とのことです。しかし、児童が巻き込まれる犯罪や事故は、10年たって無くなるものではなく、いつ、どこで起こるかわかりません。本市の安全管理体制は効果のある事業として継続すべきです。万全の対策を緩めるべきではなく、安全管理員体制を一斉に縮小することのないよう、再検討を強く要望いたします。

 

 体罰問題について、2013年2月のしんぶん赤旗で、当時起こった体罰問題について取り上げられた記事を抜粋して紹介します。『大阪・桜宮高校のバスケットボール部での体罰・自殺事件という心の痛む深刻な事態から、学校のスポーツ部活動で「勝つために必要」と黙認・隠ぺいされてきた体罰・暴力指導の実態が、つぎつぎに明るみに出ています。柔道女子ナショナルチームの選手15人は連名で、「暴力行為やハラスメントがあった」「心身ともに深く傷ついた」として監督・コーチを告発しました。「安心して競技ができる環境に」と訴えた選手たちの行動は、選手の声が「内部では封殺された」もとで、やむにやまれずに取った行動でした。なぜ、「スポーツ指導」ということで、生徒や競技者への暴力行為や暴言が許されてきたのでしょうか。なぜ、部員や選手の声は黙殺され、自殺にまで追い込まれ、決死の思いで告発をしなければならないのでしょうか。生命の尊厳と人権が乱暴に踏みにじられる指導のあり方と体質は異常です。いうまでもなく、学校の教育でも一般社会でも、体罰や暴力、ハラスメントは許されるものではありません。スポーツは野蛮な暴力を根絶し、民主的な人間関係を生み出す文化として発展してきたのです。そこに暴力を持ち込むこと自体、根本に反する行為として指弾されなければなりません。』昨日は体罰問題に関する有識者会議の設置、体罰根絶プロジェクトチームの立ち上げが発表されました。この度、本市で起きた体罰事件を教訓にし、今度こそ根底からしっかりと調査し、膿を出し切り、体罰やハラスメントのない部活動や学校になるよう、特に専門性の高まる高等学校の部活動、市尼体育科は、スポーツの成績だけでなく、体罰ゼロについてもプロフェッショナルになるよう、本気の対策を求めます。

 

 高齢者の住宅問題、空き家対策については、ファミリー世帯の定住・転入促進を前面に推し出す本市ですが、高齢者が安心できる施策が見えません。先日、私は大庄の老人クラブ連絡会総会に出席しました。そこで市長からのメッセージが代読されましたが、「ファミリー世帯の定住・転入促進、シビックプライドの醸成とシチズンシップの向上をめざす」といったカタカナ言葉が並び、高齢者に寄りそう言葉には感じられませんでした。これまで尼崎に愛着をもって住み続け、本市の発展を支えてこられた、高齢者の市民にこそ「さいごまで尼崎にすんでよかった」と思ってもらえることが、未来の展望にもつながるのではないでしょうか。衣食住は人間の生活の基本です。なかでも住居は公共の支えが不可欠です。「住まいは福祉」の観点で取り組んでいただきたいと思います。せっかくある県や国の制度が活かされるよう検証し、改善策を講じて市民に啓発する、とことん地域に密着して実情に応じた対策を模索する、などの丁寧で積極的な対策を求めます。

以上で私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。

2019.6月議会・徳田みのる議員の給食補正予算(給食センター整備事業)に対する質疑の発言と答弁概要です

 

 

日本共産党議員団の徳田稔です。

本議会に提案されました、議案第66号、一般会計補正予算(第1号)の債務負担行為、尼崎市立学校給食センター整備運営事業についてお尋ねします。この事業は、市民が待ちに待った中学校給食を提供する事業で、旧若草中学校の敷地の一部に学校給食センターを建設するものです。この事業費の限度額は113億7千9百万円で、PFI事業BTO方式で実施するとしています。このPFI事業BTO方式は、民間事業者が設計・建設し、施設完成後、所有権を市に移転、その後も維持管理及び運営等を民間が行うものです。事業を行うのは、設計、建設、工事監理、維持管理、運営、厨房設備の各企業が出資したグループ、特別目的会社です。すでに今年4月23日に学校給食センター整備運営事業の要求水準書(案)が示され、公表されています。10月に事業者決定、特別目的会社設立準備、12月に事業契約、2021年12月に設計、建設を済ませ、2022年1月から中学校給食を開始するとしています。

 まず給食センター建設についてです。建設業法では、建設業を営む者は建設業の許可を受けなければならないと3条で定め、22条1項、2項では一括下請け行為の禁止を定めています。内閣府の「契約に関するガイドライン」そして「PFI制度関係資料」によると、特別目的会社が構成企業の建設事業者に請け負わせる場合は、特別目的会社は建設業務の受注者として建設業法の規制を受けるとされています。したがって市から給食センターの建設を受注した、特別目的会社が一括して、グループの建設事業者に建設させることは、禁止されている一括下請け、いわゆる丸投げ行為になると考えます。

お尋ねしますが、特別目的会社が受注した給食センター建設工事を、一括してグループの建設事業者が工事を再受注することは建設業法に違反の恐れがあると思いますがいかがでしょうか。

答弁

本事業は、PFI事業として特別目的会社に対して発注するものであり、そのPFI事業における建設工事を発注するのは、あくまで特別目的会社であります。建設業法第22条第1項の規定は、市と特別目的会社の契約においてではなく、特別目的会社とグループ内の建設事業者との間の請負契約において適用されるものであり、この建設事業者が第三者に一括して請け負わせることが一括下請負となるので禁止されているものでございます。従って、市が特別目的会社と締結する事業契約は、建設業法に違反するものではございません。以上

 

(徳田)中小企業者の公共工事の受注機会を確保するための措置を講ずることが目的の官公需法では、中小企業者に関する契約の基本方針で分離分割発注の推進を掲げています。

また尼崎市の産業振興基本条例や公共調達基本条例では、市内事業者が受注機会の増大を図れるよう、環境の整備を市の責務として規定し、市内事業者優先などの取り組みを求めています。私は、特別目的会社の応募グループの個々の事業所の仕事は、中小企業にふさわしい仕事ばかりであると思います。

そこでお尋ねします。中小企業者や地元事業者が受注機会の確保できるよう、尼崎市の産業振興基本条例や公共調達基本条例の趣旨を尊重して、どのような対策を講じられるのでしょうか。お答えください。

答弁

給食センターのPFI事業者の募集にあたりましては、ご指摘のとおり、市内事業者の受注機会の確保に意を用いてまいります。具体的には、①特別目的会社に出資する代表企業や構成企業のいずれかに、尼崎市内に本社を有する者を一者以上含むこと、② 下請等の契約や原材料の購入などの契約は、可能な限り市内事業者との間で締結することなどを考えており、既に、こうしたことは整備運営事業の実施方針に明らかにしております。以上

 

(徳田) 私は、このPFI事業BTO方式が、従来の方式に比べて、本当に安くなるのどうか疑問に思っています。この給食センター整備運営事業費は、16年7か月の事業期間で、113億7千9百万円となっています。従来の方式と比較してPFIによる総事業費をどれだけ削減できるかを示す割合、VFMは約6.86%となっています。この計算から逆算すると、従来方式の総事業費は122億1千7百万円と推定されます。

そこでお尋ねします。この従来方式の総事業費の積算根拠を議会に示していただけるのでしょうか。できないのであればその理由をお聞かせください。

答弁

給食センターの総事業費は、従来方式による設計・建設費などの施設整備費、維持管理・運営費用について、国の基準やこれまでの実績などを基に算出しているところでございますが、従来方式の総事業費の積算根拠を公表することは、適正な入札環境を損なわせる恐れがあるため、差し控えさせていただきます。以上

 

(徳田)今後、それぞれの応募グループから企画提案書が示され、契約の相手となる応募グループを決定します。

お尋ねします。決定された応募グループの企画提案書の内容を議会に明らかにすべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください.

答弁

応募グループの企画提案書については、民間のノウハウを保護する観点から、すべてを公表することはできませんが、提案された施設概要などについては、決定した応募グループから同意を得たうえで、平面図、立面図、イメージパースといった内容などお示しできるものは議会へお示ししてまいりたいと考えております。以上

 

(徳田)要求水準書(案)の維持管理業務では、事業者は、要求水準書、学校給食衛生管理基準及び大量調理施設衛生管理マニュアル、建築保全業務共通仕様書の最新版の点検項目を、事業者の判断で参考にして、建物、設備等の点検・保守を行うとなっています。点検周期は、共通仕様書に示された点検周期、3か月に1回、1年に1回などで、適切な維持管理が行われていることを前提にして、事業者の裁量に委ねるものとするとなっています。

お尋ねします。維持管理業務の報告書を定期的に受け取ることになっていますが、報告書の内容や報告書以外ものについて、市が、現場を直接目視などにより点検・確認はできるのかお答えください。

答弁

給食センターの維持管理については、全体計画書及び年度別計画書の作成を求めるとともに、計画書通りに維持管理がなされているかどうか報告書の提出を求めていきます。また報告書の内容を確認するため、必要に応じて施設や設備の状況について、市として点検・確認を行ってまいります。また、給食の運営業務につきましては、事業者からの定期的な報告書に基づき「市が要求するサービス水準が適切に履行されているか」、「マニュアルに沿った運営がなされているか」などの確認を行うほか、市職員が、直接、毎日、給食調理エリアに足を運び、その日の給食調理が順調に進んでいるかどうかなど、調理工程の進捗確認を行うほか、給食の仕上がりや味の点検を実施することとしております。以上

 

(徳田)14年7か月間の運営事業期間終了1年前に、事業者は改修または更新の必要性について調査し、建築物・設備・外構施設・備品等調査報告書を市に提出する。市は、施設が良好な状態に保たれているか検査し、修繕点があれば事業者が速やかに修繕し、市が確認するとなっています。

お尋ねします。事業期間終了時の大規模修繕などの際に、市が施設の良好な状態の検査を行う技術、能力、スキルを15年間にわたり、保つためにどのような対策を講じるのでしょうか。

答弁

事業者には、供用開始後、維持管理・運営期間約15 年間を含む30年間の長期修繕計画を作成し、事業期間中の15年間において原則、大規模修繕が発生しないように予防保全措置として計画修繕を行うように求めています。市は事業者が行った修繕履歴や修繕内容を確認して、その記録を蓄積することにより、事業期間終了後も給食センターの施設や設備を適切に点検・確認できるよう維持保全するとともに、市の職員には維持管理上必要な研修を受講するなどによりスキルアップに努めてまいります。以上

(徳田)次に、運営業務についてです。事業者は、要求水準書、学校給食衛生管理基準及び大量調理施設衛生管理マニュアル、尼崎市学校給食における異物混入対応マニュアル等の各種学校給食関係マニュアルに基づき、給食センターの運営業務を行うとなっています。

サービスを受ける、給食の提供を受けた中学生の声や、市民の声はどのように、運営業務に反映されるでしょうか。

答弁

中学校給食の開始後、生徒や保護者に対し、給食の献立内容等に関してアンケートを行うとともに、希望する市民の皆様に対しては、給食センターで試食会を行い、ご意見や感想などをお伺いすることを予定しております。このように得られた生徒や保護者や市民の皆様の様々なご意見につきましては、可能な限り運営業務等に反映し、よりよい中学校給食が提供できるよう努めてまいります。 以上

 

また、要求水準書を満たさない場合には改善命令や委託料の減額をするとのことですが、特別目的会社が、それにも従わない場合には、委託解除もありうるのでしょうか。お答えください。

答弁

PFI事業につきましては、モニタリングの結果により、要求水準に達していない場合は事業者に対して改善勧告を行います。改善が行われない場合はサービス対価の減額や、場合によっては契約を解除することもあります。こうした内容につきましては、今後の入札説明書等や事業契約書(案)にて公表していくこととしております。以上

 

(徳田)安全でおいしい中学校給食の提供を受けるためには特別目的会社の健全な運営が欠かせません。

お尋ねします。この特別目的会社の毎年の決算や業務内容を議会へ報告し、私たち議会がチェックできるのでしょうか。また市民にも公開されるのでしょうか。また特別目的会社の決算等の報告ができない場合には、市が特別目的会社に出資するなどして、市の関与を強め、議会への報告ができるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。

答弁

特別目的会社は公的資本の出資ではなく民間資本により設立された会社であり、出資は考えておりません。毎年の決算や業務内容の報告は、地方自治法の財政状況の公表等の規定には該当せず議会への報告義務はないため、任意に議会へ報告する場合については事業者との合意が必要であり、現在のところ難しいと考えておりますが、給食センターの特別目的会社の運営状況などのモニタリング結果については、透明性の確保の観点からも適切に公表していくことが必要であると考えており、詳細は今後検討して参ります。以上

 

 以上で質疑を終わります。

2019.3月予算議会・こむら潤議員の2019年度予算並びに関係議案に対する反対討論です

 日本共産党議員団の、小村潤です。会派を代表して、2019年度一般会計予算ならびにその他の議案第1号、2号、3号、10号、11号、12号、13号、14号、15号、33号、41号、42号、43号、44号、49号、50号および51号について反対の意を述べてまいります。

意見表明で指摘いたしましたとおり、今年10月に消費税率が10%に引き上げられようとしていますが、消費税の増税は、市民のくらしに大きな影響を及ぼし、景気をさらに冷え込ませることが明らかです。複雑な複数税率やポイント還元は、消費者のみならず中小企業や、零細な小売店にとっても混乱が予想されます。このような状況下で、今、性急な増税実施はすべきでないと考えます。よってこの消費税増税に伴うプレミアム付き商品券関係事業費および増税を前提とした予算と関連議案には反対をいたします。 

 業務プロセス分析事業費は、さらなる業務執行体制の見直し、アウトソーシングが進められようとしているものです。やみくもなアウトソーシングの導入は、市民サービスの低下や市職員の公務に対する意識やスキルの低下を招く危険性があり、市政の発展に寄与するものではないと考えるため、認められません。

 マイナンバーカードの普及促進に関わる事業予算は、市民のあらゆる個人情報がマイナンバーから漏洩するおそれがあります。国が国民情報を一元的に管理する目的のためにつくられた番号制度そのものに反対のため、これを認められません。

 あまっこステップ・アップ調査事業は、今年度より、小学校一年生から中学校二年生までを対象に毎年行われる学力と生活の実態調査です。しかしこれは児童生徒や教育現場に負担が大きい三学期に実施され、「児童生徒ひとりひとりのつまづきを把握し、個々に応じてよりきめ細やかな学習指導ができる」とうたった調査実施後の学習指導も、実際は年度末に春休みの宿題としておのおのに復習プリントが配られて終わり、ということになりかねません。教育委員会の理想とかけ離れた現状が浮き彫りになっています。特別支援教育を受ける子ども達も置きざりになります。「テスト漬け」による学力至上主義な取り組みに陥るのではなく、子どもと向き合う職員を増やし、教員本来の「教える」技能が十分に発揮される学校づくりに取り組むべきです。よってこの事業費には反対をいたします。

 障害児者移動支援事業費について、市はサービスの適正化・平準化などを理由に2017年に新ガイドラインを作り、報酬単価の見直しをおこなった結果、この度の予算額でも減額となっています。しかし事業所からは「報酬が削減されたことで、移動支援事業のためのヘルパーを確保することができなくなり、移動支援事業をやめざるをえなかった」と訴える声があがっています。市は事業所、利用者ともに影響は見られないと言いますが、利用抑制につながるような実態があることは明らかです。市が障害児者の実態をきちんと把握せず、課題認識できていないことも問題であり、徹底調査をすべきです。障害児者移動支援事業費の減額予算は認められません。

 県施行・街路事業地元負担金のうち園田西武庫線について、三菱電機構内の移転事業費の内容も非公開のまま、また地元合意ができていない中での地元負担金を支出することは認められません。

議案第44号は、建築基準法の一部改正に伴う審査手数料を徴収するための条例改正案です。建築確認制度や防火・耐火規制は、その建築物で起居する人の生命・身体の安全を守る趣旨の規制です。既存の建築物を活用促進するため、現在の厳しい建築基準より緩和しようというものですが、用途変更の需要があったとしても、安全面の検証も十分になされていない段階で、安全に関する規制を緩めるべきではなく、その審査手数料に関するこの議案は認められません。

 国民健康保険事業費について、市は昨年4月からの国保の都道府県化に伴い、それまでおこなってきた一般会計から国保会計への4億円の繰り入れをやめました。本市の場合、国保料は結果として平均1万5千円の引下げとなるとしてきましたが、あくまでも平均すればの話であり、依然として高すぎる国保料に苦しい生活を強いられている市民がいます。保険料が高くなっている原因の一つに、均等割り、平等割を保険料算出に用いていることがあります。これをなくせば、安心して払いやすい国保料にすることができ、協会けんぽ並みの国保料が実現できると考えます。よって、国民健康保険料事業費については反対をいたします。

後期高齢者医療事業費および介護保険事業費は、依然として高い保険料となっており、市民から保険料の支払いが高すぎて生活が圧迫され、つねに不安がつきまとっている、と切実な声が寄せられています。後期高齢者医療制度では10月から低所得者の特例減免が廃止される、介護保険はいざとなったら認定が厳しくなって十分な介護サービスが受けられない、など市民にとっては深刻な問題です。よって後期高齢者医療事業費および介護保険事業費には反対をいたします。

モーターボート競走事業会計については、住民合意である年間180日を超えて開催されているため、認められません。

 以上の理由で、2019年度一般会計予算ならびに関連議案17議案に反対をいたします。皆様におかれましては、ご賛同いただきますようお願い申し上げます。

2019.3月予算特別委員会での徳田みのる議員が行った意見表明の発言です

 日本共産党議員団の徳田稔です。会派を代表して2019年度予算並びに関連議案に対する意見表明を行います。

 まず昨日、中学校における自死事案に関する第3者委員会の調査報告書が発表されました。亡くなられた中学生のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆さんへお悔やみ申し上げます。教育委員会は、この報告書の提言を尊重し、対策と学校体制づくりを強く求めます。

今年10月から消費税率が10%に引き上げられる予定です。総務省の家計調査では、物価上昇分を差し引いた2人世帯の実質家計消費支出は、2014年の消費税8%への増税以降、急降下し、今でも年額で1世帯当たり25万円も減ったままとなっています。会派の代表質疑で、市長も「中小企業の4割が売り上げ減を予想していることから、本市経済への影響も懸念されるところです」と答弁されています。消費の低迷に対して、一定期間に限りキャッシュレスで買い物をした場合のポイント還元事業を実施するとしていますが、多くの零細な小売店は「レジを入れ替えることができないので関係ない」と語っています。また日本スーパーマーケット協会など流通3団体は昨年12月、ポイント還元の見直しを求める意見書を政府に提出しています。このように市民生活は依然として厳しい状況が続いています。市民の暮らしが大変な中で、市政がどのような役割を果たすのかが問われています。この点を踏まえて、個別事業に対して意見を述べていきます。

プレミアム付き商品券関係事業費

プレミアム付き商品券関係事業費についてです。前回の消費税率8%への引き上げの際にも実施されました。プレミアム付き商品券は,苦労して実施の割に効果は少なかったと言われており、やめるべきです。また来年度予算は、消費税10%への増税が前提の予算となっています。市民のくらしがたいへんななかで、税率引き上げ分を市民に転嫁すべきではありません。

あまっ子ステップアップ調査事業

あまっこステップ・アップ調査事業は、小学1年から中学2年生全員を対象に毎年実施するもので、一人ひとりの子どもの「つまづき」が分かり、その子に合った指導が経年的に可能となるので、一層の学力アップが期待できるとうたっています。しかし教育現場や子どもからは「テスト漬け」と批判の声があがっています。学校間に学力向上の競い合いが持ち込まれ、教育のゆがみを引き起こすことも危惧されます。テストに頼らず、少人数学級に関する人員や放課後学習のスタッフ人員の拡充で授業のつまづきをなくし、学習を確かな力にしていく支援こそ力を入れるべきです。高校普通科学区拡大によって尼崎の生徒が市内の高校に入学できなくなり、また入学しても満足度が低くなっていることを教育委員会は直視すべきです。

子どもの医療費助成

 尼崎の乳幼児・こども医療費助成事業は、県下自治体のなかで大きく立ち遅れています。来年度から就学前の所得制限をなくしますが、まだ他都市並みになっていません。今回、この医療費助成の事務処理費の見直しで、4800万円の財源が生まれています。もっと拡充できるのではないでしょうか。早期に中学校卒業まで所得制限なしで無料にすべきです。

保育所待機児童解消

 保育所の待機児解消についてです。代表質疑で市長は、「来年度の保育所待機児見込みは,第1次利用調整で、750人程度が調整に至っておらず、昨年に比べ70人程度増加しているため、4月時点での待機児数は増加の見込みです」と答弁されています。一方、市は待機児解消を急ぐあまり、阪急電車高架下に保育所を認可するなど、保育の質をなおざりにしています。待機児解消は、小規模保育事業に頼ることなく、保育の質を確保した認可保育園でしっかりと受け皿をつくる施策を進め、また、老朽化した公立保育所をただちに建て替えなどで、0歳児保育も含めた定員増を図るべきです。

公設児童ホームの改善増設

 市は児童ホームの待機児解消をうたっていますが、進んでいません。民間児童ホームを待機児解消として位置付けています。答弁で2018年の待機児が5月時点で411人でしたが、その後、民間児童ホームに行った児童は8人のみで、民間児童ホームが待機児対策となっていないことが明らかになりました。待機児が子どもクラブに流れ、子どもクラブの放課後の児童対策の本来の目的が果たせなくなってきています。公立の児童ホームを増設して待機児解消を進めることは待ったなしとなっています。

障害者移動支援事業

 障害児者移動支援事業費です。市はサービスの適正化・平準化などを理由に2017年に移動支援事業の新ガイドラインをつくり、報酬単価の見直しを行いました。その結果、予算額で2016年の10億1千万円から19年度では7億2百万円へ3億円も減額になっています。市はこの見直しで、障がい者の自立生活や社会参加が制限されていないと答弁してきましたが、事業所から、「報酬削減で移動支援事業のヘルパーが確保できなく、この支援事業はやめざるを得なかった」と聞いています。尼崎では障がい者がバスに乗って自由に移動できることが当たり前となっています。障がい者が安心して暮らしていくためにも、報酬単価は元に戻すべきです。

国保料の子どもの均等割りの減免

 国民健康保険は低所得者の加入が多いのに、保険料は中小企業の従業員が加入している健康保険、協会けんぽの2倍以上です。高すぎる国民健康保険料が、市民の暮らしを苦しめています。払いたくても払えない保険料のため、医療機関の窓口負担10割となる資格者証の発行が昨年度685件でした。全国民主医療機関連合会の調査で、保険証がないために受診でできず、医療機関に係ったときは手遅れで亡くなった人が、2018年1年間、傘下の医療機関で77人に上っていると発表しました。これは氷山の一角で、全国的には、相当数あると思われます。保険料を高くしている1つは、国保にしかない家族数に応じて係る保険料均等割、平等割があるからです。全国知事会は、政府に1兆円の公費を投入し、国保の均等割・平等割をなくし、協会けんぽ並みの保険料にと要望し、全国市長会も公費投入で医療保険間の格差解消を求めています。尼崎では、少なくとも子どもの均等割分を減額して、安心して払える保険料に近づけていくべきです。

介護保険

 市民は高すぎる介護保険料に苦しみ、保険料の引き下げが求められます。介護予防・日常生活支援総合事業が一昨年4月から始まりました。総合事業で、ヘルパーが対応する専門型サービスと無資格の生活支援サポーターが行う標準型サービスに振り分けられました。当初予測に反して圧倒的に標準型が多くなっています。来年度までの3年間で要支援者の生活支援を生活支援サポーターに移行させるとしています。この生活支援サポーターの養成は3年間で900人の計画ですが、現在35人程度しか就労していません。引き続きヘルパーが対応すれば、報酬は1割カット、将来は2割カットです。これでは事業所の収入が減り、要支援者への対応ができなくなってしまいます。生活支援サポーター制度は見直すべきです。

後期高齢者医療保険

 後期高齢者医療保険料も高くて市民は困っています。しかも低所得者の軽減の特例措置をやめ、保険料がアップします。保険料の引き下げを求めます。

 

雨水貯留管

 武庫分区雨水貯留管整備計画は、公園を施行箇所とすることを前提とした比較検討を行っていたが、寄せられた多くの意見を考慮する中で、山手幹線・尼崎宝塚線の基本整備ルートは堅持しつつ、シールドの残置案の導入や、公園以外の公共施設用地を立坑用地の候補地とする案などを複数作成し、現計画案と比較検討するため、計画を延期しました。当初の整備計画には、3つの問題があります。第1は、46.8ミリの6年降雨確率から51.7ミリの10年降雨確率に対応する、貯留管事業をすすめていく整備によって、どれだけの効果があるのかといったメリットが十分説明されていない。第2は、70ミリを超えるゲリラ豪雨対策にも有効であるかのような過大評価をこの事業に与えようとしたこと。第3に、市民が日常的に使用している公園やその周辺道路がこの事業のために一定期間閉鎖されることによって、市民の生活にただならぬ影響をおよぼすことを軽視した点にあります。立花地域の浸水対策には武庫分区雨水貯留管では限界があります。学校の校庭や公園貯留などと組み合わせ、総合治水対策として取り組んでいくべきです。 

公共施設マネジメント計画

次に、代表質疑で、第1次尼崎公共施設マネジメント計画(圧縮と再編)「今後の具体的な取り組み素案」に対し、今回の説明会の案内が説明責任を果たしているのかとの質問に、市長は「私自身も、市民の皆様への情報発信の方法や内容については課題があり、今後も改善を重ねる必要があると認識しているところです」と答えられています。また、市所有の福祉会館については、「老朽化が進行しているものから、比較的新しいものまであり、利用される頻度や使用料収入と維持管理費などに係る収支も様々な状況にあります。こうしたことから、今後、改めて各福祉会館の利用実態を把握し、施設の改修による長寿命化のための支援策なども含めて、個別に地域と十分な協議を行う」と答弁されました。公共施設マネジメント計画の推進では、市民と十分に話し合い、さらなる丁寧な対応を求めます。

アウトソーシング 業務プロセス分析

 業務プロセス分析事業費が増額され、さらなる業務執行体制の見直し、アウトソーシングが進んでいます。来年度は、公園維持管理、道路橋梁維持管理、北部浄化センター・ポンプ場維持管理、学校の校務員など様々な業務で進んでいます。アウトソーシングそのものについては、市役所の機能が大きく変わり、それによって市民生活の向上、市民サービスが引き上げられるのかと言えば、逆の現象が起こってしまうのではないかと危惧します。違法な偽装請負、市民の情報管理、職員の技術継承、災害時の対応など危機管理体制、現業職から事務職への転職に対するサポート制度の運用、職員の公務に対する意識、スキルの低下、民間労働者の供給問題など、課題となる問題が山積しています。市はより総合力を発揮できる役所づくりと言いますが、やみくもなアウトソーシングの導入は、市民サービスを低下させ、市政の発展には寄与しないものと考えます。この事業の実施の中止を求めます。

マイナンバーカード

 市は市民課窓口の利用の軽減を図るとして証明書のコンビニ交付を促すため、コンビニ交付説明会を開き、マイナンバーカードの取得を熱心に進めています。今後は、市内事業所や地域団体などに職員が出向いて受付を行い、本人限定の受け取り郵便で自宅に送付するとしています。マイナンバーカードは情報漏えいや、なりすまし被害が指摘され、多くの市民から不安の声が上がっています。マイナンバーカードの発行は、一度立ち止まって議論が必要です。そして市民の要求に応えて、武庫、園田、大庄、出屋敷に各種証明書発行窓口を設置すべきです。

その他

建築基準法の一部改正に伴う審査手数料を徴収するための条例改正が提案されています。これは既存建築ストックの活用促進のため、用途変更に伴う建築確認が必要となる規模を2倍に緩和することなどに伴う審査手数料を追加するものです。空家等の既存建築ストックを活用すること自体は必要なことです。しかし安全に関する規制を緩めるべきではありません。その安全面の検証も十分になされない段階での建築規制の緩和は時期尚早であり、その審査手数料は不要です。

 2017年に改正された新しい民法では、賃貸住宅の自然な劣化による修繕は貸主の負担と明文化されました。しかし市営住宅では、畳やふすまなどの自然な劣化による修繕は、いまだに借主の負担となっています。市営住宅の自然な劣化による修繕費は、新民法に基づき、市営住宅の設置管理条例を早急に改正すべきです。

旧塚口病院跡地の市有地部分の売却についてですが、尼崎病院と塚口病院の統合再編基本計画は県有地の方針で、市有地は関係ないとの答弁でした。

旧県立塚口病院の敷地の南3分の1は市の土地でした。統合再編基本計画は市有地部分も含まれるわけで、そのため基本計画では、地元尼崎市とも十分協調の上適切に行うと基本計画に、はっきりと明記されていることを指摘しておきます。

 県施行・街路事業地元負担金のうち園田西武庫線について、三菱電機構内の移転事業費の内容も非公開のまま、また地元合意ができていない中での地元負担金を支出することは認められません。

モーターボート競走事業会計については、住民合意である年間180日を超えての開催で問題です。

自衛隊募集に関して、住民基本台帳の閲覧などに応じることは、個人情報保護の点からやめるべきです。

最後に、市長は会派の代表質疑の答弁で、「今後のまちづくりは、地域の課題が複雑かつ多様化する中、これまで以上に市民、事業者、行政が共になって進めていく必要があり、より多くの市民の皆様の声に耳を傾け、対話を図っていくことが重要です。

そのため、施策の立案過程においてご意見をお聴きている「市民意見聴取プロセス制度」のさらなるバージョンアップが必要と考えており、より多くの市民の皆様のご意見をお聴きするため、市民説明会の形式だけではなく、市民との対話を重視した、タウンミーティングやワークショップを積極的に取り入れるよう制度の見直しを進めている」と述べられました。

市長は、この言葉どおり、これまで以上に市民合意を大切にした市政運営にあたられることを強く求めて、意見表明を終わります。

ご清聴、ありがとうございました。

2019.3月予算特別委員会の川崎としみ議員の総括質疑の発言と答弁概要です

<アウトソーシング>

初めにアウトソーシングにかかわる問題についてお聞きします。

業務プロセス分析事業は前年よりも予算が拡充されています。これまでの取り組みとどこが違うのか、予算委員会総務分科会でお聞きしました。簡潔にまとめると、今年度の業務プロセス分析事業では、すでにアウトソーシングを行っているところへの事後検証等が行われる、また今後所管課の効率的な仕事を進めていくうえでどうするのか、ICT化をどう進めていくのかコンサルからアドバイスを得るという事だということでした。

質問(1)そこで質問ですが、事後検証はどのようにされ、その結果アウトソーシングがうまくいっているのか、という判定はどのようにされるのでしょうか。

そして仮に、偽装請負などといった問題等が出てきて、アウトソーシングそのものを見直すという事にもなる事後検証なのでしょうか?

答弁

委託済業務に対して実施する事後検証につきましては、例えば偽装請負の疑いがもたれないような工夫や、市民サービスの維持・向上を図るための対策を行うことにより、窓口業務や施設管理業務など、それぞれの業務の分野や性質を踏まえる中で、その委託済業務の有効性や効率性などについて検証を行ってまいります。その検証の中で、仮に業務実施に関して改善するべき問題が発覚した場合は、費用対効果や事務の効率性等を総合的に判断する中で、より効果的な執行体制の構築に向けて適宜見直しを行ってまいりたいと考えております。以上

(川﨑)代表質疑で松澤千鶴議員が、「専門性を有する民間事業者はたくさん存在するわけではない。民間委託当初は人件費などに民間が低かったとしても、将来的には事業者側の発言権が大きくなって経費が釣り上げられていく可能性があるのではないのか」との質問に 二つの答弁がありました。

前後は逆になりますが、それぞれを紹介し質問します。

一つ目の答弁は「業務執行体制の見直しは、単に職員数を削減することを目的としているものではなく、今後の少子高齢化の進展等に伴う新たな行政ニーズに対応するため、さらなるアウトソーシングの推進等によって生み出された人的資源を新たな分野に充てることで、より効果的・効率的な執行体制を構築していくことを目的としている」ということです。職員の有効活用がそんなにうまくいくとは考えられません。技能職で採用された職員のほとんどは1人前になるために約10年かかるといわれています。やっと身につけた経験や技術がいっぺんにくつがえされるのが、職場の配置転換です。しかも2年間の研修を受けた後、異動先は事務労働の一般職です。

質問(2)技能職で採用された職員が2年間で事務職に配置転換、それがうまくいかなかったときには元の職場にもどすとされていますが、そこが民間委託されていれば戻れる職場はないかもしれません、このような乱暴な人事異動は職員のスキルを低下させることになりかねないのではありませんか

答弁

昨年6月、川崎議員のご質問に答弁申し上げましたとおり、今年度から数名の技能労務職員が、技能労務職から行政職への転職に向けて、行政職の職場において職務に必要な知識・技術の習得に取り組んでおります。この転職制度は、労使で十分な協議を重ねて導入したものであり、転職にあたりましては、事務職としての勤務に不安感を持つ技能労務職員もいるため、転職する前に行政職場において2年間実務を経験するとともに、職務に必要な研修等も実施するなど、サポートを行うことにより、転職が円滑に進むよう取り組んでおります。こうした取り組みを進めることにより、技能労務職員がこれまで培ってきた知識や経験が行政職場で活用でき、組織全体としてパフォーマンス向上にもつながると考えております。

二つ目の答弁は「将来的な委託料増加の可能性がある」といった点については、課題のひとつとして認識しており、いわゆる「委託料の釣り上げ」といったことを防止するために、例えば、契約事務においては、事業者から提出される見積書のチェック等を進めるよう努める」とあります。

質問(3)将来の委託料の増加について、新たな費用負担が生じるであろうという点について、市長は課題の一つと認められています。しかし見積書のチェックなどで防ぎきれるとは到底思われません。物価の変動や、一定の技術者の確保がままならない雇用環境の変化、需給バランスが崩れたときには事業者の言い値とならざるを得ない状況となり、万全に対応できるのか疑問です。この点について当局の見解を求めます。

答弁

物価の変動や、人件費の高騰など雇用環境の変化に伴う委託料の増加に関しましては、これまでも契約締結に向けた事務を進める中で適宜見直しを行うなど、適切に対応しております。議員ご指摘の「委託料の釣り上げ」といったことに対しましては、先般の代表質疑において市長からご答弁申し上げましたとおり、委託者である本市においてその業務のノウハウを確保することが一番の防止策になると考えておりますことから、本市職員の受託先への派遣や業務手順書の納入義務化など、ノウハウの確保に努めるとともに、今後行う委託済業務の事後検証の中で十分にチェックを行うなど、適切な受託・委託の関係の確保に向けて努めてまいります。以上

(川﨑)市職員労働組合のみなさんが、浄化センターやポンプ場を民間委託する事業者は、全国でも7~8社しかなくて、この近辺では、ほぼ大阪のウオーターエージェンシーというところ1社に絞られるのではないかと、おっしゃっていました。この会社が事業を独占したり、経済情勢がインフレともなると将来にわたってコストが抑えられるわけはないと危惧されていました。また下水道、北部浄化センターでの業務は、日曜・祭日、夜間から委託していくという手法ですが、いきなり民間事業者で業務が遂行できるのでしょうか。極端な例かもしれませんが、委託ともなれば時間の区切り等も出てきて、天候不順で危険な状況が迫ってきても、委託先からは「勤務時間の関係でここから先の時間は関係ありません」となることはないでしょうか。

事後検証は3年後ということですが、市職員が通常業務になれるための期間は3年かかるというのも現場の意見です。さらに予算委員会の文教部会では、学校の校務員さん2名の外部委託の問題が取り上げられています。偽装請負がおこらないよう指揮命令系統を考えている、一人を責任者にしてその方に学校側から支持を与え、もう一人の方に伝えるようにするということでした。責任者が不在になると、緊急時の対応はどうなるのか、それで本当に大丈夫なのでしょうか。以上アウトソーシングにかかわる問題点を指摘しておきます。

 

 

<FM計画について>

 

第1次尼崎公共施設マネジメント計画(方針1:圧縮と再編の取り組み)「今後の具体的な取り組み素案」に対する説明会が6回開催されました。代表質疑での今回の説明会が説明責任を果たしているのかとの松沢議員の質問に、市長は「私自身も、市民の皆様への情報発信の方法や内容については課題があり、今後も改善を重ねる必要があると認識しているところです」と答えられています。今回の説明会をふくめこれまでの説明では、それぞれの施設の機能が変更されるという事がふれられていました。老人福祉センターの千代木園や福喜園のお風呂はなくなるとか、その他にも大庄体育館2階にある格技室や、北図書館の3階ホールや自習室がなくされることが説明されていました。特に、今後の北図書館の移転に際しては、自習室が旧聖トマス大学にあるから、移転先には設けることができないとか、少し先走りした感の説明が随所に見受けられました。しかし、口頭だけの説明で今後の具体的対応等の文面には記載されていないことは問題があるのではないでしょうか。市民はこの文面を見ながらパブリックコメント等を行うわけですから、情報伝達はもっと詳細にするべきではないでしょうか?

質問(4)特定の公共施設について今ある機能をなくしたり、変更するとの口頭だけの説明は、市民には正しい情報が伝わらず、結果的に先に計画ありきで事が進んでいるとの受け取りを市民に与えると思いませんか?今後の対応策もあわせてお答えください。

答弁

この度、「今後の具体的な取組(素案)」について、地区別説明会を実施いたしましたが、参加者の中には、「機能の移転・見直し」という記載が単に「施設が廃止され、活動の場所がなくなる」と思われている方も多数おられたことから、説明会では具体的な事例を示し、わかりやすい説明を心掛け対応いたしました。

また、この取組(素案)につきましては、計画ありきということではなく、説明会やパブリックコメントなどで市民の皆様のご意見をお聞きした上で、内容を変更する場合があることもあわせてお伝えしたところでございます。今後の対応といたしましては、市民の皆様からいただいたご意見を踏まえ、市としての考え方を整理した上で、パブリックコメント結果を公表するとともに、順次、利用者の方々を対象とした個別施策の説明会を実施し、ハード面としての機能や平面図などをお示しするほか、ソフト面として講座など、提供できるサービスの具体的な内容を改めて説明し、丁寧な対応で取組を進めて参りたいと考えております。

 

(川﨑)代表質疑で今回の福祉会館の地域移管について、公民館分館であった地域学習館と同様に自然消滅となるのではないかとの質問に、「今後、改めて各福祉会館の利用実態を把握し、施設の改修による長寿命化のための支援策なども含めて、個別に地域と十分な協議を行うなど、丁寧に対応してまいります。」と答えています。支援策をふくめて対応するとの姿勢は評価できます、移管を一方的に地域には押し付けないとの当局の姿勢を示したものと思います。

 

質問(5)ここで個別に地域と十分な協議とありますが、この地域は具体的にだれをさしているのでしょうか。運営の実施主体なのか、社協などなのでしょうか?

答弁

福祉会館の地域移管等に向けて、個別に協議を行うこととしている対象は、現在、市から貸付を受けて、運営を行っている社会福祉協議会の各連絡協議会等でございます。以上

 

(川﨑)私は公共施設の運営にはもっと市民がかかわるべきだと考えます。

今回はそれぞれの福祉会館の将来を決めていくことになるのですから、文字通り地域の意見を集約できる会議体などが必要だと考えます。そこへの市民のかかわり方が公共施設をさらに有意義なものへと発展、ひいては地域のコミュニケーション力を高め地域振興にもつながると思います。

質問(6)公共施設の運営に市民が積極的にかかわることができるシステムを構築すべきだと思いますが、市の考えはいかがでしょう?

答弁

市が所有する福祉会館につきましては、日常の管理運営等について、各地域が主体的に行っていただいているところでございますが、使用料収入と維持管理費などに係る収支や、利用される頻度、さらには、施設の老朽化度合も様々な状況にあることから、パブリックコメントなどの手続きのほか、各地域との個別協議を行っていくこととしております。ご提案の公共施設の運営に市民が関わるシステムにつきましては、こうした協議の中で地域のご意見を把握することができるものと考えております。また、福祉会館に限らず、公共施設の運営に市民が積極的に関わるシステムにつきましては、施設の性質を勘案する中で各施設の登録グループの会議などを通じて、施設利用者との対話やニーズの把握に努めてまいります。以上

 

<防災、内水浸水対策>

 

武庫分区雨水貯留管の事業について見直しがなされるという事ですが、単に住民に理解が得られなかったからという事にとどまらず、これまでの計画の立て方の検証をしっかりやっていかなければならないと思います。

私は主に3点の問題点があったと考えます。

第1は、46.8ミリの6年降雨確率から51.7ミリの10年降雨確率に対応できる、貯留管事業をすすめていく整備によって、どれだけの効果があるのかといったメリットが十分説明されていない。第2は、70ミリを超えるゲリラ豪雨対策にも有効であるかのような過大評価をこの事業に与えようとしたこと。第3に、市民が日常的に使用している公園やその周辺道路がこの事業のために一定期間閉鎖されることによって、市民の生活にただならぬ影響をおよぼすことを軽視した点にあると思います。

質問(7)武庫分区雨水貯留管の事業を延期した理由について、市の見解をお聞かせください。

答弁

武庫地区において最も有効な浸水対策となる雨水貯留管事業を実施するにあたり、平成29年度から平成30年度にかけて、工事予定箇所の周辺住民の皆様に対し、全体説明会、個別説明会及び個別対応を行い、ご理解を求めて参りましたが、工事期間や施工場所等に対する反対意見があり、今年度の工事着手を見送ったものであります。以上

(川﨑)私たち共産党議員団は京都のいろは呑龍トンネルを視察しましたが、シールド工法ではシールドマシンを地中に残置するのが常識だとの見解をお聞きしました。建設消防企業委員会は視察で藤沢市を訪れ、そこでもシールドを地中に残置させていることを学んでいます。

質問(8)尼崎の場合、なぜこうした点に考えが至らなかったのか、不思議に思っています。仮にシールドマシンを地中に残置させるという方向であれば、鳥場公園などの立て坑は不要ではなかったのか。具体的な建設にいたる調査、計画が全面的に外部委託されていたことによって、出てきた問題なのではなかったのでしょうか。

答弁

鳥場公園については、到達立坑としての役目に加えて、雨水の取込みや排水、換気施設、点検用の進入場所等の機能を併せ持つ場所として効率的であることから、市として残置案ではなく、立坑を建設する現計画案としたものであり、全面的に外部委託したものではございません。周辺住民に説明する中で、長期間に渡り、狭い公園で工事することに対して反対意見を多数いただいたことなどから、公園を使用しないシールドマシンの残置案についても、今回の比較検討案の一要素として検討しようとするものでございます。以上

 

(川﨑)下水道部によって調査研究がしっかりなされ、その情報が、例えば浸水被害のシミュレーション等の情報も含めて最初から住民に公開され、情報を住民と共有して計画を定めていれば、今回のような結果は生まれなかったのではないでしょうか。

質問(9)下水道部として独自の調査や住民との対話を重視すべきだと考えるが、何故またしてもコンサルへの外部依頼なのか、理由を説明して下さい?

答弁

雨水貯留管整備事業を進めていく上で、これまでも住民に対する説明については、市が責任をもって対応してきたところであります。今回の比較検討に係る業務委託は、新たな計画案を作成するにあたり、貯留管や立坑の規模、シールド等の施工方法や施工計画の検討、及び工事期間や費用の算出など、高度で専門的な内容が含まれていることや、作成の効率化を目的に、民間事業者の専門能力を活用するため、外部の委託方式を選択したものでございます。以上

 

(川﨑)代表質疑でも紹介しましたが、西宮市を議員団で視察した際、そこでの校庭貯留(1件500万円の工事費で、半額は国の補助ですでに60校中55校で完成)や貯留管の整備計画がかなり進んでおり、それに比べて尼崎市は大きく立ち遅れているなと感じました。一時的な大雨に対応するとの考えから、今から18年も前から校庭貯留に取り組んでいることに感心しました。その1年前に70ミリを超す大雨で浸水被害が起こった直後からの取り組みという事でした。しかも10年降雨確率に対応するための貯留管の整備も進行中で、これから先20年間の計画で行っているとのことでした。2017年(平成29年)8月の尼崎市総合治水対策基本ガイドラインには様々な対策がうたわれていますが、具体的な実施策はどこで検討されるのでしょうか?

立花地域でも行われた説明会でも、住民からは、貯留管整備事業とは別に、大雨による浸水被害対策をこの地域に講じるべきとの声が大きく上がっていました。この声に当局はできません、国の補助はつきませんからとか否定的な返答をしていました。特に今回は、貯留管事業の見直しだけにとどめるのではなく、総合的な観点で治水対策に取り組む、周辺住民の協力を得ていくうえでも、最も被害が出そうな地域に即効性のある浸水対策が必要だと考えます。

質問(10)尼崎でもピンポイントの浸水対策をはじめ、市民の防災意識を高めていくといった点からも目に見える対策を行うべきだと思います。校庭貯留については、学校の改築時との条件を設定していますが、学校の改築等を待つのではなく、すぐにでも実施していこうとの考えはありませんか?

答弁

本市の学校では、尼崎双星高校を新築する際に校庭貯留整備を実施しております。今後の学校の校庭貯留整備につきましては、校舎やトイレ等の整備に多額の費用が必要なこと、また、文部科学省に補助制度が無いことなどから、校庭貯留をすぐに実施することは困難であると考えております。校庭貯留につきましては、総合治水対策基本ガイドラインに基づいて、学校を新築する場合は整備を実施し、校舎改築や大規模改修等を実施する際は、庁内関係部局及び学校関係者と連携し検討してまいります。以上

<市営住宅の修繕>

 

2017年に改正された民法では、住宅の自然な劣化の修繕費は貸主の負担と明文化されました。これを受けて国土交通省は昨年3月、賃貸借契約時の参考となる「賃貸住宅標準契約書」を改訂し、借主負担としていた畳、障子、ふすま等を除外しています。民間賃貸ではすでに一部で貸主負担での修繕が行われています。また、各地でURをはじめ公営住宅でも、畳やふすま等、消耗するものの修繕は所有者の責任で行うことが望ましいと対策がとられるようになってきています。

質問(11)尼崎市では自然な劣化の修繕費の負担は現在どのようになっていますか。

答弁

市営住宅の畳の表替えやふすまの張替え等の修繕につきましては、尼崎市営住宅の設置及び管理に関する条例等の規定に基づき、入居者の負担としております。以上

 

(川崎)市営住宅など自然劣化による修繕内容は、多岐にわたります。

畳、建具、天井・壁、床、等々です。法に基づいて、対策を市も講じるべきだと考えます。

質問(12)市は市営住宅のこの部分にふれる設置管理条例の見直しを行うべきだと考えますが、市の見解はいかがですか?

答弁

今回の民法改正では、賃貸借が終了した際の賃借人の原状回復義務が明文化され、通常の使用によって生じた畳やふすまの損耗等については原状回復義務から除かれることが示されましたが、市営住宅の管理運営の根拠となる公営住宅法に関しては、今回の民法改正に沿った法改正はなされていない状況でございます。通常の使用による損耗等の修繕につきましては、平成17年最高裁判例にて、民間賃貸住宅の家賃に当該修繕に係る費用が含まれていると解されております。しかしながら、市営住宅の家賃につきましては、公営住宅法施行令に定められている計算式で家賃を算出しており、そこには修繕費用を加える項目はございません。このように、民間賃貸住宅と市営住宅家賃の算出方法には違いがあることや、公営住宅法の改正がなさてない中で近隣他都市においても見直しを行っていない状況を踏まえ、現在のところ、こうした修繕費を市が負担する考えはございません。

<旧県立塚口病院跡地の売却について>

 

新年度予算の不動産売却収入の中に旧県立塚口病院跡地の売却収入3億5千万円がふくまれています。これまでこの塚口病院跡地の市有地に、医師会館を建設して、その1階に市立休日夜間急病診療所の移転が計画されていましたが、中止となりました。元々2008年に県が県立塚口病院廃止を発表しました。塚口病院存続を求める運動が展開され、1か月間で8万を超える署名が集められました。この運動の広がりによって、県は計画を見直すために、尼崎市の副市長も入った、尼崎病院と塚口病院の統合再編検討委員会が設置され、1年間にわたり審議されました。この検討委員会の報告説明会は市内6か所で327人が参加、その後の、基本計画案の説明会は6か所で606人と大勢の市民が参加。基本構想に対する意見募集には148人から256件の意見が届けられ、市民の関心の高さを示すものとなっていました。そして尼崎市民の意見が反映した基本計画が策定され、県立尼崎総合医療センターが2015年7月にオープンしました。2010年(平成22年)12月に兵庫県病院局が発表した「尼崎病院と塚口病院の統合再編基本計画」には、この2つの病院を統合して残った土地について、資産活用の方針では「整備財源の確保を図る観点から、塚口病院用地を一部所有している地元尼崎市とも十分協調のうえ、両病院の資産の売却を適切に行う。なお、資産の売却にあたっては、地元の意見を踏まえた上で、現在の両病院 が有する許可病床数から新病院の整備病床数を減算した病床数程度の活用を基本とし、医療機関や福祉施設等の誘致に努める」とあります。そして尼崎病院跡には170床の病院と老人保健施設など、塚口病院跡にも病院と高齢者配慮型集合住宅が誘致されました。

質問(13そこでお尋ねします。旧塚口病院跡の市有地には、休日夜間急病診療所を移転させるべきと思いますが、見解をお聞かせください

 

答弁

旧県立塚口病院跡地における市有地部分の取り扱いにつきましては、兵庫県が定めた統合再編基本計画の考え方とは別に、これまで休日夜間急病診療所と新たな医師会館の複合施設の整備用地として、関係団体と協議を重ねてきました。しかし、協議を進める中で、当該敷地における複合施設の建設については、協議が整わず、建設場所も含めて、改めて検討を行うこととなりました。こうしたことから、休日夜間急病診療所の建設候補地については、急病時にアクセスしやすい場所であること、また2次救急医療機関などへの搬送が迅速に行える立地であること、受診者の駐車場が十分に確保できる場所であることなど、諸条件を踏まえて、検討を進めているところです。以上

 

あくまで塚口病院跡地の市有地は売却とのことです。

 

質問(14どうしても売却するのであれば、市民意見を反映して策定された、尼崎病院と塚口病院の統合再編基本計画の「医療機関や福祉施設の誘致に努める」方針を尊重して、売却にあたっては、医療機関や、老人保健施設、特別養護老人ホームや保育園等の福祉施設の用途に限定すべきと考えますが、いかがですか。

 

答弁

平成22年に兵庫県病院局が発表した「尼崎病院と塚口病院の統合再編基本計画」に示された資産活用の方針は、兵庫県が県有地を売却するに当たって定めたものでございます。一方、県から返還された県立塚口病院等の跡地につきましては、急病診療所の移転先や民間保育所の誘致先など、まずは市の政策課題のために活用すべく優先的に検討した経過がございますが、結果として実現に至らなかったところでございます。こうしたことから、本件土地につきましては、財源確保の観点から売却条件を付すことなく、一般競争入札により売却する予定としているものでございます。以上

 

 

(川﨑)旧県立塚口病院は敷地の3分の1は市有地で、市有地の上に建設されていました。従って基本計画は市有地部分も拘束されるわけで、「医療機関や福祉施設の誘致に努める」方針を尊重して、資産活用を行うべきであります。

 

以上で日本共産党議員団を代表しての総括質疑をおわります。これまで代表質疑や総括質疑を通じて明らかになったことに対しては、今後の意見表明、本会議での採択で会派としての態度を明らかにしてまいります。ご清聴ありがとうございました。

 

2019.3月予算特別委員会でのまさき一子議員の総括質疑の発言と答弁概要です

 日本共産党議員団の真崎一子と川崎としみです。今日は議員団を代表して2人で総括質疑を行います。まず最初に私から質疑をします。

<地域の支所に証明コーナーの設置について>

私の住む武庫地域では、武庫支所・地区会館の複合施設が最初に建設されました。地域住民にとって「支所と地区会館が新しくなる、従来の場所の近くに建てられる」と期待がありました。しかし、市民はいつものように支所に証明書の発行を求めて訪れ、驚きました。証明コーナーがない。さんさんタウンまたは本庁まで行けと言われた。福祉の申請に時間がかかる。これまですぐにもらえていた「敬老パス」を申請して1週間もかかった。なんでも困ったことがあったら相談できていた支所が、なくなったら困る。と言った不満の声がありました。複合施設が建って1年が経過した現在でも「支所に行ったけど何にも用事が出来ない。あれでは支所がないのと同じ、本庁に行ったけど待たされて書類もらうのに、半日かかった。バスで行って帰って来たら、くたくたで一日が終わる」という声があちこちからありました。

支所、地区会館は4月から生涯学習プラザになり、地域の支所という概念がなくなります。でも市民は新しく生まれ変わった支所への期待をあきらめていません。市民の願いを受けて今回は、支所や証明コーナーの設置を求めて改めて総括質疑します。質問します。

 市長は、地域住民の声をどのように受け止められていますか。また長年続いた支所の役割を市長の代でなくすことについて、どのように思っておられますか。

答弁

以前支所内に設置しておりました、「証明コーナー一」につきましては、より市民の利便性の向上を図る観点から、平成28年1月にコンビニにおいて証明書等の交付サービスを開始したことにあわせて、平成29年3月末をもって廃止しました。

また、各支所で実施していた「保健・福祉窓口」につきましては、より保健と福祉が連携し専門性の高い相談・支援等を行うため、平成30年1月に南部と北部の2か所に保健福祉センターを設置し、保健福祉業務を集約・再編し、市民の利便性の低下をできる限り抑えるため、業務を社会福祉協議会に委託し、身近な地域の窓口を維持しました。このような経緯を踏まえる中で、各地区における生涯学習プラザの設置に伴い、この4月から支所設置条例は廃止することとしており、証明書の交付については、引き続きマイナンバーカードの普及によりコンビニ交付サービスを推進し、市民の利便性の向上に一層努めてまいりたいと考えております。以上

 

(まさき)URマンションでは家賃の減免決定で住民票と収入認定が必要な時がありました。高齢者が多いURでは多くの人がいつものように支所に行ったが「住民票と課税証明書」がとれないことがわかって、大騒ぎとなりました。私のところにも「証明書がとれないと、住民が困っている」と電話がありました。そして自治会長さんの依頼で、地域振興センターがとりまとめて証明書を取り寄せる段取りをしてくれました。地域の人から大変喜ばれたという話を聞きました。これが毎年続くことになります。URだけではない市営・県営住宅でも同じことです。

これからもUR・市営・県営住宅の減免に必要な証明書を、毎年地域振興センターで取りまとめをされるのですか?

答弁

ご質問の件は、URでの家賃特別減額措置の更新申請にあたり、武庫地域振興センターがパークタウン西武庫南の自治会長から証明書取得の相談があったものです。更新手続きの期限の関係から、今回は必要となる住民票と課税証明の交付申請を、地域振興センター長が調整を行い、住民の方々が会長へ委任することで、複数の証明書発行ができるよう段取りを行ったものでございます。なお、その後、自治会長とマイナンバーの手続きの話をさせていただき地域からの要望があったことから、モデル的にパークタウン集会所において職員が地域に出向き、一括申請の受付を実施し、マイナンバーカードを作成いただいております。No.2今後ともマイナンバーカードの普及を促進していくとともに、地域からのご相談にも丁寧にお応えしてまいりたいと考えております。以上

 

(まさき)市内コンビニ161店で証明書発行が可能であり、その実績は2015年60件、16年5365件、17年は18440件です。本庁、阪神尼崎、JR尼崎、阪急塚口サービスセンターの年間252,500件と比較すると、わずか7.3%に過ぎません。

コンビニ交付が開始になり一年が経過した今でも、市民はマイナンバーカードを使用するのにたいへん不安を感じています。来年度から更なるマイナンバーカード取得を促すために、市内事業所や地域団体を対象に一括申請方式を導入し、あわせて市内各所でマイナンバーカードを活用したコンビニ交付の利便性について説明会を実施するとしています。武庫地域ではすでにURマンションでプレ説明会を実施し、32件の申し込みがあったとお聞きしました。マイナンバーカードの一括申請方式の導入に関しては、地域に出向いてマイナンバーカードの申請し、カードを郵便書留や郵便局で受け取るというやり方はあまりにも乱暴です。市民は「マイナンバーカードは個人情報が漏れるので怖い」と全部の情報が一枚のカードに集約されることへの不安と怖さを感じています。

個人情報漏洩の恐れがある、マイナンバーカードを一括申請してまで取得を促す理由は何ですか。

答弁

お近くのコンビ=で休日や夜間も含めて、各種証明書が取得できるコンビ=交付サービスは、非常に利便性の高いものであり、マイナンバーカードの取得は将来的にも行政サービスのさらなる向上につながるものと考えております。また、マイナンバーカードの安全性は、情報の不正な読み取りや偽造ができないよう対策が施されているほか、万一、カードを紛失しても、365日、24時間、国のコールセンターで対応できるなど、適切に確保されております。このようなことを踏まえ、今後さらに、利便性が高まるような、マイナンバ・一制度を活用した様々な施策に備えるためにも、マイナンバーカードの普及拡大を進めてまいります。以上

 

(まさき)他都市でも、マイナンバーカードを用いたコンビニ交付はやっています。しかし証明書コーナーを一方的に集約するというやり方は取っていません。中核市の姫路市は、出張所が市内28カ所と本庁です。西宮市は4か所の分室、2か所のサービスセンターとアクターステーション、そして5か所の支所と本庁です。お隣の伊丹市は支所2か所、分室3か所、人権センターとくらしのプラザに1か所づつと本庁です。宝塚市は7か所のサービスステーションと本庁です。他都市と比べても、尼崎市は3か所のサービスセンターと本庁では、圧倒的に少なすぎます。市民サービスの後退です。

他都市に比べると尼崎市は、市民課窓口(証明コーナー)が少ないのは何故ですか?

答弁

本市における市民課等の窓口業務につきましては、平成18年1月に、本市は他都市と比べて交通の利便性が高く、市域が狭いにもかかわらず施設数が多いといった課題があった中で、財政の構造改善、職員定数の削減、固定経費の圧縮などを目的とした、「支所、出張所、保健センターの統廃合」として、それまでの6支所市民課及び6出張所で行っていたものを、3サービスセンター及び5証明コーナーに再編いたしました。その後、公共施設の最適化に向けた取組として、より市民の利便性の向上と効率的な窓口配置に向け、コンビニ交付サービスを導入するとともに、平成29年4月から、5証明コーナーを鉄道駅周辺(阪急塚口、JR尼崎、阪神尼崎)、3か所のサービスセンターに集約化を行い、現在の形となっているものでございます。以上

 (まさき)以前は支所で証明書を発行するとき職員さんから「何に使われるのですか?」と丁寧な対応がありました。特に高齢になると、そんなやり取りが大きな事故を防ぐことになります。なぜ証明書が必要なのかチェックと相談が入るからです。これは公務員だから出来ることです。市民は対面での証明書交付を望んでいます。地域の支所にマイナンバーカード不用の証明コーナーに市の職員が配置されたら、市民は安心して証明書を取得することが出来ます。

先日、さんさんタウンの保健福祉センターの窓口に行きました。同じ建物に年金事務所の出張所とサービスセンターがあり、手続きが一度にでき大変助かりました。しかし南部保健福祉センターでの申請手続きの際、証明書の発行が出来ません。南部にもサービスカウンターを置いてほしいという声があります。

特に阪神、JR、阪急のサービスセンターから離れている武庫、大庄、園田支所と南部保健福祉センターに、証明コーナーの配置をという市民の要望が強くあります。市民の要望にどのように応えますか。

答弁

議員ご指摘のとおり、証明コーナーを廃止した後でも証明コーナーの配置をという市民からのご要望があることは認識いたしております。しかしながら、マイナンバーカードが普及すれば、証明書の交付は、コンビニ等でより便利に取得することができます。慣れるまでには多少の時間を要しますが、今年度末に地元からの要望があった武庫支所に、モデル的に証明書を発行できるマルチコピー機を設置し、操作方法に不安があるかなど、利用状況も検証していくこととしておりますご引き続き、マイナンバーカードの普及を通じて、市民おります。以上

 

<高等学校 通学区域の検証について>

 

兵庫県教育委員会は、2015年度に、16学区を5学区に再編し、複数志願選抜を全県で導入しました。尼崎、西宮、伊丹、宝塚、丹有を第2学区としています。県教育委員会は、開始から全日制高校の新入生とその保護者、公立中学校の校長を対象に3年間実施してきたアンケート結果の分析を行い、2017年12月に「高等学校通学区域検証委員会報告書」を発行しました。資料の表1をご覧ください。2017年度のアンケート調査では、第2学区では他都市から受検した生徒の割合は、尼崎は24.1%でした。尼崎市内の高校に他都市から4分の1の生徒が受験をしています。また反対に尼崎の生徒が他都市の学校に受検したのはわずか8でした。表4でわかるように、宝塚の生徒の多くが伊丹の学校へ受検し、伊丹の子が尼崎の学校を受検する。尼崎の子は行き場がない状況になりました。資料の表2をご覧ください。尼崎単独学区の時は、普通科の推薦入学以外はすべて市内生徒でした。複数選抜制になってからは、尼崎では生徒が従来なら公立高校に入学できていた生徒に不合格者が多く出ました。2015年(H27年)度は232人、16年度は213人、17年度は278人でした。しかし18年以後は県は資料を公表していません。

2018年度受験生(昨年)の、複数選抜による公立高校普通科を受検して不合格だった尼崎市内の生徒数は何人でしたか。

答弁

兵庫県教育委員会は、平成27年度入試から、通学校区の再編について検証するため、複数志願選抜における中学校の所在地別、移動状況等の数値を公表してまいりましたが、3年が経過し一定の検証を終えたため、平成30年から公表しておりません。本市複数選抜での中学生の進学者数は把握できますが、不合格者数は把握しておりません。以上

(まさき)表3をご覧ください。進路選択に対する生徒の意識調査では、①よかったと思う ②少し良かったと思う ③あまり良かったと思わない ④よかったと思わない、項目がありました。その結果は尼崎の生徒は⓵よかったと思うと➁少し良かったと思うが、2015年度は46.6%、17年56.8%と満足度が県内で一番低い結果です。

西宮は①と②が43.1%だったものが、64.1%に。また伊丹では48.7%から75.3%に。宝塚では、67.1%から78.7%まで上がっています。当初は新制度に対して不安があったものが、徐々に受験に対する心配ごとが軽減している様子がうかがえます。県教育委員会の報告書では、この満足度の結果を特出しにして「2017年の調査の県平均ではよかった、少し良かったと感じた生徒は49.9%から71.9%となり、22.0ポイント増加した」と評価しています。しかし県内で満足度が一番低かった尼崎の生徒の状況をどのように受け止めているのでしょうか

教育長は、尼崎の高校新入生の満足度の結果を受けて、なぜ尼崎市の生徒は、他都市と比べて満足度がこんなに低いのでしょうか。どのように分析されていますか。

答弁

議員ご指摘の生徒の意識調査は、高等学校通学区域検証委員会が高等学校に合格した新入生を対象に実施したアンケートであり、高校の選択肢が増えたことに対して「よかったと思う」「少しよかったと思う」と感じた生徒の割合は、尼崎市内の高等学校では、平成27年度から平成29年度で10ポイント上昇しておりますが、他市と比べて尼崎市が低いということについての分析は、教育委員会としてはしておりません。りません。以上

 

 (まさき)兵庫県は、「2017年度の通学区域の状況について」の報告を最後に、アンケートを終了しようとしています。

 

尼崎市の高校新入生の満足度がこんなに低い状況下で通学区域のアンケート調査を打ちきってもいいのですか。県がしないのであれば市独自でのアンケート調査を行い、進学状況を検証する必要があるのではありませんか。

答弁

先ほども申し上げましたとおり、通学区域のアンケートにつきましては、兵庫県教育委員会が学区再編について検証するため、県内全ての全日制高校の新入生に実施したものであり、市独自で行うことは考えておりません。以上

(まさき)さて、今年度の複数選抜制公立高校の受検がつい先日3月12日に終了しました。子どもたちは受検が終わった解放感と結果がどうなるのかと、不安な日々を過ごしています。尼崎の中学生は、1年生の時から進路指導で「私学受検もどこにするのか、考えといてください」という指導がされます。受験に対しても公立高校の合否のボーダラインにいる多くのこども、保護者、教師は毎日毎日ハラハラドキドキしながら子どもの成績や受検の状況を見ています。子どもたちも目の色を変えて受検に臨んでいます。でも結果はけして安心できるものではありません。

教育長に伺います。尼崎の生徒が学区拡大になって5年目の受検を迎えました。尼崎市のこどもにとってこの「通学区拡大」は良かったのですか、それとも不利な状況を生みだしたのですか。見解をお示しください。

答弁

生徒にとって、多様な選択肢の確保と、高等学校の魅力・特色づくりのさらなる推進と発展を目指し、平成27年度から通学区域が改編されました。平成30年度の入試におきましては、新しい入試制度となって以降、進学者の割合が98.2%と、最も高くなっていること、また、昨年度と比較しまして、本市から他市町への公立高等学校への進学、逆に他市町から本市の公立高等学校への進学がともに増加していることなどが特徴であり、これは、通学区域が拡大したことにより中学生にとっては多様な進路選択が進んだものと考えているところでございます。教育委員会といたしましては、本市の中学生が、自分の希望する進路を実現することができるよう、さらなる学力向上と進路指導の充実に取り組むとともに、市立高等学校が、より魅力のある高等学校となっていくよう、特色づくりに励んでまいります。

(まさき)前教育長の徳田氏は「公立高校の通学区域について」は、「高校の選択肢が広がった。尼崎市の高校が選ばれる学校になった」と言われていました。公立高校はより特殊性を発揮しようと理数系や福祉系、体育系、工業系と細分化され、中学校から将来何になるのか、何を目指すのかを求められるようになりました。まだ自分は何をしたいのかわからない中学生は、西宮の生徒と比べられ、学力テストに翻弄させられ、学力向上を求められます。知らないことを知る喜び、学習の楽しさを味わうゆとりがありません。その結果がアンケートでは、希望する公立高校に合格したのに満足度が低い結果になったと私は思います。

 教育長に伺います。就任されて1年、尼崎の子どもに必要な教育とはどんなことと思われますか。松本教育長のカラーをどのように出していこうと思われますか。

答弁

教育委員会としましては、尼崎の子供たちに、社会において自立的に生きる基礎を培うとともに、社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目指して、教育を行っていく必要があると考えております。その意味では、「知」「徳」「体」のバランスの取れた教育が必要であり、教育委員会と学校との役割を明確に、優先順位をつけながら、それぞれの取組を進めてまいります。これらの取組の中でも、来年度予算では、授業改善や学力向上に向けた取組、不登校対策などに予算を重点化したところですが、これらの取組だけではなく、いじめ防止、特別支援教育、子供の体力向上など、各種取組を今後とも充実させていく必要があると考えています。そのためにも来年度、尼崎市教育振興基本計画を策定し、今後の目指すべき施策展開の方向性を示し、その方向性に沿って施策・事業を総合的・体系的に取りまとめていきたいと考えております。以上

 

<保育所の待機児解消について>

 

市長は施政方針で「保育の需要の高まりにより待機児童の解消には至っておらず、また今後予定されている幼児教育、保育の無償化の実施等に伴い、需要はさらに高まることが見込まれます」と述べられ、また代表質疑の答弁では「2018、19年度の2か年計画では対応できない、20年以降も待機児解消は尼崎市の大きな課題だ」と述べられました。19年度は約750人の待機児を見込んでいます。

 

 認可保育所の増設と充実は、仕事と育児の両立、経済の発展を生みだす施策です。保育の充実は子育て世帯の定住転入を促す大きなカギだと思います。

市長の保育の待機児解消への決意をお聞かせください。

答弁

待機児童対策は喫緊の課題であり、平成31年度における本市の主要事業におきましても、「安心して子どもを産み育てられるまちづくり」に向けて、特に重点的に取り組む項目として位置付けております。こうしたことから、来年度予算につきましても、認可保育所の新設をはじめとする保育の量の確保事業や、保育を担う人材確保のための他都市に先んじた保育士奨学金返済支援事業など、厳しい財政状況の中、重点的に予算を配分いたしております。今後とも、これらの取組を着実に進め、早期の待機児童ゼロを達成するため、現在策定中である32年度以降の新たな子ども・子育て支援事業計画において、今後の保育需要も的確に見極め、あらゆる効果的な手法を駆使し、全力で取り組んでまいります。以上

(まさき)老朽化の進む公立保育所の改築と定員増が喫緊の課題です。

公立保育所残る9か所のうち、2012年園田保育所、14年には塚口保育所が建て替えられ、そして19年度には武庫東保育所は時友団地の跡地に、北難波保育所は中央公民館の解体後跡地に、改築工事が着手されます。また大西保育所は青少年センター跡地に建設が予定されます。しかし築40年以上の次屋・杭瀬・武庫南保育所の老朽化も著しく、改築待ったなしの状況です。

 

 (まさき)私は武庫南保育所に視察に行ったのが2年ほど前になります。その時点で①保育室のドア、押し入れの戸がひずみがあり開けにくい、。➁保育室の一部分に雨漏りがありビニールを天井部分に張って、応急処置をしている。③クーラーはあるが機能が冷房のみ、冬はガスヒーターを使用しているが隙間風が入り寒い。④トイレが臭う、排管が老朽化で詰まりかけている。修理は大規模修理になるので無理、このままいくしかない。⑤水道も排管の老朽化があり、大規模修理が必要という状況でした。残す公立保育所5か所を視察しましたが、私の目には一番大変な保育所に写りました。昨年の台風21号の後、心配で建物は大丈夫?と電話をしました。所長さんは「どうにか大丈夫でした」との返事で胸をなでおろしました。でもたまたま大丈夫であって、風向きが違っていたら倒壊していたかもしれません。

安心安全のはずの公立保育所がこんな状況でいいのですか。

武庫南保育所の状況についてどのように思われますか。

答弁

武庫南保育所については老朽化により早急な建替えが必要であると認識しております。しかしながら、武庫南保育所は園庭が狭く、現地建替えが困難な状況にあることから、建替え用地確保に向けて調整を進めておりますが、周辺に適した公共用地等の確保の目途がたっていないのが現状です。一時的な仮設用地も含めた検討も行いましたが、同様に適地確保は難しく、二重の建設予算が莫大になるなど、財政的にも極めて難しい状況です。このような状況の中、日々の保育に支障がないよう、施設の保育環境や安全の維持のために必要な補修や改修工事は適宜実施しているところであり、武庫南保育所においても、本年度、保育室の空調機やトイレの改修、汚水排水管洗浄工事、屋根の防水工事などの工事を実施したところです。以上

 

 続けて質問します。

 

(まさき)第1次公共施設マネジメント計画によりますと、リストには挙がっているものの次屋、武庫南、杭瀬保育所のたてかえ計画がありません。代表質問で松沢議員が「保育の量の確保として認可保育園と小規模保育事業の増を中心にしている。しかし民間の保育士処遇はまだまだ不十分で、人材確保の点からも課題が多い。公立保育所のほうが人材確保が民間よりずっと有利である。」と質しました。全くその通りです。

 

待機児問題と併せて、まずは公立保育所を建て替えて、0歳児の保育、定員の増加を行う。保育所を建て替える土地がないというのであれば、近隣公園敷地の一部活用、公共施設の跡地活用も含めた、局を超えて代替地をさがし杭瀬、武庫南・次屋保育所建設は早急な取り組みが必要です。いかがですか。

答弁

近隣公園敷地の活用や公共施設の跡地活用を含めた検討はこれまでから行ってきておりますが、公立保育所として残す9保育所につきましては、「公立保育所の今後の基本的方向」において地域的な均衡も考慮して定めたこともあり、建替用地の選定には地理的な制約もございます。しかしながら、各保育所とも老朽化が進んでいる状況は、先程来ご説明しているとおりでございますので、今後とも引き続き、関係部局の理解や協力を得ながら、建替えに向けての検討を進めてまいりたいと考えております。以上

<高架下保育所の選定見直しについて>

 高架下保育所については、これまでも繰り返し質問してきました。今回阪急西宮北口の今津駅高架下の保育園に視察に行きました。駅は電車が速度を緩め停車します。本数もそれほど過密ではありません。それでも、窓を閉め切っており室内では換気扇や空気清浄機の音だけでもすでに60デシベルに達していました。

また室内に高架下の大きな柱があり、視野が妨げられるのも気になりました。

阪急園田の高架下は、2・3分ごとの電車の通過、両側に交通量の激しい道路、窓が開けられずに換気扇の音等、今津駅高架下の保育園と比べても環境の悪化は免れません。もちろん待機児解消もしていかなくてはなりません。とはいえ保育の質を低下させることはあってはならないことです。そこで提案します。阪急園田駅の近くに用地があります。園和幼稚園の跡地です。保育園として跡地活用するのなら、地域の方々も受け入れてくれるでしょう。

阪急園田高架下保育所の認可は見直すべきです。近隣に園和幼稚園の跡地がある。その土地利用はできませんか。ぜひ検討してほしい。いかがですか。

答弁

本市域における保育所の設置に当たりましては、市街地内の限られた敷地に設けることが想定されますことから、鉄道高架下のみならず、線路沿いや道路沿い、住宅密集地など様々な環境を踏まえた上で、保育環境への影響など、関係法令をはじめとする現在の審査基準に照らし合わせ、慎重に判断をしているところです。ご指摘の保育所につきましては、平成30年度本市が実施した新設保育所の公募に応募され、市長の付属機関である保育所設置法人等選定委員会での審査を経て選定した施設であり、当然のことながら条例や関係法令に定める設置運営基準を満たしているものでございます。実際に、鉄道高架下という条件での様々な確認も行いましたが、高架までの高さが比較的保たれていることや敷地の幅が広い建築条件であること、高架の構造を熟知した阪急電鉄自身が躯体工事を行い、全ての保育室が高架の柱との間に空間や緩衝材を設けるなど十分な騒音・振動対策を施していること、保育室は高架の柱が子どもの見守りに影響が出ない形で配置されていること、散歩時を想定しての歩道やガードレールが設置されていることなどについて確認することが出来ました。併せて、運営法人から採光や換気など児童の保健衛生を考慮するとともに、危険防止に十分な処置を講じていくことなどについても確認できたことから、子どもたちが安心して一日を過ごすことができる保育環境であるという結論に至ったところであり、市としましては当該保育所の開設については認可の方向で考えているものです。

また、当該施設の敷地を園和幼稚園跡地に替えてはどうかとのご質問ですが、当該敷地については、早期の待機児童解決に向けた来年度以降の認可保育所の公募の際、公共用地活用の候補の一つとしてその可能性について検討してまいります。以上

 

<児童ホームの待機児解消について>

 

 市は児童ホームの待機児解消のために、公設児童ホームと民間児童ホームの定員増と増設で対応するとしています。まず質問します。

 昨年2018年の待機児が5月の時点で、411人でした。その中でどれだけの子どもたちが、民間の児童ホームに行って、どれだけの子どもが子どもクラブに行ったのでしょうか?数でお示しください。

答弁

ご指摘の、昨年5月時点での公設児童ホームの待機児童数411人のうち、民間児童ホームには8人の児童が登録をされておられます。また、こどもクラブの待機対応の登録をされた児童については355人であり、毎日の出欠確認、昼食対応、児童ホームに準じた時間でのお預かりなどの対応をしているところでございます。なお、公設児童ホームと民間児童ホームとの利用の関係でございますが、公設児童ホームの募集にあたり、多様な放課後の過ごし方についても選択いただけるよう、民間児童ホームの事業所一覧も添付してご案内をしております。その結果、昨年5月時点で、先ほどの公設の待機児童8名を含む341人の児童縫観童ホーム雄択しており、これが公設児童ホームの待機の抑制にも結び付いているものと認識しています。(以上)

(まさき)私は民間の児童ホームを視察に行きました。そこでは子ども・保護者は、塾や習い事と児童ホームを兼ねたものとして利用しているので、民間と公設ではニーズの違いがあると感じました。待機児解消は、子どもの放課後の安心安全な生活の場として保証するために、公設公営で対応するべきです。代表質疑で松沢議員が園田北児童ホームの入札不調に伴う年内対応が出来なくなったことを質し、市長は速やかに整備すると答えられました。過去に入札不調があった場合は、一年先延ばしの対応になっています。質問します。

園田北児童ホームの速やかな入札、建築を行うべきです。そしてニーズの高い夏休みまでの入所が出来るようにするべきと考えますがいかがですか?

答弁

園田北児童ホームの建設につきましては、補正予算を議決いただきました後、速やかに入札に向けた事務作業を進めているところでございます。こうした中で、適正な入札及び契約を行うにあたっては、一定の周知期間等が必要であり、工事期間についても約5ケ月を要するため、現在、9月の完成を予定しているところです。こうしたスケジュールのもと、緊急的に、こどもクラブ施設の一部を活用し、児童ホームとして専任職員の配置を行う中で、児童ホームを運営していくとともに、小学校の状況から、専用での活用は困難ですが、学校施設の一時的な活用についても、学校に協力依頼を行っているところです。以上

 

 明城児童ホームですけど、今年度、調査予算がつきまして、今調査されているということですけど、来年度は設計予算がつくんです。その次の年に建設予算がつくと思うんですけど、また不調に終わってしまったら、1カ所をつくるのにもう4年ぐらいかかるんです。

早急に設計と建設を同じ年度にやるという方法はとれないんですか。

答弁

こども青少年本部事務局長 明城児童ホームにつきましては、新たな施設の整備による定員確保について検討調整を行ってまいりましたが、施設整備を行う予定の明城小学校の状況といたしましては、周辺が埋蔵文化財包蔵地であり、特に当該小学校敷地については尼崎城の本丸があった場所であり、建築基準法に係る協議のほかに文化財保護の観点からその工事内容を示した中で兵庫県の許可が必要となるなど、整理すべき条件が厳しいものとなっております。

 こうした状況のもとで、いろいろ建設整備手法の検討に当たって、今、設計等の段取りまでこぎつけているわけでございます。

 こうした中で、今、設計に向けた土質調査をしているところでございまして、この調査結果をもとに、来年度については具体的な設計を進めていく中で建設に向けた具体的な協議を進めてまいりたいと思っております。

 ただ、明城小学校の敷地内での建設に当たっては、文化財の保護の観点も加えた設計が当然必要になってまいりますので、そのための建設場所の設定を初め、埋蔵文化財に影響が出ないような建設手法の検討ですとか、いろいろ埋蔵文化財に関する各種の協議等も必要になってまいります。

 こうしたことから、時間をかなり要するということで、委員が考えておられるようなの形で一挙に整備までこぎつけるというのはなかなか難しいと思っております。

 

(まさき)とはいっても、調査期間が1年あったわけですから、やはりその中の1年間で調査をして、あとスピード感のある建設をしないと、市内で一番待機児が多い児童ホームですから、その辺もぜひ加味してやっていただきたいと思います。

 これで私は終わります。

 次、続いて川崎敏美委員が行います。

2019.3月予算議会・松沢千鶴議員の会派代表質疑の発言と答弁概要です

 

日本共産党議員団の松澤千鶴です。

私は、議員団を代表し、市長の施政方針および新年度予算に関連して代表質疑を行います。よろしくお願いします。

 

昨年の市長選挙で、「市長は市民の声を聞かない」との声があちこちから聞こえました。

12月議会でわが会派の徳田議員がこの点を指摘すると、市長は「私自身も市役所の先頭に立って市民の皆様と積極的に対話を重ねたいと思っております。・・・・熟度の低い段階でどのように市民のみなさんと意見交換をしていくか、またそれを政策に反映させていくかといった点につきましても、より改善を図っていきたいと思っております。」と答弁されました。

ところが、先般の施政方針演説で、市長はこの点について一言も触れられていません。また、市民と市長の直接意見交換の場である車座集会について、今年度は1回のみ実施、新年度は3回程度とお聞きしていますが、テーマなど決まっていないようで、あまり意気込みを感じません。

改めてお聞きします。「積極的に対話を重ねたい」というを市長の思いを、具体的にどのように市民に示していこうとお考えでしょうか。

答弁

今後のまちづくりは、地域の課題が複雑かつ多様化する中、これまで以上に市民、事業者、行政がともになって進めていく必要があり、より多くの市民の皆様の声に耳を傾け、対話を図っていくことが重要です。そのため、施策の立案過程においてご意見をお聴きている「市民意見聴取プロセス制度」のさらなるバージョンアップが必要と考えており、より多くの市民の皆様のご意見をお聴きするため、講義主体の市民説明会の形式だけではなく、市民との対話を重視した、タウンミーティングやワークショップを積極的に取り入れるよう制度の見直しを進めているところです。また、平成31年度からは、地域振興センターに配置する「地域担当職員」が、地域の皆様と対話を重ねる中で、お互いの顔の見える関係を築いてまいります。いずれにしましても様々な取組等により、今後とも市民との対話を重視した、市政運営に努めてまいります。(以上)

 

(松沢)つぎに、憲法9条にかかわって自衛隊募集とトライやるウイークについてお聞きします。「赤紙配達人」-戦時中、役場の兵事係はそう呼ばれました。国民にとって戦場への入り口となった召集令状、それを持って家々を訪ねる役人は軍の代行人でした。当時の日本男子は20歳になると徴兵検査に。兵事係は戸籍簿に基づいて対象となる若者の名簿を作成し、軍に提出することが義務付けられていました。徴兵制や国家総動員法のもと、市町村は国や軍の手足となって住民を戦争に駆り立てたのです。その動員システムを今の世によみがえらせようというのでしょうか。

自衛隊員の募集について「6割以上の自治体が協力を拒否している」と発言した安倍首相。それを変えるためにも9条に自衛隊を書き込むことが必要だと本音をあらわにしました。昨年5月15日付で防衛大臣から初めて全国の市町村長あてに「自衛官募集等の推薦について」という文書が発出され、市町村が募集事務の実施に協力するよう求めています。

さらに「募集事務に係る計画の策定及び実施」を要求し、これには「部隊の見学の勧奨」や「町内会、青年団、婦人会、消防団など市町村内の各種団体に対する募集広報の協力依頼」まで含まれています。しかし、これはあくまで要請で、地方自治体に義務を課せるものではありません。

昨日の志誠の会の代表質疑で、法定委託事務だとおっしゃっていましたが決してそうではありません。また、維新の会は自衛隊法施行令120条で協力を求めている、上位の法律だとおっしゃっていました。しかしこれもまた違います。これは法律自体ではなく、法施行の細目をさだめるにすぎない施行令です。住民基本台帳法第3条は市町村長等の責務を規定しています。第4項で「何人も・・・・この法律の規定により交付される書類の交付により知りえた事項を使用するにあたって、個人の基本的人権を尊重するように努めなければならない」とうたっています。

たかだか施行令が、住民基本台帳法を縛って個人情報を一網打尽に集められるというのは拡大解釈の限界を超えています。個人情報はその人のものです。住民の権利擁護のためにある自治体が、条例に基づいて個人情報を守るのは当然のことです。

ここで市長にお伺いします。尼崎市では従来から自衛隊からの要請に対し、個人の基本的人権を尊重する立場から、住民基本台帳法に則って「閲覧を許可する」という規律ある対応をされていると伺っています。今後もそれに変わりはありませんか。

答弁

本市における自衛官募集につきましては、防衛省自衛隊兵庫地方協力本部から、自衛官及び自衛官候補生、防衛大学校等の学生や高等工科学校の生徒、いずれの場合も閲覧請求書が提出されており、住民基本台帳法に基づく閲覧の方法により適齢者の情報を提供してきております。なお、昨日もこ答弁いたしましたように今後とも募集内容に応じ、法令や国からの通知に基づき適切に対応してまいります。以上

 

(松沢)続いて教育長にお伺いします。昨年度、今年度と、トライやるウィークで自衛隊での職業体験がわずか1校ですが実施されました。

わが会派の小村議員が2017年12月議会で質しましたが、教育委員会は「ロープワークの実習などの他に、挨拶や時間厳守など社会人・職業人として必要な礼儀を学ぶもの」だったと答弁されています。そんな次元の問題でしょうか。

自衛隊については、これまで災害時に国民の命や財産を守るために昼夜を違わず活動し、多くの若者がその姿を見て自分も人のために役立ちたいと入隊を希望してきました。しかし、2015年安保関連法が制定されて以降、自衛隊の活動は大きく様変わりしています。南スーダンへの派兵では政府は非戦闘地域で大丈夫だと国民に説明していましたが、実は宿営地にまで爆弾が撃ち込まれる戦闘地域だったことが日報で明らかになりました。南スーダン派兵は、国内の「憲法違反の自衛隊海外派兵はやめよ」の世論が高まる中、予定より早い帰還となりました。自衛隊に入ったら戦場に行かされる危険性が、安倍政権の下で高まっています。こんな時に、尼崎の教育委員会は、子どもたちに自衛隊体験をさせようと言うのでしょうか。あいさつ、規律等々は自衛隊に行かなくとも、当たり前に市内の事業所や商店などで学べます

 教育長にお伺いします。教育とは子どもたちの生きる力を育む営みだと思います。

生きることを否定する戦争につながる自衛隊を、トライやるウィークの対象事業所にすることは止めるべきだと思いますが、教育長の考えをお聞かせください。 

答弁

トライやるウィークの体験活動場所につきましては、県が作成した指導の手引きにある例を参考に、地域や学校の実情に応じた事業所の中から生徒が興味・関心に基づき主体的に選択しております。

自衛隊での体験活動は、救急救命や災害緊急時の対応など、防災教育につながるものもあり、学校が事前に打ち合せを行い、活動内容を確認したうえで実施しているところであり、多様な社会体験活動を通して、豊かな感性や創造性を高めるとともに、社会と関わる力を育むなど「生きる力」を育成するといった、トライやるウィークの目的に沿ったものであると考えております。

(松沢)消費税が10月から10%に増税されることを見込んだ新年度予算になっています。

市長は、消費税増税が市民生活にどのような影響を及ぼすとお考えでしょうか。

安倍首相が増税のひとつの根拠にしている総雇用者所得の増は、尼崎でどうでしょうか。

新年度の個人市民税収入は5.7億円増収の見込みですが、個々の市民の所得が増えたのではなく個人市民税納税義務者が前年比4700人増えたことによると見るのが妥当でしょう。

この4700人の中身ですが、国全体では380万人の増です。増加のほとんどは65歳以上の高齢者と学生で、少ない年金や高い学費の為に働かざるを得ない状況になっていることが内閣府や学生支援機構の調査で明らかになっていると、日本共産党の志位委員長が2月12日の衆議院予算委員会で指摘しています。 政府はポイント還元やプレミアム付商品券などの軽減策を講じるとしていますが、これが果たして軽減策だと言えるのか疑問です。キャッシュカード対応のレジにしていない商店はお客さんから敬遠され、がんばってカード対応のレジにしてもカード会社の手数料軽減は9カ月で打ち切られると、店主さんは頭をかかえています。プレミアム付商品券も予算の68800万円を使い切ったらもう終わりです。

尼崎市は阪神間の他都市に比べても低所得の市民が多く住むまちです。もともと低所得者ほど負担が重い消費税の増税を、深刻な消費不況が続く中で強行したら、市民のくらしはどうなるのでしょうか。

 市長にお伺いします。消費税10%増税で市民のくらしや地域経済はどんな影響を受けるとお考えですか。

答弁

消費税率の引き上げに伴う影響としましては、一般的には引上前の耐久財など高額商品の駆け込み需要があり、その反動で買い控えが起こると言われており、消費の低迷やそれに伴う地域経済の停滞が懸念されるところでございます。とりわけ本市は中小企業が多く、前回の消費税率引き上げの際の調査においても、直後の景況感は大きく落ち込んでおり、また、今回の引き上げに対する影響について、地域金融機関の調査によれば、中小企業の4割が売上高の減を予想していることから、本市経済への影響も懸念されるところでございます。そのため、国は、前回の消費税率引き上げの際、消費低迷が長引いたことを教訓として、一定期間に限りキャッシュレスで買い物をした場合のポイント還元事業を実施することとしており、本市としても円滑な事業実施に努めてまいります。

 (松沢)つぎに、国民健康保険事業についてお聞きします。

尼崎の国民健康保険(以下国保という)加入者は、2018年当初で約10万人全体の22.5%、世帯数は約6.7万世帯全体の31.2%を占めています。加入者の内訳を見ると、年金生活者・失業者・非正規雇用の労働者・零細経営の自営業者などとその家族、低所得の市民が大半です。

高齢者や病気や障がいの為に就労できないなど、医療を切実に必要とする人も少なくありません。ところが、保険料は中小企業の労働者が加入する協会けんぽや、大企業の労働者が加入する組合健保、公務員が加入する共済などよりもはるかに高いのです。

加入者の所得は低いのに保険料は一番高い――この構造矛盾が深刻化するなかで、高すぎる保険料が低所得世帯を苦しめ、生活に困窮する人が医療を受ける権利を奪われる事態が全国で起こっています。尼崎ではどうでしょうか。

今年度から国保は都道府県の事業いわゆる広域化により、尼崎の保険料は一人当たり約1.5万円引き下がりました。しかしなお生活に食い込む高い保険料に苦しむ市民が多くいます。

2年前相談を受けたAさんは、日給月給の夫の稼ぎで夫婦2人生活している方です。70歳近くなった夫はここ数年再三入院するようになり、医療費はかかるし収入は途切れる状態になり、国保を滞納してきました。「資格者証になるよ」(つまり国保証が取り上げられ、窓口負担10割になるということ)と国保窓口で言われたことがあり、怖くてもう相談にも行けないと訴えて来られました。いっしょに窓口へ行きなんとか払える分納計画にしてもらいましたが、過去の滞納分の返済が重くのしかかっています。

全国知事会が2014年、国保料を「協会けんぽ並み」に引き下げるために「1兆円の公費負担増」を政府に要望しました。尼崎で「協会けんぽ並み」に引き下げられたら保険料はどう変わるのか、資料をご覧ください。改めてその保険料格差に驚きますが、30代の4人家族で半分以下になります。政府は国保の都道府県化と引き換えに3400億円の臨時的公費投入をおこなっただけなので、今も保険料格差は改善していません。

 ここで市長にお伺いします。全国知事会や全国市長会は201718年と医療保険間の格差解消のために、臨時的な財政投入にとどまらず、定率国庫負担を引き上げることを国に要求し続けています。市長はこの件についてどのようにお考えですか。

答弁

保険給付費の約32%を国が負担する定率国庫負担の負担率の引上げにつきましては、本市といたしましても、国民健康保険制度の財政基盤強化のために必要であると認識しており、これまでから、市長会や近畿都市国民健康保険協議会を通じて、国に対する要望を行ってきたところです。なお、こうした要望活動につきましては、今後も継続的に実施していくこととしております。以上

 

 (松沢)尼崎の国保は2017年決算ベースで不納欠損額が20億円、滞納世帯11,046世帯と、市政にとって解決すべき大きな課題の一つになっています。しかしこれは、保険料がくらしを脅かす高額であるが故に、払いきれない結果です。

今年度国保の広域化で1人1.5万円保険料が下がったとはいえ、協会けんぽよりなお2倍以上の重い負担であることは、先ほど来お示ししている資料からも明らかです。市は新年度債権管理条例に基づいて、引き続き納付率の0.78%アップ、滞納者には指導の強化と滞納処分も行っていくとしていますが、果たしてこれが真の課題解決の方法と言えるでしょうか。

指導強化の手法の一つが資格証の発行です。窓口負担10割になる資格者証の発行が2017年実績で685件あったと聞きます。国保は尼崎で言えば市民の約22.5%にあたる人々の医療を受ける権利を保障するものです。全国民主医療機関連合が毎年調査をしていますが、保険証がないがために受診できず医療にかかった時はもう手遅れだったという人が、今年も民医連関係の医療機関だけでも65人に上ったと発表されています。市民の命と健康を保障するはずの国保で、また、それを運営する自治体で、国保証の取り上げなどあってはならないと思います。

 市長に伺いします。滞納者への制裁として資格者証の発行はすべきでないと思いますが、市長はどのようにお考えですか。

答弁

資格証明書は国民健康保険法の規定に基づき、被保険者の負担の公平性の確保を図るためのものであります。本市としましても、資格証明書の発行を抑制するため、職員による対象世帯への夜間電話をはじめ、平日の時間内に来庁できない方のために、臨時に土曜日や日曜日を開庁し、納付折衝の機会を増やすなどの取組みも行っており、交付状況も減少してきております。

今後とも、被保険者との納付折衝の場を増やす中で、また、可能な限り、その個別事情にも配慮しつつ、計画的な納付を促していくことで、資格証明書の発行抑制に努めてまいります。以上

 

(松沢)続いて、再び資料をご覧ください。なぜ協会けんぽとこれほどまでに保険料格差が生まれるのかということですが、協会けんぽなど被用者保険では収入に保険料率を掛けて保険料を計算するだけで、家族の人数が保険料に影響することはありません。ところが国保は、収入に係る「所得割」に加えて、世帯ごとに係る「平等割」、世帯の人数に応じて一人当たりに係る「均等割」がプラスされます。だから、家族が多いほど保険料は高額になります。

尼崎では現在医療分の均等割が26316円、後期高齢者医療支援分の均等割が8880円です。国保世帯で赤ちゃんがオギャーと生まれたら、その時からその子には均等割として合わせて年35196円の国保料がかかってくるのです。極めて不条理だと思います。また、子育て支援にも逆行するものではないでしょうか。国保制度で応益負担となる平等割と均等割については、世帯の所得によって7割・5割・2割の軽減がありますが、資料でお示ししている4人家族の例は2割の軽減対象にもなりません。事前にお聞きしている国保世帯の子どもの数は、中学3年生までで7067人4406世帯、高校3年生までで8736人5322世帯です。7割・5割軽減の対象以外でも全ての子どもの均等割を5割軽減するとしたら、35196円の半分約17590円国保料が引き下げになります。

 

 そこで市長に伺います。0歳の赤ちゃんにまで国保料を賦課する「均等割」は、子育て支援を重点施策とする点から見て逆行するものです。市として子どもの分を例えば5割軽減することを検討してみませんか。

答弁

現在、本市では、所得に対して国民健康保険料の負担が重くなっている多人数世帯等に係る軽減措置として、独自の特別減免を実施しております。均等割の加算により、負担が増える子育て世帯も、要件を満たす場合には、減免の対象となり、負担が軽減されますことから、現在のところ独自で子どもの均等割に係る新たな減免措置を実施する予定はありません。なお、全国市長会や中核市市長会を通じて、国の責任と負担において子どもに係る均等割保険料の軽減措置等の導入を行うよう要望しております。

 

これで、1回目の質問を終わります。

 

<第2登壇>

 

 市長は「中部方面隊から住基台帳の閲覧を要望されているので、閲覧している」と答弁されました。それでは、電子データーでの提供を求められたらそうするのですか。

1問目でも言いましたが、自治体には個人の基本的人権を守る義務があります。自治体の長であるあなたには、個人情報の保護を行う責任があるのです。

市民課で働く職員さんたちは、住民基本台帳法に基づいた規律ある対応をしっかりやっています。自治体が自衛隊に協力すべきと圧力をかけるのは、国と自治体が対等平等な関係にあるという地方分権にも逆行します。市長も、国や自民党の不当な圧力に迎合せず、規律を持つべきです。

 

次に、子ども・子育て支援施策についてお聞きします。

 

市は、2015年に作成した子ども・子育て支援事業計画を保育所・児童ホーム利用希望者がともに増加傾向にあることから、2017年度に見直しました。昨日の他会派への答弁では、1350人分受け入れ枠を増やしたかったけれど1000人分しか確保ができなかったとのことです。

 

 まず、市長に保育所についてお伺いします。201841日時点3歳児以上で31人、0~2歳児で125人合計156人の待機児が生じました。この子どもたちの受け入れは、その後どうなったのでしょうか。また、2019年度の1次募集が終わりましたが、待機児の見込みはどうなっていますか。

答弁

平成30年度当初の待機児童156人のうち、平成31年1月1日までに入所された方が72人、平成31年度の1次利用調整で内定した方が16人と計88人の方の入所が決まりました。

転出などの申請辞退者25人を除き、未だお待ちの方は43人となっています。

次に来年度の待機児童見込みについて、平成31年度向け1次利用調整では、約1600人の方が内定しましたが、昨年度に比べ増加させた定員を上回る約250人の申請増もあり、750人程度の方が調整に至っておりません。現在は2次調整の段階で、一人でも多くの方に御利用いただけるよう、可能な限りの調整作業を行っているところですが、昨年の1次調整時の未内定者数約680人に比べて70人程度増加していることを踏まえますと、平成31年4月の待機児童数は増加する見込みでございます。以上

 (松沢)次に児童ホームについてお聞きします。

 

まず、補正予算の審議でも問題になった園田北児童ホームについてです。

当初予算では40人定員の児童ホームをもう一つつくる予定でしたが、入札不調で2019年度の受け入れが間に合わなくなったとのことです。新年度の第一次利用申し込みが65人だったので、児童ホーム定員をはみだす20人程度はこどもクラブで対応すると当局は説明しています。

ここで2つ問題点を指摘します。1つは定員の問題です。2019年度の園田北児童ホームの募集定員は80人です。第1次募集で定員に満たない場合は2次募集をするのがルールのはずです。

もう1点は入札不調になり新年度に間に合わなくなったという点です。以前塚口児童ホームでも同じことが生じました。児童ホーム新設は予算に計上されているのに入札は夏以降に行われ、1度不調になると年度内の対応ができなくなります。毎年定員増を願ってきた市民の期待を裏切るものになります。

 市長にお伺いします。園田北児童ホームの2次募集はやらないのですか。また、入札の時期について改善をするつもりはないのですか。お答えください。

答弁

園田北児童ホームの新年度向け入所申請につきましては、40人の定員増による80人定員として募集案内を行っておりましたが、その後の施設整備の入札が不調となったことから、定員拡大が出来なくなりました。

校舎の活用も検討したものの、来年度のクラス増などもあり、既に、入所の申し込みをいただいた児童については、施設が完成するまでの間、緊急的に、こどもクラブ施設の一部を活用し、児童ホームとして専任職員の配置を行う中で、全員の受入れを行うことといたしました。こうしたことから、2次募集については実施を予定していませんが、申請手続きがお済でない方などにつきましては、今後実施する随時募集において対応させていただくこととしております。

次に、入札の時期については、設計業務を実施した上で、秋頃に建築工事等の入札を経て工事に着手するというのが、基本的なスケジュールとなっておりますが、ご指摘のように、入札が不調となった場合の影響も大きいことから、出来るだけ速やかな施設整備に努めるとともに、定員拡大の予定に影響が生じないように、必要な対応に努めてまいりたいと考えております。以上

(松沢)次に支援事業計画の見直しで総定員数は500人増の3244人となりました。

しかし公設児童ホームは2カ所増設で80人のみ、残り420人は民間児童ホームとしています。民間児童ホームの事業が始まって4年経ちました。民間を利用する人も出てきていますが、これが果たして待機児対策になるのかという点で疑問を感じます。児童ホームに入れなかった場合、民間児童ホームを選択されるのはほんのわずかで、ほとんどがこどもクラブを利用する流れになっています。決して安心・安全ではないけれど、待機となった子どもたちの多くは、2学期が始まるころまで子どもクラブを利用しながら、何とか親が夕方帰宅するまでの時間の過ごし方を子どもなりに見つけ、順応していると思われます。当初の計画で各児童ホームの定員は40人と明記されているにもかかわらず、計画の最終年度である2019年、今のままでは公設の16ホームが60人定員のまま手が付けられないことになると思います。

 そこで市長にお伺いします。60人定員のままになっている公設児童ホームを、一刻も早やく40人定員2カ所に改善することが真の待機児対策だと考えますが、いかがですか。

答弁

児童ホームの定員につきましては、国の基準を基に定めております本市の設備運営基準条例においても、おおむね40人以下と定めているところであり、現在、定員拡大を行う場合は、40人を基本に実施しているところです。

一方、子ども・子育て支援新制度施行前に整備した児童ホームの中には、ご指摘の60人定員の施設もあります。これらの施設を40人定員に移行しますと、待機児童が生じることとなり、また、40人定員に移行した上で、さらに40人定員の施設整備を行うには、用地の確保や財源の課題がございます。こうしたことから、子ども・子育て審議会においても、施設の建て替え時等において、設備基準条例に基づく規模に移行するという、経過措置の規定を設けることは”やむを得ない”との意見をいただくとともに、民間児童ホームの活用についてもご意見をいただいたところでございます。これら60人定員の施設については、築年数が新しい施設も多く、直ちに建て替えを行うことが困難であると考えておりますが、いずれにいたしましても、引き続き、待機児童の待機状況が厳しく、今後も待機児童が発生すると推計される小学校区を中心に、民間事業所の活用も含めた、必要な定員拡大を行い、待機児童の解消に取り組んでまいります。以上

 (松沢)つぎに、2019年10月からの幼児教育・保育の無償化について伺います。無償化は子育て世代の願いであり歓迎すべきですが、手放しで喜べる内容ではありません。消費税10%増税と引き換えで行われ、保護者の負担軽減とは言い切れません。

また、公立保育所が存続の危機に立たされることにもなります。無償化による国と地方自治体の負担割合は、私立の保育園や幼稚園、認可外保育施設は国2分の1・都道府県4分の1・市町村4分の1なのに、公立保育所と幼稚園は市町村が10分の10負担になります。中核市長会の試算では中核市平均で2.5億円の負担になるとのことです。 

 そこで市長にお伺いします。10月から公立保育所・幼稚園の保育料収入はなくなり、運営費や人件費などは市が100%負担することになると思いますが、新年度また今後の財源対策はどのようにお考えですか。

答弁

今年の10月から実施予定の幼児教育・保育の無償化に伴い、公立保育所及び公立幼稚園を利用する3歳から5歳までの全ての子供と、O歳から2歳までの住民税非課税世帯の子供について、保育料の徴収を行わなくなることから、本市では、平成31年度は約1.5億円、平成32年度以降は、約3億円の歳入の減少が見込まれております。

こうした無償化に要する経費については、消費税率10%への引き上げによる財源を活用するとともに、無償化に係る地方負担分は、毎年度に国が示す地方財政計画において、所要額を全額計上した上で、地方の一般財源総額を増額確保することとされており、現時点では、新たな市の財政負担が生じることはないものと考えておりますが、今後も引き続き、適切な地方財政措置が行われるよう、国の動向等に注視してまいります。(以上)

(松沢) 次に、障がい者施策についてお聞きします。

 

障がいを持つ方が自由に街中に出て、余暇を楽しんだり人と会話したり、用事を済ませたり、当たり前に暮らしていくのに必要なガイドヘルプは、障がいを持つ方にとってなくてはならないサービスメニューです。それだけにニーズも高く、利用件数・利用時間が増加する中、2016年には予算額が10億円を超える状況となりました。

市は、サービスの適正化・平準化などを理由に2017年に移動支援事業の新ガイドラインをつくり、報酬単価の見直しを行いました。その結果、予算額でいえば2016年の10.1億円から2019年度予算では7.02億円へと3億円の縮減となっています。これが障がい者やサービス事業所にどんな影響をもたらしているのか、私は6月議会で質問をしました。その際、サービス事業所の閉業などは見られるが新規参入もあり、事業者数としてはあまり変わらない。廃止時には次の事業者への引継ぎができていることから、今回の見直しによって障がい者の自立生活や社会参加が制限されたということは無いものと考えているとの答弁でした。しかし、その後も障がい者やサービス事業所から引き続き苦情や相談が党議員団の元に寄せられています。

先月伺ったB事業所は、障害者支援の他に介護保険事業と認可外保育施設を行っている小規模の事業所です。報酬単価の削減で移動支援に係わるヘルパーさんの確保ができなくなり、「移動支援サービスは止めざるをえなかった。それでも事業所運営は厳しくて、年に何回かは自分の給料をカットしている。」とお聞きしています。こんな事業所の実態を、市長はご存知でしたか。

私は6月議会の質問で、新ガイドラインの導入で利用者や事業所への影響についての実態調査を行うべきと要望しましたが、当局は「サービス利用に係る請求明細書等を基に、その経過分析を行っていく」、実態調査は行わないと答弁されました。

 お伺いします。サービス利用に係る請求明細書などを基に経過分析しても、利用者や事業所の実態はつかめません。より良い事業にしていくためにも実態調査をすべきだと考えますが、いかがですか。

答弁

移動支援事業の見直しによるサービス利用の状況については、事業見直し前後の各1年間の利用実績や事業所数の増減を比較するなどの検証を行い、その結果を尼崎市自立支援協議会に報告して、引き続きご意見を伺っているところです。

全体的な傾向として、サービスの利用者や利用時間が大きく減少したといった状況はありません。また、事業費についても、見直し検討時に想定した状況と大きな差はありません。こうしたことから、実態調査を行う考えはありませんが、自立支援協議会委員の皆様から、こうした全体的な傾向個別・具体的な事例を基に、見直しの結果を評価すべきとの意見があるため、今後、当事者団体や障害福祉サービス事業者を含む、自立支援協議会委員への個別の聞き取りを行っていく中で、状況の把握に努めることとしています。以上

(松沢)続いてお伺いします。計画相談支援は、なお国や県の実績に比べ大きく遅れています

地域で暮らす障がい者にとって、生活支援の相談に対応しプランを立ててくれる相談支援専門員の存在は大変、大きなものです。しかし、あいかわらず相談支援専門員がちゃんとついている障がい者はほんのわずかで、多くの方は障がい区分が見直される時期に保健福祉センターの専門員のもとで支援プランが作られ、プランの変更希望などには「無理です」と言われることが多いと何人もの障がい者からお聞きします。

新年度予算でも、障害者相談支援事業の伸びは全くありません。私は6月議会で南北の保健福祉センターの相談機能についても伺いました。答弁では、保健と福祉の総合相談窓口機能を有することになった。ここに相談支援専門員を配置することで、専門相談や研修を実施するなど地域の相談支援体制の強化に努めていると言われました。ところが、実際の保健福祉センターの窓口対応はどうなっているのでしょうか。

Cさんはひとり暮らしの視覚障がい者です。外出時のヘルパーさんが辞めることになり、次のヘルパー事業所が見つからないので保健福祉センターに相談したら、「自分で探しなさい」と事業所の名簿を渡されました。これが専門相談のレベルです。全くなってないと私は思います。もっと専門性も体制も充実させていくべきです。

 お伺いします。計画相談支援の体制を早急に充実させることが必要だと思われますが、市長の見解をお聞かせください。 

答弁

まず、計画相談支援の推進に向けては、平成29年度から、委託相談支援事業所の相談支援専門員を16人から18人へと2人増員し、相談支援事業所の担当者会や、経験の浅い相談支援専門員を対象とした勉強会を定期的に開催してきたところです。その結果、サービス等利用計画等の作成率は、平成28年度末の22.3%から平成30年12月には59.1%と、大きく進捗しています。

また、平成30年1月に開設した南北保健福祉センターについては、障害の種別に関わらず保健と福祉のニーズを併せ持つなど、複合的な支援が必要な方への対応や相談支援事業所との一層の連携を図るため、「基幹相談支援センター」と位置付けて、担当職員を増員するなど、体制の強化に取り組んできたところです。いずれにいたしましても、相談支援の推進は重要な課題であると認識していることから、職員研修を実施するなど.職員の専門性の確保や窓口の対応力向上に努めているところですが、議員ご指摘のような、利用者からのお声があることも真摯に受け止め、引き続き、相談支援体制の充実に取り組んでいきます。以上

 

(松沢)つぎに、公共施設マネジメント計画についてお聞きします。

 

市は、新年度第一次公共施設マネジメント計画の取組みを具体化しようとしています。

市民意見を聞き、市の素案とすりあわせて成案にしていくとして、2月24日~3月1日まで各行政区で1回市民説明会を行い、3月中旬からパブコメを実施する予定になっています。

まず、市民説明会についてお聞きします。どの会場でも説明会の周知の仕方についての疑問が出されていました。市は、2月号の市報に案内文を載せ、各社協役員に説明しチラシを渡したと言いました。しかし、市報の扱いは小さくてほとんどの参加者は見ておられませんでした。

また、参加された社協役員の方からは「10分程度の説明でよくわからなかった」とおっしゃっていました。私の地域では、回覧板に案内ビラは入っていませんでした。それでも総参加者数が150人ぐらいになったのは、わが会派がこの件についてのニュースを発行し、地域にお配りしたり新聞折り込みをしてお知らせしたからではないでしょうか。市議団控室には、18日に新聞折り込みした頃から何件も市民のみなさんからの問い合わせや確認の電話をいただいていました。今定例会の建設企業消防委員会では、雨水貯留管整備事業の減額補正をめぐって質疑が行われました。住民合意をきづいていくプロセスで丁寧さが不足していたのではないかとの指摘に対し、当局はそれを認め、「下水道事業の問題だけでなく、住民に事業の必要性を十分に理解してもらうという視点で、住民説明会のあり方や回数などを総合的に検証して行っていく必要性があるという教訓を得たと考えており、今後はそうした姿勢で進めていきたい」と答弁しています。しかし、今回の公共施設マネジメント計画の市民説明会は、全く雨水貯留管整備事業での教訓が活かされていないのではないですか。

 市長にお伺いします。今回の市民への情報提供について、これでパブコメ募集前の市民への説明責任は果たせたとお考えでしょうか。つづいてお伺いします。第一次公共施設マネジメント計画の方針1で対象となった一つひとつの施設について、市民合意を得ていくと言われていますが、得られなかった場合、また市民から別の提案が出されてきた場合どう対処しようと考えているのでしょうか

答弁

この度、実施いたしました「今後の具体的な取組(素案)」における地区別説明会については、市報の掲載内容では「説明会の趣旨や内容がわかりにくかった」といったご意見を多数いただいたと報告を受けております。私自身も、市民の皆様への情報発信の方や内容については課題があり、今後も改善を重ねる必要があると認識しているところです。また、公共施設マネジメントの取組について、市民合意が得られにくい場合であっても、取組の必要性、趣旨や合意が得られていない理由等について、対話の機会を確保して参ります。また、市民からのご提案があった場合につきましては、公共施設マネジメント基本方針との整合性が図られている、実現可能な提案であるか、またどうすれば実現可能な提案になるかなど総合的な観点から判断し、同様の対応を行い、最終的には、市民の皆様の理解を得られるよう臨んで参ります。

 (松沢)続いて対象施設の一つ、福祉会館についてお聞きします。

直営の福祉会館を地域に引き取ってもらい直営はなくす方向です。多くの福祉会館では、高齢者いきいきサロンやカラオケ会、お食事会など高齢者が出かけられる機会を作って、介護予防を進めようという取り組みが行われています。また、投票所や火事の際の避難所としても使われています。新年度の重点施策である地域振興体制の再構築の取組みでも、地域住民がつどう拠点として必要な施設です。

福祉会館の所有権を地域に移してしまったら、福祉会館の維持管理費用はすべて地域が持つことになります。今後施設の老朽化が進み、その時地域に補修費用がない、建て替え費用がないとなった時、どうなるのでしょうか。公民館分館のたどった道をおもわず想起します。地域に渡された分館(地域学習館)は維持管理を使用料収入だけでやっていくのは無理で、市が3年間だけ行った補助金がなくなった2014年度多くが活動を止め、新年度活動を続けるのは塚口南と杭瀬の2館だけです。地域学習館の廃止と共に多くのグループが活動を止めています

 

 市長にお伺いします。福祉会館も公民館分館と同じように自然消滅で良しとするのですか。

答弁

市所有の福祉会館につきましては、老朽化が進行しているものから、比較的新しいものまであり、利用される頻度や使用料収入と維持管理費などに係る収支も様々な状況にあります。

こうしたことから、今後、改めて各福祉会館の利用実態を把握し、施設の改修による長寿命化のための支援策なども含めて、個別に地域と十分な協議を行うなど、丁寧に対応してまいります。

以上

(松沢)つぎにアウトソーシングについてお聞きします。

 

下水道事業は海抜0メートル以下の市域が3分の1にも及ぶ尼崎市にとって、市民のくらしや財産を守る大切な部門です。それだけにこの事業に携わる市職員のポリシーは大変高いと常々感じてきました。

管内視察で北部浄化センターに伺ったとき、若い職員さんから汚水を高度処理していく過程について詳しく説明していただきましたが、専門職としてのやりがいも語っておられたのが印象的でした。ポンプ場の職員さんは、常に気象情報をチェックし雨や雷の時は特に神経をピリピリさせながら微妙なポンプ操作を行っていると語っておられます。市は新年度にこの部門を夜間休日について民間委託する、問題なければ3年後には100%民間委託にしていく方針です。市は2017年12月に「業務執行体制の見直しに向けた今後の方向性いついて」を発表、今後の具体的なアウトソーシングの方向性を示しました。そこでは、効率化を図りつつ、民間事業者等が専門性を有する分野においてはそれを大胆に活用し、そうしたことによって生み出された人員を、今後とも本市の行政の役割が増えることが予想される分野へ重点的に配置していくと言われていますが、まさにその流れの中で北部浄化センターとポンプ場のアウトソーシングが出てきているわけです。

民間事業者等が専門性を有する分野の一つにたしかにこれは含まれます。現に、東部浄化センターや大庄区域のポンプ場は包括的民間委託されています。しかし、部分的なアウトソーシングにとどめてきたのは、下水道は安全安心なくらし、快適な生活の維持にとってなくてはならない都市基盤施設であり、環境保全にも不可欠なものだから、公共が直営でしっかりと責任を果たす姿を示してきたからではないでしょうか。今回の下水道事業アウトソーシングの具体化は、効率化という言葉のマジックに惑わされ、公共の役割を投げ捨てたとしか思えません。

 市長にお伺いします。効率化といいますが、専門性を有する民間事業者はそれゆえにたくさん存在するわけではありません。民間委託当初は人件費などに差はあったとしても、将来的には事業者側の発言権が大きくなって経費が釣り上げられていく可能性があります。学識者の間でも危惧されているところです。市長は将来に渡っても、民間委託してしまった方が効率的だとお考えですか。

答弁

現在、取組を進めております業務執行体制の見直しにつきましては、単に職員数を削減することを目的としているものではなく、今後の少子高齢化の進展等に伴う新たな行政ニーズに対応するため、さらなるアウトソーシングの推進等によって生み出された人的資源を新たな分野に充てることで、より効果的・効率的な執行体制を構築していくことを目的としているものでございます。

ご指摘の「将来的な委託料増加の可能性がある」といった点につきましては、課題のひとつとして認識しており、業務の内容に応じた適正な対価になるよう積算することはもちろんではございますが、それを過度に上回るような、いわゆる「委託料の釣り上げ」といったことを防止するために、例えば、契約事務においては、事業者から提出される見積書のチェック、また、アウトソーシング開始後においては、受託先への派遣のほか、業務の効果検証のあり方を構築する新たな体制を取り入れるなど、丁寧な事務を進めるよう努めてまいります。

今後も、アウトソーシングを行うに当たりましては、市民生活へ影響を生じさせないよう進めてまいりますとともに.委託者である市と受託者である事業者が適正な受託・委託関係を築いていけるよう、様々な手法を検討し、実施してまいります。

 

 (松沢)つぎに、専門性を有する分野においてはそれを大胆に活用といいますが、平時はそれでも行けるかもしれません。しかし問題は災害時の対応です。公務員は災害時、何をおいても職務を全うします。それを民間事業者に求められるのでしょうか。「仕様書に書き込み、協定の内容の一つにするから大丈夫だ」という答弁が返ってきそうですが、本当にそんな約束ができるのでしょうか。仕様書による協定がいいかげんなものだったということは、すでに市も経験していますね。2018年1月6日未明に市営住宅で火災があり、火元の住民が死亡、多くの入居者が被災しました。あの時、委託されていた住宅管理責任者は緊急連絡先を3人挙げていましたが、住民が連絡をとってもなかなかつながりませんでした。やっと電話がつながった責任者は、「漏電の改修工事は業者に頼んだから」と言い、火災現場を見に来ようともしませんでした。住民の不安は募るばかりだったので、私が当局担当者に連絡し早急に対処するよう求めました。市から連絡を受け管理責任者が現場にやってきたのは午後2時半ごろ、すでに火が出て半日を過ぎていました。

協定書には「火災時の対応」や「災害時の対応」という項目があり、速やかな現地調査や応急復旧の対応が書かれていたのにです。火事は消防局が火を消し負傷者については救急車で病院に運んでくれます。でも、大雨や地震で浸水やトイレが吹き上がったりするのは、下水道事業で対応してもらわないと替わりがいません。

 市長にお伺いします。北部浄化センターとポンプ場を民間委託したとして、災害時の対応を完全に民間に任せて大丈夫だと思われますか。仕様書の精度をあげることでクリアできるとお考えですか。

答弁

浄化センターやポンプ場の運転管理業務は、市民の生命や生活、環境保全に直結する非常に重要なものでございます。災害が予想される状況におきましては、浸水被害等から市民の安全・安心な生活を守るため、職員が常に気象状況を把握し、運転管理に必要な人員を事前に配置し、対応してまいりました。

今回の民間委託後におきましても、これまでと同様の態勢で、事業者が運転操作を実施し、職員は、これまでどおり、防災関連部局との連絡調整や被害発生に備えた態勢を実施していくものでございます。なお、これまでに民間委託を実施している下水道施設もあり、昨年7月の長時間にわたる豪雨におけるポンプ運転や.9月の台風第21号での長時間の停電時における非常用発電設備等による運転管理を行うなど、様々な災害に応じた的確な状況判断により、適切に対応できております。今後とも、事業者との連携を深めるなど、災害時においても下水道としての役割を十分に果たせるよう、取り組んで参りたいと思います。以上

 

(松沢) つぎに特別支援教育についてお聞きします。

 

昨年12月に、ある小学校の特別支援学級に子どもさんが籍を置いている保護者3人から相談を受けました。その学校には肢体不自由、知的障害、自閉症・情緒障がいの3つの支援学級がありますが、4月に3人とも担任が入れ替えになりました。うち1人の先生が特別支援教育の経験のある方だったようですが5月に辞められ、結局3人とも初めての先生になってしまったそうです。保護者のみなさんは、昨年までやれていたことが継続してやってもらえないので、何度も先生と話し合い要望されてきましたが、前に進まない。大阪北部地震の時は教室に先生が誰もいなくて、子どもさんが下校後「怖かった」とつぶやいたことで、朝の迎い入れの体制ができていなかったこともわかり、保護者のみなさんは担任だけではだめだと校長も含めての話し合いを続けて来られたそうです。それでも改善の兆しもなく、思い余って私の方に窮状を訴えて来られたのです。

保護者のみなさんからの相談には、いくつかの問題が含まれていると思います。1つは、担任が3人そろって入れ替えられたことです。たまたまですが、私の長女が愛知県で中学校の特別支援学級担任を今年度からしています。彼女に聞くと、全員が入れ替わるなんてありえないとびっくりしていました。一人ひとりの子どもの特性があり、「いくら引継ぎがあったとしても全員入れ替わったら教師の側がパニックになる」と言っていました。

 

 教育長にお伺いします。担任が全員入れ替わったのはこの学校が初めてなのですか。それとも、尼崎では、ときどきあることなのですか。

答弁

各学校の担任につきましては、教員の年齢やクラスの状況、教員の専門性などを考慮し、それぞれの学校において適切に決めており、基本的には、特別支援学級だけでなく、通常の学級におきましても、継続性を考慮しながら配置をしております。

ただし、年度によっては、様々な事情から、やむを得ず、特別支援学級の担任が全て入れ替わることがあるのも事実です。例えば、平成30年度に、特別支援学級の担任が全員入れ替わった学校は、小学校2校、中学校1校ございました。このような場合、一貫した支援を行うことが重要であることから、前年度の担任と十分な引継ぎを行い、対応することが原則となっています。

また、登校時の教室での迎え入れにつきましては、児童生徒の個々の状態に応じ、門や教室等で迎え入れをしておりますが、ご指摘のあった学校につきましては、適正な対応ができておらず、この点、申し訳なく思っています。現在は改善され、子どもだけで教室にいるということはなくなっております。教育委員会といたしましては、安全への配慮という観点から、各学校に対して、迎え入れの体制が整うよう、しっかりと指導してまいります。以上

 (松沢)つづいて、登校時の教室での迎い入れ体制についてお聞きします。

この学校では教室に先生がまだ来ていなくて、授業がはじまるまで子どもたちだけで置かれているようです。これもこの学校だけでしょうか。

問題点の2つ目ですが、昨年からの取組みが継続されていないことから保護者のみなさんは一人ひとりの子どもの個別の教育支援計画が作られていないのではないかと感じ、学校側に尋ねました。明確に答えてもらえず、保護者は「作られていなかった」と感じたそうです。これも長女に聞くと「ありえへん。4月~5月の間に保護者と面談する中で保護者の要望を聞きこちらの思いも伝えて、お互いに個別の教育支援計画を確認する」と言っていました。

 

 教育長にお伺いします。個別の教育支援計画の取組みは尼崎ではできていないのですか。

答弁

本市におきましては、「個別の教育支援計画」は、文部科学省の通知により、様式を定め、特別な支援を要する幼児児童生徒について、全ての学校園で作成しております。

また、「個別の教育支援計画」を作成する際には、本人および保護者の意向や将来の希望、現在の障害の状態などを把握し、整理して記載しております。それに基づき、学校園は、学習面や生活面においての一貫した、的確な支援を行っているところでございます。なお、議員がご指摘された、保護者のたずねた「支援計画」について、学校に確認したところ、学校が独自に作成している学習の年間計画のことであり、こちらについては、保護者に渡している学校もあれば、渡していない学校もございます。いずれにいたしましても、特別な支援を要する幼児児童生徒につきましては、個々の障害の状態などを踏まえ、見通しを持ち,きめ細やかな支援を行うよう、各学校園に対し、指導してまいります。以上

 

 (松沢)つぎに防災対策についてお聞きします。

 

武庫分区雨水貯留管整備工事をめぐって、ここ2年あまり地域でも議会でも大いに議論が交わされました。市はここにきて、周辺住民の理解が深まっていないと判断し、この工事に関する予算を補正予算からも新年度予算からも外しました。そして新年度1年かけて山手幹線・尼崎宝塚線の基本整備ルートは残しながら、他の案と比較検討するとしています。一定市民意見を尊重した対応だと評価します。

わが会派はこの問題を巡っては、昨年8月に国土問題研究所から専門家を招き、広い見地でこの問題を見つめてみる学習会を開きました。また今年に入って、1月29日に西宮市の校庭貯留について視察を実施、2月22日には京都府が行っている桂川右岸流域下水道雨水対策事業・通称いろは吞龍トンネルの視察も行いました。西宮の校庭貯留は2000年から市内にある小中学校の校庭に校庭貯留の工事を施し現在60校中55校までできたようです。大雨の時、下水管に一度に雨水が流れ込む負担を軽減する目的です。京都府の吞龍トンネルは雨水貯留管そのものです。2001年から工事着工、現在は北幹線が供用され、2023年に全体が供用開始の予定です。2つともそれぞれの地域の浸水対策として効果をあげています。そして、どちらも地域住民の理解と協力が得られていました。2つの視察を通じて、なぜ尼崎では地域のみなさんの理解が得られなかったのかを考えてみました。尼崎では、雨水貯留管工事に100億円もかけて更に地域住民が何年も我慢をつづけても、6年降雨確率から10年降雨確率に引き上がるだけで、その効果はわずか5ミリメートル。立花地域の浸水対策にはあまり貢献しないことがわかってきたからです。雨水貯留管の設置工事だけでは限界があり、もっと有効な対策にするためには、校庭貯留など他の取り組みと連携させる必要があります。しかし、尼崎市の下水道の基本的な考え方や主要施策の取組みの方向性を示した下水道中期ビジョンには校庭貯留は載っていません。だから学校の協力も得られないのです。また、工事自体尼崎市単独でやるべきものかどうかについても疑問を感じます。いろは吞龍トンネルは桂川右岸の3市にまたがる洪水対策として、京都府が3市と協力して行っています。尼崎市の浸水問題は、武庫川下流域の自治体だからこその問題として発生している部分もあるかと思われます。工事計画そのものについて、兵庫県との連携も視野に入れるべきではないでしょうか。

 

 市長にお伺いします。尼崎でこれから1年かけて手法の比較検討がされますが、雨水貯留管工事をどんな手法で行うかだけの検討ではなく、この工事の基本計画に立ちかえって、校庭貯留などの組み合わせによって総合的に浸水対策をすすめるところまで掘り下げるべきです。また、県との連携も図るべきと考えますが、いかがでしょうか。

答弁

本市の総合治水対策の取組みを定めている、「尼崎市総合治水対策基本ガイドライン」では、流域対策として学校・公園等の公共施設を利用した貯留施設や浸透施設の整備を、下水道対策として、雨水整備水準を10年確率降雨に引き上げるためのポンプ能力の増強や雨水貯留管の整備などをそれぞれ位置づけているところであります。武庫分区雨水貯留管整備事業は、河川放流の増量が不可能な地域において最も有効な浸水対策であることから、着実に推進するとともに、庁内関係部局が連携し、総合治水対策の充実に引き続き努めて参りたいと考えております。なお、本市ガイドラインについては、兵庫県の「総合治水条例」に基づき策定しており、兵庫県とも相互に連携を図っているところであります。以上

 

(松沢)つづいて、災害時要援護者への具体的な対策についてお聞きします。

 

これまでの市の取組みは、名簿の整理をし、名簿に基づいて引き受けてくれる地域社協の開拓を行うことが中心だったと思います。地域社協が受ければそのあとのことは地域にお任せでは、いざという時になかなか災害時の動きにならないことは、昨年の台風でみんなが思い知らされたと思います。

新年度予算には情報伝達の精度を上げるための予算が組まれています。これはいいことだと思います。しかし、地域に暮らす障がい者にとっては、たとえ情報が入りやすくなったところで安全に避難できるお守りにはなりません。昨年の台風21号で雨漏りがひどくなった文化住宅に住む車イスの女性は、「大雨になるから小学校へ避難しよう」と声かけしましたが、動きませんでした。彼女曰く、「体育館に避難しても、一人でトイレを使えない」その通りです。避難所を開設したら、そこには手すり付きの洋式トイレが必要です。ちょっと介助してくれるスタッフも必要です。段ボールベットもすぐに組み立てられるのでしょうか。障がい者にとっては、避難所の設備や人員体制がないと避難できないのです。

 市長に伺います。災害時要援護者への対策には、受け入れる避難所の支援体制を充実させ、避難してこられて大丈夫ですよと情報発信することも必要だと思いますが、いかがですか。具体的な取り組みがあれば紹介してください。

答弁

指定避難場所を開設した場合は、必要に応じ保健室等を活用して障害等の状況にできるだけ配慮した要配慮者避難室を設置し、ご家族や地域の皆様のご協力も頂く中で、避難場所の環境を整えることとしています。しかしながら、多くの指定避難場所においては、トイレのバリアフリー化などの設備面や介助者の確保に課題があると認識しており、このことは、昨年の災害対応の際、市民の皆様からも、様々なご意見を頂戴したところです。指定避難場所は、災害時要援護者を含めた地域住民の避難生活の拠点になることから、昨年の災害対応の経験を教訓とし、頂いたご意見も踏まえて、災害時要援護者に寄り添った適切な支援や災害時め情報発信について取組を進めてまいります。

 

(松沢)つぎに、生活保護についてお聞きします。

 

昨年の夏は特に暑く、熱中症が心配されました。厚生労働省は生活保護利用者のエアコン設置について一定認める通達を出しましたが、対象となるのは、2018年4月以降に保護が開始された人に限定されました。3月から保護を利用している人と4月からでどこが違うのか、必要な人にはすべて認めよと抗議の声が全国であがりました。尼崎でも抗議集会が行われ「西日の差す部屋は深夜1時ごろまで畳が熱くて横になれない」、心臓が悪い人は「医者からエアコンを付けなさいと言われるがどうしようもない」など命をおびやかす告発がありました。

議員団に寄せられた相談では、たまたま知人が電話したところ息も絶え絶えだったので訪問すると、クーラーもない部屋で脱水委症状がひどく、なんとか入院で一命を取り戻した保護利用者もいました。集会の数日前には、残念ながら熱中症で救急搬送された保護利用者が死亡されるという事件もありました。

 市長に伺います。エアコンは贅沢品ではなく、命をまもるために必要な家庭電化製品です。

国に対し、通達を改めて必要な人には設置できるよう求めていただきたいです。いかがですか。

答弁

本市としては、熱中症対策の観点から、生活保護の実施要領等の改正に関する意見として、平成25年度から毎年度、冷房器具に関して、必要とする被保護世帯が家具什器費の支給対象となるよう、また平成30年5月には、家具什器費の支給要件に、日常的に使用した家具・家電の故障修繕費用又は買い替え費用を追加するよう厚生労働省に求めており、引き続き、平成31年度も熱中症対策の観点から改正に向けての要望を行ってまいります。以上

(松沢)つぎに、介護保険についてお聞きします。

 

介護予防・日常生活支援総合事業には、来年度までの3年間で要支援者の生活支援を生活支援サポーターに移行させ、ヘルパー資格のあるヘルパーさんは要介護認定者の支援に集中させていく意図がありました。その理由として、4人に1人が高齢者となる社会が近い将来やってくることに備えて、ヘルパーが不足している、また、どんどん介護給付費が上昇すれば介護保険料も上昇し標準基準額で1万円を超えるような事態になってしまうことに対応するためだと、市は説明してきました。2年目の今年、尼崎ではどんな状況になっているのか。3年間で生活支援サポーターを養成し、900人のサポーターが要支援者の生活支援に携われば、有資格ヘルパーがそこから手を引いても成り立つはずでしたが、現在35人程しか就労されていません。

また、生活支援サービスはサポーターでもできる簡易なサービスだとして介護報酬は9割に削減されました。その結果、要支援の生活支援サービスは相変わらず有資格ヘルパーが対応せざるをえず、介護労働者の処遇改善が叫ばれているのに事業所の収入は減り、ヘルパーの報酬カットや要支援者への対応はもうできませんという事業所がでてきています

ケアマネージャーは受けてくれる事業所探しに四苦八苦しています。サービスを希望しても、支援開始まで待たされる要支援者があちこちで出てきています。市は事業者数が減っていないとか、要支援者の生活支援を辞退する事業所はいないなど表面的な数字だけを見ていますが、介護の現場はこんな状況です。そのうえ、国は今後、要介護1・2の生活支援サービスも介護保険から外し、要支援者の生活支援とひとくくりにしようと考えています。これではますます介護事業所だけに負担を重くし、介護を求める高齢者に我慢を強いる「保険あって介護なし」の社会を進行させるだけだと思います。だれでも加齢とともに衰え、認知症や要介護の状態になりえます。介護予防の取組みは大事ですが、それをしっかりやっても、やはり加齢とともに衰えは進みます。「年をとっても住みなれた地域で誇りをもって暮らしたい」と願うのは、人間として当然の生きる権利のはずです。高齢社会を迎えれば介護の公的負担は増えて当然です。それを、自然増さえ押さえようとする国の介護負担削減政策を改めさせることが必要だと思います。

 

 市長にお伺いします。尼崎の現在の介護施策について、どのように認識されていますか。

国に対し介護保険への公費投入増を求めるお考えはありますか。

答弁

少子高齢化が進行する中、介護需要の更なる増加と高齢者の多様なニーズに的確に対応しつつ、高齢者が可能な限り住み慣れた地域社会の中で自立した生活を維持していくためには、介護保険制度の適正な運営とともに、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムを構築し、地域共生社会の実現に向けて、さらに深化、推進させていくことが重要であると考えています。とりわけ単身世帯の高齢者等が多い本市では、高齢者支援のための仕組みづくりが喫緊の課題であることから、超高齢社会における安心な暮らしの確保を市政の重要なテーマの一つに掲げ、高齢者支援を地域全体の課題と捉える市民意識の醸成をはじめ、介護予防や健康増進、権利擁護や認知症施策の充実、担い手づくりや介護保険財政の安定運営等に鋭意取り組んでいるところですが、現状は道半ばであり、今後とも必要な見直し等を行いながら、着実に取組を進めていく必要があると認識しています。

また、国に対しては、公費投入増のみを求める考えはありませんが、介護保険制度の安定運営に向けて、これまでから市長会要望等を通じて、介護保険制度が、将来にわたり必要なサービスを安定的に享受できる持続可能な社会保障制度となるよう要望してきており、今後とも必要な事項については、適宜要望等を行っていきます。以上

 

これで2回目の質問を終わります。  

                

第3登壇

  • 保育所待機児問題に対してしかし民間の保育士処遇改善はまだまだ不十分で、人材確保の点でも大きな課題となっています。それに比べ公立保育所は、人材確保が民間よりずっと有利です。第1次公共施設マネジメント計画の中で、次屋・杭瀬・武庫南保育所の建替えは代替地がないとして、2022年以降に計画自体が先延ばしになっていますが、保育の質と量の確保を考えるのであれば、積極的に代替地を探し3所の建替えを具体化すべきです。

 

  • 市は、保育の量の確保として認可保育園と小規模保育事業の増を中心にしています。
  • 国保を協会けんぽ並みに国保中央会会長の岡崎高知市長は、国保制度が崩壊したら、まず病院の経営が成り立たなくなる。医療の崩壊を防ぐ上でも、公費支援を拡充して、国保を守っていかなければならない、また、子どもが多い世帯ほど負担が重くなる均等割は、見直すべきと話されます。全国知事会が1兆円の公費投入を求めています。日本共産党は、均等割・平等割を廃止すれば、協会けんぽ並みに保険料を引き下げることができ、それに必要な公費はちょうど1兆円程度と試算しています。国に全国知事会と共に1兆円の公費投入を求めるとともに、自治体でそれまでにできることとして子どもの均等割軽減を今後も求めて行きます。

 

  •  全国知事会、全国市長会、全国町村会など地方団体は、国保について、加入者の所得が低い一方、他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることを「構造問題」と指摘、制度を持続させていく上で、財政基盤を強化するための公費投入の拡充を国に要望しています。
  • 特別支援教育について 

 

  •  尼崎市が全国平均に追いつけ追い越せと学力向上ばかりに関心が行っている結果、特別支援教育が後方に追いやられていないと危惧します。

 

2019.2月議会、補正予算と19年度予算並びに関連議案以外に対する川崎としみ議員の反対討論です

 3月4日(月)本会議を再開し、補正予算と19年度予算並びに関連議案以外の議案の採決を行いました。採決で日本共産党議員団は33議案には賛成しましたが、職員定数条例改正、PFI事業者選定委員会条例、一般会計補正予算、モーターボート競走事業補正予算の4議案に反対し、川崎としみ議員が反対討論をしました。

2019年2月議会反対討論
日本共産党議員団の川﨑敏美です。私は議員団を代表して、議案第16号、25号、27号、32号について反対討論を行います。
はじめに、議案第16号の2018年度一般会計補正予算第5号についてです。この条例案にはプレミアム付き商品券関係事業の予算が含まれています。5年前にも消費税増税対策としてこの事業が実施されましたが、積極的・持続的な経済効果が得られたと実証されていないのではないか。前回の消費税増税による消費不況から脱し切れていない今日の経済情勢の下で、今年10月からのさらなる消費税増税10%は、市民のくらしと地域経済を壊しかねません。政府によって様々な対策が行われようとしていますが、対策を必要とする消費税増税などしない方がよっぽどの経済対策です。地域経済を壊す消費税増税のための準備事業予算となっているプレミアム付き商品券関係事業予算は不要だと考え、この予算には反対します。
次に議案第25号2018年度尼崎市モーターボート競争事業関係補正予算についてです。電話投票の増加に伴う売り上げの補正を行うものですが、センプルピアの開催日数は市民合意の年間開催日数180日を大きく超えており、ほぼ1年を通して万年開催となっています。よってこのような事業実施は認められないという事から、この補正予算には賛成できません。
次に議案第27号尼崎市職員定数条例の一部を改正する条例についてです。従来、私たちは公民館活動を充実発展させるべきだとの立場から、公民館の廃止につながる生涯学習プラザへの名称変更に反対してきています。公民館廃止に伴う教育委員会の人員を市長部局へ異動させる定数変更については認められません。
また、公営企業局の減員にはアウトソーシングにかかるものが含まれています。公務労働だからこそ維持されてきた人材の育成、技術の継承はままならなくなる、また偽装請負や職員のスキルが低下するという問題も出てきます。なによりも緊急時の対応がどうなるのか、住民へのサービスの低下をひき起こしかねないという問題点が多々指摘されます。以上の点から、この条例には賛成できません。
次に議案第32号尼崎市PFI事業者選定委員会条例についてです。反対の第一の理由は、PFI方式による事業によって、地元業者の育成が阻まれる、そのため市内での経済効果が失われる恐れがあるということです。第2に費用対効果についても事業の計画時点では効果が認められても、インフレの進行いかん、経済情勢の変化によっては継続的に効果が得られなくなるとの懸念があります。第3に将来的には事業の公的責任が曖昧となる恐れもあります。よってPFI等による事業実施には反対であり、この選定委員会の設置は認められないとの立場からこの条例には反対します。
以上のことから日本共産党議員団は議案第16号、25号、27号、32号について反対します。ご賛同くださいますようお願い申し上げて、私の反対討論を終わります。