2019.3月予算特別委員会の川崎としみ議員の総括質疑の発言と答弁概要です

<アウトソーシング>

初めにアウトソーシングにかかわる問題についてお聞きします。

業務プロセス分析事業は前年よりも予算が拡充されています。これまでの取り組みとどこが違うのか、予算委員会総務分科会でお聞きしました。簡潔にまとめると、今年度の業務プロセス分析事業では、すでにアウトソーシングを行っているところへの事後検証等が行われる、また今後所管課の効率的な仕事を進めていくうえでどうするのか、ICT化をどう進めていくのかコンサルからアドバイスを得るという事だということでした。

質問(1)そこで質問ですが、事後検証はどのようにされ、その結果アウトソーシングがうまくいっているのか、という判定はどのようにされるのでしょうか。

そして仮に、偽装請負などといった問題等が出てきて、アウトソーシングそのものを見直すという事にもなる事後検証なのでしょうか?

答弁

委託済業務に対して実施する事後検証につきましては、例えば偽装請負の疑いがもたれないような工夫や、市民サービスの維持・向上を図るための対策を行うことにより、窓口業務や施設管理業務など、それぞれの業務の分野や性質を踏まえる中で、その委託済業務の有効性や効率性などについて検証を行ってまいります。その検証の中で、仮に業務実施に関して改善するべき問題が発覚した場合は、費用対効果や事務の効率性等を総合的に判断する中で、より効果的な執行体制の構築に向けて適宜見直しを行ってまいりたいと考えております。以上

(川﨑)代表質疑で松澤千鶴議員が、「専門性を有する民間事業者はたくさん存在するわけではない。民間委託当初は人件費などに民間が低かったとしても、将来的には事業者側の発言権が大きくなって経費が釣り上げられていく可能性があるのではないのか」との質問に 二つの答弁がありました。

前後は逆になりますが、それぞれを紹介し質問します。

一つ目の答弁は「業務執行体制の見直しは、単に職員数を削減することを目的としているものではなく、今後の少子高齢化の進展等に伴う新たな行政ニーズに対応するため、さらなるアウトソーシングの推進等によって生み出された人的資源を新たな分野に充てることで、より効果的・効率的な執行体制を構築していくことを目的としている」ということです。職員の有効活用がそんなにうまくいくとは考えられません。技能職で採用された職員のほとんどは1人前になるために約10年かかるといわれています。やっと身につけた経験や技術がいっぺんにくつがえされるのが、職場の配置転換です。しかも2年間の研修を受けた後、異動先は事務労働の一般職です。

質問(2)技能職で採用された職員が2年間で事務職に配置転換、それがうまくいかなかったときには元の職場にもどすとされていますが、そこが民間委託されていれば戻れる職場はないかもしれません、このような乱暴な人事異動は職員のスキルを低下させることになりかねないのではありませんか

答弁

昨年6月、川崎議員のご質問に答弁申し上げましたとおり、今年度から数名の技能労務職員が、技能労務職から行政職への転職に向けて、行政職の職場において職務に必要な知識・技術の習得に取り組んでおります。この転職制度は、労使で十分な協議を重ねて導入したものであり、転職にあたりましては、事務職としての勤務に不安感を持つ技能労務職員もいるため、転職する前に行政職場において2年間実務を経験するとともに、職務に必要な研修等も実施するなど、サポートを行うことにより、転職が円滑に進むよう取り組んでおります。こうした取り組みを進めることにより、技能労務職員がこれまで培ってきた知識や経験が行政職場で活用でき、組織全体としてパフォーマンス向上にもつながると考えております。

二つ目の答弁は「将来的な委託料増加の可能性がある」といった点については、課題のひとつとして認識しており、いわゆる「委託料の釣り上げ」といったことを防止するために、例えば、契約事務においては、事業者から提出される見積書のチェック等を進めるよう努める」とあります。

質問(3)将来の委託料の増加について、新たな費用負担が生じるであろうという点について、市長は課題の一つと認められています。しかし見積書のチェックなどで防ぎきれるとは到底思われません。物価の変動や、一定の技術者の確保がままならない雇用環境の変化、需給バランスが崩れたときには事業者の言い値とならざるを得ない状況となり、万全に対応できるのか疑問です。この点について当局の見解を求めます。

答弁

物価の変動や、人件費の高騰など雇用環境の変化に伴う委託料の増加に関しましては、これまでも契約締結に向けた事務を進める中で適宜見直しを行うなど、適切に対応しております。議員ご指摘の「委託料の釣り上げ」といったことに対しましては、先般の代表質疑において市長からご答弁申し上げましたとおり、委託者である本市においてその業務のノウハウを確保することが一番の防止策になると考えておりますことから、本市職員の受託先への派遣や業務手順書の納入義務化など、ノウハウの確保に努めるとともに、今後行う委託済業務の事後検証の中で十分にチェックを行うなど、適切な受託・委託の関係の確保に向けて努めてまいります。以上

(川﨑)市職員労働組合のみなさんが、浄化センターやポンプ場を民間委託する事業者は、全国でも7~8社しかなくて、この近辺では、ほぼ大阪のウオーターエージェンシーというところ1社に絞られるのではないかと、おっしゃっていました。この会社が事業を独占したり、経済情勢がインフレともなると将来にわたってコストが抑えられるわけはないと危惧されていました。また下水道、北部浄化センターでの業務は、日曜・祭日、夜間から委託していくという手法ですが、いきなり民間事業者で業務が遂行できるのでしょうか。極端な例かもしれませんが、委託ともなれば時間の区切り等も出てきて、天候不順で危険な状況が迫ってきても、委託先からは「勤務時間の関係でここから先の時間は関係ありません」となることはないでしょうか。

事後検証は3年後ということですが、市職員が通常業務になれるための期間は3年かかるというのも現場の意見です。さらに予算委員会の文教部会では、学校の校務員さん2名の外部委託の問題が取り上げられています。偽装請負がおこらないよう指揮命令系統を考えている、一人を責任者にしてその方に学校側から支持を与え、もう一人の方に伝えるようにするということでした。責任者が不在になると、緊急時の対応はどうなるのか、それで本当に大丈夫なのでしょうか。以上アウトソーシングにかかわる問題点を指摘しておきます。

 

 

<FM計画について>

 

第1次尼崎公共施設マネジメント計画(方針1:圧縮と再編の取り組み)「今後の具体的な取り組み素案」に対する説明会が6回開催されました。代表質疑での今回の説明会が説明責任を果たしているのかとの松沢議員の質問に、市長は「私自身も、市民の皆様への情報発信の方法や内容については課題があり、今後も改善を重ねる必要があると認識しているところです」と答えられています。今回の説明会をふくめこれまでの説明では、それぞれの施設の機能が変更されるという事がふれられていました。老人福祉センターの千代木園や福喜園のお風呂はなくなるとか、その他にも大庄体育館2階にある格技室や、北図書館の3階ホールや自習室がなくされることが説明されていました。特に、今後の北図書館の移転に際しては、自習室が旧聖トマス大学にあるから、移転先には設けることができないとか、少し先走りした感の説明が随所に見受けられました。しかし、口頭だけの説明で今後の具体的対応等の文面には記載されていないことは問題があるのではないでしょうか。市民はこの文面を見ながらパブリックコメント等を行うわけですから、情報伝達はもっと詳細にするべきではないでしょうか?

質問(4)特定の公共施設について今ある機能をなくしたり、変更するとの口頭だけの説明は、市民には正しい情報が伝わらず、結果的に先に計画ありきで事が進んでいるとの受け取りを市民に与えると思いませんか?今後の対応策もあわせてお答えください。

答弁

この度、「今後の具体的な取組(素案)」について、地区別説明会を実施いたしましたが、参加者の中には、「機能の移転・見直し」という記載が単に「施設が廃止され、活動の場所がなくなる」と思われている方も多数おられたことから、説明会では具体的な事例を示し、わかりやすい説明を心掛け対応いたしました。

また、この取組(素案)につきましては、計画ありきということではなく、説明会やパブリックコメントなどで市民の皆様のご意見をお聞きした上で、内容を変更する場合があることもあわせてお伝えしたところでございます。今後の対応といたしましては、市民の皆様からいただいたご意見を踏まえ、市としての考え方を整理した上で、パブリックコメント結果を公表するとともに、順次、利用者の方々を対象とした個別施策の説明会を実施し、ハード面としての機能や平面図などをお示しするほか、ソフト面として講座など、提供できるサービスの具体的な内容を改めて説明し、丁寧な対応で取組を進めて参りたいと考えております。

 

(川﨑)代表質疑で今回の福祉会館の地域移管について、公民館分館であった地域学習館と同様に自然消滅となるのではないかとの質問に、「今後、改めて各福祉会館の利用実態を把握し、施設の改修による長寿命化のための支援策なども含めて、個別に地域と十分な協議を行うなど、丁寧に対応してまいります。」と答えています。支援策をふくめて対応するとの姿勢は評価できます、移管を一方的に地域には押し付けないとの当局の姿勢を示したものと思います。

 

質問(5)ここで個別に地域と十分な協議とありますが、この地域は具体的にだれをさしているのでしょうか。運営の実施主体なのか、社協などなのでしょうか?

答弁

福祉会館の地域移管等に向けて、個別に協議を行うこととしている対象は、現在、市から貸付を受けて、運営を行っている社会福祉協議会の各連絡協議会等でございます。以上

 

(川﨑)私は公共施設の運営にはもっと市民がかかわるべきだと考えます。

今回はそれぞれの福祉会館の将来を決めていくことになるのですから、文字通り地域の意見を集約できる会議体などが必要だと考えます。そこへの市民のかかわり方が公共施設をさらに有意義なものへと発展、ひいては地域のコミュニケーション力を高め地域振興にもつながると思います。

質問(6)公共施設の運営に市民が積極的にかかわることができるシステムを構築すべきだと思いますが、市の考えはいかがでしょう?

答弁

市が所有する福祉会館につきましては、日常の管理運営等について、各地域が主体的に行っていただいているところでございますが、使用料収入と維持管理費などに係る収支や、利用される頻度、さらには、施設の老朽化度合も様々な状況にあることから、パブリックコメントなどの手続きのほか、各地域との個別協議を行っていくこととしております。ご提案の公共施設の運営に市民が関わるシステムにつきましては、こうした協議の中で地域のご意見を把握することができるものと考えております。また、福祉会館に限らず、公共施設の運営に市民が積極的に関わるシステムにつきましては、施設の性質を勘案する中で各施設の登録グループの会議などを通じて、施設利用者との対話やニーズの把握に努めてまいります。以上

 

<防災、内水浸水対策>

 

武庫分区雨水貯留管の事業について見直しがなされるという事ですが、単に住民に理解が得られなかったからという事にとどまらず、これまでの計画の立て方の検証をしっかりやっていかなければならないと思います。

私は主に3点の問題点があったと考えます。

第1は、46.8ミリの6年降雨確率から51.7ミリの10年降雨確率に対応できる、貯留管事業をすすめていく整備によって、どれだけの効果があるのかといったメリットが十分説明されていない。第2は、70ミリを超えるゲリラ豪雨対策にも有効であるかのような過大評価をこの事業に与えようとしたこと。第3に、市民が日常的に使用している公園やその周辺道路がこの事業のために一定期間閉鎖されることによって、市民の生活にただならぬ影響をおよぼすことを軽視した点にあると思います。

質問(7)武庫分区雨水貯留管の事業を延期した理由について、市の見解をお聞かせください。

答弁

武庫地区において最も有効な浸水対策となる雨水貯留管事業を実施するにあたり、平成29年度から平成30年度にかけて、工事予定箇所の周辺住民の皆様に対し、全体説明会、個別説明会及び個別対応を行い、ご理解を求めて参りましたが、工事期間や施工場所等に対する反対意見があり、今年度の工事着手を見送ったものであります。以上

(川﨑)私たち共産党議員団は京都のいろは呑龍トンネルを視察しましたが、シールド工法ではシールドマシンを地中に残置するのが常識だとの見解をお聞きしました。建設消防企業委員会は視察で藤沢市を訪れ、そこでもシールドを地中に残置させていることを学んでいます。

質問(8)尼崎の場合、なぜこうした点に考えが至らなかったのか、不思議に思っています。仮にシールドマシンを地中に残置させるという方向であれば、鳥場公園などの立て坑は不要ではなかったのか。具体的な建設にいたる調査、計画が全面的に外部委託されていたことによって、出てきた問題なのではなかったのでしょうか。

答弁

鳥場公園については、到達立坑としての役目に加えて、雨水の取込みや排水、換気施設、点検用の進入場所等の機能を併せ持つ場所として効率的であることから、市として残置案ではなく、立坑を建設する現計画案としたものであり、全面的に外部委託したものではございません。周辺住民に説明する中で、長期間に渡り、狭い公園で工事することに対して反対意見を多数いただいたことなどから、公園を使用しないシールドマシンの残置案についても、今回の比較検討案の一要素として検討しようとするものでございます。以上

 

(川﨑)下水道部によって調査研究がしっかりなされ、その情報が、例えば浸水被害のシミュレーション等の情報も含めて最初から住民に公開され、情報を住民と共有して計画を定めていれば、今回のような結果は生まれなかったのではないでしょうか。

質問(9)下水道部として独自の調査や住民との対話を重視すべきだと考えるが、何故またしてもコンサルへの外部依頼なのか、理由を説明して下さい?

答弁

雨水貯留管整備事業を進めていく上で、これまでも住民に対する説明については、市が責任をもって対応してきたところであります。今回の比較検討に係る業務委託は、新たな計画案を作成するにあたり、貯留管や立坑の規模、シールド等の施工方法や施工計画の検討、及び工事期間や費用の算出など、高度で専門的な内容が含まれていることや、作成の効率化を目的に、民間事業者の専門能力を活用するため、外部の委託方式を選択したものでございます。以上

 

(川﨑)代表質疑でも紹介しましたが、西宮市を議員団で視察した際、そこでの校庭貯留(1件500万円の工事費で、半額は国の補助ですでに60校中55校で完成)や貯留管の整備計画がかなり進んでおり、それに比べて尼崎市は大きく立ち遅れているなと感じました。一時的な大雨に対応するとの考えから、今から18年も前から校庭貯留に取り組んでいることに感心しました。その1年前に70ミリを超す大雨で浸水被害が起こった直後からの取り組みという事でした。しかも10年降雨確率に対応するための貯留管の整備も進行中で、これから先20年間の計画で行っているとのことでした。2017年(平成29年)8月の尼崎市総合治水対策基本ガイドラインには様々な対策がうたわれていますが、具体的な実施策はどこで検討されるのでしょうか?

立花地域でも行われた説明会でも、住民からは、貯留管整備事業とは別に、大雨による浸水被害対策をこの地域に講じるべきとの声が大きく上がっていました。この声に当局はできません、国の補助はつきませんからとか否定的な返答をしていました。特に今回は、貯留管事業の見直しだけにとどめるのではなく、総合的な観点で治水対策に取り組む、周辺住民の協力を得ていくうえでも、最も被害が出そうな地域に即効性のある浸水対策が必要だと考えます。

質問(10)尼崎でもピンポイントの浸水対策をはじめ、市民の防災意識を高めていくといった点からも目に見える対策を行うべきだと思います。校庭貯留については、学校の改築時との条件を設定していますが、学校の改築等を待つのではなく、すぐにでも実施していこうとの考えはありませんか?

答弁

本市の学校では、尼崎双星高校を新築する際に校庭貯留整備を実施しております。今後の学校の校庭貯留整備につきましては、校舎やトイレ等の整備に多額の費用が必要なこと、また、文部科学省に補助制度が無いことなどから、校庭貯留をすぐに実施することは困難であると考えております。校庭貯留につきましては、総合治水対策基本ガイドラインに基づいて、学校を新築する場合は整備を実施し、校舎改築や大規模改修等を実施する際は、庁内関係部局及び学校関係者と連携し検討してまいります。以上

<市営住宅の修繕>

 

2017年に改正された民法では、住宅の自然な劣化の修繕費は貸主の負担と明文化されました。これを受けて国土交通省は昨年3月、賃貸借契約時の参考となる「賃貸住宅標準契約書」を改訂し、借主負担としていた畳、障子、ふすま等を除外しています。民間賃貸ではすでに一部で貸主負担での修繕が行われています。また、各地でURをはじめ公営住宅でも、畳やふすま等、消耗するものの修繕は所有者の責任で行うことが望ましいと対策がとられるようになってきています。

質問(11)尼崎市では自然な劣化の修繕費の負担は現在どのようになっていますか。

答弁

市営住宅の畳の表替えやふすまの張替え等の修繕につきましては、尼崎市営住宅の設置及び管理に関する条例等の規定に基づき、入居者の負担としております。以上

 

(川崎)市営住宅など自然劣化による修繕内容は、多岐にわたります。

畳、建具、天井・壁、床、等々です。法に基づいて、対策を市も講じるべきだと考えます。

質問(12)市は市営住宅のこの部分にふれる設置管理条例の見直しを行うべきだと考えますが、市の見解はいかがですか?

答弁

今回の民法改正では、賃貸借が終了した際の賃借人の原状回復義務が明文化され、通常の使用によって生じた畳やふすまの損耗等については原状回復義務から除かれることが示されましたが、市営住宅の管理運営の根拠となる公営住宅法に関しては、今回の民法改正に沿った法改正はなされていない状況でございます。通常の使用による損耗等の修繕につきましては、平成17年最高裁判例にて、民間賃貸住宅の家賃に当該修繕に係る費用が含まれていると解されております。しかしながら、市営住宅の家賃につきましては、公営住宅法施行令に定められている計算式で家賃を算出しており、そこには修繕費用を加える項目はございません。このように、民間賃貸住宅と市営住宅家賃の算出方法には違いがあることや、公営住宅法の改正がなさてない中で近隣他都市においても見直しを行っていない状況を踏まえ、現在のところ、こうした修繕費を市が負担する考えはございません。

<旧県立塚口病院跡地の売却について>

 

新年度予算の不動産売却収入の中に旧県立塚口病院跡地の売却収入3億5千万円がふくまれています。これまでこの塚口病院跡地の市有地に、医師会館を建設して、その1階に市立休日夜間急病診療所の移転が計画されていましたが、中止となりました。元々2008年に県が県立塚口病院廃止を発表しました。塚口病院存続を求める運動が展開され、1か月間で8万を超える署名が集められました。この運動の広がりによって、県は計画を見直すために、尼崎市の副市長も入った、尼崎病院と塚口病院の統合再編検討委員会が設置され、1年間にわたり審議されました。この検討委員会の報告説明会は市内6か所で327人が参加、その後の、基本計画案の説明会は6か所で606人と大勢の市民が参加。基本構想に対する意見募集には148人から256件の意見が届けられ、市民の関心の高さを示すものとなっていました。そして尼崎市民の意見が反映した基本計画が策定され、県立尼崎総合医療センターが2015年7月にオープンしました。2010年(平成22年)12月に兵庫県病院局が発表した「尼崎病院と塚口病院の統合再編基本計画」には、この2つの病院を統合して残った土地について、資産活用の方針では「整備財源の確保を図る観点から、塚口病院用地を一部所有している地元尼崎市とも十分協調のうえ、両病院の資産の売却を適切に行う。なお、資産の売却にあたっては、地元の意見を踏まえた上で、現在の両病院 が有する許可病床数から新病院の整備病床数を減算した病床数程度の活用を基本とし、医療機関や福祉施設等の誘致に努める」とあります。そして尼崎病院跡には170床の病院と老人保健施設など、塚口病院跡にも病院と高齢者配慮型集合住宅が誘致されました。

質問(13そこでお尋ねします。旧塚口病院跡の市有地には、休日夜間急病診療所を移転させるべきと思いますが、見解をお聞かせください

 

答弁

旧県立塚口病院跡地における市有地部分の取り扱いにつきましては、兵庫県が定めた統合再編基本計画の考え方とは別に、これまで休日夜間急病診療所と新たな医師会館の複合施設の整備用地として、関係団体と協議を重ねてきました。しかし、協議を進める中で、当該敷地における複合施設の建設については、協議が整わず、建設場所も含めて、改めて検討を行うこととなりました。こうしたことから、休日夜間急病診療所の建設候補地については、急病時にアクセスしやすい場所であること、また2次救急医療機関などへの搬送が迅速に行える立地であること、受診者の駐車場が十分に確保できる場所であることなど、諸条件を踏まえて、検討を進めているところです。以上

 

あくまで塚口病院跡地の市有地は売却とのことです。

 

質問(14どうしても売却するのであれば、市民意見を反映して策定された、尼崎病院と塚口病院の統合再編基本計画の「医療機関や福祉施設の誘致に努める」方針を尊重して、売却にあたっては、医療機関や、老人保健施設、特別養護老人ホームや保育園等の福祉施設の用途に限定すべきと考えますが、いかがですか。

 

答弁

平成22年に兵庫県病院局が発表した「尼崎病院と塚口病院の統合再編基本計画」に示された資産活用の方針は、兵庫県が県有地を売却するに当たって定めたものでございます。一方、県から返還された県立塚口病院等の跡地につきましては、急病診療所の移転先や民間保育所の誘致先など、まずは市の政策課題のために活用すべく優先的に検討した経過がございますが、結果として実現に至らなかったところでございます。こうしたことから、本件土地につきましては、財源確保の観点から売却条件を付すことなく、一般競争入札により売却する予定としているものでございます。以上

 

 

(川﨑)旧県立塚口病院は敷地の3分の1は市有地で、市有地の上に建設されていました。従って基本計画は市有地部分も拘束されるわけで、「医療機関や福祉施設の誘致に努める」方針を尊重して、資産活用を行うべきであります。

 

以上で日本共産党議員団を代表しての総括質疑をおわります。これまで代表質疑や総括質疑を通じて明らかになったことに対しては、今後の意見表明、本会議での採択で会派としての態度を明らかにしてまいります。ご清聴ありがとうございました。