2020年3月 まさき一子議員の総括質疑の発言と答弁要旨

今日は共産党議員団の真崎と広瀬、松沢が総括質疑をします。

 まず最初は新型肺炎コロナウイルス対策についての要望をします。国の方針を受けて、尼崎市も幼稚園・小中高校は突然の休校になり、子どもたちは学ぶ権利を奪われました。小学生は教室と児童ホームを利用していますが、校庭で遊ぶことが制限されています。望む子には給食の配食を開始してほしい。すでに川西市や西宮市は給食を始めています。保護者は「いつまで休まなければならないのか。再開の時期を示してほしい」といら立ちが強くなっています。市は校庭で遊ぶことを許可してほしい、給食を開始してほしい、公式に学校再開のめどについて明らかにすることを要望して、質問に入ります。

 

「尼崎総合治水対策基本ガイドライン」(以下ガイドラインという)について伺います。

まずは武庫分区雨水貯留管について、発進立て坑を総合高校のグランドの資材置き場部分ということで候補地がかたまりました。しかし今は資材置き場ではなく陸上部・テニス部・野球部等がグランドは隅から隅まで活用しています。分科会では3年後の工事なので今学校関係者に説明しても生徒は卒業していくので興味が薄いのではないかという議論になっていました。

 

Q 他校と比べても決して広いとは言えないグランドを、今後10年間2000㎡が使えないという、生徒にとっては迷惑な話です。安全性にも全く問題がないとは言えません。また地域住民の理解と協力が必要な事業です。その辺は周知と理解が得られる丁寧な説明が必要だと思いますがいかがですか?

公営企業局

答弁要旨

武庫分区雨水貯留管整備事業につきましては、周辺環境に与える影響などを考慮し、新たな発進立坑用地の有力候補地として武庫荘総合高校用地に絞り込みを行ったところです。今後につきましては、学校運営への影響が極力少ない工事となるよう、武庫荘総合高校の学校関係者や兵庫県教育委員会と調整を進めてまいります。また、その周辺住民の方々に、引き続き、総合治水としての雨水貯留管の必要性や工事実施時の影響及びその対応策などについて、周知の仕方や説明資料の作成方法などを工夫して、丁寧な説明を行い、理解を深めて頂くための取り組みを進めて参ります。以上

 

 12月議会で武庫分区雨水貯留管を100億円かけて貯水量2万トンの根拠を、当局は「6年降雨確率の時間46.8mmから国が目指す中長期的な目標である10年降雨確率の時間51.7mmを計画している。10年降雨確率への対応を実現させるために、武庫分区では既存の下水幹線では不足する雨水量を算出した結果が2万トンとなったもの。雨水貯留管の整備については、たて坑が地下20m、内径約3mで、延長約3kmを掘削し、工事期間は約7年間掛かることから、それに要する経費を算出した」との答弁でした。しかし今や、毎年のように全国どこかでものすごい大雨による広範囲の被害が起こっています。

 

Q 雨水貯留管の供用まで準備期間を含めると10年を要する、その間の対応はどうするのですか?

 

答弁要旨

これまで市内における浸水対策としましては、雨水整備水準を10年確率降雨対応に引き上げる取組として、雨水ポンプ能力の増強や下水の流れを良くする末端増補管の整備を進めており、また、雨水整備水準を超える降雨対策の取組として、降った雨の一部を地中に浸透させる特殊な管や桝などの雨水浸透施設の整備を民間施設も含めて行っているところでございます。ご質問の武庫分区におきましては、雨水ポンプ能力の増強が困難である中、平成28年度に末端増補管の整備は完了しており、雨水貯留管の供用開始までの間は、引き続き、雨水浸透施設の整備を進めて参ります。以上

 

下水道事業では、毎年「末端増補管」「雨水浸透管整備の延長」等行っています。道路部局では歩道部等を舗装する際に透水性舗装整備を行っています。

Q 武庫分区の中では浸透桝浸透管、増補管また透水性舗装の整備の実績を(簡単に、合計の面積でいいです)示してください。また10年確率の雨が降った場合、貯留・浸透できる水量はどれくらい見込まれるのでしょうか。

答弁要旨

武庫分区における雨水浸透施設は、下水道への流出  平均で時間雨量2ミリ程度に相当すると考えております。以上

 

私は「総合治水対策基本ガイドライン」の対策を着実に実施することが必要だと思います。

「ガイドラインでは公共施設等は新築の場合は貯留浸透施設の整備を行う」とある、確かに新しくなった生涯学習プラザでは貯留タンクの使用、駐車場では浸透施設の整備がされています。市営住宅では浸透マス浸透管設備がなされています。校庭貯留についても、教育委員会は「平成29年のガイドライン策定時には、新築学校等の設計が終わっていたから、校庭貯留はやらなかった」とまるで他人ごとの答弁でした。公園の貯留は全市で6カ所のみです。これでは全国的に豪雨・台風に襲われ大きな被害を受けた教訓が生かされていない。「近畿を台風が襲ったら尼崎市への影響は?」と市民はたいへん不安です。

 大型台風や豪雨への治水対策として、今のガイドライでは不十分。例えば「公共施設は新築の場合には貯留浸透施設整備するが、改築・大規模改修時には検討する」とあります。「検討する」とか、「努める」では実行が伴ないません。

Q これではこれからの総合治水対策は一向に進みません。例えば今後10年・20年使っていく既存の公共施設も含め、学校や公園等では、貯留浸透施設の整備は計画的に行う、とガイドラインにちゃんと明記するべきです。いかがですか?

答弁要旨

平成29年度に策定した「尼崎市総合治水対策基本ガイドライン」では、公共施設を新築する場合は計画時から各施設管理者において駐車場の透水性舗装や芝生整備、浸透管・浸透ますなどの貯留浸透施設の整備を行うこととしております。また、既存の公共施設の改築・大規模改修等を行う場合は、既存の構造物の配置や改修内容・規模等の問題から設置できない施設もあり、一律に設置を義務付ける旨を明記はしておりませんが、各施設の整備計画を立案する際には貯留浸透施設を検討し、設置可能な施設の整備を行うこととしております。以上

 代表質疑では「総合治水の全庁横断的に取り組みを強めるべき」との質疑に対し「都市整備局土木部長を座長とする「尼崎市総合治水対策庁内連絡調整会議」を設置し、関係各課の連絡、調整を図り、庁内一体となって総合治水対策の取組みを進めているところです」との答弁。これは12月議会の私への答弁と全く同じです。前に進んでいないし、近い将来を見据えた庁内一体の取組になっていません。「庁内連絡調整会議」としての位置づけが弱いと思います。

 庁内連絡調整会議がイニシアティブを発揮して、市民にガイドラインに基づいて具体的な提案を情報提供や協力を求めるべきです。やる気が全く感じられません。

 

Q 来年度は市長を本部長とする「対策本部」が、強いリーダシップを発揮される形態をとるべきではありませんか。

答弁要旨

総合治水対策については、水防活動や各施設の現場状況を把握し、また、国や県などの治水関係機関との協議・調整が必要なことから、実務に精通している都市整備局土木部長を座長とした「尼崎市総合治水対策庁内連絡調整会議」を設置しております。それぞれの対策についても、必要に応じて市長へ報告をする中で取り組みを進めていることから、実効性のある体制が確保されていると考えております。以上

市民で構成している「水害減災を考える会」が作成した資料をご覧ください。「水害減災を考える会」(以後会といいます)が教育委員会・公園課・農政課に足を運び武庫分区の範囲での校庭・公園・農地の広さの情報を得て策定した資料です。貯留容量想定率は公園の形状によって貯留施設にならないこともあり可能公園の想定を3分の1に、農地は作物の発育時期もあるため10分の1、校庭は双星高校の実績をみて1ヘクタール430トンと想定しました。そして貯留量を武庫地域では17000トン、立花地域では9000トン+アルファとしています。合わせると2万トンを超す26000トンの貯留量になります。

 また大雨時には風呂の貯留量も3分の1の戸数で出しています。また水道の給水圧を低減2割することで下水の負担を軽減します。各戸の貯水タンクの設置の促進も含めて、市民の協力が必要です。すでに政策推進課と下水道建設課には提出しました。今回は議員のみなさんにも知って頂きたく会の許可を経て提出しました。

 

Q 市民は自分のまちは自分たちで守るにはどうしたらいいのか、雨水貯留管ありきでいいのか、と市民自ら協力体制をとると具体的な提案をしてきました。市長は会の総合治水の具体的な取り組みの提案にどのように応えますか?

これが市長が求めている「市民とともに考える自治のまちづくり」ではないでしょうか。

答弁要旨

総合治水対策においては、「水害減災を考える会」のご提案にあるように、行政・市民それぞれが協力して行うことが必要であります。公園・校庭などの貯留浸透施設の整備については、先ほども答弁しましたとおり、既存施設での改修などにおいては現段階では難しい場合もあるため、市民一人一人が意識をもって取り組むことが重要であると認識しております。そうしたことから、これまでも市民に対して、大雨時には風呂水・洗濯水の排水をひかえることや、雨水貯留タンクの設置などの協力を呼び掛けており、今後も引き続き、ご提案にある情報提供や意識啓発など、他の効果的な手法も含めて市民への説明や周知に努めてまいります。以上

 

 次は河川について、12月の神戸新聞に「東日本を縦断し、71河川で堤防が決壊するなど甚大な被害が出た台風19号災害を受け、兵庫県が同程度の雨が県内六つの河川流域に降ったとの想定でシミュレーション(試算)したところ、武庫川、市川、千種川で氾濫の恐れがあることが分かった。さらに現在、数十年単位で進めているハード面での治水計画が完了したとしても氾濫する可能性があるという」という記事でした。武庫川のしゅんせつ工事・堤防の強靭化は終わっていると思っていただけに、ショックでした。武庫川の近くに住んでいる住民にとっては、不安で仕方ありません。

Q 武庫川のどこが危険か、堤防の補強は大丈夫か、川床のしゅんせつ工事はどれほど進んでいるのか等の県との協議はされているのですか? されているのならその見解をお示しください。 

答弁要旨

武庫川の治水事業は、兵庫県が平成23年度に策定した河川整備計画に基づいて対策が進められており、尼崎市域においては堤防強化工事が今年度で完了する予定です。また、川幅を広げるための工事を武庫川橋から下流にかけて実施しているところです。これらの事業の内容や進捗状況については、常日頃より県から情報収集を行っていることに加え、武庫川の流域市で構成する協議会においても流域全体として情報共有や協議を行っております。しかしながら、昨年の台風19号のような記録的な降雨に対しては、ハード対策のみで対応することには限界もあることから、本市としましても、尼崎市総合治水対策基本ガイドラインの「そなえる」対策として、避難行動のための情報発信や、防災教育などのソフト対策を組み合わせた取り組みを、より一層進めていく必要があると考えております。以上

 

あまっ子ステップアップ調査事業について

 

 昨年12月と今年1月に、2回目のステップアップ調査事業が行われました。学力調査と生活実態調査を実施するものです。

 現場の教師から「12月、1月にテストを入れることは全く余分な事。子ども達や教師の負担だけが重くのしかかってくる。そもそもこのテストは学校教育に役に立たない異質な内容になっている。また生活実態調査も毎年行っている同じような調査を何回もやることになる」と悲鳴にも似た声が届いています。

 

 スッテプアップ調査事業、なにをもって学力向上になるとお考えでしょうか?

答弁要旨

あまっ子ステップ・アップ調査によって、学校は児童生徒の学力や学習状況を数値データで把握することができます。これにより、教員は児童生徒一人ひとりのつまずきに応じた授業を行うことができ、結果的に学力向上につなげることができます。また、本調査は毎年行うことで経年変化を把握できるため、中長期的な視野に立って活用ができる点で、従来のテストとは異なるものであります。今後は学校における調査結果の活用方法に関する研究を深め、より一層学力向上に結び付けていきたいと考えております。以上

 調査の結果を受けて、春休みにその子どもに合わせた課題ドリルが配布されるということです。しかし新学期に入ってこの調査事業がどのように生かされるのかは、分科会の審議をみても、教育委員会は手探りな状況なのだと思いました。

 そもそもステップアップ調査事業は、ベネッセが出題、採点を行い、「尼崎市学びと育ちの研究所」で分析を委ねています。ベネッセは幼児教育から大学受験まで年代ごとに「たまごクラブ」「しまじろう」「こどもチャレンジ」「進研ゼミ」「駿台」等教材販売、進学塾等の大手企業です。全国学力テストの業務委託を受けるなど文科省との関係も深めてきました。テストの採点業務でえたノウハウがベネッセの営業に利用される問題も起こります。現に2014年にはベネッセの顧客のみに登録した個人情報を使って他社からダイレクトメールが届くようになり、ベネッセから個人情報流出事件が発生し、その数は約2895万件あり、子どもや保護者の生年月日、住所、電話番号等が第3者漏れて、大きな社会問題になりました。

 

 子どもや教師に過度の負担を負わせて、年間3000万円以上の予算を投入して、公教育が企業の儲けの手段にされているのではないか、という疑いがぬぐいきれません。あまっこステップアップ事業が真に子どもの豊かな発達になるのか、検証をするべきではないかと思いますがいかがですか。

答弁要旨

あまっ子ステップ・アップ調査は、子ども一人ひとりに応じたきめ細やかな指導の充実や学習状況の改善を図り、教育活動に関する継続的な検証改善サイクルを確立することを目的としています。この目的を達成するためには、長期的な視点に立って児童生徒の経年変化を把握する必要があり、専門業者に調査分析を委託するものであります。業者の選定に当たっては、学力調査に関する知識を有している大学の学識経験者等からの意見も踏まえ、公募型プロポーザル方式による選定を経て、現在はベネッセコーポレーションに事業委託している次第です。また、議員ご指摘の個人情報の取り扱いに関しては、委託業者が児童生徒の個人名を使用しないことで、情報流出等が発生しない運営を行っております。なお、本事業では3年ごとに委託業者の検証を行うこととしており、来年度には令和3年度からのステップ・アップ調査事業に係る業者選定を実施する予定です。以上

 学力向上に意欲のある子とそうでない子がいます。公教育はすべての子に対してわかる楽しさと生きる力・成長発達を見据えて教えるという大変な役割があります。誰もが学習って楽しいと思えるにはテストづけの学力向上ではできません。少人数学級で教師が余裕もって丁寧な教えが求められているのではないでしょうか。

 

次にホップ・ステップ・ジャンプ事業です

 この事業ホップは英語検定試験の受験費用の補助、ステップは今回廃止しましたが英語キャンプを補助するもの。そしてジャンプは夏休みを利用しての海外語学留学への派遣に補助するものです。原資は教育振興基金の取り崩しです。

 今回ジャンプ事業が、対象者を8人から18人に増員し、マレーシアに4週間派遣がオーストラリア2週間、宿泊が学生寮ではなくホームステイをして24時間英語でのコミュニケーション能力を高めるというものです。問題は費用です。これまでは総額一人当たり30万円で10万円が自己負担でした。それが今回は総額一人40万円で自己負担が30万円です。別途に食費や小遣いもいるでしょう。尼崎市の小中学生の就学援助を受けている子は25%です。他都市と比べると約10ポイント高い。ひとり親に生活補助として支給される児童扶養手当を受けている人数は全部支給が尼崎は2811人、西宮は1673人、伊丹は947人。市民の所得は西宮市の比べると約100万円低い、そんな中で子育てを行っています。高校生ともなると家庭の経済状況もわかっています。親にジャンプ事業に参加したいと言える子がどれだけいるでしょうか。

教育委員会は小中学高校生を系統的に子どもの成長と家庭の状況も見ていながら、今回ジャンプ事業の自己負担分を10万円から30万円に増やすのはなぜですか?

答弁要旨

海外語学研修は、特に英語に対し強い興味関心を持ち、かつ一定の選考を経た生徒を対象に、海外語学研修の機会を提供することを通じ、英語や外国の文化に対する、さらなる理解を深めることを目的とした事業です。教育振興基金を原資としていることから、一部の生徒を対象とした事業として実施することができており、これまでも、低所得家庭の生徒のみを対象としたり、所得制限を設けたりすることなどはしてこなかったところです。例年、8人の定員に対し、20人前後の応募があったところですが、これらの応募状況等を踏まえ、より多くの市立高校の生徒に海外語学研修に参加していただきたいと考え、他都市の同様の取組との均衡も図りつつ、個人負担を増加させていただくものです。(以上)

私の友達はシングルマザー、看護師として働いています。2人の子どもは大学生と高校生。自分のものは何一つ買わずに学費に追われとっても苦労していました。そんな状況の中でジャンプ事業に参加したいと子どもが言ったところで例え自己負担10万円でも行かすことはできないと言っていました。子どもが大きくなれば親に係る経済的負担も大きくなります。

 私は旧公民館でジャンプ事業に参加した高校生の感想を読んだことがあります。「貴重な経験をした。英語の上達だけではなく世界をみる視野が広がった。もっと勉強して本格的な海外留学に挑戦したい」等の内容が書かれていたと記憶しています。子どもにとって将来を見据えた土台を築く経験だったとうれしく思いました。だからジャンプ事業を否定するものではありません。行ってみたいと意欲のある子が、お金の心配はしないで申し込める事業であってほしいと思います。

Q 所得制限を設けても、個人負担の軽減を図る制度へと見直す思いはあります?

答弁要旨

個人負担を軽減するためには、事業費の拡大が必要となりますが、議員ご指摘のとおり、海外語学研修は尼崎市教育振興基金を財源とした事業であり、現状におきましては、事業費の拡大は難しいものと考えております。以上

つづいてFM計画について

 共産党議員団は「ふれあい体育館」については、市民のニーズと複合施設の在り方については、課題があると指摘をしてきました。また移転後の土地活用においても様々な議論が必要なところですが、今回は北図書館の建設についての私の思いを質問します。

 この北図書館は、住宅街の武庫之荘にはなくてはならない宝物です。年間の貸し出し数は58万9886冊、中央図書館よりも多い貸し出し数です。もっともっと発展させてほしいと思います。

 武庫地域は人が阪急武庫之荘駅をめがけて集まってきます。朝夕の駅前の混雑は大変なものです。そんな人が集まる駅前に北図書館を持ってきたらいかがでしょうか。土地ならあります。駅の南にある老人福祉センター福喜園の跡地です。

 私は「ふれあい体育館」の説明会に行って、市の職員さんに福喜園の跡地はどうなるのかと聞きました。「あんないい土地は高く売れます。当然売りますよ」と誰に聞いても同じ答えでした。あんないい土地だからこそ市の財産として活用するべきです。

 福喜園の跡地は、どうする予定なのですか? 用途は決まっているのですか。

答弁要旨

お尋ねの福喜園につきましては、武庫体育館と機能を統合し、西武庫公園内に新たな施設を整備するよう取組を進めているところです。このような公共施設マネジメントの取組につきましては、本市の厳しい財政状況を踏まえ、施設の整備費用など、一時的に多額の経費が必要になることから、取組に伴い生じる土地については原則として売却し、減債基金及び公共施設整備保全基金に積み立てることにより、必要な財源を確保しながら、新施設の整備などを推進していくこととしております。こうしたことから、福喜園の敷地につきましても、(仮称)武庫健康ふれあい体育館整備後に、この方針に基づき原則売却する考えでございます。以上.

公共施設は人が集まる施設なのです。まして図書館が駅前に来たら、放課後の学生や仕事帰りの会社員、子育て世帯や高齢者はすぐ近くに買い物施設あり大変便利です。園田や塚口からも電車10分です。武庫之荘地域のクレードアップになります。

議員団は明石市の駅前図書館を視察に行きました。駅前ということで、会社員が調べ物する学習スペースや明石城址を見ながらの読書空間、充実したキッズコーナーに訪れる人の多いこと。隣にはユースワーク施設があり学校帰りの高校生が勉強したり音楽したりして集っていました。利便性の良い場所にある図書館が人を豊かに育てる力があると改めて驚かされました。

 福喜園は阪急武庫之荘駅の南から歩いても3分。まさしく駅前です。このあと地に北図書館を建設しませんか?いかがですか。

答弁要旨

公共施設マネジメント基本方針では、本市の保有する施設のすべてを建て替えることは困難であり、取組を進めるにあたっては、廃止、集約・複合化などにより、総量を30%以上削減するという目標を掲げております。こうした中で、北図書館につきましても、他の公共施設や民間施設との複合化も含めた北図書館周辺での整備について具体的な検討を進めることとしています。ご提案の福喜園敷地での北図書館の建設には敷地面積が不足しているため、十分な敷地面積を確保できる福喜園以外の敷地で、複合化による整備を検討してまいりたいと考えております。以上

 

福喜園の敷地面積は1000㎡、現図書館は1570㎡。駐車場はどうするのかという問題もあります。バスや電車の利便性がある駅前図書館なら駐車場のスペースは広げなくてもいいともいます。コインパーキングもあります。施設は縦に伸ばし、複合施設にしないことでスペースは確保できます。

 

 次に生涯学習プラザの名称についてです。

 

各行政区に2か所づつある生涯学習プラザについて市民から「東西南北と名前がついているけど、この名前ではどちらのプラザなのかわからない。未だに旧の名称で呼んでいる」という苦情をよく聞きます。

 Q 当初は慣れたら戸惑うことは少くなるかと思っていましたが、およそ1年がたちますが未だに混乱は収まっていません。市にはそんな声はありますか。

 中央北生涯学習プラザのみ「梅プラザ」という愛称で呼ばれています。梅プラザと言ったら「あまようの横の新しい施設」とすぐにわかります。「いくしあ」も元の名前は忘れても旧聖トマス跡地の施設だとわかります。

Q 愛称でもいい、地元の市民の意見を取り入れて、もっとわかりやすい名称をつけてほしいと思います。いかがですか。

答弁要旨

ご指摘のとおり、中央北生涯学習プラザは、「梅プラザ」という愛称を付けております。これは中央南生涯学習プラザがサンシビックという愛称の付いた建物内にあることや、このプラザがより多くの人に愛され、覚えやすく親しみやすい施設となるように、という願いも込めて付けたものです。この名称は公募により選んだものであり、地域の方から好評だと聞いております。こうしたことから、他の生涯学習プラザにおいても利用者や地域の方の声を聞く中で、その機運が盛り上がった場合には、愛称を付けてまいります。以上

 

 これで質問は終わります。

2020年2.3月議会 川崎議員の代表質疑と当局答弁要旨です

2020年2月川崎議員の代表質疑です。  

こんにちは。川崎敏美です。日本共産党議員団を代表して、施政方針、予算案と関連議案にたいし代表質疑を行います。

はじめに、新型コロナウイルス対策として感染拡大防止策に、市長、教育長をはじめ学校関係者、市職員のみなさんが日夜全力をあげていることに敬意を表し、感謝を申し上げます。

【市民の経済環境】

日本経済2020年度の見通しは、いろんな数値が示すように先行き不安、経済低迷状況が続くであろうと予測されています。

 内閣府が発表した昨年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価上昇分を差し引いた実質成長率が、前期(7~9月期)に比べ1・6%低下しました。年率に換算すると6・3%ものマイナスで、事前の民間の予測を上回る落ち込みです。安倍晋三政権が強行した10月1日からの消費税率の10%への引き上げが、家計も経済も直撃しているためです。GDPのマイナス成長は5四半期(15か月)ぶりで、日本経済が消費税の増税後、新たな消費不況に突入したことを示しています。

実質経済成長率の大幅なマイナスは、消費税増税が日本経済にとって大打撃になっていることを浮き彫りにしています。米中貿易紛争の影響などを受けた輸出の低迷に加えて、消費税増税前の7~9月期が前期に比べ0・1%の伸びと、増税前の駆け込み需要がほとんど見られなかったのに照らしても、増税後の落ち込みはきわめて大きなものがあります。

 消費税増税後、政府や民間が発表した経済指標で見ても、家計の消費支出は、昨年12月前年同月比で4・8%もの大幅下落、勤労者の実質賃金も昨年12月0・9%のマイナス、内閣府の景気動向指数も5カ月連続で「悪化」という判断になりました。

 安倍政権は消費税の増税に合わせて、複数税率の導入やキャッシュレス決済へのポイント還元などの「十二分の対策」を取ると宣伝しました。しかしその効果がなかったことは、一連の経済指標、とりわけ最も基本的なGDPの大幅な低下で明らかです。

 こうした経済情勢に加えて、新コロナウイルスによる経済に与える先行き不安を考えると、今後の市民を取り巻く経済環境は大変深刻なものがあると予測されます。

 

1.お尋ねします。こうした経済情勢のもと市長は市民をとりまく経済環境をどのように認識され、新年度予算の編成にどのように反映されているのでしょうか?

 答弁要旨

当初予算について申し上げますと、個人市民税における納税義務者数及び納税義務者1人あたりの給与収入は増加となり、また、生活保護扶助費は、被保護者数・世帯数ともに減少傾向となっているものの、法人市民税においては、米中の貿易摩擦に伴う世界経済の減速などを想定し、一定の減額を見込んでいました。さらには、今般の新型コロナウイルス感染症が社会経済環境に与える影響は本市の財政運営においても大きな懸念となっているところです。

今後におきましても、国内外の経済情勢はもとより、市内企業及び市民の皆様の状況を的確に把握しながら、本市として適宜適切な対応に努めてまいります。以上

 【市の財政】

現在、市の財政規律は未来につなぐプロジェクトを頂点として決まっています。市は、他市に比べて公債費が多い、そのため2022年度までに将来負担の目標管理対象分を交付税措置を加味して1,100億円以下まで引き下げることを目標としています。つまりは将来の公債負担割合をいかに減らすかが第一優先課題とされています。このことは地方自治法の本旨である「住民福祉の向上」を最優先するという考え方を後方に追いやっています。

 財政公債比率を他市や中核市と比較して見ることは、現在の尼崎市の財政状況を知るうえでの目安ではあると思います。しかし市民に対して、他市より健全性が劣っているのだと、財政出動をできるだけ抑え込んでいく口実として喧伝されている、という側面も生まれているのではないでしょうか。

 市の財政は、赤字再建団体に転落するような状況から脱したといわれて、もう何年が経つのでしょうか、市民がくらしのための施策を要望したとしても、「厳しい財政事情の下で実施できません」という言葉が飛び交います。

また、予算編成上のポイントとして、「将来負担の抑制」として、交付税措置を重視した市債の活用が掲げられています。交付税措置が厚いということは、ひるがえって国の政策に誘導される市政運営をしていくということです。そうなれば市が独自に抱えている課題をこれまた先送りにしてしまうということになります。

市民が求めているのは、財政再建も大切であるが、他市よりも立ち遅れている住民福祉の向上であり、国が交付金で誘導する政策を続けるのではなく、市民にとってより必要な暮らし優先の財政運営です。

2、未来につなぐプロジェクトの目標1,100億円以下にこだわらない予算編成にすることを求めますがいかがでしょうか

答弁要旨

プロジェクトで「目標管理対象将来負担」の数値目標を掲げているのは、本市特有の市債残高の多さが、その返済である公債費の多さとなって財政収支を圧迫し、住民福祉のための政策的な事業を行う余力を奪っているからです.ましてや、支える側の人口が減少し、社会保障関連経費が増加する時代を迎えるにあたっては、将来の歳出を増加させる要因となる「将来負担」の削減を通じ、財政構造の硬直性を解消しなければなりません。今後におきましても、プロジェクトに掲げる財政目標の達成に向け、投資的事業の調整と市債の早期償還等のさらなる取組を推進してまいります。以上

【子ども子育て支援の充実】

尼崎市は2009年12月に尼崎市子ども育ち支援条例を制定しています。その前文には、「大人が子どもにかかわるときは、子ども一人一人が尊厳のあるかけがえのない存在であることを深く認識し」とあり、そして「ここに、私たちは、子どもの人権を尊重することを基本として子どもの育ちを地域社会全体で支えることにより、すべての子どもが健やかに育つ社会の実現を目指すことを決意し、この条例を制定します。」とあります。

 私たちはこのことを深く心にとどめておくべきだと考えます。そうした思いから改めて尼崎市の子育て支援策について、具体的にお聞きしてまいります。

 昨年10月から1号2号認定の子どもたちの保育料が無償化されました。それに伴い副食費の有料化や認可外保育施設にも公費が投入されるようになりました。

その狙いは消費税の引き上げによる財源を活用し、生涯にわたる人格形成やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性と、子育てや教育にかかる費用負担の軽減を図るとあります。
 しかし保護者の負担の軽減で言えば、より負担感の大きい乳児0、1、2歳は対象にはならず、住民税非課税世帯のみが無料となっています。3歳以上児についても認定を受けても入る施設がなければ無償化の対象にはなりません。
 保育制度の発足以来「食は保育の一環」として公定価格の中の事業費に副食費が含まれていましたが、今回の「無償化」により、副食材費が公定価格から外され、主食費とともに保護者から徴収することになりました。
 さらに公立保育所については、4月からの無償化の財源を自治体が全額負担することになるので、統廃合や民営化がさらに全国的に進むのではないかと危惧されるところです。

また無償化の対象施設が基準を満たさない認可外施設やファミリーサポート事業にまで拡大されたことは、保育の質の確保や子どもたちの命と安全を守る観点からは、矛盾を大きくしています。そうした中、自治体によっては、独自で副食材費の無償化や負担軽減の補助を行うところも出てきています。

認可外保育施設についても、国は指導監督基準を設けていますが5年間の猶予期間が与えられています。実際の条例化で、指導監督基準を満たしていない施設を無償化の対象から外すことが可能なことから、条例化を進める自治体もあります。昨年の12月議会で本市で議員提案の条例が制定されなかったのは残念なことでした。

今回新たに無償化の対象になった認可外保育施設に対する指導監督基準は、保育士資格者は認可保育所の基準の3分の1程度で、保育に従事する者の3分の1、保育室の面積は乳幼児ともおおむね1人あたり1.65平方メートル以上であることが示されています。早期の基準達成が求められます。

3、無償化の対象施設なっている認可外保育施設に対して、市の指導強化が必要です。基準を達成していないところには早期の基準達成、また保育料の便乗値上げが行われないよう、どのような監督体制をとられるのでしょうか。市の見解は?

答弁要旨

本市ではこれまで認可外保育施設の質の向上の視点から年1回の指導監査を実施しておりますが、すべての施設が国の定める認可外保育施設指導監督基準を早期に満たすことができるよう適正な指導監査、必要な助言等を行ってまいります。また、本市の認可外保育施設では無償化の実施による保育料の便乗値上げは行われておりませんが、今後も引き続き確認するとともに、認可外保育施設が無償化の対象になったことを踏まえ、これまで小規模保育事業所に対し実施してきた巡回支援を認可外保育施設にも広げ、保育施設の質の維持・向上を促してまいります。以上

【保育所、児童ホームの待機児童対策について】

【保育所】

保育所の待機児数は2019年148人隠れ待機を含めると671人、2020年度は126人隠れ待機を含めると昨年同様の670人相当になるということです。

保育所の待機児対策として、近年小規模保育事業、企業主導型保育事業、そして無認可保育所の活用など、規制緩和とともに保育の市場化への動きが加速しています。保育は福祉であり、企業の儲けの対象とされることはあってはならないと思います。

保育所の待機児童対策は、規制緩和の方向ではなく、保育の質を確保した認可保育所の建設で対応、また保育士の処遇改善が不可欠です。公立保育所として残す計画である老朽化した杭瀬、次屋、武庫南の建て替え計画がいっこうに進みません。早期の建て替えを求める市民の要望に、市は代替え地がないとの一点張りです。本当にやる気があるのでしょうか。これらの建て替え計画をつくり、待機児童対策として、ゼロ歳児保育の拡充、定員の拡大を求めます。

4、待機児童対策として杭瀬、次屋、武庫南の公立保育所の計画的な建て替えがいっこうに進みません。いつまでこの老朽化した施設を放置するのでしょうか、早期の建て替えとともに、認可保育所の建設、保育士の思いきった処遇改善と合わせて実施すべきだと考えますが、市の考えは?

答弁要旨

杭瀬・次屋・武庫南の各保育所につきましては、築40年以上経過していることから、建替えの必要性は認識しておりますものの、現在、北難波及び武庫東保育所の建替えを進めており、第1次尼崎市公共施設マネジメント計画の中で、残る3保育所については、令和5年度以降の建替えを目指すこととしております。3所とも、現時点で用地の確保に目途が立っておりませんが、令和5年度以降の建替えを目指し、引き続き、検討を進めてまいります。また、認可保育所の設置は、本市の主要事業と位置付け、子ども子育て支援事業計画に基づき、認可保育所の新設を進めるとともに、保育士人材の確保と定着を図るための処遇改善策として「新卒保育士就労支援事業」、「奨学金返済支援事業」等に取り組んで参りました。これらに加え、来年度から、r潜在保育士就労支援事業」を実施するなど、引き続き、待機児童解消に向け総合的に取組を進めてまいります、以上。

【児童ホーム】

 子ども子育て支援制度の下で、2019年度までの5年間で国基準の学童保育の制度を整える計画だったのではないでしょうか。尼崎で最も重要な施策の一つが定員数の問題です、60人定員を国基準の40人定員をめざすという目標について、その達成率はどうなっているのでしょうか?2020年度の募集でも40人を超えている児童ホームは人数が確定していませんが、およそで41カ所中、31カ所を超えています。この計画が実現できていたなら、待機児童問題は解決できていたと思います。  

市の2019年度の待機児童対策は、60人定員の児童ホームの定員数の弾力的運用で70人を設定し、難波、立花南、杭瀬、浜、立花西、名和、武庫東、武庫庄の8つの児童ホームが実施されています。国基準に反して大規模化していくことは問題です。まずは余裕教室を活用した40人定員の部屋を確保していくべきです。

また待機児童対策として、民間の学童保育の活用が第一にうたわれていますが、2019年度の実績はわずか6人です。この人数の利用者では民間の学童保育への支援策は「有効な待機児童対策になっていません。そして今年度の施策でも民間学童保育の施設に対する家賃の一部補助を行い、その予算は4500万円となっています。大した効果を生み出さない民間の学童保育施設に補助金を出すより、学校の余裕教室を児童ホームに改修するための予算は約1千万円でできるのですから、政策転換が必要です。

5、待機児童対策としても、児童ホームの1部屋40人定員を計画的に実施していく考えはあるのでしょうか?

答弁要旨

児童ホームの集団の規模につきましては、厚生労働省令に基づき、本市条例におきまして、40人定員を基本としているところです。しかしながら、「子ども・子育て支援新制度」実施前に整備した60人定員の施設につきましては、整備に係る用地の確保のほか、財源の課題もあり、また現時点では、待機児童の解消という問題もあることから、本市条例において、経過措置の規定を設けているところです。待機児童が発生している現状もあり、従前の60人定員及び暫定措置による70人の受け入れによる運営を行っているところもありますが、「子ども・子育て支援新制度」実施後に施設整備を行うにあたっては、40人定員としております。以上

【子どもクラブ】

2020年度より全校一斉で子どもクラブでの夏休みなどの昼食、弁当持参を認める対策が講じられます。前年度のモデル事業段階での実施では職員の体制が整っていない中で、職員が昼休憩をとることができなかったとかの問題があったということを聞いています。どのような検証がなされて、全面実施となったのでしょうか。市はニーズがあったからと答えていますが、他の市民ニーズよりも優先して行う必要性が示されていません。

今年度の実施は、シルバー人材センターに委託するとのことですが、子どもクラブには待機となっている子どもたちも含まれており、十分な対応が可能なのでしょうか?嘱託労組からの同意は得られているのでしょうか?

 さらに児童ホームと子どもクラブの明確な区別を行うことを、以前一般質問で確認しています。児童ホームは生活の場、こどもクラブは遊びの場としての位置づけを市は行っており、留守家庭児童対策としての児童ホームの役割を重視しているということでした。

6、子どもクラブは無料で、児童ホームは有料、昼食が食べられるとなれば、夏休みでも生活の場が必要とされている児童ホームの留守家庭の子どもたちを子どもクラブに誘導する施策となるのではないかとの懸念があります。市はどう考えますか?

答弁要旨

こどもクラブにおける夏季休業期間の昼食時間帯の開室につきましては、期間限定で、かつ保護者のニーズが高いことから実施するもので、市として、留守家庭児童をこどもクラブに誘導するものではありません。以上

【子どもの医療】

 ファミリー世帯の定住促進のために、兵庫県下でも遅れている、所得制限なしでの子どもの医療費の無料化の制度の実施は、尼崎市の喫緊の課題です

7、子どもの医療費の無料化の制度は、ファミリー世帯の定住促進のために、今こそ実現すべき施策だと考えます。中学卒業までの医療費無料化を所得制限なしで実施する取り組みを,段階的に拡充して行う、またいつまでにやるのか時期を明確にすべきです。市の考えを?

答弁要旨

子どもに係る医療費助成は、子育て家庭を支援する施策の一つとして実施しており、昨年7月からは、限られた予算の中、持続可能な制度として、就学前児に係る所得制限を撤廃したところです。現在、制度拡充による利用状況の分析を進めており、また、今年1月に実施した、転入・転出を行ったファミリー世帯などを対象としたアンケート調査の結果についても、今後、分析を進めてまいります。子どもの医療費助成の更なる拡充については、こうした分析結果を踏まえるとともに財政状況を見通す中で、全庁的な財源調整が必要となりますことから、現時点でその実施時期などをお示しすることは困難です。以上

【公共施設のあり方、FM計画】

 公共施設のファシリティマネジメント、いわゆる再編・再配置計画は当初から、今後35年間(2014年~2048年)で30%の削減がうたわれていました。

モーターボートの改修計画の結果、面積は全体の約10%の5,364㎡の削減が行われています。しかし新たに駐車場や駐輪場が作られるため、実質的な面積減は全体の10%に及びません。削減計画の30%を平均的に削減しようとすればまだ10,000㎡ほど面積を削減しなければなりませんが、ここでは減らすことができず、その分は他の公共施設で減らしていこうということになってしまいます。競艇場の面積を計画の母数に加えることは検討しなおすべきです。

計画を先に数字ありきで進めるのではなく、地域や市民の要望に沿った取り組みにしていくべきであるとの意見が地域にあります。一定の収入が見込まれるモーターボート競艇場や市営住宅の面積は、公共施設の面積から除いて検討されるべきであると、共産党議員団もこれまで主張してきました。

8、公共施設の量的な目標の見直しを検討する考えはありませんか?

答弁要旨

公共施設は、設置目的や、利用状況、運営形態など様々であることから、公共施設マネジメントの取組を進めるにあたりましては、一律の削減を行うのではなく、可能な限りサービス水準の低下をきたさないよう、丁寧に意見聴取等を行いながら進めていくこととしています。公共施設マネジメントの取組は長期に渡る計画であることから、社会情勢の変化等へ対応していくことも必要だと認識しておりますが、少なくとも、現時点において、面積の削減目標を見直す考えはございません。以上

〇地域総合センターはどのように位置づけられ、今後のあり方はどこで議論されていくのか?また現状市の貸館の制度がある公共施設の中で、他と違う休館日の設定がなされています

9、地域総合センターはどのように位置づけられ、今後のあり方はどこで議論されていくのか?

現状市の貸館の制度がある公共施設の中で、おおむね週休2日制で実施されているのはどうしてか?

答弁要旨

地域総合センターは、設置及び管理に関する条例におきまして「地域住民をはじめとする市民相互の交流の促進及び人権啓発意識の普及高揚を図り、もって市民福祉の向上に寄与するためのコミュニティの拠点となる施設」として位置付けております。また、施設のあり方に関しましては、現在、平成25年に策定した「総合センターの今後のあり方」に基づいておりますが、今後、そのあり方について検討する場合には、付属機関である地域総合センター運営審議会などで議論する予定としています。

なお、休館日につきましては、週休2日制ではなく、日曜日及び第2・第4土曜日以外の土曜日としており、必要があれば臨時開館もしております。以上

以上で第1問を終わります。

第2登壇

【国保料】

国保の利用者と他のけんぽ加入者との間では、保険料負担の格差が生まれています。特に協会けんぽ加入者との比較では、年収400万円子ども2人の4人家族の場合、保険料の負担額は協会けんぽ加入者は20万円、国保は42万円にも及んでおり、2倍以上の格差となっています。

国保には他にはない人頭税のような均等割りという制度上の問題があります。全国市長会が、国に対して国庫負担1兆円を投じることを求めています。同時に市独自でも国保料の引き下げに努力すべきです。均等割りは一人当たり年、3万6千円、理不尽なものです。子どもの均等割りを減免することは、子育て支援にもなり、多くの市民が待望しています。

国保会計が県に広域化され、市は県下一律の保険料となることを見通し、来年度より特別減免以外の法定外繰り入れをやめて、基金で対応するとしていますが、何年先になるかはわかりません。基金は利用者から徴収して蓄積されたものであり、本来は利用者に還元されるべきものであり、一般会計からの繰り入れをやめるために基金を活用するやり方には問題があると考えます。

 

10、国保会計への一般会計からの繰り入れを継続し、特に均等割りの子どもの分に係るものの減免策として基金の活用を行うべきです。このような国保料の引き下げを行う考えはありませんか?

答弁要旨

国民健康保険事業基金は、保険料を中心とする決算剰余金が原資となっていることから、被保険者に還元することが必要であると考えており、令和2年度においては、保険料の上昇抑制及び減免に係る財源として約9億円を活用する予定としております。このうち、保険料の減免に係る基金の活用につきましては、今後、県下で減免制度が統一され財源が保険料となることを見据え、失業・廃業などの一般的な減免措置については、一般会計からの繰入れではなく、基金にて実施することとしたものです。また、子どもの均等割に係る減免につきましては、本市の独自減免のあり方などと合わせて検討してまいりましたが、現在実施しております特別減免が、多人数世帯の負担緩和に寄与していることや、県下の減免制度の統一により、短期的な措置となることが見込まれ、システム改修にも時間と経費を要することなどから、実施を見送ることといたしました。いずれにいたしましても、基金の活用につきましては、国民健康保険事業の健全運営を図るため、今後とも適切に行ってまいります。以上

【障害者】

 グループホームの障がい者が土日祝日など自宅に帰った時、家から外出する際の移動支援が在宅ケアとされて、移動支援が認められておらず、家族に負担がのしかかっています。特に近年では障がい者とともに保護者である親もさらに高齢化して、家族だけでは対応することができず、ヘルパーを依頼したりして金銭的な負担も多くなり悲鳴をあげているといった実態となっています。尼崎市も支援制度がある西宮に倣って対策を講ずるべきではないでしょうか。

11、グループホームの障がい者が土日祝日など自宅に帰った時、家から外出する際の移動支援が在宅ケアとされて、尼崎市ではサービス利用が認められておらず、家族に負担がのしかかっています。支援制度の西宮なみの実施を求めます。市の見解は?

答弁要旨

グループホームは、「地域生活を営む障害者の住居」という位置付けであることから、その利用者が移動支援を利用する場合、当該ホームをご本人の自宅とした上で移動支援の利用を認めていますが、親元など帰省先からの利用は認めていません。移動支援の支給時間に上限を設けていない本市と異なり、西宮市では、上限を設ける中で;ご指摘の運用を行っていることは認識しています。このように運用面での違いはありますが、今後も利用者支援の観点からより、使いやすい制度になるよう利用者のみなさまと一緒に検討していきます。以上

【業務執行体制の見直しアウトソーシングの検証】

今後とも少子高齢化がなお一層進んでいくなかで、今後の増加、多様化する行政需要に対応するため、市は業務執行体制の見直しを実施しています。これまでの業務を見直し効率化を図りつつ、民間で対応できるとされるところはアウトソーシングを実施、そこで生じる人員を行政の役割が増える部署に重点的に配置していく計画を実施しています。すでに戸籍や印鑑証明などを扱う本庁の市民課窓口やサービスセンター、昨年からは上下水道の各種業務、道路維持などが実施されています。また指定管理制度で図書館、市営住宅や生涯学習プラザなど公共施設の維持管理が民間に委ねられています。

これまでも偽装請負、市職員のスキルや市民サービスの低下問題など、何度も指摘してきました。特に災害時の対応がどうなるのかは深刻な問題です。

  • 市民課窓口の委託先が変わります。委託業者のパソナが他都市で不正を行ったことによる改善策だと受けとっていたのですが、市役所職員労働組合にお話を伺ったところ、様々な問題点が浮上してきました。パソナに業務に習熟した人員が確保できていないことから、人数をかけてマンパワーで対応せざるを得なくなっていた。だから人件費の上乗せを求めるパソナと市が折り合わず、今回は撤退したのではないかとのことでした。

 またパソナの業務管理が遅れて業務時間内に仕事が終わらない問題もあったということです。その結果、業務進行上の市民課の前処理が終わっていないから、後処理をする部署に決裁文書の送達が遅れて、他の部署の残業時間も増えていくといった事態が生じているということでした。

 つまり市民課窓口の民間委託は、直営であった時と明らかに後退している、市民サービスの低下や業務時間が増加して人件費が高騰するという問題があったということです。

  • ゴミ収集車の直営割合を減らしていく問題

 ゴミ収集について、職員労働組合は、高齢者の見守り活動の提案を行っているとのことでした。あらかじめ一人でごみの収集場所にごみを持っていけない高齢者を登録して、ふれあい収集など積極的に実施していきたいとの考えを示しています。

 それにもかかわらず、市は直営の比率を2018年の52%から、19年は35%、そして20年度は24%にまで引き下げ、アウトソーシングをさらに加速させようとしています。

 2年前の強風をともなった台風被害に襲われた時、膨大なゴミの処理をしたのは、直営の力でした。かなり以前のことだったかもしれませんが、委託先の民間事業者がごみ収集が突然できなくなった時、直営の職員が代わりに業務を行い事なきを得たことあったということ、労働組合の方から聞いています。市は、今後もそのようなことが起こらないと想定されていないのでしょうか。今度の直営の比率を下げ、更なるアウトソーシングの推進は、理解できません。直営であったからこそできた対応力がますます失われてしまいます。

  • クリーンセンターの委託問題でも、建て替え計画では事業運営方式がDBO(公設民営)方式となっているが、業者の見積もりが組合の側で試算した数字よりも安価となっており、適正なものであるのか、将来的にこうした金額では業務が果たして遂行できるのか危ぶまれるとの意見を聞いています。

12、市はゴミ収集車の直営割合を減らしていくことや、クリーンセンターの委託についてどのようなチェックをしているのか、業務が適正に行われているか事後の検証をしっかり行い、問題があるところは大胆な見直しを行うべきであると考えるが市の見解を求めます?

答弁要旨

一般廃棄物の収集、運搬、処分につきましては、市民生活に必要不可欠な公共性の高い業務であり、それらの更なる委託に当たりましては、経済性、安定性、継続性を兼ね備えた実施体制の確保のみならず、「危機管理体制の構築」や「職員による技術の伝承」も視野に入れながら検討を進めているところです。また、委託業者が日々行う業務につきましては、その適正実施について検証するため、より一層充実した管理・監督が可能な体制を構築してまいります。以上

【中小企業支援策について】

 市の中小企業に対する融資支援策がなかなか実効性がありません。その原因について市はどのように考えているのでしょうか。

13、昨年10月からの消費税増税や新型コロナウイルス問題により、多くの中小企業は売り上げ減少に陥っています。対策として利息や保証料を一部補助し、返済期間の猶予を設けた特別融資を創設すべきではないか。また中小企業融資の新規受付けは継続すべきではないか

答弁要旨

消費税率改定や今般の新型コロナウイルス感染症による中小企業への支援につきましては、既に、関係機関との連携のもと、経営相談窓口の設置及びセーフティネット保証認定など適切な対応策を講じており、ご指摘の金融支援につきましては、今後、資金繰りの円滑化に向けた新たな支援策の検討を進めてまいります。次に、本市融資制度につきましては、利用者の利便性及び制度の効果的かつ効率的な運用の観点から、県有志制度への一元化を行うものです。新規融資受付についても、利用者の利便性を損ねることのないよう県融資制度へ誘導し、中小企業の事業継続力の強化に向けた取組を進めてまいります。なお、今年度内については、本市融資制度にて適切に対応してまいります。(以上)

【住宅リフォーム助成制度】

住宅リフォーム助成制度は、市民がすまいの増改築を市内の業者を活用して行う場合に、工事費の一部を助成するものです。そして住環境の改善や、市内業者が工事を受注することにより、地域経済の振興につなげていくものです。
 全国商工新聞の2018年リフォーム助成制度に対する自治体調査では、全国でも年々増えてきています。住宅は573、店舗は107の自治体で実施されています。

兵庫県下でも、住宅に対するものが西宮、宝塚、明石市など7市6町の自治体で実施されています。

産業連関表を使って試算された経済波及効果は補助金の20倍以上との報告もあり、地域経済活性化の起爆剤となってきています。
 市民の住宅リフォーム助成制度創設の要求に対して、市は「リフォーム自体の総需要の増加にはつながるとは考えにくく、地域産業全体に及ぼす効果は限定的なものである」と答えています。

しかし市は、2018年7月からは空き家利活用政策の一環として、子育てファミリー世帯や新婚世帯が、市内の空き家の戸建て住宅を取得し、改修工事を行う場合に工事に要する費用の一部を補助する事業や、空き家エコリフォーム補助事業を実施しています。しかしこれらの補助制度は限定的で、市民のニーズにも見合わない、結果応募件数も少なく年ごとの予算も減らし続けています。

14、今だからこそ景気刺激策としても空き家やエコの住宅リフォームに限定しない、すべての住宅リフォームを対象にした、住宅、店舗、空き家、などへのリフォーム助成制度を実施すべきではないか、補助制度の創設を。

答弁要旨

「住宅リフォーム助成制度」につきましては、対象工事業者を市内事業者に限定することや、助成金額の条件設定を行うことで、一定の経済効果が発生するものと考えますが、リフォーム需要の前倒し効果はあるものの、リフォーム自体の総需要の増加につながるとは考えにくく、地域経済全体に及ぼす効果は限定的であると認識しております。以上

【住宅政策について】   

 政府が「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠」と定めた最低居住面積水準を満たさない住宅のうち約8割が民間借家です。家賃負担が収入の30%を超える世帯の割合は東京都39・7%、大阪府38・5%にのぼるなど、高家賃に圧迫されている世帯は多数です。住宅に困窮する低額所得者に低家賃で貸す公営住宅は、2008年の約208万戸から18年には約192万戸へ16万戸余も減っています。「住まいの貧困」を打開するためにも低廉家賃の住宅提供、公営住宅拡充などが急がれます。「住まいは人権」の立場に立つ政策への転換が求められています。

尼崎市では、2016年の市営住宅立替等基本計画で今後市営住宅を、2014年の管理戸数10,887戸から2035年までに9,255戸まで程度削減する計画をすすめています。

しかし近年、高齢単身者や障がい者、低所得者にとっては、家賃が高い、バリアフリーの住宅環境が整っていないことから、安心して入居できる住宅が得られにくくなっており、大変深刻な状況が生まれています。市は公営住宅のあり方を見直し、高齢者、身障者が安心して住める住宅を整備すべきだと考えます。

15、高齢単身者や障がい者にとっては入居できる住宅が得られにくくなっており、そのための住宅制度を拡充すべきです。市営住宅建て替え計画を改め、市営住宅の整備、戸数を増やすべきです。市の考えは?

答弁要旨

高齢者や障害者が入居しやすい住宅については、民間賃貸住宅、公営住宅等の両方を活用した取組を進めていく必要があると考えております。そうした中、市営住宅については、尼崎市営住宅建替等基本計画において、耐震性に課題がある市営住宅の耐震化を進めるため、建替え、耐震改修及び廃止等を計画的に行うこととしております。また、本市の市営住宅は、類似都市と比較して多くの管理戸数を有しているため、将来にわたる財政負担の点から、建替えや廃止により管理戸数の削減を図ることとしておりますが、建替え後の住宅は全てバリアフリーちゅうそうかたろうかがた化され、加えて、既存の中層片廊下型住宅へのエレベーター設置も進めており、整備前に比べて、高齢者や障害者にも住みやすい住戸は増えることとなりますので、そうした取組を着実に進めることにより、高齢者や障害者にも住みやすい市営住宅になるものと考えております。以上

【教育問題について】

学校でのいじめ対策について

先日毎日新聞の報道と文教委員会(2月27日)の協議会案件で、また新たないじめ問題が発生していることを知りました。新しい事案に対して、真偽かどうか、関係者のプライバシー問題もあって、詳細な報告が出るまで、静かに見守るしかないのでしょうか。ものが言えない雰囲気と感じているのは私だけとは思われません。

教育委員会がいじめの事実確認を行い、重大事案として認定してから、弁護士などの第三者に調査依頼などの手順を踏んでいかなければならないということわかります。しかし、問題発生から数か月も経過してしまい、被害者や関係者が個々に抱える問題が直接的に解決されず、結果、時間がたちすぎて真の問題解決には至らず、いじめの事案自体も当事者以外は忘れ去られてしまう、そのような危機感を感じています。

いじめは人権侵害であるという認識を教職員をはじめ、周りの大人、生徒たちが共有しているのか、問題が起こったときに教職員だけにとどまらず周りの大人たちがどう対応するのか、大きな課題です。

いじめ問題に関してはストップイットなど様々な手立て、対策が講じられていると思いますが、今回も機能したとは言えない状況ではないでしょうか。

いじめ問題を人権問題ととらえ、その対策には青少年局もかかわるべきではないでしょうか。以前議会で私は世田谷区の取り組み、人権擁護の観点から取り組まれている「世田ホット」を紹介しました。尼崎市ならではのスピード感のある独自の取り組みを求めたいと思います。

16、いじめは人権侵害であるという認識をもち、問題が発生した時点でどのように対応すべきか、対応策について徹底すべきだと考えるがどうか?

答弁要旨

教育委員会といたしましては、いじめは個人の人格を傷つけ、将来の成長にも深刻な影響を与える著しい人権侵害であると捉えており、いじめの未然防止に加え、早期発見と組織的な対応をしなければならないと認識しております。

全ての学校において、「いじめ防止基本方針」を作成し、事案が発生した時の対応の仕方をフロー図で示す等、速やかな対応を組織的に行うとともに、被害者の心情に寄り添った対応となるよう、教育委員会からも、指導を行っているところです。学校現場が、問題を早期に発見・認識するための意識改革も含め、いじめの感度向上に向けた各種取組をさらに強化し、仮に問題が発生した際1:は、被害者に寄り添った対応ができるよう、常に緊張感をもって、学校にもきめ細やかな指導・支援を行っていきたいと考えています。以上

【総合的な治水対策】

 武庫地区の雨水貯留管の計画変更の基本的な考えが示されています。発進立て坑は武庫之荘総合高校の敷地内から、到達立て坑はシールドマシンを地中に残置させることによってつくらず行うものとなっています。これらの説明会が開始されるということですが、対象はまたしても工事を行う周辺だけとしているようです。私たちが以前から主張しているように、事業実施は下水道課が担っているからと、担当部局に住民に対する説明を担わせるのは問題があります。

 住民側はこの2年余りの中で、担当課からの説明を何度も聞いて、これは単に地域に貯留管をつくるだけの問題ではないと考えるようになってきています。武庫川が氾濫したらどうなるのか、集中豪雨の時の内水浸水対策はどうするのか、総合的な治水対策がどうなっているのかを突き詰めて考えなければならないとなっています。貯留管をつくるだけの工事だけの問題としての、市の対応は改めるべきです。県や流域事務所との連携、ひいては危機管理局がどのような防災対策を考えているのか、積極的に地域に出かけて説明すべきだと考えます。

17総合治水対策として、校庭・公園貯留や雨水貯留管のあり方、その他の対策について、危機管理局が横断的に取り組み、国や県の流域事務所との連携を進めるとともに、市民に対する説明・啓発に積極的に取り組むべきだと考えるが、市の見解は?

答弁要旨

総合治水対策につきましては、さきほども答弁いたしましたとおり、『ながす』、『ためる』、『そなえる』の3つの対策を組み合わせることを基本として、国・県・市において連携しながら取り組んでいます。そのようななか、本市としましては、都市整備局土木部長を座長とする「尼崎市総合治水対策庁内連絡調整会議」を設置し、危機管理局災害対策課長を含めた関係各課の連絡、調整を図り、庁内一体となって総合治水対策の取組みを進めているところです。また、市民への説明・啓発については、『そなえる』対策の一つとして、出前講座や防災訓練等などにより進めているところですが、治水にかかる各個別事業の説明会等の場におきましても、本市における総合治水全体の取組方針をお伝えできるよう意を用いてまいります。以上

以上で私の代表質疑のすべての質問を終わります。(第2問をおわります。)

残余の質疑は会派議員が予算委員会、分科会、総括質疑で行います。

第3登壇

ここでは意見要望を述べます。

 

意見・要望

 

 特に公共施設の再編、ファシリティマネージメントについて提案します。 

 公共施設は再編、本旨では結果的に30%削減ということになっています。

人口が減少するから➡公共施設の統廃合を進める、

公共施設の統廃合は➡住民の生活が不便になる➡人口減少の悪循環に陥る

使いやすさ、アクセスがしやすいことを住民は望んでいます。公共施設のあり方は施設レベルだけで判断するのではなく、地域ごとのまとまり、まちづくりとの関係で考えるべきで、この点で市が進める公共施設の再編計画はまちづくりという観点が欠落しているのではないでしょうか。

より良い住民が安心して住み続けることができるまちづくりについて、今後も大いに議論していきたいと提案しまして、

代表質疑を終わります。

残余の質疑は会派議員が予算委員会、分科会、総括質疑で行います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年2月3月議会・こむら潤議員の予算関連以外の議案に対する反対討論

 日本共産党議員団を代表し、議案第15号、19号、22号、および24号について反対討論をおこないます。まず、一般会計補正予算について、尼崎宝塚線ほか2路線県施行街路事業地元負担金のうち園田西武庫線整備事業は、現在藻川にかかる橋梁の工事と並行し、東園田地域の基礎工事に着工しています。周辺住民の合意を得ておらず、市民は「生活環境を破壊される」「個人資産を奪われる」「周辺住民のコミュニケーションが分断される」といった不安をかかえています。我が会派はこれまでも事業の凍結を求めてきたもので、これを認められません。次にモーターボート補正予算については、住民合意の開催日数180日を大幅に超えているため、認められません。

 尼崎市人権文化いきづくまちづくり条例案については、まずこれまで10年取り組んできた人権教育推進基本計画の検証をすべきだと考えます。この度の条例案は理念条例ですが、人権を尊重し擁護するという本市の理念は、1985年に定められた「人権擁護都市宣言」がすでに存在しており、新たに人権に関する理念条例を作る必要はありません。人権にかかわる範囲は実に幅広く、人権差別の諸問題については個別に具体的施策で対応すべきです。また条例に掲げる「人権を守る責務」を市民に押し付けることは、市民の心の中に踏み込むことになります。憲法に定められた「内心の自由」を侵害する恐れがあり、これを認められません。

 最後に、尼崎市職員定数条例の一部を改正する条例案について、本市の事務事業執行体制の整備による「富松保育所の民間移管、給食調理業務の民間委託、園田配水場運転監視操作業務の一部委託化」は市民サービスの低下や、偽装請負の疑いが懸念され、市の公的責任の後退を招きます。また災害時等の緊急対応などに支障をきたす恐れがあり、これを認められません。以上、四つの議案に反対致します。皆様のご賛同をよろしくお願い致します。

2020年2月議会 まさき一子議員 近畿中央病院の存続不採択への反対討論

 

 

 

 2020年2月21日「近畿中央病院の存続を!」               

日本共産党議員団のまさきいちこです。団を代表して「陳情第10号 近畿中央病院の存続について」の委員会不採択に反対する討論をします。

 私は看護学校を卒業して、新卒看護師として勤めたのが近畿中央病院でした。(以後愛着を込めて近中といいます)25年間務めた後現在に至っています。まさかこの場所で今、近中存続の討論をするとは思いませんでした。

 この討論を考える際に、忘れられない患者さんのことを思いました。20歳で乳がんが発見され全摘の手術を受けました、若さゆえに全身への転移が早く26歳で亡くなったAさんです。今日はAさんから届いた手紙を紹介します。「まさきさんへ ご無沙汰していますがお元気でしょうか。私の方は腰のつっぱれるような痛みがちょっとつらい以外は元気にしています。入院中は本当にお世話になりました。まさきさんの声が聞こえると元気が出たものでした。髪が抜けた時には、いろいろ良くして頂いて本当にうれしかったです。おかげさまで髪はずいぶん伸びてきました。まだまだ病院とは縁が切れそうにないですが、5階西病棟の看護師さんに会えるのを楽しみに頑張って通いたいと思います。5階西の看護師さんに合うととてもホッとするんです。甘えているのでしょうか。ささやかですがクリスマスプレゼントを受け取ってください。あまり上手ではなくてすみません。買い物に行くときでも使って頂けると嬉しいです。」という内容でした。手紙の中に手編みの5本指手袋がはいっていました。抗がん剤投与で髪が抜けたとき、二人で抱き合って泣いたのを思い出します。私が言うのもなんですがいい病院でした。癌治療の拠点病院として、厳しくもあったかい病院でした。中でも看護師は先輩ナースから看護や技術を教わり、また後輩を育てるという質の良い看護を継承・実践する病院でした。

 

 また、近中は伊丹市の南部、尼崎市の北部に位置しており、隣接する職員宿舎は尼崎にあります。たまたま伊丹の住所ですが、あと10数メートル南に立地すると尼崎の病院でした。年間通院患者は20万人、その3分の1が尼崎市民です、公立学校共済組合の病院として公立の教職員が、大阪、和歌山、奈良、兵庫県の各地からも受診する病院です。ストレスの多い教職員のメンタル治療、職場復帰のためのリハビリ治療等、近中ならではの特色ある取り組みをしています。

 

 今回陳情が提出され、健康福祉委員会で2回にわたり審議がされました。そこで徳田議員が発言したことを紹介します。12年前の兵庫県が県立塚口病院を廃止することを発表しました。地元団体が「尼崎北部の総合病院がなくなる。塚口病院をなくすな」と県につめよりました。その際、県は「尼崎北部には近畿中央病院があるではないか」と言われたとのことです。兵庫県も認める尼崎北部地域の唯一の総合病院です。

 

今回近中の存続を求める会で、近中は地域にとっては生活に密着した病院であり、それがなくなるかもしれないという話をしたら「そんなん困る何とかならないのか」「妻がお世話になった。親を看取ることができた」と署名が集まり、1万6180筆を伊丹市長あてに提出されました。署名の半分は尼崎市民です。近中がなくなったら、阪急線以北の医療をどう穴埋めしていくのか、利用している住民の現状や願いはどうしたらいいのでしょうか。

 

 また尼崎市内から3つの産婦人科病院がなくなります。近中には小児科がありリスクのある分娩では、小児科医と連携して対応します。そんな病院がなくなったら、ますます子どもが産めない街になります。市民は「孫はどこで出産したらいいんだろう」「子どもが入院できる病院がなくなる」等の悲鳴の声が上がっています。近中は尼崎市民の地域医療を守るうえで、現地になくてはならない病院です。この声を尼崎市議会から伊丹市長に上げることは、全く問題ありません。

 

 以上、「近畿中央病院を現在地で存続させるため、伊丹市に対して意見書を提出する陳情」に賛同していただきますようよろしくおねがいします。

 

人権文化まちづくり条例を考えるシンポを開催しました

党市会議員団は「人権文化いくづくまちづくり条例」を考えるシンポジウムを

1月18日(土)午後にハーティー21にて開催しました。

市は2月議会に「人権文化いきづくまちづくり条例」を提案します。この条例は、市民にとって必要なものか、差別がなくなるのか、同和行政の復活につながらないかとして、みんなで考えるために開いたものです。

 まず基調講演で京都橘大学の碓井敏正名誉教授が考える視点として、国・自治体の関係、地方行政の役割などについて「人権は主体の努力によって守らなければならない、国・自治体は権利を実現する条件整備をすべきである」と報告しました。

 川崎敏美議員をコーディネーターとしたシンポジウムで、県高等学校教職員組合の中村邦男副委員長は、市が1985年に人権擁護都市宣言をしていると紹介しながら「この条例(素案)に市民の責務があるが、心のあり様を市民に押し付けるもの。いま部落差別はなくなっている」。広瀬若菜市議は「条例制定の根拠とするその実態はほとんどない。ネットの書き込みは別の対処を講じるべき」と報告。フロアーから発言がありました。徳田稔議員ブログより

尼崎の人権条例をかんがえるシンポジウムのお知らせ

尼崎市は人権文化いきづくまちづくり条例を策定しようとしています。

「人権?いいんじゃないの?」「差別はいけないことを条例に定めるのは良い」

「なんで共産党がこの条例に反対するん?」というお声も頂戴しています。

 

日本共産党尼崎市議団は、この条例には市民の基本的人権を侵す危険性

はらんでいるのでは?と考え、この条例を市民のみなさんとご一緒に

考えていきたいとシンポジウムを開催することにしました。

京都橘大学名誉教授 碓井敏正さんにお話いただけることになりました。

ぜひ、多くのみなさんと「ホントの人権を大切にすることって?」を

考えていきたいと思います。

みなさんのお越しをお待ちしています。

尼の人権条例をかんがえるシンポジウム

とき  2020年1月18日(土)14時~

ところ ハーティー21 尼崎市南塚口丁4-4

お待ちしております!

 

日本共産党尼崎市会議員団

Tel 6489-6070 fax 6489-6073

Jcpam-sigidan@hcc6.bai.jp

2019.12月議会・広瀬若菜議員の反対討論です

議案第117号第123号及び、第126.127.128.129.131号について反対討論します。

尼崎市市立保育所の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例は富松保育所の民間移管に伴うものです。公立保育所の今後の基本的方向では、公立保育所の役割を①保育に欠ける子どもの受け入れを保障するもの、②市の保育水準の維持向上を目指すものと書かれてあります。共産党議員団は、公立保育所の民間移管に一貫して反対してきました。民間移管により先生が急に変わることで、子どもの噛みつきが一時的に増えるなどの現象も現れており、急激な環境の変化がいかに子どもに大きな負担を与えるが現れていると考えます。また、いま課題となっている保育士が集まらない問題も今年度の保育士募集を見れば、市は募集人数をフルに補充できましたが、認可保育園では3分の1しか確保できていません。そのため、施設規模よりも少ない定員しか認可保育園で受け入れられなくなるのは本末転倒です。公立保育所の役割が十分発揮され、安心して子育てできる環境を守っていくには、公立保育所の存在が欠かせません。よって、本議案には賛成できません。

地域総合センターの指定管理者の指定について一括して反対理由を述べます。地域総合センター指定管理者選定委員会の委員は5人ですが、この選定委員に今回指定管理者に名乗りを上げた団体の関係者がいるという理由で、5人の審査が神崎では4人、(南武庫之荘では3人)で実施されました。まず、民主主義の根幹は多様性です。立場や考え方が違っても、マジョリティからマイノリティまでできるだけ多くの意見が反映される環境を整えていくことが行政の責任だと考えます。市は、選定委員会の委員が、今回の指定管理者に応募した団体の関係者だったのは、たまたま、結果的にそうなったと言いますが、そうであれば多様性が確保できる選定委員の選考を行うべきです。この点で本当に公正な選定がされたのか、客観的に見て納得できません。

最後に、一般会計補正予算について、これには小学校の給食調理を現在の市直営から民間に調理委託する債務負担行為の限度額を3,000万嚥増額する予算が含まれています。共産党議員団は、業務委託自体に偽装請負の危険性があると反対をしてきました。子どもの安心安全な給食のため、調理現場で市の栄養士が調理員さんに指示すること自体が偽装請負となり、業務委託で、安心安全な給食がしっかりと実施できるか疑問です。また、調理師さんは食育の面でも大きな役割を発揮しますが、調理業務の委託内容に食育は含まれておらず、子どもたちが現場に触れて食育を学ぶ機会を奪ってしまいます。最後に、一般会計補正予算には、議員の期末手当増額が含まれています。実質賃金が減り続ける中での増額は、市民感情にそぐわないため賛成できません。

以上の点で、議案第117号第123号、及び第126.127.128.129.131号については賛成できません。よろしくご賛同いただけますようお願いいたします。

なぜ今、人権条例なのか?シンポジウムのお知らせ

尼崎市は人権文化いきづくまちづくり条例を策定しようとしています。

「人権?いいんじゃないの?」「差別はいけないことを条例に定めるのは良い」

「なんで共産党がこの条例に反対するん?」というお声も頂戴しています。

 

日本共産党尼崎市議団は、この条例には市民の基本的人権を侵す危険性

はらんでいるのでは?と考え、この条例を市民のみなさんとご一緒に

考えていきたいとシンポジウムを開催することにしました。

ぜひ、多くのみなさんと「ホントの人権を大切にすることって?」を

考えていきたいと思います。

みなさんのお越しをお待ちしています。

尼の人権条例をかんがえるシンポジウム

とき  2020年1月18日(土)14時~

ところ ハーティー21 尼崎市南塚口丁4-4

お待ちしております!

 

日本共産党尼崎市会議員団

Tel 6489-6070 fax 6489-6073

Jcpam-sigidan@hcc6.bai.jp

2019.12月議会・川崎敏美議員の一般質問の発言と当局答弁概要です

 

 

日本共産党議員団の川崎敏美です。

今回は憲法にかかわって全国首長9条の会のアピールに対する市長の政治姿勢と人権文化いきづくまちづくり条例案にかかわって部落問題について質問します。

全国首長九条の会

自治体の首長とその経験者による「全国首長九条の会」が11月17日結成のつどいが開かれています。17日現在で現職13人を含む131人が賛同・呼びかけ人に参加。このつどいには、玉木デニー沖縄県知事、武村正義元滋賀県知事、嘉田由紀子参院議員・元滋賀県知事らがメッセージを寄せ、250人が参加。結成総会で採択されたアピールの要旨は次の通りでした。

私たちは、日本国憲法第9条を守り抜くという壮大な目標に向かい、さまざまな垣根を取払い、「9条を守る心は一つ」「一人の百歩より百人の一歩」を合言葉に、本日その第一歩を踏み出しました。全国の住民ともっとも密接な行政機関の長として、住民の生命・財産を守る仕事に携わっている首長とその経験者による「全国首長九条の会」の発足は、「9条を守れ」という国民多数の意思を体現するものであると考えます。9条改憲が草の根での攻防に入ったいま、私たち首長九条の会は、全国7000を超える地域、分野の九条の会と歩みを共にし、憲法9条の理念を高く掲げ、これを堅持し実践することをめざして、地域住民の知恵と力に依拠して運動を進めたいと決意しています。全国の自治体首長、元職の皆さまにも本会の趣旨に賛同し、ぜひこの一員に加わっていただくことを呼びかけます。また地域住民の皆さまにも本会の趣旨に賛同され、ご支援をお願いするものです。」と以上がアピールの要旨でした。

この全国首長九条の会には元秋田県横手市長 千田謙蔵さん、元茨城県東海村長 村上達也さん、東京都武蔵野市長 松下玲子さん、元東京都国立市長 上原公子さん、宝塚市長 中川智子さん、元長野県木曽町長 田中勝己さんも名をつられています。そして、宝塚市の中川智子市長は次のコメントをされています。一部を紹介します。「私は2015年、安保法制は絶対反対だと会見を開きました。戦争が起これば、全てが崩れてしまいます。市民の日々の暮らしを失います。市民の首長として絶対に反対です。憲法をなし崩しにし、平和を脅かすことに対して声を出すことは譲れません。とにかく黙らず声を上げるのを大切にしたい。市民の命を守るために首長がやれることを、仲間をつくって勇気を出して声を上げていきたい。」というコメントを発表されています。

Q①お尋ねします。稲村市長はこの呼びかけに対して、どのように考えますか。また今後この会への参加を表明されるのかお伺いしたいと思います。

答弁要旨

既に「平和首長会議」に参加しており、今のところ同会への参加は考えておりませんが、憲法9条に関しましては日本が平和国家として歩むことを規定したものであるとともに、平和な社会の実現に向け、たゆまぬ努力を誓う、その決意が込められたものと受け止めており、以前にもご答弁申し上げましたとおり、私個人といたしましては、9条を守っていくべきだと考えております。以上

 

人権条例について

来年の2月議会に「人権文化いきづくまちづくり条例」案が市によって提案されようとしています。民族差別や障害者差別などと同じ扱いで、すでに実態のない部落問題までをことさら人権問題としてとらえ、理念条例が予定されています。

地方自治体が条例を制定する場合、地方自治法には次のような留意点が規定されています。「行政上の目的及びその実現の必要の理由を明確に把握すること。殊に当該普通地方公共団体の行政として独特の意義を有するものかは十分に検討されるべきである。」「目的実現の方法として条例制定以外に方法がないか否かを慎重に検討すること。」「当該普通地方公共団体の方向性に適合するものであり、かつ、国の法律制度の一般体系に合致するものであること。」

この点から今回の「人権文化いきづくまちづくり条例」案は条例制定のための要件を満たしているとは思われません。尼崎での人権問題がどのように発生しているのか、他都市との比較もされておらず、市がことさら条例を定めなければならない理由が示されていません、条例をつくる必然性が明確でありません。さらに、市民に対して人権について理解と関心を深めこれを行動や態度に表していくことが必要と、市民に市の人権施策に協力することを責務として押し付けています。これは明らかに市民生活に踏み込んで、内心の自由を侵すことになってしまいます。私たちの権利を守るために市が行うべきは、市民生活を豊かにする人権保障の具体化だと、私は思います。県下の自治体と比べても高すぎる国保料の値下げとか、障害者には障害の程度に応じた施策、生活困窮者へもっと手をさしのべる、最近問題になっているクラブ活動で生徒が体罰を受けるような状況、実態をなくす等、具体的な施策を実行することです。はじめにこの条例を制定するにあたって基本的な問題についてお聞きしていきます。

尼崎における人権侵害の事実がどれほどあるのか明らかにしてほしいと思います。

またその実態は、他市との違いがあるのか、尼崎が条例を制定しなければならない特段の理由があるのか?お答えください。

 答弁

神戸地方法務局尼崎支局に相談があった人権侵犯事件は平成28年から30年の3年間の平均で年間15件程度あり、本市が把握している昨年度の実績といたしましては、インターネットにおける差別書き込みが114件、人権相談が12件、差別落書きが1件ございました。また、部落差別解消推進法にもとづき、国の依頼により実施しました「部落差別の実態に関する調査」におきましても、本市において、複数の結婚差別事案の報告がありました。

さらに、平成28年には市内の居酒屋で聴覚障害者の入店が拒否されるという事案が生じております。加えて、本市が昨年度実施いたしました市民意識調査におきまして、自分の人権が侵害されたことがあるという回答が、24.5パーセントとなっており、平成19年に実施しました前回調査結果の20.1パーセントと比較し、4.4ポイント増加しております。他市との比較は行っておりませんが、本市においては、このように依然として人権侵害事案が発生しており、人権が侵害されることなく、一人ひとりの人権が尊重されるまちにしていくために、人権尊重の基本理念を示す人権条例制定を制定しようとするものであります。以上

次に条例案の名称にもなっている、人権文化という用語についてです。一般的に文化は多様なもので、市民間の対話交流を通じて自然に形成されるものであって、行政が考えるこれがあるべき人権文化の姿などと言って、条例など法で定め市民に押し付けることはできないのではないか?人権は抽象的な文化ではなくて実生活での具体的な補償問題だと考えます。

Q③お伺いします。人権文化とは何か、そしてその文化を行政が主導してつくり、市民に押し付けてよいと考えているのですか?

 答弁

「(仮称)人権文化いきづくまちづくり条例」につきましては、国において人権に係る法律が制定されたことに加え、先程申しましたように本市において近年、差別を助長し、誘発することに繋がるインターネット上での悪質な書込みや、さまざまなハラスメント、子どもへの虐待、性的マイノリティの方や障害者への差別など人権問題が多様化している現状を踏まえ、人権に係る条例を制定しようとするものでございます。一方、「文化」とは定義が幅広く、その形成過程も様々であり、また人権教育のための国連10年行動計画において、「人権という普遍的文化」との表現が用いられております。こうしたことも踏まえまして、本条例においては、単に人権の尊重をうたうのではなく、日々の暮らしの中で人権尊重の精神が自然なこととして根付いていることが重要であるとの考えから、こうした状態を「人権文化」と表現し、目指すべきまちの姿を「人権文化いきつくまち」として掲げ、条例の名称にも使用することにしております。このようなまちの実現は、行政のみで達成し得るものではないことから、市民や事業者に連携、協力を求めるものでございます。以上

条例の目的として、人権文化いきづくまちづくり計画とそのための審議会をつくることとされています。これまでの「尼崎市人権教育・啓発推進基本計画」を練り直していく方向性から転換、新しい計画づくりを行おうとしているのですが、その理由とこれまであった計画の問題点、課題等が、総括され示されていなければならないと思います。

お尋ねします。今回の条例は、人権文化いきづくまちづくり計画と審議会をつくるための条例としているが、これまでの「尼崎市人権教育・啓発推進基本計画」に対する評価、総括をどのようにしているのでしょうか。

答弁

現在の「尼崎市人権教育・啓発推進基本計画」は、平成13年に策定し、平成22年に改定を行っておりますが、この計画に基づき、これまで様々な人権問題に関する教育・啓発や人権擁護への取組を推進してまいりました。しキ具体的には、インターネット」での差別書込みに対するモニタリング事業や、犯罪被害者支援事業など、多様化する人権問題への対応を図ってきたところでございます。しかしながら、先程ご答弁申し上げたとおり、依然として人権侵害事案が発生しており、また昨年度実施した市民意識調査の結果においても、市民の人権意識は必ずしも向上しているとは言えない状況でございます。一方、現在の基本計画は法令等に基づくものでなく、また各種施策の実施について意見を聞く「尼崎市人権教育・啓発推進懇話会」もその設置の根拠を要綱に置いております。こうした状況を踏まえ、条例を制定することにより、他の施策と同様に、懇話会を発展的に解消し、審議会の設置を条例に規定するとともに、次期計画を条例に位置付け、計画の策定に当たっては審議会からの意見聴取を義務付けるなど、施策の推進体制を明確にし、人権施策の更なる推進を図っていこうとするものです。以上

高校の教科書、東京書籍・現代社会では、「人権保障と個人の尊重」という項目で「人権が実際に保障されるためには、憲法が大きな役割を果たしている。憲法はおもな人権を規定し、それらの権利を政府が侵すことを禁止するとともに、権利保障のために政府が必要な施策を行うことを求めている」とあります。市の条例に対する説明文では、条例制定にあたって、「自分の人権のみならず、他人の人権についても理解と関心を深め、これを行動や態度に表していくことが必要です。私たちは、相互理解を深め、人権について学び続けなくてはなりません」と記述し、「市民の責務を設け、市が実施する人権施策に協力するよう努めなければなりません」とあります。これは尼崎市が市民各個人の生活態度・行為や学習にどんどん踏み込んでくるものとなっています。これは憲法に規定された基本的人権第19条「内心の自由」の侵害につながるものと考えます。市は何を根拠に、市民や事業者に責務を課そうとしているのでしょうか。市が行うべきは、市民への情報公開であり、人権が保障される条件整備に徹することです。人権が守られる環境をしっかり整え、人権保障のための具体的な施策に取り組むことのほうが大切であると思います。

お尋ねします。人権保障を個人の「行動や態度」に求めるのは、人権概念を誤って解釈しているのではないのか?責務がなぜ市民に課せられるのか?市の見解を求めます。

答弁

「(仮称)人権文化いきつくまちづくり条例」は、一人ひとりがかけがえのない存在であることが認められ、全ての人が生まれながらにして持っている普遍的な権利である人権が尊重されるまちの実現を目指すことを目的としております。人権が尊重され、保障されるために、まずは市が人権施策に取り組むことが必要であることから、本条例に1おいて人権施策の策定等を市の責務として規定等を市の責務として規定する予定でございます。しかしながら、先ほど申しましたように、本市において人権侵害の事案が生じている状況を踏まえますと、市の人権施策のみによって解決に至るものではございません。そのため、市民に「他者の人権を尊重すること」を求めるとともに、「人権意識の高揚」や「人権施策に関する理解と関心を深め、人権施策の推進を図ること」につきまして、協力を求めることも必要であると考えております。こうしたことを、市民の責務として規定しようとするもので、決して人権概念を誤って解釈しているものはございません。以上

次に市の条例解説には、国が定めた「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組みの推進に関する法律、部落差別の解消の推進に関する法律が制定され、これらの法に基づいて、地方公共団体においても地域の実情に応じた差別の解消を推進するための更なる取り組みが求められています。」とあります。すでに社会問題としては解決済みの部落問題がこの条例制定の動機になっている点について伺ってまいります。2016年に制定された部落差別の解消の推進に関する法律(以下部落差別解消推進法)は議員立法として提案されています。政府提案となっていないのは、すでに2002年に同和事業を終了させている国としては、この法律の制定理由がなかったと判断していたということです。ですから、部落差別解消推進法の審議の際、同和対策特別措置法も終結し、すでに特別な同和地域に対する施策は一般施策に移行させるとなっているにもかかわらず、今なぜ部落差別なのかということが大議論となっており、結果附帯決議がつけられてこの法が成立しています。

Q⑥お伺いします。部落差別解消推進法に附帯決議がなぜ設けられているのか、市はどのように考えていますか。

答弁

部落差別解消推進法におきましては、現在もなお部落差別が存在していると明記されており、地方自治体は、差別の解消を推進するため、地域の実情に応じた施策を講じるよう努めることとされております。同法に設けられた附帯決議におきましては、「過去の民間運動団体の行き過ぎた言動等、部落差別の解消を阻害していた要因を踏まえ、これに対する対策を講じることも併せて総合的に施策を実施すること」、「教育及び啓発を実施するに当たっては、新たな差別を生むことがないよう留意すること」、「実態に係る調査を実施するに当たっては、新たな差別を生むことがないよう留意すること」といった内容が盛り込まれております。こうした附帯決議は、これまでの取組における課題等を踏まえつつ、部落差別の解消を推進するための施策を行うにあたり、配慮すべき事項として付記されたものと認識しております。(以上)

部落差別解消推進法を審議した国会での議論では、部落差別の定義が定められていないこと、特別措置法のような財政出動がないなど、理念法にとどめられています。やるべき施策は「相談体制の充実、教育及び啓発、部落差別の実態に係る調査」とされており、地方自治体に条例の制定まで求めていません。

市は部落差別をどのように定義しているのですか?尼崎市における部落差別の実態をどのように捉えているのでしょうか?

答弁

部落差別につきましては、法律上の定義はございませんが、一般的に、部落とは日本社会の歴史的過程で形作られた身分差別により、差別待遇を受けてきた方々が集団的に住む地域として解されているところであり、こうした部落の出身であることを理由として差別を受けることであると考えております。本市における部落差別の実態につきましては、先ほど申しましたように、「部落差別の実態に関する調査」において複数の結婚差別事象が報告されており、またインターネットにおける差別書き込みや差別落書きにおいても部落差別事象が生じております。さらに、本市が昨年度実施いたしました市民意識調査におきましても、結婚や住宅選択に関して部落差別の意識が依然として残っていることが判明しており、部落差別が現実に存在し、意識の上でも今なお根強く残っている状況でございます。以上

以上で第1問を終わります。

 

2登壇

部落差別は他の人権にかかわる民族差別や障がい者差別とは、次元が異なる問題です。

女性差別、障害者差別、外国人差別などは、女性、障害、国籍という属性を理由に不利益な取り扱いをすることにあります。その解決のためには異なる属性を認めて尊重し、属性を不利益な取り扱いに結び付けないことが対策として求められます。属性が存在し続ける限り、対策も恒久的なものにならざるを得ません。

一方部落差別は身分階層構造に基づく差別であるが、現代社会には身分階層は存在しません、「部落」、部落民なる属性は存在しません。部落差別の解消は同じであるものを同じように取り扱うことでのみ実現できるという性質のものです。過去の同和対策立法がすべて時限法とされてきたのは、こうした認識を前提としています。

部落問題に対する私個人のかかわりを少し述べさせていただきます。

私が部落問題を初めて知ったのは、50年前でした。鹿児島の高校から尼崎の高校に転校してきた高校2年生16歳の時です。最初の友人が部落問題研究会の活動をしており、そこに誘われたのがきっかけでした。部落問題を知るにつけ、現代社会にこうした問題が残されていることに大きな衝撃を受けました。明治より以前の封建時代の身分制度に由来し、いわれもない部落差別のために進学、就職や結婚の際にはその機会を奪われ、部落差別ゆえに貧困の連鎖に陥っている現状を見るにつけ、不当な差別に我がことのように怒りを覚えたものでした。当時の未開放部落と言われた地域は、その狭い道と家々が立て込んだ密集を見るにつけ、劣悪な環境でした。道は雨が降るとぬかるみと化し、どこが入口だったか出口かわからなくなってしまう迷路でした、向こう側から来た人とすれ違うのに体が当たってしまいそうな細い道がいっぱいありました。しかしこのような環境は、50年も経つと今や一新、見た目で一般の地域との違いは全く判らなくなっています。

1969年の同和対策事業特別措置法が制定・施行されたことによって、大きく変わりました。

2002年まで33年間、全国では16兆円、兵庫県で1兆円を投じた同和対策事業によって、住環境、教育問題、就労や仕事などの格差は解消しました。そして2002年同和対策事業特別措置法は廃止され、一般施策への移行がはかられるようになりました。全国部落解放運動連合会が発展的に解消して全国人権運動総連合(仮称人権連)が結成され、『部落問題が解決された状態についての4つの指標』というものを提唱しています。①部落が生活環境や労働、教育などで周辺地区との格差が是正されること。②部落問題に対する非科学的認識や偏見に基づく言動がその地域社会で受け入れられない状況が作り出されること。③部落問題にかかわって、部落住民の生活態度・習慣にみられる歴史的後進性が克服されること。④地域社会で自由な社会的交流が進展し、連帯・融合が実現すること。私は、この4つの指標を、尼崎市においてはおおむね満たしていると思います。

 

部落差別を生みだす実態は今日的には解消されているとの認識を市は持っているのか?

今回の条例ではことさらに被差別部落出身者という用語を使用していますが、市民に同和地区があるという誤った認識や偏見を植え付けるという事になりませんか?市の見解を求めます。

答弁

同和対策事業特別措置法等に基づくこれまでの取組により、一定程度生活環境の改善や生活の向上が図られましたものの、1問目で申しましたように、部落差別に関する差別事象が生じており、現在もなお部落差別が存在しております。現在、法令等により同和地区として指定されている地域はございませんが、歴史的、社会的に周りから被差別部落として見られている地域は存在しておりますし、その地域とそこで暮らす人、その地域の出身者に対する差別は今もなお存在していることから、本条例案において、市が取り組むべき人権問題の一つとして記載しようとしているものでございます。以上

もう少し私の体験をお聞きください。高校時代、部落問題を歴史的にもしっかり学んで部落に対する正しい理解を得ていこうと、当時大変活発であった全国の研究集会にも出かけて行きました。顧問の先生に連れられて、結婚差別の糾弾会の場にも参加したこともありましたし、水平社宣言を著した西光万吉氏ゆかりの奈良のお寺を訪ねてからは「人の世に熱あれ、人間に光あれ」は私の座右の銘となりました。そして大学に進んでも私は、部落問題研究会の活動を続けました。その1973年に起こったのが部落解放同盟兵庫県連合会が誕生し、窓口一本化を求めて同年9月中旬から西宮市庁舎を約200日間にわたり占拠、市の幹部を監禁暴行した西宮市役所占拠事件をまのあたりにしました。大学では住井すゑさん原作の映画「橋のない川」の上映運動、狭山事件の石川一雄さんの救援活動にも取り組みました。しかしながらこうした活動に、絶えず差別的だと攻撃を加えてきたのが当時の解放同盟と解放研でした。1974年には八鹿高校事件が起こりました。八鹿高校の教員が拉致・監禁され、集団暴行を受け、負傷者が58名、うち13名が重傷者という事件が、兵庫県や教育委員会、警察の庇護のもとに解放同盟によって引き起こされました。その後の刑事裁判で1990年最高裁で有罪が確定、民事裁判で糾弾権なるものは実定法上何ら根拠のないもの、加害者は損害賠償を命じられ、1996年最高裁でも確定しています。部落解放運動の転機ともなった事件でした。ユーチューブで八鹿高校事件と検索をかければ事件の全容を知ることができます。ぜひとも皆さんもご覧いただきたいと思います。過去には同和行政については、不公正乱脈、特定の団体による窓口一本化の問題がありました。2002年、同和対策特別措置法が終結された以降、尼崎の同和行政はどうだったのでしょうか。市議会ではまだ国の施策が終了する以前から同和施策は一般施策へ移行させるべき、それが部落差別解決の近道であると主張して、2000年にも日本共産党の高橋ふじき議員が議会で追及してきていました。国の施策が終了した、2002年以降も同和保育所の保育料が一般の65%に設定されている問題や、総合センターや人権啓発協会のあり方について、また市営住宅の駐車場の管理問題等も党議員団の田村議員や早川議員、松村議員が、特別扱いすることなく、一般施策に移行させるべきと議会で追及を行ってきました。これらの問題についてはここでは深く取り上げませんが、2002年以降も本市では旧同和施策を引きずってきたことが、部落問題の解決に支障を与えたのではないかと私は思うのです。さらに今年に入って兵庫県下の市町には、その過半数を超える自治体に、特定の団体が部落差別解消推進法の具体化に向けた要請行動を行っています。尼崎市も5月にその要請がなされているということです。今回の条例制定で再び特別な施策が行われるのではないか、そうした懸念が持たれています。市は過去の同和行政をどのように捉えているのでしょうか?

市は2002年同和特別措置法が終結以降の、市の同和行政をどう評価しているのか?

答弁

先程ご答弁いたしましたとおり、本市における過去の同和行政につきましては、法に基づく取組の結果、一定程度生活環境の改善や生活の向上が図られたところでございます。法期限の到来に伴い、特別対策としての同和対策事業は終結いたしましたが、差別意識の解消など課題の解決には至っていないことから、一般施策により取組を行ってきたところでございます。なお、条例制定後におきましても、一般施策による取組を行い、特別対策としての取組の実施はいたしません。以上

今回の条例制定の理由として、インターネット上の差別問題が取り上げられています。インターネット上の差別問題等は、一握りの悪質な「意図的な行為」です。国民の「行動や態度」に歪曲して結び付けるのは誤りです。それをなくすのは、国や自治体や法務省関係機関の責任です。定期的なモニタリングの実施とプロバイダ責任制限法で対処することで対応すべきです。プロバイダや管理者へ削除要請する一方、悪質な書き込み等は法務局や警察等との連携を図り書いた人を判明させ事象によっては民事・刑事事件として告発することで解決可能です。

ネットに出ている差別問題は市民の責任なのでしょうか。この問題があるから差別意識が蔓延しているとみなす考え方は改めるべきです、市の見解を求めます?

答弁

インターネットは誰もが容易に情報を得られることから、正しい知識や理解がなければ、誤った情報を鵜呑みにしてしまう危険性がございます。また、情報発信も容易であることから、そうした誤った情報を自ら発信し、差別に加担してしまう恐れがあり、ひいては差別意識の助長・誘発を起こしかねない危険性も有しております。更に、インターネット上の情報は、一度発信されると完全に削除するのが難しく、拡散するという特性がございます。本市においては、インターネット上の差別書込みに対するモニタリング事業を実施し、削除要請を行い拡散防止に努めておりますが、全てを削除することは難しいことから、使う側、見る側である市民一人ひとりが、誤った情報に影響され、行動することのないよう、差別に関して正しい知識と理解を持つことが必要であると考えております。こうしたことから、本条例案においては、差別意識の助長・誘発を防ぐよう、人権意識の高揚に努めることを、市民の責務として規定するものでございます。以上

2018年10月に実施した市民の人権に関する意識の変化等を把握し、「尼崎市人権教育・啓発推進基本計画」の策定のための基礎資料とすること目的とした「人権についての市民意識調査」の項目には、ことさら部落を意識させる設問があります。外国人や性的マイノリティの友人の有無とともに、部落出身の友人の有無が聞かれ、親しくしているか、親しくしている人はいないか、わからないを選ばさせ、さらに身近に感じているかを5段階で聞いています。結婚についての質問で結婚相手が部落出身者、日本で生まれ育った在日韓国・朝鮮人、障害のある人だったら、どうするかとの設問があります。部落差別カッコ同和問題として、差別の有無、それを知ったきっかけは何だったのか。住宅選択で同和地区を避けるか?など多岐にわたって調査されています。

⑪201810月に実施した意識調査の項目には部落差別をことさら市民に意識させる項目が盛り込まれており、実態もない部落を温存させていくことにならないか、今後このような調査を続けていくのか?市の見解を求めます。

答弁

本市が昨年度実施しました「人権についての市民意識調査」におきましては、様々な人権問題に関する項目を設けておりますが、国において、いわゆる人権三法と呼ばれる「障害者差別解消法」、「ヘイトスピーチ解消法」、「部落差別解消推進法」が制定されたことを受け、特に「障害者」「在日韓国・朝鮮人」、「部落出身者」の人権問題について、詳しい設問を設け、市民意識の把握に努めたところでございます。この意識調査の結果においても、依然として結婚をはじめとした部落差別意識が解消されていないことが明らかになっておりますことから、引き続き市民意識の把握に努め、状況に応じた適切な啓発等を講じる必要があると考えております。(以上)

以上で第2問を終わります。

第3登壇

答弁いただきましたが、私たち市議団と市の見解が大きく異なるところです。議論を今後とも大いに尽くしていかなければならないと思います。議員団はこの人権問題について、全戸ビラを用意しています。さらに人権シンポジウムを年明けの1月18日午後2時からハーティ21で開催します。是非とも会派の違い、思想信条の違いをのりこえて大いに議論しようではありませんか。最後は意見、要望にとどめます。

まとめ

本当に「人権文化いきづくまちづくり条例」案、理念条例が必要なのか?様々な懸念があります。新たな「人権文化いきづくまちづくり計画」をつくる必要性があるのか。そのための審議会を設置することが、部落差別を固定化させることにつながるのではないのか。他の人権とは異次元の部落差別を他の人権問題と同列に扱っているのは大問題です。部落問題の解決策は、社会の成長と発展の中で自然に解決をはかるべきものです。取り立てて部落差別がまだ残されているという事を強調することは、新たに旧同和地域の存在をクローズアップさせることにつながるもので、真の部落問題の解決にはならないと考えます。また憲法との関係から市民の責務の条項を入れることは問題です。市民の責務を強調しているのは、その背景には政府の考え方が色濃く反映しています。人権問題が生じているのは、人権尊重の理念についての正しい理解やこれを実践する態度が未だ国民の中に十分に定着していないこととし、人権問題を国民の理解や態度、つまり心がけの問題としています。市民の責務を強調し、挙句の果てには市の人権施策に協力する義務を負うとまでしています。国民に責務があるなどという考え方は行政の側の勝手な解釈です。国民の内心の自由を踏みにじるものです。部落差別の解消は市民の間で自然に解決していく方向にこそ転換するべきです。また、「人権文化いきづくまちづくり条例」案は、人権問題に市がどう向き合うのかが問われています、これまでの延長線上ではなく、憲法問題でもあることをとらえて、様々な人権が守られ保障される、具体的な施策こそ実行する市政にしていかなければならないと思います。以上で、私のすべての質問を終わります。