2020年2.3月議会 川崎議員の代表質疑と当局答弁要旨です

2020年2月川崎議員の代表質疑です。  

こんにちは。川崎敏美です。日本共産党議員団を代表して、施政方針、予算案と関連議案にたいし代表質疑を行います。

はじめに、新型コロナウイルス対策として感染拡大防止策に、市長、教育長をはじめ学校関係者、市職員のみなさんが日夜全力をあげていることに敬意を表し、感謝を申し上げます。

【市民の経済環境】

日本経済2020年度の見通しは、いろんな数値が示すように先行き不安、経済低迷状況が続くであろうと予測されています。

 内閣府が発表した昨年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価上昇分を差し引いた実質成長率が、前期(7~9月期)に比べ1・6%低下しました。年率に換算すると6・3%ものマイナスで、事前の民間の予測を上回る落ち込みです。安倍晋三政権が強行した10月1日からの消費税率の10%への引き上げが、家計も経済も直撃しているためです。GDPのマイナス成長は5四半期(15か月)ぶりで、日本経済が消費税の増税後、新たな消費不況に突入したことを示しています。

実質経済成長率の大幅なマイナスは、消費税増税が日本経済にとって大打撃になっていることを浮き彫りにしています。米中貿易紛争の影響などを受けた輸出の低迷に加えて、消費税増税前の7~9月期が前期に比べ0・1%の伸びと、増税前の駆け込み需要がほとんど見られなかったのに照らしても、増税後の落ち込みはきわめて大きなものがあります。

 消費税増税後、政府や民間が発表した経済指標で見ても、家計の消費支出は、昨年12月前年同月比で4・8%もの大幅下落、勤労者の実質賃金も昨年12月0・9%のマイナス、内閣府の景気動向指数も5カ月連続で「悪化」という判断になりました。

 安倍政権は消費税の増税に合わせて、複数税率の導入やキャッシュレス決済へのポイント還元などの「十二分の対策」を取ると宣伝しました。しかしその効果がなかったことは、一連の経済指標、とりわけ最も基本的なGDPの大幅な低下で明らかです。

 こうした経済情勢に加えて、新コロナウイルスによる経済に与える先行き不安を考えると、今後の市民を取り巻く経済環境は大変深刻なものがあると予測されます。

 

1.お尋ねします。こうした経済情勢のもと市長は市民をとりまく経済環境をどのように認識され、新年度予算の編成にどのように反映されているのでしょうか?

 答弁要旨

当初予算について申し上げますと、個人市民税における納税義務者数及び納税義務者1人あたりの給与収入は増加となり、また、生活保護扶助費は、被保護者数・世帯数ともに減少傾向となっているものの、法人市民税においては、米中の貿易摩擦に伴う世界経済の減速などを想定し、一定の減額を見込んでいました。さらには、今般の新型コロナウイルス感染症が社会経済環境に与える影響は本市の財政運営においても大きな懸念となっているところです。

今後におきましても、国内外の経済情勢はもとより、市内企業及び市民の皆様の状況を的確に把握しながら、本市として適宜適切な対応に努めてまいります。以上

 【市の財政】

現在、市の財政規律は未来につなぐプロジェクトを頂点として決まっています。市は、他市に比べて公債費が多い、そのため2022年度までに将来負担の目標管理対象分を交付税措置を加味して1,100億円以下まで引き下げることを目標としています。つまりは将来の公債負担割合をいかに減らすかが第一優先課題とされています。このことは地方自治法の本旨である「住民福祉の向上」を最優先するという考え方を後方に追いやっています。

 財政公債比率を他市や中核市と比較して見ることは、現在の尼崎市の財政状況を知るうえでの目安ではあると思います。しかし市民に対して、他市より健全性が劣っているのだと、財政出動をできるだけ抑え込んでいく口実として喧伝されている、という側面も生まれているのではないでしょうか。

 市の財政は、赤字再建団体に転落するような状況から脱したといわれて、もう何年が経つのでしょうか、市民がくらしのための施策を要望したとしても、「厳しい財政事情の下で実施できません」という言葉が飛び交います。

また、予算編成上のポイントとして、「将来負担の抑制」として、交付税措置を重視した市債の活用が掲げられています。交付税措置が厚いということは、ひるがえって国の政策に誘導される市政運営をしていくということです。そうなれば市が独自に抱えている課題をこれまた先送りにしてしまうということになります。

市民が求めているのは、財政再建も大切であるが、他市よりも立ち遅れている住民福祉の向上であり、国が交付金で誘導する政策を続けるのではなく、市民にとってより必要な暮らし優先の財政運営です。

2、未来につなぐプロジェクトの目標1,100億円以下にこだわらない予算編成にすることを求めますがいかがでしょうか

答弁要旨

プロジェクトで「目標管理対象将来負担」の数値目標を掲げているのは、本市特有の市債残高の多さが、その返済である公債費の多さとなって財政収支を圧迫し、住民福祉のための政策的な事業を行う余力を奪っているからです.ましてや、支える側の人口が減少し、社会保障関連経費が増加する時代を迎えるにあたっては、将来の歳出を増加させる要因となる「将来負担」の削減を通じ、財政構造の硬直性を解消しなければなりません。今後におきましても、プロジェクトに掲げる財政目標の達成に向け、投資的事業の調整と市債の早期償還等のさらなる取組を推進してまいります。以上

【子ども子育て支援の充実】

尼崎市は2009年12月に尼崎市子ども育ち支援条例を制定しています。その前文には、「大人が子どもにかかわるときは、子ども一人一人が尊厳のあるかけがえのない存在であることを深く認識し」とあり、そして「ここに、私たちは、子どもの人権を尊重することを基本として子どもの育ちを地域社会全体で支えることにより、すべての子どもが健やかに育つ社会の実現を目指すことを決意し、この条例を制定します。」とあります。

 私たちはこのことを深く心にとどめておくべきだと考えます。そうした思いから改めて尼崎市の子育て支援策について、具体的にお聞きしてまいります。

 昨年10月から1号2号認定の子どもたちの保育料が無償化されました。それに伴い副食費の有料化や認可外保育施設にも公費が投入されるようになりました。

その狙いは消費税の引き上げによる財源を活用し、生涯にわたる人格形成やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性と、子育てや教育にかかる費用負担の軽減を図るとあります。
 しかし保護者の負担の軽減で言えば、より負担感の大きい乳児0、1、2歳は対象にはならず、住民税非課税世帯のみが無料となっています。3歳以上児についても認定を受けても入る施設がなければ無償化の対象にはなりません。
 保育制度の発足以来「食は保育の一環」として公定価格の中の事業費に副食費が含まれていましたが、今回の「無償化」により、副食材費が公定価格から外され、主食費とともに保護者から徴収することになりました。
 さらに公立保育所については、4月からの無償化の財源を自治体が全額負担することになるので、統廃合や民営化がさらに全国的に進むのではないかと危惧されるところです。

また無償化の対象施設が基準を満たさない認可外施設やファミリーサポート事業にまで拡大されたことは、保育の質の確保や子どもたちの命と安全を守る観点からは、矛盾を大きくしています。そうした中、自治体によっては、独自で副食材費の無償化や負担軽減の補助を行うところも出てきています。

認可外保育施設についても、国は指導監督基準を設けていますが5年間の猶予期間が与えられています。実際の条例化で、指導監督基準を満たしていない施設を無償化の対象から外すことが可能なことから、条例化を進める自治体もあります。昨年の12月議会で本市で議員提案の条例が制定されなかったのは残念なことでした。

今回新たに無償化の対象になった認可外保育施設に対する指導監督基準は、保育士資格者は認可保育所の基準の3分の1程度で、保育に従事する者の3分の1、保育室の面積は乳幼児ともおおむね1人あたり1.65平方メートル以上であることが示されています。早期の基準達成が求められます。

3、無償化の対象施設なっている認可外保育施設に対して、市の指導強化が必要です。基準を達成していないところには早期の基準達成、また保育料の便乗値上げが行われないよう、どのような監督体制をとられるのでしょうか。市の見解は?

答弁要旨

本市ではこれまで認可外保育施設の質の向上の視点から年1回の指導監査を実施しておりますが、すべての施設が国の定める認可外保育施設指導監督基準を早期に満たすことができるよう適正な指導監査、必要な助言等を行ってまいります。また、本市の認可外保育施設では無償化の実施による保育料の便乗値上げは行われておりませんが、今後も引き続き確認するとともに、認可外保育施設が無償化の対象になったことを踏まえ、これまで小規模保育事業所に対し実施してきた巡回支援を認可外保育施設にも広げ、保育施設の質の維持・向上を促してまいります。以上

【保育所、児童ホームの待機児童対策について】

【保育所】

保育所の待機児数は2019年148人隠れ待機を含めると671人、2020年度は126人隠れ待機を含めると昨年同様の670人相当になるということです。

保育所の待機児対策として、近年小規模保育事業、企業主導型保育事業、そして無認可保育所の活用など、規制緩和とともに保育の市場化への動きが加速しています。保育は福祉であり、企業の儲けの対象とされることはあってはならないと思います。

保育所の待機児童対策は、規制緩和の方向ではなく、保育の質を確保した認可保育所の建設で対応、また保育士の処遇改善が不可欠です。公立保育所として残す計画である老朽化した杭瀬、次屋、武庫南の建て替え計画がいっこうに進みません。早期の建て替えを求める市民の要望に、市は代替え地がないとの一点張りです。本当にやる気があるのでしょうか。これらの建て替え計画をつくり、待機児童対策として、ゼロ歳児保育の拡充、定員の拡大を求めます。

4、待機児童対策として杭瀬、次屋、武庫南の公立保育所の計画的な建て替えがいっこうに進みません。いつまでこの老朽化した施設を放置するのでしょうか、早期の建て替えとともに、認可保育所の建設、保育士の思いきった処遇改善と合わせて実施すべきだと考えますが、市の考えは?

答弁要旨

杭瀬・次屋・武庫南の各保育所につきましては、築40年以上経過していることから、建替えの必要性は認識しておりますものの、現在、北難波及び武庫東保育所の建替えを進めており、第1次尼崎市公共施設マネジメント計画の中で、残る3保育所については、令和5年度以降の建替えを目指すこととしております。3所とも、現時点で用地の確保に目途が立っておりませんが、令和5年度以降の建替えを目指し、引き続き、検討を進めてまいります。また、認可保育所の設置は、本市の主要事業と位置付け、子ども子育て支援事業計画に基づき、認可保育所の新設を進めるとともに、保育士人材の確保と定着を図るための処遇改善策として「新卒保育士就労支援事業」、「奨学金返済支援事業」等に取り組んで参りました。これらに加え、来年度から、r潜在保育士就労支援事業」を実施するなど、引き続き、待機児童解消に向け総合的に取組を進めてまいります、以上。

【児童ホーム】

 子ども子育て支援制度の下で、2019年度までの5年間で国基準の学童保育の制度を整える計画だったのではないでしょうか。尼崎で最も重要な施策の一つが定員数の問題です、60人定員を国基準の40人定員をめざすという目標について、その達成率はどうなっているのでしょうか?2020年度の募集でも40人を超えている児童ホームは人数が確定していませんが、およそで41カ所中、31カ所を超えています。この計画が実現できていたなら、待機児童問題は解決できていたと思います。  

市の2019年度の待機児童対策は、60人定員の児童ホームの定員数の弾力的運用で70人を設定し、難波、立花南、杭瀬、浜、立花西、名和、武庫東、武庫庄の8つの児童ホームが実施されています。国基準に反して大規模化していくことは問題です。まずは余裕教室を活用した40人定員の部屋を確保していくべきです。

また待機児童対策として、民間の学童保育の活用が第一にうたわれていますが、2019年度の実績はわずか6人です。この人数の利用者では民間の学童保育への支援策は「有効な待機児童対策になっていません。そして今年度の施策でも民間学童保育の施設に対する家賃の一部補助を行い、その予算は4500万円となっています。大した効果を生み出さない民間の学童保育施設に補助金を出すより、学校の余裕教室を児童ホームに改修するための予算は約1千万円でできるのですから、政策転換が必要です。

5、待機児童対策としても、児童ホームの1部屋40人定員を計画的に実施していく考えはあるのでしょうか?

答弁要旨

児童ホームの集団の規模につきましては、厚生労働省令に基づき、本市条例におきまして、40人定員を基本としているところです。しかしながら、「子ども・子育て支援新制度」実施前に整備した60人定員の施設につきましては、整備に係る用地の確保のほか、財源の課題もあり、また現時点では、待機児童の解消という問題もあることから、本市条例において、経過措置の規定を設けているところです。待機児童が発生している現状もあり、従前の60人定員及び暫定措置による70人の受け入れによる運営を行っているところもありますが、「子ども・子育て支援新制度」実施後に施設整備を行うにあたっては、40人定員としております。以上

【子どもクラブ】

2020年度より全校一斉で子どもクラブでの夏休みなどの昼食、弁当持参を認める対策が講じられます。前年度のモデル事業段階での実施では職員の体制が整っていない中で、職員が昼休憩をとることができなかったとかの問題があったということを聞いています。どのような検証がなされて、全面実施となったのでしょうか。市はニーズがあったからと答えていますが、他の市民ニーズよりも優先して行う必要性が示されていません。

今年度の実施は、シルバー人材センターに委託するとのことですが、子どもクラブには待機となっている子どもたちも含まれており、十分な対応が可能なのでしょうか?嘱託労組からの同意は得られているのでしょうか?

 さらに児童ホームと子どもクラブの明確な区別を行うことを、以前一般質問で確認しています。児童ホームは生活の場、こどもクラブは遊びの場としての位置づけを市は行っており、留守家庭児童対策としての児童ホームの役割を重視しているということでした。

6、子どもクラブは無料で、児童ホームは有料、昼食が食べられるとなれば、夏休みでも生活の場が必要とされている児童ホームの留守家庭の子どもたちを子どもクラブに誘導する施策となるのではないかとの懸念があります。市はどう考えますか?

答弁要旨

こどもクラブにおける夏季休業期間の昼食時間帯の開室につきましては、期間限定で、かつ保護者のニーズが高いことから実施するもので、市として、留守家庭児童をこどもクラブに誘導するものではありません。以上

【子どもの医療】

 ファミリー世帯の定住促進のために、兵庫県下でも遅れている、所得制限なしでの子どもの医療費の無料化の制度の実施は、尼崎市の喫緊の課題です

7、子どもの医療費の無料化の制度は、ファミリー世帯の定住促進のために、今こそ実現すべき施策だと考えます。中学卒業までの医療費無料化を所得制限なしで実施する取り組みを,段階的に拡充して行う、またいつまでにやるのか時期を明確にすべきです。市の考えを?

答弁要旨

子どもに係る医療費助成は、子育て家庭を支援する施策の一つとして実施しており、昨年7月からは、限られた予算の中、持続可能な制度として、就学前児に係る所得制限を撤廃したところです。現在、制度拡充による利用状況の分析を進めており、また、今年1月に実施した、転入・転出を行ったファミリー世帯などを対象としたアンケート調査の結果についても、今後、分析を進めてまいります。子どもの医療費助成の更なる拡充については、こうした分析結果を踏まえるとともに財政状況を見通す中で、全庁的な財源調整が必要となりますことから、現時点でその実施時期などをお示しすることは困難です。以上

【公共施設のあり方、FM計画】

 公共施設のファシリティマネジメント、いわゆる再編・再配置計画は当初から、今後35年間(2014年~2048年)で30%の削減がうたわれていました。

モーターボートの改修計画の結果、面積は全体の約10%の5,364㎡の削減が行われています。しかし新たに駐車場や駐輪場が作られるため、実質的な面積減は全体の10%に及びません。削減計画の30%を平均的に削減しようとすればまだ10,000㎡ほど面積を削減しなければなりませんが、ここでは減らすことができず、その分は他の公共施設で減らしていこうということになってしまいます。競艇場の面積を計画の母数に加えることは検討しなおすべきです。

計画を先に数字ありきで進めるのではなく、地域や市民の要望に沿った取り組みにしていくべきであるとの意見が地域にあります。一定の収入が見込まれるモーターボート競艇場や市営住宅の面積は、公共施設の面積から除いて検討されるべきであると、共産党議員団もこれまで主張してきました。

8、公共施設の量的な目標の見直しを検討する考えはありませんか?

答弁要旨

公共施設は、設置目的や、利用状況、運営形態など様々であることから、公共施設マネジメントの取組を進めるにあたりましては、一律の削減を行うのではなく、可能な限りサービス水準の低下をきたさないよう、丁寧に意見聴取等を行いながら進めていくこととしています。公共施設マネジメントの取組は長期に渡る計画であることから、社会情勢の変化等へ対応していくことも必要だと認識しておりますが、少なくとも、現時点において、面積の削減目標を見直す考えはございません。以上

〇地域総合センターはどのように位置づけられ、今後のあり方はどこで議論されていくのか?また現状市の貸館の制度がある公共施設の中で、他と違う休館日の設定がなされています

9、地域総合センターはどのように位置づけられ、今後のあり方はどこで議論されていくのか?

現状市の貸館の制度がある公共施設の中で、おおむね週休2日制で実施されているのはどうしてか?

答弁要旨

地域総合センターは、設置及び管理に関する条例におきまして「地域住民をはじめとする市民相互の交流の促進及び人権啓発意識の普及高揚を図り、もって市民福祉の向上に寄与するためのコミュニティの拠点となる施設」として位置付けております。また、施設のあり方に関しましては、現在、平成25年に策定した「総合センターの今後のあり方」に基づいておりますが、今後、そのあり方について検討する場合には、付属機関である地域総合センター運営審議会などで議論する予定としています。

なお、休館日につきましては、週休2日制ではなく、日曜日及び第2・第4土曜日以外の土曜日としており、必要があれば臨時開館もしております。以上

以上で第1問を終わります。

第2登壇

【国保料】

国保の利用者と他のけんぽ加入者との間では、保険料負担の格差が生まれています。特に協会けんぽ加入者との比較では、年収400万円子ども2人の4人家族の場合、保険料の負担額は協会けんぽ加入者は20万円、国保は42万円にも及んでおり、2倍以上の格差となっています。

国保には他にはない人頭税のような均等割りという制度上の問題があります。全国市長会が、国に対して国庫負担1兆円を投じることを求めています。同時に市独自でも国保料の引き下げに努力すべきです。均等割りは一人当たり年、3万6千円、理不尽なものです。子どもの均等割りを減免することは、子育て支援にもなり、多くの市民が待望しています。

国保会計が県に広域化され、市は県下一律の保険料となることを見通し、来年度より特別減免以外の法定外繰り入れをやめて、基金で対応するとしていますが、何年先になるかはわかりません。基金は利用者から徴収して蓄積されたものであり、本来は利用者に還元されるべきものであり、一般会計からの繰り入れをやめるために基金を活用するやり方には問題があると考えます。

 

10、国保会計への一般会計からの繰り入れを継続し、特に均等割りの子どもの分に係るものの減免策として基金の活用を行うべきです。このような国保料の引き下げを行う考えはありませんか?

答弁要旨

国民健康保険事業基金は、保険料を中心とする決算剰余金が原資となっていることから、被保険者に還元することが必要であると考えており、令和2年度においては、保険料の上昇抑制及び減免に係る財源として約9億円を活用する予定としております。このうち、保険料の減免に係る基金の活用につきましては、今後、県下で減免制度が統一され財源が保険料となることを見据え、失業・廃業などの一般的な減免措置については、一般会計からの繰入れではなく、基金にて実施することとしたものです。また、子どもの均等割に係る減免につきましては、本市の独自減免のあり方などと合わせて検討してまいりましたが、現在実施しております特別減免が、多人数世帯の負担緩和に寄与していることや、県下の減免制度の統一により、短期的な措置となることが見込まれ、システム改修にも時間と経費を要することなどから、実施を見送ることといたしました。いずれにいたしましても、基金の活用につきましては、国民健康保険事業の健全運営を図るため、今後とも適切に行ってまいります。以上

【障害者】

 グループホームの障がい者が土日祝日など自宅に帰った時、家から外出する際の移動支援が在宅ケアとされて、移動支援が認められておらず、家族に負担がのしかかっています。特に近年では障がい者とともに保護者である親もさらに高齢化して、家族だけでは対応することができず、ヘルパーを依頼したりして金銭的な負担も多くなり悲鳴をあげているといった実態となっています。尼崎市も支援制度がある西宮に倣って対策を講ずるべきではないでしょうか。

11、グループホームの障がい者が土日祝日など自宅に帰った時、家から外出する際の移動支援が在宅ケアとされて、尼崎市ではサービス利用が認められておらず、家族に負担がのしかかっています。支援制度の西宮なみの実施を求めます。市の見解は?

答弁要旨

グループホームは、「地域生活を営む障害者の住居」という位置付けであることから、その利用者が移動支援を利用する場合、当該ホームをご本人の自宅とした上で移動支援の利用を認めていますが、親元など帰省先からの利用は認めていません。移動支援の支給時間に上限を設けていない本市と異なり、西宮市では、上限を設ける中で;ご指摘の運用を行っていることは認識しています。このように運用面での違いはありますが、今後も利用者支援の観点からより、使いやすい制度になるよう利用者のみなさまと一緒に検討していきます。以上

【業務執行体制の見直しアウトソーシングの検証】

今後とも少子高齢化がなお一層進んでいくなかで、今後の増加、多様化する行政需要に対応するため、市は業務執行体制の見直しを実施しています。これまでの業務を見直し効率化を図りつつ、民間で対応できるとされるところはアウトソーシングを実施、そこで生じる人員を行政の役割が増える部署に重点的に配置していく計画を実施しています。すでに戸籍や印鑑証明などを扱う本庁の市民課窓口やサービスセンター、昨年からは上下水道の各種業務、道路維持などが実施されています。また指定管理制度で図書館、市営住宅や生涯学習プラザなど公共施設の維持管理が民間に委ねられています。

これまでも偽装請負、市職員のスキルや市民サービスの低下問題など、何度も指摘してきました。特に災害時の対応がどうなるのかは深刻な問題です。

  • 市民課窓口の委託先が変わります。委託業者のパソナが他都市で不正を行ったことによる改善策だと受けとっていたのですが、市役所職員労働組合にお話を伺ったところ、様々な問題点が浮上してきました。パソナに業務に習熟した人員が確保できていないことから、人数をかけてマンパワーで対応せざるを得なくなっていた。だから人件費の上乗せを求めるパソナと市が折り合わず、今回は撤退したのではないかとのことでした。

 またパソナの業務管理が遅れて業務時間内に仕事が終わらない問題もあったということです。その結果、業務進行上の市民課の前処理が終わっていないから、後処理をする部署に決裁文書の送達が遅れて、他の部署の残業時間も増えていくといった事態が生じているということでした。

 つまり市民課窓口の民間委託は、直営であった時と明らかに後退している、市民サービスの低下や業務時間が増加して人件費が高騰するという問題があったということです。

  • ゴミ収集車の直営割合を減らしていく問題

 ゴミ収集について、職員労働組合は、高齢者の見守り活動の提案を行っているとのことでした。あらかじめ一人でごみの収集場所にごみを持っていけない高齢者を登録して、ふれあい収集など積極的に実施していきたいとの考えを示しています。

 それにもかかわらず、市は直営の比率を2018年の52%から、19年は35%、そして20年度は24%にまで引き下げ、アウトソーシングをさらに加速させようとしています。

 2年前の強風をともなった台風被害に襲われた時、膨大なゴミの処理をしたのは、直営の力でした。かなり以前のことだったかもしれませんが、委託先の民間事業者がごみ収集が突然できなくなった時、直営の職員が代わりに業務を行い事なきを得たことあったということ、労働組合の方から聞いています。市は、今後もそのようなことが起こらないと想定されていないのでしょうか。今度の直営の比率を下げ、更なるアウトソーシングの推進は、理解できません。直営であったからこそできた対応力がますます失われてしまいます。

  • クリーンセンターの委託問題でも、建て替え計画では事業運営方式がDBO(公設民営)方式となっているが、業者の見積もりが組合の側で試算した数字よりも安価となっており、適正なものであるのか、将来的にこうした金額では業務が果たして遂行できるのか危ぶまれるとの意見を聞いています。

12、市はゴミ収集車の直営割合を減らしていくことや、クリーンセンターの委託についてどのようなチェックをしているのか、業務が適正に行われているか事後の検証をしっかり行い、問題があるところは大胆な見直しを行うべきであると考えるが市の見解を求めます?

答弁要旨

一般廃棄物の収集、運搬、処分につきましては、市民生活に必要不可欠な公共性の高い業務であり、それらの更なる委託に当たりましては、経済性、安定性、継続性を兼ね備えた実施体制の確保のみならず、「危機管理体制の構築」や「職員による技術の伝承」も視野に入れながら検討を進めているところです。また、委託業者が日々行う業務につきましては、その適正実施について検証するため、より一層充実した管理・監督が可能な体制を構築してまいります。以上

【中小企業支援策について】

 市の中小企業に対する融資支援策がなかなか実効性がありません。その原因について市はどのように考えているのでしょうか。

13、昨年10月からの消費税増税や新型コロナウイルス問題により、多くの中小企業は売り上げ減少に陥っています。対策として利息や保証料を一部補助し、返済期間の猶予を設けた特別融資を創設すべきではないか。また中小企業融資の新規受付けは継続すべきではないか

答弁要旨

消費税率改定や今般の新型コロナウイルス感染症による中小企業への支援につきましては、既に、関係機関との連携のもと、経営相談窓口の設置及びセーフティネット保証認定など適切な対応策を講じており、ご指摘の金融支援につきましては、今後、資金繰りの円滑化に向けた新たな支援策の検討を進めてまいります。次に、本市融資制度につきましては、利用者の利便性及び制度の効果的かつ効率的な運用の観点から、県有志制度への一元化を行うものです。新規融資受付についても、利用者の利便性を損ねることのないよう県融資制度へ誘導し、中小企業の事業継続力の強化に向けた取組を進めてまいります。なお、今年度内については、本市融資制度にて適切に対応してまいります。(以上)

【住宅リフォーム助成制度】

住宅リフォーム助成制度は、市民がすまいの増改築を市内の業者を活用して行う場合に、工事費の一部を助成するものです。そして住環境の改善や、市内業者が工事を受注することにより、地域経済の振興につなげていくものです。
 全国商工新聞の2018年リフォーム助成制度に対する自治体調査では、全国でも年々増えてきています。住宅は573、店舗は107の自治体で実施されています。

兵庫県下でも、住宅に対するものが西宮、宝塚、明石市など7市6町の自治体で実施されています。

産業連関表を使って試算された経済波及効果は補助金の20倍以上との報告もあり、地域経済活性化の起爆剤となってきています。
 市民の住宅リフォーム助成制度創設の要求に対して、市は「リフォーム自体の総需要の増加にはつながるとは考えにくく、地域産業全体に及ぼす効果は限定的なものである」と答えています。

しかし市は、2018年7月からは空き家利活用政策の一環として、子育てファミリー世帯や新婚世帯が、市内の空き家の戸建て住宅を取得し、改修工事を行う場合に工事に要する費用の一部を補助する事業や、空き家エコリフォーム補助事業を実施しています。しかしこれらの補助制度は限定的で、市民のニーズにも見合わない、結果応募件数も少なく年ごとの予算も減らし続けています。

14、今だからこそ景気刺激策としても空き家やエコの住宅リフォームに限定しない、すべての住宅リフォームを対象にした、住宅、店舗、空き家、などへのリフォーム助成制度を実施すべきではないか、補助制度の創設を。

答弁要旨

「住宅リフォーム助成制度」につきましては、対象工事業者を市内事業者に限定することや、助成金額の条件設定を行うことで、一定の経済効果が発生するものと考えますが、リフォーム需要の前倒し効果はあるものの、リフォーム自体の総需要の増加につながるとは考えにくく、地域経済全体に及ぼす効果は限定的であると認識しております。以上

【住宅政策について】   

 政府が「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠」と定めた最低居住面積水準を満たさない住宅のうち約8割が民間借家です。家賃負担が収入の30%を超える世帯の割合は東京都39・7%、大阪府38・5%にのぼるなど、高家賃に圧迫されている世帯は多数です。住宅に困窮する低額所得者に低家賃で貸す公営住宅は、2008年の約208万戸から18年には約192万戸へ16万戸余も減っています。「住まいの貧困」を打開するためにも低廉家賃の住宅提供、公営住宅拡充などが急がれます。「住まいは人権」の立場に立つ政策への転換が求められています。

尼崎市では、2016年の市営住宅立替等基本計画で今後市営住宅を、2014年の管理戸数10,887戸から2035年までに9,255戸まで程度削減する計画をすすめています。

しかし近年、高齢単身者や障がい者、低所得者にとっては、家賃が高い、バリアフリーの住宅環境が整っていないことから、安心して入居できる住宅が得られにくくなっており、大変深刻な状況が生まれています。市は公営住宅のあり方を見直し、高齢者、身障者が安心して住める住宅を整備すべきだと考えます。

15、高齢単身者や障がい者にとっては入居できる住宅が得られにくくなっており、そのための住宅制度を拡充すべきです。市営住宅建て替え計画を改め、市営住宅の整備、戸数を増やすべきです。市の考えは?

答弁要旨

高齢者や障害者が入居しやすい住宅については、民間賃貸住宅、公営住宅等の両方を活用した取組を進めていく必要があると考えております。そうした中、市営住宅については、尼崎市営住宅建替等基本計画において、耐震性に課題がある市営住宅の耐震化を進めるため、建替え、耐震改修及び廃止等を計画的に行うこととしております。また、本市の市営住宅は、類似都市と比較して多くの管理戸数を有しているため、将来にわたる財政負担の点から、建替えや廃止により管理戸数の削減を図ることとしておりますが、建替え後の住宅は全てバリアフリーちゅうそうかたろうかがた化され、加えて、既存の中層片廊下型住宅へのエレベーター設置も進めており、整備前に比べて、高齢者や障害者にも住みやすい住戸は増えることとなりますので、そうした取組を着実に進めることにより、高齢者や障害者にも住みやすい市営住宅になるものと考えております。以上

【教育問題について】

学校でのいじめ対策について

先日毎日新聞の報道と文教委員会(2月27日)の協議会案件で、また新たないじめ問題が発生していることを知りました。新しい事案に対して、真偽かどうか、関係者のプライバシー問題もあって、詳細な報告が出るまで、静かに見守るしかないのでしょうか。ものが言えない雰囲気と感じているのは私だけとは思われません。

教育委員会がいじめの事実確認を行い、重大事案として認定してから、弁護士などの第三者に調査依頼などの手順を踏んでいかなければならないということわかります。しかし、問題発生から数か月も経過してしまい、被害者や関係者が個々に抱える問題が直接的に解決されず、結果、時間がたちすぎて真の問題解決には至らず、いじめの事案自体も当事者以外は忘れ去られてしまう、そのような危機感を感じています。

いじめは人権侵害であるという認識を教職員をはじめ、周りの大人、生徒たちが共有しているのか、問題が起こったときに教職員だけにとどまらず周りの大人たちがどう対応するのか、大きな課題です。

いじめ問題に関してはストップイットなど様々な手立て、対策が講じられていると思いますが、今回も機能したとは言えない状況ではないでしょうか。

いじめ問題を人権問題ととらえ、その対策には青少年局もかかわるべきではないでしょうか。以前議会で私は世田谷区の取り組み、人権擁護の観点から取り組まれている「世田ホット」を紹介しました。尼崎市ならではのスピード感のある独自の取り組みを求めたいと思います。

16、いじめは人権侵害であるという認識をもち、問題が発生した時点でどのように対応すべきか、対応策について徹底すべきだと考えるがどうか?

答弁要旨

教育委員会といたしましては、いじめは個人の人格を傷つけ、将来の成長にも深刻な影響を与える著しい人権侵害であると捉えており、いじめの未然防止に加え、早期発見と組織的な対応をしなければならないと認識しております。

全ての学校において、「いじめ防止基本方針」を作成し、事案が発生した時の対応の仕方をフロー図で示す等、速やかな対応を組織的に行うとともに、被害者の心情に寄り添った対応となるよう、教育委員会からも、指導を行っているところです。学校現場が、問題を早期に発見・認識するための意識改革も含め、いじめの感度向上に向けた各種取組をさらに強化し、仮に問題が発生した際1:は、被害者に寄り添った対応ができるよう、常に緊張感をもって、学校にもきめ細やかな指導・支援を行っていきたいと考えています。以上

【総合的な治水対策】

 武庫地区の雨水貯留管の計画変更の基本的な考えが示されています。発進立て坑は武庫之荘総合高校の敷地内から、到達立て坑はシールドマシンを地中に残置させることによってつくらず行うものとなっています。これらの説明会が開始されるということですが、対象はまたしても工事を行う周辺だけとしているようです。私たちが以前から主張しているように、事業実施は下水道課が担っているからと、担当部局に住民に対する説明を担わせるのは問題があります。

 住民側はこの2年余りの中で、担当課からの説明を何度も聞いて、これは単に地域に貯留管をつくるだけの問題ではないと考えるようになってきています。武庫川が氾濫したらどうなるのか、集中豪雨の時の内水浸水対策はどうするのか、総合的な治水対策がどうなっているのかを突き詰めて考えなければならないとなっています。貯留管をつくるだけの工事だけの問題としての、市の対応は改めるべきです。県や流域事務所との連携、ひいては危機管理局がどのような防災対策を考えているのか、積極的に地域に出かけて説明すべきだと考えます。

17総合治水対策として、校庭・公園貯留や雨水貯留管のあり方、その他の対策について、危機管理局が横断的に取り組み、国や県の流域事務所との連携を進めるとともに、市民に対する説明・啓発に積極的に取り組むべきだと考えるが、市の見解は?

答弁要旨

総合治水対策につきましては、さきほども答弁いたしましたとおり、『ながす』、『ためる』、『そなえる』の3つの対策を組み合わせることを基本として、国・県・市において連携しながら取り組んでいます。そのようななか、本市としましては、都市整備局土木部長を座長とする「尼崎市総合治水対策庁内連絡調整会議」を設置し、危機管理局災害対策課長を含めた関係各課の連絡、調整を図り、庁内一体となって総合治水対策の取組みを進めているところです。また、市民への説明・啓発については、『そなえる』対策の一つとして、出前講座や防災訓練等などにより進めているところですが、治水にかかる各個別事業の説明会等の場におきましても、本市における総合治水全体の取組方針をお伝えできるよう意を用いてまいります。以上

以上で私の代表質疑のすべての質問を終わります。(第2問をおわります。)

残余の質疑は会派議員が予算委員会、分科会、総括質疑で行います。

第3登壇

ここでは意見要望を述べます。

 

意見・要望

 

 特に公共施設の再編、ファシリティマネージメントについて提案します。 

 公共施設は再編、本旨では結果的に30%削減ということになっています。

人口が減少するから➡公共施設の統廃合を進める、

公共施設の統廃合は➡住民の生活が不便になる➡人口減少の悪循環に陥る

使いやすさ、アクセスがしやすいことを住民は望んでいます。公共施設のあり方は施設レベルだけで判断するのではなく、地域ごとのまとまり、まちづくりとの関係で考えるべきで、この点で市が進める公共施設の再編計画はまちづくりという観点が欠落しているのではないでしょうか。

より良い住民が安心して住み続けることができるまちづくりについて、今後も大いに議論していきたいと提案しまして、

代表質疑を終わります。

残余の質疑は会派議員が予算委員会、分科会、総括質疑で行います。