辻おさむ市政レポートNo.185(2012.6.27.)
日本共産党尼崎市会議員 辻 おさむ
■辻おさむ市政レポートNo.185はこちら(PDFファイル)
国旗掲揚強制条例 「愛国心」強要もちこむ暴挙
・否決された修正案の復活 「多数さえ取れれば」の論理
・最大の問題 「愛国心の強制」は修正されない
・修正案の特徴 問題点
辻おさむ市政レポートNo.185(2012.6.27.)
日本共産党尼崎市会議員 辻 おさむ
国旗掲揚強制条例 「愛国心」強要もちこむ暴挙
・否決された修正案の復活 「多数さえ取れれば」の論理
・最大の問題 「愛国心の強制」は修正されない
・修正案の特徴 問題点
辻おさむ市政レポートNo.185(2012.6.27.)
日本共産党尼崎市会議員 辻 おさむ
2012 年6 月26 日
辻おさむ
日本共産党議員団の辻おさむです。
ただいま上程されました「尼崎市国旗の掲揚に関する条例案」の公明党修正案について、質疑をおこないます。
今日は、傍聴者の方も沢山おられますけれども、質疑では、賛否を言わないことになっておりますので、その範囲での提案者の考えを質してまいりたいと思います。
「尼崎市国旗の掲揚に関する条例案」は、2月議会に新政会から提案され、この場で、私が質疑をおこないました。その後、総務消防常任委員会で、2月27日、4月24日、6月15日と3回にわたって審議され、その中で、各会派から、様々な質疑や問題点の指摘がされました。
その主なものは、
① 日の丸に関して、市民の間に様々な感情があり、とりわけかつての日本軍が日の丸を推したてて中国、朝鮮、台湾、東アジア各国を侵略していった歴史について、どのように認識しているか。
② 侵略戦争に対して日本政府の見解である1995年の「村山談話」に対する評価
③ 国旗国歌法は、国旗に関して「デザイン」を決めただけであり、当時の政府答弁でも「強制するものではない」と繰り返し答弁していることに対する認識
④ 学習指導要領を越えた強制規定の是非
⑤ 愛国心の「形」、愛国心を強制することの是非
⑥ 国民の幸福追求権は、「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」という憲法13条、「思想・信条の自由は、これを侵してはならない」とする憲法19条との関係―などなど、沢山ありました。
2月27日と4月24日の総務消防常任委員会では、公明党のお二人は、「継続審査にしよう」といった以外、一言の発言もありませんでした。
それが、6月15日の総務消防委員会に、公明党の二人の委員名で「修正案」を提出されました。
総務消防委員会では、新たな国旗掲揚強制に反対する陳情がだされ、各口頭陳述者も、口々に「修正案にも反対」の意思表示をされました。
多くの市民が見守る中、総務消防委員会では、公明党の修正案は賛成少数で否決され、新政会の原案も賛成は新政会の1人だけで否決されました。
市民が喜んだのも「束の間」、本日、総務消防委員会で提案されたものと、全く同じ修正案が、本会議に提案されました。まるで恐ろしい悪魔が蘇ったような驚きと怒りで、今日も大勢の市民が傍聴に駆けつけています。
今日の提案で違うのは、提案者が委員会の2人から、副議長を除く公明党8人の提案になったことです。これは、委員会での個人的な修正案から、ほぼ全員の名前で本会議に出されたということは、会派としての考え方だと受けとめるべきでしょう。
そこでお聞きします。 委員会で否決された修正案を、本会議で再び提案させ、復活させるという、そこまでして日の丸掲揚を強制させようとする、あるいはこれまでにない対応をされる意図はなんでしょうか?
さて、修正案の内容は
① 国旗国歌法、教育基本法、学習指導要領を削除すると同時に、「子ども」の表現を削除し「市民」に含める。
② 国旗掲揚義務づけの対象施設から教育委員会所管施設をはずし、本庁舎、支所、消防署・分署に限定する。
③ 掲揚する時間を、「利用に供する時間」から、「市職員の執務時間」にする。「利用者」という表現を削る。
④「式典及び行事」を「式典等」にする。式典等の内容は不明なことになってしまいます。
⑤ 学習指導要領による入学式、卒業式は「掲げるものとする」式典であることを明記する。
⑥ 議場については、新政会の原案通り。
⑦ 実施日を「公布の日」にする―――などです。
問題は、「これで危惧される内容が払拭できたのか」という点です。
範囲を狭めたとはいえ、これまで尼崎になかった国旗の掲揚義務付けを公明党として提案しているのですから、国旗についての認識が問われるのは、新政会と同じ立場に立つものと考えます。新政会に対しておこなった質疑をそのまま、公明党にも聞かなければなりません。
そこでお聞きします。
国旗問題は、もともと、国民の意見も大きく2分している上に、繊細で微妙な事柄です。提案者はそのことをどう認識しているのでしょうか。
かつて、日の丸をかかげて、日本がアジア各地に侵略していった事実をどう認識しているのでしょうか。
また、侵略をうけた国の方々が多く尼崎に住み、働き、納税しています。条例化をすることは、こうした人たちとの友好を阻害することにもなります。これは、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与することに逆行するのではありませんか。
新政会の場合、この場でお答えいただいたのと、委員会で各提案者にお聞きしたのとでは、認識がそれぞれ違いました。会派としての意見なのか、個人としての意見なのか明確にしてお答えください。
さて、先の戦争にたいする政府の公式見解は、1995年8月15日の「戦後50周年の終戦記念日にあたっての記念式典」に際して、当時の村山富市総理が、閣議決定に基づき発表した声明、いわゆる「村山談話」です。
この談話は、日本が「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与え」たことを「疑うべくもないこの歴史の事実」とし、「痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明」したことが特徴です。
その後も、森内閣、小泉内閣、安倍内閣、福田内閣、麻生内閣と、公明党が与党だった歴代内閣でも、繰り返し「村山談話」を堅持する立場を表明しています。
とりわけ、タカ派として知られ首相就任前に、村山談話に対し批判的な発言をしていた安倍晋三内閣でも、2006年(平成18年)10月5日、安倍首相が、衆議院予算委員会で、村山談話について「アジアの国々に対して大変な被害を与え、傷を与えたことは厳然たる事実」であることは「国として示した通りであると、私は考えている」と再確認し、「私の内閣で変更するものではない」と明言しました。
そこでお聞きします。公明党が与党だった歴代内閣が『村山談話』の再確認という形で、侵略の事実を認めていますが、提案者の公明党もその立場なのでしょうか。
次に、修正案の中身について、伺います。
「愛国心」強制規定
第1条のうち、国旗国歌法、教育基本法、学習指導要領など根拠法を削除しています。
もともと、国旗国歌法は、国旗のデザインを決めているだけですから、削除されても問題はありません。
同時に、「子ども」の表現が削除されていますが、委員会の説明では、「子ども」も「市民」に含めるとのことですから、内容の変更はありません。
問題は、「わが国と郷土を愛する意識の高揚に資する」という文言を残していることです。
「わが国と郷土を愛する意識」とは、すなわち「愛国心」です。つまり、「本市の施設」「式典等」で、国旗を掲げることによって「愛国心」の「高揚に資する」ことを目的にすることになります。
法律で、「愛する心」を規定したり、「愛する形」すなわち「国旗の掲揚」という形を押し付けることは、憲法13条、および19条に違反する行為となりうる可能性があります。
条例化は、「国や郷土を愛する意識」をすなわち「愛国心」を一定のものと決めつけることにつながります。
日の丸を見ることによって、自国の国旗、他国の国旗を尊重する態度が培われると思っている人々の思いを条例によって押し付ければ、市民が自由に物事を受け止める内心的自由を侵すことになってしまうのではないでしょうか。
そこでお聞きします。なぜ、修正にあたって、「わが国と郷土を愛する意識の高揚に資する」という文言を残したのでしょうか?
対象施設について
次に、第2条の対象施設の問題です。
修正案では、対象施設から教育委員会所管施設をはずし、本庁舎、支所、消防署・分署に限定しています。
お聞きします。教育委員会所管施設をはずしたのは、なぜでしょうか?
また、本庁舎、支所、消防署・分署に限定したのは、なぜでしょうか?
それ以外の施設、つまり、国旗を掲げる施設と、掲げない施設に分けたのはなぜでしょうか?
入学式・卒業式 での強制
次に、第4条 式典関係です。
修正案は、「式典及び行事」を「式典等」に変更するものです。式典等の内容は不明確です。委員会では、色んな行事があり、議会側ではわからないので、「当局に決めてほしい」という考えのようでした。
ついで、「学習指導要領により国旗掲揚が必要とされている式典等に限る」という文言がつけられました。入学式、卒業式は「掲げるものとする」式典であることが事実上、明記されたわけです。
委員会の質疑では、第4条で学習指導要領の括弧書きを削除すると、学校の式典等のうち学習指導要領対象の式典以外のものも、すべて掲揚対象となってしまうので、「技術的なもの」だという説明でした。そうでしょうか。
委員会では、法制課が、「掲げるものとする」ということなので、「強制ということになってしまうんかもわかりません」。さらに、「強制ということであっても学習指導要領の趣旨に反するというものではないと思う」と答弁しています。ようするに、「強制になる」ということを認めているわけです。ここが問題なんです。
委員会での提案者は、「敬礼」が伴わなければ、「強制にならない」との持論を述べておられましたが、法制課は明確に「強制になる」との見解です。
現在も、入学式、卒業式で日の丸が掲げられているのは知っています。今は「学習指導要領」に基づく掲揚です。ところが、条例化されると、それは同じ行為でも、条例にもとづく「強制」になるんです。
そこでお聞きします。掲揚の対象に教育指導要領にもとづく入学式、卒業式をわざわざ規定することは、提案者の意図に反して「強制することになる」のではありませんか?答弁をお願いします。
「敬礼チェック」
次に、「敬礼チェック」
について伺います。
新政会の提案者は、今回を皮切りに、今後も改善を求めていくとしています。すでに入学式で、規律と斉唱のチェックを求める質問も行われています。
そこでお聞きします。「敬礼チェック」について、どのように考えておられるのでしょうか。?
また、将来、行わないための保証をどのように担保するのでしょうか?
●本会議提出
委員会で否決された修正案をなぜ出すかということですけれど、私たち、委員会で可決を求めて修正案を提出いたしました。残念ながら賛同者が少なく、否決されましたけれども、本会議で再度提出できるという機会があれば、可決をめざして提出をすると、そういう理由で提出をいたしました。
●国旗への認識
つぎに、国旗問題についての認識ですけれども、国旗問題については、戦前、戦中を通して軍国主義という事実、また戦争という事実を連想して非常に一部につよい反対論、また拒否感があるということは十分に認識しております。
●友好への逆行
つぎに、侵略を受けた国の方々が尼崎に住んでいるんですけれども、条例化することは、逆行するのではないかということですけれども、日の丸を、また自国の国旗を尊重するということにつきましては、そうすることによって、他国の国旗あるいは、国民をも尊重することはできる、またそういうことになり、国際社会の平和と発展に寄与することに逆行するとは、私は、思いません。
●愛国心の未修正
つぎに、修正に「わが国と郷土を愛する意識の高揚に資する」という文言をなぜ残したのかということですけど、日の丸を目にし、日常的に接するということは、日本人としてのセルフアイデンティティ、あるいは、日本人としてのプライドを持つことになり、自国を愛する意識も高揚するんではないかというふうに考えております。
●対象施設
つぎに、教育委員会所管の施設をはずしたのはなぜかと、また国旗を掲げる施設と掲げない施設を分けたのはなぜかということですけれど、国旗を掲げる施設と、掲げない施設を分けたというよりは、教育施設については大変根強い反対があるということを認識した上で、教育関係の施設を削除して、市が直接管理し、正職員がいる官公庁舎に限定したものです。
●入学式、卒業式
つぎに、掲揚の対象に入学式、卒業式を規定することは強制することになるのではないかということですけれども、これは委員会で答弁しましたように、修正案をつくるときの技術的なものであること、また「強制」とは、日の丸に「敬礼」をさせることであると思いますので、私は掲揚については強制とは考えておりません。
●敬礼チェック
つぎに、「敬礼チェック」ですけれども、「敬礼チェック」については。不要と考えております。ただし、職場においては、指導要領にもとづく職務命令には従うべきだと考えております。
将来行わない保証の担保ということですけれども、私が言える立場ではないと思いますんで、現場の運用になると思います。
●村山談話
それから、侵略した事実、あるいは「村山談話」で侵略の事実云々ということですけれども、戦争という暗く悲しい出来事というのは、私は歴史観、あるいは時代認識として捉えるべきであると考えております。国旗が戦争を引き起こしたわけでもなく、あるいは、軍国主義に傾斜させたわけでもありません。国旗と戦争は。全く別次元の問題でありまして、そういう風に整理、議論すべきと考えております。
ゆえに、今回提出した修正案とは、別の問題であると思いますので、答弁は控えます。
辻おさむ
1回目のお答えをいただきました。
日の丸と戦争の問題については、別次元の問題だということなんですけれども、その一方で、先ほどの答弁で、「軍国主義、戦争の事実と連動して拒否感をもっていらっしゃる市民が沢山いらっしゃるということは、認識している」とのご答弁だったんですよね。つながりがあるんですよ。
たしかに、日の丸が戦争を起こしたわけではない、軍国主義をすすめたわけではありませんけれども、日の丸がそのためのお先棒をかつがされた。2月のときにも、戦場にいくときに真っ先に日の丸を掲げた人が行ってそこに日の丸を立てる行為があったことが、当時の教科書に書かれていることを紹介しましたけれども、まさに一体のものであると思います。
それから、教育施設について、「根強い反対意見があるので、はずしました」「官公庁に限定した」ということなんですけどね、修正案に対しても、市民の方が口頭陳述の中で言われたんですよ、官公庁に対しても根強い反対があると私は思ってるんですね。
だから、ここだけ残すという意味がよくわかりません。
それから、「技術的」理由で学習指導要領にもとづく式典を残したということなんですけれど、確かにそういうことを総務委員会でも言われてました。
そのうえにたって法制課は「強制になります」と、いうご答弁だったんですよね。
ですから「技術的」理由だといわれるんですけれども、「技術的」理由だとしても、ここに書き込んだことが「強制」になってしまっているということは、技術的にまだ未熟な技術が、まだここに残っていると考えざるを得ないと、思います。
それから「村山談話」の問題なんですけれども、これは1問目でも言いましたように、歴代内閣がずっと再確認している問題なんですよね。全く別の問題だからとお答えになりませんでしたけれど、すでに政府の方針として確定し、公明党さんが与党の内閣で何回も再確認されておりますのに、なぜここで、それが表明できないのか、よくわかりませんので、再答弁をお願いいたします。
かつて日本がアジア各地へ侵略戦争をしていったことに対する認識について、私は、2月議会で原案の提案者である新政会の提案者にお聞きしました。
これにたいする本会議での答弁は「先の大戦が侵略であったか、自衛であったか、両面持ち合わせたものか、議論があるところだと認識しております」とのことでした。
のちに総務消防委員会で、会派議員が問いただしたところ、「さきの大戦が」といったのは、「太平洋戦争まで、すべて含んだ」ものと言い訳されて、その後、「満州国建国、盧溝橋から端を発した日中戦争から、そういった部分については侵略という部分が確かに該当するんだと私は思います。」と、侵略戦争であることを認められました。2月の委員会で、他の新政会の提案者の認識は、どうだったでしょうか。
バラバラです。
ある委員は、「肯定も、否定もしません」。こういうお答えでした。
また、ある委員は「両論あると思う」と答えられたうえで、「それがどちらかというのは、今の私たち戦後生まれにそれを判断しろといっても、書物を読んで、いろんな論理はある」と答えられ、結局は「主観の違い」だと、歴史の真実にあいまいな態度でした。
そして、別のある委員は、個人的な考えだとしながらも、明確に「侵略戦争ではなく、自衛の戦争だったということで、私は「村山談話」は違ってると思ってます。」と答えられました。
歴代内閣の正式の見解をも否定する考えの方が、国旗掲揚条例を提案されているんです。
2008年、麻生内閣のときに、政府見解と異なる認識を示した論文を発表したとして航空幕僚長が更迭されました。本人も国会のなかで「村山談話と異なる見解を表明したということで更迭をされた」との認識を示しています。公明党が与党だった麻生内閣の出来事です。
「村山談話」と異なる見解を、官僚や、公務員が言ったら大変な問題になる、そういう性格のものです。
さきの戦争では日の丸を先頭に掲げられ、日の丸の旗で戦地へ送り出された歴史があります。
「侵略戦争であった」ということと「そうではなかった」ということでは、全く意味が違ってきます。
そこでお聞きします。
原案提案者が「侵略戦争ではなく、自衛の戦争だった」「村山談話は違ってる」という発言をしていることについて、修正案提案者は、どのように考えておられるのでしょうか。
また、「村山談話」を否定する考えで提案された原案が、委員会で否決された上で、今回、さらに本会議で修正案を提案されたことで、規模が縮小されたとはいえ「国旗の強制条例」が復活することになりますが、「村山談話は違っている」という考えに手を貸すことになりませんか?
質疑のお答えいたしますけれども、辻議員と私の認識は大変違っておりまして、平行線になるんではないかと思うんですけれども、第1問でもお答えいたしましたように、あくまでも戦争というものは悲惨なものであり、二度と戦争を起こしてはならないと思います。
そして、どれほど、この戦争によって不幸な方々が誕生したか、生まれたか、そのことは日本人であれば誰しも思っている共通のことと思います。
それと、なぜ日の丸が結びつくのかということは、私は、とても理解できません。
日の丸はいま、オリンピックでも背負ってたたかい、そして優勝すれば表彰されてそれを見て涙する人もおります。
ですからあくまでも当時の軍国主義者によって、日の丸というのは利用されたというべきでありまして、それを戦争イコール戦争、戦争イコール悪、そういった考え方について、私は、理解できません。
ですから、先ほどの答弁と同じように、この原案者が「侵略でなく自衛の戦争であった」といわれていることと、「村山談話」については、まったく私たちが出した修正案とは関係がない事柄でありますので、答弁は控えさせていただきます。
辻おさむ
戦争が不幸な事態を招いている、このことはどなたも違いはないと思います。
問題はその戦争に駆り立てられた、そのときに日の丸が利用され、結びついて記憶に残っている。その事実をどう認識するかということなんですよ。
朝の連ドラの「梅ちゃん先生」や「カーネーション」でも、戦争中に日の丸で送り出された歴史が描かれています。
そのことをしっかり認識する必要がありますし、「村山談話」を、なぜ「そのとおりだ」という答弁を避けなければならないのか。関係あるかないかは別にしても、なぜ避けなければならないかはよくわかりません。
「修正案」は修正部分ということもあるんですけれども、日の丸条例は、いま、ないんですよ。
いまある「日の丸条例」を修正するならわかりますけれど、ないものをゼロからつくるわけですから、本来の原案含めての考え方を、答弁いただきたかったと思います。
さて、いろいろ聞いてまいりました。
要するに修正案は、掲揚する施設を、現在でもほとんど掲げられている本庁舎と支所、消防署・分署に限定し、現在おこなわれている学習指導要領にもとづく入学式、卒業式での掲揚を義務づけ、他の式典については当局に任せようということのようです。
あまり大きな変化はないので良いだろうという考えのようでありますけれど、そうでしょうか。
大きな変化がないのであれば、何のために条例を制定するのでしょうか。あまり意味がありません。
問題はそこにあるのではなくて、「わが国と郷土を愛する意識の高揚に資する」=つまり愛国心への強制を持ち込むことにあります。
日の丸に対する個々人の感じ方、考え方は自由であり、それを保障することが民主主義社会をかたちづくる原理ではないでしょうか。
この点から今回の条例案は憲法違反問題を含んでいると言わざるを得ません。
「国や郷土を愛する心に「日の丸」が資する」これも一つの考え方ですが、それを押し付けてはなりません。
いま、大阪の橋下市長の人気にあやかろうという動きが活発です。一方で橋下市長の手法から、ファシズムを警戒する意見も増えています。
ファシズムの文化を研究されている京都精華大学の教授の言葉を紹介します。
「ナチズムは、600万人のユダヤ人、50万人以上のロマの人たち、多くの同性愛者、障がい者、アルコール中毒者などを殺しました。しかし真っ先に弾圧したのは「エホバの証人」信者でした。
彼らの戒律のうち、国家儀礼の拒否、つまり国旗への敬意の表明や国歌を歌うことを拒否することを一番の脅威だと感じたからでした。つまり、国家儀礼を拒否する国民の排除が必要だったのです。」というものです。
◇ ◇
愛国心は誰にでもあると思います。しかし、その形は千差万別です。ひとつの形に強制する必要はありませんし、国旗や国家儀礼への強制が不幸な歴史を作り出してきた事実があるだけに、慎重かつ厳格にとりあつかわれるべきです。
質疑ですので、賛否の表明は行いませんが――最初は小さく、「これぐらいなら、いいかぁ」と思っていたら、「いつの間にか、ものが言えなくなっていた」――これが歴史の教訓であることを申し添えて、質疑を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
早川すすむ市政報告 第220号 2012.6.26.
日本共産党尼崎市会議員 早川すすむ
委員会否決された公明党「日の丸条例」修正案が26日の本会議で再提案!!
市民の良識で日の丸条例を否決 6月18日の総務消防委員会
国を愛する気持ちを条例で縛らないで
異例・特異 一度否決されたものが復活
松村ヤス子のおはようニュース2012.6.
日本共産党尼崎市会議員 松村ヤス子
動いている世論 消費税反対・・・増加
税金の使い方と税制のあり方を見直そう
暴走を押し返そう
消費税に頼らなくても財源を生み出せる展望をさらに広くみんなに知らせ、圧倒的な世論で増税への暴走を押し返しましょう
辻おさむ市政レポートNo.184(2012.6.10.)
日本共産党尼崎市会議員 辻 おさむ
■辻おさむ市政レポートNo.184はこちら(PDFファイル)
市政レポートNo.184のテキストは次のページ(リンク)に掲載
6月6日の本会議で一般質問をしました。要旨をお知らせします。
6月6日の本会議で一般質問をしました。要旨をお知らせします。
辻おさむ市政レポートNo.184(2012.6.10.)
日本共産党尼崎市会議員 辻 おさむ
【辻おさむ】 日本共産党議員団の辻おさむです。
私は、東日本大震災ガレキ問題について、原子力発電をなくす取り組みについて、琴浦市営住宅跡地活用について、市長の見解を伺ってまいります。
まず、東日本大震災でのガレキ広域処理の問題についてです。
尼崎では、阪神大震災のときのガレキ処理を他の自治体にお願いをしてきました。また佐用町の水害被害のガレキ焼却を尼崎で受け入れてきた経過もあります。
災害のときは、お互いに協力し合うのが基本ですが、東日本震災ガレキについては、東京電力福島第1原発事故による放射線物質の存在が、問題を複雑にしています。
市長は、4月9日、震災前からのクリアランスレベルである1キログラム当たり100ベクレル以下を基準に震災ガレキの広域処理を受け入れるかどうかの検討を始めることを表明され、検討の各段階ごとに3回の市民説明会を開催するなど、「安全と市民合意」を基本に受け入れの可否を決めるとされました。
「安全と市民合意」が必要なことは、日本共産党も同じ考えです。
放射線をあらわす単位はなじみが薄いのですが、1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1ベクレルです。100ベクレル/㎏というのは、1秒間に100個の放射線がでる量です。
政府は、震災後、ガレキのうち、特別に管理が必要な指定廃棄物は、セシウム134とセシウム137の濃度の合計で1キログラム当たり8000ベクレル以上のものと定めています。1秒間に8000個の放射線を出す量ですね。
震災前の基準を80倍に引き上げたわけですが、8000ベクレル/㎏以下のものは、放射性物質が含まれていても一般廃棄物と同様の扱いとされ、まともな対策が講じられていません。
政府の試算でも、8000ベクレル/㎏というのは、廃棄物の処理をする労働者が受ける被爆量が、年間「これ以上被ばくしてはいけない」という許容量に近い被ばくを容認するものです。
この高い値で「安全だ」といわれても、国民が不安に思うのは当然です。住民の健康と安全を守る立場で、放射性物質で汚染された廃棄物の基準と、放射線防護対策を抜本的に見直し、強化する必要があると考えます。
広域処理の受け入れ基準については、自治体が独自に基準を設けることができることになっています。関西広域連合は2000ベクレル/㎏という基準を打ち出しました。これも「2000なら安全なのか」ということについては疑問があります。
100ベクレルの 市長の意図は
こうした中で、市長がいち早く震災前からの「クリアランスレベルである100ベクレル/㎏を基準とする」ということを打ち出されたことは、もし受け入れるとなると、現在の基準でも最も厳しいものとなります。
まずお聞きします。市長が10 0ベクレル/㎏で検討しようとした意図はなんでしょうか? 市長の思いをお聞かせください。
【経済環境局長】
国や関西広域連合の基準につきましては、東日本大震災後に作られた基準であり、市民の理解を得ることは難しいのではないかと考えたものです。
したがって、本市独自の基準として、廃棄物の処理において震災前から用いられていた、クリアランスレベルである1㎏あたり100ベクレルを基本に、受け入れ可能かどうか、の検討を始めるとしたところです。
大阪湾センターへの 対応について
【辻おさむ】
次に、尼崎の廃棄物の最終処分地となるフェニックス埋立地を管理する、大阪湾広域臨海環境整備センター(通称:大阪湾センター)への対応について伺います。
これまで尼崎市は、放射性物質を含んだ焼却灰の「海洋埋め立ての基準が示されていないので、検討する段階ではない」との考えでした。現在でも示されていません。
尼崎の平左衛門町には、大阪湾センターの尼崎積み出し基地があり、阪神間と、京都府、滋賀東電福島第1発電所3県の23市3町から、毎日800トン=トラック92台分の管理型一般廃棄物が運び込まれ、船に積み替えてフェニックス埋立地に運ばれています。運搬ルートは、道意線、尼宝線、湾岸線の3ルートです。
大阪湾センターがどのような受け入れ基準を打ち出すかが、近畿圏のガレキ受け入れの放射線量の基準を決するといっても過言ではありません。
たとえ、尼崎市が100ベクレル/㎏での処理を決めたとしても、他の自治体から、8000ベクレル/㎏、2000ベクレル/㎏といった放射線量の焼却灰が、尼崎市内を通過することも考えられます。
4月12日に、日本共産党議員団として、市長が大阪湾センターに「尼崎は100ベクレル/㎏で検討を始める」ということを、伝えるよう申入れました。
そこで伺います。市長は、大阪湾センターに尼崎は100ベクレル/㎏で検討するということを伝えたのでしょうか?お答えください。
【経済環境局長】
大阪湾広域臨海環境整備センターに対しましては、5月はじめに、がれき受け入れの検討方法や今後の進め方など尼崎市の考え方を説明いたしました。
その際、独自の基準といたしまして、1キログラム当たり100ベクレルを基本に、受け入れ可能かどうか検討することを伝えております。
情報交換や、調整・協議を
辻おさむ
6月1日の毎日新聞の報道によりますと、兵庫県の井戸知事は、5月19日の関西広域連合の非公開協議で「焼却灰のセシウム濃度は1キログラムあたり100ベクレル以下とし、混合率も3%と厳格化」するという独自基準を提示したとあります。
県の担当課のコメントとして「焼却灰に触れた雨が海に流出することや風評被害など、万が一の事態を防ぐことを考えた」と紹介されています。
100ベクレル/㎏というのが、現実身をおびてきました。
さて、大阪湾センターに広域ガレキにたいする取り組み状況をお聞きしたところ、国の要請を受け、4月から、広域連合や環境省の職員も含めた検討委員会をつくって、広域処理に協力できるかどうかの検討を始めているということであります。
国は、「海洋埋め立ての基準は出さないが、個別の計画について評価をする」とのことです。
大阪湾センターでは、震災ガレキの焼却灰は、「他の廃棄物と分離して扱う」こととし、「セシウムは水に溶けやすいので、廃棄物が水と接触しないようにする。」「埋め立てで出来た土地は、港湾管理者のものになるので、土地利用計画に支障が出ないようにする。」との方針で検討をすすめています。
最終処分の在り方が決まらないと、尼崎だけで受入の可否を判断できるものではありません。
そこで伺います。
大阪湾センターなど、他の機関との情報交換、調整・協議はどのようにしているのでしょうか。また今後、どのように進めていくの大阪湾センターを視察(5月22日)でしょうか?
【経済環境局長】
現在、大阪湾センターでは、焼却灰等の受入基準や埋立方法について、国の個別評価に向けて検討を行っているところであり、今後とも情報交換を密にしてまいりたいと考えております。
また、兵庫県内の大阪湾センターの積出基地を有している他の市町(姫路市、淡路市、播磨町)と共同で、基地周辺住民の安全確保や十分な理解を得ることなどについて申し入れの調整を行っているところでございます。
引き続き、これらの関係機関と協議・調整をしてまいりたいと考えております。
【辻おさむ】
次に、市民との意見交換会について伺います。 市長は、尼崎市としての検討を始める前に、2回の市民意見交換会を開かれました。いづれも160人、170人と沢山の市民、とくに小さなお子さんをお持ちの若い方や、近隣市の方々もこられており、関心の高さを示しているとおもいます。
中には、被災地や関東地方から移り住んでこられた方もおられました。
発言は、反対の意見が多く、かなり専門的な意見もありました。一方、賛成の意見を述べられた方もいらっしゃいました。すべての人が発言したわけではありませんが、アンケート文書で意見を述べられていた人もいます。
そこでお聞きします。
2回の市民意見交換会を経ての市長の感想は、どのように持たれたのでしょうか?
また、出されたおもな意見にはどのようなものがあり、市ではどのように受け止めているのでしょうか?
また、今後の検討の進め方に変更はないのでしょうか?
【稲村市長】
がれきの受入れについては、「市民とともに考えるプロセス」と「安全性を検証するプロセス」の双方を丁寧に進めることで判断したいと考えております。
対話集会は、まず私自身が市民の皆様の声を幅広くお聞きすることで論点を共有するため開催いたしました。
発言された方のほとんどは受入れ反対のご意見であり、広域処理の必要性、焼却処理の安全性、処分場の問題等、さまざまな観点から問題提起がありましたが、やはり放射能への不安が大きいと受け止めております。
一方、ご提出いただいたアンケート等には、「受け入れたい」とのご意見も複数ございました。
賛否いずれのご意見の方も、被災地を支援したいという思いは同じだと受けとめております。
今後とも、市民の皆さんと一緒に考えるプロセスや安全性の検証とともに最終処分場の確保や被災地の状況などを踏まえて、総合的に判断してまいります。
2回の対話集会にはたくさんの方が来られ、皆さんの関心の深さと思いを直に感じることができ、実施してよかったと思っております。
【辻おさむ】
震災ガレキ処理の問題は、「100ベクレルで安全を保てるのか」という問題と同時に、「そもそも、広域処理の必要があるのか」という意見も多かったと思います。
先日、岩手県、宮城県の震災ガレキ量の見直しがおこなわれ、従来の予測より少なくなりました。それでも247万トンの広域処理が必要だとされています。
また、「現地で処理したほうが、雇用・復興対策になるのではないか」。さらに、ガレキを利用して防潮堤をつくる「希望の丘」構想も言われています。
しかし、被災地で28か所もの臨時焼却場が建設予定で、すでに11か所が稼動していますし、防潮堤建設は、将来の陥没が懸念されるなど、具体化していません。
私たちに届いている報告では、たとえば岩手県では、県全体の一般廃棄物の12年分のガレキですが、被災地だけで見れば、陸前高田市は255年分、大槌町は93年分に当たるといわれています。
がれきを集積する仮置き場が105カ所で、津波で被害を受けた市街地の中心部、港湾、運動公園などにあり、復興の中心となるべきところに10メートル、15メートルの高さでがれきが積まれている状態です。
仕事、住宅の確保、事業所、農漁業の再建が切実な要望で、そのためには津波対策として平地のかさ上げも必要ですが、そこにがれきがあるのです。
がれきの仮置き場で火災発生、夏場を迎えて虫がわくなど衛生面の問題、風でほこりや悪臭に悩まされ、外に洗濯物も干せない状況だといわれています。
災害がれきをできるだけすみやかに処理することは、被災地の復興にとって最重要の課題です。
気仙沼市だけでなく、被災地全体の状況を見る必要があります。
そこでお聞きします。
被災地のガレキ広域処理が必要なのか、必要ないのか、現状について、市長はどのように認識されているでしょうか。また、判断をされていないのであれば、どのように調査されるのでしょうか。
【経済環境局長】
環境省は5月21日の発表で、災害廃棄物の全体推計量と処理状況の見直しを行いましたが、依然として広域処理受入量が不足しており、引き続き、これを推進するとしておりますことなどから、現時点では広域処理の要請はあるものと認識しており、今後の被災地の状況等について、情報収集に努めてまいります。
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2012年6月市議会一般質問 辻おさむ:原子力発電
2012年6月市議会一般質問 辻おさむ:琴浦市営住宅跡地活用
6月6日の本会議で一般質問をしました。要旨をお知らせします。
辻おさむ市政レポートNo.184(2012.6.10.)
日本共産党尼崎市会議員 辻 おさむ
【辻おさむ】
次に、原子力発電をなくす取り組みについてです。
これまで全国に54基あった原子炉は、福島第1原発の4基が原子炉としての位置づけが廃止されたために、50基となりました。
5月5日、北海道電力泊原発3号機が定期検査のためにとまりました。
全国50基のすべての原発が停止し、42年ぶりに原発ゼロ状態となりました。
朝日新聞社が5月19日と20日に実施した電話による全国定例世論調査では、原発に対する政府の安全対策を「信頼している」というのは21%にとどまり、「信頼していない」というのが78%にのぼっています。福井県の大飯原発の運転再開については、反対が54%で、賛成の29%を上回っています。
また、5月5日、6日の毎日新聞の全国世論調査でも、稼働する原発がなくなり、今年の夏に電気の使用が制限された場合、「我慢できる」と答えた人が74%に達しており、最も電力需給が逼迫(ひっぱく)すると予想される近畿圏でも、61%が「我慢できる」と回答しています。
原発の稼動ゼロから、原発ゼロへは、多くの人の願いとなっています。
こうしたなかで、関西電力大飯原発3,4号機の再稼動問題が、重大な局面をむかえています。
民主党政権は、福島原発事故後、菅前総理は「脱原発依存」だといいました。
ところが野田政権になって、「原子力は基幹電源」だと態度が変わりました。これは、日本経団連が昨年11月に、原発は「基幹的役割を担ってきた。」といっていたのと同じ表現です。
大阪の橋下市長は、当初、「再稼動反対」といっていたのを、「事実上、容認する」と態度を変え、5月31日に関西広域連合が大飯原発3、4号機の再稼働について声明を発表。これを受けて、野田総理が再稼働を決定しようという動きです。野田総理は今週中にも再稼動問題で関係閣僚会議を開く意向だと伝えられています。
再稼働の是非は、科学的に安全かどうかが唯一、最大の基準であるべきです。広域連合が暫定的に認めた声明をもって、再稼働への条件が整ったとは到底言えません。
しかも、野田総理は、4日の記者会見でも「暫定的」とは一言も言っていません。
5月13日、14日に福井県の大飯原発に行ってきました。いま見学者が増えているそうです。原発そのものには、テロ対策だということで入れませんでしたが、近くのPR館には3分の1の模型が展示されており、相変わらずの安全神話を振りまいていました。
海から船で、原発を眺めたのですが、一緒に行った人たちは一様に「防潮堤など、どこにあるかわからないぐらいだ。これで安全といえるのか」といった感想を述べられていました。
日本共産党は、大飯原発の再稼動について、5つの大問題があると考えています。
第1は、福島第1原発の原因究明がされていないということです。炉心内部の状況さえわかっていません。
第2の問題は、「安全対策」なるものの不十分さです。
福島原発の事故さえ究明が尽くされていないのに、どんな対策をとれば安全かなどいえるはずがありません。
大飯原発のストレステストをおこなったのは、三菱重工ですが、大飯原発をつくったのも三菱重工です。客観的なテストかどうか疑問です。
また、大飯原発の場合、事故のさい不可欠な免震事務棟の整備などは、すべて計画だけですまされています。まったく安全の名に値しません。
第3に、大飯原発近くに3本の活断層があることや、敦賀原発では、直下に活断層があることは、最近、わかったばかりです。地震・津波の学問的知見を根底から見直す必要があります。
第4に、原発事故が起こった場合の放射能被害の予測も住民避難計画もないことです。福井の原発から50キロ圏内に45万人が住んでいますが、その避難計画さえありません。
第5に、まともな原子力規制機関がないことです。
国会で「規制庁」法案の審議は始まったばかりです。
この状況での再稼働は無謀極まりないものです。
科学的知見も、道理のかけらもなく、中止するべきであると考えます。
原子力発電はもともと技術的に未完成で、現在の水準では「安全な」原発は実現不可能です。東日本大震災のあと、世界でも日本でも、原発からの撤退を求める声は急速に広がっています。
政府や電力業界は原発を再稼働しなければ電力不足が起き「集団自殺」になるなどといいますが、「電力需給のためには多少の危険に目をつむれ」という悪質な脅しです。
私には、福島第1原発のような過酷事故の危険を再稼動によって残すことこそ「集団自殺」行為と思えます。
再稼働問題と電力需給問題は切り離して判断すべきであり、両てんびんにかけるようなやり方は、こと原発に関しては絶対にやってはなりません
原発再稼働に国民の納得を得る見通しもないまま、ずるずると既成事実を積み重ねるだけというのでは、国民の不安を逆に高めるばかりです。
原発の再稼働は押し付けず、原発からの撤退をこそ決断し、自然エネルギーの本格的な導入を急ぐべきです。
さて、昨年9月の一般質問で、私は、市長が関西電力に申入れをされたので、「市長自身の考えとして、原発は、減らすのではなく、無くすべきだと考えておられるのか」とお聞きしました。
市長のご答弁は、「一層、安全性を高めることはもちろん、段階的に原子力発電から脱却する方向へエネルギー政策の転換を行い、電力の安定供給を実行されるよう強く要請したもの」と答えられました。
また、市長は、ご答弁で「今すぐに原子力発電をゼロにすることは難しいと考えていますが、再生可能エネルギーなど代替エネルギーの開発等の取組に全力をあげ、段階的に原子力発電から脱却する方向へエネルギー政策を転換する必要があると思っている」とのことでした。
当時は、「段階的に減らせばいい」との考えだと理解しました。
ところが、今年の4月23日の定例記者会見で、市長は、大飯原発の再稼動について、「『なし崩し的に再稼動するのではなく、原子力に依存しない方向をめざすべきではないか』と、反対の考えを示した」と報道されています。
そこでお聞きします。全原子炉が停止するという事態のもとで、市長は、再稼動に反対し、段階的廃止ではなく、原発の稼動ゼロから、原発ゼロへ、認識を深められたのでしょうか? 私は、そうすべきだとおもいますが、市長の考えをお聞かせください。
あわせて、そうした立場から、「暫定的」だとしても、原発の再開につながる大飯原発の再稼動について、反対を表明すべきだと考えますが、いかがでしょうか?
【稲村市長】
原子力発電所については、将来的に無くしていくことが望ましいという私の考えは今も変わっておりません。
本市のような産業都市においては、市民生活、産業活動への影響も考える必要がございます。
また、大飯原発再稼動については、私としては、現段階で十分な対策が取られているとは考えておらず、そのような中での再稼動に向けた動きについては残念に思っております。
このようになし崩し的な再稼動が進むことには憂慮いたします。今後、国として、安全性を十分確保しつつ、原発に依存しないエネルギー政策推進の道筋を明確にすべきであると考えます。
【辻おさむ】
次に、原発をなくす取り組みで、「脱原発をめざす首長会議」について伺います。
4月28日、東京で原発反対の立場を明確にしていることで有名な城南信用金庫本店で、「脱原発をめざす首長会議」の設立総会が開かれ、原発ゼロをめざす新たな動きとして注目されています。
福島県の南相馬市長や、茨城県の東海村村長、元国立市長の上原公子氏らが呼びかけ、全国35都道府県の69人の市町村・特別区の首長や首長経験者が加入していましたが、総会の開催中に蕨市長が加盟して70人になりました。
自治体の長が決意するということは大変なことだと思いますが、世話人である静岡県湖西市の三上市長は、昨年の震災後、「脱原発」を市長として明確に訴えていくことを決意し、このネットワークには「並々ならぬ決意を込めた」と言います。
総会では、大飯原発などの拙速な再稼働に反対する決議や、今年の夏に策定予定の「新しいエネルギー基本計画」で原発ゼロを決定するよう政府に求める決議を採択しました。
兵庫県からは、宝塚の中川智子市長、篠山市長、養父市長、福崎町長が参加をしています。
お呼びがなかったのか、呼ばれたけれども行かなかったのか、わかりませんが、稲村市長の名前は入っていません。
市民との意見交換会でも、「入ったらどうか」という意見もあったと思います。
脱原発首長の会へ参加してはどうか
そこでお聞きします。いまからでも「脱原発をめざす首長会議」に入るべきではないでしょうか? 市長の決意をお聞かせください。
【稲村市長】
現在のところ、ただちに首長会議に参加する考えはございませんが、まずは、原発の今後のあり方について、産業界や市民の方々に、私自身の考えを伝え、幅広く意見交換をしていきたいと考えております。
【辻おさむ】
大飯原発再稼動について。政府や橋下市長らは、大飯原発を「限定的」でも再稼働させなければ電力供給に不安が出ると言いますが、本来原発の安全性と電力問題はてんびんにかけるものではありません。また、再稼働が「限定的」ですむ保証はどこにもありません。
5月4日に福井県知事と細野原発事故担当相らが会談していますが、席上、斎藤官房副長官は「この夏をしのぐためだけの稼動は考えていない」と、期間限定の再稼動とはしない政府の方針を述べています。
特定非営利活動法人・環境エネルギー研究所(ISEP)の飯田哲也所長=この方は、大阪市と大阪府の特別顧問もしている方ですが、飯田哲也氏は、政府の推計を「過大に見積もった需要を固定視」していると批判し、「関西電力(管内)でも昨年並みの節電と若干の追加対策や揚水発電の活用で安定的な需給はできる」とし、原発再稼働は必要ないと報告しています。
また先ほど紹介しました「脱原発をめざす首長会議」の中で、前福島県知事の佐藤栄佐久氏は、原発についていますすめられている論理は「必要だから安全だ」というものだ、といっておられました。言いえて妙であります。
原子力事故は、ひとたび起こると取り返しのつかない危険を私たちにもたらします。
そのことは、福島第1原発事故で明らかです。福井県は、14基もの原発が密集する原発銀座です。一度事故があれば、関西各地、琵琶湖の放射能汚染は、避けられません。尼崎市民の安全を守るためにも見過ごせない問題です。
電力の安定供給をいうなら、一日も早く原発からの撤退を決断し自然エネルギーへの転換や省エネルギーに力を尽くすことこそ重要です。
尼崎市政と市長がその立場にたたれるよう、強く要請しまして、私の質問を終わります。
▼一般質問の続きは次のリンクへ(実際の一般質問とは別にHP掲載では項目別に整理しています)
6月6日の本会議で一般質問をしました。要旨をお知らせします。
辻おさむ市政レポートNo.184(2012.6.10.)
日本共産党尼崎市会議員 辻 おさむ
【辻おさむ】
次に、琴浦市営住宅跡地のスーパー銭湯への土地貸与について伺います。
尼崎は、戦後の高度成長期に人口が増え、地方から「金の卵」といわれた労働者が多数、入ってこられました。当時の住宅事情では、企業の寮や木造、パートで対応したため、風呂のない住宅が多数存在します。
尼崎市の公衆浴場は、兵庫県内の3分の1が集中しています。
家にお風呂のない人は、約1万人といわれ、市内の銭湯は、市民の衛生保持だけでなく、高齢者の癒しの場、見守り活動の一翼を担っているとの自負を持ってがんばっておられます。
阪神淡路大震災の時には、西宮・芦屋・神戸からの被災者を受け入れてきました。
私も、駅前で「銭湯の場所を書いた地図」を配って、案内したものです。
大庄西町の私の近所のお風呂屋さんには、いまでもそのときに世話になったからと西宮から時折お風呂に入りに来ている人もいます。
しかし、年々、銭湯を取り巻く情勢は厳しくなるうえに、尼崎はスーパー銭湯の激戦地区でもあります。そこへ、市役所が、公衆浴場に近接する市の土地にスーパー銭湯を誘致するのでは、既存の銭湯はたまったものではありません。
予算委員会の中でも、各会派が問題点を指摘したところです。
さて、尼崎浴場組合連合会から3月19日に尼崎市にたいして「質問状」がだされました。
「スーパー銭湯が名乗りを上げた時点で、なぜ国や公衆浴場を所管する部局の見解を求めなかったのか」
「公衆浴場組合との十分な調整を行なわず計画を決定、推進できるのか」「浴室を有しない世帯も含めた市民の意見が、事前調査に反映されているのか」
銭湯が淘汰されたとき、「地域住民の日常生活において保健衛生上、必要なもの」である浴場施設を尼崎市は財政支出をしてまで確保するのか――などです。それぞれ、もっともな質問です。
3月28日の尼崎市の回答は、次のものです。
「今回の提案された施設は、その他の公衆浴場の一つであるスーパー銭湯と呼ばれるもので、大型の駐車場を確保し、温浴施設だけでなく、岩盤浴、エステ、ボデイケア、フィットネススタジオを併設したレジャー型の施設であり、設置の目的、施設の規模や集客対象の範囲が異なっている」。
つまり、対象にする客の範囲が違うので問題はないという態度ですね。
この回答をうけたあとも、浴場組合の方々は、納得されていませんでした。
4月11日に、市の担当部局と、浴場組合連合会との協議の場が持たれ、翌12日に浴場組合連合会有志が再度の質問状を出されています。
その内容は、「住み分けについて、どう考えて、どう各部署に指示を与えるのか」ということについて、担当者でなく市長自からの考えを聞かせてほしいというものでした。
これにたいし、4月24日に、市長名で回答されました。
回答は、「温浴施設が営業されることによって既存の公衆浴場に全く影響を及ぼさないとは考えておりません」というものでした。
そこでお聞きします。この回答は、市長自身の考えと受け取っていいのでしょうか。 また、選考する当初から、既存の公衆浴場に影響を及ぼすという認識があったのでしょうか。
あったのならば、なぜ事前に協議しなかったのでしょうか。
なかったのなら、地元商業者への影響を考慮しなかったことについて、どのような反省をしているのでしょうか。
【資産統括局長】
琴浦住宅跡地につきましては、温浴施設の建設のため、4月18日付けで、事業者と一時使用賃貸借契約を締結したところでございます。
この温浴施設は、岩盤浴を中心としたレジャー志向の強いもので、300台程度の駐車場を確保し、市内はもとより市外からの集客を見込んだ施設であることから、設置の目的や規模、集客の対象が公衆浴場とは異なっているものと認識しております。
しかしながら、こうした違いはあるものの、温浴施設が運営されることにより、周辺の公衆浴場に全く影響がないとは言い切れないため、議員ご指摘のような趣旨で市として回答したものでございます。
また、このたびの跡地活用の提案募集にあたりましては、地域イメージの向上や市財政への貢献を目的とし業種を限定せずに広く公募したもので、総合的に選考した結果、温浴施設に決定したものでございます。
こうした業種に決定したことにより、周辺の公衆浴場への影響を一定考慮する中で、事業者に対し公衆浴場との住み分けとして、入浴料金について提案のとおりとするよう、改めて強く申し入れを行ったところでございます。
今後とも必要があれば、事業者と協議してまいりたいと考えております。
【辻おさむ】
今回、誘致されるスーパー銭湯は、20年間の定期借地であり、20年後には出て行きます。それ以前にも撤退することも考えられます。
一方、尼崎の公衆浴場は、長年にわたって尼崎市民の公衆衛生保持のために貢献してこられました。
最悪の事態は、スーパー銭湯が進出することによって、周辺の銭湯がつぶれ、その後にスーパー銭湯が撤退することです。
そのためにも、尼崎市が、公募時の料金設定を守らせるよう、強く要望しておきます。
ちょうどいま、人気コミックを映画化した「テルマエ・ロマエ」という映画が公開されています。日本のお風呂屋さんと、古代ローマの浴場を結びつけた楽しい映画です。
尼崎の浴場組合でも、お風呂屋さんが注目されているときをチャンスにしようと、市内の銭湯をマップにして、振興を図ろうとされています。
そこでお聞きします。市内に50以上もある公衆浴場は、尼崎の特徴でもあり、資産でもあります。尼崎の魅力を作り出すことにつながる可能性もあるのではないでしょうか。公衆浴場が多いといった魅力を生かした振興策を考えるべきだと思いますがいかがでしょうか? 市長の考えをお聞かせください。
【企画財政局長】
市としての公衆浴場への支援策といたしましては、これまで、公衆衛生の観点から、水道料金の減免措置等を実施してまいりました。
今回、本市における公衆浴場が多いことを資源とした新たな振興策のご提案につきましては、現在のところ考えておりませんが、浴場組合として、市内銭湯マップを作成された場合には、PRの協力等について、検討してまいりたいと考えております。
【辻おさむ】
次に、競艇場との関係です。
誘致するスーパー銭湯には、約300台の駐車場がつくられる予定です。
競艇場の公営駐車場は、競艇場敷地内の南側に集約され、競艇を開催していないときは、時間貸し駐車場として利用されています。
また、民間の駐車場も、少なくはなりましたが競艇場の北側に存在しています。
もともと琴浦市住跡地の一時活用にあたって、周辺駐車場への影響があるため、「駐車場にするためには貸さない」ということではなかったでしょうか。
それなのに、スーパー銭湯に300台の駐車場ができると、その使われ方によっては周辺駐車場に大きな影響が出てきます。
そこでお聞きします。スーパー銭湯の駐車場設置は、既存の周辺駐車場にどのような影響があると考えているのでしょうか。
また、スーパー銭湯の駐車場と競艇場周辺駐車場との利用の住み分けはどのようにするのでしょうか? そのための対策をどのようにするつもりでしょうか?考えを聞かせください。
【資産統括局長】
温浴施設に併設する駐車場につきましては、あくまで施設利用者を対象としたもので利用者数を勘案したうえで必要な台数が確保されるものであり、その管理につきましては、事業者がゲートを設け、温浴施設の利用者の利用に供するものとなっております。
【辻おさむ】
さて、種々、琴浦市住跡地活用についての問題を指摘してきました。
こうした問題は、今回の公有地の土地利用についての選考が職員だけでおこなわれたという問題があります。予算委員会では会派議員がただしましたが、選考委員会の議事録さえ作られず、検討内容も非公開です。
市長は、東日本大震災のガレキ広域処理の受け入れを検討するにあたって、2回も直接、市民の意見を聞かれました。市バスの経営のあり方についても、公営審で具体的検討に入る前に市民説明会を開いています。
しかし、琴浦市住跡地の活用については、市民の意見を聞かずに決めてしまいました。一貫性がありません。市長の政治姿勢が問われるもので
す。
大庄地域では、これから大庄西中学校跡地についても本格的な活用方策が検討されるでしょう。また、最終的にどうなるかはわかりませんが、市全体の公共施設の再配置、あるいは小中学校の統廃合による市有地活用が、課題にされようとしています。
これら、ひとつひとつが、まちづくりや、地元経済への大きな影響を及ぼすものと考えられます。それだけに、今回の琴浦市住の選定方法での問題点を市として総括する必要があるのではありませんか。
そこでお聞きします。
今後の公有地の土地利用については、地域産業の影響、市民の暮らしへの影響を考慮したうえで、職員だけでなく市民の声を反映させるべきではないでしょうか? お答えください。
【資産統括局長】
この度の琴浦住宅跡地の活用につきましては、平成20年度から21年度に設置されていた大庄中部《未来につなぐ》まちづくり市民委員会において、ご検討いただきそのご提案を踏まえ、暫定的な土地活用を図ったものでございます。
今後とも、こうした大規模な市有地の土地活用につきましては、周辺環境はもとより、まちづくりを進める上においても、大きな影響を及ぼすものであることから、その検討にあたっては、市民、地域住民の皆様のご意見をお聞きする中で、慎重に進めてまいりたいと考えております。
松村ヤス子のおはようニュース2012.6.
日本共産党尼崎市会議員 松村ヤス子
社会保障改悪 消費税増税 合作談合許せません
・民主も自民も国民いじめ
・同じ土俵で突き進む
・財界の意向受けて
・公約投げ捨て自公路線に
・「国民会議」の狙い
”社会保障の抑制か、消費税増税か”という二者択一を国民に迫るのでなく、消費税増税に頼らず、社会保障を拡充していく改革への転換が求められます。日本共産党の「社会保障充実、財政危機打開の提言」がいよいよ重要になっています。
早川すすむ市政報告 第220号B4版 2012.6.1.
日本共産党尼崎市会議員 早川すすむ
税と社会保障の一体改革 本当に国民の福祉のためなのか
・「全額社会保障」はまやかし
・大企業の富を国民に
課題山積 6月議会が始まります
・総合計画の策定
・日の丸強制条例
・園田ナイター競馬問題
・震災ガレキ処理など
アスベスト裁判 なんとしても勝利を 支援署名に協力を