12月市議会本会議の松村ヤス子議員の一般質問の発言です

日本共産党議員団の松村ヤス子です。まず初めに、旧開明小学校校舎の更なる活用についてお尋ねします。市は地域学習館の運営を市民団体にゆだね、維持費として、今年度までは、市が年間330万円を負担するが、来年度からは、市の補助金が出されない中で運営ができなければ廃止する計画としています。こんなことでよいのでしょうか。市民の活動・学習の場である12か所の地域学習館を存続できるように支援するべきです。地域学習館で活動をしている市民からは、市の支援を継続して、廃止させないでほしいとの切実な声が上がっています。市民が活動なかまと一緒に積極的・意欲的に活動することは、心身の健康増進にも大きく役立ち、高齢者の引きこもりの防止にも貢献しています。地域学習館の廃止によるマイナス面の大きさを考えるべきだと思います。地域学習館は、ボランティア活動の拠点としても使われています。存続できるよう、市の支援を求める切実な要望があるなか、今年度限りで打ち切られます。地域住民が、維持管理に全責任を負うことは、現実的には無理があり、廃止を余儀なくされるでしょう。地域内の社会福祉協会の会長さは、「開明地域学習館を使用して、地域内の一人暮らしの高齢者の孤立を防ぐために、お茶とお菓子とおしゃべりを楽しんでもらうボランティア活動をしている。廃止しないでほしい」と切実な声をあげておられます。高齢者の健康保持にも貢献しているとの自負も大いに持っておられるのを感じました。しかし、「地域学習館が廃止された場合の対応も考えておかなければならない。廃止されたからと言って、これまで行ってきたボランティア活動をやめるわけにはいかない」と強く言われています。そして、地域振興センターが管理している旧開明小の教室を地域学習館並みの使用料で、使わせてもらえないか」との要望も話されていました。しかし、中央地域振興センターの職員さんからは、もともと、公民館分館であった地域学習館と地域振興センターでは、定められている設置目的が異なるので、受け入れられない。使用目的を定めているルールが違うので」と説明しているのが、たまたま、耳に入り、「これではあかん」と思いました。このように、特に、市民福祉活動に類するボランティア活動は、支援される市民にとっても大変重要な意味を持っていることに配慮し、活動の中止・廃止を防ぎ、継続できるように支援すべきと考えます。とくに、公益的な活動をする場合の使用料は、全額無償にするなどの配慮をすることが必要と考えます。旧開明小校舎は、国による登録文化財に指定されており、現在、外壁の塗装工事をしています。塗装工事で登録文化財らしく保存することも意味あることですが、より大切なことは、有効な使い方がされているか、にあります。中央地域振興センターが管理している旧開明小校舎の3階の55%以上を占める面積が、埃が積もったままで使われないままになっています。使えるスペースがあるにも関わらず、使わせないのは、あまりにも硬直した考え方と言わなければなりません。

お尋ねします。開明地域学習館の閉館に伴い、活動できなくなった市民団体には、旧開明小の空き室を活用できるようにすべきと考えますがいかがでしょうか。ところで、公共施設の最適化の取組みを進めておられる中で、旧開明小校舎は3階部分が未活用になっています。この未活用部分についてはどのように有効活用を図ろうと考えておられますか。答弁願います。

次に、尼崎市バスの運転手の管理に関して質問します。来年度から市営バスを廃止して、阪神バスに移行します。それに関連して、不安をいだいている運転手さんたちもおられます。それだけでなく、あってはならないことですが、3人の任期付き職員の市バス運転手から、パワーハラスメントにあったとして、陳情が出されました。あらためて、パワーハラスメントに関して質問します。以下パワハラと略します。議会に出された陳情の趣旨説明は、以下のとおりです。「現在尼崎市交通局塚口営業所内において、我々任期付職員(バス運転士)が管理職者及び運行管理者からパワハラ行為や暴力的な言動を受け、4名の運転士が自律神経失調症や心的外傷後ストレス障害(PTSD)等の精神疾患に追い込まれ、病気休職を余儀なくされています。病気休職までいかなくとも、精神安定剤などを服用しながらなんとか乗務している運転士も多数います。このような状況では市バスの安全運行にも支障をきたし、市民の安心・安全にも影響がでかねません。早急に職場環境の改善を求めます。という内容のものです。

お尋ねします。陳情内容についての事実調査を行ったのでしょうか、まだ、行っていないのであれば、直ちに、調査すべきです。答弁願います

これで第1問目を終わります。

第2問目

厚生労働省が、ホームページで、パワハラについて掲載しており、それによると、パワハラは、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えることをいう。うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもある、とあります。また、パワハラは、業務の適正な範囲を超えて、言ったり、行動した側が、そんなつもりでなかったとしても、受けた側が、パワハラだと感じた場合は、それがパワハラになります。と説明しています。また、2012年1月30日、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」によると、職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」とされています。大変大事なことは、業務の適正な範囲を超えて、言ったり、行動した側が、そんなつもりでなかったとしても、受けた側が、パワハラだと感じた場合は、それがパワハラになると厚労省がのべていることです。」議長限りになり審議されないことになりましたが、交通局の職場内でおこったことについての陳情書です。任期付き職員からの陳情といえども、交通局の職員からの職場での出来事について述べられているものです。陳情書という形で、議会あてに出されものですが、本来、このような内容のものであれば、市の幹部職員は、真っ先に、調査を行ってしかるべきです。

お尋ねします何よりも、まず、パワハラを受けた本人からの直接聞き取り調査を行うべきと考えます。その際には、本人が信頼できる人を同席してもらうなどの配慮を行うべきと考えます。なお、聞き取りには、厚労省が、パワハラについて定義している立場に基づき、丁寧に、聞き取ることが必要と考えますが、いかがでしょうか。また、このようなパワハラを受けた人は、庁内のどこに相談を持っていけばよいのでしょうか。また、パワハラに対応する市の体制はどうなっているのでしょうか。パワハラは、なぜ発生するとみていますか。発生する要因は、どういうところにあるとみていますか。パワハラの発生予防対策としてどのようなことを行っていますか。それぞれ答弁願います。

次に南海トラフ巨大地震の津波等被害対策などについて質問します。3.11東日本大震災に続く、南海トラフ巨大地震の発生にともなう、津波被害に対する取り組みが国・自治体にとっての重要な課題になっています。まず初めに、南海トラフ巨大地震の津波等被害対策の強化・充実について質問いたします。兵庫県が今年、6月に策定した「津波防災インフラ整備計画」では、南海トラフ巨大地震の発生までの残年数は19.2年、尼崎市の想定最高津波水位は4.0mとしています。尼崎市は、地下水くみ上げによる地盤沈下で、市域の1/3を占めるJR神戸線以南は海抜ゼロメートル地帯で、防潮堤と閘門で守られている都市です。県の「津波防災インフラ整備計画」では、津波による浸水面積は3メートルを超える地域もあり、市域の20%に当たる約1000haにも及んでいます。また、津波到達時間は、117分、約2時間です、死傷者数は1万人を越え、1週間後の避難者は約4万人に達すると想定しています。こうした被害想定から、同整備計画では、防潮堤等の越流対策・引き波対策、防潮堤等の沈下対策として、液状化を防ぐための地盤改良に取り組み、2023年度までに浸水面積を尼崎市全体で91%縮減する対策事業を推進しているとあります。しかし、県の「津波防災インフラ整備計画」には、「実際の災害では、想定以上になる場合がある。命を守るためには「逃げる」ことが基本であり、状況に応じた適切な避難行動ができるよう、日頃から十分準備しておく必要がある」と何よりも「逃げる」ことの大事さを強調しています。本市では、東日本大震災を教訓として、被害が想定される地区では3階建て以上の建築物を津波等一時避難場所に指定し、また、指定避難場所になっている小中学校の耐震化にも取り組み、災害情報の伝達のために防災行政無線の拡声器の増設、防災ブックを作成しての啓発なども推進しています。さまざまな取り組みを進めていることは、大変重要ですが、まだまだ、十分とは言えません。高齢者や障害者も含めて、避難できる体制をどう作るかが、極めて重要です。本市の人口は約44万6千人ですが、そのうち、避難行動要支援者、つまり、一人での避難が困難だと思われる、独居老人、身体障害者など、社会的弱者の方たちが約9万4千人・21%です。そして、その半分の約5万人が避難行動要支援者名簿への記載を希望していると市が説明しています。しかし、ともに考えようと市は地域に言っているが、具体的な避難支援策を示していないと、社協関係者から伺っています。

まず、お尋ねします。避難行動要支援者名簿への記載を希望している要支援者が避難するためには、どのような具体的な避難支援策が立てられているのでしょうか。答弁願います。

兵庫県瀬戸内沿岸に津波警報、大津波警報が発令された場合や洪水が発生し、もしくは洪水の恐れがある場合、避難勧告、避難指示が発表されたときに緊急一時的に避難できる所として「津波等一時避難場所」が指定されています。その指定に当たっては、耐震化工事が完了した建物や昭和56年以降の「新耐震基準」に合致した建物、鉄筋コンクリート造等の建物、3階以上に避難できるスペースがあり、24時間体制での避難が可能であることの4つの条件を満たしている建物です。尼崎市では、この津波等一次避難所に指定されている民間の建物は170か所、公共の建物が154か所、合計、324か所で、28万2050人分を確保しています。多くの民間施設の同意が得られたことはありがたいことです。しかし、いざというときにその「津波等一次避難場所」が、十分利用されなければなりません。

お尋ねします。特に、夜間に地震津波が発生し、電源が喪失し、避難行動要支援者も含めて、津波等一時避難場所に避難する場合、暗い中でも、避難できるように、具体的な手順などについて、地域住民との具体的な協議と訓練が必要だと考えますが、いかがでしょうか。市内全域で、避難勧告、避難指示が短時間で解除されたものの、津波による被害が広範囲におよび、自宅に戻れない場合は、津波等一次避難場所に避難した人は、公的施設等への移動が考えられますが、どのように対処するのでしょうか。今年9月の茨城県の大水害でも経験したように広範囲に亘る浸水状態の回復には数日を要すると想定しておくべきです。その場合の避難者への支援についても検討されているのでしょうか。 それぞれ答弁願います。

また、南海トラフ巨大地震による被害は、歴史に残っている、これまでの被害を越えることも否定できません。巨大地震・津波が発生した場合、自衛隊や全国からの支援が得られる時期は、尼崎市以上の被害が想定される和歌山や四国、大阪市、淡路島などが優先されることになると考えます。それに、都市化が進み、密集市街地がある本市では、鬼怒川水害のようにヘリコプターによる救助も困難が予想されます。地震・津波が発生した場合、各地域が機動力や通信、エネルギー面で孤立する可能性があります。津波等による浸水想定地域における救援・救難活動は、消防団、自主防災組織、尼崎市が相互連携して行えるようにしなければなりません。中央地域以外では、地域振興センターと地区会館を統合して、複合施設を建設し、あわせて、防災機能を整備する計画になっています。

お尋ねします。南海トラフ巨大地震等が発生し、地震の影響により、電源喪失状態であっても、「庁舎を維持するうえで、必要な電力が賄えるよう」蓄電池を装備するなどの対策が必要と考えます。答弁願います。

南部に位置し、高齢者の割合も避難行動要支援者の割合も高い中央地域にある中央地域振興センターと地区会館は、津波浸水に対応できることや救難・救助機能の整備を図ることが優先すべき課題になると考えます。地域住民は、何かあったら日常的に慣れ親しんでいる、中央地域振興センターのある旧開明小学校に避難することが十分に考えられます。

お尋ねします。それだけに、平時の利用においても、バリアフリー化へ配慮として、エレベーターの設置が必要だと考えます。加えて、中央地域振興センターへの避難者が、利用できるエレベーターの設置は、不可欠です。災害対応機能のあるエレベーターを設置することが必要だと考えます。答弁願います。

中央地域以外では、地域振興センターと地区会館を統合する複合施設が概ね300人収容できる災害避難所として計画されており、そのための備蓄も行う計画になっています。複合施設への建て替え完了時には市の南部地域は、中央地域分と合わせて、1千人以上の一時避難者の受け入れが可能となります。津波到達前には、地域の自主防災組織、消防団の活動により、複合施設への避難誘導・支援を実施し、津波後の浸水状態を見定め、消防団、市民、行政が協力して、民間建物の一時避難場所から一定量の物資等の備蓄がある公的な避難場所への誘導等を行うことになると受け止めています。

お尋ねします。南部の複合施設や、中央地域振興センターには、防災機能の一部である人的機能を補完するボートなどの機動力、救難・救助装備、消防団、職員、市民の身体防護機能の配備及び、飲食料、防寒用毛布等の備蓄を図る必要もあると考えます。答弁願います。

2012年の国の南海トラフ巨大地震による最大クラスの津波想定発表以来の具体的対応は国の補助対象となる学校耐震化や被害低減を図る具体的な施策については、民間等の施設を主とした津波等一時避難場所の指定、防災行政無線の屋外拡声器の増設など、突然訪れる地震・津波の発生に対して、市民のいのちを守るために、様々な取り組みをしておられることを心強く思っています。しかし、更なる取り組みの強化も必要だと思います。

そこで、お尋ねします。避難勧告や避難指示が出されたときの避難場所として、小・中・高等学校、地域総合センターなど、81か所を指定避難場所と指定していますが、その指定避難場所では、毛布や飲食料の備蓄は十分されているのでしょうか。しっかりと、備蓄しておくべきと考えます。答弁願います。また、市民の救助にあたる消防団員や自主防災組織、市職員の身体生命の保護対策は検討されているのでしょうか。答弁願います。

本市は過去に台風による大水害により甚大な被害を経験しました。それが契機となり、市民の力も得て、防潮堤が建設されました。市の存亡をかけて取り組んできた歴史です。いつどのような状況下にあっても、「市民の安全を守る」「命を守る」ために、市民とも力を合わせて、取り組みを強められることを求めて2問目の質問を終わります。

第3問目

尼崎市だけでなく、民間職場においても、そこで働く人たちは、通常、責任の重さと権限の大きさによって、縦系列におかれています。何気なく発した言葉もで、傷つく人がいたり、場合によっては、平気な人がいるのも事実です。それだけに、常に、相手の身になって考えることを鍛錬しなければならないと思います。尼崎市役所の職場環境が、仕事には厳しくても、上司の温かさが伝わる職場環境であってこそ、職員の士気も上がると思っています。市民の一人として、そういう尼崎市役所であってほしいと心から願っています。また、市民が主体になっての地域活動が、積極的に行われる時代に変化しつつあります。そういう市民活動を後押しする自治体であってほしいと願っています。毎日の天気予報のように、気象の変化は、ほぼ正確に予知できる時代になりました。しかし、地震の場合は、まだまだ、そういうレベルでの予知は不可能です。それだけに、南海トラフ巨大地震の津波等の被害対策、特に、ゼロメートル地域に住む私たちには、命がかかった問題なのです。自力で避難できる元気な人の命も、自力で避難できない、災害弱者の命も、同じ大切な命として、守りあえる尼崎市でなければと強く願って、質問してまいりました。これで、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

12月市議会 本会議の松沢千鶴議員の一般質問の発言です

第1登壇

日本共産党議員団の松澤千鶴です。私は、市の公共施設の最適化に向けた取り組みについて、介護保険事業について、市バスのバス停ベンチについて順次質問していきます。

<公共施設の最適化に向けた取り組み>

尼崎市は老朽化する各支所と地区会館を合築して、複合施設を新設しようとしています。手始めに武庫地区の複合施設の設計予算が6月議会に、今議会には建設予算が提案されています。そしてこれを機に支所で行ってきた地域保健業務はもう複合施設では行なわず、市内2カ所の保健福祉センターに集約するといいます。地域福祉業務の大半は社会福祉協議会に委託するといいます。市民生活に密着する市民サービス提供のあり様が大きく変ろうとしています。

そこで質問します。Q:複合施設の機能・職員配置はどうなるのですか。

Q:現行の支所の利用と比べて、市民にとっての利便性はどう変わるのですか。

<介護保険事業について>

次に、介護事業所の現状についてお聞きします。 大阪社会保障推進協議会が今年7・8月に府下の指定通所介護事業所、いわゆるデイサービス事業所にアンケート調査を行っています。なぜデイサービス事業所なのかといえば、今年4月の介護保険改悪で、全国的に見ても要支援者の3割ほどの人が利用しているデイサービス事業が介護報酬削減のターゲットになり、要支援1ではマイナス22%、要支援2ではマイナス20.3%と大幅な削減がされたからです。アンケート結果によれば、4月の介護報酬削減によって、10人以下の小規模デイサービスで85%が、11~20人規模では75.7%が「減収になった」と答えており、減収率はマイナス12%を超えています。規模が小さいほど報酬削減の影響が大きく出る傾向がありました。その上、総合事業に移行する際には報酬が更に7~8割に下げられる心配があり、今後の事業展開について「事業からの撤退」「事業所の整理・縮小」を考えている事業所が3割近くあるとの結果が出ています。この大阪に限ったことではなく、北海道や千葉市でも大幅減収により、小規模デイサービス事業所が存続の危機にあることが新聞報道されています。昨日の渡瀬議員の質問に対して、尼崎では廃業する事業所もあれば新規参入する事業所もあり、総数で増えているから報酬削減や総合事業が始まることが問題になっていないというような答弁をされていますが、これからが表面に出てくる問題かもしれません。 尼崎には11月現在191のデイサービス事業所がありますが、そのうち定員20人以下の小規模事業所が130所、68%を占めています。ここに存続の危機があれば、この先介護の受け皿が不足してしまうことが懸念されます。

そこで質問します。Q:尼崎のデイサービス事業者の介護報酬削減による影響はどうなのか、市は把握していますか。

次に、アンケート調査では介護労働者の処遇改善の状況を聞いています。今年4月国は、処遇改善加算を一定「改善」しましたが、アンケート結果では、処遇改善加算取得による賃金改善の方法については「賞与や一時金」が51%で、「基本給の改善」は25%にとどまっています。せっかくの処遇改善加算ですが、根本的な処遇改善となる基本給のアップになっていないので実効性は課題があると思います。

そこで質問します。Q:尼崎の介護労働者の処遇改善の状況はどうでしょうか。市は把握していますか。

次に2017年から始めようとしている総合事業の考え方についてお聞きします。Q:国はモデルとして・現行相当・基準緩和型・住民主体型・短期集中型などを示していますが、市はどういうものを導入しようとしているのでしょうか。

<市バス・バス停ベンチについて>

9月議会で、市バスが67年の歴史を終え、阪神バスに来年3月20日移譲されることが決まりました。市バスは長きにわたって様々な福祉的サービスを市民に提供してきましたが、その一つがバス停ベンチの存在です。多くのバス停にベンチがあり、バス待ちの高齢者や障碍者などに喜ばれています。他市にはほとんどない市民への温かいサービスです。しかし、阪神バスに移譲が決まったことで、道路構造令に違反するベンチは来年早々には撤去すると市は言っています。

Q:現在何カ所のバス停にベンチがあり、そのうち何カ所のベンチを撤去する計画なのですか。

これで1回目の質問を終わります。2回目からは1問1答で質問します。

第2登壇

<市バスのバス停ベンチについて>

Q:市はこの注文にどう答えますか。まさか交通局がなくなるので責任持てませんなどとは言わないでしょうね。いかがですか。

担当課からは、できるだけベンチを残せないかと検討を重ね、2月の撤去案よりは撤去数は減らしたと聞いていますがそれでも(   )個のベンチが撤去されるんですね。来年早々に具体的に撤去が行われれば、地域から「ベンチが必要だ」という声はあがってくるでしょう。若王寺バス停のように市民の協力でベンチの設置が可能な個所も出てくるでしょう。そこにはしっかりと市が責任をもって設置していくべきだと思います。

Q:今後阪神バスに移譲されてからも、市民からの意見や苦情などが出てくると思いますが、それを受ける市の窓口はどこになりますか。

市民の声に行政がどう応えていくのかが問われている問題です。

<公共施設の最適化に向けた取り組み>

(    )という答弁でした。昨日の久保議員の質問に対して、支所で現在行っている地域保健・地域福祉の申請受付窓口業務は114あると答弁がありました。

Q:それらすべてを社会福祉協議会に委託すると言うのですか。

業務は114あり、そのうち100~102は委託ということですね。高齢福祉、障がい者、児童・母子、福祉医療、介護保険、後期高齢、保健関係と多義にわたります。事前にいただいた資料で見ると、これら社協に委託する予定の業務の受付総件数は全体で76,000件余り1支所で年間約12,800件、1日あたりで42.5件となります。

Q:広範囲の申請受付であり1日あたりの件数も多いこの仕事を、社協がしっかり受けられるのでしょうか。

また、単なる受付だと言いますが、窓口に来る市民の側が申請する制度が分かったうえでの受付だったら問題ないかもしれません。しかし、よくわからないけど周囲に聞いたら何か利用できるらしいと言われて来たというような、窓口が交通整理してあげなければいけないような来庁者が案外多いのではないですか。経験のない社協職員がアドバイスを受ける市職員もいないところで、ちゃんとそれができるのでしょうか。はなはだ疑問です。地域保健担当の申請受付以外の業務は全部保健福祉センターに移されます。6支所から2センターへ、市民にとって明らかに「市役所」が遠くなります。9月議会のわが会派の真崎議員の質問に対して、当局は「保健と福祉が一体的に対応できる、乳幼児健診の環境改善ができる」と保健福祉センター2ケ所集約の優位性を答弁しましたが、市民にとっては「支所がなくなる」ことが最も大きなデメリットではないでしょうか。職員のみなさんは、赤ちゃん健診の時若いママさんたちがどんな方法で支所に来ているかご存知ですか。車利用はほんのわずかです。ほとんどが自転車で、前かごに大きな荷物を乗せ赤ちゃんをおんぶしたり、上の子を座席に座らせてやってこられます。距離が遠くなると自転車では困難になる人が増えます。バスや電車を乗り継いで保健福祉センターまで行くのはたいへんです。母子保健については母子帳の交付申請からはじまり、妊婦教室、赤ちゃん健診や育児相談など全てを保健福祉センターで行うと言いますが、遠くなることで健診受診率が下がり、これまでできていた母子保健のサービスが低下するのではないかと危惧します。精神保健でも、生活相談で知りあった統合失調症の男性は、作業所を紹介してもらい通所が安定するまで何回も支所の精神保健相談員に相談に行ったと言っています。身近にあるからこそ受けられたサービスでしょう。

Q:市は遠くなることのデメリットを考えませんか。いかがですか。

日本共産党議員団は11月 西宮市の支所機能の視察を行ないました。西宮市は人口48万人、尼崎市より4万人程人口が多い中核市です。5つの支所、2つのサービスセンター、4つの分室、平日の開庁時間の延長及び土・日・祝日の開庁を行うアクタ西宮ステーションがあります。また、支所やサービスセンターに付随して地域保健を担当する保健福祉センターが5か所あります。鳴尾地区では以前赤ちゃん健診は本庁で行っていたけれど、人口増加などで鳴尾支所に保健福祉センターを併設。それによって健診受診率が向上したそうです。西宮市も職員定数の削減やファシリティーマネジメントの基本的方針で25年で10%以上の総量圧縮が打ち出されています。行革も進めていますが、それで浮いた職員やお金は対市民サービスに回し、フェイス・ツウ・フェイスを重視するのが西宮市のやり方でした。尼崎市のめざす方向はどうでしょうか。9月議会・真崎議員の質問に対して、厳しい財政状況と限られた人的資源の中では、6カ所すべてにおいて十分なスペースの確保や人員配置をおこなうことは非常に困難と答弁されていますが、これでは行政のギブアップ宣言に等しいと思います。

Q:市長に伺います。フェイス・ツウ・フェイスで住民に身近な行政サービスを適切に提供することが市民サービスの原点ではありませんか。見解を求めます。

次に保健福祉センターの設置場所が確定していないことが昨日までの久保議員の質問で明らかになっています。Q:市の計画では、2017年4月に武庫地区複合施設と南北の保健福祉センターが同時スタートすることになりますが、北部の場所確保がこんな状況で果たしてそれは可能ですか。

Q:北部保健福祉センターが2017年4月に間に合わなかったら、それこそ武庫地区の地域保健・地域福祉担当が行う市民サービスはどこで提供するのですか。

Q:北部保健福祉センターの場所が確定できないまま、武庫地区の複合施設の建設計画を進めるのは、あまりにも無謀です。場所が決まるまで建設計画は凍結すべきと考えますが、いかがですか。

これまでお聞きして、市の公共施設の最適化の取組みは、市民にとっては「市民サービスの低下」をもたらすことが明らかになったと思います。複合施設に現行の地域保健・福祉担当を残すべきです。複合施設に赤ちゃん健診ができる設備を整え、健診は複合施設で行うべきです。市民からは「複合施設の3階部分に400人も収容の大ホールは要らない。地区会館同様に250人ぐらいのホールで十分だ。」という声もあがっています。複合施設の設計図を見直せば、これらの変更は無理な話ではないと考えます。そのうえで、現在市役所の福祉事務所1ヵ所で行っている生活保護・障害者福祉・生活支援などの保健福祉部門の2ヶ所化を検討すべきだと指摘しておきます。

<介護保険事業について>

次にデイサービス事業所や介護労働者の現状についてですが、市は実態把握されていないことが分かりました。私は、市内のある小規模デイサービス事業所に話をお聞きしました。ここは、事業者所有の集合住宅の1階部分で事業を行っておられます。建物のローンがなくなったのでなんとか経営は成り立っているとのことですが、次の展開として2カ所目の事業所を考えていたものの、それは報酬削減などでかなりハードルが高くなってしまった。今は必死で利用者の獲得に走っている。小規模には家庭的で個々人に1対1で関われる良さがあり、要介護・要支援の高齢者にとって必要な社会資源だと実感しているので頑張りたいと話されています。社会的介護を担う事業所や介護労働者が、4月からの制度改悪によって疲弊し今後減少するようでは受け皿が不足し、介護難民が出てきます。第6期介護保険計画にも狂いが生じてしまいます。緊急にデイサービス事業所の実態調査が必要だと思いますがいかがですか。

Q:市は事業者実態調査をするつもりはありますか。

次に総合事業に移ります。市は現行相当サービスのほかに基準緩和型を考えているようですが、これは無資格者が数時間の研修を受ければ事業者指定を受けられるもので、生活の質の向上への配慮が度外視されているとか、かえって重度化を早めるなど専門家から問題点が指摘されています。また、今年度から総合事業をスタートした全国各地の自治体では、報酬は軒並み改定前予防給付の6~7割に削減されています。これではさらに事業所の経営悪化が懸念されます。基準緩和型の導入は、介護の質を低下させ介護事業所の存続を危うくするばかりで、要支援の高齢者やその家族にとって安心を与えるものにはなりません。

Q:基準緩和型は導入せず、現行相当サービス中心で行うべきと考えますが、市長の見解はいかがでしょうか。

多様なサービスとして住民ボランティアで現在行われている地域のお食事会や訪問型サービスなどの支え合い・助け合いをもっと広げていこうという方向は、日本共産党議員団も賛成です。現行サービスだけでは補えない生活の質を向上させる取り組みや隙間の支援として、公的補助を充実していくことを求めます。重ねて言いますが、2017年から行う予定の総合事業は、要支援者が地域で安心して暮らしていくためには基準緩和型ではなく現行相当サービスを保障すべきです。要支援者のホームヘルプサービスとデイサービスを現行相当で行うことは、事業所の経営を支援し、介護の受け皿である事業所を減らさないことにもつながります。

次に訪問看護の集中減算についてお聞きします。集中減算とはあまり聞きなれない言葉かもしれません。ケアマネージャーがたてるケアプランが公正中立に行われることを目的に、正当な理由なしで事業者紹介に偏りがあった場合にはペナルティとして報酬の減算を行うことを集中減算と言い、2006年から実施されています。今年9月からその対象事業に訪問看護も追加されることになり、ケアマネジャーや訪問看護ステーションに動揺が走っています。なぜならば、訪問看護はケアマネジャーが故意にある訪問看護ステーションを紹介するものではなく、患者の主治医から指示書が出されそれによってケアマネジャーがケアプランを立てることになっており、ほとんどの場合、主治医が信頼する訪問看護ステーションを指名しているからです。9月に在宅医療を熱心にやっている法人から、市に対して申し入れ書が出されました。訪問看護の他の介護サービスとは異なる特殊性を理解し、一律に処理しないでほしいという趣旨でした。

Q:まずお聞きします。市は訪問看護の他の介護サービスとは異なる特殊性についての認識がおありですか。

この法人は10数年来患者やその家族のニーズに応じて、在宅での看取りや退院後の安心できる在宅医療のために努力し、そのことが地域の開業医や病院から信頼を得て、多くの利用がされている実績のあるところです。今回集中減算のシュミレーションをしてみると、年間3,800万円以上の減収になってしまい、事業所経営や、スタッフの確保、研修などに大きな痛手になるといいます。一方で、ちまたでは集中減算は9月から2月の実績のトータルを見て行われるので、減算にならないために各法人間でケアプランや患者のトレードが当たり前のように行われているとのことです。私は、これはたいへん問題だと考えます。患者やその家族の在宅医療への願いや主治医の治療方針が、集中減算によって事業所収益が減ることを理由にないがしろにされるからです。これでは在宅医療の安心も充実もあったものではありません。

Q:こうした事態について市長はどう考えますか。

集中減算の適否の判断は都道府県や指定都市の長に委ねると厚生労働省は言っています。それを受けて、北海道や山形県などは、訪問看護については主治医の指示書があれば「正当な理由」とみなして減算対象から除外すると公表しています。尼崎市も中核市なので市長の判断で対応は可能です。市民が安心して在宅医療を受けられるために、主治医の指示書があれば集中減算の対象から除外すべきだと考えますがいかがでしょうか。

Q:市長の見解を求めます。

国は、とりあえず今年から3年間で要支援者のヘルパーサービスとデイサービスを介護保険から地方自治体が独自に行う総合事業に移しますが、財政制度等審議会では、この先要介護1・2の介護保険サービスも総合事業に移すことがすでに検討されています。こうした国の改悪の流れを見れば、要支援者の介護保険サービスを総合事業に移行しようとする最初の今の時点から、尼崎市として介護の質を守る、質を高めるための独自の基準づくりや取組みをしておかないと、どんどん規制緩和が進んでしまい、安心の介護が危うくなります。そのためには、高齢者やその家族、介護事業所の実態把握と声を聞く努力を続けていただくことを切に求めて、私の全ての質問を終わります。

12月市議会の徳田みのる議員の一般質問に対する当局の答弁です

質問

要介護者の障害者控除対象の認定書の発行が少ないのを、どう考えているか。

答弁

障害者控除対象認定書の発行につきましては、毎年市報1月号に掲載するとともに、ホームページや市民べんり帳でも周知を行っているところでございます。本市の場合、本人が非課税で障害者控除の手続きが必要でない方が多いことも発行が少ない一因にはなりますが、今後、一層の周知を図っていく必要があるものと考えております。以上

質問

尼崎市でも申請主義でなく、自治体から対象者すべてに障害者控除対象者認定書を送付すべきでないか。

答弁

障害者控除対象者の認定につきましては、その年の12月31日を認定基準日として、介護保険の認定調査結果と主治医意見書、並びに基準日における日常生活動作や精神面の状況調査票に基づいて、障害の程度を確認し、認定書を発行しております。また、障害者控除対象者認定申請書におきまして、介護保険等の情報を調査することについて同意を求めており、その同意に基づき、認定の判断をしておりますことから、事前に判断し、認定書を送付することは考えておりません。以上

質問

電話相談開設の後、関係者で検証を行ったのか。行ったのであれば、結果はどうだったのか。

答弁

小児科深夜帯の診療体制変更後、9月に関係者で開催した検証会議では、総合医療センターから、「午前O時から6時に一旦小児救急相談ダイヤルに電話をかけるというルールについて一定周知がなされていること」及び「電話された方のうち、総合医療センターへ紹介した方の割合が6割程度になっていることから、平常時においては大きな混乱もなく移行が図られている」との評価をいただいております。一方で、急病診療所からは体制変更を知らずに午前O時から6時に来所される方もおられる、との報告も受けています。本市としましては、今後も市民の皆さまに、体制変更と午前O時以降はあまがさき小児救急相談ダイヤルに電話をいただき、受診が必要とされる場合には、医療機関を紹介するというルールについてご理解いただくよう、引き続き周知・啓発に力を入れてまいりたいと考えております。以上

質問

障害者控除対象となると思われる方に、認定申請用紙を送付して、この制度の利用を図るべきではないか。

答弁

先ほど答弁させていただきましたとおり、事前に障害者控除対象者かどうかを判断して認定書を送付することは考えておりませんが、要介護認定を受けられた方で、障害者手帳を持っておられない方に、申請書を送付することについては、個人情報の利用についての課題を整理した上で検討してまいります。また、来年度から介護保険制度に関する情報誌「いきいき介護保険」や「介護保険だより」にも掲載するなど、周知方法についても一層工夫してまいりたいと考えております。以上

質問

休日夜間急病診療所における午前0時から6時の小児科診療を再開し、小児救急体制を強化するべきと考えるが、市長の見解はどうか。

答弁

小児科深夜帯の診療体制変更につきましては、将来的に安定的な地域医療を維持し、小児救急医療体制を確保することを目的に、関係機関との協議を経た上で、年間を通して午前O時から6時においては総合医療センターで実施することで、県と合意し実施しているものでございます。今年度の年末年始につきましては、開院から間もない総合医療センターの現場の繁忙状況や、昨年度の年末年始がインフルエンザの流行期と重なり急病診療所が大変混雑したことを鑑みて、総合医療センターから依頼があったことから、尼崎市医師会及び尼崎健康医療財団に臨時開設をお願いしたところでございます。総合医療センターが疲弊し本市の救急医療体制が崩壊することは本市としても望んではおりませんので、後日、今回の年末年始の状況を検証するとともに、関係機関と協議しながら、円滑な救急医療体制の維持のために、本市としてできることを検討してまいりたいと考えております。従いまして、急病診療所の深夜帯の小児科診療の再開につきましては、現時点では考えておりません。以上

質問

市役所に返送された通知カードを来庁依頼しても取りにみえない市民に対して、市はどのようにして全ての市民に通知カードを手渡すのか。

答弁

通知カードが市に返戻される理由は、大きく分けて、①宛所なしの場合、②簡易書留で配達した際に受取人が不在だったため、一旦郵便局で保管し、その後1週間が経過した場合、③本人が受け取り拒否をした場合、があります。宛所なし、あるいは郵便局の保管期間が経過した通知カードが市に返戻された場合は、転送を可とする普通郵便でカードが返戻された旨の通知を行い、窓ロでの交付方法や、施設等に長期入院されている方の居所にカードを送付するための居所情報の郵送による受付など所要の手続きをご案内いたします。それでもなお、受け取っていただけなかった通知カードや受取拒否をされた通知カードにつきましては、市で3カ月間保管した後、廃棄いたします。以上

質問

市の窓ロでマイナンバーの記入を拒否する市民に対して、記入を強要したり、不利益な扱いをしたりすることはないか。

答弁

国の見解により、マイナンバーの記入を求めてもなお、本人の意思により提供を受けられない場合は、記入がないことを理由として不受理とはしないこと、また、マイナンバーの提供が受けられなかった経緯・経過について記録、保存しておくことが示されております。本市におきましても、この趣旨に従い、対応してまいります。以上

質疑

市民課窓ロ業務の民間委託に対する、プライバシーの保護対策はどうするのか。

答弁

本市では、「公共サービス改革基本方針」に基づき、平成28年1月から市民課窓ロ業務の一部を民間に委託する予定です。市民課窓ロの業務につきましては、市民対応カウンター等の物理的な区分をはじめ、業務内容につきましても、職員の直営業務と委託業務に明確に区分しております。議員ご指摘の情報提供ネットワークシステムに接続させて統合端末等を操作することは、「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」に基づき、本市職員が行います。また、委託業務につきましては、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」や「尼崎市個人情報保護条例」等に基づき、個人情報の保護を徹底してまいります。

質問

障害者や要介護者がマイナンバーを記入する際、補助する介護者にマイナンバーが漏えいすることが危惧される。その秘密保持対策はどうか。

答弁

マイナンバーの記載を求める事務手続きにおいても、これまでの事務手続きと同様、代理人による申請や届出が認められます。障害者や要介護者の場合に限らず、代理人により手

続きがされる場合は、国の示している基準に従い、申請者本人の個人番号カード等、マイナンバーが確認できるものに加え、委任状及び代理人の身元を確認する書類の提示を求めることとしております。以上

12月市議会本会議、徳田みのる議員の一般質問の発言です。

第1登壇

日本共産党議員団の徳田稔です。私は、65歳以上の要介護者の障害者控除対象者の認定、休日夜間急病診療所の深夜帯の小児救急社会保障・税番号、いわゆるマイナンバー制度の問題について質問を行います。65歳以上の要介護者の障害者控除対象者認定についてです。所得税、市県民税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に得た所得にかかる税金です。税額の確定方法については、事業をしている人などは、自ら得た所得の確定申告を翌年の3月15日までに行って、所得税、市県民税を納めます。給与所得者は毎月の給料などから税金を源泉所得税として天引で徴収され、勤務先が行う年末調整などで1年間の税額が確定されます。そして市県民税は、翌年に勤務先の給料から天引きされます。納める税額の計算は、1月1日から12月31までの所得総額から、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、損害保険料控除などをまず差し引きます。差し引かれて残った金額に、一定の率をかけて、さらに一定の税額を控除して納める税金が決まります。この差し引く所得控除の1つに障害者控除があります。障害者控除は本人や配偶者、扶養親族が、3級から6級までの障害者手帳を持っている方は普通障害者控除、1級、2級の障害者手帳を持っている方は特別障害者控除を受けることになります。普通障害者控除額は所得税27万円、市県民税26万円、特別障害者控除額は所得税40万円、市県民税30万円、納税者と同居の特別障害者は所得税75万円、市県民税、53万円となり、その分、税金がより安くなります。この障害者控除の取得にはその他に、本人、配偶者、扶養親族が65歳以上で介護保険の要介護認定を受けている場合にも障害者控除を取得できる場合があります。この税法上の65歳以上の要介護認定者の障害者控除対象者の認定は市町村が行います。判定の基準は要介護判定とは異なりますが、普通障害者控除対象者は要介護1から3の方のうち、身体障害者3級から6級に準ずる人、特別障害者控除対象者は、要介護4,5の方で重度の知的障害者に準ずる人、身体障害者1級、2級に準ずる人、ねたきり老人等の人です。この障害者控除を活用することで所得税、市県民税が減税されます。普通障害者控除は1人、所得税。市県民税を合わせて4万円程度、特別障害者の場合には5万円から7万円程度、同居の特別障害者の場合には9万円から15万円程度の税金が安くなります。事業者は確定申告で、給与所得者は勤務先が発行した源泉徴収票をつかって近くの税務署に行って還付申告をおこなって、税金の還付を受けることになります。尼崎市では1から5までの要介護認定者は今年5月末の時点で、1万6千361人となっています。障害者手帳を持っている人は手帳をもとに障害者控除が取得できますので、障害者手帳の取得者を除いても1万人以上の方が、65歳以上の要介護認定者が所得税、市県民税で障害者控除対象者であると推定されます。尼崎市では、この65歳以上の要介護認定者が、その年の所得申告の障害者控除対象の認定を受けるためには、翌年1月に入ってから市役所に申請を行う必要があります。平成27年分の障害者控除対象の認定申請は、来年1月から受付がはじまります。市役所は申請があった人のみ要介護認定の資料をもとに障害者控除対象の認定を行い、認定書を発行します。納税者はこの認定書を使って、減税を受けることになります。尼崎市が障害者控除対象認定書の発行数は、平成23年度は81通、24年度は101通、25年度は170通、26年度は175通となっています。お隣の西宮市では、平成25年は567通、26年は614通です。西宮市の人口は尼崎より4万人も多いのですが、65歳以上の高齢者の人口は1万人以上少ないのです。尼崎市の障害者控除対象認定書の発行数が西宮の3分の1程度では、少ないのではないでしょうか。この制度の周知が市民にされていないと思われます。

そこでお尋ねします、65歳以上の要介護者の障害者控除対象の認定書の発行が少ないのを、市長はどうお考えでしょうか。見解をお答えください

障害者控除対象者の認定は要介護の審査を行う資料と同じ資料で行います。愛知県一宮市、新潟県上越市や新発田市、福島県郡山市など多くの自治体では、申請を待つのではなく、自治体が介護度1から5までの介護認定の一環として障害者控除対象の認定も同時に行い、毎年、すべての65歳以上の要介護認定者の障害者控除対象者には認定書を、翌年の1月末ごろに送付しています。障害者控除対象認定書を受け取った方は、本人の所得があれば、自らの申告に、認定を受けた方が息子さんなどに扶養されている場合は扶養者の申告に活用され、税金が安くなり、たいへん喜ばれています。

お尋ねします、尼崎市でも、愛知県一宮市、新潟県上越市、新発田市、福島県郡山市など多くの自治体が行っているように、申請主義ではなく、自治体が独自に調査、判断して65歳以上の要介護認定者の障害者控除対象の判定を行い、対象者すべてに障害者控除対象者認定書を送付すべきと思いますが、市長の見解をお聞かせください。

次に尼崎市休日夜間急病診療所の小児救急の深夜帯の診療問題について質問します。この問題は6月議会で行いましたが、県立尼崎総合医療センターがオープンし、5か月が経過しました中で、再度質問を行います。尼崎市は今年7月15日から、休日夜間急病診療所の深夜帯、午前0時から6時までの診療を中止し、県立尼崎総合医療センターで受診してもらう事にしました。合わせて、午前0時から6時までの深夜帯に看護師を配置して、あらたに小児救急電話相談を開設、症状が出ている子どもに対する相談を広く受けています。私は、6月議会の一般質問で、この診療体制の変更について、第1に、2次、3次を担うべき県立尼崎総合医療センターに1次救急業務を課すのは同院小児科の疲弊、崩壊につながる可能性がある。第2に、午前0時以降は県立尼崎総合医療センターの小児科で診て貰えることが県民に知れ渡れば、休日夜間急病診療所の受診を控え、県立尼崎総合医療センターを受診する患者が増加、広域化が予測される。第3に、これまで休日夜間急病診療所が1次救急患者の中から2次救急の患者をふるいにかけ、患者の住所地や普段の受診歴などから近隣の各病院に分散転送させていたが、県立尼崎総合医療センターが一手に深夜の2次救急患者を引き受けることで、1次から2次への流れが悪くなることが懸念されると指摘しました。7月16日に開設した、尼崎小児救急相談ダイヤルの7月16日から9月末までの1ヶ月半の集計をいただきました。その集計によりますと、403人の市民から電話があり、そのうち助言・指導を受けた人は144人、翌朝にかかりつけ医を受診するよう勧められた人は20人、119番するよう勧められた人は1人、尼崎総合医療センターを紹介された人は234人です。総合医療センターを紹介された人は全体の6割に上っています。私は、まず深夜帯の電話相談は小児科医師を配置して行い、効果を検証してから、どうするのか考えるべきと質問しました。当局は、尼崎小児救急相談ダイヤルでは、阪神南圏域小児救急医療電話相談を担当している看護師を配置し、兵庫県小児救急医療電話相談を参考に研修を受けるなど経験を積んだ技術のあるスタッフが対応することになっている。相談員が医師にアドバイスを求めたい事例が生じた場合は、県立尼崎総合医療センターの小児科医師に相談できるよう連絡体制をとって、相談員のバックアップができるようにしている。そして、当ダイヤルの開設後には、県立尼崎総合医療センターをはじめ、電話相談の関係者などと検証を行うと答弁されました。

そこでお尋ねします。電話相談開設のあと県立尼崎総合医療センターをはじめ、電話相談の関係者などと検証を行ったのでしょうか。行ったのであれば、検証の結果はどうだったのでしょうか。ご答弁をお願いします以上で第1問を終わります。

第2登壇

答弁ありがとうございました。答弁を踏まえて、第2問に入ります。市では65歳以上の要介護者の障害者控除対象者認定の周知のために、毎年,市報あまがさきやホームページでお知らせを行っていますが、申請が極めて少ないのは市民への周知徹底が不十分であると考えます。先ほど紹介した65歳以上の人口が尼崎市より1万以上少ない西宮市は、この障害者控除対象認定書は、尼崎市の3倍発行しています。西宮市では毎年新たに65歳以上の要介護認定を受けた人に対して、障害者控除の対象を独自に調査して、対象者と思われる人のうち、市県民税が課税されている人には障害者控除対象の認定申請用紙を送付するなどして、市民への周知徹底を図っています。

お尋ねします。対象者すべてに障害者控除対象認定書を送付するのかできなのであれば、少なくとも、65歳以上の要介護認定者のうち障害者控除対象となると思われる方に、認定申請用紙の送付を行って、この制度の利用を図るべきと思いますがいかがでしょうか。市長の見解をお聞かせください

次に休日夜間急病診療所についてです。尼崎総合医療センターのある看護師さんの話では、午前0時から朝6時までの小児救急患者が多い。24時間365日断らない診療を標榜しているので、どんな救急患者も診察をしている。深夜の現場の職員はたいへんであると、語っていました。今年の年末年始12月30日から1月4日は、小児救急患者が非常に増加することが予測されるため、午前0時から6時まで、休日夜間急病診療所の小児救急診療を臨時的に開設すると、市報あまがさき11月号に案内されています。

そこでお尋ねします。休日夜間急病診療所の午前0時から6時までの診療再開を年末年始のみにせずに、7月15日以前の元の診療体制に戻し、午前0時から6時までの小児救急診療を再開して、小児救急体制を強化すべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。

次に社会保障、税番号いわゆるマイナンバー制度についてお尋ねします。この問題は、昨日,酒井議員が行いましたが、私なりの視点で行っていきます。私はマイナンバー問題を6月議会、9月議会でも質問しました。すべての国民への番号通知が行われ、来年1月からマイナンバーシステムの稼働が始まります.あらためてマイナンバー制度の問題について質問を行います。日本国内に住民登録している人全員に12桁の番号を割り振り、国が情報を一元管理するマイナンバー、社会保障・税番号が施行され、10月末から住民に番号を通知するカードの郵送が始まっています。配達間違いなどの事故が相次ぐ一方、住民が希望してないのに自治体がマイナンバーを住民票に記載したりするなどのミスも起きています。厳重管理が必要な個人のプライバシーを扱う仕組みなのに、始まったとたんにトラブル続きでは国民の不安は募るばかりです。尼崎では通知カードが、国の外郭団体の地方公共団体情報システム機構、ジェイリスから11月19日に郵便局に持ち込まれました。現在、各家庭に配達が行われています。そして来年1月から、税、社会保障や災害対策に限定して、マイナンバーの記入が求められます。通知カードの送付が遅れています。郵送は簡易書留であるから、本人や家族が不在の場合には、一定期間、郵便局に保管され、市民が受け取りにいかなければ市役所へ返送されます。昨日の神戸新聞に、日本郵便が1日に発表したしたとして、通知カードが45都道府県で計653万通が発送できていない。全体では88%が配達を終えた。最も遅れているのが愛知県の69.8%、次に、岡山県、大阪府、そして兵庫県は4番目の77.4%となっていると報道されています。現在、県下全体では2割以上の家庭に届いていません。私が、通知カードが各家庭に届かないで、尼崎市役所に返送されると想定される数についてお尋ねしましたら、当局は先の県会議員選挙の投票入場券の返送から推定して、通知カードの返送は3000通以上と答弁されました。全国的には発送数の5%から10%が届かない、都市部ではもっと多いと想定されています。尼崎市内の通知は22万世帯分ありますから、そこから推計すると尼崎での返送は2万通を越えるのではないかと思われます。市役所に返送された通知カードを、市民に渡すために、市は普通郵便で再度、来庁依頼を行い、市役所で手渡すとしています。

お尋ねします。市役所に返送された通知カードを来庁依頼しても取りに来ない市民に対して、市はどのようにしてすべての市民へ通知カードを手渡すのか、お答えください。

 次に、来年1月からの番号記入の問題です。尼崎市でも障害者福祉や国民健康保険、後期高齢者医療や介護保険などの社会保障の届け出、、地方税の申告や届け出などへマイナンバーの記入を求めることになります。ところがマイナンバーの通知を受けていない人、記入を拒否する市民が出ると考えられます。マイナンバーの記入をしなくても届け出書、申告書などは受付を受理すると聞いています。

お尋ねします。来年1月からマイナンバーの記入を求めたが、拒否する市民に対して、記入を強要をせず、不利益な扱いは行わないのでしょうか。お答えください

次に障害者や要介護者のマイナンバー記入の問題です。通知カードは点字表記がされていないため、一人暮らしの視覚障害者は、だれに番号を教えてもらえばいいのかと困惑しています。障害者や要介護者は本人一人の場合、あるいは同行者がある場合の番号記入の際に番号の漏えいの恐れも危惧されています。市は来年から市民課業務を民間に委託していきます。総務省は平成20年3月21日通達で窓口の受付と証明書引き渡しに限定して民間委託を容認しています。しかし、番号法にもとづくガイドラインでは、職員以外のものが情報提供ネットワークシステムに接続をさせて端末を操作して情報照会などを行うことを禁止しています。

お尋ねします。市民課業務の窓口を民間委託に対する、プライバシーの保護対策はどうされるのでしょうか。また障害者や要介護者の秘密保持はどのように対策をされるのでしょうか。お答えください。

本人が番号を記入しない場合に、自治体は付番機関である地方公共団体情報システム機構から、直接番号の提供を受け利用できます。また自治体内のそれぞれの分野ごとの個人情報をひもづけして管理するため、それぞれマイナンバーが管理されています。そのため番号記入がない書類の番号入手も可能です。番号の記入がない場合にも、マイナンバーが保有されていますので、市が独自に番号記入ができます。そのため市民から番号の提供が必要かどうか疑問が生じます。

お尋ねします。市民の提出の書類に記入がない場合は、本人に承諾なしに付番機関や自治体内から直接番号の提供を受け、記入を行っていくのでしょうか。お答えください以上で第2問を終わります。

第3登壇

 答弁ありがとうございました。3問目は要望にとどめておきます。要介護者の障害者控除対象認定書の発行の問題です。税金の問題はなかなか難しいと敬遠されがちです。ですからなおさら、市民へ丁寧な対応が求められます。その点では、65歳以上の要介護者の障害者控除対象の認定については、他都市でも実施されているように、申請を待つのではなく、独自に調査して、すべての対象者に認定書を交付することは少ない予算ででき、市民にたいへん喜ばれる施策です。ぜひ実施を要望します。できないのであれば、少なくとも対象者に対して、認定の申請用紙を送付すべきではないでしょうか。

 休日夜間急病診療所の小児救急の深夜帯の診療についてですが、常時の再開は難しいとの答弁でした。先日、尼崎総合医療センターの藤原久義院長と懇談しました。藤原院長は7月の病院開院当初はたいへん混乱していた。しかしまだ大変な事態が推移していると述べられていました。私は尼崎総合医療センターのためにも、尼崎休日夜間急病診療所が尼崎の軽い小児の1次救急患者に全面的な責任を持ち、病院、診療所がそれぞれの役割を分担していくことが必要であると思います。その為には尼崎休日夜間急病診療所の深夜帯の救急診療を再開することを重ねて要望致します。

 次にマイナンバー問題についてです。市民が市へ提出の書類へマイナンバーの記入がない場合には、市が独自に番号を入手して記入ができるとの答弁でした。そうであるならば、市へ提出の書類へのマイナンバー記入は、市民に記入を求めず、すべて市が独自に記入し、市民のマイナンバーの所持の機会を少なくして、情報漏えいを防ぐ必要があると思います。今回もマイナンバーについて、様々な問題点を指摘してきました、全国的に多くのトラブルも続いています。マイナンバー制度は、第1に、100%情報漏えいを防ぐ完全なシステムの構築は不可能、第2に意図的に情報を盗み売る人間がいる、第3に一度、漏れた情報は流通・売買され取り返しがつかない、第4に情報は集積されるほど利用価値が高まり攻撃されやすくなるという、4つのリスク、危険性が指摘されています。12月1日に、マイナンバー制度について弁護士や住民ら156人が憲法に保障するプライバシー権を侵害するとして、国を相手にマイナンバーの利用停止や削除などを求める訴訟を、仙台、新潟、東京、金沢、大阪の5つの地方裁判所に起こしました。今後、横浜や名古屋、福岡でも提訴が予定されています。そして東京地裁への原告代理人は「マイナンバーは1億3千万人の個人データをあつかう巨大インフラだ。いったん動き出せば、見直しは事実上、不可能。弊害が社会問題になる前に差し止めて、見直しすべきだ」と述べています。私も、このまま来年1月からの本格運用に突き進むのはあまりに危険であると思います。このようにマイナンバー制度の運用に対して、問題点や不安は完全に取り除かれていません。莫大な費用や手間をかけ、国民のプライバシーを重大な危険にさらすマイナンバー制度の導入よりも、現在使っているシステムを活用しながら、業務の効率化、適正化をはかり、市民の利便性を高めるために努力すべきです。マイナンバー制度を中止したとしても市民生活にはなんの支障も生じません。改めて、政府にマイナンバー制度の運用の中止を申し出ることを強く求めて私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

12月市議会の辻おさむ議員の一般質問に対する当局の答弁です

質問

TPPの尼崎への影響、ISD条項による公共事業入札への影響はどのように考えているのか。また、農業や市民の安全を危うくするTPPは、批准しないように国に求めるべきではないか。

答弁

環太平洋連携協定、いわゆるTPPにつきましては、本年10月5日に交渉が大筋合意され、その意義は、21世紀型の新たなルールの構築、中小・中堅企業、地域の発展への寄与、長期的な戦略的意義があるとされております。本市は全国的に見ても製造品出荷額が29位と高い産業都市であることから、人口が減少し、国内需要に限界が見込まれる中、部品供給を含め、輸出に関連する中小。中堅企業、海外へビジネスチャンスを求める企業にとっては、メリットが生ずるものと考えられます。その一方で、一般的に懸念が示されている農業につきましては、本市の米の生産量は年間約200トンと少なく、市内で多く生産されている農産物は鮮度の落ちやすい軟弱野菜が多いことなどから、皆無とは言えませんがTPPによる影響は、ほとんど無いものと考えております。また、民間企業等の投資家とその投資を受け入れている国との間の紛争解決手続きを定めるISD条項を含む、今回のTPPに係る内容とその取扱いにつきましても、詳細は明らかになっておらず、国の動向を注視する段階であると考えております。従いまして、現時点において、国に対し、TPPに批准しないよう求める考えは持っておりません。以上

質問

市内の生活保護受給世帯に占める高齢者世帯の割合はどれぐらいか。

答弁

平成27年10月中の生活保護受給世帯13,749世帯のうち高齢者世帯は6,906世帯で、約50%を占めております。以上

質問

市内の高齢者人口が増えるとの予測だが、将来の生活保護受給世帯の推移をどのように見ているか。また、その対策について、どのように考えているか。

答弁

高齢化の進展とともに、無年金や年金収入の少ない方を中心に生活保護を受給する高齢者世帯は継続して増え続けており、今後も、市内の高齢者人口の増加に伴い、生活保護を受給する高齢者世帯も一定増えるものと考えております。福祉事務所や「しごと.くらしサポートセンター尼崎」等では、生活にお困りの高齢者に対して、相談をお聴きする中で、生活保護制度の適用や就労支援、健康面の助言、金銭管理、老人福祉センターの利用や地域活動への参加促進など、お困りの問題に対応する関係機関と連携しながら一人ひとりの身体・生活状況等に応じた支援の調整・提供を行っております。しかし何よりも、将来、経済的な困窮状態や社会的な孤立状態に陥らないよう、高齢に至る前から、自立に向けた対応や早い段階での問題解決への取組が大切であると考えております。( 以上)

質問

市内の生活保護基準相当で暮らす高齢世帯数、いわゆる「下流老人」はどれくらいいるのか。また、将来の推移はどのように見ているのか。

答弁

市内の生活保護基準相当で暮らす高齢世帯数について、現在のところ把握する方法はございません。また、将来の推移については、先ほどご答弁いたしましたように、今後も、市内の高齢者人口の増加に伴い、いわゆる「下流老人」と言われる世帯も一定増えるものと考えております。以上

質問

先日行われた秋の市営住宅募集の戸数と、応募件数は何件だったか。

答弁

先般行いました市営住宅募集の戸数と応募件数のお尋ねでございますが、募集期間を平成27年11月5日から18日までとし、146戸(店舗4戸含む)の空家募集を行いました結果、1,3o1件(店舗4件含む)の応募がございました。以上

質問

さらなるアウトソーシングを検討する目的は何か。

答弁

本市では、これまで厳しい財政状況のもと、市民サービスの質の確保と効率化を目指し、公の施設における指定管理者制度の導入、一般家庭ごみの収集業務や小学校給食調理業務の民間委託等を始め、積極的にアウトソーシングの推進に努めてきたところです。一方で、急速に少子高齢化が進展する中、多様化する市民ニーズや、増大する社会保障費など、公共サービスの業務領域は、増加、複雑化の一途をたどっております。さらに、国においても、「経済財政運営と改革の基本方針2ol5」、いわゆる骨太の方針では、「民間の大胆な活用による公共サービスの産業化、協働の取組を進める」などとし、行政の執行体制のより一層の改革を求めているところです。こうしたことから、業務の進め方を見直し、効率化を図りつつ、民間事業者等が専門性を有する分野においては、それを活用し、変化する市民ニーズや、今後とも行政の役割が増える分野に対応できる人員を確保するため、改めてすべての分野において、アウトソシングの導入を検討するものでございます。以上

質問

アウトソーシングの対象となる「専門・定型業務」、「単純・非定型業務」及び「単純・定型業務」とはどのような業務を指しているのか。例を示してほしい。

答弁

「専門・定型業務」とは、行政特有の専門性が求められるものの、定型的な処理を繰り返す業務を指しており、例といたしましては、住民基本台帳や税務証明等に係る窓口業務などでございます。次に、「単純・非定型業務」とは、行政特有の専門性は認められないが、臨機応変な対応が求められる業務を指しており、例といたしましては、物品調達、庶務事務、ホームページの作成・運営などでございます。最後に、「単純・定型業務」とは、行政特有の専門性は求められず、おおむね定型的な処理を着実に繰り返さなければならない業務を指しており、例といたしましては、清掃業務、給食調理業務、公用車運転業務などでございます。いずれにいたしましても、アウトソーシングの対象とする具体的な業務につきましては、今後、各業務の分析を行う中で判断してまいりたいと考えております。以上

質問

「他の方法」とは何を想定しているのか。このアウトソーシングによる分限免職を行うようなことはあってはならないと思うが、そのようなことは絶対しないと考えていいのか。

答弁

まず、今回の方針に基づくアウトソーシングを理由とした分限処分を行う考えはなく、アウトソーシングによって余剰となる人員については、それぞれの適性を見極めたうえで、必要な部署に配置していきたいと考えております。また、事務職等への職種替え以外の選択肢についても、職員それぞれの生活設計等も考慮する中で、可能な範囲内で用意したいと考えており、同業種の就労を求める者に対する民間事業者への就労斡旋や、希望退職募集といった手法等についても、併せて検討していきたいと考えております。以上

質問

東日本大震災における自治体職員数や職員の役割について、どのような教訓をもっているか。災害時に対応できる職員の適正人数は何人とみているか。

答弁

東日本大震災のような大規模災害の発災時には、被害が広範囲に及び、自治体の機能も著しく低下します。このような場合、被災自治体のみでの対応には限界があること。同時に、外部からの応援や協力を適切に受け入れ、多様な主体の力をコーディネートする、いわゆる「受援力」が、被災した自治体職員の役割として求められるということを強く感じました。今後発生が予測されている南海トラフ巨大地震のような大規模広域災害においても、適正人数を定め、一自治体で対応することは困難だと考えます。国においても災害対策基本法が改正され、自治体間の応援対象業務や国や県による広域応援が拡充されましたが、本市におきましても、広域的な自治体間での相互協力・応援体制の構築や、民間企業等との災害応援協定の積極的な締結に取組んでいるところです。いずれにしましても、市民一人ひとりが自分の命や財産を自分で守る「自助」、地域で助け合う「共助」を組み合わせた取り組みや、市民、事業者、民間団体、行政機関等の多様な主体の協働により、災害に立ち向かう防災を推進してまいりたいと考えております。以上

質問

業務委託した民間事業者の大規模災害時の責務はどのように規定するのか。市職員になり代わって役害’1を果たすことができるのか。

答弁

これまでも、業務を受託した民間事業者の災害時の責務につきましては、その業務の内容や従事場所、特性等を踏まえる中で、必要に応じてそれぞれの契約や協定等の中で規定しているものでございます。例えば、指定避難場所として、尼崎市地域防災計画において指定されている市立の施設のうち、指定管理者を導入している施設(※すべての地域総合センター、園田東会館、園田地区会館)では、それぞれの指定管理者との協定の中で、災害等の発生時に対する対応についての定めを置いております。いずれにいたしましても、今後、アウトソーシング導入の検討を行う際にあたりましては、こうした災害発生時における体制等についても考慮してまいりたいと考えております。以上

質問

住宅費負担ができない若年者に対する住宅対策を検討する必要があるのではないか。

答弁

所得の低い若者が住居費負担ができないため、親と同居しているという事例もあろうかと思います。こうした若年者に対する支援としましては、就労を促す取り組みが重要であると考えており、現在のところ、個人給付となる家賃補助等を実施する考えはございません。

質問

市民生活からみた必要戸数を、類似都市などの比較ではなく、本市の状況からみた必要戸数を検討したのか、検討していないのであればするべきだと考えるがどうか。

答弁

市営住宅の必要戸数としては、平成22年度に改訂しました「住宅マスタープラン」において、震災前の9,000戸程度とし、さらに、平成26年度に策定しました「尼崎市公共施設マネジメント基本方針」における、今後35年間で公共施設の保有量を30%以上削減するという目標のもと、本年10月に公表いたしました「市営住宅建替等基本計画(素案)」において、30%以上の削減を目指すこととしております。以上

質問

市営住宅入居基準に合致する世帯に「家賃補助制度」を設けてはどうか。また、国に制度を設けるよう要望すべきではないか。

答弁

一定の所得以下の高齢者等の住宅対策としましては、賃貸住宅の改修を支援する国の補助事業があり、本市としましては、これらの制度の情報提供を行っているところであり、独自の家賃補助制度を設けることや国への要望を行う考えはございません。以上

質問

豊橋市の「空家バンク」を参考に、空家の活用を目的とした「空家リフオーム助成制度」をつくってはどうか。

答弁

空家対策につきましては、本市の現状を把握することが重要であると考えていることから、今年度、空家等実態調査や所有者アンケート調査を実施しているところでございます。今後、空家の活用も含めた関連施策につきましては、これらの調査結果を踏まえた上で、検討していきたいと考えております。以上

質問

民間委託化は、官製ワーキングプアの製造、「下流老人」予備軍の醸成にならないか。ならないとしたら、その歯止め、対策はどのように考えているか。

答弁

本市が目指すアウトソーシングは、単に経費削減を目指すものではなく、民間事業者等の機動性、柔軟性、即応性、専門性などのノウハウを適切に活用することにより、市民サービスの質の確保などを図ろうとするものでございます。適法な労働条件等の確保は、良好な市民サービスを提供する重要な要素であると考えており、さらなるアウトソーシングの導入にあたりましては、単に安ければよいというものではなく、業務内容と従事者処遇の適切なバランスの確保に向け、選定基準等についても、法令遵守や地域貢献など、総合的な観点に立った上で、検討する必要があると考えております。以上

質問

民間委託の在り方、公契約の在り方、場合によっては、公契約条例も含めて、同時に検討すべきではないか。

答弁

アウトソーシングを導入するに当たっては、災害時の危機管理体制や偽装請負の問題、また、守秘義務やセキュリティの問題など様々な課題の検討が必要と認識しています。中でも、本市が発注する業務委託など契約全般のあり方につきましては、労働条件の切り下げを防ぐ観点、また、業務の質の確保や地域内の経済循環などの総合的な観点から、他都市の事例なども参考に、条例化の必要性も含め、幅広く検討を進めているところでございます。以上

12月市議会本会議での辻おさむ議員の一般質問の発言です

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 日本共産党議員団の辻おさむです。週末金曜日・夜の人出でにぎわうフランスのパリ市内で無差別テロが発生し、コンサートが開かれていた中心部の劇場とその周辺や、サッカーの試合が行われていた北部の競技場付近などで死者129、負傷者352人が犠牲となりました。罪のない市民を無差別で殺害した大量テロを厳しく糾弾するとともに、犠牲者の家族や関係者に心からの哀悼を表するものです。一般市民の生命を奪う無差別テロは、国際社会にとっての重大問題であり、いかなる口実や背景があろうとも許されません。 しかし、戦争でテロはなくせません。2001年のアメリカ同時テロによるアフガニスタン報復戦争以降、世界のテロによる死者は10倍に増えています。テロと戦争の悪循環をやめることこそ、国際社会の急務です。国際社会が一致結束して、①テロ組織への資金供給の遮断など直接の対策、②貧困と差別などテロの土壌をなくす、③シリアとイラクの平和と安定をはかる、④シリアなどの難民への支援を行うことが大切だと考えます。 安保法制=いわゆる戦争法は廃止し、憲法9条を守り、戦争しない国として平和貢献することが、日本の役割だと表明しておきます。それでは、質問に入ります。

TPP=環太平洋連携協定「大筋合意」について、まずTPP=環太平洋連携協定についてです。安倍政権は、10月5日、日本、アメリカなどが参加する環太平洋連携協定(TPP)交渉に「大筋合意」したと発表しました。「合意」までは、何についてどう話し合われているのか、交渉の中身は一切秘密にされてきました。「大筋合意」したと発表された後も、「概要」や各分野への影響が小出しに発表されるだけで、まとまった説明はありません。11月初めには交渉参加の12カ国で協定案が発表になりましたが、安倍政権のTPP対策本部が国内向けに日本語で発表したのは相変わらず「概要」だけです。しかも、安倍政権は、野党が憲法にもとづいて要求した臨時国会の開催にもこたえず、TPPについては衆参両院の予算委員会でそれぞれ1日だけ閉会中審査が行われただけです。協定そのものは各国政府が調印した後、批准のために国会に提出されるとなっており、日本では来年の通常国会になる予定です。そこで伺います。

Q、政府の発表は、まだ、このような状況ですが、TPPの尼崎への影響は、どのように考えているのでしょうか? 市長の考えをお聞かせ下さい。

また、地方自治体に関連しては、「投資家対国家間の紛争解決条項」=いわゆるISD条項があります。 ISD条項は、進出先の国の政策・制度変更などで損害を受けたとする外国企業がその国の政府を相手取って損害賠償などの訴訟を起こせる制度で、国家主権が侵害されるとの批判が強く、日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)では見送られた条項です。すでにアメリカ合衆国とカナダ間をはじめ、いくつかの国で取り入れられており、さまざまな係争事件がおき、その経費も膨大です。カナダの州や、アルゼンチンの州が訴えられた事例、あるいは、メキシコのアカプルコ市と締結した契約など、自治体が訴えられた事例もあります。尼崎市も、PFI事業や、エコリフォーム事業で、市内経済活性化を目的に市内企業優先の措置をとってきました。これらが訴えられないとも限りません。そこでお尋ねします。

 Q、ISD条項の詳細はまだ明らかではありませんが、尼崎の公共事業入札への影響をどのように考えておられるでしょうか? お答えください。

 TPP条文案のISD条項について、内部告発サイト「ウィキリークス」は今年3月、TPP交渉の投資分野の条文案とする資料を公開しました。TPP反対運動を広げる米消費者団体パブリック・シチズンは、暴露された文書は本物と確認できたと発表、「米国の法律を超える特権を企業に与える条項だ」と撤回を求めました。米国内では今年に入り、有力な労働組合や市民団体が、TPPは雇用や暮らし、食の安全、人権を脅かすとして反対運動を急速に広げ、ニューヨークなど15自治体で反対決議を上げています。ニューヨーク・タイムズは「米国の左派も右派も反発するだろう」と伝え、アメリカ議会の与党議員からも懸念の声が上がっています。米最大の労組全国組織、労働総同盟産別会議は、為替操作対策の欠如やISD条項などをTPPの欠陥と指摘しています。また、人権問題を担当する国連の特別報告者や専門家10人は6月2日、TPPを含む自由貿易協定や投資協定について、健康保護、食品の安全、労働基準に閲する基準を引き下げ、医薬品を独占する権益を企業に与え、知的財産権の保護期間を延長することなどによって、人権の保護と促進に逆徊する影響をもたらしかねないなどの懸念を指摘しています。もともと自民党は2012年の衆院選挙=民主党から政権を取り戻した選挙ですが、その時には、「TPP断固反対。ウソつかない自民党」という公約を掲げました。しかし、政権に復帰したとたん、公然と投げ捨て、安倍政権はTPP交渉への参加を表明しました。その際、「聖域は守る」と胸を張り、衆参の農林水産委員会でも、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、「除外ないし再協議の対象とする」などとする決議をおこないました。今回の「大筋合意」は、自民党の公約からも、国会決議からも、逸脱したものです。しかし、「大筋合意」は最終決定ではありません。各国で批准しなければ発効しません。アメリカでも大統領選挙を控え、難しいとさえいわれています。そこでお尋ねします。

 Q,問題が多く、農業や市民の安全を危うくするTPPは、批准しないよう国に求めるべきではありませんか? 市長の見解をお答えください。

「下流老人」について

 次に、最近よく耳にする「下流老人」について伺います。市長は、夜のスーパーで、買い物されたことがありますか。見切り品の値引き時間になると、多くの高齢者が列をなすのは、普通に見られる光景となっています。「下流老人」とは、埼玉県で生活困窮者支援を行うNPOで活動してこられた藤田孝典さんが作った言葉で、その著書では「下流老人」を「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義されています。文字通り、普通に暮らすことができない「下流」の老人を意味する言葉です。昨年、NHK番組で「老後破産」の問題が取り上げられましたが、「下流老人」は、それに至る原因と実態にせまったものだと思います。藤田氏は、下流老人の具体的な指標として、3つの「ない」を挙げています。①収入が著しく少「ない」、②十分な貯蓄が「ない」、③頼れる人間がい「ない」=いわゆる「社会的孤立」の3つです。そして、社会的にあたえる悪影響として、①親世代と子ども世代が共倒れする、②価値観の崩壊、③若者世代の消費の低迷、④少子化を加速させる問題を指摘しています。藤田氏によると、40歳代前半のサラリーマン世帯の平均給与は、平成25年度の国税庁・実態統計調査では、年間568万円。一方、総務省の平成26年度家計調査では年間の実支出は492万円。さしひき、手元に年間76万円が残ることになります。しかし、たとえば、親に月5万円の援助をすると年60万円が必要となり、手元には17万円しか残りません。これでは、老後の蓄えができなくなります。つまり、子ども世代が共倒れすることになり、「高齢者はお荷物」「大事にされない」という価値観の崩壊を生み出し、老後に備えるため、若年世代が消費を控えて貯蓄をしたり、教育費等の負担が増えるので結婚や子育てをあきらめる―という推論です。一定、「あたっているかな」と思います。問題は、「下流老人」になる危険は、一部の人だけの問題ではなくて、それなりの収入と仕事をしていた人も例外ではないということです。銀行員や大企業の社員であっても、「下流老人」になる可能性はあります。高齢期の収入の大半は年金であり、生活費の不足分は、働いたり、貯蓄の取り崩しとならざるをえません。厚生労働省の「平成25年国民生活基礎調査の概況」によると、全世帯の1年間の平均所得金額が537万2000円なのに対し、高齢世帯の平均は、309万1000円です。その差は約230万円、高齢者になると所得が現役の頃よりも激減します。ただし、309万円は平均であり、中央値は250万円、月にして21万円です。一方、平成26年総務省「家計調査報告」によれば、高齢期の2人暮らしの場合の1か月の生活費平均は、社会保険料などをすべて込みで約27万円です。つまり65歳になった時点で、仮に年金やその他の収入が月約21万円あったとしても、不足分の6万円を毎月取り崩すと、貯蓄額が300万円では約4年で底をつき、1000万円あったとしても、14年弱しかもたず、最終的に貧困に陥る可能性があります。その上で「想定外の事態」が起これば、たちまち「下流老人」になってしまいます。藤田氏は、高齢者支援の経験から、「下流老人」にいたる経過をパターン化しています。パターン1は、病気や事故による高額な医療費の支払いです。平均寿命が延び、長寿命になればなるほど、病気になる可能性が高くなるのは当然です。パターン2は、高齢者介護施設に入居できないということです。お金がなければまともな介護も受けられません。パターン3は、子どもがワーキングブア(年収200万円以下)や、引きこもりで親に寄りかかる状況になることです。2013年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、20~64歳で得られる賃金は、正規雇用で約2億2432万円、非正規雇用では約1億2104万円で、差は1億328万円もの大きな賃金格差があります。「ブラック企業」や、非正規雇用の増加は、現在の高齢者世帯に援助できないばかりか、将来の「下流老人」を生み出す原因にもなります。パターン4は、増加する熟年離婚です。二人世帯でなんとか生活できる年金でも、離婚で1人世帯になると受け取る年金もへってしまいます。離婚でなくても、死別や未婚など一人暮らしの高齢者世帯が増えることは、まさに要注意です。パターン5は、認知症でも周りに頼れる家族がいない場合です。先日、私のもとへ相談に来られた方は、70歳を超えたお母さんでした。腰を悪くして仕事を休み、健康保険の相談でこられたのですが、聞いてみると、離婚し、51歳の息子さんと住んでいるけれど、その息子さんは、小学校のときのいじめが原因でひきこもったまま、お母さんがシルバーで働いて月5万円の収入で、3万円の家賃を払って生活をされていました。その上、病気で働けなくなっては、生活が続けられません。すぐに生活保護の手続きをすすめました。こうしてがんばっておられる市民も多いと思いますが、すでに「自己責任」で解決できる枠を超えています。そこで、お尋ねします。

 Q、尼崎市内で生活保護に占める高齢世帯の割合は、どれぐらいでしょうか?

 Q、また尼崎でも高齢者人口が増えるという予測ですが、将来の生活保護世帯の推移をどのように見ているのでしょうか? また、その対策は、どのように考えているのでしょうか?

 Q、さらに、市内の生活保護相当で暮らす高齢世帯数=「下流老人」は、どれぐらい居るのでしょうか? また、将来の推移はどのように見ているのでしょうか? お答えください。

住宅政策について                         

 次に、住宅政策について伺います。住宅政策については、市営住宅の建て替えや、空家対策など、どの自治体でも大きな課題となっています。まずお尋ねします。

 Q、先日行われました秋の市営住宅募集の戸数と、応募件数は何件だったでしょうか?お答えください。

さらなる「アウトソーシングの導入方針」について

 次に、「更なるアウトソーシングの導入に向けた基本的方向」について伺います。地方公務員のなかで、臨時・非常勤職員=いわゆる「非正規公務員」の数は、総務省調査によると2005年に45万5840人でしたが、2012年には60万3582人と増加の一途をたどっています。 こうしたなかで「官製ワーキングプア」が問題になってきています。非正規職員の比率が関西地方で最も高いのが、和歌山県・太地町の58.7%、市では、滋賀県・草津市の48.5%、兵庫県内では、淡路市の45.1%です。合併をした市は非正規比率が高いと言われています。 尼崎市は、32.8%。一見、他都市より多いとは言えませんが、尼崎市は、他都市に先駆けて、民営化、民間委託をすすめた結果、人数さえ掌握できない公務労働に従事する民間労働者が増えています。経営再建プログラム、行財政構造改革推進プランと、10年以上にわたって「行革」をすすめた結果、現在の尼崎市の正規の公務員は、3161人であり、中核市で比較しても決して多いとは言えません。さて市長は、今年10月に「更なるアウトソーシングの導入に向けた基本的方向」を発表されました。「基本的な考え方」として、「あらためてすべての分野においてアウトソーシングの導入について検討する」、また「各課で行われている事務事業については、原則としてすべての課の業務を対象に業務の分析を行い、効率的な業務執行体制の構築に向けた検討を行うととともに、行政でなければ執行できない業務を除き、基本的にアウトソーシングを導入する方向で検討を行う」としています。そこでお聞きします。

Q,さらなるアウトソーシング=民間委託を検討する目的は何でしょうか?お答えください。

また、「基本的方向性」では、業務を、①専門・非定型業務 ②専門・定型業務 ③単純・非定型業務 ④単純・定型業務の4つに分類し、「専門・非定型業務」については行政が実施しなければならない業務とし、「専門・定型業務」「単純・非定型業務」について、アウトソーシングの是非の「検討を行う」としています。お聞きします。

Q,アウトソーシングの対象となる「専門・定型業務」「単純・非定型業務」とはどのような業務を指すのか、想定しているのか? 例を示していただきたいと思います。

さらに、「単純・定型業務」については、これまでかなりアウトソーシングが進められてきましたが、単純労働業務については、「すべての業務をアウトソーシングの対象として今後検討を行う」としています。お聞きします。

Q,「単純・定型業務」についても、どのような業務を指すのか、例を示してください。

また最後に、「アウトソーシングによって生じる人員については」「事務職等への職種替えだけでなく、他の方法も視野に入れた人事給与制度の改正も含めた検討を行う」としています。お聞きします。

Q,「他の方法」とは、何を想定しているのでしょうか? 退職強要の肩たたきや、生首を切ることは、あってはならないと思いますが、そのようなことは絶対しないと考えていいのでしょうか?お答えください。

 次に、災害時の対応はどうなるのかという問題です。 東日本大震災で、東北・関東の自治体が大きな被害をうけました。 とくに農漁村部では、平成の大合併で自治体職員を減らした上に、自治体職員も大きな被災をうけ、避難対策や、救援・復旧活動が十分できず、全国の自治体から応援をもらうことが行われました。南海トラフ地震は、近い将来、必ず来ます。そのときに、どれだけの職員と体制が必要になるのでしょうか。お聞きします。

 Q,東日本大震災における東北・関東の自治体での職員数、職員の役割について、市長は、どのような教訓をもっておられるのでしょうか?

Q,南海トラフ巨大地震ふくめ、災害時に対応できる職員の適正人数は何人とみているのでしょうか?

 Q,業務委託した民間事業者の大規模災害時の責務は、どのように規定するのでしょうか?

Q,災害時に、民間事業者の労働者は、市職員になり変わって役割を果たすことができるのでしょうか?答弁をお願いします。

第2登壇

 ご答弁、ありがとうございます。コメントについては、項目ごとに申し上げます。第2問に入ります。

(住宅政策第2問目)                                  

 まず、住宅政策の2問目です。今年の8月、神戸大学の平山洋介教授のお話を聞く機会がありました。これまで貧困問題については、雇用対策・社会保障問題として、議論されてきました。平山教授は、日本の住宅政策を研究され、とくに貧困問題を住宅の観点からアプローチされています。平山教授の指摘は、私も、大いに共感できました。低所得者の住宅問題は、若年世帯、高齢世帯、単身世帯が課題だということでした。かいつまんで紹介します。 住宅がないと、職探しも、生活もできない点では、まさに「住宅は福祉」です。戦後、地方から都市部に若い人たちが集まり、多くは安いアパートなどに住んだのですが、高度成長期には、「若い時に給料が少なくても、やがて家が買えるだろう」「やがて家族を持つだろう」という前提で、「中間層の家族」が「家を買う」。それを助けるのが日本の住宅政策の根幹でした。ところが、低成長、超高齢化になり、その条件がなくなってきているのに、政策的には大きな変化がありません。それどころか、低所得者向けの政策は、どんどん削られる一方です。日本は、国際的に見て、借家に対しての住宅政策が弱いというのが特徴です。公的賃貸住宅の割合は、イギリス21%、フランス17%、オランダ35%、スエーデン18%です。ところが日本は6%~5%です。一方、公的な家賃補助での住宅手当受給世帯は、イギリス16% 、フランス23% 、オランダ14%、スエーデン20%です。日本には、生活保護以外には、ほとんどありません。ヨーロッパでの低所得者むけ住宅政策は、公的賃貸住宅と家賃補助です。日本は、公的賃貸住宅と家賃補助のいずれも極めて低く、低所得者向け・単身者向け政策が、「ない」というのは、OECD諸国の中でも珍しい存在です。それでも、日本の社会が成り立っているのは、家族や企業が大きな役割を果たしているからです。企業の社宅や寮など「給与住宅」は減ったとは言え、2013年では112万戸あり、あるいは住宅手当が支給されるところもあります。家族の役割はどうでしょうか。ホームレスの自立支援などをしているNPO法人ビッグイシュ―基金が首都圏と関西圏に住む、年収200万円未満、20歳~39歳、未婚の1767人にアンケート調査をして、平山教授が結果分析を担当されました。77%が親と同居しています。雇用形態は、パート・アルバイト・臨時・日雇が38%、無職が39.2%です。年収は200万円以下ですが、ゼロと年収50万円以下で半数の49.6%。月収のうち、住居費が占める割合は、60%以上の人が21%もおり、住居費を払うと手元に残らないという人が27.8%もいます。親と同居している人の82%は、ずっと親の家に住んでいますが、18%の人は、いったん独立したけれど、また親の家に戻ってきた。親同居の理由は53.7%が「住居費を負担できない」というものです。その結果、「結婚の予定がある」「結婚できると思う」というのは9.1%で、「結婚できるかわからない」が20.3%、「できないと思う」「したいと思わない」は、52.9%にもなっています。若年者が住居費負担ができないため、親と同居せざるをえず、結婚もできない実態があります。そこでお尋ねします。

 Q,少子化対策としても、こうした現状を打開していく上で、若年者にたいする住宅対策が必要であり、少なくとも検討すべきと思いますが、市長の考えをお聞かせ下さい。

 次に、高齢者の問題です。今のお年寄りが現役の時は、仕事をし、家を買ってローンを払ったり、家を借りて家賃を払うことができました。最初に言いましたように、戦後日本の住宅政策の根幹は、「中間層の家族」が「家を買う」のを助けることでした。日本の年金制度は、「高齢者が住居費を負担しない」と言う前提で設計されていると思われます。国民年金は、最高でもわずか6万5000円程度です。これで家賃を払うのは大変きつい金額です。アウトライト住宅」という言葉がありますが、ローンを払い終わった住宅のことで、住居費の負担が少なくてすみます。日本の高齢社会が成り立っているのは、この「アウトライト住宅」があるからです。言い換えると高齢期までに家を買って、ローンを払い終わらない限りは、異常に危険な状況になるというのが日本の社会の現実だということです。2005年の国勢調査をもとにした65歳以上の「高齢世帯の住宅所有形態」の資料があります。全体で、持ち家が83.2%、民間借家が9.3%ですが、尼崎の場合、民間借家は、もっともっと多いと思います。持ち家は、2人以上世帯では88.6%ですが、単身世帯だと64.9%になります。民営借家では、2人以上世帯で5.9%と低く、単身世帯では20.6%、中でも未婚の単身世帯は34.4%にもなっています。民営借家の世帯年収は、68.8%が300万円未満で、1か月あたりの住居費は、持ち家世帯の78.9%が3万円未満なのに対し、民営借家で3万円未満は23.1%で、3万から5万円が36.6%、3万円から5万円が20.9%と、年収が低いのに住居費負担が重く、その結果、収入にたいする住居費の負担割合が25%を超える世帯が64.3%も占めています。これだけ見ても、いつでも「下流老人」になる資格は十分です。ヨーロッパでは、「公的住宅」と「家賃補助」が主流です。 さて、尼崎市の住宅マスタープランでは、市営住宅の戸数を9000戸まで減らし、さらに公共施設30%削減の計画に合わせて、さらに削りこむ方針です。しかしこれは、市の財政事情からでた方針で、市民の実態から出たものではありません。そこでお尋ねします。

 Q,「下流老人」予備軍の推計など、市民生活からみた必要戸数を、類似都市などの比較ではなく、尼崎市独自の状況からみた必要戸数を検討したのでしょうか? 検討していないのであれば、すべきだと考えますがいかがでしょうか?

  第1問の質問に対し、ご答弁は、秋の市営住宅の募集は、(146)戸にたいして応募が(1301)ということでした。つまり(1155)世帯=88.8%の人が、市営住宅への入居を希望しても入れないということです。尼崎には、民間の空き借家がたくさんあります。それなのに、どうして市営住宅に、これほど多くの人が申し込むのでしょうか?先日、市営住宅建替え事業等に伴う民間住宅移転促進策が創設されました。建替え住宅に限っての制度ですが、市営住宅と民間借家との平均家賃の差額の3年分を退去加算移転料として支払うというものです。差額の月額は2万円だということです。市営住宅の募集とは、いったい何なのでしょうか? 住宅が足りないのではありません。家賃の安い住宅に入りたいから申し込む人が多いのではないでしょうか。市営住宅の募集とは、安い住宅に入れる人と、入れない人を、「振り分ける作業」だともいえるものです。入れなかった人は、引き続き、月2万円も高い家賃を払い続けてください、ということです。市営住宅入居基準に合致する世帯に「家賃補助」があってしかるべきではないでしょうか。ここで、大阪府・高槻市の「ひとり暮らし高齢者家賃助成」について紹介します。これは、一定条件を満たす1人暮らし高齢者に家賃補助をするものです。条件は、①住民基本台帳に記録されており、市内に引き続き3年以上居住している、②満65歳以上で、ひとり暮らし ③家賃の月額が17,000円以上~50,000円以下 ④前年の収入総額が158万円以下、⑤他の公的家賃助成を受けていない、⑥自ら住宅を借り、家賃を支払っている、⑦現に生活保護を受けていない という条件です。補助の支給額は、家賃が月額17,000円以上~22,000円未満は月額5,000円の補助、家賃の月額22,000円以上~50,000円以下は、月額10,000円の補助となっています。お尋ねします。

Q,高槻市を参考に、「家賃補助制度」をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか?

 お答えください。もちろん、財源がいりますし、尼崎だけで解決するには荷が重すぎます。

Q,国は生活保護になれば、住宅費をふくめ面倒をみてくれますが、生活保護や「下流老人」になることを避けるための制度がありません。せめて国にも「家賃補助制度」を求めるべきだと考えますが、市長の見解をお答えください。

 神戸大学の平山教授によれば、ヨーロッパの住宅家賃補助は、福祉制度と言うだけではなくて、空家をなくして、家主さんが、借家を補修するインセンティブになることを狙っているとのことでした。ヨーロッパでは100年を超える住宅が今でも使われています。先日、建設企業委員会で、豊橋市の「空家バンク」を視察してきました。豊橋市では、現に居住していない、もしくは近く居住しなくなる予定の住宅の「空家データベース」を庁内で作成し、貸したい・売りたい人と、借りたい・買いたい人をコ―ディネイとした上で、「空家バンク」の補修費補助金制度を設けています。1年以上空家であることや、新たな借家人や購入者が3年以上住むこと、賃貸契約が成立していることなどを条件に、改修費補助金として50万円を限度に経費の2分の1を補助する制度です。お尋ねします。

 Q,豊橋市の「空家バンク」を参考に、空家の活用を目的とした「空家リフォーム助成制度」をつくってはいかがでしょうか。見解をお答えください。

(アウトソーシング第2問目)

次に、「さらなるアウトソーシング」についてです。アウトソーシング=民間委託を検討する目的は(     )ということでした。そして、「専門・定型業務」については、(      )(中間報告―戸籍・住民基本台帳事務、会計・出納、窓口業務など)「単純・非定型業務」については、(     )(中間報告―庁舎案内、物品調達、庶務事務、ホームページの作成・運営など)「単純・定型業務」については、(     )ということでした。(中間報告―清掃、給食調理、庁有車運転など )かなり、多岐にわたる業務が対象となります。「アウトソーシングの基本的方向」では、これまで民間委託した「単純労務業務」の例として、一般家庭ごみの収集業務、市立小学校給食調理業務が挙げられていました。しかし、これらは「ゴミを集めればいい」「給食を調理すればいい」という単純なものでしょうか。学校給食は教育の一環に位置づけられるものです。ゴミ収集を通じて、高齢者の安否確認などに協力してもらっている自治体もあります。「単純労務」だという見方は、これらの教育資源、福祉資源を切り捨てるものだと指摘しておきます。さて、さらなる民間委託化の目的は、歳出改革・効率化が大きいと思います。もちろん改革は進めなくてはなりません。しかし、財政効果、経費削減を期待してのことであれば、民間委託化によって、低賃金の労働者を生み出すことが心配されます。そこでお尋ねします。

Q,民間委託化は、官製ワークングプアの製造、「下流老人」予備軍の醸成にならないでしょうか? 

 Q,ならないとしたら、その歯止め、対策はどのように考えているのでしょうか?

Q,また、事務事業全体を見直すのであれば、民間委託の在り方、とくに公契約の在り方、場合によっては、公契約条例もふくめて、同時に検討すべきではないのでしょうか?市長の見解をお答えください。

第3登壇

 第3問は要望です。(TPP )TPP大筋合意について、1回目登壇でのご答弁は(    )ということでありました。尼崎の農業への影響は小さいかもしれませんが、日本の農業全体が壊滅的な影響を受けることが懸念されています。また、TPPの影響は農業分野だけではありません。関税が撤廃され、輸入食品が増加すると、食の安全への懸念が高まります。TPP交渉のなかの日米協議では、日本で認められていない食品添加物の承認について、日本が取り組むことが「合意」文書に明記されています。アメリカの巨大農産物企業が、遺伝子組み換え食品の表示義務の規制緩和を要求しており、「食の安全が脅かされる」ことになります。とくに子どもたちへの影響が心配されます。卸売市場で卸売業者が突然廃業した時に、正月に市内農業者にお願いをしまくって、その協力で乗り切ってきました。尼崎の農業をつぶしてはなりません。充分に注意をしていただきたいと思います。

(アウトソーシング)                              

次に、「さらなるアウトソーシングの基本的方向」についてです。各業務を4分類にするのは「日本公共サービス研究会」の中間報告にもとづいたものです。同研究会は、「外部化推進を取り巻く諸課題に対処するため」として、2012(平成24)年7月に自治体の任意研究会として設立され、全国150の自治体が参加しているとのことです。「中間報告」は、幹事団体の東京足立区が2013年(平成25)年6月にまとめたものです。その「中間報告」から半年後の、昨年1月に足立区は、全国に例のない戸籍業務の5割もの大規模な外部委託を実施しました。「待ち時間半減」「コスト削減」とのうたい文句です。ところが、実施して見ると、「5分でできていた手続きに3時間待ち」「受理されていた申請が受け付けてもらえない」などのトラブルが相次ぎました。実施から半年後の6月、足立区長は、「区民を混乱させた」と謝罪し、コストも1100万円増加したことも明らかにしました。そして、戸籍受付窓口の大半を「区の直営に戻す」として、戸籍業務の包括的委託を事実上撤回しました。その間に、東京法務局は、公務員しかできない判断業務=受理決定などを民間事業者が行っていると戸籍法違反を指摘。また、東京労働局は、民間事業者が区の指示で業務を行っている現状は「偽装請負」だと是正指導を行いました。幹事団体の足立区ですら、この状態ですから、しっかりリスクも見据えて「アウトソーシングしない」という選択も大切だと指摘しておきます

(下流老人)「住宅政策」                                  

さて、今回は「下流老人」「低所得者に焦点をあてた住宅政策」を取り上げました。かつて、高度成長期には、「1億総中流」社会と言われました。バブル経済が崩壊し、日本経済は低迷。失われた20年と言われます。自己責任、競争社会、規制緩和を特徴とする新自由主義的な改革は、富める者はより裕福に、貧しいものは、より貧困に拍車をかけ、貧富の格差を拡大し「ワークングプア」と「下流老人」を生み出してきました。そして、いまや「1億総下流老人予備軍」となっています。ご答弁では、「下流老人」について(      )ということでした。高槻市で実施されている高齢者むけ家賃補助についても(   )でした。無理もありません。財政が厳しいのですから。しかし、だからといって「下流老人」に目をつぶっていいのか、「さらなるアウトソーシング」で「官製ワークングプア」を増やすことになってもいいのか、ということもしっかり考えていただきたいのです。尼崎だけで、できるとは言いません。国の政治そのものも問われているからです。神戸大学の平山教授は、「ジャパン・シンドローム」という特集を、イギリスのエコノミー紙が一昨年ぐらいに行い、国際的に大きな注目を集めたことを述べられました。「人口が減少する」「高齢化率が高くなる」「労働力が減る」「低成長だ」というのは、日本は先進国の中でも「大変だ」と言う特集であり、その中での、もう一つのメッセージとして、「低成長・高齢化の中で、日本がどんな社会を作るのか」を注目しているということでした。少なくとも「日本のような国になるな」という評価にならないように、対症療法だけでなく、市民の暮らしの実態をしっかり見据え、将来に希望が持てる施策を推進されるよう希望して、私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。