予算議会での川崎敏美議員の2016年度予算関連議案と市長の施政方針に対する代表質疑の発言です

 日本共産党議員団の川崎としみです。会派を代表して提案された2016年度予算関連議案と市長の施政方針について質疑を行います。

1 市長の施政方針について

 市制100周年にあたり、尼崎の成り立ちを市民の暮らしから見ていくといった視点が必要です。戦後を振り返るだけでも、市民には絶えず課題が突きつけられ、それを克服していくために努力してきたのが尼崎でした。ジェーン台風での水害で防潮堤を造らざるを得なかった背景には、大正期以来、工場、企業が地下水をくみ揚げすぎて、地盤沈下を引き起こしたという問題がありました。 また尼崎といえばかつては公害の町として名をはせました。公害には発生源があります。公害反対裁判などが起こり、国、企業の社会的責任を果たさせるための市民の運動が契機となり、公害規制に国や県が取り組み、市と事業者がこれらの問題克服のためにともに力をあわせてきました。こうした尼崎市ならではの歴史をおさえ、今後も市民とともに歩いていくという姿勢が大切だと思います。2016年度も依然として厳しい財政状況の下にあります。稲村市長は、市制100周年にちなんで「ひと咲き、まち咲き、あまがさき」にかけて、今後の市政運営をさらっときれいに描がれましたが、市民のくらしは、格差と貧困の広がり、貧困率、子どもの貧困、就学援助の割合、ひとり世帯の増加、生活保護の割合等々、近隣他市との比較でもいずれも尼崎のほうが深刻です。それだけに市民のいまの実態から出発した、今後の尼崎を展望していくことが必要だと思われます。

お尋ねします。市長は市政100周年のコンセプトは「みんなが主役」といわれました。市政をすすめるコンセプトもそうでなければならないと思います。だからこそ今生きている市民の実態を良く見据えて、市制100周年を契機に今後の尼崎を考えていく上で、市民の置かれている実態から出発していかなければならないと思います。この点市長はどう思われますか?

機構改革1

次に組織改正についてうかがいます。防災担当局が危機管理安全局に機構変更されます。危機管理安全局を設置する狙いは、今後起こりうる南海トラフ巨大地震や津波災害、また、集中豪雨による被害など、防災や災害を含む危機管理事象に対して、より的確に対応していく体制とされています。

お聞きします。防災担当局と、危機管理安全局の違いはどこにあるのでしょうか? 一番の狙いはなんでしょうか?

また、防災会議や、国民保護協議会を担当するとのことですが、昨年、国民の反対を押し切って国会で強行可決された安全保障関連法=いわゆる戦争法との関連はあるのでしょうか?お答えください。

安倍首相は、「大規模な自然災害」を口実に、憲法に「緊急事態条項」を新設し首相権限の強化や国民の権利制限を行おうとしています。しかし私たちは21年前の阪神淡路大震災を経験しています。市長もちょうど学生のときに震災ボランティアのリーダーとして、災害現場で様々な体験をされ災害時の状況を見てこられたと思います。その際、混乱状態が現地にありましたでしょうか。

 奥山恵美子仙台市長は、昨年5月に記者会見で、「緊急事態条項」について「災害時は地元自治体が、喫緊の優先課題が何かを目の前で見ながら活動するのが大事だ」「国への権限一元化でなく自治体の権限強化をかんがえてほしい」「震災で改憲が必要だと考えたことはない」と語っています。

お尋ねします。安倍首相は「大規模な自然災害」を口実に、憲法に「緊急事態条項」を新設し首相権限の強化や国民の権利制限を行おうとしています。これらの動きについて、地方自治を守る立場から、市長はどう思いますか?

 防災計画では、尼崎市で想定される大規模事故等の災害として、航空事故、鉄道事故、道路事故などと合わせて、原子力発電所等での事故災害等が想定されています。とくに、高浜、大飯、美浜、敦賀など福井県内に立地する原子力施設で事故が発生した場合、関西広域連合の緊急時モニタリング等の情報により、防護措置や地域住民等に情報伝達をすることになっています。また、関西広域連合がまとめた「原子力災害に係る広域避難ガイドライン」に基づき、マッチングを行った対象市の避難住民の受け入れを実施することになります。しかし、危機管理というなら、こうした事態にならないようにすることが大切です。尼崎市に最も近い原子力発電所は83㎞先にある関西電力の高浜原発です。これまで高浜原発は点検のために運転を休止していました。昨年12月24日、福井地裁が、関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を認める判断を示しました。これに対し中川智子・宝塚市長と、脱原発を目指す県議・市議11人が「受け入れられない」として抗議の声明を発表しました。声明文は、東京電力・福島第1原発事故が収束していない現状を踏まえ「市民のいのちと暮らし、安全を守る任務を負った首長や議員として、原発の再稼働は決してあってはならないと確信する」と表明しています。これは、緊急の声明であり、その後、今年1月25日には、兵庫県下の日本共産党、民主党、社民党、新社会党、緑の党ひょうご、無所属の地方議員135人が、高浜原発再稼働反対を表明し、記者会見しました。1月29日、これら高浜原発再稼動反対の声があるにもかかわらず、高浜原発3号機が再稼動されました。しかし2月26日に再稼動されたばかりの高浜原発4号機が、2月29日緊急停止しました。タービンと発電機をつなぎ発電と送電を開始する作業中のことでした。関電は「発電機に何らかの故障がある可能性がある」と説明、作業再開の見通しはないとしています。原子力規制委員会の審査が通った原発で、再稼動後のトラブルが続いています。

お尋ねします。市長は、高浜原発3・4号機の再稼働について、反対を表明すべきではなかったでしょうか? 

40年を超えた高浜原発1・2号機の再稼働の動きにたいする市長の考えをお聞かせください。また、各地で原発再稼働がすすめられる中で、「将来的に無くしていくことが望ましい」という市長自身の考えを、今後どう実現させていくのでしょうか、考えをお聞かせ下さい。

さて一方で、世界の風力発電の発電能力が2015年末には、2014年末より17%増の4億342万キロワットになり、原子力の発電能力を上回ったと報道されました。2015年に新設された風力発電は過去最高で、原発60基分に匹敵するとされています。しかし日本は、世界の中で20番目と出遅れています。日本政府が原発に固執している中で、世界はどんどん自然エネルギーをすすめています。尼崎市は、「環境モデル都市」にも選定されていますが、新規事業では「スマートコミュニティ推進事業」やPRの事業が中心で、節電や蓄電利用の施策ではあっても、自然エネルギーを促進するものではありません。

お尋ねします。市長は、自然エネルギーの促進をどのようにすすめようとしているのか、お答えください。

アベノミクスについて

 次に経済の問題、特に市民生活に直接的な影響を与える消費税の問題についてです。先に、今後の尼崎を見通していく上でもっとも大切にしていかなければならないのは、市民の実際のいまの生活状況だと申し上げました。特に安倍政権になってからのこの3年間、消費税8%増税、大企業優遇政策、社会保障の切捨ての下で、市民のくらしはどうなっているのでしょうか。安倍首相は、年頭の記者会見で、「この3年間で雇用が増え、高い賃上げも実現し、景気は確実に回復軌道を歩んでいる」と、「アベノミクス」の「成果」を自ら賛えていました。しかし、1月の「読売新聞」の世論調査でも、国民の71%が「安倍内閣のもとで景気の回復を実感していない」と答えています。

 たしかに大企業は、2年連続で史上最高の利益を更新し、内部留保は3年間で38兆円も増え、初めて300兆円を突破しました。しかし一方で国民の暮らしはどうでしょうか。安倍首相は「2012年から2015年まで就業者が117万人増えた」と言います。しかし同じ期間の同じ統計によれば、正社員は1万人減っています。結局、増えたのは不安定・低賃金の非正規雇用だけでした。安倍首相は「高い賃上げを実現」したと言います。しかし物価上昇を差し引いた労働者の実質賃金はこの3年間でマイナス5%です。年収400万円のサラリーマンで言えば、年間20万円もの賃金が目減りしています。安倍首相は、実質賃金の低下は「パートの比率が増えたから」と言いますが、パートを除く一般労働者で見ても、名目賃金の伸びはわずか1・7%、物価上昇分にはるかに及ばず、実質賃金は大幅マイナスです。「高い賃上げの実現」といいますが、事実はまったく異なっています。可処分所得は30年前と同程度の水準となっています。経済紙として有名なイギリスのファイナンシャル・タイムズは今年はじめの特集で「アベノミクスは日本経済を不振に陥らせているものが何かを正しく特定しているのか」と批判、企業の利益でなく労働者の所得を高めない限り、経済は立て直せないと指摘します。ここにきて、10%増税に異議を唱える声が経済界からも出てきています。日本チェーンストア協会の清水信次会長は「そもそも税率10%への消費増税を再延長か凍結してほしい」と表明しています。以前、会派の議員が消費税8%増税について、市長に質問した時には、市長は社会保障のため必要とお答えになりました。しかし実際には社会保障は切り下げられています。

お尋ねします。今後の10%消費税増税は行うべきでないと思いますが、市長はどう思いますか?

また、%増税以降の経済の落ち込みが続いているなかで、市も消費税を負担しなければなりません。2016年度予算の8%消費税の市の実際の負担額はいくらですか?また10%になるといくら増えますか?お答えください。

機構改革2

 次に子ども青少年本部を新たに設置する機構改革の問題についてです。新たな機構改革で、子ども青少年本部を設置し、市長を本部長、両副市長・教育長を副本部長にすえて、事務局も設置するということです。今まで以上に子どもを主軸に置き、市長部局および教育委員会との連携・調整をより強化、子どもや青少年に係る施策をさらに積極的に展開するとしています。

お尋ねします。機構改革で子ども青少年本部を設置し、事務局を設けるということですが、今までにない体制を新たにつくるねらいはどこにあるのでしょうか?市長の思いをきかせてください。

本庁舎

 次に本庁舎の問題についてお尋ねします。市政100周年の折、市庁舎の将来構想について方向性を示すとのことでした。今回、新本庁舎建設基金を新たに作り、今年度は2億3千万円が予算化されるということが提案されています。しかし、どこにどの程度の新庁舎を建設するのかという将来構想を出さずに、資金づくりだけを先行させています。これで果たして、市民に理解を得ることができるのでしょうか?まずは、市庁舎の規模、内容、財政、市民合意の4つの基準を示すべきです。市庁舎はどれだけの規模、内容になるのか、経費予測は150億円とも200億円とも取りざたされていますが、財政上をふくめて実際はどうなのか、市民合意をどう形成していくのか等、はじめに検討されるべきではないでしょうか。これらの点を明らかにしないまま、この基金だけを先行させることは、市民には納得が得られません。市民合意が取れてこそ始めて財政計画が日程に上ると考えます。共産党議員団は、市庁舎建設問題に対しては華美で豪華なものはつくらない、緊急性のより高い他の施策との合理的なバランスをとるべきだとの考えです。しかし、いつまでもこの問題を放置するわけには行きません、何らかの対策は必要ですが、市民の暮らしを圧迫しない範囲で取り組むべきだと考えます。

お尋ねします。市庁舎建設をきちんとまちづくり計画の中に位置づけ、最初から市民に情報を公開し、アイデア等募集して計画づくりを市民とともに行う、そうした丁寧な事前の取り組みが必要だと思いますが、市長の考えをお示しください。

公共施設(全体)

 次に公共施設にかかわる問題についてです。全国的にも公共施設の再編・統廃合の問題が顕在化してきています。これまで十分に管理やマネジメントがなされてこなかった公共施設等の総点検を国が自治体に求め、すべての自治体で「公共施設等総合管理計画」が定められていっています。今の公共施設の問題は、単なる施設の運営や更新という枠組みにとどまらないものです。公共施設の統廃合等には大きな社会的・経済的な影響がともなうという問題があり、自治体としては適切に政策的対応をしていかなければなりません。地方自治法第244条で、公の施設について「普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的を持ってその利用に供するための施設を設けるものとする。」と定めています。やみくもに公共施設を統廃合することによって、どの地域においても等しく福祉・市民サービスが受けられない、住民の権利が損なわれる状況をつくりだしてはなりません。 何よりも、自治体と住民の協働の力が発揮できるよう、自治体と住民との信頼関係を強化していくための取り組みが重要です。公共施設問題を考えていく上で、第1に市民生活に何が必要か、第2に市民が等しくサービスを受けられる施設の配置となっているか、第3に市民合意の形成という3つの基準を大切にするべきだと思います。本市の人口ビジョンをみると、将来の人口減少、少子高齢化が予想されています。それにあわせ、むこう35年間に30%以上の公共施設の削減方針が出され、公共施設の再配置が進められています。総合センターの存続、労働福祉会館と労働センターの廃止、地区会館と支所の統合による複合施設の建設、新たに保健福祉センターの2箇所化など、先行している計画を抱合させる方針です。しかし、これらの計画はそれぞれ別の基準で計画されたものであり、統一性がなくバラバラで、一体尼崎がどんな街になるのかが不透明です。

お尋ねします。向こう35年間で、30%以上の公共施設が廃止される計画がある一方で、先行的に総合センターの存続、労働福祉会館の廃止、支所と地区会館の統合による複合施設の建設、保健福祉センターの2箇所化が行われています。これらの計画は、それぞれ別の基準で計画されています。改めて総合的なまちづくりの計画がなされていかなければならないと思いますが、市はどのように考えていますか?

以上で第一問を終わります。

2回登壇

答弁ありがとうございます。

公共施設(個別)

それでは、続けて、公共施設の個別の問題についてお聞きしてまいります。6箇所の総合センターは歴史的経過を容認しているため偏在しており、整合性がありません。労働福祉会館と労働センターは、多くの市民が反対していたにもかかわらず、廃止されました。その結果、明らかに市民の自主的な活動ができにくい状況となっています。支所と地区会館を統合して新たな複合施設の建設が、2016年度から武庫地区を皮切りに行われようとしていますが、あわせて支所機能の6箇所の廃止計画と保健福祉センター2箇所化の計画が出されました。計画をつくる段階から市民の意見をきちんと聞き、地元合意がしっかりつくられているとは到底思われません。東高の跡地活用、園田地区会館の建替問題、武庫地区3市営住宅の建替による跡地活用など、地元の意見を聞いてもそれが反映されない計画案がつくられる、あるいは市の一方的な案が示される等、市民との間で混乱状況が生まれています。

お尋ねします。公共施設の再配置計画での最大の問題点は、地元住民と一体となったまちづくりの思想が欠落しているという点ではないでしょうか。住民自治を真剣にすすめようとするなら、何よりも市民合意を作り出す市の努力が必要です。この点についてどのように考えていますか?

また、東高の跡地活用、園田地区会館の建替問題、武庫地区3住宅の建替による跡地活用など、住民の意見をもっと大切にすべきだと思いますが、お答えください

保健福祉センターの2カ所化

 市内北部の保健福祉センターの塚口さんさんタウンの賃料は、消費税抜きで、1坪あたり7,000円、使用する床面積が3,000㎡だと1カ月約635万円、年間で約7,627万円の賃料となります。

お尋ねします。賃貸契約の期間は何年と設定されているのでしょうか。お答えください。

この施設はすでに築40年を経過しており、いつまで使用できるのでしょう。仮に、10年間活用したなら、賃料は約7億6千万円、20年なら15億円を超えます。これなら新設の建物が建設でき、最低でも40年使用することが可能です。こうした将来構想も含めて保健福祉センターの2カ所化は見直しが必要です。

お尋ねします。保健福祉センターの2カ所化は、凍結して見直すべきです。

 ここ数年の乳幼児健診の受診率は、微増の増加傾向を示しています。昨年11月、西宮市の現状を会派で視察に行った際、乳幼児健診ができる場所を、近くに確保したところ、その地域の受診率が格段に向上したというお話を聞きました。本市の取り組みは西宮とは逆の手立てを講じようとしています。保健福祉センターの2カ所化で、相談窓口や乳幼児健診を受ける場所が遠くなり、交通事情も大変悪くなる地域が増えてしまいます。

お尋ねします。2017年度からの新しい場所での、いっそう厳しい条件の下での乳幼児健診の受診率向上は可能なのでしょうか?お答えください。

支所の廃止問題

 次に支所廃止問題についてお尋ねします。6か所の支所の廃止で、市民からの相談窓口は、北部は塚口のさんさんタウンと南部は出屋敷のリベルの2カ所の保健福祉センターに移行させるということです。支所で扱っていた申請業務のみ社協に業務委託される計画となっています。本当に委託して大丈夫なのでしょうか?市民は生活上困っている問題を窓口に相談に来るケースが大変多いのではないでしょうか。一人ひとりの市民の状況に応じて、相談活動を行い、そして様々な制度を活用するための申請に結びつけていっているのではありませんか。

お尋ねします。相談は保健福祉センターへ、単純な申請だけは社協の窓口と分けられては、市民への行政サービスは明らかに低下、混乱が生じるものと思います。仮に市職員を配置するとしても、偽装請負の問題が浮上してきます。複合施設での申請だけの受付窓口がどれだけ活用されるのか疑問です。この点、市はどのように考えますか?

子ども子育て支援新制度

 次に子ども子育て支援新制度の問題についてお尋ねします。市内のある保育園で、保育士不足に悩む現状についてお話を聞きました。保育士が足りないとき募集をかけてもなかなか人が集まらない、派遣会社に依頼すると時間給が1800円以上となり収支が合わない。そこでこの園では、保育士の資格があるが経験はゼロという方を、1000円を少し上回る時間給で、パートで来てもらいました。5年間かけてようやく1人前の保育士として育ててきたということでした。ところが、今年その方は、他市の公立の臨時保育士募集に応募、採用され退職されました。他市では、時間給が1400円、まる1日働くと日給が9800円になるからということです。この保育園では職員そろって、この5年間の取り組みは何だったのかと肩を落とされたということです。こうしたことが起こる背景には、国の幼稚園と保育所に対する公定価格の設定が、あまりにも違いすぎるということがあります。幼稚園に通う子どもは1日4~5時間、保育園では1日8時間から11時間、これだけの時間差があるのに、保育単価はほぼ同額となっています。これが保育士が他産業と比べて月額9万円も低い処遇になっているという問題を、生み出しています。保育士の質を高めるための支援策とともに、処遇改善が必要です。

お尋ねします。保育所の保育単価を幼稚園の保育単価なみに引き上げることを国に求めていくべきだと思いますが、市の考えはどうですか。

保育士の待遇改善については、産休と代替え職員補助金のみでなく、保育士の賃金アップにつながる市の独自施策が必要だと思いますが、お答えください。

公立幼稚園の廃止

 次に、公立幼稚園の問題についてです。子育て中のママさんから手紙が寄せられましたので少し紹介させていただきます。この方は、3歳の娘をもつ母親の方で、結婚を機に尼崎に転入してこられた方で、自分が生まれ育った市より尼崎が良かったことは一度もありませんでした、尼崎にいらっしゃる方には申し訳ないけれどもとおっしゃる方でした。娘が1歳の時から、市立幼稚園の園庭開放をきっかけに自宅から一番近い立花東幼稚園に何度も行かせていただいています。何度も行かないうちに先生が娘の名前を呼んでくださいました。名札も見ず、名簿に記入しないうちにです。それも一人だけでなく、先生みんなが娘を知って下さっていました。5、6歳にまざって遊ぶ2歳の娘に先生はとてもよくしてくださり、少人数だからできる心配り、園児の先生への信頼、先生と親御さんとの近い距離にこの幼稚園のすばらしさに気付きました。子育て世代が流出する尼崎ですがもっと沢山の人達がこの幼稚園の環境と雰囲気、教育を実際に知れば、逆にこの園に入りたいと思うはずだとさえ思いました。そして、幼稚園が定員割れの場合廃園だということに市報の小さな小さな文字で知りました。市の説明会にも行かせていただきました。(略)ああ尼崎市は切迫した財政のために箱物の幼稚園を減らすという簡単な節約をしたいだけなのだと私は思いました。確かに子育て世代が減っている尼崎で定員に満たない幼稚園の統廃合というのは合理的に思えます。しかしその前に市は本当に立花東幼稚園の良さを沢山の人にアピールし理解してもらえるような努力をしてきたでしょうか。それをしたのは幼稚園の先生だけです。それも予算もなく、市のバックアップも少なく、私のように市報を見て参加したような親子にしかできませんでした(続)」と切々と訴えられ、園の存続でわが子が入園できるようにと願っておられるということでした。市長はどのように感じられたでしょうか?このような声に耳を傾けるべきと思います。

お尋ねします。公立幼稚園で働く先生たちの仕事ぶりが、本当に市民から評価されています。こうした先生たちの取り組みについて、市は積極的に子育て世代にしっかりPRして、尼崎に人を呼び寄せる対策としてもっと行うべきだと思いますが、お答えください。

公立保育所の建て替え問題について

 次に公立保育所の建て替え問題についてお尋ねします。公立保育所の保育所施設整備事業費が2260万円計上されています。拡充事業として3カ所の外壁改修工事が行われます。しかしこれ以外の老朽化したプレハブ等の公立保育所の建替問題は、どうなっているのでしょうか。民間移管を予定している保育所は移管して、建替や改修は民間に委ねる、その他は代替の土地が見つかったところから実施するという計画ではなかったでしょうか。

 お尋ねします。老朽化した建物で保育を受けている子どもたちはいつまで放置されるのでしょうか。具体的に年次計画を立てるべきだと思います。今後の計画づくりについてお答えください。

 公立保育所の民間移管計画は2016年度4月開所の立花南保育所の移管をもって第3次計画が終了します。次の計画が今年度検討される模様ですが、これらの計画の大元である「公立保育所の今後の基本的方向」も含めて見直すべきではないでしょうか。制定からかなりの年数が経過し、制定当時と大きく保育環境も変化しています。計画が今日的課題とマッチしているのか、整合性があるのか検証が必要ではないでしょうか。公立保育所の民間移管計画そのものも、計画通りすすめようとするなら残り13カ所もあります。最近の民間移管では、受け皿となる応募福祉法人が1ヵ所だけという状況も出てきて、選べない、新たな保育所の開設も保育士不足でままならないといった状況もあります。公立保育所がスタンダードとして保育の基準を指し示す、地域の子育ての拠点、生活困窮や障がい児など困難な子どもたちのセーフティネットとしての役割はもっと評価されてよいと思います。

お尋ねします。この際、「公立保育所の今後の基本的方向」そのものの中間総括を行い、見直しをはかるべきだと思います。お答えください。

児童ホーム・学童保育

 児童ホームの問題についてお尋ねします。定員超過した児童ホームへの入所申し込みは、「2月22日から3月5日までの2次募集では受付けない」との対応を児童課が行っています。2月1日に市のHPで知らせていたようですが、父母の会などに伝えられたのは2次募集開始の翌日、2月23日だったということです。待機児童がカウントされないことにより、今後様々な問題が生じてきます。まず遅れて申請を行ってきた子どもたちが切り捨てられます。また定員に空きができた際、1次募集(12月~1月5日)時点での順番となり、今後低学年の転校生や障がい児等、より緊急性の高い子どもの入所はどうなるのでしょうか。また待機児童との認定がなされないことにより、子どもクラブで児童ホームの待機児童として受け入れをしないということになり、子どもが不利益を受けるという問題が発生します。さらに児童ホームでの子どもの待機児童数を市が把握しないということは、将来の児童ホームの建設計画を設計する基礎資料を得ないということになります。市は児童ホームの今後の整備改修はしないのではないかと受け取られかねません。

お尋ねします。なぜ、このような児童ホーム入所手続きの変更を、突然今回行ったのでしょうか、答弁を求めます。また事前に保護者に知らせず、型どおりに市のHPだけで知らせて、説明責任を果たしていると思っているのでしょうか。保護者は納得していません。すぐにでも昨年までの対応に戻すべきだと考えますが、お答えください。

若者支援

 次に、若者支援の施策についてお尋ねします。1月11日の新成人の日に、共産党議員団が記念体育館前で新成人にアンケートを行いました。今の政治に望むこと、関心があることなどを尋ねました。圧倒的に「ブラック企業・ブラックバイト」をなくして欲しいという項目に投票が集まりました。製造業で働く青年は、「朝8時に仕事に入り、終わりはいつも夜10時。安月給で時間外もつかない」と訴えました。学生は「就職先が見つかるかどうか心配だ」「高い学費を引き下げて欲しい」と話しました。次世代育成支援対策推進行動計画作成のために市が実施した中・高生向け意識調査(2015年1月26日~2月13日)によれば、高校生で「将来、自立した大人になるために大切だと思うこと」では、「将来の夢を持つこと」が6年前より若干減り、「生活に必要な収入を得ること」が2割程増えています。「子供が欲しい」は7割あるものの、「子どもは欲しくない」と答えた理由で多いのは、「お金がかかるから」、特に女子で多いのが「仕事をしながら子育てをするのは困難」という回答でした。こうした若者たちの思いを裏付ける指標として、総務省統計局の労働力調査と就業構造基本調査を見ると、1990年代後半からこの15年間に正規雇用が400万人減っており、そのうち300万人が15歳から24歳で占められています。30~35歳の男性労働者で年収300万円以下が13 %の増加となっています。時間外労働の割合では、週60時間以上は20代で18.4% 、30代で20%を占めています。経済学者の名城大学、教授箕輪明子氏が、「使い捨て労働社会のしわ寄せが若年世代に集中している」と指摘しています。

お尋ねします。若者を使い捨てにする社会に未来はありません、人間らしく成長していける社会を作って行かなければなりません。市としてブラック企業、ブラックバイト等の相談窓口をつくるべきだと思います。市長の見解を求めます。

介護保険

 次に介護保険についてお尋ねします。市の第6期介護保険計画では、このまま高齢化が進むと受け皿の不足や、介護保険料については基準額で8000円~1万円の引き上げが危惧されるとして、健康寿命の延伸などが課題だとしています。国はどうでしょう。介護保険制度を持ちこたえさせるためだといって、サービス利用の抑制と国民の負担増を進めています。2017年には要支援のヘルパーとデイサービスについて介護保険外しが完了させられ、全ての地方自治体で要支援者の総合事業が始まります。要介護1・2もいずれ要支援者同様に保険外しが進められようとしています。今年から始まった年金収入単身280万円以上は、利用者負担2割については、今後すべてを2割負担にしようと考えています。特養入所は今年から要介護3以上になってしまいました。また、今年度から介護報酬を大幅に減らしました。市民にとっては、介護保険料はどんどん高くなり否応なく天引きされるのに、利用したいサービスはお金が無いとあきらめるしかなく、サービス自体も介護保険からなくなる状況が進んでいます。

お尋ねします。介護保険財源の半分が国民の納める介護保険料で、国はたった4分の1しか持たないという今の財源のあり方を根本的に変えなければ、これからの高齢社会を支えられないとおもいますが、市長の見解はどうか。

特養待機者のうち入所の必要性の高い方が、昨年度は246人でした。特養建設は2014年までの第5期計画100床が達成できず、今年度も達成できませんでした。一方で、サービス付高齢者住宅が増設されています。

お尋ねします。特養建設が進まない原因はどう考えていますか。お答えください。

だれでも元気に年を重ね、周りにあまり迷惑をかけずに人生を全うしたいと願っています。でもそれができなくなり、家族に負担を強いる介護を解決するために、社会的介護の制度として介護保険制度が作られたはずです。「保険あって介護なし」が進められていいはずがありません。

こどもの医療費

 次に子どもの医療費についてお尋ねします。年収約703万円以下という所得制限はあるものの、1歳~小3までの乳幼児医療費助成(通院)を受けている子どもは77%、小4~中3までのこども医療費助成(通院)では69%です。ここに母子家庭等医療費助成を受けている子どもを足せば、1歳から小3まで79.1%、小4から中3まで72.2%で、これらの子どもたちは何らかの医療費助成を受けています。しかし、医療費の完全無料化を求める陳情が絶えないのは、現行でも自己負担に耐えられないからです。

お尋ねします。尼崎市は、若い子育て世代の願いにどのように応えていくのか。財源が厳しいからと県のレベルに甘んじていれば、医療費助成を受けていても負担がなお重くて受診を控えざるを得ない子どもが存在、また所得制限で医療費助成を受けられない家族が、施策が整っている他市への転出を促す要因になるのではないでしょうか。お答えください。

また、子どもの医療費の完全無料化を県に求めつつ、当面、市では助成内容の拡充をおこなうべきです。例えば乳幼児医療、子ども医療の窓口負担、1400円程度にするなどです。お答えください。

国民健康保険

 国民健康保険の広域化に関連してお尋ねします。現在、国民健康保険制度は主として市町村単位で運営していますが、2018年度から都道府県単位の運営、いわゆる広域化が実施されます。広域化にあたって、現在、全国の自治体が国保会計に繰り入れている額に匹敵する3400億円を国が繰り入れるとしています。現在本市も各種の軽減措置、そして独自に9億円を国保会計に繰り入れています。本市だけでなく、各市でも、高すぎる国保料に対する独自支援策を講じています。それでも、高すぎる国民健康保険料が、国保世帯を苦しめているのが実態です。市は県の統一的な給付サービス基準や財政措置を踏まえ、市の独自事業見直しを検討していくとしています。検討項目として(1)一般会計からの財政健全化のための4億円繰入金、(2)多人数世帯等の負担軽減を図る特別減免(3)結核・精神医療付加金、および葬祭費(4)あんま・マッサージ・はり・きゅう施術助成事業、そして(5)特定健診事業等、これら5つの事業を検討項目としてあげています。広域化に際して、国が3400億円を繰り入れたとしても、自治体独自の支援策を廃止すれば、高すぎる国保料に対する市民の苦しみが増大するだけです。

おたずねします。市の独自事業について見直しではなく、これら各種の支援策を継続・充実させるべきだと考えますが。市は、どのような方向性で検討、臨もうとしているのかお答えください。

また、県が実施主体になるのですから、国保料引き下げのために、県も独自の支援策を行うよう、県に強く求めるべきと考えますが、お答えください。

モーターボート競走事業会計

 次に、モーターボート競走事業についてお尋ねします。これまでの「競艇場事業」を「モーターボート競走事業」として、地方公営企業法の全部適用で企業会計化しようとするものです。企業会計化によって、資産を含む財務状況が把握しやすいといわれています。もとより競艇はギャンブルという性格から市民の税金を投入するわけには行きません。これまで、尼崎市も繰り返しそのことを説明してきました。これまでの競艇事業では赤字になったことはありません。しかし、企業会計では収益的収支と資本的収支でみていくことになります。

おたずねします。確認のため市長に伺います。「モーターボート競走事業会計」において、収益的収支において、赤字・黒字が判断されると考えていいのでしょうか?お答えください。

 今回モーターボート競走事業を設置する理由として、「安定かつ継続的に事業を経営し、将来にわたり収益からの繰出しにより市財政に寄与し続けていくことを目的」にしていると説明されています。そうしたなか、市財政への繰出し金は、3億円とされています。

お尋ねします。市財政への繰出し金を3億円とした理由は何でしょうか。またその金額は、どこでどのように決められるのでしょうか。お答えください。

アウトソーシング 市民課の窓口業務の民間委託

 次にアウトソーシングについてお尋ねします。昨年10月に「今後の超少子高齢社会に対応するための行政執行体制の在り方について」の案が発表され、更なるアウトソーシングの導入に向けた基本的方向性が示されています。そして来年度2,742万円の予算で業務プロセス分析事業が行われます。業務を専門・非定形型など4つの業務に分析、分類して、外部委託が可能な業務の洗い出しを行おうとしています。市民課の窓口業務の民間委託が今年1月から試行期間として開始され、2月から正式に委託化が行われています。受付窓口の様相が大きく変わり、人もたくさん増えたなという印象です。市民が各種の申請を行い、交付されるまでの時間は、当初はずいぶん待たされたが、このごろは以前と対して変わらなくなってきたと市民から意見も聞いています。しかし、この民間委託本当に行う必要性があったのか疑問です。市はこの間コンビニ交付事業を進めてきました。マイナンバーカードなどが普及すれば必然的に窓口業務は縮小できる予測をしていたのではないか。わざわざいまこの時機に民間委託して経費削減ができたとしても、それは一時的な効果で、大して長続きしないと思います。さらにこの民間委託には、戸籍法違反、偽装請負に当たるのではないかとの懸念があります。東京足立区では、2014年1月から市民課の民間委託を行いましたが、東京法務局から戸籍法違反を指摘され改善をうながされていました。また一連の業務の流れでの市職員からの判断を仰ぐといった点は偽装請負になるといった問題点が弁護士、労働組合から指摘されていました。結果、足立区ではこの民間委託をやめています。こうした状況をみて、市民化窓口の民間委託を予定していた茅ヶ崎市なども計画を中止しています。

おたずねします。市民課の窓口業務の民間委託が今年1月からの実施期間が、急に試行期間とされました。その理由は何だったのでしょうか?

また、「市民課の民間委託は戸籍法違反、偽装請負」ではないかとの指摘に対して、尼崎では、これら問題の克服はどのように行われているのでしょうか?お答えください。

公契約条例

 次に「公契約条例」についてお伺いします。市長は2期目の公約に「公契約のあり方について検討しますと掲げられました。昨年12月議会での辻議員が、「事務事業の全般的な見直しの中で、民間委託のあり方、特に公契約のあり方、場合によっては公契約条例も含めて同時に検討すべきではないか」と質問したのに対し、企画財政局長は「労働条件の切り下げを防ぐ観点、また業務の質の確保や地域内の経済循環などの総合的な観点から、他市の事例なども参考に条例化の必要性も含め、幅広く検討を進めている」と初めて条例化に言及する答弁がありました。その後年末から年始にかけて、各会派に対し条例化に向けての市の考えが示されました。そして先般の市長の所信表明では「契約制度について、適正な履行や質の確保等に関する発注者と受注者の責務を明らかにするとともに、労働条件の切り下げを防止し、より良質な市民サービスの提供につなげていくため、公共調達に係る基本的な考え方を示す条例の制定を進めます」と述べられました。詳細はこれから関係団体や市民意見を踏まえて策定されていくと思います。

おたずねします。労働条件の切り下げを防ぐ事は、大切な観点だと思いますがこの観点を打ち出す意味について、また現場の尼崎市の契約制度の中で、労働条件についての問題意識、解決すべき課題はどのように考えておられるのでしょうか、お答えください。

マイナンバーカード

 次にマイナンバーの問題についてです。マイナンバーのメリットとして、公平・公正な社会の実現、利便性の向上、行政の効率化などがあげられています。しかし、国が強引に推し進めるマイナンバー制度には様々な問題点が指摘されています。税と社会保障の個人情報を国が一元的に管理し、徴税の強化、給付の抑制がねらわれています。また権力による国民監視とプライバシー漏洩などの恐れがあります。市は住民票等のコンビニ交付を促進させ、窓口業務を減らしてさらなる合理化を推し進めるために、マイナンバーカードを積極的に取得するように、市報などで告知しています。しかし、マイナンバーのなりすまし犯罪や情報漏えいの危険性などについても併せて市民に知らせていくべきです。マイナンバーのメリットだけを強調し、カードの取得を推奨するだけの広報については見直すべきです。2月の市報を見てマイナンバー記入は強制だと感じている市民の声をお聞きしました。少なからずそのように受け止めている市民がたくさんいると思います。徳田議員の昨年12月議会での一般質問に対して、「マイナンバー記入がないことを理由に申請を不受理にしない」との答弁を市は行っています。

お尋ねします。「マイナンバー記入は強制ではない」とのお知らせを市報に掲載すべきだと思います。またマイナンバーの隠れた危険性についても知らせ、取り扱いの注意喚起を促す広報が必要だと思います。お答えください。

以上で私の2問目の質疑を終わります。

3回登壇

 お答えいただきました。ありがとうございます。

まとめ

国の政治、経済政策によって、地方自治体の財政は大変困難な状況を抱え、市民のくらしは大変な状況に陥っています。大本の国の方向性が問われています。とりわけ、昨年来の安保関連法の制定をめぐり戦争か平和かが問われています。稲村市長は兵庫県内4市の市長と連名で安保関連法の慎重審議を求めました。全国にも例のない大変評価できる行動だったと思います。しかし、それは法案の強行採決によってふみにじられました。日本共産党議員団は、平和と民主主義を守り、憲法をくらしに活かしていく政策実現で、アベノミクスなど間違った経済政策をただし、地方自治体が自立して市民のしあわせをつくりだしていくことに、力を尽くします。今後も、消費税増税ストップ、社会保障を削減から充実に転換し、人間らしく働けるルールをつくる、原発ゼロ社会実現のために、共同の力を発揮してがんばります。以上、決意を表明して、私の代表質疑をすべて終わります。残余の問題は予算特別委員会、総括質疑で会派議員が質してまいります。ご清聴ありがとうございました。

本会議採決を前に辻おさむ議員が反対討論を行い42議案に賛成し12議案は反対しました

 第15回尼崎市議会本会議が3月3日(木)に開かれました。常任委員会に付託されていた54件の議案が上程され、各委員会の報告が行われました。採決をまえに辻おさむ議員が反対討論を行い、54議案のうち42の議案は賛成し、12の議案に反対しました。

辻おさむ議員の反対討論

 日本共産党の辻おさむです。 議案第27号、29号、31号、32号、36号、46号、48号、49号、51号、17号、25号、75号、77号および78号について、反対討論をおこないます。まず、議案第27号、特別会計条例の一部改正、第32号事務分掌条例の一部改正、第48号モーターボート競走事業の設置条例、及び第49号、競艇場施設整備基金・調整基金の廃止条例は、競艇場事業に公営企業法を「全部適用」することに伴うものです。企業会計に移すことで、資産管理を見えやすくするという点では理解できます。しかし、施設規模などが予算案でしたチェックできないなど、議会のチェック機能が弱まる点では、賛成できません。

 次に、マイナンバー関連の議案です。議案第29号は、マイナンバーの利用範囲を拡大するものであり、議案第31号は、マイナンバーカードの交付事務に市職員を7人もふやし、議案第75号は、マイナンバーカードの発行の事務を委任している「J-LIS」への負担金を増額するものです。マイナンバー制度は、行政にとっては便利かも知れませんが、市民にとっては、情報漏洩や成り済まし被害が危惧されるなど、危険が伴うもので、中止すべきであり、拡大すべきではありません。さらに議案第31号は、市民課窓口業務の民間委託、保育所の民間移管、小学校給食調理業務の民間委託や、市立幼稚園廃園の廃園で職員定数を減らすものです。市民サービスの低下をもたらすもので、賛成できません。

 次に、議案第36号は、市会議員の期末手当の増額です。人事院勧告そのものは否定しませんが、市民の暮らしが厳しい中で、議員の期末手当は、市民感情から見て増額すべきではないと考えます。

 次に、議案第46号 新本庁舎建設基金条例です。現在の本庁舎は、耐震補強したとしても、やがては建て替えなければなりませんし、そのために基金を設置することは理解できます。しかし、質疑の中でも、本庁舎の建て替え費用は、現在の規模を想定しても、150億円だとか、200億円だとか、大きな金額だというだけでなく、漠然としています。華美にするべきではありませんが、必要最小限の機能は、確保しなくてはなりません。厳しい財政のもとでの市民サービスとのバランスも大切です。そうした上で、どの程度の規模にするのか、建て替え時期をどうするのか、曖昧なまますすめるのではなく、市民に納得をもらいながら進むべきだと考えます。

 次に、議案第51号、市立学校の設置管理条例の一部改正です。幼稚園、小中学校、高等学校の条例をわけることは、賛成しますが、幼稚園3園の廃止には反対します。

 次に、議案第17号一般会計補正予算、77号、78号の武庫支所・地区会館複合施設新築工事関係議案です。保健福祉センター整備事業費の債務負担行為が入っています。支所・地区会館の複合施設には、会議室などに洗面台をつけるといいますが、いまだに乳幼児健診を複合施設で行うとの明言がない中で、保健福祉センターの2カ所化を認めるわけにはいきません。また、支所機能が社協へ移されるということですが、届出事務だけで、相談事務がなくなることは市民サービスを低下させるものとして、納得できません。市民サービスに大きく影響をしてくるだけに、いま一度、市民にしっかり説明し、合意と納得を得る手続が必要だと考えます。

 最後に、議案第25号、自動車運送事業会計の補正予算です。市バスの民営化に向けての準備が進められており、市バスとしての最後の予算案です。やはり、市バスというのは公共交通機関として、市民が等しく移動の自由を享受するものであるべきであり、民間移譲を前提にしたこの補正予算については反対します。以上で私の反対討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

川崎敏美議員が2016年度一般会計関連予算案と施政方針に対する代表質疑を行います

 3月4日(金)と7日(月)に市議会本会議で各会派の代表による2016年度一般会計関連予算案と施政方針に対する代表質疑が行われます。

 日本共産党議員団からは川崎敏美議員が3月4日(金)の午後2時30分頃から当局答弁を含め2時間の予定で行います。

質疑の主な項目

・市長の施政方針、戦争法や緊急事態条項などに関連する平和施策、消費税10%増税、高浜原発再稼働に伴う市長の見解

・市の新たな機構改革、本庁舎建替え計画の考え方、公共施設の再配置計画、保健福祉センター建設と支所の廃止、市民課窓口の民間委託とさらなるアウトソーシング、マイナンバー制度

・子ども子育て支援新制度に伴う保育所、幼稚園の保育単価、今後の公立保育所の民間移管、公立幼稚園廃止に対する市民の声、児童ホームの入所手続き、特養建設が進まない理由、こどもの医療費助成の拡充、国民健康保険の広域化

・公契約条例のあり方、ブラック企業ブラックバイトの相談体制、モーターボート競走事業会計などです

予算議会冒頭に新政会の波多正文議員が故田村征雄議員へ哀悼の辞を述べました

 2月22日(月)予算議会の冒頭に、新政会の波多正文議員が、市議会を代表して故田村征雄議員へ哀悼の辞を述べました。

追悼の辞

 許しを得ましたので、第15回尼崎市議会定例会本会議第1日の開会にあたり、尼崎市議会を代表いたしまして、去る1月12日にご逝去されました、

 故田村征雄議員のご逝去を悼み、謹んで、追悼の言葉をささげます。

 あなたは、昨年2月に体調を崩されましたが、復帰に向けて病気と闘い、努力された結果、9月には、議場でお顔を拝見することができておりましたので、本日、この本会議場入場に際し、あなたのいない現実に接すると、改めて惜別の情を深く感じたところでございます。

 あなたは、生来の人情味あふれるお人柄から、人望すこぶる厚く、またその卓越した識見と社会公共への強い思いゆえに、地域住民の厚い信頼を得て、平成5年、尼崎市議会議員選挙において初当選の栄に輝かれ、以来6期辺年8か月にわたり、市政の推進に尽力してこられたのであります。

 議会活動におきましては、平成19年度に議長を務められたのを始め、総務委員長、文教委員長、建設委員長、監査委員、農業委員、兵庫県競馬組合議会議員などの要職を歴任され、豊かな識見と卓越した政治的手腕をもって、本市の発展と市民福祉の向上に多大な貢献をしてこられました。

 また、あなたは、まちづくりにおいても、たゆまぬ情熱と不屈の信念により、地域の安全・安心と環境整備のために心魂を傾けてこられました。

 その活動は、本市のみにとどまらず、平成19年に全国市議会議長会の社会文教委員、また、都市行政問題研究会の理事、石油基地防災対策都市議会協議会の副会長を務められるなど、幅広い活躍をされました。

 このように数え上げれば、あなたの業績は誠に大きく、到底、この場で全てを語り尽せるものではありません。

 本市行政が幾多の難問に直面している今日、尼崎を愛し、常に熱く情熱を傾けてこられたあなたには、今後とも大いにご活躍いただけるものと信じておりました。

 会派は異にしますが、同じ市議会議員として、市勢の発展のために苦楽をともにしてきましたあなたとは、これからも幾度となく政策論議を交わしたいと考えておりましたが、残念ながら叶いません。

 今はただ、あなたの分まで尼崎市民のために一議会人として、一層の努力を傾注することをお誓いするのみであります。

 申し上げれば限りもなく、惜別の情は尽きませんが、ここに、第15回尼崎市議会定例会本会議第1日の開会にあたり、故田村征雄議員の在りし日の面影を偲び、生前のご功績に対し、感謝を捧げるとともに、限りなき平安と、ご遺族並びに本市の前途にご加護を賜りますことを祈念いたしまして、追悼のことばといたします。

平成28年2月22日

尼崎市議会議員

新政会幹事長

波多正文

 

平成28年度予算に対する稲村和美市長の施政方針です

ひと咲き まち咲き あまがさき~百花繚乱そして次の100年へ~(平成28年度施政方針)

 第15回市議会定例会の開会にあたり、平成28年度の市政運営に対する所信を申し上げ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解、ご賛同を賜りたいと存じます。

(はじめに)

 平成28年は、尼崎市が誕生してから100年目。これまでの歩みを学び、先人達への感謝とともに、次の100年に向かって新たなスタートを切る記念すべき年です。このような歴史的な節目の年に、市長として市政を担うことに感謝と喜びを感じるとともに、持続可能なまちづくりを進め、この尼崎を将来の世代にしっかり引き継いでいくのだという強い想いと、自らの責任の重さを改めて感じています。100年前の大正5年4月1日、尼崎市は、人口3万2千人で市制を施行し、以来、大正、昭和、平成へと時代が変わる中、様々な歴史を刻みながら発展を続けてきました。 この間、尼崎市の先人達は、激動する時代を乗り越え、現在の尼崎市の礎を築きました。尼崎近代の歩みを振り返りますと、明治には紡績工場の開業で工業都市としての第一歩を踏み出し、大正から昭和にかけて重化学工業都市としての基盤を確立しましたも敗戦で壊滅的な打撃を受けたものの、不屈の精神と高い技術力により復興し、鉄鋼業を中心に我が国の製造業をリードしました。戦後復興期には、ジェーン台風により、大きな高潮被害を受けましたが、多くの市民の皆様、事業者の寄付も得ながら、悲願だった防潮堤の完成をみています。高度経済成長期にかけて、産業基盤が整い、都市化が進む一方で公害問題などが発生し、あわせて工場の流出や人口減少が進みましたが、現在では、国の「環境モデル都市」にも選定され、経済と環境の両立に向け取り組んでいます。さらに、阪神・淡路大震災を経験しましたが、駅周辺や臨海部などの整備も進め、まちの姿は大きく変わってきました。これまでの長い歩みの中で、市民の皆様、事業者、行政が知恵と力を合わせ、多くの経験と財産を継承してきました。 近隣他都市に先駆けて成熟期を迎えている本市は、人口減少や少子・高齢化、整備した公共施設の老朽化など、今、再び多くの課題に直面しています。私は、いたずらに悲観的にならず、かといって希望的観測に逃げることもなく、いつの時代もそれぞれの課題に向き合い、発展を遂げてきた、この尼崎の持つ力を信じ、「課題解決先進都市」として、次の100年に向けた確かな一歩を踏み出したいと思います。

(市制100周年)

 昨年よりプレ記念期間として機運の醸成に努めてきました市制100周年も、年が明け、いよいよ本番の記念期間がスタートしました。わがまちの歴史と文化を改めて学ぶ、この節目の年に、城内地区のまちづくり整備に着手します。尼崎発祥の地である城内地区には、その名のとおり、近世に尼崎城がありました。今なお、旧尼崎警察署や、文化財収蔵庫として活用している旧城内中学校など、歴史的建築物が集積する貴重なエリアとなっています。 ご寄付いただくことになりました尼崎城を本市のシンボルとして、築城400年を見据えた取組を進めるとともに、「都心と歴史文化ゾーンが調和した交流と学びの拠点の創生」を目指し、整備を進めます。具体的には、28年度から32年度までの5カ年で、旧城内中学校の校舎を耐震改修し、文化財収蔵庫と地域研究史料館の機能をあわせ持つ歴史館として整備します。 また、尼崎城吐公園を城内地区の玄関口にふさわしい景観や憩いの空間として整備するとともに、安心して回遊できる遊歩道の整備や観光案内情報板の設置を進めます。さらに、この歴史的エリアにおいて、定期的に歴史文化のイベントを実施するなど、本市の魅力をアピールしていくための取組を市民の皆様と進めていきます。市制100周年のコンセプトは、「みんなが主役」です。まちへの誇りや一体感のさらなる醸成を図る、大きなチャンスだと捉えています。「100周年知れば知るほど”あまがすき▼」をテーマに、様々な市制100周年記念事業を実施していきます。皆様の尼崎を思う気持ちと行動力によって企画された、市民協働による実行委員会主催の市民まつりやハーフマラソン、みんなのサマーセミナーのように多くの方が参加する取組から、グループ活動などの小規模なものまで、数多くの記念事業が、市内各所で、実施される予定です。 10月8日の100周年記念日には、記念式典を開催するほか、市制100周年記念として、新「尼||’奇市史」(たどる調べる尼崎の歴史)を刊行します。100年の歳月が作り上げた、この尼崎市を市民の皆様、尼崎市を訪れる多くの方々にご覧いただき、次代を担う子ども達へ、そして、これからの100年へとつないでいきます。

(尼崎人口ビジョン、尼崎版総合戦略)

 続きまして、「尼崎人口ビジョン・尼崎版総合戦略」です。本市では、26年度に制定された、まち・ひと.しごと創生法に先んじて、25年度からの総合計画に基づき、急速な人口減少と少子・高齢化等の課題を踏まえ、人口の年齢構成バランスを重視し、子育て世代の定住・転入促進に向けた取組を進めています。 そして昨年10月、それらの取組を加速させるため、「尼崎人口ビジョン」と、まち・ひと.しごとの分野に焦点を絞った、総合計画のアクションプランとして「尼崎版総合戦略」を策定しました。総合戦略では、市民の希望出生率を叶えるとともに、ファミリー世帯の転出超過傾向を5年後に半減させることを目指します。また、地域経済の活性化、仕事の安定や、加速度的に増加することが見込まれる高齢者の安全で安心な暮らしの確保などの目標も掲げています。28年度は、この総合戦略を踏まえ、引き続き総合計画に掲げる4つの「ありたいまち」の実現に向け、尼崎の強みと多様な地域資源を活かした施策を展開していきます。

(施策評価と3つの重点施策)

 続きまして、施策評価と3つの重点施策です。総合計画に掲げる4つの「ありたいまち」の実現に向け、施策の進捗状況をしっかりと捉えたうえで、次年度以降の事業構築につなげるため、2度目の施策評価を実施しました。 その結果を踏まえ、特に子育て世代の定住・転入促進に向けた取組を進めるため、「市民自治のまちづくり」、「教育・子育て」、「安全・安心のまちづくり」の3つを柱として位置づけ、予算や職員定数を重点的に配分します。 それでは、3つの重点施策について、順次、ご説明申し上げます。

(市民自治のまちづくり)

 1つ目は、「市民自治のまちづくり」です。 この100年に一度の節目を絶好のチャンスと捉え、市制100周年となる28年度を市民自治のまちづくりをより飛躍させる契機にしたいと考えています。成熟期を迎えた尼崎市では、ハード面の整備だけでなく、未来を担う人材が育つまちづくりが求められています。 選挙権年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられる中、市民一人ひとりが、決定に参加する主権者であることを自覚し、自分で考え、発言し、将来のまちづくりを担う豊かな人間性を備えた人材となる「人づくり」が大変重要です。また、成熟期におけるまちの発展には、これまで以上に、一人ひとりが、地域を愛し、人々に誇りうるまちに育てようとする市民意識の醸成が不可欠です。市制50周年に制定された「市民憲章」では、市民としての誇りと愛情を持ち、みんなで考え、みんなで行うべき生活のよりどころが定められました。 このような普遍的なものを踏まえつつ、時代の変化に対応し、市民の皆様、事業者、そして市職員が、相互に理解し信頼し合いながら、自らの責任と役割を果たし、ともにまちづくりを推進していかなければなりません。  このため、尼崎市における自治の基本理念や基本的な事項を明らかにするとともに、まちづくりに関わる人材の育成を見据え、自治基本条例を市制100周年の節目の年に制定できるよう取組を進めます。市民活動や社会教育といった垣根を越えて、まちの課題解決のための学びと実践を市民の皆様や職員が共有し、ともに学び合い、その成果を身近な人や地域社会に還元していく、そしてそのような活動の輪が広がり、学びと実践のチャンスにあふれるまちを目指し、まち中をキャンパスとした「みんなの尼崎大学」のスタートに向け取り組みます。

(教育・子育て)  

 2つ目は、「教育・子育て」です。引き続き「まちづくりは人づくり」として、子育て支援をはじめ、さらなる学力向上に向けた取組とともに、安全で学びやすい環境づくりを進めます。 長年の課題だった学力向上につきましては、これまでの取組により、着実に効果が現れてきています。改善の結果、国の「全国学力・学習状況調査」や本市独自の「尼崎市学力・生活実態調査」において、本市の児童・生徒の学力は概ね全国レベルとなっています。 引き続き、効果が現れている学校の実践例を広く共有するとともに、家庭学習などの習慣の定着と「活用する力」の向上に向けた取組を進めます。また、放課後等における学習指導を充実させるとともに、主体的・協働的に学ぶ学習であるアクティブ・ラーニングを推進します。加えて、学力向上には、教員の指導力が不可欠であるため、児童・生徒が主体的に学習に取り組むための指導方法を研究するなど、教員の指導力向上にも取り組みます。 また、学校が抱える、児童・生徒のいじめや問題行動、不登校等で、困難かつ緊急性が高い事案に対し、専門的視点から支援を行うアドバイザーを派遣し、学校を支援します。3カ年計画の2年目となる学校の空調整備では、小学校6校、中学校7校において整備を行います。 また、順次実施校を拡大してきた中学校弁当事業は、27年度で全校実施となりました。 28年度は、中学校給食の実施に向け、中学校給食検討委員会で調査検討を進めていきます。 このほか、27年に設置しました教育振興基金を活用し、英語力の向上を図るため、中学生の英語検定受験の推奨や英語キャンプなどを実施するとともに、児童・生徒による多彩な音楽活動を支援していきます。 次に、子育て分野では、子ども・子育て支援新制度が本格稼働する中、28年度には、認定こども園が4園、地域型保育事業が7園増えるなど待機児童の解消を目指すとともに、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に推進します。いじめや不登校のみならず、児童虐待、子どもの貧困などへの対策が求められる中、子どもを主軸におき、教育委員会を含めた庁内連携.、調整をより一層強化し、子どもや青少年に係る施策について、さらに積極的に推進するため、新たに「こども青少年本部」を設置します。あわせて、成長段階に応じて切れ目なく、総合的な支援を目指す「子どもの育ち支援センター」の機能構築に向けた準備を進めます。また、ご寄付いただいた大学施設を活用して、「子どもの育ちを支える機能」、移転予定である教育総合センターの「教員・職員の人材育成機能」、まちづくりに関わる人材の創出やシチズンシップの醸成を図るための「市民の交流・学習機能」を有機的に連携させ、施設全体で「学びと育ちを支援する」拠点にしていきます。

(安全・安心のまちづくり)

 3つ目は、「安全・安心のまちづくり」です。 犯罪のない、災害に備えのあるまちは、市民生活の基盤であり、引き続き取組を強化していきます。25年に打ち出した「ひったくり撲滅宣言」や各種防犯事業の着実な取組により、「市内のひったくり件数」は、平成に入り初めて100件を割ることができました。 より暮らしの安全を高めるため、防犯カメラ設置補助件数を拡充するなど、さらなる安全・安心とまちのイメージ向上を目指します。 尼崎市は、市域全域の高低差が少なく、道路網が整備された、自転車利用に適したまちです。利便性や環境面、健康面等における自転車のメリットを最大限に活かすため、自転車レーンの整備を引き続き進めるほか、交通マナー向上による自転車事故対策、自転車盗難の防止、不法駐輪対策など、総合的な自転車政策を推進していきます。27年から本格的に市内全駅において自転車駐輪場の管理、誘導啓発、撤去、保管返還の一体的委託などに取り組んだ結果、26年に約2千台あった放置自転車が、ほぼ半減しました。放置自転車が、今なお多い阪急武庫之荘駅に、景観に配慮した啓発用具を活用するなど、引き続き自転車が放置されない環境づくりを進めます。防災並びに災害を含む危機管理事象に対して、さらに積極的かつ的確に対応し、市民の安全を向上させるため、危機管理安全局を設置し、組織体制の強化を図ります。  近年、頻繁に発生している局地的豪雨や、それに伴う河川の急激な水位上昇に対応するため、降雨観測システムの更新を進めるとともに、武庫川・猪名川等の河川沿いなどに防災行政無線の屋外拡声器を増設します。

(4つの「ありたいまち」ごとの主な取組)

 続きまして、法改正や喫緊の課題に対応する事業を含め、総合計画に掲げる4つの「ありたいまち」ごとの主な取組をご説明します。「人が育ち、互いに支えあうまち」に向けた取組として、市バスの民営化に伴う高齢者バス特別乗車証の阪神・阪急バス路線への利用拡大・市民グループなどによる高齢者等を対象とする交流や介護予防に資する活動への補助・病児病後児保育事業の拡充・子ども・子育て支援新制度の幼児教育、保育に係る生活保護世帯等の実費徴収額の一部補助・旧梅香小学校敷地における尼崎養護学校新校舎及び中央公民館と多目的ホール等の複合施設の整備工事 などに取り組みます。「健康、安全・安心を実感できるまち」に向けた取組として、・介護保険制度の改正に伴う、介護予防・日常生活支援総合事業の円滑な実施に向けた準備・障害のある人とない人のコミュニケーションに関する条例の検討・生活習』慣病や認知症発症予防等に向けた取組・喫煙率の低下、疾病発症を防ぐための禁煙の支援・胃がん検診における50歳以上の市民を対象とした内視鏡検査の実施・JR塚口駅西口のエレベーター設置への補助・救急件数増加に対応する救急隊の増隊・保健・福祉に係る総合相談支援体制の構築や乳幼児健診の環境の充実などを図るための(仮称)保健福祉センターの整備などに取り組みます。「地域の資源を活かし、活力が生まれるまち」に向けた取組として、・産業振興基本条例に基づく産業振興と雇用就労施策の推進 ・レアメタル等希少金属のリサイクルの推進・城内地区における「あまがさき歴史音楽祭」の開催・復元住居の修復や事業のサポートを行う田能遺跡サポーターの養成などに取り組みます。 「次の世代に、よりよい明日をつないでいくまち」に向けた取組として、・人口減少を前提とした立地適正化計画の策定・老朽化が進む武庫支所と地区会館の複合化による建替え・下水道中期ビジョンに基づく浸水対策の推進などに取り組みます。

(行財政運営の推進)

 続きまして、健全な行財政運営の推進についてです。 先月より、住民票等のコンビニ交付、市民課窓口業務の民間委託を開始しました。少子・高齢化、多様化する市民ニーズや、増大する社会保障費などに対応するためには、市役所の仕事の仕方なども不断に見直しを行わなければなりません。27年に策定した、更なるアウトソーシングの導入に向けた基本的方向性に基づき、改めてすべての分野において、業務改善を進めるための業務プロセスの分析を行います。また、契約制度について、適正な履行や質の確保等に関する発注者と受注者の責務を明らかにするとともに、労働条件の切下げを防止し、より良質な市民サービスの提供につなげていくため、公共調達にかかる基本的な考え方を示す条例の制定を進めます。  本庁舎について、耐震補強など当面の使用に耐え得る整備を行う一方、将来の建替えに向けた取組の第一歩として、必要な財源を確保するため、新本庁舎建設基金を設置します。また、人事・給与制度については、職員採用試験について、幅広く有為な人材を採用するため、基礎能力や職務、組織適応性等を多角的に評価できる試験制度に変更していきます。さらに、給与制度の総合的見直しを実施する中で、国や民間の給与水準を踏まえた給料表の改定を行います。

(平成28年度予算)

 以上、市政運営に向けての私の基本的な考え方と、28年度当初予算に盛り込んだ内容について、主な施策を中心に申し上げました。  この結果、28年度当初予算は、一般会計 2081億円、特別会計 1099憶1,000万円、企業会計809億5,800万円となりました。28年度においても、依然として多額の公債費負担が継続し、社会保障費や公共施設の老朽化などに伴う維持補修費などの増加も見込まれるため、行財政改革計画「あまがさき「未来へつなぐ」プロジェクト」に基づき、引き続き持続可能な行財政基盤の確立を目指します。

(むすびに)  

 現在の東難波、西難波町の地に、「難波の梅」伝説があります。香り高い梅の花は、場所を変えると、難波の方向に向いている枝以外には花をつけず、元の地に戻すと、また昔のように多くの香り高い梅の花が咲いたというお話です。尼崎市は、都市部でありながら、四季折々の花が咲き、私達の目を楽しませてくれます。 春には、武庫川の堤防を始め、ソメイヨシノやヤエザクラなどが市内各地で満開になります。桜のあとは、市の木「ハナミズキ」や、復興のシンボル、市の花「キョウチクトウ」、そして市の草花「ベゴニア」が楽しめます。また、春と秋には、大井戸公園など市内随所で、甘い香りを漂わせるバラが見頃となります。市民グループの皆様の取組により支えられた武庫川コスモス園は、名所として定着し、多くの方が満開のコスモスを見に来られます。市制100周年の年、みんなで大輪の花を咲かせましょう。そして次の100年へと、ともに歩みを進めましょう。 百花繚乱、色とりどりの花が、そして人が咲き誇る、魅力あふれるまち、尼崎。 花が咲き、実を結び、種となるように、一人ひとりが役割を持ち、学び・出会い・行動する、自分らしい人生を生きる、そしてその活躍が、まちを支え、次世代を育んでいく、「ひと咲きまち咲きあまがさき」。 私は、子ども、孫、そしてまだ見ぬ未来の世代へ、そんなまちづくまいしんりを引き継いでいくために、これからも市政運営にこ迩進する決意です。このまちに関わる人達が、もっと咲くように、そしてこれからも、このまちがずっと咲き続けるように、皆様とともに、いま、力強く新たな一歩を踏み出し、未来へつなぐまちづくりに、全力で取り組みます。 どうぞ、議員の皆様、市民の皆様、引き続き、ご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。

所得税法56条廃止についての陳情不採択に対する松沢ちづる議員の反対討論です。

 日本共産党議員団の松沢ちづるです。わたしは、所得税法第56条の廃止についての陳情を「不採択」とすることに対して、反対討論を行います。所得税法第56条では、個人事業者と生計をともにする配偶者や家族が、事業から受け取る報酬を事業の必要経費と認めず、配偶者や家族の働き分は、事業者の所得に合算すると規定しています。これは、明治時代に制定された所得税法にさかのぼり、家父長に絶対的な権力を持たせた「家制度」に基づいています。戦後税制の民主化が進められ、1949年のシャウプ勧告も、家族の働き分の合算課税制度を廃止し、個人別に課税するように指摘していました。ところが、個人事業者については民主的家族制度が十分に定着していないことを理由に、取得税法第56条の規定は残され今に至っているのです。私は、2つの点で反対意見を述べます。一つは、家族の働き分を認めない所得税法第56条は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と規定されている憲法第13条に違反しているという点です。総務消防委員会の論議で、所得税法第57条に青色申告の制度があり、ここで家族分の給料は必要経費として認められているから陳情の願意は達成されており、採択する必要がないと言われました。しかし、個人事業者の確定申告の基本は白色申告です。あくまで青色申告は例外的な規定です。さらに、2014年1月からはすべての事業者に帳簿への記帳が義務付けられたことにより、白色申告と青色申告に格差を設けて白色申告者に家族の働き分を認めないという理由は、現実的になくなっています。問題は、女性が働き手として自営業で果たしている役割が、法の下適切に評価されているのかどうかです。戦前の家制度による女性差別を残す所得税法第56条は、憲法第13条に照らして廃止すべきです。二つ目に、2009年12月同様の陳情が出され「不採択」となった時と状況は変わっていない、だから今回も「不採択」だという論議が総務消防委員会でされましたが、これが状況を正しくとらえているとは言えないという点です。2009年11月参議院財政金融委員会で、当時の藤井裕久財務大臣は「家族従業員の勤労に対する扱いについては、しっかりと検討していきたい」と答弁しました。翌2010年3月衆議院経済産業委員会では、当時の直嶋正行経済産業大臣も「所得税法56条の問題について、全般的に見直してみる意義がある」と答弁しています。また、今現在国税庁ホームページには「親族が事業から受ける対価の取り扱いについて」という税務大学校研究部教育官・斎藤信雄氏の論文が掲載されています。内容は、まず所得税法第56条の規定の合理性に疑問をなげかけ、結論として所得税法第56条の規定を廃止し、親族間の取引であっても第3者間取引と同様に扱うべきだとしています。さらに、男女共同参画社会基本法にもとづく第4次計画が、昨年12月に閣議決定されていますが、ここでも家族従業者の実態を踏まえ、所得税法第56条の改善を求めています。こうした動きに呼応して、所得税法第56条の廃止を求める意見書を採択した地方議会は、昨年12月25日現在で432自治体にのぼっています。みなさん、このように過去6年間の状況は、「変わっていない」のではなく、所得税法第56条の見直しの方向で動き出しているのです。以上、2点にわたって意見を述べました。所得税法第56条の廃止につての陳情は採択すべきものであり、「不採択」に反対いたします。みなさんのご賛同をいただきますようお願いして、私の反対討論を終わります。

日本共産党尼崎市会議員団が市民懇談会を開催します

 2016年度予算案などを審議する予算議会が2月22日から3月25日までの日程で開催されます。この予算議会を前に、市民の皆さんからご要望をお聞きする市民懇談会を開きます。ぜひご参加ください。

日本共産党尼崎市会議員団・市民懇談会

 と き  2月18日(木)午後6時30分より

 ところ  尼崎中小企業センター会議室402号

 

故田村征雄議員の奥さんが、議員在任中の旅費差額を尼崎市に寄付しました

 故田村征雄議員の奥さんが、田村議員の在任中の旅費差額を尼崎市に寄付をしました。これは、故田村議員の任期中に行政視察などをおこなった場合に、支給された旅費総額と実費の差額を保留しておいたものです。議員は任期中には、選挙区である尼崎市には寄付をできないため、故人の意向により奥さんが寄付したものです。現在は、議員の旅費支給は職員と同じ規定ですが、かつては特別職の規定が多額であったために実費との差額が生まれたもの。日本共産党議員団は、実費支給にするようもとめていました。

徳田みのる議員の議会運営委員会の行政視察報告書です

 議会運営委員会委員として、2016年1月25日(月)から27日(水)まで、藤枝市議会、川崎市議会、千葉市議会へ行政視察を行いましたので報告をします。

視察内容

藤枝市議会  決算特別委員会による事業評価と市長への提言について

       クラウドによる文書管理とタブレット端末の導入について

川崎市議会  予算・決算審査特別委員会について

       請願・陳情の審査等の取り扱いについて

       大型ディスプレイを使用した質問の実施について

       こども議場見学会について

千葉市議会  予算・決算審査特別委員会について

       政策条例の提案について

       ICTの活用について

       議会の災害対策について

藤枝市議会

 藤枝市議会の視察では議会活性化特別委員会の委員の皆さんが手分けして報告をされました。議員22人は、11人づつに分かれ、議長も含め予算特別委員会または決算特別委員会に所属、監査委員は予算委員会へ所属としています。決算審査は8月初旬から始まり、まず一般会計1150事業から評価対象241事業を抽出し、さらに35事業の事業評価決算審査用調書を作成し、この調書をもとに4日間かけて決算審査を行います。審査終了後に提言書にまとめ11月下旬に市長に提出。翌年度の予算審査のチェックとして活用しています。

 昨年11月から、全議員がタブレット端末機を携帯して、議案など様々な資料をインターネットでの送付、膨大な資料をインターネットによって取り出せる、各種の会議通知をメールで行う等、議会運営の効率化やペーパーレス化を推進していました。また資料の閲覧のみ会議へのタブレットやノートパソコンの持ち込みは可能としていました。

川崎市議会

 川崎市議会の予算審議は全議員60人で、決算審議は議員選出の監査委員2人を除く58人で構成しています。予算審議は本会議で、代表質問、予算審議特別委員会による4日間の質疑を行ったあと、討論、採決を行っています。決算審議では、さらに常任委員会単位の5つの分科会を設置して、分科会審議も2日間行っています。

 請願・陳情の審査にあたっては、必要な場合には審議前に現地調査を実施しています。陳情は,委員会での結論を持って、議会の結論とし本会議では採決していませんでした。

 閉会中における常任委員会は、原則として毎週、毎週木曜日に開催し、金曜日を予備日としていました。

 本会議場に3台の大型映像装置(ディスプレイ)を設置して、発言者がよく見えるようにしながら発言者の資料表示を実施して、わかりやすい議会運営に努力していました。

 夏休みにこども議会見学会を開催しています。昨年は8月6日に開催し、97人のこどもと保護者が参加して、身近な市議会になるように努力していました。

千葉市議会

 千葉市議会では、予算審査、決算審査特別委員会とも、全議員50人を持って構成しています。各審議とも常任委員間単位の5つの分科会を設置して審議、代表質疑、分科会審議、討論、採決をしていました。また議会からの政策条例提案をすすめるために、政策条例策定体系検討チームで協議が行われ、政策形成基本フローが策定されていました。

 昨年10月から、タブレット端末機を活用して文書整理共有システムを導入して議会内部事務の効率化、議会活動の向上等に取り組んでいました。

 東日本大震災の教訓から、大規模災害時における災害情報や対策の伝達を迅速にすすめるために議会内に災害対策会議を正副議長と会派代表、議会事務局で設置して、災害対策本部や国、県関係機関と連携する体制が設置されていました。議会開催時の対策として、議場内の議員の机の下に、折りたたみヘルメットも置かれ、避難訓練もされていました。