コロナ情報ニュース20号補足 4/19からワクチンクーポン発送開始

今日から65歳以上の方に順次、クーポン券が発送されていきます。

予約の受付は5月10日から、接種は24日から(保健所などでの集団接種は29日から)

ニュースが見えづらい場合はPDFファイルがあります。

こちらをどうぞ♪→団ニュースコロナ20号pdf

事業者へ補償を!大規模なPCR検査、医療機関減収補填など市長に申し入れ

左から 徳田みのる、山本なおひろ(地区生活相談責任者)、松沢ちづる、こむら潤(衆院近畿比例兵庫八区)、真崎一子、川崎としみ、庄本えつこ県議、広瀬わかな、シバタ稔(地区くらし営業対策責任者)

2021年4月9日、日本共産党尼崎地区委員会と・同市議団は、新型コロナウイルス感染対策の強化を求めて稲村和美・尼崎市長に申し入れを行い、短時間ではありましたが懇談をしました。

第4波の波は収まる気配がありません。

一刻も早く広範囲なPCR検査をおこない、また、打撃が大きい各事業者には補償を行わねばくらしと命が守れません。

この間の医療機関の損失も大きすぎます。コロナ対策、患者さんの受け入れなどやればやるほどの減収です。充分な減収補填が必要です。

私たちの申し入れ書は以下の通りです。

 

2021年4月9日

尼崎市長 稲村 和美 様

                                

新型コロナウイルス感染から市民のいのちとくらしを守る緊急申し入れ

 

                            日本共産党尼崎地区委員会

                               委員長 流目 茂

日本共産党尼崎市会議員団

                               団長 川﨑 敏美                                                                  

 

市長はじめ職員の皆様におかれましては、新型コロナウイルス感染症から市民のいのちとくらしを守るために、日夜奮闘されていることに敬意を表します。

新型コロナウイルス感染の「第4波」が続き、国は4月5日から「まん延防止等重点措置」を本市にも適用しました。4月に入り市内の新規感染者は7日までに205人にのぼり、1日30人を越える日が続いています。感染拡大は、無症状の感染者から感染が広がり、集団感染も医療機関や高齢者・障がい者施設、学校や保育所など多くの場所から報告され、きわめて憂慮すべき事態となっています。

ワクチン接種がはじまりますが、同時並行で感染防止対策を進めていかなければなりません。そのため民間の検査機関などの協力のもとに検査能力を集中投入し、大規模なPCR検査を行い感染拡大を抑制すべきと考えます。

 本市は4月から高齢者施設などの無症状の職員を対象に2週間ごとに職員のPCR検査を実施しますが1回450人、またモニタリングPCR検査も毎週金曜日の夕方6時から阪神尼崎駅前で行いますが1日100人と、あまりにも少なすぎます。

 日本共産党の志位和夫委員長は4月1日に、菅義偉首相に全国的に感染拡大が顕著になっていることについて「第4波」の封じ込めのために、あらゆる手立てを講ずべき重大な局面であるとして、➀事業者への十分な補償、②大規模な検査、③医療機関への減収補填、④東京オリンピック・パラリンピック中止の決断を求めました。

 本市においても、市民のいのちと健康、くらし、生業を守る最優先の市政運営を行っていただきますよう、以下の点を緊急に申し入れます。

要望事項

1、医療機関、高齢者・障がい者施設、保育園、幼稚園、学校など集団感染のリスクが高い施設に勤務する職員、出入業者への頻回・定期的なPCR等検査を行うこと。必要に応じて利用者全員を対象に検査を行い、モニタリングPCR検査を大幅に増やすこと。

2,まん延しつつある変異ウイルスの全数検査をめざして、検査数の引き上げを行うこと。

3,保健師を大幅に増員し、新型コロナ感染対策とともに、ワクチン接種に不安をもつ市民の相談にあたること。

4、時短営業など新型コロナ感染拡大によって苦境に陥っている中小事業者へ直接支援を行うこと。

5、コロナ禍による生活困窮者に対して、独自の支援金を支給すること。

6,感染拡大につながる恐れがある尼崎の東京オリンピック聖火リレーを中止すること。            

以上

2021.3月 松沢ちづる 補正予算コロナ対策質疑

2021年3月23日

松沢ちづる議員が補正予算コロナ対策についての質疑を行いました。

(補正予算の質議)PCR検査拡充についての市の考え方について

 補正予算第1号で衛生研究所行日して9,312千円が計上されています。事業内容は、5人分の唾液を1本のスピッツにまとめるプール方式で2週間の間に450人分90件のPCR検査を行うための試薬などの経費1年分あるとお聞きしています。対象者は、市内の高齢者施設様々にありますが、老人保健施設やグループホーム、有料老人ホームなど入所系の約110カ所に働く無症状の3000人あまりの従業員の皆さんだということです。

 衛生研究所に事前に確認しました。衛生研究所にとって新たな追加業務ですが、陽性者数が少なくなってきたことや、自動抽出装置の活用とともに一日あたりの検査本数は保健所が一定調整するので、人員を増やさなくても8時間の勤務時間内で処理できるだろうとの予測です。

 日本共産党議員団はコロナウイルスの厄介なところは無症状者が知らないうちに感染を拡げてしまうことなので、新型コロナ感染症を封じ込め市民のいのちを守るためには無症状者へのPCR検査の社会的検査や面的な検査を拡充することが必要だと、昨年来4回にわたって市長に要請してきました。また、一般質問や代表質疑でも求めてきました。市のこれまでの対応は、お金がかかること、検査数が増えることにより症状のある人や濃厚接触者のPCR検査が遅れるなどの理由から、無症状者への検査はごく一部に限り、検査拡大そのものは困難だというものでした。

 ところが、今回の補正予算ではこれが一歩前進したと思います。そこでお尋ねします。

 

質問

 無症状者へのPCR検査拡充をやろうと決めた理由は何ですか?また検査対象は従業員のみで、施設利用者を除外している理由も併せてお聞きします。

 

答弁

 2月2日に変更された国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針では、緊急事態宣言が発令された地域においては、感染拡大の傾向を迅速に察知し、的確に対応できるよう、高齢者施設の従事者を対象に、3月中に集中的検査を実施し、その後も、市の状況に応じて、定期的な検査を行うよう要請されています。本市としましては、この要請に基づき、現在、特別養護老人ホームの従事者に対して集中的検査を行っておりますが、4月以降においても、戦略的サーベイランスとしてPCR検査を実施することで、集団感染時の早期対応につなげるものでございます。なお、高齢者施設の入所者が原因で、新型コロナウイルスが感染拡大することは考えにくいことから、外部と接触のある従事者を検査対象としております。

 

 

 次に、これまでのクラスター発生をみれば、高齢者施設に限らず医療機関、障がい者施設、保育所、学校など多岐にわたります。また、ワクチン接種は5月からで、16歳以上の全市民に行きわたるにはかなりの時間が必要です。ある病原体に対して人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても他の人に感染しにくくなることで流行がしにくくなり、間接的に免疫持たない人も感染ら守られます。この状態「集団免疫」といい、社会全体が感染症ら守られることになります。専門家の話よれば、新型コロナ感染症ついて集団免疫に至るまでには、現状において数年かかりそうだとのことです。

やはり新型コロナ感染症を封じ込めるためには、さらに無症状者のPCR検査

高齢者施設以外も拡げることが求められます。

 

質問

 今後、医療機関、障がい者施設、保育所、学校などに無症状者のPCR検査を拡充する考えはありますか?

 

答弁

 国の「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)によりますと、80代以上の方は30代の方と比較して、約220倍の方が亡くなられており、高齢者の死亡率が極めて高いことから、国から高齢者施設に対する検査の徹底について要請があったものです。今後、第4波の発生が想定されておりますが、PCR検査数には限りがあり、検査を必要とされる方が必要な時に検査を受けていただける体制の確保に努めてきたものであり、現時点では、高齢者施設等を対象にしたものでございます。

 

大阪市をよくする会中川さん講演「維新の政治ホントのところ」ご案内


 古くから共産党を支持して下さっているご年配のご婦人から

「コロナでも吉村さんはよう頑張ってはるな」という言葉をお聞きしました。

「なぜそう思いはりますか」とお聞きしたら

「テレビによう出てわかりやすい言葉でパンパンと話してはる」

 おそらくそういう雰囲気で大阪の維新人気は下支えされているのだと痛感しました。
でも、テレビからは見えない「維新が来てからの大阪」はどうでしょう。
医療の問題、学校の問題、働かせ方の問題、文化の問題。
身を削る改革が維新の言い分ですが、削られたのは庶民の福祉や教育、医療です。
テレビは報道しません。
維新の議員や首長がいろんな不祥事をおこしても、騒ぎません。
それはなぜでしょう。

維新が来てからの大阪がどうなっていったのか。
尼崎も対岸の火事ではありません。

維新が牛耳る政治がどういうものなのか、

テレビでは報道しない「ホントのところ」を
大阪市をよくする会事務局次長の中川直和さんをお招きしてお聞きする機会を設けました

ぜひ皆さん、お誘いあわせてご参加ください。

無料です。

申し込みも不要です。

維新の政治ほんとのところPDF

2021.3月議会 まさき一子議員の反対討論

2021年3月 予算議会・予算特別委員会 反対討論

日本共産党議員団の真崎一子です。会派を代表して議案第25号、30号、2号、3号、10号、15号について反対討論をします。

まず最初は議案第25号 尼崎市手数料条例の一部を改正する条例について

来庁者の分散化による窓口の混雑解消と市民の利便性向上を図るため、マイナンバーカード等の活用により、コンビニ交付による各種証明書の交付をするものであり、一層のマイナンバーカードの取得促進をおこなうものです。マイナンバーカードは来年度から健康保険証として利用できるようになります。そうなれば国民の所得や資産、医療、教育などあらゆる個人情報が政府に集中します。また、日常的に持ち歩くことになり、紛失、盗難、個人情報漏洩や組織的に悪用される可能性もあります。そのリスクは計り知れません。代表質疑で市長は「許容できるリスクを上回る利便性、合理性の確保が求められる」と答弁されました。しかし2019年だけでも情報漏洩が217件、数十万人分発生しています。リスクを軽視する姿勢は問題です。よってマイナンバーカードの普及を積極的に促進するこの条例改正には反対します。

 

 次に、議案第30号 尼崎市介護保険条例の一部を改正する条例と議案第10号 令和3年度特別会計介護保険事業費予算について

 2021年度から2023年度までの第8期介護保険事業計画の策定に伴う改定です。

第1段階~6段階の65歳以上の被保険者は全体の77%であり高齢所得者の大部分が集中しています。特に第4段階からの保険料は、大変負担が大きいものになっています。基準所得段階である5段階は、本人は非課税で収入金額の合計が80万円を超える世帯。6段階でも本人は課税者で収入金額120蔓延未満、決して生活が楽な世帯ではありません。人によっては年金の約2か月分が介護保険料に及ぶ人もいます。改定ごとに保険料が高くなり、65歳以上の被保険者の暮らしを脅かすものです。今後は団塊の世代が75歳以上となり、介護保険の需要が増えます。それに対応できる国や自治体の支援を強化すべきです。よって個人負担を増やす介護保険関連の議案第30号、第10号には反対します。

 

 議案第3号 令和3年度尼崎市特別会計国民健康保険事業費予算について

 国保加入者の保険料は政府の試算でも中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍という水準です。給与年収400蔓延の4人世帯が協会けんぽに加入した場合、保険料は年19万8千円ですが、同じ年収・家族構成の世帯が国保加入だと保険料は年42万6千円、実に2倍以上の格差が生じています。コロナ禍ですべての個人事業者の経営難は深刻な状況です。

中でも子育てをしている事業者お困難さは計り知れません。国保の子どもの均等割減免は、子育て世帯の大きな支援につながります。ぜひ、尼崎独自でも実施してほしいと思います。

 よって被保険者にとっての国保料の負担はたいへん大きいものがあります。

高すぎる国保料は認められません。

 

 次に議案第15号 令和3年度尼崎市モーターボート競走事業会計予算について

 ボートレースパーク整備事業が、新事業として1億7000万円が計上されていますが、その目的が「将来のファン層の獲得」とあります。子どもを対象とした遊び場の整備と住民合意である年間180日をこえての開催は反対です。

 

 最後は議案第2号 令和3年度一般会計予算について

 歳入でSDGs地域活性化基金寄付金の1000万円は企業版ふるさと納税が含まれています。企業版ふるさと納税は自治体に企業が寄付をすれば、寄付を受けた自治体は収入増になりますが、企業が所在する自治体は税額控除によって収入減になります。地方税制の基本をゆがめかねません。また今後、企業と自治体との癒着を起こしかねないという問題が出てきます。よって企業版ふるさと納税を原資とする基金には反対します。

 

 本庁市民課窓口混雑緩和対策の再構築については、先に述べました「手数料条例の一部を改正する条例」のマイナンバーカードの取得促進に準ずるものであり、認められません。

 また「番号制度等導入関係事業費」についても、同様の理由により反対します。

 

 じんかい収集事業の見直しについて

 今年4月から、じんかい収集は市直営が35%から24%に縮小され、委託範囲の見直しを行うとともに、より効率的な業務執行を見直すということです。効率的な業務執行体制とは、正規職員を21人減らして9300万円を効果額として計上するということでしょうか。

 過去に和歌山市では民間事業者のストライキにより、街のごみ収集が1週間されなかったという実例があります。市直営のじんかい収集は堅持するべきです。コロナ禍では自粛生活による家庭ごみが増え、断捨離をする家庭から多く大型ごみが出されました。そんな中、市民から「ごみの職員さん、いつもありがとうございます」と張り紙がありました。市民のくらし、いのちに直結するライフラインです。東日本大震災には全国からじんかい収集車が東北に集まり、瓦礫や壊れた家財道具の対応にあたりました。公共だからできることです。市民の命とくらしを守るのが自治体の仕事です。さらなるじんかい収集事業の民間委託には反対です。

 次は業務プロセス分析事業費について

 この事業に計上されている1000万円はCOO補佐委託料です。「業務見直しガイドライン」はCOO補佐の助言を受けながらつくられました。業務の効率化・業務平準化等の生産性向上を図る取組、無駄な業務、過剰な品質、時間管理意識の徹底を図ると明記されています。まさに大企業の生産性向上のための合理化計画を想起させるものです。よって業務プロセス分析事業には反対です。

 

保育環境改善事業について

 この事業の中には、公立神崎保育所の民間移管が含まれ、保育の公的責任を後退させるものです。よって保育環境改善事業の公立保育所の民間移管計画には反対です。

最後に尼宝線ほか2路線県施行街路事業地元負担金について

 この事業には県園田西武庫線整備事業の地元負担金が含まれています。現在、藻川にかかる橋梁が完成し、東園田地域の基礎工事が進んでいます。しかし周辺住民の土地提供については合意がされていません。市民の合意が得られるまで事業は進めるべきではありません。よってこの事業には反対します。以上の理由で一般会計予算には反対します。

 

2021.3月 広瀬わかな議員の意見表明

2021年3月19日 広瀬わかな議員が日本共産党尼崎市議団を代表し、

意見表明を行いました。

尼崎市議会 議会中継広瀬わかな2021.3意見表明

市民を取り巻く状況

  日本共産党議員団の広瀬若菜です。会派を代表して2021年度予算並びに関連議案に対する意見表明を行います。

 今年度は新型コロナウイルス感染症が世界中に猛威を振るい、保健所・医療機関のひっ迫、飲食店をはじめとする中小企業の経営難、非正規、女性や学生の雇止め・失業等、市民生活がとことん追い詰められた1年でした。

稲村市長は「支援の手からこぼれ落ちることのないように」と新型コロナ対策への決意を表明されています。新型コロナはもともと所得の低かった人への影響が大きいと言われております。またポストコロナ社会を見据え、来年度予算案が自治体の責務である住民福祉の向上、市民のいのちと暮らしを守る内容に十分であるかという点を特に重視し、共産党議員団の意見を述べてまいります。

コロナ対策

 コロナワクチンの供給が遅れており、5月から高齢者の接種が始まりますが、16歳以上の全市民が接種できるのがいつになるのか不透明な状況です。また、コロナ発生が少なくなっている今こそ、PCR検査の社会的検査を高齢者施設とともに医療機関・障がい者福祉施設などにも広げ、職員と施設利用者の定期的な感染防御を図ることが必要です。

 総括質疑で医務官は「対応に当たる保健師体制については、これまで保健師が行ってきた業務の見直しをして調整した」と答弁されましたが、これまで保健師が担ってきた業務は保健師が担う理由があったはずです。業務の見直しを実施し形式的には対応できたとしても、自治体の責務である住民福祉の向上の点で質の後退が起こってはなりません。

予算編成と財源について

 新型コロナウイルス感染症の影響で、世帯所得は貧富の格差がさらに広がっています。

ポストコロナ社会を見据える中で自治体としての役割が問われます。後で触れますが、予算編成の中で特に就学援助金の増額と国保料の引き下げについては恒常的な歳出にも優先度をつけることと国民健康保険の基金を活用することで実施できると考えます。

また、新型コロナ対応に特化した短期的な支援策は財政調整基金の活用で対応できます。

将来負担の抑制を目的として23億円の早期償還を行うとしていますが、財政が厳しいと子育て支援は先送りです。新型コロナの影響を大きく受けるいまの子どもたちに必要な施策充実が図られる予算編成を求めます。

子どものくらし

 コロナ禍で大人の働き方の変化や不安定な生活へのいら立ちが、子どもの生活を脅かし、家庭内虐待やDVの犠牲になっており、社会の責任において子どもを守ることが求められています。県の児童相談所が「ひと咲きプラザ」に設置されます。また要保護・要支援等の見守り強化事業への大きな期待があります。委託事業所任せではなく市がリーダシップをとり、SSWも含めしっかりした関与を求めます。

・公立幼稚園教育振興事業について

 現在の市立幼稚園教育振興プログラムの検証が行われる前に、昨年度策定された尼崎市教育振興基本計画をもとに、市立幼稚園のあり方検討の方向性が示されるやり方はあまりに唐突で、政策決定プロセスのあり方としても問題があります。就学前教育をより充実させていくための検討、検証は必要ですが、主要事業にあるすべての検討項目について早急な結論を出すことには反対です。特に、総括質疑で子ども青少年局から答弁のあった「余裕教室の保育への適用」は、尼崎市教育振興基本計画でも、また主要事業の説明資料の事業イメージにもまったく触れられておりません。

 公立幼稚園のあり方については、まず9園すべてで3歳児からの受入れを行うこと、特設学級の充実を図るため支援体制を整えることを求めます。主要事業に上がっているその他の施策については、その結果を見たうえで検討を行うべきです。尼崎の公立幼稚園のいいところは比較的小規模で一人ひとりの幼児に丁寧に接していることです。200人から300人の大規模化する恐れのある認定こども園の移行には反対します。

・保育所の待機児対策について

保育の待機児童数は、2020年度の236人、2021年度は430人の見込みです。認定保育園3園・小規模保育事業5園(保育の確保事業)で300人の受入れ増で、大変な努力をされています。しかし保育の需要に追い付かない状況です。保育士確保では保育士の雇用や相談支援を行う「保育士・保育所支援センター」が設置され期待しています。しかし同時に低賃金・長時間労働等の処遇改善も不可欠です。総括質疑で、子ども青少年局は「国の処遇改善策をつかってどれだけ給与が改善されたか把握していない」と答弁されています。まったく現場の実態を見ていないことが明らかです。保育士確保のために実態調査が必要です。市独自の保育の配置基準を見直し、安定した保育の質の向上と保育士の働き方の改善を求めます。

 また公立保育所として残す老朽化した杭瀬・次屋・武庫南保育所の建て替え計画を策定し、ゼロ歳児保育を含めた定員の拡大を行うべきです。

 神崎保育所の民間移管を含めた第4次計画の見直しを求めます。

・児童ホームの待機時対策について

2020年待機児は434人、2021度も同程度の待機児が見込まれます。38人の待機児があった立花南児童ホームが増設となり100人に定員増されましたが、毎年のように全児童ホームの半分前後で待機児童が発生し続けています。市は民間児童ホームを待機児解消の受け皿としていますが、民間児童ホームに待機児童が何人在籍しているか把握をしていない中、民間児童ホームを待機児童対策とすることは止めるべきです。公設公営の児童ホームを計画的に増やし待機児解消を進めることを求めます。

長年の保護者の要望に応え、おやつ代の徴収と発注業務を市が行うことになりますが、これまでの父母会の取組を尊重したものになることを求めます。またコロナ禍、1年間閉鎖していた子どもクラブがこの4月から開設されます。待機児童の緊急対策の位置づけですが、児童ホームとは設置目的が違うため渾然一体の運営とならないよう役割分担をもっての運営を求めます。

・子どもの医療費助成の拡充 

 ファミリー世帯の定住・転入促進を市長公約の一番に掲げていますが、市民ニーズが高い乳幼児医療費助成が兵庫県下の最低レベルでは情けないと考えます。今回、所得制限ありで小1~小3までの1医療機関800円を月2回までの分を、400円に改めることで他都市の医療費助成に近づけるのではありませんか。費用は3400万円で実現できます。

・就学援助の入学準備金の増額

 尼崎市は他市と比較し従来から対象者が多く、世帯収入の多い少ないに関わらず子どもの学びを保障するため重要なものです。現在準要保護世帯の入学準備金は要保護世帯と比べて中学生で32,600円も低く、制服、カバン、体操服などを揃えるには十分でありません。この時期だからこそ、準要保護世帯への入学準備金の増額は、子育て支援のみならず新型コロナ支援として最優先に必要です。

・高すぎる国保料 介護保険料 

 国民保険料は同じ所得で比べた時、協会けんぽの保険料の2倍であることが、これまでも多くの市民に大きな負担を強いてきました。新型コロナの影響で収入が減った世帯への保険料軽減策はあるものの、その対象となる世帯はごく一部です。特に、国民健康保険の子どもの均等割りが子育て世代にとっては重い負担です。国民健康保険事業基金は今年度36億円あり、子どもの均等割り減免を実施するのに必要な費用は年1.9億円です。また、国保料の引き下げは、事業者支援にもつながります。

 介護保険料は、来年度から第8期介護保険料の改定がされます。

第1段階から第6段階の65歳の被保険者は全体の77%を占めています。これまでも介護保険料は改定のたびに上がり、1年間で年金の約2か月分に及ぶ人もおり、高すぎる保険料が市民の生活を脅かしています。 

・企業版ふるさと納税

尼崎市SDGs地域活性化基金は企業版ふるさと納税を主な原資としています。企業版ふるさと納税は自治体に企業が寄付をすれば、寄付を受けた自治体は収入増になるが、企業が所在する自治体は税額控除によって収入減になります。地方税制の基本をゆがめかねないという点と、今後、企業と自治体との癒着を起こしかねない点について問題があると考えます。

生活保護  

生活保護申請時の扶養照会は申請受理には必要ありません。職員の事務量を増やし、申請者の心理的負担が大きくなる扶養照会はやるべきではありません。

・アウトソーシングについて

 PPP/PFIによる、学校給食センター、一般廃棄物処理施設を特別目的会社に運営管理も一括して委託する方式は、15年、20年もの間、市・議会がチェックすることができず認められません。

 じんかい収集事業の見直しは、市民の命に直結するライフラインを担う機能をさらに民間に委託することを拡大するもので、市民のいのちと暮らしを守る自治体の役割を後退させるものです。

ICT教育について

 代表質疑で答弁された「子どもたち一人ひとりの個別最適な学び」を実現するためには、すべての子どもがタブレットを自らの成長・発達に合わせて無理なく使うことができる支援体制が欠かせません。

ICT教育は期待も大きいものがあります。しかしそこには会話や話し合いがあるのかが問われます。コミュニケーション能力こそ教師と対面授業、友達との関係等日常の語らいの中で養われるものではありませんか。一層少人数での丁寧な教育で、ゆったりと時間が流れる、ホッとする授業が求められます。

タブレットを使用することによる健康被害については、未然防止の観点で対策を講じるよう求めます。

・あまっ子ステップアップ調査事業

あまっ子ステップアップ調査事業は、それだけで学力向上に資するものではないと担当課から聞きました。教員、児童生徒の過度な負担なく一人一人が基礎学力を定着していく環境を保障するためには、常に制度運用の改善が必要です。教員からは「マークシート方式の回答ができるよう練習する時間が必要。特に小学校低学年の児童には回答方法がこれで適当なのか」、また保護者からは「年間の学習内容を、たった一問答えただけで、子どもの弱点、つまづきがわかるのか」と疑問視する声もあり、今後の課題だと考えます。

・あまようの看護師派遣業務

 子どものためになっているかという視点がいちばん重要です。子どもたちが慣れ親しんだ看護師が継続して医療的ケアにあたることが必要です。直接雇用について、総括質疑で教育長は「医療体制の構築は、学校の中だけで体制が整えば済むというものではありません」と述べられました。例えば、県立医療センターと連携するなど、子どもの最善の利益を今後も追及した医療体制の構築を望みます。

・公共施設マネジメント計画

武庫地域の(仮称)ふれあい体育館では、特に共用部分の床面積が大きく減少するため、できない習い事は生涯学習プラザでやれというのはあまりにも乱暴です。また、これまで老人福祉センターの教室の賃料は無料でしたが、今後は賃料を求める検討がされていることは重大です。これまで老人福祉センターで実施されてきた事業を継続することに関しては、賃料を求めないことを要望します。また、福喜園は現在の武庫之荘駅前から交通公園に機能が移転します。公共マネジメント計画によって公共施設の位置を変わることは、市民生活まで変えるという認識を当局はしっかり持つことを改めて求めます。

・デジタル化構想と業務見直しガイドライン

菅政権が推進するデジタル化は、国と自治体のシステムを統一・標準化そしてマイナンバーカードを普及させることになります。マイナンバーカードは来年から健康保険証として利用できるようになり、将来的には強制力が発生します。そうなれば国民の所得や資産、医療、教育などの個人情報が政府に集中します。

総括質疑で総務局は「個人情報保護条例があるので、市民の個人情報保護の環境は整っている」と答弁されています。しかし、2019年度だけでも情報漏洩が217件、数十万人分発生しています。リスク軽視の利便性だけを追求する姿勢は問題です。

業務見直しガイドラインについては、生産性向上に向けた問題点と表現され、無駄な業務、過剰な品質として、時間管理意識の徹底を図ると明記されています。まさに大手企業の生産性向上のための合理化計画を想起させるものとなっています。そのような考え方は、市民の安心安全を図ることが目的の自治体に取り入れること自体、馴染まないと考えます。

・モーターボート

 モーターボート競争事業会計については、住民合意である年間180日を超えての開催は問題です。

・園田西武庫線

 県道園田西武庫線整備事業は、現在藻川にかかる橋梁が完成し、東園田地域の基礎工事が進んでいます。しかし周辺住民は土地の提供については合意がされていません。市は市民と県との調整を行う役割を果たし、市民の合意が得られるまで事業は凍結すべきです。

 

 

2021.3月 川崎としみ議員の総括質疑と答弁要旨

 21年3月 予算委員会 総括質疑 川崎としみ議員

(松澤議員からの続きです)

保育所の待機児童対策について

【短時間保育士の規制緩和について】

府は、2020年12月に新たな待機児童対策として「新子育て安心プラン」(以下 新プラン)を策定しました。新プランは、2021~2024年度までの4年間で14万人分の保育の受け皿整備をめざす、としています。しかし、そのための具体的な手立てが乏しく、特に保育士の確保策として提案された保育士配置に関する規制緩和には大きな問題があります。

 

プランでは、「魅力向上を通じた保育士の確保」として、潜在保育士の再就職促進の観点から、保育士配置に関する規制緩和を提案しました。具体的には、待機児童が存在する自治体については、各組・グループに常勤保育士1名以上の配置が必須とする規制を、2名の短時間勤務(パート)保育士に代えることができる、とする内容です。

育の長時間化がすすむ一方で、職員の配置に関わる最低基準の改善が進まず、保育所の運営には、短時間勤務のパート保育士が欠かせない現実があります。だからといって、今回の担任全てをパート保育士に置き換えてもよしとしてしまう規制緩和は問題です。子どもが一日の大半を過ごす保育所で、保育士が次々と入れ替わるようなこま切れ保育では、パート保育士・常勤保育士ともに負担が増え、保育の質低下は免れません。何よりも、保育の専門性の軽視であり、子どもも保護者も、担任すべてをパート化することは望んでいません。

 

Q.お尋ねします。短時間保育士の規制緩和について市はどのような考えを持っているのか。こうした制度の導入を検討しているのかお答えください。

 

答弁要旨

 国が昨年12月に策定した「新子育て安心プラン」では、短時間勤務の保育士の活躍促進として、待機児童が存在する市町村において各クラスの常勤保育士1名必須との規制をなくし、それに代えて2名の短時間保育士で可とすると示されています。しかしながら、現時点においても、この規制緩和の具体的詳細が不明であり、市として判断できる段階ではないことから、今後、国の動向等を注視してまいります。

以上

 

代表質疑で保育士の処遇改善について「これまでから全国市長会や中核市市長会を通じて国への要望を行ってきておりますが、公定価格における基本分単価や処遇改善等加算については、国において一定の改善が図られている状況にあります。このようなことから、市独自の賃金の引き上げによる処遇改善を行う考えはございませんが、今後につきましても、国に対し、保育士の更なる処遇改善を図るよう、要望してまいります」と答弁されています。

 

Q.保育士の処遇改善が国の施策として一定の改善が図られている状況にあると答えられていますが、実際に保育士の賃金はどの程度引き上げられているのでしょうか。

答弁要旨

 保育士の賃金の引上げにつきましては、具体的な金額については把握できておりませんが、国において、平成25年度以降、職員の平均経験年数等に応じて加算される処遇改善等加算1や、人事院勧告に伴う公定価格の改定により、毎年度、処遇改善が図られており、令和元年度は、改善前の平成24年度と比較して14.1%、賃金改善が図られております。さらに、経験を積んだ職員等に対しては、平成29年度以降、月5千円から4万円の賃金上積みを行う、処遇改善等加算1といった制度も導入されており、ほとんどの法人保育施設等でこれらの加算が認定されている状況にございます。以上

 

国が少し給与を上げたといっても、月額2万円にも満たないのではないでしょうか、全産業の平均賃金と比較して10万円の格差はたいして縮まっていません。また国が保育士の確保を短時間の保育士で確保しようとしている流れでは、処遇改善が進むとは思われません。市独自の改善策にぜひ取り組んでいただきたいと思います。

次に、代表質疑での保育士の配置基準の見直しについて、市長は「国基準を上回る市独自の配置基準を設定することにより、多額の財政支出が発生することや、そのことによる保育士の配置増が必要になり待機児童解消に支障をきたすため、現状においては市独自の保育士配置基準の設定は難しいと判断しております。」と答弁されています。西宮なみに保育士の配置基準を乳幼児で5:1に引き上げれば、保育士100人、4億円が必要だが、尼崎の財政状況ではできないとのことでした。

 

Q.保育士の報酬と労働条件が改善されれば、保育士も増えて待機児童を減らし、ひいてはファミリー世帯の転出に歯止めがかけられるのではないでしょうか。それは市税の増収にもつながり、試算した数字を丸々負担しなくてもよいとの結果をもたらすのではないでしょうか。先に市長の政治的決断ありでも実行できるのではないか、市長の答弁を求めます。

答弁要旨

 待機児童の解消は本市の喫緊の課題であり、ファミリー一世帯の転出に歯止めをかけるひとつの手段であると認識しております。議員ご指摘の保育士の「市独自の賃金引上げ」と「配置基準の見直しを含めた処遇改善」は、長期的な視点に立てば一定保育士増につながり、待機児童の減少、ひいてはファミリー世帯の定住・転入の増加が見込まれるかもしれませんが、本市の厳しい財政状況に加え、市独自の配置基準の設定により、直ちに多数の保育士の配置が必要になり、喫緊の課題である待機児童解消に支障をきたすため、現状において市独自基準の設定は困難と考えております。以上

保育士不足の根本的な原因への対策が不可欠です。しかし、国の対策は冒頭申し上げたように、保育士配置の規制緩和で対処しようとしています。保育士不足を改善するどころか逆に深刻化させ、子どもと保育士に負担を押しつけることになりかねません。保育士不足の根本的な原因は、保育士さんの仕事量や責任の重さに見合った処遇が実現できていないことにあります。配置基準を見直すなどして、賃金を含め処遇を大幅に改善することが、保育士不足を解決する近道です。

 

あまよう特別支援学校の業務委託について

あまよう特別支援学校の送迎等の業務委託が、事業者が来年度から変わるということです。何故委託先が変わるのか何が問題だったのでしょう。生徒や保護者、学校関係者に新たな負担が生まれないような慎重な取り組みで、子どもたちの生活と教育環境を守っていかなければならないと思います。

Q.子どもたちの送迎などの業務について看護師さんの業務委託は、単年度契約で随意契約となっていますが、その理由について教えてください。

答弁要旨

 現在、あまよう特別支援学校には、常時の人工呼吸器の使用など医療的ケアを日常的かつ頻繁に必要とする重度重複障害のある児童生徒が多数在籍しています。看護師においては、学校生活における日常の医療的ケアの対応、校内や登校中のバス内における緊急時の対応などを行っていただいております。

委託先病院への契約においては、児童生徒に対する看護行為に十分な知識と経験のある看護師を有すること、看護師に対し業務遂行に必要な知識及び技術等の研修を実施できること。また、様々な疾患、体調の急変に適切に対応できるよう、複数の診療科を有する総合病院であることなどを条件に、それを満たせる市内外の約30の病院に受託依頼の調査を行いましたが受託可能である病院が一か所しかないため、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号に基づき、随意契約に至っております。以上

 

あまようでは、昨年、コロナ禍の下で学校の休業ということもあり、4月から5月にかけて看護師にたいする働き方の指示とか給料が支払われていない問題がありました。私もそうした渦中にいた看護師から相談を受けました。加えて委託を受けていた病院から次の年からは受託しないと看護師が聞かされたのは年明けだったそうです。

Q.看護師さんの雇用の継続性のための安全弁の一つが、公共調達基本条例第24条だと思いますが、この業務委託はその対象から外されています。その理由は?

答弁要旨

 公共調達基本条例第24条では、業務の適正履行の確保及び労働者の雇用確保を図るため、入札等により受注者が変わった場合においても、受注者等は、従前からの従事者で、引き続きその業務への従事を希望する労働者の雇用に努めることを定めています。随意契約の場合には、原則的に受注者の変更はありませんが、例外的に受注者が変わる場合には、業務内容を勘案し、対象業務とするかどうかを判断しており、あまよう特別支援学校看護業務委託につきましても、受注者の変更が想定される令和3年度の契約は、同第24条の対象としております。以上

 

今年4月からは、子どもたちと直接触れ合う看護師の体制がどうなるかということが問われると思います。民間委託が開始されて20年余りで4回目の委託先の交代ですが、重度の障害をもつ子どもにとって安心できる看護体制の継続は大変重要であると考えます。そこで働く看護師さんなどの継続雇用を保障すべきだと考えます。これまで20年以上も継続して勤務されている方もいらっしゃいますが、今の看護師さん全員が継続して働き続けることができない状況となっていることもお聞きしています。その他にも、業務委託だから偽装請負に抵触するということで、学校も委託先の病院経由で直接指示できない、こうした問題も抱えているのではないでしょうか。コロナ禍で保護者の付き添いが増えて、大変な困難が子どもたちと保護者におよんでいるという問題もお聞きしています。

これらの問題を解決していくためには、公共調達基本条例が適用できるよう法的なしばりが必要とされていると思います。さらに、医師の配置と看護師の直接雇用が取れる体制に一日も早く転換すべきことが必要だと考えます。

 

教育のICT化について

 子どものネットリスク教育研究会代表の大谷良光さんは、スマートフォンなどの長時間使用が脳の発達を妨げていると確認され、近視など深刻な影響も出ていることを紹介。子どもも保護者も教師も「正しく恐れる」必要があるとし、教育で端末を利用する時間が延びる分、授業外での使用時間を減らすことなどを提案されています。

また、いのち環境ネットワーク代表 加藤やすこさんは、

無線周波数電磁波は健康影響が指摘され、欧州評議会は人体に安全な有線LANを推奨していると紹介しています。さらに健康被害とその対策に取り組んでいる自治体についても紹介しています。

 静岡県下田市には、電磁波過敏症の新入生のために、無線LANを有線に切り替えた中学校があります。

 北海道札幌市教育委員会は、LANケーブルを通じて電力を供給するPoE給電機を各教室に設置し、この電源を切れば電波が飛ばないようにしています。 東京都新宿区では、子どもたちに配る端末のスクリーンに、ブルーライト・カットシートを貼ることを決めています。

 なお、ロシア保健省は、学校に有線接続を推奨するほか、パソコン利用と休憩時間を示しています。

 

Q. お尋ねします。教育のICTの活用は使い方次第で大きな効果が発揮されると思います。しかし電磁波や長時間使用で脳の発達を妨げる、近視など健康被害について対策をすべきです。見解を求めます。

答弁要旨

 学校における1人1台端末の運用が始まり、ICTの使用機会が広がることを踏まえ、児童生徒の健康面に対して一定の配慮が必要になってまいります。そのため、利用時において、背中や首が丸まらない正しい姿勢で、目と画面までの距離を30センチ離し、長時間連続して使用しない、などの配慮事項を、学校及び児童生徒・保護者に対して発信し注意を促しております。なお、先般、文部科学省からもlCTの活用に当たっての児童生徒の目の健康などに関する配慮事項」が示され、同様の配慮事項のほか、日常観察や学校健診等を通じた児童生徒の心身の状況の把握等が必要とされたところです。日々の使用にあたり、これらに基づき、児童生徒の心身への影響について日常的に観察していく必要があると考えております。以上

 

前のめりでICT活用で学力向上、教育改革と進むのではなく、万全の対策を施すべきだと思います。

 

自治体のデジタル化について

経済研究者の友寄英隆さんはデジタル化問題について次のように述べられています。

 デジタル化社会が進めば、社会の情報格差が起こり、資本主義社会における所得、資産などの経済的な格差と結びつき、情報格差が経済格差を拡大させ、それがさらに情報格差を拡大・固定化するという悪循環をもたらします。

 菅首相は、施政方針演説で、「デジタル庁の創設は、改革の象徴であり、組織の縦割りを排し、強力な権能と初年度は2,000億円の予算を持った司令塔として、国全体のデジタル化を主導します」と述べ、具体的には、「全国規模のクラウド移行」、「自治体のシステムも統一、標準化を進め、業務の効率化」、「マイナンバーカードの普及」、「健康保険証との一体化」、「運転免許証との一体化」、「公務員の採用枠にデジタル職の創設」、「教育のデジタル化」、などなどを挙げています。

 しかし、行政のデジタル化によって、個人のプロファイル(人物記録・履歴)が処理され、流通する過程は、ブラックボックス化します。予算の計上や執行などの「指揮命令権を持つデジタル庁」によって、個人情報が国家に集中すると、国民の民主的な権利を踏みにじり、自由を抑制する「監視社会」になる危険があります。と指摘されています。(経済研究者の友寄英隆さんの見解をご紹介しました。)

代表質疑で「「尼崎市業務見直しガイドライン」は何を目的にして策定されたのか、またコンサルティング事業者(COO補佐)に、どのような役割を求めているのか」とお尋ねしました。市長の答弁は「ⒶCOO補佐には、アウトソーシング導入済業務に係る評価や行政手続のオンライン化に係る方向性等を決定するCOO最高外部委託責任者である私の意思決定を支援するための資料作成や助言を行っていただきます。」と答弁されました。

 

Q. お尋ねします。COO補佐つまり民間企業に、各種計画の策定過程、実施過程から評価過程まで参加できる道を随所に広げていくことになってしまうと思います。地方自治体の自治行為に、主権者である私たち以上に民間企業等が発言権を持てる仕組みになっているのではないでしょうか?市長の見解を求めます。

答弁要旨

 アウトソーシング導入後の評価や行政手続オンライン化に係る方向性等の意思決定につきましては、あくまでもCOO(最高外部委託責任者)である市長が行うものであり、先進市の事例等の専門的な知見を持つCOO補佐からは助言等の支援をいただくものでございます。今後、そうした取組を進める中で、市民サービスの更なる向上につなげてまいりたいと考えております。以上

 

また代表質疑では、「国のデジタル化構想は、個人情報の情報漏洩の問題が置き去りにされている、社会保障切り捨てのための情報収集になる、監視社会を強めるものになるなどと危惧されている」と指摘しました。市長の答弁は「Ⓑ国のデジタル化構想は、生活者の利便性の向上や行政運営の効率化を目指すものであり、ご指摘のような社会保障の切り捨てや監視社会を強めることを目的としておらず、個人情報等の漏えいがないよう万全のセキュリティ対策を講じることで、さらにその効果を高めるものであると認識しております。ただし、リスクを完全にゼロにすることは難しいことから、許容できるリスクについての丁寧な合意形成プロセスや、そのリスクを上回る利便性、政策的合理性の確保が合わせて求められるものと認識しております。本市におきましては、このような認識のもと、行政手続等デジタル化推進計画に基づき、市民サービスの向上に努めてまいります。」ということでした。

 

これでは少々のリスクはあってもやむを得ないとの考え方ではないですか、リスクは限りなくゼロにする方向で努力すべきではないでしょうか。

2019年度の個人情報保護委員会での事故報告で1年間でマイナンバー関係だけで情報漏洩が217件、数十万人分あった。国の官庁、地方自治体、請負会社からの流出、受託した民間会社が個人情報を粗雑に扱って漏洩するケースが1番多い。個人情報の最も厳しいルールを持つEUの基準を日本の主要企業でクリアーしているのは全体の55%しかないとのことです。

国が推奨するからとデジタル化を急ぐのではなく、様々なリスクを検討して、例えばEUなどが市民のプライバシー権の擁護をどうとらえているのか、デジタル化を強行するのではなくいったん立ち止まって検証すべきだと考えます。さらに、過去の犯罪履歴に関する情報記事が検索結果に反映されないようにするためのものとして「忘れられる権利」や、自己情報コントロール権の補償という問題があります。

 

Q,そこでお尋ねします。近年、新たに擁護すべき権利として認められている「忘れられる権利」や情報の自己コントロール権保障の仕組みこそ必要とされていると思います。これらを保障していく体制、環境こそ整えるべきだと考えます。必要があれば条例制定も検討すべきではないでしょうか?

答弁要旨

 議員ご指摘の「忘れられる権利」につきましては.最高裁において明示的に認めたことはなく、少なくとも現時点においては%国内法上、固有の権利として確立しているとは言えないものと認識しております。また、「情報の自己コントロール権」を保障する体制等につきましては、現在、尼崎市個人情報保護条例において、本市が保有する個人情報について、自己情報の開示はもとより、訂正、利用停止等を行う権利が保障されておりますので、市民の権利利益を保護する環境等は既に整っているものと認識しております。以上

 

住民合意を基本にしたFM計画について

 市は代表質疑で、「公共施設マネジメントの取組について、各計画では、耐震性といった施設の安全面における課題など、各施設の置かれている状況をお示しし、今後の取組内容や着手時期を明らかにしたうえで、着実に取組を進めていくこととしています。こうした取組を進めるにあたっては、アンケート調査やタウンミーティング、説明会など、施設の特性に応じた様々な手法により、市民の皆様から丁寧に意見をお伺いしながら進めていく」と答弁されています。

 

Q.お尋ねします。建物に対する直接的な市民の意見はどこで聞き、それを市はどのように実際の建設計画に反映しているのですか?

答弁要旨

 公共施設マネジメントの取組を進めていくにあたり.市民の皆様に丁寧な説明に努め、その必要性や効果について十分な理解を得ていくことは、本取組を円滑に進めていくうえで、欠かせないものであると考えています。そうした考え方に基づき、これまで新たな計画を策定した際には市民説明会を開催し、個別の施設については従来の説明会ではなく、施設の特性に応じて、参加者からより多くのご意見をお伺いすることのできるタウンミーティングを、熟度の低い検討段階から開催するなど様々な工夫を重ねてまいりました。こうした取組により、例えば、(仮称)武庫健康ふれあい体育館の整備では、タウンミーティングでいただいた周辺住民の皆様からのご意見を取組に反映し、当初案から建設場所を変更するなど、実際の建設計画に反映したところでございます。今後もこうした取組を継続し、可能な限り意見の反映を行い、頂いた意見について対応が困難なものについては、その理由を明らかにし、市民の皆様がよりご理解を深めていただけるよう努めてまいります。以上

 

建設後も実際に施設を利用する中で様々な要望が出されていると思います。

Wi-Fiが短時間しかつながらず、使い勝手が悪い、使用料の問題等もあり、今後も市民ニーズにこたえて改善を図ってほしいと思います。

今、中央北生涯学習プラザにのみ「梅プラザ」と愛称がつけられています。市民に親しまれる公共施設として他にもニックネームを募集してはいかがでしょうか。

 

市営住宅について

 市営住宅の15%の削減計画に基づいて、市営住宅が減らされています。市の家賃収入は毎年100から200件分減少していると予算分科会でお聞きしました。市民には市営住宅に応募してもなかなか当選しない、交通の便が悪い、バリアフリー、エレベータ付きの住宅をとの様々な要望があります。また今市営住宅に入居している世帯でも病気や高齢化で階段を使って下に降りられない、1階への住み替え希望がたくさんあります。

高齢者の単身者にとって賃貸住宅を新たに借りることが大変困難になってきています。家賃の高さもさることながら、保証人問題などなど、簡単に民間の住宅と契約ができない状況があり、公営住宅の必要性を切に訴えられています。

Q.市民のニーズに答えて、高齢者、障がい者、若者やファミリー世帯向け、2世帯住宅等、バリアフリーの多機能型の、市営住宅を充実させる住宅建設を検討すべきではないでしょうか?

答弁要旨

 市営住宅の建替えにおきましては、入居者の年齢バランスに一定配慮する必要があることから、現入居者向けの住戸タイプだけではなく、ファミリー世帯向けの住戸タイプも整備することとしております。また、建替えに合わせて、エレベーターの設置や、住戸内のバリアフリー化を図ることとしております。こうした建替えを進めることにより、高齢者や障がい者、また、若年世帯や子育てファミリー世帯にも住みやすい市営住宅になるものと考えております。以上

住民自身が行ったアンケート結果に基づき、その内容を尊重し現在地での建て替え計画に変更すべきだと要望します。

 

防災対策、避難所について

 防災対策、避難所についてジェンダー平等の視点からお聞きします。

政府は、2020年5月、「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災、復興ガイドライン」を発表。「女性は防災・復興の『主体的担い手』」「男女の人権を尊重し安全・安心を確保」など七つの基本方針を明記しました。また、「避難所の生活環境の改善」「避難所や仮設住宅などでの性暴力の防止や相談対応」など35の課題を掲げ、チェックシートで点検できるようになっています。
しかし、現状はまだまだ不十分です。2016年4月の熊本地震の際の調査(内閣府男女共同参画局)では、その一端が示されています。

(配布資料をご覧ください)

 被災1カ月後までに、指定避難所のある24市町村で、「間仕切りによるプライバシー確立」がなされたのは13自治体にすぎません。「女性用更衣室」11自治体、「女性専用の物干し場」1自治体、「女性に対する暴力を防ぐ措置」4自治体などです(別表)。

 避難所での女性たちの生活がいかに困難であったかを示しています。そして、社会のおくれた現状が避難所生活に反映されたものといえます。

 緊急事態宣言のもと、自宅生活のなかで、「妻だけが、仕事も家事も、子育てもの生活だった」「DV被害が増大している」などの実態も明らかになりました。

 災害時には避難所や仮設住宅などで、女性や子どもに対する暴力の発生・増加をいかに防ぐかという視点が必須です。

こうした改善を進めるには、避難所の運営に女性の意見を反映させる仕組みが欠かせません。

 熊本県益城(ましき)町の避難所では、女性の代表を中心に、食事配り、トイレ掃除も男女が行う、女性や子どもの専用スペースの確保、働く女性の子どもを預かる互助サポート体制などが作られました。

 防災や災害対応にジェンダー平等の視点で臨むのは、世界的な流れです。第23回国連特別総会(2000年)では、防災・減災・復興の戦略や人道支援にジェンダー平等の視点を導入することを勧告。第2回国連世界防災会議(05年)では、「あらゆる災害リスク管理の政策・決定過程にジェンダーの視点を」と議論されました。

 こうした立場にたった本気の取り組みが求められています。

2018年、3年前、静岡県三島市の避難所を視察しました。そこでは震度6の地震が発生した時点で、あらかじめそれぞれの避難所に配置されている4名の市の職員が駆けつけ、避難所を開設することになっていました。4名の中には必ず女性の職員が1名付けられており、女性のみなさんが少しでも安心して避難所での生活ができるような配慮がされていました。

 

Q.おたずねします。尼崎の避難所では、ジェンダー平等の観点からどのような工夫がされているのでしょうか?また今後の課題についてどのように考えているのでしょうか?

答弁要旨

 議員ご紹介のとおり、本市でも、避難所運営において女性の視点を取り入れることは大変重要であると認識しております。このことから、本市の地域防災計画には、避難所の運営管理について、『多様な視点を反映させるため、女性の参画に努める。」と明記しており、避難所運営組織を結成する際には構成員の男女バランスに配慮することとしております。また、被災地で支援業務に従事した本市職員の経験も踏まえ、避難所内に授乳室を設けることや、更衣室、トイレ、物干し場は男女別に設けること、避難者の居住区画を区割りする際に配慮する点や、避難所に掲示される生活支援情報などの内容を確認するとともに、防災訓練で実践的に取り組んでまいりました。

こうした積極的な取り組みに加えて、今後ますます性の多様性への理解促進に努める必要があると認識しており、庁内関係部局とも連携し、誰もが安心して避難生活を送ることができる避難所の環境整備に取り組んでまいります。以上

 

避難所の運営マニュアルは毎年改定されているとのことですが、学校任せ教育委員会任せになってはいないでしょうか。危機管理が責任をもって対応すべきと考えます。

 

 

(資料)


 被災1カ月後までに、指定避難所のある24市町村で、「間仕切りによるプライバシー確立」がなされたのは13自治体にすぎません。「女性用更衣室」11自治体、「女性専用の物干し場」1自治体、「女性に対する暴力を防ぐ措置」4自治体などです(別表)。
2016年4月の熊本地震の際の調査(内閣府男女共同参画局)にその一端が示されています。

 

避難所での女性たちの生活がいかに困難であったかを示しています。そして、社会のおくれた現状が避難所生活に反映されたものといえます。

 緊急事態宣言のもと、自宅生活のなかで、「妻だけが、仕事も家事も、子育てもの生活だった」「DV被害が増大している」などの実態も明らかになりました。

 災害時には避難所や仮設住宅などで、女性や子どもに対する暴力の発生・増加をいかに防ぐかという視点が必須です。

 安心・安全な避難所づくりと運営への改善が強く求められています。

女性の意見

部屋札用の絵文字の一例(内閣府「災害対応力を強化する女性の視点」から)

 こうした改善を進めるには、避難所の運営に女性の意見を反映させる仕組みが欠かせません。

 熊本県益城町の避難所では、女性の代表を中心に、食事配り、トイレ掃除も男女が行う、女性や子どもの専用スペースの確保、働く女性の子どもを預かる互助サポート体制などが作られました。

 防災や災害対応にジェンダー平等の視点で臨むのは、世界的な流れです。第23回国連特別総会(2000年)では、防災・減災・復興の戦略や人道支援にジェンダー平等の視点を導入することを勧告。第2回国連世界防災会議(05年)では、「あらゆる災害リスク管理の政策・決定過程にジェンダーの視点を」と議論されました。

 こうした立場にたった本気の取り組みが求められています。(おわり)

別項
「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災、復興ガイドライン」(PDFファイル)

 

2021.3月 松澤ちづる議員の総括質疑と答弁要旨

2021年3月16.17日に行われた予算特別委員会総括質疑で

松澤、川崎両議員が登壇しました。

以下、発言と答弁要旨です。

 

===================================

こんにちは、日本共産党議員団を代表して、川﨑敏美議員と私松沢ちづるが総括質疑を行います。よろしくお願いします。                      

保健所体制の強化について

  私は昨年6月議会で、新型コロナウイルス感染症第1波の時の感染症対策についてお聞きしました。当局から「感染症対策によって、保健師の役割は、健康相談業務だけでなく、疫学調査業務や検体採取補助業務など多岐にわたる」今回乳幼児健診がコロナのために中止になったことで「事業が中止になった保健師に応援を求めることで対応」したとのことでした。「今後は第2波に備え、発生段階に応じた業務継続計画を定めることで、感染症対策に必要な保健師の確保に努める」と答弁されています。

Q 第1波~3波の現在まで、感染症対策 に必要な保健師の確保はできたのでしょうか。応援は保健所内、他部署、OB保健師それぞれ何人で行われてきたのでしょうか。

 答弁要旨

 感染症の対応にあたる保健師の応援状況につきましては、第1波では保健所内から2人、OBから2人、計4人の応援体制であり、第2波では保健所内4人、OB2人、計6人の応援体制でございました。また、第3波では、当初、保健所内6人、OB2人、計8人の応援体制を組んでおりましたが、年末年始にかけて感染者が急増したことから、保健所内4人、OB1人を追加し、ピーク時には計13人の保健師による応援体制を取ったところです。以上

 

  第2波以降業務継続計画に基づいた保健師配置がされました。2月議会の補正15号で昨年4月から1月までの新型コロナウイルス感染症対応に係る超過勤務時間の資料をいただきました。それによれば、9月~11月超勤時間が全体で月3000時間ほどに減ったものの、12月・1月は再び6000時間ほどに増えています。

 

Q このことからも、実際、第3波の対応は業務継続計画に基づいた体制をとっても大変なものだったのではないですか。

答弁要旨

 第3波においては、当初、1日20人から30人程度の感染者が発生するとの想定のもと、必要な保健師を確保し、感染症対策を進めておりましたが、年末に感染者が1日60人を超えるなど、想定を大きく上回る感染状況が続き、職員一人ひとりの負担が急激に増大したことは事実でございます。こうしたことから、保健部門においては、応援各課の業務体制の見直しをさらに進め、保健師の追加応援を求めるとともに、日々の健康観察等、保健師以外の職員で対応可能な業務については、全庁を挙げた応援体制を整え、第3波における緊急的な事態に対処してきたところです。以上

 

 総務省が12月19日日本共産党の本村伸子衆院議員の質問に応え、新年度の交付税精算内容で、感染症対策にかかる保健師を増やすことを明らかにしました。兵庫県は新年度7人ほど保健師を増員する予定だと聞いています。

Q 尼崎市は新年度予算では保健師の増員が全くありません。再び第4波が来ても、これまでのように応援態勢で乗り切るつもりでいるのですか。

答弁要旨

 新型コロナウイルス感染症に係る体制につきましては、国の方針や感染状況等により業務量が変わることもあり、それらに応じて必要な保健師等を配置するとともに、コロナ禍でも継続すべき業務を調整する中で、臨機応変に体制を整えてまいりたいと考えております。なお、体制整備にあたり、保健師以外でも対応可能な業務につきましては、適宜全庁的な応援体制も組みつつ、保健師以外の正規職員に加え、会計年度任用職員も活用して対応するなど、業務の整理や効率化も図りながら、今後起こりうる危機的な状況に対処していきたいと考えています。以上

 

 コロナ禍の下、公衆衛生の観点が軽視されてきたことが明らかとなりました。

保健師を増員して保健所体制を強化することを求めます。

 

生活保護の扶養照会について

我が会派の代表質疑で、生活保護申請時の扶養照会をやめるよう求めました。

この点について、さらに質問します。

 

Q 扶養照会し、それによって実際に扶養援助されたのはわずか0.4%という実態があります。代質答弁では「申請者から丁寧に聞き取る中で、金銭的援助や日常生活上の支援が期待できると判断される場合に実施」しているとのことですが、尼崎市ではもっと扶養援助の率が高いのでしょうか。

答弁要旨

 扶養義務者への扶養照会については.扶養義務者の状況やその関係性などについて、申請者から丁寧に聞き取る申で、金銭的援助や日常生活上の支援が期待できると判断される場合に実施しております。令和元年度の扶養調査の実績としては、生活保護開始世帯1β77世帯における扶養義務者3,465人のうち、直接照会を行うことが適当でない又は扶養義務の履行が期待できないものと判断した1,295人を除き、2,170人に対して書面等による調査を行いました。なお、扶養調査を行った結果、援助を受けることとなった件数については、集計を行っていないため、率については把握しておりません。以上

 

Q 丁寧に聞き取ることで、金銭的援助や日常生活上の援助が期待できると判断できるのはどんな場合ですか。

答弁要旨

 生活保護の実施要領では、扶養義務履行が期待できないものの判断基準として、三つの類型が例示されています。『①当該扶養義務者が被保護者、社会福施設入所者、長期入院患者、主たる生計維持者ではない非稼働者、未成年者、概ね70歳以上の高齢者などの場合」、「②当該扶養義務者に借金を重ねている、相続をめぐり対立している、縁が切られているなどの著しい関係不良等の特別な事情があり明らかに扶養ができない場合」、『③DVから逃げてきた母子、虐待等の経緯があるなど扶養を求めることにより明らかに要保護者の自立を阻害することになると認められる場合」、です。これらの例示と同等のものと判断できる場合は、扶養義務履行が期待できない者として取り扱い、それ以外の場合は、扶養義務履行が期待できるものとして取り扱っています。以上

 

 私たちはしばしば市民の求めに応じて、生活保護申請時に保健福祉センターへ同行しています。その中で、扶養照会の説明を面接相談員がはじめると、「身内に知られたくない」とパニック状態になる申請者の姿を見てきました。

 照会をかける作業に入り、書類が整うまで一定の時間がかかる。ましてや書類がそろうのは申請受理後で構わないということならば、そもそも扶養照会そのものが必要ではないということでしょう。職員の事務量を増やし、申請希望者の心理的負担を考えれば、扶養照会はやめるべきです。ぜひ、早期に検討していただきたいです。

公立幼稚園の問題について

文教特別分科会での審議で、幼稚園教育振興プログラムが策定された後、様々な形で課題が生じてきていると当局は説明しています。

1つは2012年振興プログラム策定後、15年子ども子育て新制度が制定。保育料の統一が行われました。20年10月3歳児以上の保育の無償化が実施されました。保育所待機児増の一方で、市立幼稚園は定員割れが続いています。

2つ目に、当局にはこうした状況の下、市立幼稚園がどのように関与すべきか、将来の市立幼稚園のあり方を再度検証すべき時期だと言う認識があるということでした。

Q市立幼稚園の再配置が検討項目の一つに上がっていますが、その内容として現在9園ある市立幼稚園の統廃合や、公立保育所との統合による認定こども園化も俎上にあげる可能性があるとの当局発言がありました。これは大きな子育て政策の変更です。詳しく説明をしてください。

答弁要旨

  ご指摘のとおり、子ども・子育て支援新制度の実施や幼児教育・保育の無償化による保育料の影響のほか、共働き世帯の増加や、私立幼稚園や認定こども園の多様な保育サービスの展開などが相まって、2年保育である市立幼稚園の需要は益々減少し、公立幼稚園は近年、各園で園児数が定員を大きく下回っており、令和3年度の入園希望状況は定員の3割に満たない状況となっております。そのため、令和3年度に開催する「(仮称)市立幼稚園あり方検討会」では、本市就学前教育全体の充実について、幅広い観点から検討し、ご意見をいただきたいと考えております。

 具体的には、昨日もこ答弁申し上げましたが、「尼崎市立幼稚園教育振興プログラム」に掲げる6つの柱の達成状況について現状を踏まえた評価・検証を行った上で.市立幼稚園が担うべき機能や役割について協議し、継続すべき取組や見直し、あるいは拡充が必要なものについての整理を行いたいと考えております。また、保育需要の増大を受けて、本市待機児童解消に向け、認定こども園化も視野に入れての保育資源に資することや.今後の少子化を見据えた適正規模・適正配置のあり方についても検討する必要があると考えているところでございます。以上

Q 分科会の審議では、この問題について保護者ニーズについては特に質疑されていません。市立幼稚園の在り方に関する保護者ニーズを当局はどのように捉えているのですか。 

答弁要旨

  市立幼稚園を選択する保護者ニーズといたしましては、毎年調査しているアンケート結果より、家から通園しやすい、等の理由もありますが、未就園児を対象とした体験保育事業等を通じ、遊びを通した学びを推進し、後伸びする力を育むための就学前教育、特別支援教育や小学校との連携が充実しているなど、6つの柱を中心とした「尼崎市立幼稚園教育振興プログラム」に掲げる市立幼稚園の教育内容についてご理解いただいた結果、4、5歳の段階において市立幼稚園を子どもの入園する施設として選択していただいております。以上

 

尼崎の就学前教育の良いところは、幼稚園も保育所も多くても100人までの小規模でケアで行われていることです。義務教育でも少人数が求められている昨今です。より低年齢の子どもたちの発達保障にかかわる就学前教育は、今後も今まで同様の小規模での実施が望まれます。 

Q 今後も今の幼稚園や保育所の規模で進めるつもりでしょうか。

答弁要旨

 「(仮称)市立幼稚園のあり方検討会」において.公立幼稚園が将来にわたって担うべき機能や適正規模、余裕施設の保育への活用等について検討される予定であり.その中で公立保育所も検討内容に関わりが出てくることから、お尋ねの件を含め検討会での議論や検討内容を踏まえる必要があると考えております。以上

教育次長答弁要旨

市立幼稚園の学級規模につきましては、国が規定する幼稚園設置基準に基づき、一学級の定員を定めており、私立と大きく異なるものではございません。また、施設の規模につきましても、2年保育の市立幼稚園としては決して小規模なものとは言えないと考えております。何れにしましても、今後において、少子化の動向なども勘案する中、本市の就学前教育が担うべき機能や望ましい運営形態を踏まえて、適切な規模を設定していくべきと認識しており、「(仮称)市立幼稚園あり方検討会」において幅広い観点から議論の上.いただいた意見を基に検討してまいりたいと考えております。以上

 

 日本共産党議員団は、市立幼稚園の今後の在り方について3点要望します。

1つは、3歳以上の保育の無償化によって就学前教育へのニーズは高まっています。市立幼稚園も9園全てで3歳からの保育を始めるよう求めます。

2つ目は、小規模で幼稚園や保育所を運営していくことです。

3つ目は、公立保育所との統合による認定こども園化は反対です。2つ目で指摘しましたが、他市の認定こども園化を見ると、定員200人300人などといった規模の拡大が進められており、これでは保育の質が低下します。また、子どもの生活全般を引き受ける保育所と、教育の場である幼稚園ではカリキュラムの違いがあり、しわ寄せは子どもたちの育ちに影響します。統合には無理があるので、保育所との統合による認定こども園化は進めないよう求めます。   

 

就学援助制度について

 どの子どもにも経済的理由に関係なく等しく教育の保障が行われるための重要な支援制度です。本市もコロナ禍の下、生活困窮が広がることを予測して、また今年度は申請時期が休業時期と重なることから、期間延長して対応するなど努力してこられました。

 しかし、新入学学用品費いわゆる入学準備金は、小学校で要保護児童64,300円に対し準要保護児童は40,600円その差は23,700円。中学校では要保護生徒81,000円に対し準要保護生徒は47,400円その差32,600円です。新入学の時期は何かと入用が多く、特に中学校では制服やカバン、体操服など揃える物が多くて、金額の要保護並みの引き上げは待たれているところです。

Q子育て支援策として重要な施策。要保護並みの引き上げを求めますがどうですか。

答弁要旨

 就学援助制度の新入学学用晶費については、新たな学校生活を迎えるにあたって大切な支援と考えており、これまでも入学前支給の実施や、単価の増額などによりその充実に取り組んできたところです。単価の増額については、令和2年度入学の児童生徒を対象に、小学校については、20,130円、中学校については、23,850円をそれぞれ増額したところです。しかしながら、さらに、要保護児童生徒並みに単価を引き上げることについては、恒久的な多額の財源負担が必要なことから、本市の財政状況から現段階では極めて困難であると考えております。

そのような中ではありますが、保護者の負担軽減については、引き続き取り組みが必要であると考えており.今年度、各学校において、家庭から徴収を行っている副教材費等の実態について調査を行ったところです。その調査では、各学校によって負担額や購入方法等に差が見られたことから.こういった情報を各学校とも共有し、他校の状況を参考にしたり、意見交換を行う中で、工夫の余地を生み出し、保護者の負担軽減につなげてまいりたいと考えております。以上

 

2019年12月議会でわが会派の広瀬議員が、準要保護者への国庫補助は一般財源化するけれど、地方交付税算定時の基準財政需要額に算定されことになっており、市町村における事業が縮小されることはないという国の見解を紹介し、引き上げを求めました。当局答弁は、国の単価引き上げに呼応して「準要保護児童生徒に対する就学援助を即時に対応することは、恒久的に新たな財政負担につながり、本市の財政状況から現段階では困難である」というものでした。

 

Qそれほど大きな財政負担でしょうか。新年度で言えば来年3月入学準備金の対象児童生徒数は小学校476人、中学校602人、総額で約3100万円の増額により実現可能です。毎年の予算にしっかりと位置付け、子どもの貧困の格差是正を積極的に図るべきと考えますがいかがでしょうか。

答弁要旨

 議員ご指摘のとおり、要保護児童生徒並みに単価を引き上げるためには、新たに年間約3,100万円の予算の増額が必要となります。この経費については、全て一般財源であり、その財源を捻出することは、現段階では極めて困難であると考えております。以上

 

 新年度予算では健全な財政運営のために市債の早期償還23億円を行うとしていますが、例えばそれを1億円減額して必要な子どもの施策にまわすことがなぜできないのでしょうか。借金返しのピークはすでに過ぎています。市長の判断一つでできるはずです。強く求めておきます。

 

PPP/PFIについて(尼崎市業務見直しガイドラインから)

 わが会派の代表質疑に対し、「リスク管理がまだ十分でないと認識している」「そのため、アウトソーシングにかかるPDCAを効果的に行い、アウトソーシング導入時だけでなく、導入後のモニタリングや評価等についても全庁統一的な視点を持って取組みを行うための一環として、業務見直しガイドラインを策定した」と答弁されました。ガイドラインでは「新型感染症や自然災害等、不可抗力によるリスクの発生にかかる対応方針」を精査すべき検討課題の1つとしてあげています。

来年1月スタートする学校給食センターは、今後15年間あまがさきスクールランチという特別目的会社に運営管理も一括して委託する方式です。学校給食センターは、ガイドラインで示しているCOO補佐の助言指導を受けながら先取りで進めてきた事業といえます。ここでの新型感染症や自然災害等、リスクの発生にかかる対応方針についての考え方をお聞きします。

Q学校給食センターの場合に想定されるリスクは何でしょうか。

答弁要旨

 学校給食センターで想定されるリスクにつきましては、学校給食センターで働く従業員の多くが新型コロナウイルス等に感染した場合や、大規模な自然災害が起こった場合、異物混入などの原因が確認されるまで、施設の稼働が停止となり、学校給食が提供できなくなることが考えられます。以上

 業務見直しガイドラインでは、内閣府の「PFI事業におけるリスク分担等に関するガイドライン」で、想定されるリスクをできるだけ明確化したうえで仕様書や協定書で取り決めることが推奨されていると紹介しています。しかし事業者を公募するときに想定できる限りの分担をしても、想定外の状況は当然生まれてきます。給食センターは15年、一般廃棄物処理施設は20年ほどの長期運営委託では、特に災害時の対応で様々にこんなはずではなかったことが生じると思われます。だからこそ国も、わざわざガイドラインでちゃんとしなさいと言い訳がましく書いているのだと思います。

日本共産党議員団は2018年6月議会で学校給食センターの整備運営事業の議案に対し質疑をしました。副市長が答弁に立ち、「特別目的会社は地方自治法の財政状況の公表などの規定に該当しないので、議会への報告義務はない。任意に議会に報告する場合は事業者との合意が必要だが、現在のところ困難だ」と言われました。それならば、事業者の同意を取り議会への報告を行うように改善を求めます。それができないのなら、長期間の運営管理まで民間に任せるDBO方式は止めるよう求めます。

 

(川崎議員に続きます)