2024年9月議会 山本直弘議員の一般質問と当局答弁要旨

 

日本共産党議員団の山本直弘です。

今日は「介護保険訪問介護事業所の状況」「生活保護行政」について質問いたしますので、よろしくお願いします。

 

今年度の介護報酬改定によって、訪問介護の基本報酬が2~3%引き下げられました。訪問介護事業者が他の介護サービスより高い利益を上げているとの厚生労働省が行なった調査を根拠にしていますが、実態は「約4割の訪問介護事業者が赤字」の状態であることが明らかになっています。

基本報酬が引き下げられれば赤字事業者が増加、廃止・倒産に拍車がかかり、訪問介護サービスの基盤が壊滅的に損なわれる懸念が、全国の事業所から出されたにも関わらず、政府は強行しました。

この比率からすると、2022年4月時点で約3万4400カ所ある全国の訪問介護事業所のうち、赤字事業所は1万2600カ所以上にも上り、尼崎市では304カ所ある事業所の約120カ所になります。

訪問介護事業は、在宅サービスの基本のサービスです。地域の小規模訪問介護事業所がなくなれば、行き場のない「介護難民」や、家族の「介護離職」が広がります。介護保険制度の理念である「介護の社会化」に逆行します。

 

おたずねします。

 

 Q1  訪問介護の基本報酬引き下げ以降、市内の訪問介護事業者の声を聞いていますか。

 

答弁要旨

 令和6年度の介護報酬改定では、議員ご案内のとおり、介護事業経営実態調査において、他の介護サービスより高い利益を上げているとのことから、訪問介護の基本法主7卯を2%から3%引き下げたとの見解が厚生労働省から示されました。

 この見直しに対しましては、全国ホームヘルパー協議会と日本ホームヘルパー教会が厚生労働大臣に「令和6年度報酬改定における改訂事項について」という文章を提出し、訪問介護の現場従事者を代表して強く抗議されていることは承知しております。

 本市では、現在のところ、訪問介護事業所の皆様から、報酬改定に関するご意見等をお聞きしていませんが、引き続き、指定事業所の開始や廃止の推移等を把握する中で、これらの状況を注視していきたいと考えております。以上

 

次に生活保護行政に関わり、質問いたします。

 

本来保護制度を利用できる人が、実際に利用できている割合を示す、いわゆる捕捉率ですが、これが日本においてどれだけか。2016年国民生活基礎調査による推計で、最低生活費以下の世帯703万世帯中、生活保護世帯は159万世帯、22.6%となっています。ドイツの100%、アメリカの76.7%などと比較して著しく低い捕捉率になっています。

全国的に、世帯数でいえば、コロナ禍前の2019年と比較して1万5千世帯増加していますが、 最高時からは人数で15万人減少している状況です。

尼崎市においても、保護利用者の数が物価高騰にもかかわらず、微減となっています。

日本の捕捉率が低い原因として、花園大学社会福祉学部の吉永純教授は、①生活保護をできるだけ使わせないようにする国の根強い抑制政策②資産保有の厳しい制限③生活保護基準の引き下げ、の3点を挙げています。

 

おたずねします。

 

Q2 生活保護利用者が増えない、微減とはいえ減少していることについて、どのようにとらえていますか。尼崎市において特別な背景があるのでしょうか。

以上で第1問を終わります。   

 

答弁要旨

 本市における生活保護の開始件数自体は、コロナ禍の令和2年度以降も増加し続けておりますが、受給者に占める後期高齢者の割合が増加し、死亡等による保護の廃止件数が年々増加していることから、生活保護利用者数(いわゆる受給者数)全体としましては、減少しているものですので、特に本市だけが特別な背景があるものとは考えておりません。以上

 

 

第1登壇終了

 

第2登壇

 

 4月の訪問介護の基本報酬が引き下げられて、2024年の上半期の「訪問介護事業所」の全国の倒産件数が40件と過去最高となっています。売り上げ不振が34件、従業員数別では10人未満が26件と小規模事業者の売り上げ不振が大半を占めている状況です。今回の改定で処遇改善加算は引き上げられましたが、職員の処遇にすべてが当てられ、本来の報酬引き上げによる事業収益増ははかられず、より一層厳しい経営状況になっていると「介護労働センター事業所調査」で指摘されています。

 

 

 Q3 市内の訪問介護事業所に、基本報酬が引き下げられた4月以降、経営にどのような影響が及ぼされたのか、アンケート調査などをして市が把握するべきだと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 先ほど答弁申し上げたとおり、厚生労働省の見解として、介護事業経営実態調査の結果に基づき、基本報酬を引き下げたことや、現在のところ、訪問介護事業所の皆様から報酬改定に関するご意見等をお受けしていないことから、現時点でアンケート調査の実施は考えていませんが、引き続き、今後の訪問介護事業所の状況を注視していきたいと考えております。 以上

 

私は市内の中規模の訪問介護事業所で働く職員の方に、4月以降の状況をお聞きいたしました。

収益に関して前年比72%と、同じサービスを提供しても収益額は減少している。また、訪問介護の有効求人倍率は15.5倍であり、人手不足はさらに深刻な状況に陥っているという事です。

 物価高騰の影響も大きく、第一四半期の水光熱費は前年比較で約200万円も増加している。昨年度は2回の物価高騰支援補助金の申請ができたが、それだけでは全く補てんできない状況であった。今年度もぜひ物価高騰支援補助金について検討してほしい。と訴えられていました。

おたずねします。

 

 Q4. これら事業者に、今年度も物価高騰支援補助金を拠出するお考えはありませんか

 

答弁要旨

 令和4年度と令和5年度の「福祉施設等物価高騰対策支援事業」につきましては、国の地方創生臨時交付金の財源を活用し、実施したものでございます。

 令和6年度につきましては、市全体の地方創生臨時交付金の財源の活用方法や国・県の動向を注視する中で、対応について、検討していきたいと考えております。

 なお、国に対しましては、物価の高騰から介護事業所が厳しい経営環境に置かれていることを踏まえ、全国市長会より、「物価高騰対策」として、介護事業所の施設の整備・安定的な事業運営のため、国による財政措置や支援施策等の支援を講じることを提言しております。以上

 

「生活保護の申請は、国民の権利」であるということを、広く市民に知らせることは、格差社会がすすむ現下の状況においてますます重要になっていると思います。

コロナ禍を経て、かつてない円安と物価高騰が市民のくらしを脅かしている中、生活保護利用者が減っているのには、制度の周知、アナウンスが不十分なのではないでしょうか。

 

 資料①をご覧ください。(別紙)

 

京都府京丹後市では、尼崎市のスローガン同様、「誰ひとり置き去りにしないまちづくり」を目指し、生活保護の案内ビラを自治会組織を通じてこの間、2回にわたり全戸に配布して、市民に制度周知を進めています。

おたずねします。         

 

Q5 地域のコミュニティ掲示板に「生活保護は権利であるという」ポスターを掲示し、市関連施設にチラシを置くことを求めますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 生活にお困りの方に対しましては、南北保健福祉センターのしごとくらしサポートセンターで生活全般の相談を受けており、それぞれの状況を丁寧にお聞きし、相談者が希望される場合や、その意思表示が明確になされなくても、職員が必要と判断する場合は生活保護の窓口におつなぎし、必要な支援を行っています。また、生涯学習プラザや国保、税の窓口などでお困りの方についても、必要に応じて保健福祉センターへつなぐよう関係部署間で連携を図り、市民からの相談に対して幅広く受け止める相談体制を整えております。

 また、生活保護の新生児における相談では、様々な聞き取りを行う中で生活保護制度上の権利のみならず義務についても漏れなくお伝えしており、ポスターやチラシだけでは必ずしも生活保護制度を詳細にお伝えすることは困難と考えております。

したがいまして、本市におきましては、こうしたポスターの掲示や市の関連施設にチラシを置くのではなく、支援が必要な方に対しては、個別の事情を踏まえた相談・支援を実施し、生活保護を必要とされる方が申請に抵抗感を抱かれるようなことがないよう、丁寧に制度の説明を行い、寄り添った対応を心がけてまいります。以上

 

 

ポスターやチラシで大まかな制度を知らせるとともに、実際に相談窓口で具体的な制度を市民にわかりやすく説明する上で役割を果たすのが、「生活保護のしおり」です。

行政が生活困窮者に生活保護制度の内容を説明し、市民と生活保護を結びつける架け橋、ファーストコンタクトであり、生活保護を行政がどう位置付けているのかのリトマス試験紙であります。当の厚生労働省自身が、自治体に対して正しく新しい「しおり」にするよう毎年求めています。

「生活保護のしおり」は各自治体が独自に作成していますが、「生活保護問題対策全国会議」のホームページには、申請者、利用者の権利について記載すべき事項が漏らされていないか、をチェックリスト形式で掲載されています。

尼崎市のしおりについてチェックしたものが資料②です。

×が多いほど「しおり」としての記載が不十分であるということです。

チェックしてみますと、38項目に対して実に×が23カ所にも及びます。〇は12個。微妙な△が3個となっています。

 

 Q6  申請手続き2―において、①本人だけでなく扶養義務者、同居の親族にも申請権があることが記載されているか、②相談から保護開始までの手続きの流れが説明されているか、③保護決定は申請から14日以内に決定して書面で通知するのが原則であることが書かれているか、これらが尼崎市のしおりに記述がありません。改善すべきだと思いますが、ご所見をお聞かせください。

 

答弁要旨

 生活保護のしおりは、生活保護の開始にあたって、制度のしくみや基本的な考え方、権利義務を説明する資料として作成し、配布しています。議員ご指摘の記載項目は生活保護を申請する前の手続き等に関する情報であり、申請手続きについては、相談窓口用飼料「生活保護制度について」を用いて面接相談員が丁寧に説明しています。

 なお、議員ご指摘の項目のうち本人以外の申請権者については明確に記載できておりませんので、速やかに追記させていただきます。以上

 

 

 Q7 調査(能力)―(13)では、稼働能力の活用が求められることだけでなく、病気や障がい、その他の理由で働けないなど無理な場合は求められないことや職業訓練などの支援があることが記載されているか。これも記述がありません。改善すべきだと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 先ほども答弁いたしましたとおり、生活保護のしおいは保護の開始決定後に配布するものとなっておりますので、ご指摘の病気や障害の方が働くことができない場合に申請を躊躇されることがないよう、生活保護相談にあたって配布する「生活保護制度について」に記載し、丁寧に説明してまいります。

 一方、職業訓練などの記載については、「自立にむけたおもな支援について」の項目において、思うように就職に結びつかない方などに対して、ボランティアや職業体験等を通じて就労に向けた準備を行っていく就労準備支援事業等についても記載しており、ケースワーカーが就労支援全般を詳しく案内していますので、引き続き誤解のないよう丁寧な説明に努めていきます。以上

 

 

3-3の 調査(扶養)については、全て記述されていません。

 2021年の改正により、申請時の扶養照会は、扶養の期待ができる親族にしか照会はしなくてよいということになりました。

扶養義務者の扶養についての説明、扶養照会の履行が期待できると判断される者に対して行うものであること、申請者本人が扶養照会を拒否する場合は尊重すること、DVや虐待被害者の保護、などをわかりやすく記述すべきです。 

 

おたずねします。

 

Q8 直近3年の新規相談における扶養照会率をお示しください。また、実際に金銭的援助につながった数をお示しください。

 

答弁要旨

 令和3年度から5年度の直近3年間におきましては、府y法紹介率については、36.6%となっております。

また、直近3年間における新規相談に係る扶養調査において、実際に金銭援助に繋がった数は1件です。以上

 

扶養照会については、その効果、つまり扶養照会をしたことにより金銭援助につながるケースはどこの自治体でも1%にも満たない状況です。

 申請者の意に沿わない扶養照会は、申請のハードルを無用に上げ、本来制度を利用できる市民が捕捉されないことにつながりかねないと思います。

 時間の関係上、しおりの記述の改善の指摘は一部にとどめましたが、それ以外のバツの項目についても記述の改善を求めるものです。

 

利用者の「健康で文化的な生活」を支え、自立した生活を支援するケースワーカーの役割は重要です。しかし、その日々の業務は対応する利用者の数が、尼崎市において一人のケースワーカーが21年度114.1世帯、22年度113.8世帯、23年度113.4世帯と、国が定める80世帯の1.4倍にもなっていて、非常に過重な負担となっている状況があります。

少なくとも国が示す80世帯とすることが、ひいては利用者にとっても安心して生活していくことにつながるのではないでしょうか。

 

Q9 ケースワーカーが担当する利用者を80世帯に近づけることが必要だと考えますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 本市の生活保護に係るケースワーカーについては社会福祉法に定める標準の配置数は満たしておりませんが、別途、高齢者世帯の家庭訪問を担う行政事務員や、就労支援を専門に行う行政事務員を配置することで、役割分担のもと、被保護者への支援強化と合わせ、ケースワーカーの負担軽減を図っているところです。

 あわせて令和5年度には生活保護システムを更新し、ケースワーカー1人1台の端末の配置や一部電子決済の導入など、業務の効率化や業務を行いやすい環境づくりに努めております。

 今後ともこうした業務の改善を図りつつ、ケースワーカーの増員についても、引き続き、関係部署との調整を進めてまいります。以上

 

次に、利用者の住環境に関わるトラブルについて2つほど事例をお聞きしているので、紹介します。

 Aさんは、約8年前に保護開始で入居しましたが、浴室に水を張ると水漏れがひどい状態で、1度も浴室に入れず、銭湯に通うことで過ごしてきました。最近、下の住居に水漏れし、階下の部屋の補修費用50数万円がAさんに請求されました。メンテナンスをしっかりやらない家主の責任なのに関知しない。現在弁護士に相談中とのことです。

 Bさんは、この6月に入居しましたが、家の中の蛇口の全てが水漏れしていて、ハウスクリーニングもされていない状態でした。不動産業者に抗議すると「黙っていろ」「バックには怖い人がついているからな」と脅され、ケースワーカーに相談したら「転居しよう」と言うだけだったということです。     

 

 おたずねします。

Q10 こういった保護利用者の住環境に関わる事例について、市として対策をすべきではないですか。

 

答弁要旨

 お示しいただきました事例につきましては、いずれも、生活保護受給者の方が、家主と任意に賃貸借契約を行い、その結果として、一定の住宅瑕疵があることが発覚したものではないかと思われます。

 このような民民の契約上のトラブルに市が直接的に介入することは困難ですが、賃貸借契約内容に照らして借主側が主張可能な事項をお伝えするなど、側面的に支援を行うとともに、必要に応じて法律係争に関わることについては法テラスを案内するばど、その問題解消に向けて丁寧に相談に応じ、対応していきます。以上

 

さて、地球温暖化の影響により、毎年のように各地の最高気温が過去最高になるなど、夏を過ごすことが命がけとなっています。

全国生活と健康を守る会連合会は7月、厚生労働省に来年度予算要望を行いました。全国から100名以上が参加し、口々に生活保護制度の不備を訴え、来年度予算で改善するよう訴えました。「電気代の請求が怖くてエアコンが使えない」「(物価高で)1日3食は食べられず、食事を減らしている」など「地球沸騰化」の猛暑と物価高騰の下での生活実態を訴えました。特につらい暑さの中、「夏季加算の新設」は死活問題で、救急車で搬送された方は「死ぬかと思った」と怒気をこめて発言され、正にいのちがかかった緊急事態ではないかと思います。

尼崎市内で今年度、8月31日までに熱中症により緊急搬送された件数は446件、うち65歳以上の高齢者は281名、63%。幸い死亡者はゼロでしたが、かつてのように扇風機だけでひと夏を超すことは非常に困難な気候です。

 

おたずねします。

Q11 尼崎市において、今夏、生活困窮でエアコンを使用できずに緊急搬送された市民の事例を把握していますか。

 

答弁要旨

 すべてを把握しているわけではありませんが、生活保護世帯において、熱中症により自宅から救急搬送された事例があったことについては承知しております。

 生活保護世帯に対する熱中症対策については、定期的な家庭訪問等を実施する際に熱中症に対する注意喚起を行うとともに、冷房器具の設置状況を確認し、未設置世帯については必要に応じて社会福祉用議会の貸付金の活用等によりエアコンの設置・修繕を促すなどの働きかけを行っております。

 なお、電気代を心配したエアコンの私用控えが懸念されますことから、これまでから夏季加算の創設を国に対して機会をとらえて要望しており、今後もこうした取組を継続してまいります。以上

 

日中はもちろん、夜も連日の熱帯夜が続き、扇風機だけでしのぐのは容易ではありません。しかし、保護利用者の方の中には、エアコンが故障して修理する費用、買い替える費用がない方がいます。

 

Q12 国の動向待ちでなく、市独自のエアコン購入の補助制度を創設すべきだと考えますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 厚生労働省社会・援護局長通知により、エアコンにつきましては、家具什器費に含まれており、保護開始時に最低生活に直接必要な家具什器の持ち合わせがないときなど、一定の要件に該当し、真にやむを得ないと実施機関が認めたときに、購入費用について支給できますが、買い替えや修理については支給できる規定がなく、社会福祉協議会の貸付制度の活用なども図りつつ、毎月の生活費のやりくりの中から捻出していただくこととなっております。

 このように、現時点の生活保護制度においては、エアコンの買い替えなどにかかる費用は日々の生活費に含まれるといった整理がなされておりますことから、市独自で助成を行う考えはございませんが、保護費のやりくり等で買換えには至らない状況があることも勘案しまして、すべての生活保護受給世帯に対してエアコン購入費を支給対象とするよう、引き続き全国市長会などを通じて国に要望してまいります。以上

 

                               

 尼崎市は水際作戦はおこなっていませんが、貧困と格差がかつてなく広がっているもと、もう一歩、二歩踏み込んだ積極的な保護行政を行っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

2023.9月議会 山本なおひろの一般質問と当局答弁要旨【住宅や店舗リフォーム助成・生活保護行政について】

日本共産党議員団の山本直弘です。

私は、地域経済対策として「住宅リフォーム助成制度」「店舗リフォーム助成制度」の創設と、生活保護行政に関わるいくつかの事項について質問いたします。

さて、共産党議員団は先月の17日、18日の2日間、行政視察に行きました。

1日目は東京都世田谷区、2日目は群馬県高崎市で、高崎市では住宅リフォ一ム助成制度、高崎市においては「高崎市住環境改善助成事業」と、店舗リフォーム助成制度、高崎市においては「高崎市まちなか商店リニューアル助成事業」とよばれる施策について学びました。

 

今、かつてない円安と、物価高騰、原材料不足などにより、多くの中小業者は経営がゆきづまり、新型コロナの感染症法上の分類が2類から5類に移行しても、業態によっては期待されたほど業績が回復せず、コロナ下を上回るペースで倒産件数が増加しています。そして、中小企業向けの実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が本格化し、今後さらに中小企業・中小業者の倒産・廃業が増える可能性があります。地域経済の主役である中小企業・中小業者支援が今ほど必要な時はありません。

高崎市の「住環境改善助成事業」は、市民が市内業者に住宅の修繕や改修工事を依頼すると、助成金として工事に要した費用の30%、上限20万円を支給し、間接的に市内申小企業・業者を支援する制度です。

同時に既存住宅の長寿命化や住環境の改善を図ることを目的としています。エアコンや給湯器、便器などの製品単体の購入は対象外ですが、外壁や屋根の塗装などの外装工事、浴室やキッチンなどの水回り改修工事、壁紙の張替えや障子ふすま、畳の取り替えなど、非常に多くの種類の工事が助成対象になっています。

 

予算規模は、当初予算で1億円、申請は500件の見込みですが、補正予算5千万円を足して2022年度は1億5千万円、805件の申請。総工事費951,051千円で、予算額の6倍以上の経済流通となっています。

当初は、東日本大震災の影響で業績が落ち込む市内中小企業の支援事業として創設され、3年間実施して、その後継続するかどうかを検討するということでしたが、市民からの継続の要望が強く13年も続いているということです。

いわゆる「住宅リフォーム助成制度」、名称は各自治体により様々ですが、高崎市も含め2020年10月時点で、全国327の自治体で実施されています。

兵庫県内では、12の市町で実施。神戸市や姫路市、明石市で実施され、阪神間ではお隣の西宮市や宝塚市、川西市など、全国に倣って市内経済活性化の目的で積極的に実施しています。

 

尼崎市でも長年、中小業者団体をはじめ、多くの市民が同制度の創設を求めてきましたが、財政的な制約などで実現には至っていません。高崎市の取り組みを聞いてわたしは、この制度はコロナと物価高騰等で疲弊した市内中小企業・中小業者と、住宅のリフォームを希望する市民が潤うことで、市内経済循環の起爆剤になりうる制度だと思いました。

同時に、申請者の7096以上が65歳以上の高齢者であることからして、この制度は高齢者の住宅環境の改善に寄与するものだということです。

おたずねいたします。

Q1 尼崎市でも、地域経済対策として「住宅リフォーム助成制を創設する考えはありませんか

答弁要旨

本市では、先進市の調査・研究を行った上で、居住中の住宅に対し「エコリフォーム助成」を実施しておりました。

しかしながら、本市には、約8,000戸の空き家があることから、まずは、その対策に注力すべきとの考えのもと、「エコリフォーム助成」を終了し、空き家を改修するための補助事業を開始したものであり、これらが活用されることで、地域経済対策に寄与していると考えていることから、地域経済対策として、「住宅リフォーム助成事業」を設ける予定はございません。

また、国においては、住宅の改修費補助として「こどもエコすまい支援事業」を創設するなど、様々な補助制度を設けておりますので、これらの国の制度を本市においても情報発信し、制度の活用を促進することで、地域経済対策に寄与するものと考えております。(以上)

 

 

次に生活保護行政に関わり、いくつか質問いたします。

まず、物価高騰にともなう電気代の値上げにより、生活保護利用者はエアコン使用をためらい、それによって命の危険にさらされている問題です。

今年の夏も異常な暑さで、9月2日朝日新聞で報道されたように、今年の7月は観測史上最も暑い7月だったことに続き、8月もここ126年で最も暑かった8月であることが、気象庁データの分析から判明しました。これまでの記録だった2010年8月の平均気温を約0.4度上回り、平均気温が最も高い1か月ともなりました。巷で言われているように、正に地球環境が、「温暖化」を超えて「沸騰化」している現状で、日中はもちろん、朝晩もエァコンを使用しないと過ごせない日々が続きました。

昨年の調査ですが、全大阪生活と健康を守る会連合会が行った、2022年夏の生活実態アンケート(247人からの回答)では、回答した生活保護世帯の9割が自宅にエアコンを設置しているにもかかわらず(1割の世帯は設置していないことは驚きですが)、実際に使用しているのは5割で、半数が扇風機などでしのいでいるということです。

おたずねいたします。

Q2.生活保護世帯がエアコン使用を控えている実態を把握していますか。

答弁要旨

エアコンについては、新規申請時の面談、実地調査の際に保有の有無を確認しているほか、定期的な家庭訪問の際には、生活状況を確認する中で、エアコンの使用状況等についても適宜確認を行っており、エアコンを保有している方でも電気代の負担が気になり使用を控えるという声をよくお聞きしています。

こうした声も踏まえ、全国市長会等を通じまして、すべての生活保護受給世帯に対して冷房器具使用に係る電気料金相当分を扶助する制度の創設について要望を行っており、引き続き国への要望を行ってまいります。以上

 

次に店舗リフォーム助成制度についてです。

高崎市においては「高崎市まちなか商店リニューアル助成事業」は、市内商業の活性化を目的に、商売を営んでいる人、またはこれから営もうとする人が、「店舗の改装」や「店舗等でする備品の購入」に対し、100万円を上限に、その費用の2分の1を補助する事業です。

2020年からはHACCP (ハサップ)にもとつく、飲食店衛生向上特別枠が設けられました。また、利用回数については2018年からは2回目、昨年2022年度からは3回目の利用が可能となりました。

設立の経緯は、2012年の7月から9月の3か月間で、職員が市内300店舗を訪問し聞き取り調査を行った結果、約20%が「店舗の改装を検討している」と回答し、その内、約半数が「補助があれぼ改築したい」という声があり、この結果を踏まえ、翌年2013年度から始まった制度で、11年間続いているということです。

2022年度の予算規模は、当初予算3億5千万円で補正予算1億円を追加して4億5千万円。申請件数840件に対して515件の決定件数に対し、助成されたのは3億7千万円で、それによって施行された工事費は8億円となっています。

利用者からは、「商売のやる気が出た」「改装で売り上げが伸びた」「新規のお客様が増えた」といった喜びの声と共に、工事を施行した業者からも「経営意欲が増した」「忙しくなり、先々のことが考えられるようになった」という声が寄せられ、相乗効果が生まれているということでした。また、施行業者を市内業者に限定したことで、小規模事業者や中小企業者に仕事が回る仕組みになっていて、経営が安定し、事業主だけではなく、そこで働く従業員の仕事への意欲の向上が図られ、雇用の安定と定着につながっているそうです。

「店舗リフォーム助成制度」も、名称は各自治体により様々ですが、高崎市も含め2023年10月時点で、全国201の自治体で実施されています。

おたずねいたします。

Q3.尼崎でも、事業者訪問や聞き取り調査をこれまでおこなってきていると思いますが、店舗リフォームに対する要望はつかんでいますか。

答弁要旨

商業団体との会合や事業所訪問など、日頃の業務を通じ、お聞きしている市内事業者からの声としましては、店舗のリフォームについてのご意見もありますが、多くは人手不足や後継者が見つからないといったものであり、その他、キャッシュレスへの対応や商店街への防犯カメラの設置、アーケードの改修など、様々なご意見をお聞きしています。以上

Q4。地域経済対策として「店舗リフォーム助成制度を創設する考えはありませんか。

答弁要旨

店舗リフォーム助成制度につきましては、対象となる施行業者を市内事業者に限定することで、店舗改装の受注機会の拡大やリフォームに関連した備品の購入など、一定の経済効果が発生するものと考えられます。

一方で、今年度実施しています「脱炭素化設備等導入促進支援事業」は、中小企業者の設備導入を支援するとともに、新たに市内事業者に担っていただく簡易省エネ診断を創設し、市内間取引を促進していくことで、市内事業者支援と地域経済対策にもつながっているもので、予定していた100件を超える申請をいただく中、より大きな経済効果が得られるものと考えています。

そうした中、現在のところ、店舗リフォーム助成制度を実施する考えはございませんが、店舗リフォームに活用可能な金融機関における融資の情報のPRや、引き続き、事業者ニーズに加え、経済効果も含めた地域経済対策に資する事業について、検討してまいります。以上

次に、生活保護に関わってお聞きします。

総務省の調査で、昨年5月~9月の熱中症の救急搬送状況は、「65歳以上の高齢者」が最も多く55%、発生場所は「住居」が最も多く40%で、「道路」(17%)「屋外」(12%)を大きく上回っています。

生活保護利用者には自宅で過ごす高齢者も多く、年々気温が上昇する中、猛暑対策は急務です。保護費がじわじわと減らされる中、エアコンの修理、買い替えにともなう費用は利用者負担になっています。厚生労働省は2018年から保護世帯ヘエアコン購入費の支給(現在、最大6万2千円)を認めていますが、

条件は新規保護開始か、転居先にエアコンがない場合などに限られています。保護利用が長い人ほど古いエアコンを使っていて、故障しやすく、「故障したらどうしようもない」という声も聞かれます。社会福祉協議会の貸付制度はありますが、保護費減額や物価高騰で返済していく余裕はありません。

千葉県流山市では、低所得世帯を対象にエアコン新規購入・買い替え費用の補助制度(最大4万5千円、保護世帯は買い替えのみですが最大3万円)が今年の6月から実施されています。

おたずねいたします。

 

Q5.生活保護受給者にエアコンの新規購入・買い替え費用を補助する制度をつくるべきではないでしょうか。

答弁要旨

冷房器具(エアコン)の新規購入に関しては、一定の要件に該当し、真にやむを得ないと実施機関が認めたときに生活保護制度で支給できるとの規定がある一方で、買い替えについては支給できる規定がなく、毎月の保護費のやり繰りや社会福祉協議会の貸付事業の利用を助言することとなります。

このように、現時点の生活保護制度においては、買い替えに係る費用は日々の生活費に含まれるとの整理がなされていることから、市独自に補助を行うという考えはございませんが、保護費のやり繰り等で冷房器具の買い替えに至らない状況があることも勘案し、全国市長会等を通じて、すべての生活保護受給世帯に対して冷房器具の設置や買替えを支給対象とするよう求めているところであり、引き続き国への要望を行ってまいります。以上

 

私は昨年9月の第9回定例会一般質問で、生活保護のしおりのパンフを市の施設、生涯学習プラザなどに置いて、市民に制度の周知をするべきだと求めました。それは、政府の意図的な誘導によって、市民の中に生活保護を受給することが後ろめたい、恥だといった観念が浸透しているのではないかという懸念があったことが理由です。そうではなく憲法25条で保障された、その時代、社会に応じて、最低限度の生活を下回らないよう、国が最低生活費を保障した—と言っても不十分な金額ですが—生存権、国民が政府に要求できる社会権であること。これがまだまだ市民の中に浸透していない。むしろ偏見と差別をもつ人が多い状況を憂慮して求めたものでした。誰もがいつ何時、何らかの事情で職を失い、収入源が絶たれることは起こりうることです。そういった時に雇用保険の失業給付など、社会のセーフティーネットの存在はその社会の暮らしやすさを計る大きな指標であります。

生活保護制度はそういった社会のセーフティーネットの根幹、大本ともいうべき、重要な制度であることは疑う余地はありません。

Q6.生活保護制度の周知のためのポスター、チラシを作成し、生涯学習プラザなど公共施設に掲示、常備し、保護受給者に対する差別や偏見、分断をなくすための一助にすべきだと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

生活にお困りの方に対しましては、南北保健福祉センターのしごとくらしサポートセンターにおいて、生活全般の相談を受けており、それぞれの状況を丁寧にお聞きし、各種支援策を紹介する中で、生活保護制度の案内も行っています。

その上で、相談者が希望される場合や職員が必要と判断する場合は生活保護の窓口を案内し、そこでさらに詳しい説明を行い、必要な支援に繋げています。

このように、支援が必要な方に対しては、個別の事情を踏まえた相談・支援を実施しているため、市独自で生活保護に特化したポスターなどを作成する考えはありませんが、生活保護制度は憲法で定められた権利であり、生活保護を必要とされる方が申請に抵抗感を抱かれるようなことがないように丁寧に制度の説明を行い、寄り添った対応を心がけてまいります。(以上)

 

次に保護利用者の車利用に関することについておたずねいたします。

私が相談に乗っている受給者の方で、コロナ禍で仕事が全くなくなってしまい、生活に困窮した建設業を営んでいる方がいらっしゃいます。申請時、今後仕事をしていく上でこれまで使っていた車は、現場に行くことはもちろん、道具を積むためにどうしても必要ということで、保有が認められました。しかし、仕事が入ることはいまだになく、再起のめどがたっていない状況が続いています。そんな中、収入認定の度に「次に仕事がなかったら車保有を取り消す可能性がある」などと、ケースワーカーから言われているそうです。

ご本人は、「車を取り上げられたら事業を続けることができなくなる。生活保護から自立するためにも、もう少し長期的に見てほしい。」と困惑しています。

おたずねいたします。

Q7.生活保護受給者の自動車については、画一的に所有を打ち切るのではなく、個別の事情を最大限斟酌し、配慮すべきだと思いますがいかがですか。

答弁要旨

生活保護受給者が自営業等を行うために自動車を保有している場合、その保有可否の判断においては、当該自動車が、事業を行うためのものであるか、また事業の種別、地理的要件、処分価値、維持費なども踏まえ、総合的に判断を行っています。

また、コロナ禍における時限的対応として、現時点において収益がない場合であっても、コロナ終息後において、収入が増加すると考えられる場合には、車両のほかにも自営に必要な店舗、機械器具等の資産について、一定の経過期間は処分を猶予することとされており、画一的に所有を取り消すことは行っていませんが、当該処分の猶予期間は、原則概ね6か月」とされていることから、期限到来後には、改めて、保有可否の判断を行うこととしているものです。以上

 

まとめ

まず申し上げたいのは、地域内循環型経済こそ、地域経済再興の道であるということです。

コロナ禍の以前から、消費税の8%10%増税の影響により、中小企業・業者は疲弊していました。そこにコロナ禍によって追い打ちをかけられた。

今後、地域経済を再興、発展させるためには、大型店や、外資を呼び込むことでなく、地域の中小企業・中小業者を行政施策で支援しつつ、地産地消をはじめ、地域内循環型の経済へ抜本的に転換していくことが必要だと思います。

私はその起爆剤として、この「住宅リフォーム助成制度」「店舗リフォーム助成制度」がなりうると確信いたします。

これまで市は「需要の先食いでしかなく、経済効果は薄い」と制度の実施に後ろ向きな姿勢を続けてきました。であるなら、全国でこれだけ多くの自治体で、継続してされていることについて説明がつかないではありませんか。

また、生活保護制度に関わる質問をしましたが、国の生活保護施策待ちでなく、その不十分な隙間を埋めるような市としてのフォローが今、求められています。

毎年の猛暑と、未曽有の物価高騰により、生活保護利用者をはじめ低所得者に命の危険が現実にさしせまっている。国に対して夏季手当の創設を求めると共に、エアコン購入費・修繕費の助成や、電気代の補助など、憲法25条の実践ともいうべき、市民のいのちと健康を守るための市の取り組みがかつてなく求められているのではないでしょうか。

「誰一人取り残さない」を掛け声だけに終わらせないためにも、抜本的な施策の転換こそ必要であることを最後に申し上げて、私の質問を終わります。