- 基金活用ルールの見直しについて
2025年度決算において、一般会計の実質収支は20億円(形式収支27億円)の黒字を確保しました。また、財政調整基金157億円、減債基金171億円、公共施設整備保全基金195億円と、主要3基金の残高合計は前年度比55億円増の522億円へと増え、過去最高水準に達しており、全基金残高合計は658億円となっています。
健全化判断比率を見ても、将来負担比率は前年度のマイナス7.7%からマイナス20.7%とさらに改善し、実質的な「無借金状態」となっています。市が掲げてきた「2032年度末の将来負担1,000億円以下」という目標も855億円へと大幅に前倒しで達成しました。このように、本市には極めて潤沢な財政余力があることは明らかです。
過去の「財政規律」を金科玉条とし、市民サービスを抑制・据え置き続ける姿勢は、今こそ根本から改められるべきです。
Q1 主要3基金が522億円に達し実質収支も20億円の黒字を確保している財政状況を踏まえ、2027年度の中間総括を待たず直ちに基金活用ルールを見直すべきです。物価高騰対策は災害級のものであると認識し、抜本的な市民生活支援へ舵を切るべきではありませんか。
答弁要旨
主要3基金については、堅調な税収や地方交付税の上振れなどによる決算剰余金の増、モーターボート競走事業からの収益事業収入の増などにより、残高が増加していますが、そのうち、公共施設整備保全基金については、目標として定める類似他都市並みの残高が概ね確保できていることから、和8年度より既に活用ルールを変更しております。
また、財政調整基金においては目標である類似中核市並の残高を確保できていない状況であります。
したがいまして、現時点で活用ルールを見直すのではなく中間総括の中で今後の収支の見通しなどを精査した上で、目標や活用ルールを検討してまいります。
なお、物価高騰対策につきましてはこれまでからも国の交付金を中心に一般財源も活用しながら様々な対策を行っているところですが、引き続き、その時々の社会経済情勢を注視しつつ、国や県の動向を踏まえる中で市民の生活状況やニーズをしっかりと見極めながら、財政調整基金の活用も含め、必要な財源を確保した上で、適時適切に対応してまいります。
⒉中小企業・小規模事業者への支援について
本市の実質GRP(市内総生産)はGDP比104.0%と堅調に推移しているとされていますが、これは主に大規模製造業の業績に支えられた結果に過ぎません。オープンイノベーション拠点「ARKade」の開設などスタートアップ支援を強調していますが、市内事業者の圧倒的多数を占める小規模零細企業や地域商店街は、原材料・エネルギー価格の高騰と実質賃金低下に伴う個人消費の低迷により深刻な経営難に直面しています。
市の中小企業金融施策である「兵庫県制度融資および信用保証料の補助」は一定のコスト軽減効果があるものの、手続きのタイムラグや対象枠の限定性といった実務上の高いハードルが存在します。現在、尼崎市内の事業者数16,695軒のうち、従業員10人未満の事業所は9,500軒にのぼります。しかし、今年度の信用保証料補助の利用件数は6月時点で63件、直近でも229件、全事業者数に比して極めてわずかな利用にとどまっているのが実態です。金融機関による審査基準は事業者の財務状況により異なり、返済困難な事業者ほど銀行や保証協会の審査に多大な時間を要しています。
私たち日本共産党議員団が重ねてきた中小零細事業者の皆さんとの懇談でも、「書類の取り寄せに2〜3週間かかり事務負担も重い」「仮に融資が決定しても資金が実行されるまで経営が持たない」「毎月の固定費や過去の借入返済を抱え、これ以上の借入れには返済の当てがなく踏み出せない」「本業以外にアルバイトを掛け持ちせざるを得ず、いつ廃業してもおかしくない」といった悲鳴が寄せられています。 現在の物価高騰はまさに「災害級」の危機です。これまでの「ため込み型財政」を改めるべき局面を迎えています。
Q2 大規模製造業やスタートアップ偏重の施策を見直し、地域経済の基盤である中小零細事業者や小売り商店への直接的な光熱費・家賃補助、事業承継支援へと予算の重点をシフトさせるべきではないでしょうか。
答弁要旨
本市の産業振興施策につきましては、特定の企業規模や業種に偏ることなく、中小零細企業を含め、企業自らが行う成長に向けた取組を後押しし、それぞれの経営課題に応じた支援に取り組んでおります。
中小零細企業に対しましても、事業承継支援や商店街の空き店舗活用補助金に加え、昨今の物価高騰対策として、県の中小企業等融資制度への信用保証料補助を、阪神間でもいち早く5月から実施するなど、事業継続や経営の下支えに取り組んでおります。
今後につきましても、光熱費や家賃に対する補助など、事業者の経費を直接補填する施策へ一律に重点を移す考えはございませんが、事業者の実情や施策の効果を踏まえ、必要な支援に取り組んでまいります。
3.学校給食の完全無償化について
2025年度決算では食材費高騰に対する公費補填が実施され、学校給食物資調達関係事業費に約16億7,900万円が充てられました。2026年度からは、小学校等において国の制度、中学校において臨時交付金を活用した公費負担が行われていますが、国の動向や時限的な交付金頼みの施策では制度の継続性に大きな不安が残ります。
国の判断をただ待つのではなく、子育て世代の切実な負担軽減を図るため、市独自財源による恒久的な無償化への決断が今こそ求められています。
Q3 交付金頼みの不透明な継続性に委ねるのではなく、522億円に達した基金残高などの財政余力を活かして、国に財源措置を要求しつつ、小中学校ともに市独自財源による恒久的な完全無償化へ踏み切るべきではないでしょうか。
答弁要旨
学校給食費の無償化については、子育て世帯の負担軽減を図る観点からも必要な施策であると
考えておりますが、その実現については、多額の財源が必要になることから、各自治体の財政力の格差により左右されることなく、国の財政負担により全国一律に実施することが望ましいと考えております。
こうした中で、国においては、令和8年度から小学校段階の学校給食費の抜本的な負担軽減を実施し、中学校への拡大については可能な限り、速やかに実現したいと昨年2月に明言されておりますことから、引き続き国における議論の状況を注視してまいりたいと考えております。
4. 中学校部活動の地域展開と学校開放について
中学校部活動の地域移行については、2025年度末時点でモデル校3校の「アマカツクラブ」(13クラブ)や認定地域クラブ(53クラブ)への移行が進められているものの、地域移行率は23%にとどまっており、2027年度の100%目標達成には大きな懸念があります。これまでの部活動が有料の地域クラブへ移行することにより、家庭の経済格差が子どもの活動参加の格差に直結することが強く危惧されています。
さらに、年間延べ約73万人が利用する学校開放事業においても、地域クラブの活動時間(17時〜19時等)確保に伴う利用制限が生じているほか、施策評価表には「体育館空調整備に伴う体育館利用の有料化の検討」が明記されています。
Q4 家庭の経済状況による利用格差を生じさせないよう助成制度をつくり、公費負担を前提とした地域クラブ移行方針にすべきです。また地域コミュニティやスポーツ活動を後退させかねない学校体育館のクーラー代と夜間グランド照明等の有料化は、負担を増やすべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
答弁要旨
本市では、子どもたちが引き続きスポーツや文化芸術活動に気軽に取り組めるよう、地域クラブ活動の充実を図るとともに、家庭の経済状況によって子どもたちの活動機会に格差が生じないよう、市が公費支援するアマカツクラブの会費については、月額3〜5千円程度を予定しております。
さらに、経済的困窮世帯に対しては、会費や保険料の負担軽減に向けた支援策を検討しているところです。
また、ご指摘の学校体育館空調と夜間照明の有料化については、公平性と受益者負担の適正化を図る観点から、必要な費用負担を徴収するものであり、適正な費用負担が地域コミュニティやスポーツ活動の後退につながるものではないと考えております。
5.特別支援教育について
あまよう特別支援学校においては、人工呼吸器を常時使用する児童生徒をはじめ、保護者の付き添いが一定程度解消された事例も見られるものの、依然として多くの保護者に付き添いが求められている実態があり、施策評価においても継続課題として位置づけられています。
Q5 全ての医療的ケア児に対して、保護者の付き添いがなくても登校できるよう、充分な医療的ケア体制の構築、なかでも看護師等の配置を抜本的に拡充すべきではありませんか?
答弁要旨
あまよう特別支援学校の医療的ケアを必要とする児童生徒の登下校を含めた保護者の付き添い解消につきましては、児童生徒が保護者と離れて主体的に学校生活を送ることによる自立や、教育的効果の向上、さらには保護者の負担軽減を図るため、十分な安全確保を大前提としながら段階的に取り組みを進めているところでございます。
具体的には、医療的ケアの実施に係る十分な引継ぎが可能であり、体調が安定している児童生徒を中心に、主治医の所見や保護者のご意見を十分に踏まえながら進めており、和7年度は、児童2名の登下校時を含む保護者付き添い解消を実現することができました。これは、医療機関や教職員、保護者の緊密な連携によって実現したものでございます。
今後につきましても、医療的ケアを必要とする児童生徒の安全確保や体調を最優先に考え、保護者や学校、関係機関と連携を密に図りながら、必要な看護師の確保と配置に、取り組んでまいります。
6.トイレの洋便器化について
衛生的な教育環境を整備するため、2025年度末には小学校2校、中学校1校、幼稚園3園でトイレの洋式化改修が実施されました。しかし、学校園全体の洋便器率は76.8%にとどまっています。また、初期に洋便器化されてから相当の年数が経過している施設もあり、今後の再改修や維持更新への対策も見落とすことはできません。
Q6 トイレの100%洋式化はいつまでに達成を考えているのか、前倒しで加速すべきではないでしょうか。
答弁要旨
学校のトイレについては、洋便器化に併せて設備や配管の改修等も実施しております。対象となる学校が多いため、一挙に整備することが難しく、計画的に年4程度の整備を進めており、和9年度末で80%の洋便器化率を目指しております。
令和10年度以降も、まずは児童、生徒が日常的に利用する校舎内全てのトイレの洋便器化に順次取り組む予定であり、他の施設整備との優先順位も調整しながら、計画的な整備に努めてまいります。
以上
7. あまっ子ステップ・アップ調査について
「あまっ子ステップ・アップ調査」事業について、未だに現場の学校の先生からも保護者の皆さんからも、これからも継続すべきだとの積極的な評価の声があまり聞こえてきません。むしろ、年度末という実施時期の不適切さや、帯学習など「点数を取るための学習」に偏重したあり方に強い疑問が呈されています。さらに、今年度から事業者が変更された経緯についても情報が十分に開示されておらず、施策のプロセスがブラックボックス化していると言わざるを得ません。
帯学習を過度に推進することには問題があると考えます。休み時間は単なる気晴らしではなく、集中力の回復、身体発達、社会性を支える重要な時間です。長時間の着席や指示待ちの学習で消耗した注意力は、自発的な休憩によって回復し、その後の授業への集中や理解が高まるとされています。休憩時間を削って帯学習に充てる手法は見直すべきです。
平均正答率の改善に向けてAI型ドリルや反復学習が強化されていますが、調査結果において「授業の内容はよくわかる」と回答した児童生徒の割合は、小学校国語78.5%、小学校算数77.2%、中学校国語71.7%、中学校数学67.0%と、全般に前年度から低下しています。点数引き上げを主眼とした反復ドリル偏重は、かえって子どもの学ぶ意欲を削いでいるのではないでしょうか。今求められているのは、一人ひとりが大切にされる教育の実践です。
今年9月11日付の「しんぶん赤旗」に掲載された山梨県の事例を紹介します。同県では6年間をかけて全小学校での「25人以下学級」を実現させました。現場の教員からは「支援が必要な子に、時間をかけて向き合えるようになった」との声が上がり、県教育庁の担当者も「25人学級導入前後の検証データを比較すると、子ども同士の関係、教員との関係、学校の楽しさの数値が明確に向上している」と解説しています。1学級を25人にすることで、児童生徒一人ひとりに寄り添った教育が大きく前進することが示されています。
私たち日本共産党議員団は、これまでも「あまっ子ステップ・アップ調査」の中止を求めてきました。本事業に充てられている予算は、教職員の増員をはじめとする教育環境の抜本的な改善にこそ振り替えるべきです。
Q7 25人の少人数学級など、一人一人に手が届く環境を実現させ、点数引き上げを主眼としたドリル偏重の競争的学力対策から、子どもの学習意欲や探究心を育てる教育へと転換すべきではないでしょうか?教育長の見解をもとめます。
答弁要旨
まず、ご指摘のありました「あまっ子ステップ・アップ調査事業」につきましては、同一の児童生徒の学力等の経年変化を可視化し、学びと育ち研究所と連携し、データに基づき今後の教育施策の立案につなげるために実施しているもので、県内近隣他都市におきましても、なんらかの調査事業が実施されているところです。なお、事業者につきましては、当初予定の委託期間が満了したことにより、昨年度末に改めてプロポーザル方式による業者選定を行い、新たな事業者を決定したところです。
また、ICT機器を活用したAI型デジタル学習ドリルにつきましては、授業時間の中や、帯学習の時間を活用しているもので、個に応じた学習を推進する上で有効なものと教育委員会として考えており
今後、学校間でのその活用のばらつきを解消していきたいと考えております。
学級規模を少人数化するアプローチでなく、先に述べましたこうした取組みを通じ、個別最適な学びの実現を図るとともに、児童生徒同士の学びあい、多様な他者と問題の発見や解決に挑む現場の先生方の
授業展開などを通じ、学習意欲や探究心を育む確かな学力の向上を推進して参ります。以上
8. 国民健康保険料・介護保険料について
2025年度決算において、国民健康保険事業費特別会計で約2億円、介護保険事業費特別会計で約9億円、後期高齢者医療事業費特別会計で約2億円と、福祉関連の特別会計でそれぞれ実質収支の黒字を計上しています。その一方で、物価高騰下において国保料の収入未済額は15億円(前年度比+1億円)に達し、収納率は91.18%まで低下傾向にあります。
Q8 特別会計の黒字や剰余金を活用して国保料・介護保険料の引き下げや減免枠の拡大を行うことはできないのか?
答弁要旨
国民健康保険事業費会計において生じた剰余金につきましては、これまでから、国民健康保険事業基金に積み立て、その一部を次年度以降の保険料の上昇抑制や減免の財源として活用しているところであり、令和8年度予算におきましては、保険料の上昇抑制や、減免の財源として、国民健康保険事業基金から約1億3千万円を活用することとしております。
なお、減免枠の拡大につきましては、保険料率の統一後においては、県内の全市町が統一基準に基づいて実施する方針であることから、新たに行う予定はございません。
答弁要旨
介護保険特別会計におけるいわゆる黒字部分については
国・県の負担金及び支払基金交付金の過大交付によるものが多く、翌年度に返還いたします。
残りの、主に第1号被保険者に係る保険料の余剰によるものについては、市の介護給付費準備基金として積み立てをしております。
介護保険制度における65歳以上の第1号被保険者に係る保険料につきましては、3年間を計画期間とする介護保険事業計画において、サービスの利用見込み等を算出し、それに基づき算定しており、その際には、この準備基金を全額活用して、保険料上昇抑制のための財源としております。
現在策定中の次期、第10期計画においても、同様の手法を用いることで、可能な限り介護保険料上昇の抑制に努めてまいります。以上
Q10 市は国保料の県統一化に踏み出さず、統一化に加わるのを2030年度いっぱいまで先延ばしにする考えはないのでしょうか?
答弁要旨
兵庫県は、県内の国民健康保険料率の統一時期について、令和9年度をその目安とする一方で、統一により保険料が急激に増加する市町の事情を考慮し、令和12年度までの移行期間を設けております。
本市におきましては、移行期間が必要となるような保険料の急激な増加は想定していないことから、県の方針に沿って、令和9年度の統一に向けた準備を進めているところであり、これを先延ばしする考えはございません。
全国知事会や全国市長会などの地方六団体も、構造的に高すぎる国保料を引き下げ、協会けんぽ等の公的医療保険と同水準にするため、国に対して「1兆円規模の公費投入」と国庫負担率の引き上げを強く要望しています。本市としても、市民負担軽減に向けて引き続き国への強い働きかけを求めます。
9. 放課後児童健全育成(学童保育)と公立保育所について
今年度、保育施設等における「定義上の待機児童ゼロ」は達成されました。しかし見過ごせないのは、年々減少してはいますが膨大な数の「隠れ待機児童」が存在している点です。その数は2023年度530人、2024年度400人、2025年度355人にのぼります。認可保育所等を申請しながら入所できていない児童の内訳は、特定の保育施設等を希望している方が227人、育休中で復職の確認が取れない方が93人、その他の事由が35人となっています。
昨日も「隠れ待機児童問題」について磯田議員が詳しく質問されていますが、重ねてお聞きします。
Q11 保育所の隠れ待機児童対策の取り組みを今後どのように進めていきますか?
答弁要旨
令和8年4月1日時点の本市の未入所児童数は355人と前年の400人に比べ45人減少しております。
未入所児童となったご家庭に対しましては、5月以降にアフターフォローコールをさせていただき、ご家庭のご意向を丁寧にお聞きする中で、保育施設等の空き状況も見据えなから、ご希望されていない保育施設等もご提案等させていたたくことで、一人でも多くの児童が早期に保育施設等の入所につながるよう支援しているところでございます。
今後におきましても、こうした地道な取り組みを進めていくことで、来年度も待機児童ゼロの継続と、未入所児童数の減少につなげるため、引き続き、誠意尽力してまいります。以上
また、児童ホーム(学童保育)の待機児童数は、2023年度205人、2024年度269人、2025年度323人、そして今年度は575人と年々深刻化の一途をたどっています。
施設や指導員不足を理由に、民間児童ホームへの補助や民間委託が模索されていますが、子どもの安全な居場所の保障はもちろん、「児童ホームは生活の場である」という本来の役割を軽視してはならず、自治体の公的責任を後退させることは許されません。
Q10 児童ホーム待機児童の早期解消に向けて、国基準の1部屋40人定員の児童ホームに転換することを原則にすること、さらに学校余裕教室の活用や指導員の処遇改善・正規配置を直営主導で進めるべきではありませんか?
答弁要旨
児童ホームの定員については、各自治体の状況に応じ、条例で定めるものとされており、本市条例においても厚生労働省令に基づきおおむね40人以下と規定しておりますが、平成27年4月時点で60人定員である既存施設に関しては、待機児童の解消という課題もあることから、経過措置として、当分の間、60人定員とするものとしており、現状においても多くの待機児童が生じていることから、直ちに40人定員に転換することは考えておりません。
なお、公設児童ホームにおいては、学校教室の活用のほか、専用施設の建設など、これまでも学校敷地内を優先に整備を進めてきたところです。
また、指導員の確保・定着に向けては、これまで有料求人サイトの活用やハローワークとの連携等による採用活動の強化、報酬の3%加算や期末・勤勉手当の引き上げなどの処遇改善に取り組んでおりますが、採用募集の応募者が年々減少するとともに、指導員の高年齢層化が進んでおり、その確保が困難なことから、令和4年度から労働者派遣制度を活用して必要な人員を確保している状況です。
そうしたことから、一部民間委託等の更なる民間活力の活用により、欠員の解消や要支援児童への対応、公設児童ホームの増設に要する指導員の確保を図り、将来にわたり安定的かつ継続的な運営体制を構築してまいりたいと考えております。
以上
また、「公立保育所の今後の基本的方向」に基づいて老朽施設の建替えに伴う民間移管(民営化)の調整が進められていますが、障害児保育や要保護児童の受け入れなど、公立が果たしてきた最後のセーフティネット機能を後退させるおそれがあります。
公立保育所には、重度障害児・医療的ケア児・外国籍児童・困難を抱える家庭を受け入れるセーフティネット機能、保育の質を高めるモデル・研究機能、民間園や地域への専門的支援、災害・感染症・民間撤退時にも保育を継続する危機管理機能があります。市全体の保育の質と子どもの権利を支える直営機能として、その役割を十分に検討すべきです。
Q11 以上のような役割を持っている、そしてまたインクルーシブ保育のセーフティネットでもある公立保育所のこれ以上の民間移管は見直すべきではないでしょうか。
答弁要旨
「公立保育所の今後の基本的方向」につきましては、庁内会議体や外部委員からなる懇話会で協議を行い、公立保育所が果たすべき役割や適正規模、適正配置の考え方等を整理した上で、パブリックコメントで寄せられた市民意見を踏まえて、令和8年5月に改定を行ったところです。
議員ご指摘の公的保育の「役割」に関しましても、「基本的方向」の中で「公立保育所が果たすべき役割」として整理を行っているもので、こうした役割に従い、より質の高い保育を行っていくことはもとより、特別な支援が必要なこどもの受入を市全体で更に進める観点から、令和8年度より、民間の保育施設へのサポートを含めた連携強化など、公立保育所が地域の支援拠点としてその役割を果たしていくよう、インクルーシブ保育に係る取組を強化しているところです。
なお、改定した「基本的方向」では、利用者の生活圏の視点も踏まえた地域バランスにも配慮しながら、公立保育所として存続させる保育所をこれまでの9所から11所へと見直すとともに、南杭瀬保育所は公立保育所として存続させる杭瀬保育所と統合し、残る、西長洲保育所、今北保育所、水堂保育所の3所については、本市の限りある資源を最大限活用しながら、多様化する保育ニーズへの適切な対応や老化した保育施設の環境改善等を適切に進め、より効率的な保育所運営を行っていくため、民間移管を進めていくこととしております。
今後の民間移管に関しましては、方針が決定したものから、順次とりまとめて民間移管計画を策定し、移管を実施してまいりますが、移管年度や移管手法、応募資格などの移管条件については、「第4次保育環境改善及び民間移管計画の取組の検証」を踏まえつつ、庁内関係部局や関係団体とも協議しながら検討してまいります。
以上
10.脱炭素施策について
気候変動対策への市民参加という点では、東京都杉並区が2024年3月から8月にかけて全6回開催した「気候区民会議」の先例があります。16歳以上の区民5,000人に無作為抽出で案内を送り、人口構成比の縮図となるよう選定された10代から70代の77名が参加しました。専門家からの情報提供を経た熟議の末、エネルギー・循環型社会・みどり・交通の4つのテーマで33項目の提言を区長に提出しました。区は「全庁横断の気候危機対策推進本部」で全提案を検討し、2025年3月には「意見提案に対する区の対応」を公表するなど、行政施策へ反映させる道筋を明確に示しています。
Q13 市民と共有、市民との協同の力で環境問題に積極的に取り組んでいける、公募型の市民気候会議を設置すべきと考えます。市民気候会議の設置について見解をお伺いします。
答弁要旨
本市は、かつて深刻な公害問題に直面する中で、市民・事業者・行政が連携し、環境改善に取り組んできた歴史があります。
現在も、あまがさき環境オープンカレッジをはじめ、多様な主体が環境について学び、意見を交わしながら、地域での実践活動に取り組んでいます。
ご提案の市民気候会議については、幅広い市民の皆様の意見を環境施策に生かしていくという趣旨は理解しておりますが希摂時点で設置する考えはございませんが、引き続き、これまで培ってきた官民連携・協働の関係がございますので市民や事業者の皆様と意見を交わしながら、環境問題の解決に向けて取り組んでまいります。
以上
11. 尼崎市営住宅建替等基本計画の削減計画と「家賃助成制度」の創設
公共施設マネジメントや尼崎市営住宅建替等基本計画に基づき、市営住宅の建替え・集約化と管理戸数の削減が進められています。しかし、戸数削減に伴い、高齢者、障害者、低所得者、若年子育て世帯などの入居倍率が高止まりしており、困窮層が必要な時期に入居できない事態が生じています。
また、子育て世代(特に住宅購入能力のある中間層以上)に対するマイホーム取得補助や、特定の層に限定した移住・定住インセンティブは、市場原理に乗れる層への「投資」として機能します。一方で、その裏側で行われている市営住宅の戸数削減や集約化は、自力で民間賃貸市場にアクセスできない高齢者や単身の困窮者から、最後のセーフティネットを奪う結果をもたらしています。「若くて活力ある層は優遇し、支援コストのかかる高齢者や貧困層は切り捨てるのか」という、行政の公的責任の根本が問われています。
「住宅は基本的人権である」という国際的共通認識に立ち、自治体自らがセーフティネットの枠を狭める方針は直ちに転換すべきです。
Q14 入居倍率が高止まりする中、セーフティネットである市営住宅の管理戸数削滅・縮小路線を改め、維持・確保に転換すべきではありませんか。
答弁要旨
本市の市営住宅は類似都市と比較して多くの戸数を有しており、持続可能な管理運営の観点から、建替えや廃止により戸数の削減を図ることとしています。また、現状、市営住宅の定期募集では、立地条件がよい等のため、多くの方にご応募いただいている住宅もある一方井で、募集われ住宅もあり、皿にその後の常時募集でも申し込みがない住宅もあること等から、住宅供給の面では充足しいているものと考えています。
このような状況の中、セーフティーネット住宅として重要な役割を果たす市営住宅の課題は、ご指摘の戸数の不足ではなく、耐震性能やバリアフリー性能といった建物本体や設備面等にあることから、「尼崎市市営住宅建て替え等基本計画」に基づき、集約建替えや既存住宅へのエレベーター設置を進めており、今後も計画を着実に推進してまいります。以上
12. 多文化共生施策と朝鮮人学校就学補助金について
市内の外国籍住民の増加に伴い、外国人総合相談窓口への相談件数は延べ1,892件に急増しています。しかし、窓口の体制は通訳タブレット端末や非常勤職員、地域ボランティアの善意に大きく依存しており、極めて脆弱です。
Q15 外国人住民の孤立を防ぐ専任正規職員を配置する考えはないでしょうか?
答弁要旨
本市におきましては、外国籍住民のワンストップ相談窓口として、外国人総合相談センターを直営で設置し、非常勤職員だけでなく専任正規職員を配置しています。
また、各地域においては、地域課職員が外国籍住民の居場所にもなり得る日本語教室の運営に関わったり、地域住民の皆様と多文化共生事業を実施したりしています。
地域の中で、外国籍住民の孤立を防ぐ環境づくりが必要であると考えており、市として引き続きその支援に取り組んでまいります。 以上
市民意識調査において「自分と異なる人も受け入れたい」と回答した割合も、2023(令和5)年度の82.4%から2025(令和7)年度には65.9%へと急落(目標90.0%)しており、多文化共生の基盤が揺らいでいます。
学校現場においても、多文化共生支援事業費(事業費1,179万円、人件費638万円)が投じられているものの、来日直後の初期日本語指導を行う「プレクラス」の整備が追いついていません。
Q16 初期日本語指導を行う「プレクラス」の早期開設を推進すべきですがいかがですか。
答弁要旨
来日間もない外国人児童生徒に、母語による通訳支援だけでなく、基礎的な日本語や学校生活のルールなどを集中的に学ぶ場を設けることは、学校生活に円滑に適応していくための有効な手法であると考えております。
そのため、教育委員会といたしましては、神戸市をはじめとする他の自治体の先進事例の視察をするとともに、本年9月には、文部科学省を訪問し、国の制度について詳細に聞き取りを行うなど、昨日の東浦議員のご質問に対するご答弁のとおり、開設に向けた調査検討を進めているところでございます。
以上
朝鮮人学校就学補助金(令和7年度決算:646万円、対象76人、年額85,000円)については、近隣自治体の水準(宝塚市:初・中級部年額14万円等)や近年の物価高騰を踏まえ、子どもの学ぶ権利および教育の機会均等保障の観点から、制度の堅持と水準の引き上げが強く求められています。
Q17 子どもの学ぶ権利を守る立場から朝鮮人学校就学補助金を堅持し、物価高騰に応じた補助水準の引き上げを検討すべきではないでしょうか。
答弁要旨
朝鮮人学校就学補助金につきましては、朝鮮人学校が義務教育課程に相当する教育を行っていることや、その保護者が本市の納税者であること、また、これまでの歴史的経緯に加え、国際人権規約に定める、教育を受ける権利を保障する観点から交付しているものであり、本市といたしましては、制度を継続していく所存です。
一方、補助額の引上げにつきましては、昨今の物価高騰が保護者の負担にも影響を及ぼしているものと認識しておりますが、近隣都市の動向等を総合的に勘案し、検討してまいります。
以上



