2026年10月 決算特別委員会 川崎としみ議員による総括質疑

  1. 基金活用ルールの見直しについて

2025年度決算において、一般会計の実質収支は20億円(形式収支27億円)の黒字を確保しました。また、財政調整基金157億円、減債基金171億円、公共施設整備保全基金195億円と、主要3基金の残高合計は前年度比55億円増の522億円へと増え、過去最高水準に達しており、全基金残高合計は658億円となっています。

健全化判断比率を見ても、将来負担比率は前年度のマイナス7.7%からマイナス20.7%とさらに改善し、実質的な「無借金状態」となっています。市が掲げてきた「2032年度末の将来負担1,000億円以下」という目標も855億円へと大幅に前倒しで達成しました。このように、本市には極めて潤沢な財政余力があることは明らかです。

過去の「財政規律」を金科玉条とし、市民サービスを抑制・据え置き続ける姿勢は、今こそ根本から改められるべきです。

 

Q1 主要3基金が522億円に達し実質収支も20億円の黒字を確保している財政状況を踏まえ、2027年度の中間総括を待たず直ちに基金活用ルールを見直すべきです。物価高騰対策は災害級のものであると認識し、抜本的な市民生活支援へ舵を切るべきではありませんか。

 

答弁要旨

主要3基金については、堅調な税収や地方交付税の上振れなどによる決算剰余金の増、モーターボート競走事業からの収益事業収入の増などにより、残高が増加していますが、そのうち、公共施設整備保全基金については、目標として定める類似他都市並みの残高が概ね確保できていることから、和8年度より既に活用ルールを変更しております。

また、財政調整基金においては目標である類似中核市並の残高を確保できていない状況であります。

したがいまして、現時点で活用ルールを見直すのではなく中間総括の中で今後の収支の見通しなどを精査した上で、目標や活用ルールを検討してまいります。
なお、物価高騰対策につきましてはこれまでからも国の交付金を中心に一般財源も活用しながら様々な対策を行っているところですが、引き続き、その時々の社会経済情勢を注視しつつ、国や県の動向を踏まえる中で市民の生活状況やニーズをしっかりと見極めながら、財政調整基金の活用も含め、必要な財源を確保した上で、適時適切に対応してまいります。

 

 

⒉中小企業・小規模事業者への支援について

本市の実質GRP(市内総生産)はGDP比104.0%と堅調に推移しているとされていますが、これは主に大規模製造業の業績に支えられた結果に過ぎません。オープンイノベーション拠点「ARKade」の開設などスタートアップ支援を強調していますが、市内事業者の圧倒的多数を占める小規模零細企業や地域商店街は、原材料・エネルギー価格の高騰と実質賃金低下に伴う個人消費の低迷により深刻な経営難に直面しています。

市の中小企業金融施策である「兵庫県制度融資および信用保証料の補助」は一定のコスト軽減効果があるものの、手続きのタイムラグや対象枠の限定性といった実務上の高いハードルが存在します。現在、尼崎市内の事業者数16,695軒のうち、従業員10人未満の事業所は9,500軒にのぼります。しかし、今年度の信用保証料補助の利用件数は6月時点で63件、直近でも229件、全事業者数に比して極めてわずかな利用にとどまっているのが実態です。金融機関による審査基準は事業者の財務状況により異なり、返済困難な事業者ほど銀行や保証協会の審査に多大な時間を要しています。

私たち日本共産党議員団が重ねてきた中小零細事業者の皆さんとの懇談でも、「書類の取り寄せに2〜3週間かかり事務負担も重い」「仮に融資が決定しても資金が実行されるまで経営が持たない」「毎月の固定費や過去の借入返済を抱え、これ以上の借入れには返済の当てがなく踏み出せない」「本業以外にアルバイトを掛け持ちせざるを得ず、いつ廃業してもおかしくない」といった悲鳴が寄せられています。 現在の物価高騰はまさに「災害級」の危機です。これまでの「ため込み型財政」を改めるべき局面を迎えています。

 

Q2 大規模製造業やスタートアップ偏重の施策を見直し、地域経済の基盤である中小零細事業者や小売り商店への直接的な光熱費・家賃補助、事業承継支援へと予算の重点をシフトさせるべきではないでしょうか。

 

答弁要旨

本市の産業振興施策につきましては、特定の企業規模や業種に偏ることなく、中小零細企業を含め、企業自らが行う成長に向けた取組を後押しし、それぞれの経営課題に応じた支援に取り組んでおります。

中小零細企業に対しましても、事業承継支援や商店街の空き店舗活用補助金に加え、昨今の物価高騰対策として、県の中小企業等融資制度への信用保証料補助を、阪神間でもいち早く5月から実施するなど、事業継続や経営の下支えに取り組んでおります。

今後につきましても、光熱費や家賃に対する補助など、事業者の経費を直接補填する施策へ一律に重点を移す考えはございませんが、事業者の実情や施策の効果を踏まえ、必要な支援に取り組んでまいります。

 

 

3.学校給食の完全無償化について

2025年度決算では食材費高騰に対する公費補填が実施され、学校給食物資調達関係事業費に約16億7,900万円が充てられました。2026年度からは、小学校等において国の制度、中学校において臨時交付金を活用した公費負担が行われていますが、国の動向や時限的な交付金頼みの施策では制度の継続性に大きな不安が残ります。

国の判断をただ待つのではなく、子育て世代の切実な負担軽減を図るため、市独自財源による恒久的な無償化への決断が今こそ求められています。

 

Q3 交付金頼みの不透明な継続性に委ねるのではなく、522億円に達した基金残高などの財政余力を活かして、国に財源措置を要求しつつ、小中学校ともに市独自財源による恒久的な完全無償化へ踏み切るべきではないでしょうか。

 

答弁要旨

学校給食費の無償化については、子育て世帯の負担軽減を図る観点からも必要な施策であると

考えておりますが、その実現については、多額の財源が必要になることから、各自治体の財政力の格差により左右されることなく、国の財政負担により全国一律に実施することが望ましいと考えております。

こうした中で、国においては、令和8年度から小学校段階の学校給食費の抜本的な負担軽減を実施し、中学校への拡大については可能な限り、速やかに実現したいと昨年2月に明言されておりますことから、引き続き国における議論の状況を注視してまいりたいと考えております。

 

 

4. 中学校部活動の地域展開と学校開放について

中学校部活動の地域移行については、2025年度末時点でモデル校3校の「アマカツクラブ」(13クラブ)や認定地域クラブ(53クラブ)への移行が進められているものの、地域移行率は23%にとどまっており、2027年度の100%目標達成には大きな懸念があります。これまでの部活動が有料の地域クラブへ移行することにより、家庭の経済格差が子どもの活動参加の格差に直結することが強く危惧されています。

さらに、年間延べ約73万人が利用する学校開放事業においても、地域クラブの活動時間(17時〜19時等)確保に伴う利用制限が生じているほか、施策評価表には「体育館空調整備に伴う体育館利用の有料化の検討」が明記されています。

 

Q4 家庭の経済状況による利用格差を生じさせないよう助成制度をつくり、公費負担を前提とした地域クラブ移行方針にすべきです。また地域コミュニティやスポーツ活動を後退させかねない学校体育館のクーラー代と夜間グランド照明等の有料化は、負担を増やすべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

 

答弁要旨

本市では、子どもたちが引き続きスポーツや文化芸術活動に気軽に取り組めるよう、地域クラブ活動の充実を図るとともに、家庭の経済状況によって子どもたちの活動機会に格差が生じないよう、市が公費支援するアマカツクラブの会費については、月額3〜5千円程度を予定しております。

さらに、経済的困窮世帯に対しては、会費や保険料の負担軽減に向けた支援策を検討しているところです。

また、ご指摘の学校体育館空調と夜間照明の有料化については、公平性と受益者負担の適正化を図る観点から、必要な費用負担を徴収するものであり、適正な費用負担が地域コミュニティやスポーツ活動の後退につながるものではないと考えております。

 

 

5.特別支援教育について

あまよう特別支援学校においては、人工呼吸器を常時使用する児童生徒をはじめ、保護者の付き添いが一定程度解消された事例も見られるものの、依然として多くの保護者に付き添いが求められている実態があり、施策評価においても継続課題として位置づけられています。

 

Q5 全ての医療的ケア児に対して、保護者の付き添いがなくても登校できるよう、充分な医療的ケア体制の構築、なかでも看護師等の配置を抜本的に拡充すべきではありませんか?

 

答弁要旨

あまよう特別支援学校の医療的ケアを必要とする児童生徒の登下校を含めた保護者の付き添い解消につきましては、児童生徒が保護者と離れて主体的に学校生活を送ることによる自立や、教育的効果の向上、さらには保護者の負担軽減を図るため、十分な安全確保を大前提としながら段階的に取り組みを進めているところでございます。

具体的には、医療的ケアの実施に係る十分な引継ぎが可能であり、体調が安定している児童生徒を中心に、主治医の所見や保護者のご意見を十分に踏まえながら進めており、和7年度は、児童2名の登下校時を含む保護者付き添い解消を実現することができました。これは、医療機関や教職員、保護者の緊密な連携によって実現したものでございます。

今後につきましても、医療的ケアを必要とする児童生徒の安全確保や体調を最優先に考え、保護者や学校、関係機関と連携を密に図りながら、必要な看護師の確保と配置に、取り組んでまいります。

 

 

6.トイレの洋便器化について

衛生的な教育環境を整備するため、2025年度末には小学校2校、中学校1校、幼稚園3園でトイレの洋式化改修が実施されました。しかし、学校園全体の洋便器率は76.8%にとどまっています。また、初期に洋便器化されてから相当の年数が経過している施設もあり、今後の再改修や維持更新への対策も見落とすことはできません。

 

Q6 トイレの100%洋式化はいつまでに達成を考えているのか、前倒しで加速すべきではないでしょうか。

答弁要旨

学校のトイレについては、洋便器化に併せて設備や配管の改修等も実施しております。対象となる学校が多いため、一挙に整備することが難しく、計画的に年4程度の整備を進めており、和9年度末で80%の洋便器化率を目指しております。

令和10年度以降も、まずは児童、生徒が日常的に利用する校舎内全てのトイレの洋便器化に順次取り組む予定であり、他の施設整備との優先順位も調整しながら、計画的な整備に努めてまいります。

以上

 

 

7. あまっ子ステップ・アップ調査について

「あまっ子ステップ・アップ調査」事業について、未だに現場の学校の先生からも保護者の皆さんからも、これからも継続すべきだとの積極的な評価の声があまり聞こえてきません。むしろ、年度末という実施時期の不適切さや、帯学習など「点数を取るための学習」に偏重したあり方に強い疑問が呈されています。さらに、今年度から事業者が変更された経緯についても情報が十分に開示されておらず、施策のプロセスがブラックボックス化していると言わざるを得ません。

帯学習を過度に推進することには問題があると考えます。休み時間は単なる気晴らしではなく、集中力の回復、身体発達、社会性を支える重要な時間です。長時間の着席や指示待ちの学習で消耗した注意力は、自発的な休憩によって回復し、その後の授業への集中や理解が高まるとされています。休憩時間を削って帯学習に充てる手法は見直すべきです。

平均正答率の改善に向けてAI型ドリルや反復学習が強化されていますが、調査結果において「授業の内容はよくわかる」と回答した児童生徒の割合は、小学校国語78.5%、小学校算数77.2%、中学校国語71.7%、中学校数学67.0%と、全般に前年度から低下しています。点数引き上げを主眼とした反復ドリル偏重は、かえって子どもの学ぶ意欲を削いでいるのではないでしょうか。今求められているのは、一人ひとりが大切にされる教育の実践です。

今年9月11日付の「しんぶん赤旗」に掲載された山梨県の事例を紹介します。同県では6年間をかけて全小学校での「25人以下学級」を実現させました。現場の教員からは「支援が必要な子に、時間をかけて向き合えるようになった」との声が上がり、県教育庁の担当者も「25人学級導入前後の検証データを比較すると、子ども同士の関係、教員との関係、学校の楽しさの数値が明確に向上している」と解説しています。1学級を25人にすることで、児童生徒一人ひとりに寄り添った教育が大きく前進することが示されています。

私たち日本共産党議員団は、これまでも「あまっ子ステップ・アップ調査」の中止を求めてきました。本事業に充てられている予算は、教職員の増員をはじめとする教育環境の抜本的な改善にこそ振り替えるべきです。

 

Q7 25人の少人数学級など、一人一人に手が届く環境を実現させ、点数引き上げを主眼としたドリル偏重の競争的学力対策から、子どもの学習意欲や探究心を育てる教育へと転換すべきではないでしょうか?教育長の見解をもとめます。

答弁要旨

まず、ご指摘のありました「あまっ子ステップ・アップ調査事業」につきましては、同一の児童生徒の学力等の経年変化を可視化し、学びと育ち研究所と連携し、データに基づき今後の教育施策の立案につなげるために実施しているもので、県内近隣他都市におきましても、なんらかの調査事業が実施されているところです。なお、事業者につきましては、当初予定の委託期間が満了したことにより、昨年度末に改めてプロポーザル方式による業者選定を行い、新たな事業者を決定したところです。

また、ICT機器を活用したAI型デジタル学習ドリルにつきましては、授業時間の中や、帯学習の時間を活用しているもので、個に応じた学習を推進する上で有効なものと教育委員会として考えており

今後、学校間でのその活用のばらつきを解消していきたいと考えております。

学級規模を少人数化するアプローチでなく、先に述べましたこうした取組みを通じ、個別最適な学びの実現を図るとともに、児童生徒同士の学びあい、多様な他者と問題の発見や解決に挑む現場の先生方の

授業展開などを通じ、学習意欲や探究心を育む確かな学力の向上を推進して参ります。以上

 

8. 国民健康保険料・介護保険料について

2025年度決算において、国民健康保険事業費特別会計で約2億円、介護保険事業費特別会計で約9億円、後期高齢者医療事業費特別会計で約2億円と、福祉関連の特別会計でそれぞれ実質収支の黒字を計上しています。その一方で、物価高騰下において国保料の収入未済額は15億円(前年度比+1億円)に達し、収納率は91.18%まで低下傾向にあります。

 

Q8 特別会計の黒字や剰余金を活用して国保料・介護保険料の引き下げや減免枠の拡大を行うことはできないのか?

 

答弁要旨

国民健康保険事業費会計において生じた剰余金につきましては、これまでから、国民健康保険事業基金に積み立て、その一部を次年度以降の保険料の上昇抑制や減免の財源として活用しているところであり、令和8年度予算におきましては、保険料の上昇抑制や、減免の財源として、国民健康保険事業基金から約1億3千万円を活用することとしております。

なお、減免枠の拡大につきましては、保険料率の統一後においては、県内の全市町が統一基準に基づいて実施する方針であることから、新たに行う予定はございません。

 

答弁要旨

介護保険特別会計におけるいわゆる黒字部分については

国・県の負担金及び支払基金交付金の過大交付によるものが多く、翌年度に返還いたします。

残りの、主に第1号被保険者に係る保険料の余剰によるものについては、市の介護給付費準備基金として積み立てをしております。

介護保険制度における65歳以上の第1号被保険者に係る保険料につきましては、3年間を計画期間とする介護保険事業計画において、サービスの利用見込み等を算出し、それに基づき算定しており、その際には、この準備基金を全額活用して、保険料上昇抑制のための財源としております。

現在策定中の次期、第10期計画においても、同様の手法を用いることで、可能な限り介護保険料上昇の抑制に努めてまいります。以上

 

Q10 市は国保料の県統一化に踏み出さず、統一化に加わるのを2030年度いっぱいまで先延ばしにする考えはないのでしょうか?

 

答弁要旨

兵庫県は、県内の国民健康保険料率の統一時期について、令和9年度をその目安とする一方で、統一により保険料が急激に増加する市町の事情を考慮し、令和12年度までの移行期間を設けております。

本市におきましては、移行期間が必要となるような保険料の急激な増加は想定していないことから、県の方針に沿って、令和9年度の統一に向けた準備を進めているところであり、これを先延ばしする考えはございません。

 

 

全国知事会や全国市長会などの地方六団体も、構造的に高すぎる国保料を引き下げ、協会けんぽ等の公的医療保険と同水準にするため、国に対して「1兆円規模の公費投入」と国庫負担率の引き上げを強く要望しています。本市としても、市民負担軽減に向けて引き続き国への強い働きかけを求めます。

 

9. 放課後児童健全育成(学童保育)と公立保育所について

今年度、保育施設等における「定義上の待機児童ゼロ」は達成されました。しかし見過ごせないのは、年々減少してはいますが膨大な数の「隠れ待機児童」が存在している点です。その数は2023年度530人、2024年度400人、2025年度355人にのぼります。認可保育所等を申請しながら入所できていない児童の内訳は、特定の保育施設等を希望している方が227人、育休中で復職の確認が取れない方が93人、その他の事由が35人となっています。

昨日も「隠れ待機児童問題」について磯田議員が詳しく質問されていますが、重ねてお聞きします。

 

Q11 保育所の隠れ待機児童対策の取り組みを今後どのように進めていきますか?

 

答弁要旨

令和8年4月1日時点の本市の未入所児童数は355人と前年の400人に比べ45人減少しております。

未入所児童となったご家庭に対しましては、5月以降にアフターフォローコールをさせていただき、ご家庭のご意向を丁寧にお聞きする中で、保育施設等の空き状況も見据えなから、ご希望されていない保育施設等もご提案等させていたたくことで、一人でも多くの児童が早期に保育施設等の入所につながるよう支援しているところでございます。

今後におきましても、こうした地道な取り組みを進めていくことで、来年度も待機児童ゼロの継続と、未入所児童数の減少につなげるため、引き続き、誠意尽力してまいります。以上

 

また、児童ホーム(学童保育)の待機児童数は、2023年度205人、2024年度269人、2025年度323人、そして今年度は575人と年々深刻化の一途をたどっています。

施設や指導員不足を理由に、民間児童ホームへの補助や民間委託が模索されていますが、子どもの安全な居場所の保障はもちろん、「児童ホームは生活の場である」という本来の役割を軽視してはならず、自治体の公的責任を後退させることは許されません。

 

Q10 児童ホーム待機児童の早期解消に向けて、国基準の1部屋40人定員の児童ホームに転換することを原則にすること、さらに学校余裕教室の活用や指導員の処遇改善・正規配置を直営主導で進めるべきではありませんか?

 

答弁要旨

児童ホームの定員については、各自治体の状況に応じ、条例で定めるものとされており、本市条例においても厚生労働省令に基づきおおむね40人以下と規定しておりますが、平成27年4月時点で60人定員である既存施設に関しては、待機児童の解消という課題もあることから、経過措置として、当分の間、60人定員とするものとしており、現状においても多くの待機児童が生じていることから、直ちに40人定員に転換することは考えておりません。

なお、公設児童ホームにおいては、学校教室の活用のほか、専用施設の建設など、これまでも学校敷地内を優先に整備を進めてきたところです。

また、指導員の確保・定着に向けては、これまで有料求人サイトの活用やハローワークとの連携等による採用活動の強化、報酬の3%加算や期末・勤勉手当の引き上げなどの処遇改善に取り組んでおりますが、採用募集の応募者が年々減少するとともに、指導員の高年齢層化が進んでおり、その確保が困難なことから、令和4年度から労働者派遣制度を活用して必要な人員を確保している状況です。

そうしたことから、一部民間委託等の更なる民間活力の活用により、欠員の解消や要支援児童への対応、公設児童ホームの増設に要する指導員の確保を図り、将来にわたり安定的かつ継続的な運営体制を構築してまいりたいと考えております。

以上

 

 

また、「公立保育所の今後の基本的方向」に基づいて老朽施設の建替えに伴う民間移管(民営化)の調整が進められていますが、障害児保育や要保護児童の受け入れなど、公立が果たしてきた最後のセーフティネット機能を後退させるおそれがあります。

 

公立保育所には、重度障害児・医療的ケア児・外国籍児童・困難を抱える家庭を受け入れるセーフティネット機能、保育の質を高めるモデル・研究機能、民間園や地域への専門的支援、災害・感染症・民間撤退時にも保育を継続する危機管理機能があります。市全体の保育の質と子どもの権利を支える直営機能として、その役割を十分に検討すべきです。

 

Q11 以上のような役割を持っている、そしてまたインクルーシブ保育のセーフティネットでもある公立保育所のこれ以上の民間移管は見直すべきではないでしょうか。

 

答弁要旨

「公立保育所の今後の基本的方向」につきましては、庁内会議体や外部委員からなる懇話会で協議を行い、公立保育所が果たすべき役割や適正規模、適正配置の考え方等を整理した上で、パブリックコメントで寄せられた市民意見を踏まえて、令和8年5月に改定を行ったところです。

議員ご指摘の公的保育の「役割」に関しましても、「基本的方向」の中で「公立保育所が果たすべき役割」として整理を行っているもので、こうした役割に従い、より質の高い保育を行っていくことはもとより、特別な支援が必要なこどもの受入を市全体で更に進める観点から、令和8年度より、民間の保育施設へのサポートを含めた連携強化など、公立保育所が地域の支援拠点としてその役割を果たしていくよう、インクルーシブ保育に係る取組を強化しているところです。

なお、改定した「基本的方向」では、利用者の生活圏の視点も踏まえた地域バランスにも配慮しながら、公立保育所として存続させる保育所をこれまでの9所から11所へと見直すとともに、南杭瀬保育所は公立保育所として存続させる杭瀬保育所と統合し、残る、西長洲保育所、今北保育所、水堂保育所の3所については、本市の限りある資源を最大限活用しながら、多様化する保育ニーズへの適切な対応や老化した保育施設の環境改善等を適切に進め、より効率的な保育所運営を行っていくため、民間移管を進めていくこととしております。

今後の民間移管に関しましては、方針が決定したものから、順次とりまとめて民間移管計画を策定し、移管を実施してまいりますが、移管年度や移管手法、応募資格などの移管条件については、「第4次保育環境改善及び民間移管計画の取組の検証」を踏まえつつ、庁内関係部局や関係団体とも協議しながら検討してまいります。

以上

 

 

10.脱炭素施策について

気候変動対策への市民参加という点では、東京都杉並区が2024年3月から8月にかけて全6回開催した「気候区民会議」の先例があります。16歳以上の区民5,000人に無作為抽出で案内を送り、人口構成比の縮図となるよう選定された10代から70代の77名が参加しました。専門家からの情報提供を経た熟議の末、エネルギー・循環型社会・みどり・交通の4つのテーマで33項目の提言を区長に提出しました。区は「全庁横断の気候危機対策推進本部」で全提案を検討し、2025年3月には「意見提案に対する区の対応」を公表するなど、行政施策へ反映させる道筋を明確に示しています。

 

Q13 市民と共有、市民との協同の力で環境問題に積極的に取り組んでいける、公募型の市民気候会議を設置すべきと考えます。市民気候会議の設置について見解をお伺いします。

 

答弁要旨

本市は、かつて深刻な公害問題に直面する中で、市民・事業者・行政が連携し、環境改善に取り組んできた歴史があります。

現在も、あまがさき環境オープンカレッジをはじめ、多様な主体が環境について学び、意見を交わしながら、地域での実践活動に取り組んでいます。

ご提案の市民気候会議については、幅広い市民の皆様の意見を環境施策に生かしていくという趣旨は理解しておりますが希摂時点で設置する考えはございませんが、引き続き、これまで培ってきた官民連携・協働の関係がございますので市民や事業者の皆様と意見を交わしながら、環境問題の解決に向けて取り組んでまいります。

以上

 

 

11. 尼崎市営住宅建替等基本計画の削減計画と「家賃助成制度」の創設

公共施設マネジメントや尼崎市営住宅建替等基本計画に基づき、市営住宅の建替え・集約化と管理戸数の削減が進められています。しかし、戸数削減に伴い、高齢者、障害者、低所得者、若年子育て世帯などの入居倍率が高止まりしており、困窮層が必要な時期に入居できない事態が生じています。

また、子育て世代(特に住宅購入能力のある中間層以上)に対するマイホーム取得補助や、特定の層に限定した移住・定住インセンティブは、市場原理に乗れる層への「投資」として機能します。一方で、その裏側で行われている市営住宅の戸数削減や集約化は、自力で民間賃貸市場にアクセスできない高齢者や単身の困窮者から、最後のセーフティネットを奪う結果をもたらしています。「若くて活力ある層は優遇し、支援コストのかかる高齢者や貧困層は切り捨てるのか」という、行政の公的責任の根本が問われています。

「住宅は基本的人権である」という国際的共通認識に立ち、自治体自らがセーフティネットの枠を狭める方針は直ちに転換すべきです。

 

Q14 入居倍率が高止まりする中、セーフティネットである市営住宅の管理戸数削滅・縮小路線を改め、維持・確保に転換すべきではありませんか。

 

答弁要旨
本市の市営住宅は類似都市と比較して多くの戸数を有しており、持続可能な管理運営の観点から、建替えや廃止により戸数の削減を図ることとしています。また、現状、市営住宅の定期募集では、立地条件がよい等のため、多くの方にご応募いただいている住宅もある一方井で、募集われ住宅もあり、皿にその後の常時募集でも申し込みがない住宅もあること等から、住宅供給の面では充足しいているものと考えています。
 このような状況の中、セーフティーネット住宅として重要な役割を果たす市営住宅の課題は、ご指摘の戸数の不足ではなく、耐震性能やバリアフリー性能といった建物本体や設備面等にあることから、「尼崎市市営住宅建て替え等基本計画」に基づき、集約建替えや既存住宅へのエレベーター設置を進めており、今後も計画を着実に推進してまいります。以上

 

 

12. 多文化共生施策と朝鮮人学校就学補助金について

市内の外国籍住民の増加に伴い、外国人総合相談窓口への相談件数は延べ1,892件に急増しています。しかし、窓口の体制は通訳タブレット端末や非常勤職員、地域ボランティアの善意に大きく依存しており、極めて脆弱です。

 

Q15 外国人住民の孤立を防ぐ専任正規職員を配置する考えはないでしょうか?

 

答弁要旨

本市におきましては、外国籍住民のワンストップ相談窓口として、外国人総合相談センターを直営で設置し、非常勤職員だけでなく専任正規職員を配置しています。

また、各地域においては、地域課職員が外国籍住民の居場所にもなり得る日本語教室の運営に関わったり、地域住民の皆様と多文化共生事業を実施したりしています。

地域の中で、外国籍住民の孤立を防ぐ環境づくりが必要であると考えており、市として引き続きその支援に取り組んでまいります。 以上

 

市民意識調査において「自分と異なる人も受け入れたい」と回答した割合も、2023(令和5)年度の82.4%から2025(令和7)年度には65.9%へと急落(目標90.0%)しており、多文化共生の基盤が揺らいでいます。

学校現場においても、多文化共生支援事業費(事業費1,179万円、人件費638万円)が投じられているものの、来日直後の初期日本語指導を行う「プレクラス」の整備が追いついていません。

 

Q16 初期日本語指導を行う「プレクラス」の早期開設を推進すべきですがいかがですか。

 

答弁要旨

来日間もない外国人児童生徒に、母語による通訳支援だけでなく、基礎的な日本語や学校生活のルールなどを集中的に学ぶ場を設けることは、学校生活に円滑に適応していくための有効な手法であると考えております。

そのため、教育委員会といたしましては、神戸市をはじめとする他の自治体の先進事例の視察をするとともに、本年9月には、文部科学省を訪問し、国の制度について詳細に聞き取りを行うなど、昨日の東浦議員のご質問に対するご答弁のとおり、開設に向けた調査検討を進めているところでございます。

以上

 

朝鮮人学校就学補助金(令和7年度決算:646万円、対象76人、年額85,000円)については、近隣自治体の水準(宝塚市:初・中級部年額14万円等)や近年の物価高騰を踏まえ、子どもの学ぶ権利および教育の機会均等保障の観点から、制度の堅持と水準の引き上げが強く求められています。

 

Q17 子どもの学ぶ権利を守る立場から朝鮮人学校就学補助金を堅持し、物価高騰に応じた補助水準の引き上げを検討すべきではないでしょうか。

 

答弁要旨

朝鮮人学校就学補助金につきましては、朝鮮人学校が義務教育課程に相当する教育を行っていることや、その保護者が本市の納税者であること、また、これまでの歴史的経緯に加え、国際人権規約に定める、教育を受ける権利を保障する観点から交付しているものであり、本市といたしましては、制度を継続していく所存です。

一方、補助額の引上げにつきましては、昨今の物価高騰が保護者の負担にも影響を及ぼしているものと認識しておりますが、近隣都市の動向等を総合的に勘案し、検討してまいります。

以上

 

2026年3月議会 総括質疑② こむら潤議員 雨水貯留管整備・教育のあり方・学校と地域連携について

【雨水貯留管の整備について】

2025年3月に尼崎市総合治水対策基本ガイドラインが策定されました。概要をまとめると、

「国土交通省が、大雨の原因である気候変動に対し提言をまとめ、降雨量の増大に対応して2021 年(流域治水関連法)が改正され、ハード整備の加速化・充実や治水計画の見直し、また流域全体において、国・流域自治体・企業・住民等、あらゆる関係者が協働し、ハード対策・ソフト対策を総動員した「流域治水」への転換が図られています。そのもとで市民、事業者、行政向けに内容の見直しを行い、新たなガイドラインとしてまとめました」とあります。

 

これまでの治水対策である「河川下水道対策」に加え、流域全体で雨水を一時的に貯留し、又は地下へ浸透させることで、河川、下水道への雨水の集中的な流出の抑制を図る「流域対策」、浸水が発生した場合において被害の軽減を図る「減災対策」を効果的に組み合わせて実施する「総合治水」に取り組むことが重要となっています。

 

大きく「ながす」「ためる」「そなえる」の三つの対策に分類し計画して総合治水に取り組むということですが、今日は「ながす」機能として整備を進めようとしている武庫分区の雨水貯留管整備計画について、代表質疑でわが会派の川崎議員が質問しました内容を、さらに詳しくお聞きしていきたいと思います。

 

Q1.そもそも、浸水対策として武庫分区の雨水貯留はどのくらいの容量が実際必要とされているのでしょうか?尼宝線と山手幹線のL字型から、山手幹線だけの直線型にして、貯留容量は変更されたのですか?

 

答弁要旨

雨水貯留管の整備水準につきましては、10年確率降雨1時間51 .7mmに対して整備することとなり、武庫分区の雨水貯留管の全体の計画としては、約2万㎥(立米)の貯留が必要となります。

武庫分区の2つの工区のうち、山手幹線工区の貯留管(これから整備するもの)必要容量としましては

全体の4分の3となる約1 万5千㎥(立米)となります。

以上

 当初、武庫分区の雨水貯留管計画は20,000㎥と説明されていました。(直径2~4m、地下20m)根拠は国の方針に則り、計画確率降雨を6年確率の46.8ミリから10年確率の51.7ミリに引き上げた差+5ミリ分という説明でした。尼宝線地下の南北に引く管は、武庫地域の幹線(武庫H,F,E,I,)から雨水を引き込むとしていて距離も長かったが、それは作らず容量が20,000㎥以下(15,000㎥)に減る…なぜ減らせたのか?単純に疑問です。

その残りの5,000㎥の雨水はどのように処理するのでしょうか?以前は「20,000㎥の貯留能力が必要だ」というのが、当局が計画の必要性を主張する論点だったと、私は記憶しています。

 

Q2.武庫分区の貯留管計画を変更した理由と、変更した内容について簡潔にお答えください。

 答弁要旨 

 近年の社会経済情勢の影響を受け、人件費や物価が高騰する中で、当初の武庫分区雨水貯留管整備計画では、費用対効果の観点から国の補助採択要件を満たせないことが令和5年度に明らかとなったため、事業費を削減した整備計画に見直し、校区を2つに分割して、早期に浸水対策の事業効果が発現できる山手幹線工区から事業着手していくことといたしました。
 一方の尼崎宝塚線工区につきましては、山手感染工区を整備後、社会経済情勢や周辺地域の浸水状況等を踏まえ、改めて事業効果を分析・評価し、事業手法を検討していく考えでございます。以上

Q3.当初計画の予算額と、計画変更後の予算額は変わりますか?

総額は国庫補助と市財半々で100億円の事業と聞いていました。現在の総額見込みはいくらですか?工事期間は最短見込みで何年ですか?

 答弁要旨 

当初計画から変更した理由等は、先にご答弁したとおりですが、当初の武庫分区雨水貯留管整備計画( L 字の計画)の事業費は約100億円に対し、人件費や物価が高騰する中で、約150億円を超える額となることが判明し、工区を2つに分割し、山手幹線工区から事業着手する計画に見直しました。

現時点においては山手幹線工区の設計等もこれからであることから、大まかな概算となりますが、山手幹線工区の事業費としましては、物価高騰等も見込まなければならないが現段階では約100億円、工事期間としては7年程度を見込んでおります。

今後、関係機関等との協議を踏まえ、設計等、進めていく中で事業費や工区について検討してまいります。

以上

物価の高騰で資材や人件費もあがっているので、当然、総額も増えていくことになると思います。ちなみに工事期間については、当初計画では、発進立坑と到達立坑、2か所の公園に穴を掘る計画だったこともあり7年半でした。

こうした金額や工期についても、そもそものところで、市民に必要性をじゅうぶん理解してもらわなければ進まない話ではないでしょうか。

 

総合治水ガイドラインの見直しで、流域治水の考え方が大きく変わってきました。市民に理解を得ながらあらゆる方法で雨水を貯める、活用する、そして計画的に流すことがさらに求められていきます。以前は総合的に見て現実的ではないと当局が言っていた校庭貯留や各家庭で雨水を貯める雨水槽の普及などがガイドラインに盛り込まれたことは画期的です。

 

Q4. 雨水貯留管の計画を進めるのであれば、計画変更の内容説明だけでなく、浸水の危険性と防ぐための有効性など、市民にその都度丁寧な説明を常におこなう、また市民とともに考える場をもってこそ、市民と協働した「流域治水」となるのではないでしょうか?

 答弁要旨 

 これまでから、雨水貯留管整備事業を進める中で、浸水対策等の必要性について、市民の皆様の理解を深め、考えていただく場として、地域団体等への説明や出前講座のほか、また直近では本市2月にも市民説明会を実施してきたところでございます。 
 今後につきましても、雨水貯留管の必要性や被害を軽減する効果について、市民の皆様にご理解いただけるよう、機会をとらえて場を設け、引き続き丁寧な説明に努めることで、市民の皆様と協働した取組として事業を進めてまいりたいと考えております。以上

ガイドライン全体から伝わってくるのは、市民が主体的に「自分たちのまちはどういう特徴があり、どんな対策が必要なのか?」という事をともに作っていこうという観点がみられず、「行政がつくった計画通りに一方的に役割を与えられ、協力する市民像」として市民をとらえられている点です。これが当初の計画からずっと感じてきたことであり、今も転換されていないところだと思います。町会長、農会の了解にとどまらず、地域住民との合意形成に努めることを要望します。

 

【子ども一人ひとりに寄り添った教育のあり方について】

 今年度の2学期から学級崩壊状態になった、ある学年の保護者の方々から「子どもたちが毎日、学校に行きたくないと言うのを、なんとか登校させている」「子どもたちが落ち着いて勉強できる環境に改善してほしい」と切実な相談を受けました。保護者の皆さんは学校からの要請で授業の見守りにも足を運びましたが、状況は改善せず、11月下旬、保護者有志は複数人で学校長、本市教育委員会あてに要望書を提出されました。子どもたちの中には、不登校になる、転校する子も出ています。

また私も、12月末には保護者の方々と懇談、また学校長とも面談させていただき、2月には共産党議員団で教育委員会とも懇談の機会をもっていただきました。

 

こうして各方面から聞き取った中から、課題と感じたことを申し上げると、コロナパンデミック後、家庭訪問は希望者にはおこなうが、それ以外はポストインのみ、学級懇談会は年に一回程度など、保護者と学校や担任が顔を合わせて、子どもたちの様子について話をする機会がコロナ前に比べて極端に少なくなっている、ということです。どこの学校でも、PTA活動も縮小し、元には戻っていないところが大半ではないでしょうか。

 

また、保護者からは「子どもたちと学級担任がじっくりと話をする機会が少ない」ともお聞きしました。一番深刻な状況になっているクラスでは、2学期以降、騒いだりルールを守らない子どもがいても、先生は授業を止めることなく、淡々と授業を進めるばかりだそうです。もちろん、支援員も入っておられて、担任の先生は授業を中断させないことに注力する、という役割を果たそうとしていることは、大人には理解できます。

 

騒ぐ子の対応はもちろん必要ですが、騒がずに、そして我慢して学校に来ている子どもが、本当は担任の先生にいろいろ言いたいことや聞いてほしいことがある、そんな気持ちを打ち明ける隙が、いま無い、「先生は私の話を聞いてくれない」と子どもが感じているということが問題ではないでしょうか。これは、「子どもの権利が保障できていない」状態であると重く受け止めなければいけません。

 

先日の文教予算分科会では、委員からの発言で「あまっ子ステップアップ調査の影響で、テストまでに、この範囲まで授業を済ませておくように』など授業の進め方を制限される」という事が指摘されました。教員が、学級や子どもたちの様子を見て授業の塩梅をきめる余裕がないほど、学力調査等で教員の働き方が多忙になっていることによって、「子ども達に寄りそう教育」を現場から奪ってしまっていないでしょうか。

また保護者も共働きが増え、さらにコロナの影響で学校行事や節目、PTA活動などで学校に関わる時間や条件が減っていることも、学校運営にとって影響が出てきているのではないでしょうか。

もう一つ、学力向上を追い求め導入された「帯学習」は、わずかなスキマ時間にも小テストや小学習をおこなうものです。これにより、担任と児童生徒、また子ども同志がコミュニケーションをとる「ゆとり」や、気持ちの切り替えをおこなう「息抜き」を奪ってはいないでしょうか。

 

Q5.学力至上主義的な、全国学力テストや、あまっ子ステップアップ調査などの学力テスト、また帯学習よりも、学校や教員が子どもや保護者と顔を突き合わせて、とことん話す機会を増やすべきではありませんか?


答弁要旨

あまっ子ステップ・アップ調査や全国学力・学習状況調査は、児童生徒の学力や学習状況を客観的に把握し、個に応じた指導の充実や学習状況の改善を図るための取組であり、各学校の教員もweb分析システムを活用し、必要に応じて調査結果を参照しながら指導に役立てているところでございます。

なお、これらの学力調査では、学力調査とあわせて生活実態調査を実施しており、学習意欲や生活習慣、子どもたちの心の状態についても把握するなど、テストの点数のみを追い求めるものではなく、寄り添った指導につなげるための調査でございます。

また、帯学習につきましても、基礎的。基本的な学力の定着を図る上で重要な取組であると認識しております。一方で、議員ご指摘のとおり、これらの取り組みのみで子どもたち一人ひとりの成長を十分に支えることは難しく、児童生徒の生活面や心の状況も含めた丁寧な把握と支援が重要であると考えております。
 教育委員会といたしましては、学力向上の取組と子どもに寄り添う教育は相反するものではなく、一人ひとりの状況を的確に把握することが、寄り添った教育の基盤になるものと考えております。教育DX化等の推進により教職員が子どもと向き合う時間の確保を図るとともに、学校運営協議会の活動等を通じて、学校と家庭・地域が連携した教育活動の充実に向けた取組を進めてまいります。以上

 

Q6.コロナパンデミック以降の、学校と保護者の関係性、および子どもとのコミュニケーションについて教育委員会はその変化をどう捉えていますか?コロナ禍で失ったもの、ポストコロナに取り組むべき課題について、教育委員会は議論や検証をおこないましたか?

答弁要旨

コロナ禍において、様々な行動制限が行われたことなどにより、教育活動における対面でのコミュニケーションにおける子どもの様子について、 保護者のお声、様々な調査結果等から、課題があることを認識しています。

令和5年5月にコロナが第5類感染症となった後の教育活動等については、単にコロナ禍前の取組に戻すのではなく、コロナ禍で工夫した取組や児童生徒の体験不足等を加味しながら、各学校の実情に応じた対応を進めております。その際には、保護者や地域の皆様のご意見もお聞きしながら、顔の見える関係を大切にして、学校行事やPTA活動等を進めているところです。また、各学校園におきましては、学校行事やオープンスクールの際の保護者アンケートや学校評価で意見聴取を行うとともに、その結果を公表し、学校と保護者、地域と成果や課題を共有し、行事等の実施方法等を検討しております。教育委員会といたしましては、コロナ禍の影響に特化した検証は行っておりませんが、各学校の学校評価の報告や学校運営協議会の委員の方々からいただくご意見等を通じて、学校の状況の把握に努めているところです。今後も教員の働き方改革や教育DX化の推進などにより、教員が児童生徒と向き合う時間を確保し、制限された環境下で学んできた子どもたちに対し、対人関係を構築し、協調性や社会性を養う機会の確保を行うとともに、教員と児童生徒との信頼関係、学校と保護者との関係性の向上や信頼ある学校づくりを支援してまいります。 以上

 

【学校と地域の連携(コミュニティスクールの機能強化)について】

 

子育て世代の転入、定住の促進を掲げる本市は、新年度から子育て政策として、児童相談所の設立や、不登校対策のフラッグシップとなる学びの多様化学校の開校を予定しています。

不登校児童生徒に対する多様な居場所づくりや、支援体制の充実はとても大切なことですが、やはりそれは対処療法にすぎません。学校現場で、教員が不足している、子どもに十分向き合えていない、学級運営がままならない、そういう所にスピード感をもって適切な対応(スタッフの加配、少人数教育体制など)ができれば、またインクルーシブな教育が徹底されていれば、学校は多様な子どもの居場所になれるはずではないでしょうか。

 

また同時に、学校だけで解決できない問題もあることは確かで、学校が地域や保護者、PTAと協力し合い、連携をとって子どもを取り巻く環境をつくっていくべきだと考えます。

居場所を失った子ども、地域で問題行動を起こしてしまう子どもに対しても、地域の大人たちがどう関わっていくか、これもコロナ後に課題となっていると感じています。

 

地域の少年補導員からは「いま学校でどういうことが起きているか、なにも情報が来ない」とお聞きしています。また、コロナ以前には高校の校長先生が長となり地域の民生児童委員、少年補導員、保護司、警察、保護者会、小中学校の生徒指導担当、教頭が集まり、地域で子どもたちを見守り、子ども達が置かれている状況を情報交換する場がありましたが、いまはおこなわれていないようです。先日の文教予算分科会でお聞きすると「青少年健全育成協議会は学校運営協議会に主体が移っている」とのことでした。

 

Q7.地域で児童生徒を見守る体制として学校運営協議会はどのように役割を果たしているのですか?

 答弁要旨

 中学校区健全育成協議会では、中学校を核として、保護者や地域住民、関係機関との協働により、児童生徒の健全育成を図るための協議と活動を行ってきたところです。現在は、コミュニティ・スクールの導入に伴い、その役割は学校運営協議会へ引き継がれております。
 学校運営協議会では、委員である地域の方などと共に、児童生徒の健全育成のみならず、不登校対策や学力向上など、学校運営に関わる様々な課題やその必要な支援について協議を行っております。  以上

 地域によって学校運営協議会の取り組みはさまざまだろうと思います。それぞれの地域や学校の特徴や歴史が違うので、画一化することはないと思いますが、コミュニティ・スクールという取り組みは、新しい形で地域ぐるみで子どもたちを支えるいろんな可能性を持っていると考えます。

 

Q8.コミュニティ・スクールを地域と学校の連携を進める体制として、より活発に展開すべきと考えますが、課題はどんなところにあると考えていますか?

 答弁要旨

 校長および学校運営協議会会長を対象に行った調査結果では、子どもたちの学びや成長を支える環境づくりにつながるとの期待が大きい一方で、学校が抱える課題などの解決策を見いだせたと回答した割合は回答者の3割程度とそれほど高くないのが現状です。
 令和7年度に全市立学校へのコミュニティ・スクールの導入が完了しましたが、活発な取り組みを進めている学校もある一方で、導入から年数の浅い学校も多数あり、制度を活かした取り組みが進んでいない学校があることも認識しております。

当該制度をより活発に展開していくためには、制度への理解を深めるとともに、地域と学校の互いに対する理解と信頼が必要であると考えており、そのためには一定の時間を要するものと考えております。

今後も、コミュニティ・スクールが、学校の課題を解決する一助となるよう、引き続き行政職員による学校運営協議会へのオブザーバー出席や研修会の実施、地域に向けた取組の情報発信などの伴走支援を6地区の地域課とも連携しながら行うことにより、取組を一層進めてまいります。       以上

 

2026年3月議会 総括質疑① 松沢ちづる議員 国保料完全統一導入・精神医療付加金・介護事業支援・地域公共交通会議など

<総括質疑> 

こんにちは 日本共産党議員団です。
小村潤議員と、私松沢ちづるが総括質疑を行います。よろしくお願いします。

 まず、国民健康保険の保険料水準の完全統一の導入に向けてお聞きします。

 尼崎市は、2027年度から保険料水準の完全統一導入を進めようとしていると説明を受けています。総括質疑では、2つの点について質問します。

一点目は、国保加入世帯それぞれの保険料がどうなるのかということです。今年度の保険料で当局に試算をしてもらったところ、一人世帯で収入200万円の場合は若干下がり、100万円では上がるだろうとお聞きしています。

 

Q1 2人以上の世帯構成では、また他の所得層では保険料はどのようになるか。見通しをお聞かせください。

答弁要旨

 本市の国民健康保険料は、所得に対する所得割額、被保険者1人当たりの被保険者均等割額、1世帯に対する世帯別平等割額で構成しており、それぞれに適正な保険料率を算定しております。

兵庫県におきましては、令和9年度を目安として、県下 -律の保険料率へ移行することとしておりますが、移行後は現行と比べて、所得割率は減少し、被保険者均等割額及び世帯別平等割額は増加する見込みです。

こうした前提条件のもと試算いたしますと、給与収入が 500万円で、夫婦と就学児2人の4人世帯では、年間保険料は現行より1万2千円ほど下がりますが、同じ世帯構成であっても、給与収入が200万円の場合は、100 円ほどの下がり幅となる見込みです。

以上

 本市保険料の滞納状況は、現年度分の24年度決算で8,327世帯、全加入世帯の14.5%、滞納総額約6.09億円です。これは、加入者の怠慢ではなく高すぎて払いきれない結果です。他の公的医療保険は所得で保険料が決まりますが、国保は所得だけでなく、世帯構成員の数や1世帯ごとの平等割という要素が加わります。そのため同じくらいの所得・家族構成の協会けんぽと保険料を比較すると、国保は約2.3倍の高額になります。「国保料は高すぎる」根本的な原因がここにあります。

 完全統一によって、27年度以降保険料の決定は県に委ねられることになりますが、尼崎の国保加入者の医療を守る責任は本市にあります。

 

Q2 完全統一後、国保料の引上げを抑制するために市は何をしていきますか。

答弁要旨
 保険料水準の完全統-後は、これまでのように基金を活用した保険料の抑制は出来なくなりますが、公的医療保険の保険者として、市が保険料の引き上げを抑制し、保険財政の健全化を図ることは、必要であると考えています。
 こうした中、兵庫県では、国民健康保険運営方針に沿って、特定健診。特定保健指導をはじめとした医療費の適正化に向けた取組、レセプト点検などの保険給付の適正化に向けた取組、保険料収納率の向上に向けた取組の充実強化を図ることとしており、本市におきましてもこれらの取組を推進することにより、保険料の引き上げを抑制していきたいと考えています。 以上

2点目、完全統一によって精神医療付加金が廃止される方向だということについてお聞きします。

 精神医療は、障害者手帳1・2級以外でも精神科医の意見書によって自立支援医療の対象となり公費助成が受けられ、通院の窓口負担は1割です。更に精神医療付加金の制度によって、1ヶ月の医療費本人負担の5%または自己負担額のいずれか少ない額が、後に償還されています。

当事者にお聞きしたところ、通院だけなら月1,000円ぐらい、デイサービスや訪問看護を利用すると3,000円を超える償還があるようです。精神医療付加金の廃止で、これがなくなる訳です。通院する多くの方は、社会不適応をおこし仕事や学業が続けらず、社会復帰もままならず、本人や家族の生活は厳しいものがあります。月々1000円から3000円ですが、物価高騰がつづく現在、くらしの苦しさに追い打ちをかけます。

 県下で現在精神医療付加金を実施しているのは、尼崎市の他、芦屋市・相生市・赤穂市・福崎町・神河町、全国では5都府県とお聞きしています。多くの自治体が、2006年自立支援医療制度ができた時点で、精神医療付加金を廃止しているともお聞きしています。

Q3  尼崎市は、2006年多くの自治体が廃止を決めた下でも、この制度をこれまで続けてきました。そこには市としての考えがあったと思います。それは何ですか。また、今回廃止を決断するに至った経過もお答えください。

答弁要旨
 平成18年に障害者自立支援法が施行された後も、本市におきましては、精神医療付加金の給付を継続してまいりましたが、これは平成1 7年1 1月に尼崎市国民健康保険運営協議会から、「精神医療付加金の廃止に伴い自己負担が増加し、受診抑制につながるといった問題があるため、廃止は認められない」との答申があったことを要因としています。

そうした中、運営基盤の強化に向け、平成30年度に国民健康保険制度の都道府県単位化が実現し、令和9 年度を目安として、県下-律の保険料水準に移行することとなったものであり、移行に際しましては、各市町の負担に偏りが生じないよう、公費や経費の相互扶助化を前提として、県下で協議を重ねた結果、兵庫県から本市独自の給付である精神医療付加金は廃止するとの方針が示されたものです。  以上

 

次に介護事業所の支援策についてお聞きします。

 尼崎市は第10期介護保険事業計画を新年度策定するために、ケアマネ―ジャー・施設通所系・訪問系に分けて介護人材等に関するアンケート調査を1~2月に実施、現在結果の集約分析を事業者委託中とお聞きしています。共産党議員団は、くり返し介護事業者の実態把握とそれに基づいた事業者支援を求めてきましたので、アンケート調査の結果を大変注目しています。

 介護保険事業計画は3年毎に改定されていますが、第7期2018年~20年、8期21年~23年、そして現在の第9期23年~26年、いずれも介護サービス基盤の整備や介護人材の確保と定着が計画の中に盛り込まれてきました。しかし具体的には、第8期にやっとキャリアアップ支援で研修費用の一部を補助する支援策がはじまりました。新年度も介護人材確保支援事業として、今年度と同額の530万円が計上されていますが、支援対策はこれだけです。

一方、人材確保と定着が同じく大きな課題となっている保育分野ではどうでしょうか。保育士・保育所支援センターが庁内に設置され、保育士確保事業として新卒10万円・潜在保育士は5万円の一時金支給、宿舎借り上げ支援、奨学金返済支援があり、これらの総額は約1.7億円です。予算規模でも支援メニューの数でも、尼崎市が子育て支援策を優先し、介護は脇に置いている姿勢が見て取れます。

12月議会の一般質問で、私は新潟県村上市の支援策を紹介しました。当局は、村上市は財源を介護保険特別会計の中で賄っており、これでは65歳以上の介護保険料がさらに高くなってしまうので、尼崎市ではできないと答弁されました。私は、尼崎市の場合だったら高齢者の介護保険料に財源を求めるのではなく一般財源で考えられないかという思考さえない、とても冷たい、介護現場の実態を見ようとしない答弁だったと思っています。

私は、昨年11月いくつかの訪問介護事業所に聞き取り調査をしました。現場からは、介護人材確保支援事業は無いよりはましだけれど、決して人材確保や定着に効果があるとは言えないという声を聞いています。

 70歳を越えてヘルパーを続けている方は「この仕事が好きだからやっているけれど、同年代の仲間が亡くなった。ムリをしたと思う。私も家族からそろそろ辞めたらどうかと言われている。でも、私が辞めたら私の担当分を誰かがムリして引き受けることになる。やめるにやめられない。」と話されます。

事業所責任者は、運営は毎月ギリギリでヘルパーの賃金アップは困難。ニーズに合わせてヘルパーをもっと確保したいけど、ヘルパーを常時募集しているが応募に全く反応がないとおっしゃっています。 

ケアマネージャーからは、高齢化や、介護サービスでは対応できない部分のサポートや、利用者負担の限界から他に依頼できずケアマネ自身が代行するといったシャドーワークが問題点だと指摘されています。

介護現場は、切に事業継続と人材確保の支援を求めています。

 

Q4 新たな介護事業所の支援メニューとして、現段階でどんなものを想定していますか。

答弁要旨

議員ご紹介のとおり、市内の介護事業所を対象としたアンケート調査を実施しており、現在、その結果の集計・分析に取り組んでいるところでございます。

現時点ではいろいろなデータを見定める必要があるため、現場の実態や課題、また必要とされる支援の方向性を十分に整理するには至っておらず、具体的な支援メニューをお示しできる段階にはございませんが、引き続き、アンケート結果の丁寧な分析を進めるとともに介護人材確保策にかかる国の動向も注視しつつ、事業所の実情に即した支援のあり方について、次期計画策定の中で幅広く検討してまいります。 

以上

 

次に、今後の公共交通政策についてお聞きします。

 

 新年度予算案で、路線バス運行支援補助金――阪神バスが経営上努力をしても赤字が出る路線の補助金のことです。市バスが阪神バスに移譲されて10年余り、補助金額はずっと「2億円を超えない」という暗黙のルールがあったと思いますが、はじめて2億円をオーバーします。

 今回、県道園田西武庫線藻川工区の開通に伴って新設される路線があり、その影響による増額とお聞きしていますが、建設消防防災分科会ではもう少し踏み込んだ説明がされているようです。

 

Q5 地域公共交通会議で、路線のあり方や補助金のあり方についての見直し検討がはじまっているのでしょうか。

答弁要旨
 路線バス運行支援補助金については、平成28年度に市営バス路線を阪神バスへ委譲して以来、阪神バスの経営努力をもってしても赤字が想定される路線を対象に交付してきたものですが、移譲後1 0年が経過する中、公共施設の再配置や工場跡地などの大規模開発が行われ、様相も変化していることから、持続可能な公共交に向けて、バス路線ネットワークや補助金のあり方について、見直す時期にきていると考えております。

しかしながら、現時点では、バス利用者がどこで乗り、どこで降りているか 、基礎データが本市にも阪神バスにも不足しているため、来年度に乗降人数自動集計システムを導入し、データを収集したうえで、検討を進めていきたいと考えています。

以上

 昨年11・12月東園田地域でオンデマンド交通の実証実験が行われました。予約件数は1日平均1.7件とふるわず、アンケート調査では「知らなかった」「運行範囲が狭かった」「1乗車500円は高いのではないか」といった声が多かったようです。市はこれらを受けて、新年度引き続き実証実験を行おうとしています。

 

Q6 オンデマンド交通の実証実験は、新年度エリアを拡大する以外に昨年の実施内容に変更はありますか。

答弁要旨

今年度の実証運行後に実施したアンケート調査以外にも、今年度A Iオンデマンド型交通の実証運行前後に、地域の方を対象とした説明会や園田駅前でのPR、地域交通を考えるワークショップ等を開催し、地域の方が感じている移動の不便さなどについて直接お伺いしてまいりました。

それらを踏まえ、来年度に向けては、園田地区内でのエリア拡大のほか、運行期間の延長、運行時間帯の見直しや料金プランの充実などに取り組んでいきたいと考えております。

具体の内容については、交通事業者、関係機関等と合意形成を図りながら、地域公共交通会議等にもお諮りした上で、より良いものとなるよう検討してまいります。

以上

 

 最後に、地域公共交通会議についてお聞きします。

 市バスが阪神バスに移譲され10年を経過しました。この間に、バス会社はガソリン代の高騰やバス運転手の人材不足といった経営上の課題が突き付けられ、路線見直しや便数の削減が行われてきました。市民にとっては、路線バスはくらしや社会参加の足となる貴重な社会資源なので、路線見直しという削減や減便にはNOの声が上がり、この地域にバス路線新設をという要望も上がってきます。共産党議員団がお聞きしているだけでも、大庄地域での路線変更やバス停削減への苦情、田能地域の便数が少なすぎるという苦情、築地にバス路線を延長して欲しいという要望、若王寺界隈から総合医療センター行の運行時間をもっと早くして欲しい、バス停にベンチや屋根を付けて欲しいなど様々です。

 こうした地域の要望を把握することは、公共交通政策を検討する地域公共交通会議にとって必要な情報だと思います。

 

Q7 地域公共交通会議として、地域要望を聞く場を設定すべきと考えますがいかがですか。

答弁要旨

地域公共交通会議は道路運送法に基づく会議体で、地域にふさわしい公共交通をつくりあげていくため、関係者が協議して決める場であり、本市では、事務局を担う市のほか、市民。利用者をはじめ、バスやタクシーの交通事業者、運転手団体、学識経験者、道路管理者、警察、国、県といった様々な立場の方に参画いただいています。

この会議は路線便数や上屋の設置など地域の個々の要望を直接お聞きする場ではなく、お尋ねの意見や要望などは、別途、市がお伺いし、とりまとめたものを地域公共交通会議に諮っていくことになります。

以上

 

決算特別委員会 総括質疑の質問と答弁要旨【松沢ちづる】

決算総括質疑                 

おはようございます。日本共産党議員団の松澤千鶴です。会派を代表して、2024年度の決算総括を行います。

 まず、外国籍の保護者に対する就学援助 特に新入学学用品費の制度説明についてお聞きします。1月に行われる入学説明会の際、制度利用について保護者に就学援助の資料がは付されているとお聞きしています。

 

Q1 説明資料は多言語で行われているのですか。

 

答弁要旨

 近年、外国籍の保護者が窓口に来られる機会が増えており、学校現場や教育委員会においては、就学援助に限らず、外国籍の方にはできるだけ丁寧に、やさしい日本語で説明しておりますが、十分に理解していただけない場合には通訳機械「ポケトーク」を使用し、正しくご理解いただけるように努めているところでございます。

 現在、就学援助の制度説明資料は、日本語版のみとなっておりますが、今後、学校や窓口に来庁される多様な国籍の方々に対応するため、多言語対応の説明資料の作成について、関係部局の協力を得ながら検討を進めてまいります。以上

 

 

 外国人の子どもや保護者への対応として、昨年度の議会で他会派からもずいぶんと指摘を受けてきました。総務分科会の委員間協議重要事項の一つとしてもあがっています。速やかに多言語対応の準備をするよう、強く求めます。

 文教分科会で、3月支給に間に合うよう、新入学学用品費の増額補正を今年度中に予定しているとの当局説明がありました。

要保護は増額されて中学校ですでに3年、小学校で2年経過しようとしています。近隣市(伊丹・宝塚・西宮・明石市など)はすぐに増額されましたが、尼崎市は増額をしないままです。その結果本市と他市の金額差は約13,000円から15000円となっています。小中学校ともに新入学時は準備になにかとお金がかかる時です。そのうえ長引く物価高騰で市民の暮しは厳しさが増している時です。こういう時になぜ、尼崎市は準要保護の増額が遅れたのでしょうか。

 

Q2 準要保護の増額が遅れた理由を教えてください。

 

答弁要旨

 就学援助費の支給費目の一つである新入学学用品費は、資格要件を満たす保護者に対して、その児童生徒の市立小学校及び中学校の入学前又は入学後に支給されるものであり、その支給金額は、原則、国が示す金額を参考にして、市の裁量で設定しております。

 令和2年度の新入生向けに新入学学用品費の設定金額の増額を行いましたが、その後は新型コロナウイルス感染症の流行に起因した家計急変への対応に多くの財源が必要となり、就学援助の財源確保が難しくなったことから、国の基準額を参考とした更なる増額を行うことができなかったものです。

 しかしながら、できるだけ早期に設定金額を国基準に増額できるように、関係部局と調整を図ってまいります。以上

 要は財源確保ができなかったということですね。

昨年9月議会で我が会派は、近隣市との差を示して引上げを求めました。教育委員会は「近年の物価高騰の傾向などから、設定金額の増額は必要。関係部局と協議しながら設定金額の引上げを検討していく」と答弁しましたが、増額にはなりませんでした。3月議会で、我が会派は今年度小学校入学する準要保護の子どもは477人、中学校が639人、仮に国基準に引き上げようとした場合、必要額は約1782万円だとお示ししました。尼崎市の一般会計予算規模2,400億円からみたらほんのわずかな金額です。また、24年度決算では28億円の黒字だったではありませんか。努力が足りなかったとしか思えません。

今後このようなことがないよう強く要望します。

 

 

次に、トライやる・ウィークについてお聞きします。

 文教分科会で、昨年度3校が自衛隊へ行き施設見学や体験を行ったと説明がありました。トライやる・ウィークとは、職場体験などを通じて地域について学び、「生きる力」を育むことを目的としています。

 

Q3 自衛隊の施設見学や体験が、トライやるウィークの目的にどのように合致しているのですか。

答弁要旨

 自衛隊での施設見学や体験活動は、救急救命講習や災害緊急時の対応など、防災教育につながるもののほか、挨拶や時間を守る大切さなど、社会人、職業人として必要なスキルを主体的に学ぶ内容となっております。

 教育委員会といたしましては、トライやるウィークは豊かな感性や想像力を高めるとともに、様々な体験活動を通じて、働くことや社会に参画することの意義を実感したり、社会の一員としての自覚を高めたりするなど、生徒一人ひとりが自分の生き方をも見つけられるよう支援する体験活動と認識していることから、自衛隊もその目的に合致した生徒が選択できる活動場所の一つであると考えております。以上

 

過去にも数校が毎年この事業で自衛隊に行っています。実施目的も、AED救急対応やマナーを学ぶ等でした。あえて自衛隊をえらばなくとも実習可能なものばかりでした。

自衛隊では今、米政権いいなりに軍備拡張が進められ、「専守防衛」から「先制攻撃も可」という方向に舵が切られています。南西諸島では島々に自衛隊の新たな基地が設置され、中国を睨んで「台湾有事」の際にはすぐに出撃できる体制づくりがされています。米軍との合同軍事演習の規模も拡大し、先ごろ行われた日・米・韓合同演習には、日本各地にある50もの自衛隊基地が参加しています。

 トライやる・ウィークで行っている伊丹駐屯地は、中部方面総監部が駐屯。中部方面の司令塔的役割を持っているので、有事の際敵から攻撃を受けやすいとして地下シェルター化が計画されている基地です。

 

Q4 そういうところへ教育の一環で生徒を行かせるのは、好ましくないと考えますがいかがですか。

 

答弁要旨 

 トライやるウィークの体験活動場所につきましては、県が作成した指導の手引きを参考に、生徒の興味・関心、主体性を尊重するとともに、保護者の思いも把握した上で、地域や学校の実情に応じた事業所の中から選択しております。

 自衛隊は、幅広い支援活動を実施しており、地震や水害などの自然災害時における人命救助をはじめ、水防活動、給水支援、物資輸送等において大きな役割を果たしております。

 トライやるウィークにおける自衛隊での活動は災害派遣の経験や様々な防災訓練をされた方から学ぶことができ、生徒のキャリア発達を支援するととおもに、他者と協力・協働して社会に参画する態度や、自ら考え主体的に行動し、問題を解決する能力等を育成することにつながると考えております。以上

 

次に、相談支援専門員についてお聞きします。

 

 障害福祉支援では、相談支援体制の充実がかねてからの課題でした。支援計画作成はようやく80%まで到達しましたが、その中身はセルフプランも含んでというものです。セルフプランとは当事者とサービス事業者が個別に契約されるもので、うまくいっている間はいいのですが、事業者を変更したいときは当事者本人が受けてくれる事業者を探さなければなりません。先日も身障2級の方から、「9月末で事業所が廃業することになり、次の事業所がまだ見つからず不安だ」という相談を受けています。

 介護保険と同じように、サービス利用を必要とする障がい者一人一人に相談支援専門員が付いて当たり前のはずです。

 

Q5 サービス利用を必要とする人が何人いらっしゃって、相談支援専門員は何人いるのか教えてください。

答弁要旨

 障害福祉サービス等の支給決定者数は令和7年8月現在で障害者5,219人、障害児3,289人、計8,508人となっています。
 また本市で把握している市内の相談支援専門員は、令和7年5月現在で99人です。以上

 

 尼崎障連協が毎年市に対し要望書を上げておられます。相談支援単独での事業運営は基本報酬が低く、支援専門員一人で150人担当してやっと事業が成り立つ状況だと述べておられます。

 

Q6 質も量も充実していくためには、この基本報酬を引き上げることが必要です。国に対し増額を求めるべきと考えますが、市は増額を求めていますか。

 

答弁要旨

 計画相談支援や障害児相談支援などの生涯福祉サービス等については、三年ごとに報酬改定が実施され、給付費単位が見直されています。
 特に令和3年度の改定時には、相談支援専門員を手厚く配置するなど、利用者への支援の充実を図る事業所に対しては報酬単位を手厚くするなど細分化した改訂が実施されました。

また、昨年度は計画相談支援や障害児相談支援に対しては、給付費単位を全体的に増やす改訂がなされています。

 このように、段階的に増額改訂がなされていることから、現時点では、国への要望は考えておりませんが、引き続き、国の報酬改定については注意して参ります。以上

 

 

次は、介護保険についてです。

 第1号被保険者の保険料が改定のたびに引きあがっています。基準額である第5段階で見ると、8期(2021~23年)は月額6,609円、今期(24~26年)は7,493円、介護保険がはじまった2000年は3,000円でしたから、8期は2.3倍、今期は2.5倍という引きあがり方です。物価高騰が続き消費税は10%のまま減税されず、受取る年金額はほぼ変わらない下で、被保険者の負担は限界にきています。

 

Q7 市の一般会計からの繰入で、保険料を引き下げるべきと考えますがいかがですか。

 根本的には、国の負担割合が2000年当初から25%のままであることが問題だと思います。

 

答弁要旨 

 介護保険制度は全国一律の制度として、介護保険法において市の法定負担分が規定されております。

また、国からは、保険料減免を目的とした一般財源の投入は被保険者間の公平性の確保や財政規律の観点から適当ではないとの見解も示されているところでございます。

 こうしたことから、本市独自で法定負担割合を越えた一般会計からの繰り入れを行う考えはございません。以上

 

Q8 国に対し、負担割合の是正を求めるべきだと考えますがいかがですか。

 

答弁要旨

 これまでも、全国市長会を通じて、国に対し「介護保険財政の持続的かつ安定的な運営のため、国庫負担割合の見直しを行うなど、都市自治体の財政負担や被保険者の保険料負担が過重とならないよう財政措置の充実を図ること」を要望しております。

 引き続き、介護保険制度が持続的かつ安定的な制度運営となるよう、各市と足並みをそろえながら、国への働き替えを続けてまいります。以上

 

 

 訪問介護事業所が昨年の基本報酬削減以降、尼崎だけで24事業所が倒産しています。また、ケアマネージャーの人員不足も深刻で、昨年は1つの地域包括支援センターがそのために体制維持できず、他の事業者に急遽変更する事態となりました。地域包括支援センターの人員定数の規制緩和も行われました。市は、ケアマネ以外のケア労働者人材確保のために研修費用の補助を行っています。それでも人手不足は進む一方です。

 昨年ケアマネージャーの職能団体の一つから、自身で行った詳細な実態調査の結果を「ケアマネージャーの危機」と銘打ってまとめ、市に対し意見交換会を要望されました。私はこの資料を読み、大いに勉強させていただきました。他自治体の処遇改善補助金制度や研修受講費助成金、厚労省が推奨するケアプランデータ連携システム導入支援補助金の紹介もされており、とても参考になりました。

 

Q9 尼崎市も、ケア労働者の人材確保のためにさらなる支援メニューが必要ではないですか。

 

答弁要旨

 現在、本市の介護人材確保支援事業は、令和2年度に実施しました市内事業者への介護人材実態調査をもとに、課題とされた「資格取得に係る受講料の助成」や「潜在介護職の復職支援」について、令和3年度より継続して実施しているもので、一定の効果が得られていると認識しています。

 一方で、全国的な介護人材不足が発生すると予測される中、国レベルでもその対策に向けた議論がなされているところでありますが、本市でも、第10期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向け、改めて、市内事業者等への介護人材実態調査を実施することとしており、その結果を踏まえ、更なる支援メニューの検討を行っていきたいと考えています。以上

 

ケア労働者の賃金は国が加算措置を行いましたが、それをしてもなお全産業平均より月額で8.6万円低い状態です。これを改善するには、介護保険料の引上げに連動させず、国が直接支援することが求められます。

 

Q10 国に対しケア労働者の処遇改善のため直接支援を行うよう求めて欲しいですが、いかがですか。

答弁要旨

 先ほど申し上げた、全国市長会要望の中では、国費負担割合の引き上げとともに、介護人材確保の観点から、継続的な処遇改善措置による賃金水準の底上げや、保険料の水準に留意した介護報酬体系の構築等についても言及しております。

  こうしたケア労働者の処遇改善は、高齢者社会を支える重要な内容であることから、今後とも粘り強く、国に対して働きかけてまいります。以上

 

 

次は、ウオ―ターPPPについてです。

市は、2003年以降それまで直営で行っていたポンプ場や浄化センターの運転管理を民間へ委託してきました。それに伴って市職員数は04年127人が24年には71人へと減少しています。

 さらに今後は、施設の建替えや老朽化が進むことから、新たに東部ポンプ場の建替えを機に東部処理区の施設維持管理について、民間に全面的に委託しようと考えています。

 

Q11 ウオーターPPP導入検討のきっかけは、2027年度以降、ウオーターPPP導入を決定済であることが汚水管改築の国費交付要件になったこととお聞きしていますが、なぜ国はこのような決定をしたのかについて教えてください。

 

答弁要旨

 国が、令和9年度以降に、下水道の汚水管の改築に係る国庫支援について、いわゆる「ウォーターPPP」の導入を交付要件とすることにつきましては、増大する施設の老朽化への対応や、職員の不足が全国的な課題となる中、民間の創意工夫や人的資源の効率化等の効果が期待できる官民連携の取り組みを、さらに推進するために行われるものと認識しております。以上

 

Q12 そもそも下水道事業の国庫補助金は、どのような取組が対象となりますか。また、ウオーターPPPが交付要件となる汚水管改築の国費支援は、今後どの程度の影響額となりますか。

 

答弁要旨

 国の下水道事業の主な補助対象事業としましては、下水処理場、ポンプ場や管路等の下水道施設における「老朽化対策」「地震対策」及び、「浸水対策」等がございます。

また、ウォーターpppの導入が、国費の交付要件とされる汚水管の改築事業につきましては、今後10年間の事業費ベースで焼く220億円を見込んでおり、その財源となる国費交付金は2分の1にあたる訳110億円と推計しております。以上

 

 市職員が東部処理区の施設維持管理業務から手を引くことになります。最初の契約時は市職員が業務のノウハウを熟知しているので、要求水準書の作成やチェックはできるでしょう。しかし、10年・20年と直接業務から職員が離れ、職員数も減らされる下では、その後の契約やあるいは契約期間内でも何らかの変更が必要となった時、十分専門的な知識や技能を持って対応できない。結局、民間事業者の要求がそのまま通ることになりはしないかと危惧します。民間事業者が全て悪だとは言いません。しかし、民間事業者の目的は利益を上げることが最優先です。公共の利益、公衆衛生的側面、災害時対応などは2の次3の次になるのではないでしょうか。

 

Q13 民間事業者に、公的責任を直営と同じように負わせることはできますか。

 

答弁要旨

 下水道授業のウォーターPPPにつきましては、自然災害に対するリスク管理や対応、将来にわたる本市下水道部門における技術力の維持・向上などの課題を十分に踏まえつつ、令和10年度の事業開始にむけた準備を現在すすめているところです。

 なお、その事業開始にあたっては、市内の下水道施設すべてを一括として対象とするのではなく、市内5つの下水道の処理区のうち、まずは本市の南東部地域を担当する東部処理区の施設のみを対象とする予定としており、他の処理区では、現行の方式で当面運営してまいります。

 この新たな官民連携方式ウォーターPPPの導入は、これまでから市が担ってきた公的責任を、一方的に民間事業者に担わせるということではなく、民間の効率政党の強みをより一層活用することで、下水道事業の持続可能性の維持・向上を図ることが主眼であり、官民両者の適切なパートナーシップの構築を図っていくことが重要であると認識しております。以上

 

 

 

 

市議会日程 決算特別委員会の総括質疑と意見表明

10月1日、2日 決算特別委員会 総括質疑
       日本共産党からは2日に松沢ちづる市議が総括質疑に立ちます。

       ・就学援助の新入学学用品費について
       ・トライやるウイークで自衛隊に行くことについて
       ・障害福祉分野の相談支援専門員について
       ・介護保険料の引き下げについて
       ・訪問介護事業所への支援メニューについて
       ・尼崎城址公園指定管理者管理運営事業について
       ・ウォーターPPPについて(下水管路の維持管理業務の民間委託)

10月3日   決算特別委員会 意見表明
       日本共産党からは川崎としみ市議が意見表明に立ちます。

議会中継はこちらから

2025年3月 松沢ちづる議員「総括質疑」と答弁要旨

松沢ちづる 総括質疑

1 市長の政治姿勢について

 市長は施政方針演説の結びに、マクロな目で見たときに見える地域の経済社会情勢と、ミクロな目で見たときに見える一人一人が置かれた生活状況や感情は異なる。改めてこの点を心にとどめ、職務に向き合わないといけない。常に謙虚に、市民、職員も含めて、それぞれが置かれている様々な立場について想像し、共感する努力を怠らず、心の通った温かい政策を実現し、それを説明できるよう、全力で職務にまい進すると述べられています。

 施政者としてたいへん信頼できる態度だと思います。ならば、なぜいま、年金生活者も賃金労働者も自営業者も、経済の停滞の下さらに物価高騰が追い打ちをかけて、くらしそのものが厳しくなっている現状に目を向けないのでしょうか。こんな時だからこそ、「市民負担は増やしません。共に支え合って、物価高騰を乗り切りましょう」と、市民に呼びかけられないのでしょうか。

 日本共産党は、今、市民のみなさんに「くらしの実感―余裕はありますか、不安はありませんか」と直接お聞きする訪問活動を行っています。そこで見聞きするのは、「食べることを切り詰めてきたが、もうこれ以上は無理だ」、喫茶店の店主は「コーヒー1杯450円を守っているが、これ以上コーヒー豆が手に入らなくなったら店を閉めるしかない」、「大学生の孫が一人くらしがきついといっているが、支援する余裕もない。シングルの娘はさぞかし大変だろう」こういった声ばかりです。

 

Q1 市長にお伺いします。市民生活が大変な今、新年度予算でまず配慮すべきは「市民負担を増やさない」ということではありませんか。しかし、生涯学習プラザなどの使用料が値上げ、火葬費も値上げ、保育所の給食費値上げ、小学校給食費値上げと、負担増が目白押しです。なぜ、配慮をしなかったのですか。

 

答弁要旨

物価高に対応するためには、物価上昇を上回る賃金上昇を実現することが必要であり、賃金の上昇が定着するまでの間、負担軽減に向けた取組を国や県の動向も踏まえ、機動的に実施していくことが重要であると認識しています。

ご指摘の使用料・手数料や、給食費などの負担については、受益者負担の考え方を基本としており、急激な物価高騰の影響を、サービスの受益者負担で賄うことができない場合、受益者でない市民の税負担になるという課題があることから、原価を適正に反映するため、使用料の改定を実施するものです。

こうした料金改定を含む物価高騰に直面する方々への負担を軽減するため、令和7年度においても、市民・事業者を対象とした「あま咲きコインプレミアムキャンペーンの実施」や、子育て世帯の負担軽減を図る「学校給食費の支援」といった支援について実施を予定しており、引き続き、市内経済や市民生活への影響を注視しつつ、国や県の動向も踏まえながら、市民の皆さまのニーズを踏まえた機動的な施策を随時実施してまいります。以上

 

 予算案を見れば、新年度市税収入が25.7億円増の見込みです。また、地方交付税は16.6億円増の見込みとなっており、市民負担を増やさないための財源確保は充分あったと思われます。今回の値上げ案で、保育所給食費で約400万円増、小学校給食費で5700万円、生涯学習プラザで560万円、すこやかプラザで13万円、火葬費で1064万円、合計わずか7437万円です。市民負担を増やさない配慮はできたと思います。非常に残念です。

 今後のこととして、年度途中に物価高騰対策として国から臨時地方交付金が組まれる場合、保育所と小学校の給食費の保護者負担軽減を考えるべきだと思います。

 

Q2 こども青少年局に伺います。保育所給食費の保護者負担支援を検討しますか。

 

答弁要旨

公立保育所における3歳以上児の給食費につきましては、1人当たりの主食費を月1,000円、副食費を

月4,500円と定め、これまで運用してまいりましたが、原材料価格の高騰等により食品価格が高止まりしており、食材費を含め物資調達に影響が出ております。

これまで、食材の種類や内容、使用頻度の変更など工夫を図ることで対応してまいりましたが、令和5年度に続き、今年度も食材費が保護者負担額を上回る見込みとなっており、このうち副食費については、保護者負担額を超える経費が発生しております。

なお、副食費相当額に関しては、国は公定価格において加算額(副食費免除加算)を設定しており、令和4年度までは4,500円でしたが、今年度は4,800円となっております。

本市では、これまで国が示す公定価格のとおり副食費の価格改定を行っておりませんでしたが、給食の栄養バランスを維持し、子どもたちの成長につながるよう、今後は、国の公定価格に準じた単価に改定することとし、令和7年度は公立保育所の副食費を4,800円に改めるところです。1㌘・

なお、現下の物価高騰が続く中ご令和7年度の副食費に要する経費が改定後の保護者賃担額の4,800円を超えることも考えられます。その際には、委員ご指摘の物価高騰対策委係る臨時地方交付金が組まれた場合には給食費会計の状況も見て活用も検討してまいります。

 

つづいて伺います。

 

Q3 教育委員会は、小学校給食費の保護者負担支援を検討しますか。

 

答弁要旨

物価高騰が続く中、栄養バランスのとれた学校給食を維持するため、小学校給食費につきましては、令和6年4月に改定を行い、その高騰分を公費で負担しております。

物価がさらに上昇した場合、給食費の改定が避けられなくなり、保護者のご負担が急激に増加することが懸念されるため、激変緩和措置として、国からの臨時地方交付金を活用し、高騰分の一部を公費で負担し、保護者の負担軽減を図ることと致しました。

今後の更なる支援については、物価高騰の状況や国からの交付金の有無、本市の財政状況や国における給食費無償化に関する議論の状況など、様々な要素を勘案しながら、適切な対応に努めてまいります。

以上

 

2 介護保険について

 

 国の報酬単価引き下げで、全国で訪問介護事業所の閉鎖が相次いでおり、高齢者の「要介護になっても住み慣れた地域でくらしたい」という願いが叶えられなくなってきています。この傾向は地方や農村部で顕著ですが、尼崎でもこの1年で廃業が1事業所増えました。新規参入が1事業所増えたことで事業所数は年度当初と変わりませんが、それでも前年より11事業所減少したままで、減少の流れは続いています。

 介護人材の確保も困難な状況が続いています。2月議会では、地域包括支援センターの職員不足の解決策として、資格の規制緩和や非正規職員の雇用が認められました。2014年地域支援・総合事業が始まり、要支援の方々への訪問・通所サービスの担い手として生活支援サポーターの養成が行われてきましたが、3年間で900人の実働サポーターを養成する計画は絵にかいた餅で終わり、10年たった今も、介護予防訪問サービスなどは有資格のヘルパーさんたちが、介護サービスの報酬単価の9割という理不尽な対価で担っています。現場のヘルパーさんたちからは、「ヘルパーの平均年齢は60代後半。若い人たちが募集をしても集まらない。」とお聞きしています。支える側がこのままの状況では、年をとっても安心の社会が展望できません。

 

Q4 国に対し、訪問介護の報酬単価を元に戻すことや、介護保険への国費を増やすことなど求め、高齢者の保健福祉の向上について 自治体が責任を果たせるようにすべきだと考えますが、いかがですか。 

 

答弁要旨

議員ご指摘の「訪問介護に係る基本報酬の引上げ」や「国費負担割合の増額」については、中核市市長会や全国市長会を通して、報酬改定の影響を十分に検証し、訪問介護サービスの実態に即した抜本的な見直しを行うなどの必要な措置を講じること、また、介護保険財政の持続的かつ安定的な運営のための国費負担割合の見直しを行うことを要望しており、引き続き、こうした働きかけを粘り強く行ってまいります。

以上

 

市としては、介護人材確保への支援として介護人材確保支援事業が行われています。予算規模はわずか530万円です。訪問介護事業所だけでも市内に約300カ所あるのに、初任者研修についての今年度の事業活用は52事業所のみです。

 

Q5 介護人材確保支援事業の拡充を求めますが、いかがですか。また、それ以外にも考えている支援策などあれば教えてください。

 

答弁要旨

介護人材確保支援事業については、令和2年度に実施した介護事業所へのアンケート調査において、介護人材の確保・定着に効果的な支援として、「介護人材キャリアアップ研修に対する支援」や「介護未経験者に対する研修支援」に多くの回答があったことを受け、介護職員初任者研修等の研修受講料助成の他、潜在介護福祉士が復職する際の手助けとなる、学びなおし研修等を実施しており、事業所の人材確保に、一定の効果を得ているものと認識しています。

しかしながら、今後、超高齢化の更なる進展が見込まれる中、介護人材の確保は増々重要な課題になると考えられることから、次期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けて、改めて、介護人材実態調査を実施し、事業所の皆様のご意見を伺い、先進市の取組等も参考にする中で、新たな対応策を検討して参ります。以上

 

 

3年に1回高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画が更新されています。訪問介護事業者のみなさんの丁寧な聞き取りによる実態調査を行い、今年予定されている国勢調査とリンクさせることができれば、かなり詳細な実態が把握でき、次期計画に反映できると思います。

Q6 訪問介護事業所の実態調査を実施すべきと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

先程もこ答弁申し上げましたが、次期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けては、訪問介護事業所を含め、市内の介護事業所に対し、アンケート調査を実施し、ご意見をお伺いする中で、実態の把握に努めて参ります。以上

 

3 国民健康保険について

 国の方針で、昨年12月2日以降これまでの健康保険証は発行が止められ、マイナ保険証1本になりました。同じ所得・家族構成でも、サラリーマンの健康保険・協会けんぽの2倍にもなる高負担の国民健康保険料が、多くの滞納世帯を生んでいます。尼崎市では2023年度決算で7292世帯 国保世帯全体の12.2%になります。

 滞納世帯に対し、保険証が発行できた昨年12月1日までは短期保険証の発行とひきかえにした窓口での納付相談をされてきましたが、今はそれができません。当局は、滞納額が少額の内に傷口が小さいうちに納付相談をと対応してこられましたが、これからは納付相談の機会が減少すると思います。

 

Q7 お尋ねします。今後具体的にどのように納付相談の機会の減少を補完していくのですか。

 

答弁要旨

これまで保険料の滞納世帯に対しましては、有効期間の短い短期証を窓口で交付する中で、その更新時に来庁案内ハガキを送付することで、納付相談の機会を設けておりました。

しかしながら、昨年12月2日の短期証の廃止に伴い、そうした納付相談の機会はなくなりましたが、令和5年度から、それまでの電話及び訪問催告の実施方法の見直しに加え、ショートメッセージサービス、いわゆるSMS催告の導入など、催告業務に特化した委託事業を実施しております。

具体的な内容としましては、納付月に滞納が発生した場合は、その翌月中旬以降に督促状を発送しております。

それに合わせて、SMSによる催告も行うこととしており、それでも支払いがなかった世帯については、さらにその翌月にSMSによる催告を3回行うとともに、電話催告を最大5回併用して行っております。さらに、SMS及び電話催告に反応がない世帯に対しましては、その後、訪問催告を2回行っており、そうした取り組みにより、滞納が少額の段階で積極的に滞納者へのアプローチを行うことにより、自主納付の意識付けを行うとともに、合わせて窓口等での相談もご案内し、納付相談の機会創出に努めております

今後とも、滞納額が少額な段階でぜ様々な働きかけを行うことにより、自主的な納付を促すとともに、困窮している世帯に対しては、引き続き、相談窓口で可能な限り寄り、添った対応に努めてまいります。以上

 

 滞納の根本解決は、高すぎる保険料を引き下げることです。日本共産党は、国に対し協会けんぽと同じくらいの加入者負担にするために、国保への国庫負担をあと1.3兆円増やすことを求めています。これは全国知事会が求める増額とほぼ同じです。

Q8 国に対し、さらに強く国庫負担の増額を求めるべきだと考えますがいかがですか。

 

答弁要旨

国民健康保険制度では、保険給付に要する費用のうち、国県からの公費等で賄われるもの以外を被保険者から保険料としてご負担していただく仕組みとなっております。

この公費等のなかで、定率国庫負担につきましては、保険給付費の32%を国が負担することとなっておりますので、これまでから、全国市長会を通じて、国に対して負担割合の増加の要望を重ねてきたところです。

こうした要望活動につきましては、今後も機会を捉え、継続して行ってまいります。

以上

 

 国の方針では、滞納が1年以上続くと保険診療が受けられなくなり、特別療養資格証になり、窓口負担は10割になってしまいます。誰もが安心して医療が受けられる国民皆保険の制度が崩されることになります。こうした事態に陥らないように、滞納者への注意喚起と共に国保料を減らす努力を強く求めます。

 

4 ウォーターPPPについて

 

 代表質疑や分科会でウォーターPPPについてお尋ねをしました。当局答弁を受け、更に質問をしていきます。

ウォーターPPPは、下水道事業において施設の老朽化や職員の不足が懸念される中、民間事業者の創意工夫等を活用することにより、効率的かつ効果的なサービスの実現が期待できるとの答弁がありました。

Q9 お尋ねします。ウォーターPPPの導入理由の一つが職員不足が懸念されることだと言われますが、ポンプ場の運転や北部浄化センターの休日夜間の運転管理などを民間に委託し、下水道事業が公営企業局に移った2018年以降特に現業職が51人から現在では5人にまで減らされました。職員不足はまさに当局が行ってきた事業方針によるものではないですか。

 

答弁要旨

生産年齢人口が減少し、いわゆる「公務員離れ」の影響もあり、全国的に職員の採用が厳しい状況にある中、下水道事業では、土木職をはじめとする技術職員の不足が懸念される状況にあります。

一方、これまでに取り組んだ民間委託による職員の削減は、主に定型的な現場作業を担う技能労務職員、いわゆる現業職員を対象としており、技術職員の不足の懸念につながったものとは考えておりません。なお、民間委託の対象となった技能労務職員は、研修期間と試験を経て、高い専門性を発揮する技術職員に転職するケースも多数あり、同事業の技術力の維持・向上に貢献しているものと認識しております。以上

 

 ウォーターPPPの導入を決定済であることが2027年度以降の下水管改築の国費の交付要件になったことを踏まえ、23年度から導入検討を進めてきたと、新年度主要事業に記載されています。より割のいい国からの交付金をうけるために、市が進めてきたことだと確認します。

 続いて、民間事業者の創意工夫等を活用することで効率的かつ効果的なサービスの実現が期待できるとのことです。

 

Q10 効率的かつ効果的とは、人件費を減らすこと。つまり事業に精通する現場の人を減らし、デジタル化を進めることではないですか。

Q11 お尋ねします。技術の継承をしていく「ほかの職員」とはどこにいるのですか。現業職はすでに5人に。しかも事務職への転職や近い将来定年退職が見込まれ、若い職員の補充はされていないではありませんか。どうするのですか。

 

答弁要旨

下水道事業の将来にわたる持続可能性を確保するためには、技術職員の不足が懸念される中、事業運営に必要な技能を継承していくことが肝要であると認識しております。

そうした中、今後におきましては、新たに「ウォーターPPP」を本市でも導入し、将来の技能継承も踏まえた官民の適切なパートナーシップを構築するとともに、施設の老朽化対策などの新たなニーズにも対応できる市の体制を確保するため、市職員の着実な採用や、年齢や経験年数を踏まえた的確な人事異動など、引き続き、円滑な技能継承に資する取組に努めてまいります。

以上

 

 民間に「丸投げ」とならないように、災害時の対応も含め市職員と民間事業者の両方が

ノウハウを共有・蓄積する官民の適切なパートナーシップを構築するとのことです。分科

会の質疑では、ポンプ場の運転は民間に任せているが、まだ直営職員がいるので運転操作

技術を民間委託業者に指導しているとの説明でした。しかし、その職員が退職すると市職

員に技術の継承ができなくなることが懸念材料だと。ほかの職員につなげていくような努

力をしていきたいとのことでした。

 

 専門職員がいなくなるのは大きな問題です。現在はまだ災害時には、地域のことをよく

知っていて、下水道事業に関する経験や蓄積を持った職員が対応しています。しかし自治

体が直接関わらなくなり、対応能力が失われた下では非常時の対応がどうなるのか、きわ

めて不安です。

 ウォーターPPPはまず北部処理区でレベル3.5、北部浄化センターと西川中継ポンプ

場、高田中継ポンプ場のある処理区で、維持管理業務と改築更新を組み合わせた導入を検

討しており、武庫川処理区・東部処理区については、今後どう広げるのかを検討していく

とのことです。国土交通省の「下水道部分野におけるウォーターPPPガイドライン」によ

れば、まずレベル3.5の後「丸投げ」のコンセッション方式を選択肢として検討いただき

たいと道案内されています。尼崎市は国から誘導されるまま、コンセッション方式に進も

うとするのでしょうか。下水道事業は、根本的には市民が生きていくために欠くことので

きないものです。これを営利企業に丸ごとゆだねるシステムにしてしまっていいのか。日

本共産党議員団は反対です。

 

 

 

2024.3月 まさき一子議員 総括質疑 質問と答弁要旨

 

 

まず最初は、教員不足の対策についてです。

全国的に公立小中学校の教師不足は大変深刻です。文科省の有識者会議中央教育審議会は2023年8月、教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策として緊急提言を発表しました。具体的には、授業のコマ数をみなおす、学校行事の内容を絞る、保護者からの過剰な苦情には教育委員会などが支援する、小学校高学年の教科担任制の拡充など教職員定数の改善、支援スタッフの配置充実、主任・管理職手当などの改善が24年度概算要求に盛り込まれました。

尼崎市では昨年9月議会に「教職員の未配置問題の解消等についての請願」が提出され、本会議で採択され国に意見書を提出しました。

市内の小中学校では、2023年度当初に小学校では9名、中学校では英語、理科、家庭科の専任教師17名不足するという事態を招きました。この1年間は学校現場や教育委員会では、臨時講師の配置に大変な苦労がありました。教師が未配置という極めて深刻な状況は子どもの成長を妨げるものです。質問します。

Q1 2024年度当初の教員の配置については、提言にもとづいて未配置問題はどのように解決しますか?

答弁要旨

教員の未配置問題は、本市のみならず、全国的な問題であり、現状では教師のなり手としての絶対数が少なく、簡単に解決できる問題ではないと考えております。

教員のなり手不足の問題は、教員の負担の増大がその一因と考えられることから、これまで負担軽減策として様々な取組を行ってきており、できることを直ちに行うという提言の考え方のもと、次年度は、新たに、スクールロイヤーの設置やデジタル採点システムの導入、地域クラブ活動の拡充などで、更なる教員の負担軽減につなげていきたいと考えております。定例の学年会や職員会議だけでなく、学校の実情に応じて、朝や放課後に打ち合わせの時間を設定するなど、教職員の協働体制の整備に努めております。

またそれぞれの学校では、若手教員が孤立しないように、放課後などに年齢の近い教員がメンターとして相談に乗ることや、共同で指導方法の研究を行いながら、先輩からアドバイスをもらうことで、一人で抱え込まずにいつでも相談できる体制づくりに努めているところでございます。

今後とも、校園長会等において、校園長のリーダーシップのもと、教職員のワーク・ライフ・バランスに配慮し、心身ともに健康で、働きがいのある学校づくりに取り組むよう周知してまいります。以上

 

ある教師は「小学校では教師が長時間労働でつぶれるというけど、時間の問題だけでない。保護者からのクレーム処理、子どもたちからの教師いじめもある。若い先生が子どもから『汚い、あっち行け!』 『くそババ』など私たちだったら言い返すけど、若い先生はそんな言葉でつぶれてしまう」といっていました。子どもは特に高学年になると、少年スポーツの指導者や家庭の親からうける暴言や暴力などによるやり場のなさを担任にぶつけるといった状況があるそうです。

今、不登校の急増、子どもの貧困等子どもと保護者の悩みやストレスが積み重なっている時代です。だからこそ寄り添ってともに考えてくれる大人が学校に必要です。しかし今や子どものストレスのほこさきが教師に向けられる現状があります。文教分科会では「新任の先生には何でも相談ができる体制をとっている」と言われていました。

しかし、若い教師が困難を乗り越える手立てを見つけることなく、また乗り越えたという成功を体験することなく辞職に追い込まれる。こんな残念なことはありません。解決していくためには、職員会議や学年ミーテングを毎日短時間でも開いて、教師間での問題の共有が必要だと思います。質問します。

 

Q2 各学校の職員会議や学年会議等はどのように行われているんでしょうか。

 

答弁要旨

本市の小学校教員の約45%、中学校教員の約3分の1が30代前半までの教員であり、40代50代の教員が少ないといった年齢構成でこれは、本市のみならず、全国的な傾向であり、若手教員の育成とメンタルヘルスの保持が課題であると考えております。そのような中で、各校の学年会では、行事や教科指導等の打ち合わせだけでなく、児童生徒の抱える課題やその指導の方向性について協議するとともに、学校全体できめ細かな支援や配慮のもと児童生徒の指導を行うことが必要な場合は、職員会議においても、情報共有し、指導方法について協議し、チーム学校として取り組んでおります。

 

文科省では2022年度教員勤務実態調査を全国小中学校各1200校、勤務するフルタイムの常勤教員(校長・教頭・教諭等)約35,000人を対象に調査を行っています。そこには30歳以下の教師の在校時間が長く授業以外でも多くの業務に時間をさいている。「業務時間が短縮された場合、何に時間を使いたいか」の問いに「仕事以外のプライベートに使いたい」という教師が小学校で48%、中学校で56%でした。気分転換ができずに問題を引きずっていることも多いのではないかと心配になります。

 

 

次に教師の長時間労働についてです。同調査では、中学校教諭では1週間の勤務時間が60時間を超える人が36.6%に上り、8割近くが月45時間を超える残業をしているなど、依然として異常な長時間労働です。

先ほど述べた文科省の調査によると、業務が短縮出来たら何に使う?という質問に、「更なる授業準備、教材研究等に当てたい」と答えた教師が小学校48%、中学校41%でした。

教師は「授業の準備の時間がなければ、授業の質が低下する。教材研究して準備すれば面白い授業となり子どもの目の色が違うことはわかっていても、その時間をとれば過労死するかもしれない」そんなジレンマに苦しんでいます。

 

Q4 本市の小中学校の教職員の長時間労働と働き方はどのように改善されるのか方向性をお示し下さい。

 

答弁要旨

教員が心身ともに健康で充実した教育活動を行うことができるよう超過勤務時間を削減することは悩みやニーズを把握することと同様、大変重要であると考えています。

そのため、各学校では、会議・行事の精選のほか、ICT活用による資料のペーパーレス化、データの共有などにより超過勤務の削減に努めております。また教育委員会におきましても、各学校へのスクールサポートスタッフの配置や、中学校の部活動への外部指導員や部活動指導員の導入など、人的支援を行っているほか、給食費の公会計化、ICT環境の整備、勤務時間外の自動音声サービスの導入、学校閉庁期間の設定等の取組を進めてまいりました。

こうした取組により、学校現場からは一定効果があるといった声も届いているところですが、依然として超過勤務が多い教員もいることから、引き続き学校現場とも連携し、働き方改革に取り組んでまいります。(以上)

 

ひとクラスで教師の目に1度に映る数は20人以下だと言われます。教師が児童生徒個々の表情を見ながら授業ができる、子どもの生活の変化を素早く気づくことができる、丁寧な授業ができる。こんな教育を進めるためにさらなる少人数学級が必要だと思います。

 

 

次に保育士の配置基準についてです

国による保育所の職員配置基準が76年ぶりに見直されます。4・5歳児の基準をこれまでの30人から25人に改めるとしています。3歳児については、2015年度より「3歳児配置改善加算」を措置していますが、今回は4・5歳児同様に最低基準等の改正で20:1を15:1に改めるとしています。しかし1歳児の配置基準は、現在の6人から5人にすることを、2025年以降の早期に改善を進めると先送りしました。基準改正は保育士や保護者が国や自治体に対して長年求めてきたもので、現場の切実な要求と粘り強い運動と世論の広がりの成果だと思います。質問します。

Q5 国の配置基準の改定が、本市の来年度の予算に反映されていませんが、具体的にいつから予算に組み込まれるのでしょうか。年度途中からでも補正を組んで実施するべきと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

議員御指摘のとおり、来年度から3歳児の職員配置基準が現行の20:1から15:1となり、4・5歳児の職員配置基準が現行の30:1から25:1とそれぞれ改善されることになります。この配置基準の改正に伴い、3歳児の配置改善については、既に公定価格上で平成27年度から「3歳児配置改善加算」が措置されておりますが、4・5歳児の配置改善については、新たに「4・5歳児配置改善加算」が設けられ、30:1の配置に要する経費と、25:1の配置に要する経費との差額に相当する金額が加算されることになります。

現時点では、来年度の公定価格に係る単価が国から示されておらず、また各施設の保育士の配置状況によっても費用が変わりますので、どの程度の規模になるか見通しを立てることができませんが、保育施設の円滑な運営に資することができるよう、予算に不足が生じる場合、必要な時期に補正予算を上程させていただきたいとかなえております。

なお、保育士の配置人数については、保育所の開所時間中に登園している年齢別の児童数に合わせて基準に沿った保育士数を配置することとなっており、それらを踏まえ公定価格は設定されております。

以上

 

公共施設の断熱化について

代表質疑で、会派の川崎議員が体育館の空調設備は断熱化と空調と一体でおこなうことで、国からの補助金があることを紹介しました。市は「体育館の空調について直ちに計画を策定する予定はないが他都市の事例や情報収集を行いより実効性のある空調設備、検討を行う」とのことでした。

文科省は学校体育館の空調と断熱化について次のように説明しています「教育環境改善および避難所としての機能強化を図るため体育館の空調設備について補助対象としている。断熱性の確保されていない体育館の空調を設置した場合過大な能力の空調機が必要となったり、光熱費が過大になったりと効率的・効果的な施設整備ができない。断熱性のない体育館には空調設備と合わせて断熱性確保のための工事を実施する必要がある」とのことです。

しかし普通教室の空調設置率は95.7%と進んでいますが、体育館の断熱化・空調設置はこれからです。

資料1をご覧ください。文科省が作成したものです。東京に立地する面積930㎡の体育館の断熱性確保による電気代削減の試算です。初期費用は空調設備に2600万円、断熱化改修4000万円と大きいのですが、ここには国からの補助金が出ます。冷房能力は小さく、年間の電気代は半分ですみます。15年ごとの空調整備を更新しても、40年間で5500万円の削減を試算しています。

 尼崎市では来年度から下坂部小学校の建て替え計画があります。また市立尼崎高校の体育館の改修が予定されています。視察に行った市尼高校の体育館は夏休みでも一日中部活で使われており、大型の扇風機がフル稼働していました。モデル事業としてでも体育館の空調と断熱化をセットで計画するべきと思います。質問します。

 

Q7 新築する下坂部小学校と改修予定の市尼高校体育館に空調設備と共に断熱化の設置を進めるチャンスです。その上で効果の検証を行うべきと考えますが、いかがですか。

答弁要旨

建替えを予定している下坂部小学校の体育館につきましては、新築時に断熱性能を確保することが可能なことから、空調設備の方式や設置方法などを検証し、設置に向けて検討を進めてまいります。

中規模改修を予定している市立尼崎高校第2体育館につきましては、平成12年に新築されており比較的新しいことから、二重サッシは設置されておりませんが、屋根や床等に断熱材が入っており、一定の断熱性能が確保されていると考えております。

ご紹介いただきましたように、空調整備に合わせて断熱性を確保すれば電気代を削減できるメリットがありますが、多額の初期費用がかかる等の課題もあります。また、断熱性を確保したとしても空調設備にはランニングコストや保守点検などの維持管理費用も大きな課題となりますが、国の補助対象とはなっておりません。

現時点で直ちに体育館の空調設備や断熱化を整備することは困難な状況でございますが、児童生徒の熱中症対策や災害対応の観点から空調整備の必要性は認識しておるところでございます。どの学校でどのようにとは考えておりませんが、試験的実施も視野に入れ、他都市の事例や機器メーカーからの情報収集など実効性のある調査・検討を進めてまいります。

以上

 

 

昨年、自治体学校に参加し、東京都杉並区長岸本聡子さんの話を聞きました。岸本区長は「どれだけ暑くなったら私たちは気象変動が緊急の課題であることを認識するのでしょう。学校の断熱すらできておらずクーラーも効かない状態です。個人の家でも公共施設でも、地域の事業者が一緒に断熱化をすすめればどれだけの経済効果が生まれ、どれだけの命が救え、どれだけの光熱費を下げることができて、CO2の排出を下げることができるでしょうか。エネルギー価格が高騰し、特に低所得者に大きな打撃を与えています。だからこそ断熱をしなくてはいけない」と話されました。

尼崎市では2021年6月に尼崎市気候非常事態行動宣言を表明し、「2050年までに脱炭素社会を実現するため、30年の二酸化炭素排出量を13年比で50%程度削減することを目指す」ことを宣言しました。

これまでの新築された市営住宅や生涯学習プラザ、公立保育所等は太陽光発電やLDE化は進みましたが、断熱化等脱炭素に向けた取り組みはなぜしてこなかったのでしょうか。

公共施設の建設ついて、断熱材、2重サッシ等の断熱化の規定をしっかり打ち出し、業者に資材や建設手法の指導や要望をするなどの積極的な対策を打つべきでした。

今後、建設される北図書館と女性センターの合築施設、大庄ふれあい体育館、公立保育所、市営住宅等の公共施設に断熱化を行うべきです。

質問します。

Q8 新築される公共施設に断熱材や2重サッシを設置し、その効果を検証することについてはどのように考えますか。

 

答弁要旨

近年新築した公共施設につきましては、省エネ適合基準を上回る断熱性能を確保した建物としており、例えば、生涯学習プラザなどにおいては、外壁や屋根内側には硬質ウレタンフォームの断熱材を施工しているほか、必要に応じてサッシには断熱性の高い複層ガラスを採用するなどしております。

さらには、令和4年度向けの主要事業でお示しましたとおり、4年度以降に本市が設計を行う新築建築物については、他都市に先駆けた取組として、原則、「ZEB Ready」を導入しており、より一層の外壁の断熱化や断熱性能の高い窓ガラスの採用、高効率な省エネルギー設備などを備えることにより、ライフサイクルコストの効果を試算のうえ、脱炭素化を推進すべく、省エネ基準より50%以上のエネルギー消費量の削減に取り組んでいるところです。以上

 

最後は高齢難聴者の補聴器購入費用助成制度について

 2018年兵庫県は「国に補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める」意見書を提出。22年都道府県では初の補聴器購入補助事業「高齢者の補聴器活用調査」が実施されました。県内400人を対象に補聴器購入助成を施行し、補聴器に導入による社会参加の状況を調査しました。しかしいまだに調査結果が公表されず、来年度の予算にありませんでした。

兵庫県内では明石市が65歳以上の高齢難聴者を対象に所得制限なく、「認知症あんしんプロジェクトの推進事業」の一つとして、補聴器助成をしています。2021年は180人、22年は300人限定で2万円の補助。事業費だけでは600万円の財源です。

 相生市では、「在宅福祉サービス」の一つとして、22年は市民税非課税世帯を対象に2万円の補助。事業費は38万6千円で25人の方が補助を受けました。23年からは市民税課税世帯の方も対象にしています。県内でも5市3町に助成制度が広がっています。

年齢を重ねることによる難聴は、程度の差こそあれ、誰しも避けられない生理的な変化です。難聴により家族との会話が成り立たなくなったり、テレビ・ラジオの音が聞こえにくくなったりすることは生活の質に関わります。人の話が聞こえにくくなれば人とのコミュニティに参加することも、外出することもおっくうになり、心身の健康に大きく影響します。高齢者の尊厳にかかわる問題です。

県では400人、明石市では300人限定でした。他の自治体でも低所得者対策として市民税非課税世帯から始めています。最初は対象者を限定してでも、市民ニーズがどれほどあるのかの検証が必要です。まずは始めるべきです。質問します。

 

Q9 高齢難聴者補聴器購入費用助成制度は、難聴高齢者に対して社会参加だけでなく、孤独な高齢者の生活の質を高める手助けをする制度です。ぜひとも実施してほしいとおもいますがいかがですか?

 

答弁要旨

加齢性難聴者の補聴器購入費助成につきましては、昨年度から引き続き、兵庫県がモデル事業として、補聴器装具のニーズや社会参加活動の状況等を把握するアンケート調査を実施しております。

また、国立長寿医療研究センターでは、加齢性難聴によりコミュニケーションの低下などが生じ、認知症のリスクが高まる可能性があるとの指摘を受けて「補聴器による認知機能低下予防の効果を検証するための研究」を実施しているところです。

本市としましては、全国市長会を通じ、令和5年11月に令和6年度向け高齢者福祉施策に係る提言の中で、「加齢性難聴者の補聴器購入に対する補助制度を創設すること」これに加え、「難聴と認知機能の低下との関連性の究明」を国に求めているところです。

先程申し上げましたとおり、現在、国における研究や県のモデル事業のアンケート調査結果の検証が途上である中で、現時点において、市単独での事業を実施する状況にはないと考えておりますが、引き続き、国・県の研究・調査結果や他都市の実施状況等を踏まえて効果的な支援のあり方について検討してまいります。

 

これで、日本共産党議員団の総括質疑はおわります。代表質疑、分科会、総括質疑を踏まえまして、意見表明で意見を述べていきます。ありがとうございました。