決算総括質疑
おはようございます。日本共産党議員団の松澤千鶴です。会派を代表して、2024年度の決算総括を行います。
まず、外国籍の保護者に対する就学援助 特に新入学学用品費の制度説明についてお聞きします。1月に行われる入学説明会の際、制度利用について保護者に就学援助の資料がは付されているとお聞きしています。
Q1 説明資料は多言語で行われているのですか。
答弁要旨
近年、外国籍の保護者が窓口に来られる機会が増えており、学校現場や教育委員会においては、就学援助に限らず、外国籍の方にはできるだけ丁寧に、やさしい日本語で説明しておりますが、十分に理解していただけない場合には通訳機械「ポケトーク」を使用し、正しくご理解いただけるように努めているところでございます。
現在、就学援助の制度説明資料は、日本語版のみとなっておりますが、今後、学校や窓口に来庁される多様な国籍の方々に対応するため、多言語対応の説明資料の作成について、関係部局の協力を得ながら検討を進めてまいります。以上
外国人の子どもや保護者への対応として、昨年度の議会で他会派からもずいぶんと指摘を受けてきました。総務分科会の委員間協議重要事項の一つとしてもあがっています。速やかに多言語対応の準備をするよう、強く求めます。
文教分科会で、3月支給に間に合うよう、新入学学用品費の増額補正を今年度中に予定しているとの当局説明がありました。
要保護は増額されて中学校ですでに3年、小学校で2年経過しようとしています。近隣市(伊丹・宝塚・西宮・明石市など)はすぐに増額されましたが、尼崎市は増額をしないままです。その結果本市と他市の金額差は約13,000円から15000円となっています。小中学校ともに新入学時は準備になにかとお金がかかる時です。そのうえ長引く物価高騰で市民の暮しは厳しさが増している時です。こういう時になぜ、尼崎市は準要保護の増額が遅れたのでしょうか。
Q2 準要保護の増額が遅れた理由を教えてください。
答弁要旨
就学援助費の支給費目の一つである新入学学用品費は、資格要件を満たす保護者に対して、その児童生徒の市立小学校及び中学校の入学前又は入学後に支給されるものであり、その支給金額は、原則、国が示す金額を参考にして、市の裁量で設定しております。
令和2年度の新入生向けに新入学学用品費の設定金額の増額を行いましたが、その後は新型コロナウイルス感染症の流行に起因した家計急変への対応に多くの財源が必要となり、就学援助の財源確保が難しくなったことから、国の基準額を参考とした更なる増額を行うことができなかったものです。
しかしながら、できるだけ早期に設定金額を国基準に増額できるように、関係部局と調整を図ってまいります。以上
要は財源確保ができなかったということですね。
昨年9月議会で我が会派は、近隣市との差を示して引上げを求めました。教育委員会は「近年の物価高騰の傾向などから、設定金額の増額は必要。関係部局と協議しながら設定金額の引上げを検討していく」と答弁しましたが、増額にはなりませんでした。3月議会で、我が会派は今年度小学校入学する準要保護の子どもは477人、中学校が639人、仮に国基準に引き上げようとした場合、必要額は約1782万円だとお示ししました。尼崎市の一般会計予算規模2,400億円からみたらほんのわずかな金額です。また、24年度決算では28億円の黒字だったではありませんか。努力が足りなかったとしか思えません。
今後このようなことがないよう強く要望します。
次に、トライやる・ウィークについてお聞きします。
文教分科会で、昨年度3校が自衛隊へ行き施設見学や体験を行ったと説明がありました。トライやる・ウィークとは、職場体験などを通じて地域について学び、「生きる力」を育むことを目的としています。
Q3 自衛隊の施設見学や体験が、トライやるウィークの目的にどのように合致しているのですか。
答弁要旨
自衛隊での施設見学や体験活動は、救急救命講習や災害緊急時の対応など、防災教育につながるもののほか、挨拶や時間を守る大切さなど、社会人、職業人として必要なスキルを主体的に学ぶ内容となっております。
教育委員会といたしましては、トライやるウィークは豊かな感性や想像力を高めるとともに、様々な体験活動を通じて、働くことや社会に参画することの意義を実感したり、社会の一員としての自覚を高めたりするなど、生徒一人ひとりが自分の生き方をも見つけられるよう支援する体験活動と認識していることから、自衛隊もその目的に合致した生徒が選択できる活動場所の一つであると考えております。以上
過去にも数校が毎年この事業で自衛隊に行っています。実施目的も、AED救急対応やマナーを学ぶ等でした。あえて自衛隊をえらばなくとも実習可能なものばかりでした。
自衛隊では今、米政権いいなりに軍備拡張が進められ、「専守防衛」から「先制攻撃も可」という方向に舵が切られています。南西諸島では島々に自衛隊の新たな基地が設置され、中国を睨んで「台湾有事」の際にはすぐに出撃できる体制づくりがされています。米軍との合同軍事演習の規模も拡大し、先ごろ行われた日・米・韓合同演習には、日本各地にある50もの自衛隊基地が参加しています。
トライやる・ウィークで行っている伊丹駐屯地は、中部方面総監部が駐屯。中部方面の司令塔的役割を持っているので、有事の際敵から攻撃を受けやすいとして地下シェルター化が計画されている基地です。
Q4 そういうところへ教育の一環で生徒を行かせるのは、好ましくないと考えますがいかがですか。
答弁要旨
トライやるウィークの体験活動場所につきましては、県が作成した指導の手引きを参考に、生徒の興味・関心、主体性を尊重するとともに、保護者の思いも把握した上で、地域や学校の実情に応じた事業所の中から選択しております。
自衛隊は、幅広い支援活動を実施しており、地震や水害などの自然災害時における人命救助をはじめ、水防活動、給水支援、物資輸送等において大きな役割を果たしております。
トライやるウィークにおける自衛隊での活動は災害派遣の経験や様々な防災訓練をされた方から学ぶことができ、生徒のキャリア発達を支援するととおもに、他者と協力・協働して社会に参画する態度や、自ら考え主体的に行動し、問題を解決する能力等を育成することにつながると考えております。以上
次に、相談支援専門員についてお聞きします。
障害福祉支援では、相談支援体制の充実がかねてからの課題でした。支援計画作成はようやく80%まで到達しましたが、その中身はセルフプランも含んでというものです。セルフプランとは当事者とサービス事業者が個別に契約されるもので、うまくいっている間はいいのですが、事業者を変更したいときは当事者本人が受けてくれる事業者を探さなければなりません。先日も身障2級の方から、「9月末で事業所が廃業することになり、次の事業所がまだ見つからず不安だ」という相談を受けています。
介護保険と同じように、サービス利用を必要とする障がい者一人一人に相談支援専門員が付いて当たり前のはずです。
Q5 サービス利用を必要とする人が何人いらっしゃって、相談支援専門員は何人いるのか教えてください。
答弁要旨
障害福祉サービス等の支給決定者数は令和7年8月現在で障害者5,219人、障害児3,289人、計8,508人となっています。
また本市で把握している市内の相談支援専門員は、令和7年5月現在で99人です。以上
尼崎障連協が毎年市に対し要望書を上げておられます。相談支援単独での事業運営は基本報酬が低く、支援専門員一人で150人担当してやっと事業が成り立つ状況だと述べておられます。
Q6 質も量も充実していくためには、この基本報酬を引き上げることが必要です。国に対し増額を求めるべきと考えますが、市は増額を求めていますか。
答弁要旨
計画相談支援や障害児相談支援などの生涯福祉サービス等については、三年ごとに報酬改定が実施され、給付費単位が見直されています。
特に令和3年度の改定時には、相談支援専門員を手厚く配置するなど、利用者への支援の充実を図る事業所に対しては報酬単位を手厚くするなど細分化した改訂が実施されました。
また、昨年度は計画相談支援や障害児相談支援に対しては、給付費単位を全体的に増やす改訂がなされています。
このように、段階的に増額改訂がなされていることから、現時点では、国への要望は考えておりませんが、引き続き、国の報酬改定については注意して参ります。以上
次は、介護保険についてです。
第1号被保険者の保険料が改定のたびに引きあがっています。基準額である第5段階で見ると、8期(2021~23年)は月額6,609円、今期(24~26年)は7,493円、介護保険がはじまった2000年は3,000円でしたから、8期は2.3倍、今期は2.5倍という引きあがり方です。物価高騰が続き消費税は10%のまま減税されず、受取る年金額はほぼ変わらない下で、被保険者の負担は限界にきています。
Q7 市の一般会計からの繰入で、保険料を引き下げるべきと考えますがいかがですか。
根本的には、国の負担割合が2000年当初から25%のままであることが問題だと思います。
答弁要旨
介護保険制度は全国一律の制度として、介護保険法において市の法定負担分が規定されております。
また、国からは、保険料減免を目的とした一般財源の投入は被保険者間の公平性の確保や財政規律の観点から適当ではないとの見解も示されているところでございます。
こうしたことから、本市独自で法定負担割合を越えた一般会計からの繰り入れを行う考えはございません。以上
Q8 国に対し、負担割合の是正を求めるべきだと考えますがいかがですか。
答弁要旨
これまでも、全国市長会を通じて、国に対し「介護保険財政の持続的かつ安定的な運営のため、国庫負担割合の見直しを行うなど、都市自治体の財政負担や被保険者の保険料負担が過重とならないよう財政措置の充実を図ること」を要望しております。
引き続き、介護保険制度が持続的かつ安定的な制度運営となるよう、各市と足並みをそろえながら、国への働き替えを続けてまいります。以上
訪問介護事業所が昨年の基本報酬削減以降、尼崎だけで24事業所が倒産しています。また、ケアマネージャーの人員不足も深刻で、昨年は1つの地域包括支援センターがそのために体制維持できず、他の事業者に急遽変更する事態となりました。地域包括支援センターの人員定数の規制緩和も行われました。市は、ケアマネ以外のケア労働者人材確保のために研修費用の補助を行っています。それでも人手不足は進む一方です。
昨年ケアマネージャーの職能団体の一つから、自身で行った詳細な実態調査の結果を「ケアマネージャーの危機」と銘打ってまとめ、市に対し意見交換会を要望されました。私はこの資料を読み、大いに勉強させていただきました。他自治体の処遇改善補助金制度や研修受講費助成金、厚労省が推奨するケアプランデータ連携システム導入支援補助金の紹介もされており、とても参考になりました。
Q9 尼崎市も、ケア労働者の人材確保のためにさらなる支援メニューが必要ではないですか。
答弁要旨
現在、本市の介護人材確保支援事業は、令和2年度に実施しました市内事業者への介護人材実態調査をもとに、課題とされた「資格取得に係る受講料の助成」や「潜在介護職の復職支援」について、令和3年度より継続して実施しているもので、一定の効果が得られていると認識しています。
一方で、全国的な介護人材不足が発生すると予測される中、国レベルでもその対策に向けた議論がなされているところでありますが、本市でも、第10期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の策定に向け、改めて、市内事業者等への介護人材実態調査を実施することとしており、その結果を踏まえ、更なる支援メニューの検討を行っていきたいと考えています。以上
ケア労働者の賃金は国が加算措置を行いましたが、それをしてもなお全産業平均より月額で8.6万円低い状態です。これを改善するには、介護保険料の引上げに連動させず、国が直接支援することが求められます。
Q10 国に対しケア労働者の処遇改善のため直接支援を行うよう求めて欲しいですが、いかがですか。
答弁要旨
先ほど申し上げた、全国市長会要望の中では、国費負担割合の引き上げとともに、介護人材確保の観点から、継続的な処遇改善措置による賃金水準の底上げや、保険料の水準に留意した介護報酬体系の構築等についても言及しております。
こうしたケア労働者の処遇改善は、高齢者社会を支える重要な内容であることから、今後とも粘り強く、国に対して働きかけてまいります。以上
次は、ウオ―ターPPPについてです。
市は、2003年以降それまで直営で行っていたポンプ場や浄化センターの運転管理を民間へ委託してきました。それに伴って市職員数は04年127人が24年には71人へと減少しています。
さらに今後は、施設の建替えや老朽化が進むことから、新たに東部ポンプ場の建替えを機に東部処理区の施設維持管理について、民間に全面的に委託しようと考えています。
Q11 ウオーターPPP導入検討のきっかけは、2027年度以降、ウオーターPPP導入を決定済であることが汚水管改築の国費交付要件になったこととお聞きしていますが、なぜ国はこのような決定をしたのかについて教えてください。
答弁要旨
国が、令和9年度以降に、下水道の汚水管の改築に係る国庫支援について、いわゆる「ウォーターPPP」の導入を交付要件とすることにつきましては、増大する施設の老朽化への対応や、職員の不足が全国的な課題となる中、民間の創意工夫や人的資源の効率化等の効果が期待できる官民連携の取り組みを、さらに推進するために行われるものと認識しております。以上
Q12 そもそも下水道事業の国庫補助金は、どのような取組が対象となりますか。また、ウオーターPPPが交付要件となる汚水管改築の国費支援は、今後どの程度の影響額となりますか。
答弁要旨
国の下水道事業の主な補助対象事業としましては、下水処理場、ポンプ場や管路等の下水道施設における「老朽化対策」「地震対策」及び、「浸水対策」等がございます。
また、ウォーターpppの導入が、国費の交付要件とされる汚水管の改築事業につきましては、今後10年間の事業費ベースで焼く220億円を見込んでおり、その財源となる国費交付金は2分の1にあたる訳110億円と推計しております。以上
市職員が東部処理区の施設維持管理業務から手を引くことになります。最初の契約時は市職員が業務のノウハウを熟知しているので、要求水準書の作成やチェックはできるでしょう。しかし、10年・20年と直接業務から職員が離れ、職員数も減らされる下では、その後の契約やあるいは契約期間内でも何らかの変更が必要となった時、十分専門的な知識や技能を持って対応できない。結局、民間事業者の要求がそのまま通ることになりはしないかと危惧します。民間事業者が全て悪だとは言いません。しかし、民間事業者の目的は利益を上げることが最優先です。公共の利益、公衆衛生的側面、災害時対応などは2の次3の次になるのではないでしょうか。
Q13 民間事業者に、公的責任を直営と同じように負わせることはできますか。
答弁要旨
下水道授業のウォーターPPPにつきましては、自然災害に対するリスク管理や対応、将来にわたる本市下水道部門における技術力の維持・向上などの課題を十分に踏まえつつ、令和10年度の事業開始にむけた準備を現在すすめているところです。
なお、その事業開始にあたっては、市内の下水道施設すべてを一括として対象とするのではなく、市内5つの下水道の処理区のうち、まずは本市の南東部地域を担当する東部処理区の施設のみを対象とする予定としており、他の処理区では、現行の方式で当面運営してまいります。
この新たな官民連携方式ウォーターPPPの導入は、これまでから市が担ってきた公的責任を、一方的に民間事業者に担わせるということではなく、民間の効率政党の強みをより一層活用することで、下水道事業の持続可能性の維持・向上を図ることが主眼であり、官民両者の適切なパートナーシップの構築を図っていくことが重要であると認識しております。以上