市民こんだん会を開催しました

2月19日 市民こんだん会を開催しました。

2月3月の議会は予算を決める議会です。

さまざまな市民の方の声を市政に反映させるために大切な会です。

感染対策を万全にして行いました。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

前市議の徳田さんのFacebookから写真をお借りしました。

 

あまがさきらしいミライをかんがえるタウンミーティングzoom開催です

●2022.2.7

尼崎の総合計画に対するタウンミーティングが開催されます。

ぜひ皆さんも意見、声をあげてください。

コロナ感染拡大の影響にてオンライン(zoom)開催となっています。

申し込みが必要です。2月9日開催分の締め切りは明日8日です。

10日開催分〆切は明後日、11日開催分の申し込み締め切りは10日です。

FAXやメールでお申込みください。詳細は下記チラシをご覧ください。

第6次尼崎市総合計画(素案)はこちらから!

(「添付ファイル」の項にあります)

2021.12月議会 松沢ちづる議員の一般質問と答弁要旨

議会中継の動画はこちらhttps://smart.discussvision.net/smart/tenant/amagasaki/WebView/rd/result.html?group_id=3

 

第一登壇

 日本共産党議員団の松澤千鶴です。

9月議会の決算総括質疑で、尼崎市が2030年までに二酸化炭素を2013年比で50%削減することについて取り上げました。今回も引き続きこのテーマについてお聞きします。

また、個人事業主へのコロナ禍・コロナ後の支援についても取り上げます。

 先月イギリス・グラスゴーでCOP26が開催され、石炭火力発電の削減・廃止に向けた各国の取り組み姿勢が大争点となりました。イギリス・ドイツ。フランス・EU・ポーランド・韓国・ベトナム・インドネシアを含む46の国と地域が、石炭火力の新設中止や段階的廃止を明記した石炭火力の「廃止宣言」に賛同しました。しかし、日本政府はこの流れに背を向け、2030年までに石炭火力発電所を9カ所も新増設する計画を見直すこともなく「化石賞」を受賞するという恥ずべき態度をとっています。

 尼崎市は6月5日に市長自らが気候非常事態行動宣言で「50%削減」を公表されたのに、肝心の国がこれでは、気候危機打開への展望が見えません。尼崎市の地球温暖化対策推進計画では「国などの施策への協力や本市独自の施策を講じることで、削減目標の達成に向けて取り組む」としています。国との協調を言っているのであれば、国に対し、言うべきことがあるのではないでしょうか。

 

Q1,市長にお聞きします。石炭火力発電所の廃止どころか、新増設9カ所も計画していると演説し、COP26で化石賞を受賞した日本政府に対し、市長はどのような感想をお持ちですか。抗議をすべきではないですか。

 

答弁要旨

 日本の石炭火力発電については、再生可能エネルギーを最大限導入する中で、調整力としての役割を担っている部分があります。電力の安定供給や電気料金、産業活動への影響等も考慮する必要があることから、現時点で政府に抗議することまでは考えていませんが、石炭火力発電につきましては、親切・既設を問わず、CO2排出量が多い発電方法であることは間違いありません。

 しっかりとしたロードマップを描きつつ、再生可能エネルギーの割合を着実に増やしていくことが重要だと考えております。

 

 次に、尼崎市の地球温暖化対策推進計画の第5章基本理念と施策体系では、「私たちのエネルギーを賢く活かせるまち あまがさき」を基本理念とし、取り組みの視点の3つ目に「エネルギーを選ぶ」をあげて「温室効果ガスを排出する化石燃料に由来するエネルギーを使わない、または、減らすことが必要です」としています。私も、この視点が重要と考えます。

 9月議会で、市民や事業者が積極的に太陽光発電に取り組めるようにするために、どんなことを考えているのかと質問しました。当局答弁では、具体的取組として①エネルギーの地産地消 ②ZEHをはじめとしたスマートハウスの普及促進 ③PPAモデルの活用をあげられました。

 そこでお尋ねします。

Q2 現在エネルギーの地産地消の取り組みはどれくらい市内でできていますか?

 

答弁要旨

 市内に設置された太陽光発電設備で発電された電力を自家消費するか、売電するかについては個々の契約によるため、地産地消の状況を把握することは困難ですが、太陽光発電設備の導入状況で申し上げますと、固定価格買い取り制度に基づき売電を行っている設備については、令和2年度末時点で5,256件、46,712Kw分が導入されていることを把握しております。

 これまでの導入寮の推移につきましては、年間5~10%程度で増加しており、市内の太陽光発電設備は一定のペースで導入が進んでいるものと考えております。以上

 

Q3 今後、家庭、事業所それぞれでどれくらいを目標とするのですか?

 

答弁要旨

 現在、尼崎市地球温暖化対策推進計画におけるCo2の削減目標について見直しを行っている最中ですが、目標の達成に向けては、新たに導入される太陽光発電設備で発電される電気の全てが自家消費されるものとし、2030年時点において、家庭部門では5,700Kwh程度、産業・業務部門ではクリーンセンターにおける廃棄物発電による電気を市内で循環させる取組も含めまして、33,200Kwh程度の電気を市内で地産地消することを想定しています。 以上

 

 FIT-固定買取価格制度が終わりを迎えているなか、電気の売電価格がどんどん下落し、現在の価格は1kw毎時11~12円です。「「小規模なソーラーでは採算が合わない」と、事業からの撤退や設置の減少傾向が続いています。帝国データバンクの調査によると、2018年度は全国の太陽光発電業者の8.8%が赤字、倒産は18年が96件、20年が79件、今年も増加するだろうとの予測です。一方、太陽光発電の設置・システムコストはFIT導入当初の1kw当たり30万円から、現在は25~16万円まで低下しています。つまり、売電による利益収入は率が悪くなっているけれど、設置費用は安くなり導入しやすくなっているわけです。

 

Q4 こうした状況の下で、尼崎市は再エネ導入の仕掛けをどうしようと考えていますか?PPAモデルの活用とはどういうものですか?

 

答弁要旨

 市内への再エネ導入を加速するため、市民むけには、断熱性の向上や高効率設備、再エネの導入などによりエネルギー収支が実質ゼロ以下となるZEHに対する補助を引き続き行うとともに、太陽光発電設備や蓄電池の導入を希望する市民を募り、一括して入札することで価格の低減を図る共同購入制度を活用した取り組みについて、よりスケールメリットを活かすため、他都市と連携して実施することなどを検討しております。

 また、中小企業に対しては、PPAモデルを活用した太陽光発電設備や蓄電池の導入促進などにより再エネ導入を進めてまいりたいと考えております。

 なお、PPAモデルとは、PPA事業者が需要家の屋根等に無償で太陽光発電設備を設置・運用し、発電した電気を需要家がPPA事業者から購入するもので、需要家は、初期費用、メンテナンス費用等不要で設置でき、発電した電気を自家消費することができるサービスです。

 

 次に、個人事業主へのコロナ禍・コロナ後の支援について質問します。

今年はコロナ禍での生活支援として、国からの一時支援金や月次支援金、健からの時短協力金などの給付がされています。営業時間短縮の要請期間が長かったことにより、これらの給付金で年間収入が1千万円を超える人も出てくると言われていますが、本来、未曽有の災害から生活を守るための国から事業者への見舞金であって、非課税とすべき性格のものです。しかし、国税庁は①金額が大きいこと ②事業活動の売上を補填するためのものという理由で、課税対象としています。

 私は、尼崎でスナックを家族で経営している個人事業主の方々の実業をお聞きしました。営業時間の短縮要請期間のほとんどは、来客がないので休業とされました。それでも店の家賃や水光熱費いわゆる固定費が200~300万円かかり、給付金の残りは600~700万円、これが課税対象になるわけです。例年200~300万円が課税所得となる規模の商売をし、それに相応する税金や国民健康保険料、介護保険料などを払ってきた人たちが、来年は大幅な負担増になってしまいます。一方、10月後半から営業時間の短縮は緩和されてきましたが、客足は戻ってきていません。稼ぎ時の年末年始の宴会も、自粛や小規模にしようという社会的な風潮があります。

 

Q5 お尋ねします。市長は今、個人事業主さんの間で、来年度の大幅な負担増に対する不安があることをご存じですか?

 

答弁要旨

 本市における事業者支援は、国・県の制度の補完を基本として、効果的かつ効率的な支援を行うこととしています。こうした考え方に基づき、新型コロナウイルス感染症対策として、今年度も国の月次支援金や県の時短協力金等の給付が実施されており、市としても国・県の給付の対象とならなかった事業者向けに事業継続一時支援金の受付及び支給を実施しているところです。

 ご指摘のように、事業に関連して支給される助成金は、所得補填としての性格を持ちますことから、所得税の課税対象となり、来年度の税や国民健康保険料等への影響が及ぶことになります。事業者からの問い合わせや窓口での応対の際には、こうした点を踏まえながら、聞き取り等により事業者の状況を把握しつつ、国や県の制度も合わせて案内しています。 こうした取組により、事業者の実情に合わせた支援が行き届くよう努めており、今後とも事業者の皆様が抱く不安の解消を図っていきたいと考えております。

 

 来年度700万円が収入確定されると、所得税、市県民税、国民健康保険料、介護保険料などでざっと300万円が消えます。客足が戻っていないと想定すると、残り400万円で店の固定費は200~300万円を払いながら、自分たち家族の生活とスナックの経営をやっていかなければなりません。コロナ禍の2021年をなんとか乗り切っても、来年度非常に厳しい現実が待ち構えています。

 日本共産党は公営住宅家賃について県議団を通じて国土交通省に問い合せを行い、給付金は一時収入とみなし課税所得としないので、県営住宅の家賃には影響しないと回答を得ています。また、本市の住宅管理担当課によれば、国土交通省近畿地方整備局に問合わせし、市営住宅についても同様の回答を得ているとのことです。

 

Q6 事業継続や生活のために必要な部分は非課税措置ができるよう、国に求めるべきと考えますが、いかがですか

 

答弁要旨

 個人事業主に対する所得課税は、業務上の取引に関連する収入から経費を差し引いた利益に対して課税されるものとなっております。

 ご質問の一時支援金・月次支援金・兵庫県の新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金等は、営業自粛等に伴う収益や経費の補填を趣旨としており、業務上の取引に関連する収入と同様の性質を有し、課税対象となるものであることから、非課税措置が適用されるよう、国に求める考えはございません。

 なお、経費を差し引いた収支が赤字となる場合は、所得に対する税負担は生じないこととなっております。以上

 

Q7 少なくとも公営住宅家賃のように、国民健康保険料・介護保険料などの算定時に、特段の配慮ができませんか。

 

答弁要旨

 国民健康保険料のうち、収入の増減の影響を受ける所得割額につきましては、国民健康保険法施行令において、地方税法に規定する所得金額を算定の基礎とする旨が定められております。

 したがいまして、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金などの取扱いにつきましても地方税法の規定によるところとなるものでございます。以上

 

 介護保険料は、介保保険法施行令において、地方税法に規定する合計所得金額から雑所得を控除して得た額を算定の基礎とする旨が定められております。

 したがいまして、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金などの取扱いにつきましても地方税法の規定によるところとなるものでございます。以上

 

また、確定所得により就学援助金の支給対象から除外される場合も出てきます。

 

Q8 就学援助金について、公営住宅家賃のように特段の配慮ができませんか。

 

 答弁要旨

 就学援助制度の所得判定にあたっては、前年の課税所得が対象となり、その額が基準額以下である場合に、支給対象者として認定をしております。

 こうした中で、コロナ禍での生活支援として国等から支給される一時支援金などについては、現在のところ、就学援助制度を所管する文部科学省から、その取扱いについて、特段の指示もないことから、所得判定時に課税所得として含み、支給決定を行っているところです。

 なお、昨年度におちては申請期間の延長や、コロナの影響等により家計が急変した世帯について、減収した状況を考慮し認定するなどの対応を行っております。 今後とも国の動向を注視し、適切な対応に努めてまいります。以上

 

 コロナ禍、コロナ後のくらしや商売を継続するために、ぜひ行政が知恵を発揮していただきたいです。

これで第一問を終わります。

 

第2登壇

 

 個人事業主への支援について

 尼崎市国民健康保険条例22条には、「市長は、災害により被害を受けた場合、その他規則で定める特別な事情がある場合において、特に必要と認めるときは、保険料もしくは延滞金を減免し、または6か月以内の期限を限って、その徴収を猶予することができる」」と書かれています。介護保険条例の9条にも同様の条文があります。根本的には国が給付金を非課税対象にすべきですが、市としても市民のくらしを守る立場で英断を求めます。

 

 再生可能エネルギーについて質問を続けます。

 市の仕掛けの一つとして、住宅については、太陽光パネル資材の共同購入で割安で設置ができるようにすることを考えているとの答弁でした。中小企業向けは、一定規模以上のところは基本的にはエネルギー管理や設備の維持管理が出来ているので、その他つまり小規模事業者については、省エネ対策の提案などを検討していくとのことです。これで果たして2030年までに50%削減の目標が達成できるでしょうか。もっと積極的な取組みが要るのではないかと思います。

 私は24年前に終の棲家を購入しました。購入時には太陽光発電を考えましたが、性能やコスト面に不安があり設置しませんでした。しかし、今、人類の生存を賭けて脱炭素社会をめざさなければならない時、私も微力ながら貢献したいです。

しかしすでに67歳、今から太陽光パネルを設置したりスマートハウスに移り住むことはとてもできません。精一杯できることとして今やっているのは、省エネと宝塚のすみれ共同発電所の電気を使うことぐらいです。すみれ共同発電所の発電量はそんなに多くないので、足らずは関電の電気で補っているようです。私のように「化石燃料に由来するエネルギーは使いたくない」と思っている市民も多いと思います。今後、気候問題にきっちりと対峙すればするほど、そういう市民は増えるはずです。

 新たに住宅を購入しようとする市民にスマートハウスの普及は重要ポイントですが、すでに戸建て住宅や集合住宅に住んでいる市民も、借家に住んでいる市民も、エネルギーを選べるように、太陽光圧電を市内で戦略的に増やしていく仕掛けが求められると思います。

 

PPAモデルの活用について答弁いただきました。

経済界では脱炭素をビジネスチャンスととらえ、様々な取組を提示しています。

ネットで調べる限りでは、PPAはオリックスや三菱UFJなど大手企業やメガバンクがやっている手法です。太陽光発電システムの設置費用が不要で、そこでつくられた電気はそこで使う地産地消ですが、利益は市外あるいは県外の大手企業にもっていかれ、地域に循環しません。

 

Q9 PPAの活用に市内業者や市民が参入できる余地はあるのでしょうか。

 

答弁要旨

 PPAモデルは、世界的な脱炭素の流れを受け、近年日本でも注目され始めた新たなビジネスモデルであり、大規模な工場だけではなく、住宅や事務所等を対象としたメニューも出てきており、広く市民や市内事業者に活用いただけるものと考えております。

 従いまして、市民や事業者の皆様に積極的にPRを行い、再エネ導入の際の有効な手段の一つとして、今後より一層普及するよう努めてまいります。以上

 

 日本政府は「2050年カーボンゼロ」を掲げましたが、その中身は本気度が疑われます。COP26でみたように、石炭火力への固執は世界からノーが突き付けられています。脱炭素を口実にした原発だのみのエネルギー政策は、放射能汚染という最悪の環境破壊を引き起こしかねません。また、新技術たとえば火力で排出される二酸化炭素を回収し地下に貯留するとか、燃料にアンモニアを混ぜるとか、水素の利用などで二酸化炭素の排出を減らすとしています。しかし、どれも実用化されていません。

 今、世界が求めているのは、2030年までに二酸化炭素の排出量を着実に2010年比で45%以上、先進国では50~60%削減することです。日本政府の方向は、それに見合った対応とはいえません。

 また、今の日本では電力の自由化といっても、実質大手10社の電力会社が支配する体制の下で今後も進めるスタンスに変わりはありません。

 

 気候危機打開に誠実に本気で取り組もうとすれば、脱炭素、省エネ、再エネをすすめる社会システムの大改革が必要です。

 

 今、全国のあちこちで太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスといった地域の固有資源を大手電力会社に吸収されるのではなく、住民の手に取り戻す取り組みが進められています。その一つが自治体新電力です。これまで家庭や商店向けの電気は、関西では関西電力だけが販売してきました。電力自由化が進む中、2016年4月からは家庭や商店でも電力会社が選べるようになりました。それ以後、地域内の発電電力を活かして、公共施設や家庭、民権企業などに電力を供給する小売電気事業が各地で生まれ、その中でも自治体が出資するものを自治体新電力と言います。

 鳥取県米子市の再エネ導入推進の取組が注目です。米子市は、2011年第一次環境基本計画策定時に脱炭素社会の実現を掲げ、住宅用太陽光発電導入推進補助金(県・市1/2づつ)制度をつくり、各家庭での太陽光発電設備の設置を後押ししました。8年後の2019年には、米子市の世帯の47%に当たる31500世帯分の年間電気使用量に相当する電気を、住宅用太陽光発電だけで賄えるようになっています。

 また、2017年には米子市と地元企業5社の出資で「エネルギーの地産地消による新たな経済活動の基盤の創出」を理念に、地域おこしを目的とした地域エネルギー会社「ローカルエナジー株式会社」が設立されています。電気の小売り・卸売・地域熱供給・開発・次世代エネルギー実証などの事業を行っています。

 奈良県生駒市では、2017年生駒市と生駒商工会議所・南都銀行・市民団体である「市民エネルギー生駒」の4者の出資で「いこま市民パワー株式会社」が設立され、環境モデル都市アクションプランの中心的な施策として位置づけられています。電気の小売り、卒FIT電気の買い取り、啓発活動、官民共同の研究、取り組みで得た収益でコミュニティサービスなどを行っています。

 両市ともに、市民や事業者の再エネ推進意欲を後押しするために、設置補助金制度を持っています。尼崎市は、家庭用では2007年から09年まで太陽光パネル設置補助金の制度を作っていましたが、2010年に国からの補助金制度ができたことなどを理由に止めています。今、市民や事業者が利用できるのは、県の公益財団法人「ひょうご環境創造協会」が扱う支援補助金のみとなっています。

 

Q10 尼崎市は気候非常事態行動宣言を出し、まさに市民や事業者に行動しようと呼びかけたのですから、これを契機に再度、太陽光発電設置の補助金制度を作るべきと考えますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、次年度につきましては、市民向けには、すでに実施しておりますZEHに対する補助制度に加え、太陽光発電設備や蓄電池の共同購入制度について、近隣他都市と連携して実施できるよう、調整を進めているところでございます。

 この共同購入制度における他都市先行事例では、約4KWhの太陽光発電の場合、市場価格と比較して約30万円ほど価格低減がみられるなどの効果があったと聞いており、過去に本市が行っていた補助制度よりも、市民にとってメリットが大きいものとなっておりますことから、本事業を実施し、その効果を見極めてまいりたいと考えております。以上

 

Q11 尼崎市も、再エネの地産地消を本気ですすめるのであれば、自治体新電力を検討したらどうでしょうか。

 

答弁要旨

 本市では、令和2年度から「エネルギーの地産地消促進事業」を実施しております。当事業は、小売電気事業者と連携することで、クリーンセンターの廃棄物発電による余剰電力を、Co2排出量ゼロのクリーンな電気として、市内事業者に一般的な電気料金よりも安価で提供し、さらには連携事業者のリソースを活かし、AIを用いた省エネ診断や省エネコンサルティング、設備導入に対する融資等、事業者自らによる脱炭素経営・SDGs経営を支援するもので、全国的にも新しい取組でございます。

 再エネの地産地消を開始するにあたっては、議員ご指摘の地域新電力も含め、様々な手法を比較検討する中で、今回は現行のスキームを選択したものでございます。現在の取組につきましては、連携事業者との協定期間が令和8年3月までとなっていることから、以降の点かいについては、それまでの取組を検証し、検討してまいります。以上

 

 9月議会で再生可能エネルギーの「優先利用原則」を国の責任でつくるよう求めました。当局答弁では、関西電力管内では問題がないことと、国の第6次エネルギー計画に取り組みが示されているとのことでした。しかし、私の知人で豊中市内の中小企業に勤める方の話では、国からの補助で工場の屋根に太陽光パネルを設置し、必要な電力はすべて自社でつくることができるようになっているとのことです。しかし、工場が休みの土・日につくられた電気は関電が買い取ってくれず、すべて放電している。関電とそういう契約になっているとのことです。

 また、昨年の国会で日本共産党の笠井亮衆院議員が追求しましたが、九州電力は2011年以降、原発再稼働には5800憶円を投じる一方、送電設備の投資額は3215憶円しか充てられておらず、原発優先の下で昨年4月以降ほぼ連日、再エネの出力抑制を行っているとのことです。

 地域で再生可能エネルギーをつくり利用を拡げるには、再エネ電力の優先接続を義務化することや、小規模な再エネ発電事業者の接続線を、大手の送電事業者の責任で設置させるなどが課題としてあります。

国の計画に明記されているならなおさらのこと、しっかりと計画の実行を国に求めていただきたいです。それが、尼崎で再エネの地産地消を促進する保障にもなります。

 

Q12 あらためてお尋ねします。国に対し再エネ「優先利用原則」の実行を求めるべきです。いかがですか。

 

答弁要旨

 9月議会における総括質疑でもご答弁申し上げたとおり、本市が含まれる関西電力(株)管内においては、再生可能エネルギーによる発電の出力抑制が行われた実績はございません。

 さらに、10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの最大限の導入に向け系統の増強などについても取り組むものとされていることから、現状において国に再エネの「優先利用原則」を求めることは考えておりません。以上

 

これで第2問目を終わります。

 

 

第3登壇

 

 指摘にとどめます。

 再生可能エネルギーの地産地消の取り組みは、様々な未来への展望を開きます。産業革命以来の目覚ましい産業発展は、私たちのくらしだけでなく民主主義も大きく向上させてきました。

その一方で温室効果ガスを多量に排出し続け、地球の平均気温は当時よりすでに1.1~1.2度上昇し、2030年までに1.5度以下に抑えなければ日本全土を覆いつくすような巨大台風が毎年発生し、小さな島の国では海面上昇で国自体が大半、海に沈んでしまう事態へと進みます。

 人類的課題に尼崎市が気候非常事態行動宣言を全国に発信し、具体的に再エネの地産地消を進めることは、環境未来都市あまがさきのイメージをグッとアップします。

 また、地産地消は利益が大企業に吸い上げられてきたこれまでの仕組みを変え、地域に新たな地場産業を作っていくチャンスにもなります。

 市民や市内事業者とタッグを組んで再エネの地産地消に取り組む尼崎市へと進化することを切に願い、私のすべての質問を終わります。

2021.12月議会 まさき一子議員の一般質問と答弁要旨

議会中継の動画はこちらからhttps://smart.discussvision.net/smart/tenant/amagasaki/WebView/rd/result.html?group_id=3

おはようございます。日本共産党議員団のまさき一子です。

今日は「市立幼稚園が目指すべき姿について」「武庫川周辺阪急新駅設置について」を質問します。

 

第1登壇

まずは、市立幼稚園の再編についてお聞きします。

 尼崎市の幼児人口は1973年(昭和48年)をピークに減少を続け、市立幼稚園で4歳児の定員割れが常態化している園が存在し、4・5歳児とも1クラスしかない園があることなどの課題がありました。

教育委員会は、これらの課題を解決するために、2010年に「尼崎市立幼稚園のあり方検討会」を設置し、市立幼稚園がめざす姿や教育内容の充実、効果・効率的な運営体制について検討してきました。2012年効率的な運営体制を確立するために「尼崎市立幼稚園教育振興プログラム」を策定し、16年に5園、18年に3園、19年に1園を減らし、18園あった幼稚園が9園になりました。

 市立幼稚園は複数学級編成をめざし、幼稚園の再編を進めてきました。しかし少子化の影響や女性の社会進出に伴い園児数の減少により複数学級編成が困難な状況にあります。要するに入園児が集まらず、定員数を大幅に減らし続け2021年5月現在では定員数1325人に比べて実際は470人と35.5%の実績となっています。質問します。

 

 Q1:現行の市立幼稚園9園の方向性をお示しください?

 

答弁要旨

 尼崎市立幼稚園においては、少子化の影響や女性の社会進出に伴う保育需要の増加等により、園児数が定員の4割を下回り、複数学級の編成が困難になっている、一方で、特別な支援が必要な子どもの割合については増加している状況にあります。

 そのため、令和3年6月より学識経験者・関係団体・保護者を構成委員とする「尼崎市立幼稚園のあり方検討会」を設置し、平成24年8月に策定した「尼崎市立幼稚園教育振興プログラム」に掲げる6つの柱の現状分析を行い、その成果と課題等を踏まえながら、市立幼稚園が担うべき役割を再整理するとともに、今後の市立幼稚園の目指すべき姿党について協議を進めているところでございます。検討会は、これまで5回開催し、今年度中に、協議いただいた内容を報告書としてまとめていく予定にいたしております。今後、検討会の報告書の内容を踏まえながら、現行の幼稚園教育振興プログラムに代わる新たな計画を策定していくこととしており、その中で、市立幼稚園の具体的な方向性を示してまいりたいと考えております。以上

 

武庫川周辺阪急新駅の建設について

阪急神戸本線における武庫之荘駅と西宮北口駅の駅間は約3.3kmと阪急神戸本線の中でも最も長く、その中間にあたる武庫川周辺における新駅の設置は、昭和初期から議論がなされてきました。

2004年阪急武庫川橋りょう架け替え工事が完了し、11年から兵庫県、西宮市、阪急電鉄の3者による「武庫川周辺阪急新駅に関する検討会」が設置されました。13年に尼崎市は「会」の要請に応じ、「駅設置を前提としないゼロベースからの勉強会」という名目で参加。

2016年「(仮)武庫川周辺阪急新駅設置による効果・影響についての報告書」が作成・公表されました。その報告書のまとめには、「将来人口の増加(西宮市)、人口減少の抑制(尼崎市)、税収の増加、周辺駅の駐輪問題の緩和に対して効果が見込める。その一方で、駅周辺の社会基盤整備の事業費、用地等の確保や周辺環境の変化への影響等の課題も多くあり、駅設置による様々な影響について慎重に進める必要がある。」と駅建設には慎重な方向性が示されました。

ところが2021年9月の報告書のまとめでは、「尼崎市と西宮市が抱える様々な政策課題に加え、新型コロナウイルス感染症拡大防止に係る喫緊の対応等により、各事業主体の財政状況がさらに厳しくなっている中で、本事業の実施には相応の費用負担と期間が見込まれる。堅実な事業進歩を図るためには国庫補助事業採択を前提とした調整を着実に進めていくことが不可欠。今後財政状況等も一層勘案しながら、現地調査により課題把握と事業手法の検討を進めつつ、周辺地域住民や関係機関等の協議調整に取り組んでいく」と新駅建設を進めることを前提にした内容でした。

尼崎市はこれまで、武庫川周辺阪急新駅(以後新駅と言います)建設の優先度は低かったはずです。ここにきてなぜ新駅建設に前向きな状況になったのか、寝耳に水です。  

質問します。

 

Q2:今年はコロナ禍2年め、市民の生活や不景気・物価高が一層深刻化している状況下で、税収減が見込まれる中、なぜ新駅建設が出てきたのですか?

 

答弁要旨

 武庫川周辺阪急新駅につきましては、平成25年度から西宮市と阪急電鉄、兵庫県との4者検討会に参画し、設置による事業効果や整備の考え方などの検討を重ねてまいりました。

 本市としては、これまで新駅の設置については、全体事業費や本市の財政負担が見通せていないことから、優先的に推進することを判断できる状況にない、との考えを示してまいりましたが、これまでの調査研究を通じて、概算ではありますが、全体事業費や本市の負担が明らかになるとともに、新駅の設置が本市の人口減少抑制や税収増に加えて、住環境や防災面など、新駅周辺地域が抱える課題の解決への寄与が効果として見込まれることを総合的に判断し、今後も検討会での調査研究を継続し、本事業の具体化に向け、周辺地域住民の方々や関係機関等との協議調整に取り組んでいくとの考え方のもと、報告書を取りまとめたものです。以上

 

     これで第1問目を終わります。2問目からは一問一答で行います。

 

第2登壇(一問一答)

まずは、公立幼稚園が目指すあるべき姿についてです。

2012年(H24年)の「市立幼稚園教育振興プログラム」策定で、18園から9園に集約された時の文教委員会の議事録を読み返し、亡くなった共産党議員団の田村議員の奮闘が懐かしくよみがえりました。

市立幼稚園はそのほとんどの園児が校区の小学校に入学する、地元には小学校と同じようになくてはならない幼稚園でした。幼小連携は毎日の暮らしの中で、子ども達が小学校に図書館の利用や教室見学に行ったり、給食を一緒に食べたり、運動会や音楽会にも参加をしたり、垣根なしに幼小の連携がとれていました。何よりの幼友達が同じ学校にいるというのはどんなに心強い事でしょうか。それが18から9園に減らされ、地元の幼稚園が遠ざかった思いで、2012年の文教委員会に複数の幼稚園の保護者から出された陳情を読み返し、地元の幼稚園がなくなる当時の保護者の無念な思いがよみがえりました。

市立幼稚園はセンター的機能を担っていると言われますが、入所園児が少なく複数学級が出来ない状況の中で、小学校との連携や公私保育所、民間幼稚園との横のつながりができにくくなってきているのではないか。要するに市立幼稚園が担うセンター機能としての役割が果たせなくなっているのではないかと思わざるを得ません。

Q3:市が考える市立幼稚園のセンター機能の役割とはどんなものなのでしょうか?

また、現在その機能は果たしているとお考えですか?

 

答弁要旨

 「尼崎市立幼稚園教育振興プログラム」において、市立幼稚園では、幼児教育の場としての機能に加え、地域住民や子育てグループ等の子育て支援に携わる身近な人々と連携し、地域の未就園児を含む保護者の教育力向上を支援する幼児期教育のセンター的機能を担うこととしております。

 こうした方針に基づき、これまで市立幼稚園体験保育事業や地域への開放事業などの実施により多数の幼児・保護者に参加いただいているほか、未就園児親子に対する相談体制の強化も行っているところであり、子育てに不安を抱えている地域の家庭をはじめ、就園までの継続した支援が図られています。

ま また、市立幼稚園が中心となり、幼保小の連携を推進する中で、子どもについては、小学校への行事参加や日常の授業見学等を、教師については、合同研修会や情報交換会等を実施するなど、幼児期から小学校への滑らかな接続に向けて取り組みを進めているところであり、センター的機能といった点では一定の役割を果たしているものと考えています。

 しかしながら、就園前の子育て支援事業における参加者の低年齢化への対応や幼保小連携の内容の充実、全市展開に向けた進捗などの面では課題もあり、引き続き市立幼稚園としての取組の充実を図っていく必要があると認識しております。

 

次はセンター機能のインクルーシブ教育について

私は、インクルーシブ教育の重要性を感じることがありました。家の孫は生まれた時から遺伝子の珍しい疾患で、心臓と指に奇形があり、知的障がいがあります。1歳から保育園に預かってもらい健常児と一緒に育ちました。生活発表会では合奏やダンスが大好きで、適当にやっているのかなと思いきやちゃんとリズムをとっており、最後にピシッと決まる姿は圧巻でした。運動会でのバルーンダンスでは所定場所を外れて適当な列に入ってもスーと列を明けて入れてくれ、何事もないようにダンスが続きます。障がい児にとってはお友達に受け入れられ、一緒に育つ中で自分が持っている可能性を精一杯発揮しようとします。健常児もまた障がい児を受け入れ、思いやりが深い子ども達が育ちます。今、孫は阪神特別支援学校に行っていますが、保育園の思い出は大事な宝物です。

 

Q4:インクルーシブ教育が必要な子どもが増える中で、公立幼稚園が果たす役割は重要だと思いますがいかがですか?

 

答弁要旨

 市立幼稚園においては、近年、特別な支援を要する幼児やその疑いのある、いわゆるグレーゾーンの幼児が増加傾向にあります。そうした幼児の発育や発達に係る専門性を活かし、集団の中で子どもの育ちを支援することや、保護者の相談に応じることなども、市立幼稚園が担う重要な役割であると認識しております。

 そのため、今後とも、幼児期におけるインクルーシブ教育の充実に向け、積極的に研究、実践を進めてまいりたいと考えています。 以上

 

現在は、特別支援が必要な子どもの受け入れは、特設学級は1学級5人の定員、集団生活が可能な障害であること等の枠組みを設けています。あり方検討会では、特別な支援が必要な子どもが増えている中、通常学級における定員の見直し、個々の特性に応じた職員の配置等を検討がされています。民間幼稚園は特別な支援が必要な子どもの受け入れは困難であり、市立幼稚園の役割は重大です。

 

Q5:インクルーシブ教育をどのように充実し、特別な支援が必要な子どもの入園基準は

どうなりますか?

答弁要旨

 尼崎市立幼稚園のあり方検討会において、インクルーシブ教育を推進していくためには、1学年あたり5人を定員としている特設学級の受け入れ枠の廃止や、特別な支援が必要な子どもの特性に応じた職員配置の必要性等について、ご指摘をいただいています。

 また、特別支援児の入園基準についても、判定機関を設置し判定基準を明確にしていく必要があるといった意見をいただいているところでございます。

 そのため、本検討会からの意見を踏まえながら、特設学級のあり方や入園基準の見直し等、今後のインクルーシブ教育の充実策について検討してまいりたいと考えております。以上

 

3歳児保育の受け入れについて

幼稚園が担う就学前教育として3歳児からの受入れは、保育の無償化により保護者のニーズがより一層高くなっています。公立幼稚園も3歳児保育から始めるべきと思っています。

私は阪神間の他都市の状況を調べてみました。神戸市は32園の公立幼稚園があり、そのうち9園が3歳児入園可能でした。宝塚市は公立10園中3園が入園可能。伊丹市は公立8園全園で実施。西宮市は公立13園ありますが3歳の受け入れはしていません。基本公立は3歳児の受け入れは当初からあったものではありませんでした。しかし保護者のニーズは、3歳児保育が当たり前になってきています。

Q6:本市も公立幼稚園での3年保育はすぐにでもやるべきと思う。いつからやるのですか?

答弁要旨

 尼崎市立幼稚園のあり方検討会において、3年尾引くの実施についても検討事項の1つとして協議を行っております。

検討かいの委員からは、市立幼稚園の役割として、インクルーシブ教育を推進するためには、幼児教育の質の観点からも3年保育の実施は必要であるといった意見や、3年保育を実施する場合は、財政面等からも、統廃合や認定こども園化等、市立幼稚園の再編と併せた検討が必要となってくるとの意見をいただいております。

 また、3年保育を実施している私立幼稚園との関係も考慮し、慎重な対応が必要であるといったご指摘もいただいているところです。

 繰り返しになりますが、今後、本検討会の報告書の内容も踏まえ、策定を予定している新たな計画の中で、市立幼稚園の具体的方向性を示してまいりたいと考えております。以上

Q7:センター機能、インクルーシブ教育、3年保育、これらを9園すべてで実施するべきと思いますが、いかがですか?

 

答弁要旨

  尼崎市立幼稚園のあり方検討会において、市立幼稚園にどのような機能や役割が必要なのかということについて議論を行っており、委員からはインクルーシブ教育の推進、地域の子育てセンター機能の充実、就学前教育の研究実践機能の充実、3年保育等についての意見をいただいております。

今後においては、さらなる幼児人口の減少や保育需要の増加等も予想される中、検討会でいただいたご意見のような市立幼稚園が担うべき役割を果たすためには、効果・効率的にとりくんでいくための体制を構築することが重要であり、市立幼稚園の再編も視野に入れながら検討していく必要があると考えております。以上

 

インクルーシブ教育を含めたセンター的機能というのは、公立幼稚園としてなくてはな

らない機能であり、身近な幼稚園として9園すべてに必要なものではないかと思っています。

幼児教育が後伸びする力への重要性、発達障害の早期発見と対応、幼児の食育、保護者の親育て、子育て相談、子どもの虐待や貧困への対応等、公立幼稚園がセンター的機能を発揮する課題は山積しています。それを一つ一つ丁寧にやっていくことが、子どもの成長への大きな力になるのではないかと思います。

 

次は認定こども園化について

 

 市立幼稚園としての大きな課題が、第1登壇でも言いましたが、2年保育では園児が集まらず、複数学級が作れないどころか、定員数の40%も満たないこと。このままでは入園児がいなくなる勢いで減っているという問題があります。あり方検討会では、生き残りをかけ認定こども園化を考えておられます。

三田市も園児が定員を満たない状況が続き、10園ある市立幼稚園のうち3園を3歳児保育の実施と7園を統廃合し2園の認定こども園にする計画を発表しました。苦肉の策とは言え10園から5園に減らすのは残念でなりません。

 

Q8:尼崎市はどのような形で、認定こども園に移行しようとされているのですか?これ以上、幼稚園を統廃合しないと言えますか?

 

答弁要旨

 尼崎市立幼稚園のあり方検討会において、市立幼稚園の再編の考え方の一つとして、認定こども園化についても検討事項としているところです。

 検討会の委員からは、「待機児童対策の観点から認定こども園の設置も取組の1つである」「公立の認定こども園の設置に向けては、2号・3号認定の子どもの受け入れに伴う新たな職員の確保や財源が必要である」「設置場所も、既存の保育施設の経営に支障が出ないよう、慎重に検討していく必要がある」などの意見をいただいています。教育委員会といたしましても、認定こども園の設置につきましては、そのメリット、デメリット等を踏まえながら、慎重に検討していく必要があると考えておりますが、いずれにいたしましても、認定こども園化を含む市立幼稚園の今後の方向性につきましては、新たに策定を予定している新たな計画の中でお示ししてまいりたいと考えております。以上

 

私は、公立認定こども園を否定するつもりはありませんが、9か所になった市立幼稚園をこれ以上減らすことのないよう強く求めます。

 

 

次は武庫川周辺阪急新駅について

 

2016年の「(仮)武庫川周辺阪急新駅設置による効果・影響についての報告書」に書かれている「駅設置に伴う課題について」という項目があり、人口増や税収増などの効果だけではなく次の課題があるとしています。その課題はどのように解決していくのか聞いて行きます。

まずは、①駅舎や駅周辺の都市施設等の社会基盤整備のため多額の事業費と用地確保が必要となる。

②駅整備に伴い周辺の土地利用が進み、生産緑地や農地が減少する可能性がある。したがって、農地の保全策や貴重な農地に替わる緑地が必要がある。

③新駅周辺に集まる人や車両が増加することから、賑わいが創出される反面、住環境の悪化が懸念される。

➃人口増加に伴い、新たな公共施設や公共サービスが必要となる。

 これら示されていた課題についてお聞きしていきます。

Q9:駅周辺整備は、高架下の土地活用等、駐輪場の設置計画しか表明されていませんが、社会基盤整備については、具体的にはどのようにされるのですか?

 

答弁要旨

 新駅を設置する場合に見込まれる周辺整備の具体的な内容につきましては、今後、地域の皆さま方と意見交換するなかで検討してまいりたいと考えております。

 なお、阪急電鉄高架下用地の活用方法や自転車駐車場の整備につきましても地域のご意向を踏まえるとともに、需要に見合った整備手法等を整理しながら、慎重に検討してまいりたいと考えております。

 

続けて質問します。

Q10:駅周辺には、広い農地が広がっています。この貴重な農地の保全についてはどのような努力をされるのですか?

 

答弁要旨

 周辺地域における農地の多くは生産緑地法の指定を受け営農を継続しておられます。

 その一方で、生産緑地に指定されていない農地、いわゆる宅地化農地が存在していることから、新駅が設置されることになった場合は、一定程度の土地利用転換が生じるものと考えております。

 これらのの内は、住環境を構成する重要な要素となっていることから、保全と転換による調和が図られるよう検討してまいりたいと考えております。以上

 

新駅周辺を丁目ごとの資料に示しています、ご覧ください

南武庫の荘6丁目に住むファミリー世帯は「ここは車が少なく、家の前で子どもが遊んでいても危なくない、近くに公園があり、武庫川河川敷にもすぐに行ける環境が気に入って家を建てる場所に選んだ。人通りが多くなると治安が心配」

武庫町1丁目の若い住民も「数年前、近くに駅ができるからとこの場所を選んだけど、子どもを育てる中で交通量が少なく安全。今ではこの環境が気に入っている」と利便性や賑わいよりも日常的に安全な環境を望んでいます。

9月議会では、公明党の蛭子(えびす)議員の総括質疑の中で、事業進展の理由に総合政策局は「県と国、4者検討会の中で尼崎市の負担金が明らかになった。人口減少抑制となる。税収増が見込まれる。住環境、防災等に効果がある。周辺環境の課題解決なるとの理由で、報告書にとりまとめた」との答弁がありました。

 

 

Q11:2016年の駅周辺の課題に「人通りが多くなり賑わう反面、住環境が悪化される」とあります。しかし9月議会の総合政策局の答弁では、「住環境や防災面で効果がある」とおっしゃっています。なぜ、180度変わったんですか?

また「周辺環境の課題解決になる」と答弁されていますが、課題とはどういうことでしょうか、具体的にお答えください?

 

答弁要旨

 平成28年12月に作成した報告書において、仮に新駅を設置する場合に想定される課題のひとつとして、「新駅周辺に集まる人や車両が増加することから、賑わいが創出される反面、住環境の悪化も懸念される」とお示ししておりますが、今回の報告書においても基本的な認識が変わっているものではございません。

 一方、周辺地域における課題は、先の報告書にも記載しておりますように、人口転出等による活力低下、利用可能な交通モードが脆弱であること、生産緑地の保全と低未利用地の活用などと認識しておりますが、とりわけ、人口転出につきましては、市域全体の人口動態がここ数年社会増となっている中で、武庫地域においてはその期間にあっても社会減が続いている状況となっております。

この地域は、工場跡地のような大規模な住宅開発が見込まれる地域ではないため、低未利用地の活用について、小規模開発が無計画に進んでしまう、いわゆるスプロール現象を出来る限り防ぎつつ、良好な住宅供給を促進する必要があると考えており、市域全体の課題解決につながる取組にはなりますが、住宅マスタープランの改定なども行ってきたところです。

 これらの課題認識を持ちながら、新駅を設置した場合に見込まれる効果によって、まちの魅力が向上し、賑わいの創出や居住人口の増加につながるものと考え、地域住民の皆様方にもこれまれの研究の内容をお示しして、これからご意見を伺っていこうとしているものです。以上

 

 

次に南武庫之荘地域の住環境の整備について伺っていきます。

新駅から1㎞圏内にある南武庫之荘9・10・12丁目あたりは、武庫川周辺に行くほど暗くて、道路が狭く途中で途切れている、旧商店街だったところは軒並みシャッター通り、空き家や倉庫、町工場等があり夜道はたいへん不安があります。様々な問題を解決しつつ、住環境の整備も含めて課題が多くある地域です。

南武庫之荘の住民は「道が細くていりくんでいる。駅を作るのであれば道路の広さや補修をしてほしい」

 

Q12:南武庫之荘9・10・12丁目の住環境の課題について、当局はどのように考えていますか?

 

答弁要旨

 武庫川周辺阪急新駅設置の具体化に向けては、今後、地域住民の方々のご意向を確認するためのアンケート調査や、課題は悪のための状況調査の実施を検討しているところでございます。

 個別具体の状況については、今後、必要に応じて様々な場において確認し、対応を検討してまいりたいと考えております。以上

 

 駅が近くに開設されることで、生産年齢人口の減少に抑制がかかることを期待されていますが、武庫川河川周辺を夜間、子どもや学生、会社帰りの女性等が安心して自宅に帰るには、不安がある地域だと言えます。新駅からのバスもありません。徒歩、自転車での利用なら、利用範囲の整備は行うべきです。

 地域住民は、「夜道が暗い、明るくしてほしい」との要望もあります。新駅建設は、駅舎とその周辺整備だけをすればいいというものではなく、街づくりと一体で考えなければいけない問題です。新駅までの往復に不安を抱える様では、新駅をつくる意味がありません。

 

Q13:新駅建設には、西宮市と按分して尼崎市の分担約9億円、周辺整備に2億円かけるとしていますが、それだけで済むのでしょうか?新駅建設にあたっては、南武庫之荘の住環境の問題解決と一体で考えるべきと思いますがいかがですか?

 

答弁要旨

 報告書に記載しておりますが、新駅設置と周辺整備にかかる事業費については概算で算出したもので、費用負担も未定であることから、今後具体化に向け、事情費の精度向上や整備手法等の検討・協議を行うこととしております。

 その中で、先ほど答弁いたしましたとおり、今後、地域住民の方々のご意向を確認するためのアンケート調査や、課題把握のための状況調査の実施を検討しているところであり、個別具体の状況については必要に応じて確認し、対応を検討してまいりたいと考えております。

 

 昨日の蛯子議員の一般質問では、武庫会や社協の役員さんには説明と意見を求めたと聞きましたが、一般市民への説明と意見の聞き取はまだだと思います。

 武庫町の住民の聞き取でも「唐突に新聞で知った」「知らなかった。本当に実現するの?」と知らない住民が多いことを実感しました。

 

Q14:尼崎市は駅からの往復の問題、道路状況、住環境の問題、尼崎市民が新駅を求めているのか、今やらないといけない事業なのか?等の調査も含めて慎重な検証が必要だと思いますが、いかがですか?

 

答弁要旨

 繰り返しの答弁となりますが、今後、地域住民の方々のご意向を確認するためのアンケート調査や、課題把握のための状況調査の実施を検討しているところでございます。

 新駅設置の具体化に向けては、これらのアンケート調査や状況っか宇人の結果を踏まえながら、西宮市、阪急電鉄とも協議を行ってまいりたいと考えております。以上

 

今年の9月7日の西宮市議会では石井市長が「9月3日に兵庫県、尼崎市、阪急電鉄、そして西宮市の4者が足並みをそろえて新駅設置の事業化に向けた取り組みを進める合意に達したことは新駅実現に向けての大きな一歩である。

関係したみなさま方に感謝を申し上げます。特に尼崎の稲村市長には、リーダーシップを発揮して頂き、この検討会の合意、尼崎市さんと一緒にこうした形になったことは、大変大きな前進と考える」と発言されておられます。

 

Q15:西宮市長は「尼崎市から合意を得た」と9月7日の西宮市議会で発言されています。

まだ調査や市民との合意も整っていないのに、検討もしていない、市議会での審議もされていないのに、県や西宮市と合意をするというのはどういうことですか?

 

答弁要旨

表現の仕方の問題かと思いますが、本市といたしましては、本年9月にとりまとめた報告書の内容について、四者検討会として合意したものであり、新駅の設置に合意したものではございません。

 

当局からの説明では、これからアンケート、市民説明会をして市民の意見を聞き検討する。と私は説明を受けました。新駅の建設に合意するとは見切り発車ではないですか。

 

Q16:これまでは市長は、一貫して新駅建設には消極的な姿勢だったと思います。それが一変した理由は何ですか?

 Q17:住民説明もないまま検討中ですというごまかしは大変心外です。もし住民が新駅に反対したら、また方針を転換するのですか?結果ありきの県や西宮市との合意は一体だれが決めたんですか?

 

答弁要旨

 これまで答弁申し上げておりますとおり、本市といたしましては、これまでの検討内容をとりまとめた報告書について、四者検討会の構成員として合意したものでございます。

 新駅の設置について、本市においては、まず地域住民の方々のご意向を確認するためのアンケート調査や、課題把握のための状況調査等を踏まえたうえで、その事業化について判断する必要があると考えております。以上

 

10月1日のサンテレビの記者インタビューで、稲村市長はこう答えていらっしゃいます。

「あくまでも身の丈に合った新駅を目指す。尼崎市は非常に厳しい財政状況がこれまでも続いている。財政的にしっかりと無理のない形ですすめていくことが大切である。駅としてもコンパクトな。事業費を抑えることを想定している。駅ビルとかは想定していない」と答えられています。やることが大前提の発言です。

 

共産党議員団は、あくまでも住民合意を取ったうえで方針を決めてほしいと考えています。住民には丁寧な説明と意見を聞くべきと要望します。

 

最後は来年度行う予定の、新駅に係る市民アンケートについてです。

新駅が出来ることで生じる問題を調査し、住環境の問題解決等、多額の予算をつぎ込む事業です。周辺住民にお聞きする中で「阪急武庫之荘駅があるので、住民にとってはどちらでも良い」と、「あってもなくても市民生活に支障をきたさない事業である」との意見もありました。市民の税金を使う事業であり、是非とも広範囲に市民アンケートを実施してほしいと思います。質問します。

 

Q18:アンケートには、少なくとも園田、塚口、武庫地域の阪急電鉄利用する地域については範囲を広げて行ってほしい。年齢層・住んでいる地域も含めた広範な市民の率直な意見を聞き、検証してほしいと思いますがいかがですか。

 

答弁要旨 

 武庫川周辺阪急新駅の設置については、まずは周辺地域にお住まいの方々を中心にその意向を確認する必要があると考えております。以上

これで私の質問はすべて終わります。ありがとうございました。

 

2021.12月議会 山本なおひろ議員の一般質問と答弁要旨

議会中継の動画はこちらからhttps://smart.discussvision.net/smart/tenant/amagasaki/WebView/rd/result.html?group_id=3

 

日本共産党の山本直弘です。

 自治体デジタルトランスフォーメーションについて質問いたします。

9月の決算分科会での総務分科員間協議で、重要事項の一つとして「行政手続きのオンライン化をはじめとする、自治体デジタルトランスフォーメーションの取組を推進すること」が決められましたが、この自治体トランスフォーメーションがデジタル技術の有効活用により社会の在り方をより良い方向へ変革すること、それを自治体行政に活用し、市民や職員にとって便利、効率かが図られるという良い面をもつとともに、看過できない負の側面もあると考えるため、この問題について質問をいたします。

 

 今年5月12日に「デジタル関連法」が成立し、菅前首相の肝いり、目玉政策としてその中身を推進するための司令塔として、9月には「デジタル庁」が新設されました。

 デジタルトランスフォーメーション、自治体トランスフォーメーションといった言葉が、コロナ禍にあって様々な場面、様々な媒体を通じて頻繁に耳にするようになりました。

 このデジタルトランスフォーメーション、以下、適宜DXと略します、この言葉そのものが使われるようになったのは、2018年に経済産業省が出した「デジタルトランスフォーメーション推進ガイドライン」が最初であると認識しています。

 この時の用語の意味の説明では「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位を確立すること」と定義されていました。

 

 このDXを地方自治体にも適用し、昨年12月25日に政府全体に効力が及ぶ「デジタルガバメント実行計画」が閣議決定で定められるとともに、総務省は「自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画」を定めました。

 さらに今年7月7日に、総務省は「自治体DVF推進手順書」を公表し、自治体に対し、これに従ってDXを推進するよう促しています。

 自治体においては、自らが担う行政サービスについて、デジタル技術やデータを活用して、住民の利便性を向上させ、デジタル技術やAI等の活用で業務の効率化を図り、人的資源を行政サービスのさらなる向上につなげていくことを求めています。

 また、政府は新型コロナ対策の様々な遅れの一因として、「行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れ」に求めて、各省庁や自治体の縦割りを打破し、行政のデジタル化を進めること、そして今後5年で自治体のシステムの統一・標準化を行い、どの自治体に住んでいても、行政サービスをいち早く届けると宣言しました。

 自治体DXの取組を今後推進していくためとして5月に成立した「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」には、2つの大きな問題をはらんでいると思います。

 1つ目は、2025年までに、全国の自治体、市区町村の住民情報、住民基本台帳、選挙人名簿、年金や介護などの社会保険、住民税などの情報システムについて、国が標準仕様を定め、その使用に基づいたシステムを、国が容易するガバメントクラウドに集約しようとするものです。

 これまで各行政は、自前のサーバーの基盤システムをもっていて、運用してきましたが、これを民間企業が所有・管理するサーバーを使用するクラウドで運用する大転換をしようとする動きがあります。

 昨年10月から、「第2期政府共通プラットホーム」と呼ばれる日本の中央省庁向けクラウドの運用が米国Amazon社のアマゾンウエブサービスを基盤として開始され、また、今年の10月26日にデジタル庁がガバメントクラウドの先行事業として、米国Googleのクラウドサービスを使うと発表しました。

 これでは、米国企業などや諜報機関に、地方自治体が持つ重大な個人情報が渡ってしまう危険があるのではないでしょうか。

 この基本方針の策定には、知事会・市長会・町村長会から意見聴取の上、方針案を作成する旨の規定があります。さらに、所管大臣は情報システムの標準化のための基準を策定する際、地方公共団体の「意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」としています。

 

お尋ねします

 

Q1 米国などの民間企業や諜報機関に住民の個人情報が渡ってしまう危険性のある「地方公共団体の情報システムの標準化」について、市長はどのようにお考えですか。お聞かせください。

 

答弁要旨

 「地方公共団体の情報システムの標準化」は、令和7年度末までに、全国一律の標準仕様に基づき、住民系のシステムを再構築し、国・自治体共通のクラウドサービスを利用することにより経済的かつ安定的な市民サービスの提供を実現するものです。10月には、先行事業として8自治体が米国2社のクラウドサービスを利用して、クラウド化の実証をすることが発表されました。

 この標準化に向けた国・自治体共通のクラウドサービスは、国が国際標準等を踏まえて策定したセキュリティ基準に基づき、各基準が適切に実施されているかを第三者が監査するプロセスを経て選定したサービスのみに限定されています。したがいまして、8自治体の実証結果を踏まえた上で、同サービスを利用して本市としてのシステムの標準化を進めてまいります。

 

続けて質問します。

 

Q2 そして市民の個人情報を守るためにも、このシステムの統一に反対すべきだと思いますが、いかがですか?

答弁要旨

 本市は、現在、安全かつ安定した業務システムで継続的に市民サービスを提供する観点から、システムの保管場所として、地震に強い地盤や高台等の立地にあること、建物が耐震免震、耐火等の構造であること、広域的な停電時においても電力を一定期間供給できる電源設備を有していること、入退管理等厳重なセキュリティ対策が施されていること、などの条件を満たす、情報システムのクラウド化の検討を進めているところです。

「地方公共団体の情報システムの標準化」については、国のガバメントクラウドサービスを利用することが前提となっており、同サービスは本市が進めるクラウド化と条件が合致することから、この考え方のもとで進めてまいります。

 

 

 次に、この国と地方自治体のシステム標準化・共通化によって、住民サービスが切り捨てられる危険性についてお尋ねいたします。

 

 全国の自治体は、地方自治体の本旨に基づき、子どもの医療費助成や生活困窮者や災害被災者を救援するために住民税や国民健康保険料、介護保険料を減免するなど、住民の要求や地域の特性に応じて独自の住民サービスを実施しています。尼崎市でも国民健康保険料の軽減、低所得者への介護保険サービスの減免など、自治体独自の施策を行っています。

 この自治体独自の住民サービスを維持していくには、標準化されたシステムでは対応できないことが指摘されています。

 

 富山県上市町では、国民健康保険料や医療費の情報システムについて、隣接する7市町と共同してクラウドを利用しています。町議会で議員が、3人目の子どもの国保税を免除することや、65歳以上の重度障害者の医療費窓口負担を免除することを町独自に実施するように提案しましたが、町長は「町独自でカスタマイズすることは、経費の軽減に向けてクラウドを導入した決定医師に反する、コストがかかる」として拒否しています。

 滋賀県湖南市の市長は「事務については無理にカスタマイズするよりは簡素化を図って業務を減らしていくことも大事だ」と議会で答弁しています。国の情報システムの「標準化」や「クラウド化」が押し付けられれば、自治体独自の住民サービスをやめる自治体が広がるおそれがあります。

 しかも総務省は、地方自治体が独自の施策を行うためのカスタマイズを抑制するために財政誘導を行っています。標準化基準に適合させるためにかかる費用について国は一定の財政支援を行うとしていますが、標準化対象外のシステム化やカスタマイズにかかる費用は全額自治体の負担としています。

 

お尋ねいたします。

 

Q3 独自施策を行うための情報システムのカスタマイズの必要性について、どのように考えていますか。

続けて質問します。

Q4 カスタマイズするとするならば、どれほどの費用を見込んでいますか。お答えください。

 

答弁要旨

 情報システムの運用にあたりましては、条例等で定めている本市独自の施策や本市特有の効率化について、一定の対応が必要と考えております。

まずは、現在標準仕様が示されている住民記録システムについて、本市が導入している現行のシステムとの差異を分析し、業務及びシステムの見直しを図った上で、必要なところは、対応を検討してまいります。

 なお、標準システムを自治体がカスタマイズすることは禁止されており、別のシステムを外付けする、いわゆるアドオン対応となりますが、現時点で費用を算出することは困難でございます。以上

 

 

 次に、自治体が独自に制定する個人情報保護条例をリセットし、個人情報を含むデータの利活用を強力に進める危険性についてです。

 

 2015年の個人情報保護法改悪によって、行政機関や独立行政法人などが保有する個人情報を匿名加工したうえで、民間事業者から利活用する提案を募り、審査を経て提供される仕組みが作られました。本人の同意は不要とされています。さらに、今回のデジタル改革関連法では、データ流通に邪魔な規制を取り除き、利活用をしやすくする仕組みを盛り込みました。本人の知らぬ間に、行施から民間へ、データ提供するのがこの個人情報保護法改悪の実態です。

 これまで自治体は、個人情報保護条例を設けて国の個人情報保護法よりも厳しい独自の規制を行い、住民のプライバシー権を守ってきました。個人情報保護条例では①住民からの個人情報の提供は本人の同意に基づく、②提供した目的以外には使用しない、③自治体から外部には抵抗しないことを原則としています。

 個人の情報の利活用、漏洩に対する不安という点では、本市でも18歳、22歳の市民の個人情報を、本人の同意なく自衛隊にCDデータとして渡されているという問題もあります。本人が知らぬところでみずからの情報が様々の機関にわたっている実態があることに多くの市民が不安を抱いています。

 

そして国は、各自治体の個人情報保護条例に基づく運用が「官民や官同士での円滑なデータ流通の妨げになっている」とし、国として「統一ルール」を定め、個人情報の取り圧かいを国の個人情報保護委員会に一元化するとしました。

 今、尼崎市には57条の条文からなる「尼崎市個人情報保護条例」がありますが。国は自治体に対して個人情報保護条例の見直しを求めています。

 この「条例リセット」の最大の目的は匿名加工情報制度と情報連携を自治体に行わせ、教育、健康診断、介護サービス、子育て支援といった住民サービスに直結する個人情報の「宝庫」である自治体が保有する情報を吐き出させることにあります。

 

お尋ねします。

 

Q5 デジタル関連法によって、尼崎市の「個人情報保護条例」を改正することを考えていますか・

考えているとすれば、どの条文をどのように変えるか具体的にお示しください。

 

答弁要旨

 個人情報の保護に関する法律が令和3年5月に改正され、改正規定の施行後、本市の個人情報保護制度は、個人情報保護条例ではなく、同法律の規定に基づき運用することとなります。

 改正後の個人情報保護法では、地方公共団体が条例において定める事項を規定しており、本市においては、例えば、開示決定の期限が国よりも短縮されていることなどが街頭することから、こうした事項については、条例で定めることが必要になるものと考えています。以上

 

 続けて質問します。

 

Q6 市民が自らの個人情報をコントロールするため、外部の機関等に自らの情報がわたることを事前に市民が知り、拒否する権利は補償すべきだと思いますがいかがですか。

 

答弁要旨

 先ほどご答弁申し上げまたとおり、改正後の個人情報保護法の施行後は、本市の個人情報保護制度は、同法の規定に基づき運用することとなります。

 同法の規定の解釈等につきましては、今後、国において、ガイドラインが示される予定でございます。

 本市の条例にどのような権利義務規定を設けることができるかについては、国のガイドラインの内容を踏まえて検討する必要がありますので、国の動向を注視してまいります。

 

 次にマイナンバーカードについてです。

かねてから、我が党はマイナンバーカードの問題点を指摘してきました。

社会保障と税、災害対策のみに活用してきたマイナンバーカードを、今年10月からの健康保険証としての本格運用開始、2022年中にはスマートフォンへ搭載、ハローワークカードとの一体化、マイナポータルを通じた自治体検診情報の提供開始、2023年度には介護保険証としての利用、生活ほど受給者など、矢継ぎ早に様々なものがマイナンバーカードと一体にさせられようとしています。

 マイナンバーカードについては、昨年の国民一人当たり10万円給付する「特別低額給付金」の際、マイナンバーカードで申請すれば素早く対応できるかのふれこみで、市の窓口に市民が殺到しましたが、結果、システムがパンクしてむしろ混乱を引き起こしてしまったことも記憶に新しいところです。

 一方、その普及率が、10月末現在全国で39.1%、尼崎市も39.0%にとどまっているのが現状です。これは政府に対する不信、自らの情報が漏洩する危険性に対する不安が、多くの国民の中にあることを示しているのではないでしょうか。

 

 デジタル化を進めるならば、官民問わず情報が漏洩した場合の原因解明と責任追及、プライバシー侵害の補償などの諸規定の整備が大前提です。コロナ対応での自治体窓口混乱等の徹底した検証もせずに、マイナンバーカードを行政のデジタル化の基盤に据えることは危険極まりないといわなければなりません。

 

お尋ねします。

 

Q7 今後、このように個人情報がマイナンバーカードと紐づけられれば、個人情報の漏洩の危険性が増すと思いますが、どのように考えますか。

 

続けて質問します

 

Q8 多くの市民に個人情報の漏洩に対する不安が払しょくされない中、マイナンバーカード普及促進を急ぐべきではなく、市民の意向、意思を尊重すべきだと考えますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 マイナンバーカードは、安全・安心で利便性の高いデジタル社会の基盤となるものであり、今後、健康保険証や運転免許証との一体化など、個人情報を紐づけることにより、更なる利便性の向上が期待されております。 その一方、個人情報の漏洩はあってはならないことであり、マイナンバーカードには不正な情報取得を防止する機能や電子証明書ごとの暗証番号の設定などのセキュリティ対策とともに、紛失や盗難にあった場合も24時間365日体制で一時利用停止の受付を行うなどの対策が講じられているところでございます。

 いずれにいたしましても、マイナンバーカードがより一層、普及することにより、市民の利便性の向上や行政の効率化、更には社会保障の公平性の実現などにつながるものと考えており、今後とも、その利活用の促進とカードの安全な取扱いが図られるよう、国とともに丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。以上

 

 このように国の推し進める「デジタルDX」は、様々な問題を抱えていると思います。

 地方自治体は個人情報を守る「防波堤」です。

市民の個人情報を外国や民間企業に売り渡す恐れ、そして自治体独自の施策ができなくなる恐れのある「自治体DX」に対し、国の圧力に屈するのではなく、自治体の自主性を発揮して、デジタル技術を住民のくらしと権利、住民サービスの向上、職員の労働環境の改善、能力の発揮などに生かすように活用することこそが、憲法の要請である地方自治体の本旨にかなった真のデジタル化の方向性だということを強調いたしまして、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。