2021.12月議会 松沢ちづる議員の一般質問と答弁要旨

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第一登壇

 日本共産党議員団の松澤千鶴です。

9月議会の決算総括質疑で、尼崎市が2030年までに二酸化炭素を2013年比で50%削減することについて取り上げました。今回も引き続きこのテーマについてお聞きします。

また、個人事業主へのコロナ禍・コロナ後の支援についても取り上げます。

 先月イギリス・グラスゴーでCOP26が開催され、石炭火力発電の削減・廃止に向けた各国の取り組み姿勢が大争点となりました。イギリス・ドイツ。フランス・EU・ポーランド・韓国・ベトナム・インドネシアを含む46の国と地域が、石炭火力の新設中止や段階的廃止を明記した石炭火力の「廃止宣言」に賛同しました。しかし、日本政府はこの流れに背を向け、2030年までに石炭火力発電所を9カ所も新増設する計画を見直すこともなく「化石賞」を受賞するという恥ずべき態度をとっています。

 尼崎市は6月5日に市長自らが気候非常事態行動宣言で「50%削減」を公表されたのに、肝心の国がこれでは、気候危機打開への展望が見えません。尼崎市の地球温暖化対策推進計画では「国などの施策への協力や本市独自の施策を講じることで、削減目標の達成に向けて取り組む」としています。国との協調を言っているのであれば、国に対し、言うべきことがあるのではないでしょうか。

 

Q1,市長にお聞きします。石炭火力発電所の廃止どころか、新増設9カ所も計画していると演説し、COP26で化石賞を受賞した日本政府に対し、市長はどのような感想をお持ちですか。抗議をすべきではないですか。

 

答弁要旨

 日本の石炭火力発電については、再生可能エネルギーを最大限導入する中で、調整力としての役割を担っている部分があります。電力の安定供給や電気料金、産業活動への影響等も考慮する必要があることから、現時点で政府に抗議することまでは考えていませんが、石炭火力発電につきましては、親切・既設を問わず、CO2排出量が多い発電方法であることは間違いありません。

 しっかりとしたロードマップを描きつつ、再生可能エネルギーの割合を着実に増やしていくことが重要だと考えております。

 

 次に、尼崎市の地球温暖化対策推進計画の第5章基本理念と施策体系では、「私たちのエネルギーを賢く活かせるまち あまがさき」を基本理念とし、取り組みの視点の3つ目に「エネルギーを選ぶ」をあげて「温室効果ガスを排出する化石燃料に由来するエネルギーを使わない、または、減らすことが必要です」としています。私も、この視点が重要と考えます。

 9月議会で、市民や事業者が積極的に太陽光発電に取り組めるようにするために、どんなことを考えているのかと質問しました。当局答弁では、具体的取組として①エネルギーの地産地消 ②ZEHをはじめとしたスマートハウスの普及促進 ③PPAモデルの活用をあげられました。

 そこでお尋ねします。

Q2 現在エネルギーの地産地消の取り組みはどれくらい市内でできていますか?

 

答弁要旨

 市内に設置された太陽光発電設備で発電された電力を自家消費するか、売電するかについては個々の契約によるため、地産地消の状況を把握することは困難ですが、太陽光発電設備の導入状況で申し上げますと、固定価格買い取り制度に基づき売電を行っている設備については、令和2年度末時点で5,256件、46,712Kw分が導入されていることを把握しております。

 これまでの導入寮の推移につきましては、年間5~10%程度で増加しており、市内の太陽光発電設備は一定のペースで導入が進んでいるものと考えております。以上

 

Q3 今後、家庭、事業所それぞれでどれくらいを目標とするのですか?

 

答弁要旨

 現在、尼崎市地球温暖化対策推進計画におけるCo2の削減目標について見直しを行っている最中ですが、目標の達成に向けては、新たに導入される太陽光発電設備で発電される電気の全てが自家消費されるものとし、2030年時点において、家庭部門では5,700Kwh程度、産業・業務部門ではクリーンセンターにおける廃棄物発電による電気を市内で循環させる取組も含めまして、33,200Kwh程度の電気を市内で地産地消することを想定しています。 以上

 

 FIT-固定買取価格制度が終わりを迎えているなか、電気の売電価格がどんどん下落し、現在の価格は1kw毎時11~12円です。「「小規模なソーラーでは採算が合わない」と、事業からの撤退や設置の減少傾向が続いています。帝国データバンクの調査によると、2018年度は全国の太陽光発電業者の8.8%が赤字、倒産は18年が96件、20年が79件、今年も増加するだろうとの予測です。一方、太陽光発電の設置・システムコストはFIT導入当初の1kw当たり30万円から、現在は25~16万円まで低下しています。つまり、売電による利益収入は率が悪くなっているけれど、設置費用は安くなり導入しやすくなっているわけです。

 

Q4 こうした状況の下で、尼崎市は再エネ導入の仕掛けをどうしようと考えていますか?PPAモデルの活用とはどういうものですか?

 

答弁要旨

 市内への再エネ導入を加速するため、市民むけには、断熱性の向上や高効率設備、再エネの導入などによりエネルギー収支が実質ゼロ以下となるZEHに対する補助を引き続き行うとともに、太陽光発電設備や蓄電池の導入を希望する市民を募り、一括して入札することで価格の低減を図る共同購入制度を活用した取り組みについて、よりスケールメリットを活かすため、他都市と連携して実施することなどを検討しております。

 また、中小企業に対しては、PPAモデルを活用した太陽光発電設備や蓄電池の導入促進などにより再エネ導入を進めてまいりたいと考えております。

 なお、PPAモデルとは、PPA事業者が需要家の屋根等に無償で太陽光発電設備を設置・運用し、発電した電気を需要家がPPA事業者から購入するもので、需要家は、初期費用、メンテナンス費用等不要で設置でき、発電した電気を自家消費することができるサービスです。

 

 次に、個人事業主へのコロナ禍・コロナ後の支援について質問します。

今年はコロナ禍での生活支援として、国からの一時支援金や月次支援金、健からの時短協力金などの給付がされています。営業時間短縮の要請期間が長かったことにより、これらの給付金で年間収入が1千万円を超える人も出てくると言われていますが、本来、未曽有の災害から生活を守るための国から事業者への見舞金であって、非課税とすべき性格のものです。しかし、国税庁は①金額が大きいこと ②事業活動の売上を補填するためのものという理由で、課税対象としています。

 私は、尼崎でスナックを家族で経営している個人事業主の方々の実業をお聞きしました。営業時間の短縮要請期間のほとんどは、来客がないので休業とされました。それでも店の家賃や水光熱費いわゆる固定費が200~300万円かかり、給付金の残りは600~700万円、これが課税対象になるわけです。例年200~300万円が課税所得となる規模の商売をし、それに相応する税金や国民健康保険料、介護保険料などを払ってきた人たちが、来年は大幅な負担増になってしまいます。一方、10月後半から営業時間の短縮は緩和されてきましたが、客足は戻ってきていません。稼ぎ時の年末年始の宴会も、自粛や小規模にしようという社会的な風潮があります。

 

Q5 お尋ねします。市長は今、個人事業主さんの間で、来年度の大幅な負担増に対する不安があることをご存じですか?

 

答弁要旨

 本市における事業者支援は、国・県の制度の補完を基本として、効果的かつ効率的な支援を行うこととしています。こうした考え方に基づき、新型コロナウイルス感染症対策として、今年度も国の月次支援金や県の時短協力金等の給付が実施されており、市としても国・県の給付の対象とならなかった事業者向けに事業継続一時支援金の受付及び支給を実施しているところです。

 ご指摘のように、事業に関連して支給される助成金は、所得補填としての性格を持ちますことから、所得税の課税対象となり、来年度の税や国民健康保険料等への影響が及ぶことになります。事業者からの問い合わせや窓口での応対の際には、こうした点を踏まえながら、聞き取り等により事業者の状況を把握しつつ、国や県の制度も合わせて案内しています。 こうした取組により、事業者の実情に合わせた支援が行き届くよう努めており、今後とも事業者の皆様が抱く不安の解消を図っていきたいと考えております。

 

 来年度700万円が収入確定されると、所得税、市県民税、国民健康保険料、介護保険料などでざっと300万円が消えます。客足が戻っていないと想定すると、残り400万円で店の固定費は200~300万円を払いながら、自分たち家族の生活とスナックの経営をやっていかなければなりません。コロナ禍の2021年をなんとか乗り切っても、来年度非常に厳しい現実が待ち構えています。

 日本共産党は公営住宅家賃について県議団を通じて国土交通省に問い合せを行い、給付金は一時収入とみなし課税所得としないので、県営住宅の家賃には影響しないと回答を得ています。また、本市の住宅管理担当課によれば、国土交通省近畿地方整備局に問合わせし、市営住宅についても同様の回答を得ているとのことです。

 

Q6 事業継続や生活のために必要な部分は非課税措置ができるよう、国に求めるべきと考えますが、いかがですか

 

答弁要旨

 個人事業主に対する所得課税は、業務上の取引に関連する収入から経費を差し引いた利益に対して課税されるものとなっております。

 ご質問の一時支援金・月次支援金・兵庫県の新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金等は、営業自粛等に伴う収益や経費の補填を趣旨としており、業務上の取引に関連する収入と同様の性質を有し、課税対象となるものであることから、非課税措置が適用されるよう、国に求める考えはございません。

 なお、経費を差し引いた収支が赤字となる場合は、所得に対する税負担は生じないこととなっております。以上

 

Q7 少なくとも公営住宅家賃のように、国民健康保険料・介護保険料などの算定時に、特段の配慮ができませんか。

 

答弁要旨

 国民健康保険料のうち、収入の増減の影響を受ける所得割額につきましては、国民健康保険法施行令において、地方税法に規定する所得金額を算定の基礎とする旨が定められております。

 したがいまして、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金などの取扱いにつきましても地方税法の規定によるところとなるものでございます。以上

 

 介護保険料は、介保保険法施行令において、地方税法に規定する合計所得金額から雑所得を控除して得た額を算定の基礎とする旨が定められております。

 したがいまして、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金などの取扱いにつきましても地方税法の規定によるところとなるものでございます。以上

 

また、確定所得により就学援助金の支給対象から除外される場合も出てきます。

 

Q8 就学援助金について、公営住宅家賃のように特段の配慮ができませんか。

 

 答弁要旨

 就学援助制度の所得判定にあたっては、前年の課税所得が対象となり、その額が基準額以下である場合に、支給対象者として認定をしております。

 こうした中で、コロナ禍での生活支援として国等から支給される一時支援金などについては、現在のところ、就学援助制度を所管する文部科学省から、その取扱いについて、特段の指示もないことから、所得判定時に課税所得として含み、支給決定を行っているところです。

 なお、昨年度におちては申請期間の延長や、コロナの影響等により家計が急変した世帯について、減収した状況を考慮し認定するなどの対応を行っております。 今後とも国の動向を注視し、適切な対応に努めてまいります。以上

 

 コロナ禍、コロナ後のくらしや商売を継続するために、ぜひ行政が知恵を発揮していただきたいです。

これで第一問を終わります。

 

第2登壇

 

 個人事業主への支援について

 尼崎市国民健康保険条例22条には、「市長は、災害により被害を受けた場合、その他規則で定める特別な事情がある場合において、特に必要と認めるときは、保険料もしくは延滞金を減免し、または6か月以内の期限を限って、その徴収を猶予することができる」」と書かれています。介護保険条例の9条にも同様の条文があります。根本的には国が給付金を非課税対象にすべきですが、市としても市民のくらしを守る立場で英断を求めます。

 

 再生可能エネルギーについて質問を続けます。

 市の仕掛けの一つとして、住宅については、太陽光パネル資材の共同購入で割安で設置ができるようにすることを考えているとの答弁でした。中小企業向けは、一定規模以上のところは基本的にはエネルギー管理や設備の維持管理が出来ているので、その他つまり小規模事業者については、省エネ対策の提案などを検討していくとのことです。これで果たして2030年までに50%削減の目標が達成できるでしょうか。もっと積極的な取組みが要るのではないかと思います。

 私は24年前に終の棲家を購入しました。購入時には太陽光発電を考えましたが、性能やコスト面に不安があり設置しませんでした。しかし、今、人類の生存を賭けて脱炭素社会をめざさなければならない時、私も微力ながら貢献したいです。

しかしすでに67歳、今から太陽光パネルを設置したりスマートハウスに移り住むことはとてもできません。精一杯できることとして今やっているのは、省エネと宝塚のすみれ共同発電所の電気を使うことぐらいです。すみれ共同発電所の発電量はそんなに多くないので、足らずは関電の電気で補っているようです。私のように「化石燃料に由来するエネルギーは使いたくない」と思っている市民も多いと思います。今後、気候問題にきっちりと対峙すればするほど、そういう市民は増えるはずです。

 新たに住宅を購入しようとする市民にスマートハウスの普及は重要ポイントですが、すでに戸建て住宅や集合住宅に住んでいる市民も、借家に住んでいる市民も、エネルギーを選べるように、太陽光圧電を市内で戦略的に増やしていく仕掛けが求められると思います。

 

PPAモデルの活用について答弁いただきました。

経済界では脱炭素をビジネスチャンスととらえ、様々な取組を提示しています。

ネットで調べる限りでは、PPAはオリックスや三菱UFJなど大手企業やメガバンクがやっている手法です。太陽光発電システムの設置費用が不要で、そこでつくられた電気はそこで使う地産地消ですが、利益は市外あるいは県外の大手企業にもっていかれ、地域に循環しません。

 

Q9 PPAの活用に市内業者や市民が参入できる余地はあるのでしょうか。

 

答弁要旨

 PPAモデルは、世界的な脱炭素の流れを受け、近年日本でも注目され始めた新たなビジネスモデルであり、大規模な工場だけではなく、住宅や事務所等を対象としたメニューも出てきており、広く市民や市内事業者に活用いただけるものと考えております。

 従いまして、市民や事業者の皆様に積極的にPRを行い、再エネ導入の際の有効な手段の一つとして、今後より一層普及するよう努めてまいります。以上

 

 日本政府は「2050年カーボンゼロ」を掲げましたが、その中身は本気度が疑われます。COP26でみたように、石炭火力への固執は世界からノーが突き付けられています。脱炭素を口実にした原発だのみのエネルギー政策は、放射能汚染という最悪の環境破壊を引き起こしかねません。また、新技術たとえば火力で排出される二酸化炭素を回収し地下に貯留するとか、燃料にアンモニアを混ぜるとか、水素の利用などで二酸化炭素の排出を減らすとしています。しかし、どれも実用化されていません。

 今、世界が求めているのは、2030年までに二酸化炭素の排出量を着実に2010年比で45%以上、先進国では50~60%削減することです。日本政府の方向は、それに見合った対応とはいえません。

 また、今の日本では電力の自由化といっても、実質大手10社の電力会社が支配する体制の下で今後も進めるスタンスに変わりはありません。

 

 気候危機打開に誠実に本気で取り組もうとすれば、脱炭素、省エネ、再エネをすすめる社会システムの大改革が必要です。

 

 今、全国のあちこちで太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスといった地域の固有資源を大手電力会社に吸収されるのではなく、住民の手に取り戻す取り組みが進められています。その一つが自治体新電力です。これまで家庭や商店向けの電気は、関西では関西電力だけが販売してきました。電力自由化が進む中、2016年4月からは家庭や商店でも電力会社が選べるようになりました。それ以後、地域内の発電電力を活かして、公共施設や家庭、民権企業などに電力を供給する小売電気事業が各地で生まれ、その中でも自治体が出資するものを自治体新電力と言います。

 鳥取県米子市の再エネ導入推進の取組が注目です。米子市は、2011年第一次環境基本計画策定時に脱炭素社会の実現を掲げ、住宅用太陽光発電導入推進補助金(県・市1/2づつ)制度をつくり、各家庭での太陽光発電設備の設置を後押ししました。8年後の2019年には、米子市の世帯の47%に当たる31500世帯分の年間電気使用量に相当する電気を、住宅用太陽光発電だけで賄えるようになっています。

 また、2017年には米子市と地元企業5社の出資で「エネルギーの地産地消による新たな経済活動の基盤の創出」を理念に、地域おこしを目的とした地域エネルギー会社「ローカルエナジー株式会社」が設立されています。電気の小売り・卸売・地域熱供給・開発・次世代エネルギー実証などの事業を行っています。

 奈良県生駒市では、2017年生駒市と生駒商工会議所・南都銀行・市民団体である「市民エネルギー生駒」の4者の出資で「いこま市民パワー株式会社」が設立され、環境モデル都市アクションプランの中心的な施策として位置づけられています。電気の小売り、卒FIT電気の買い取り、啓発活動、官民共同の研究、取り組みで得た収益でコミュニティサービスなどを行っています。

 両市ともに、市民や事業者の再エネ推進意欲を後押しするために、設置補助金制度を持っています。尼崎市は、家庭用では2007年から09年まで太陽光パネル設置補助金の制度を作っていましたが、2010年に国からの補助金制度ができたことなどを理由に止めています。今、市民や事業者が利用できるのは、県の公益財団法人「ひょうご環境創造協会」が扱う支援補助金のみとなっています。

 

Q10 尼崎市は気候非常事態行動宣言を出し、まさに市民や事業者に行動しようと呼びかけたのですから、これを契機に再度、太陽光発電設置の補助金制度を作るべきと考えますが、いかがですか。

 

答弁要旨

 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、次年度につきましては、市民向けには、すでに実施しておりますZEHに対する補助制度に加え、太陽光発電設備や蓄電池の共同購入制度について、近隣他都市と連携して実施できるよう、調整を進めているところでございます。

 この共同購入制度における他都市先行事例では、約4KWhの太陽光発電の場合、市場価格と比較して約30万円ほど価格低減がみられるなどの効果があったと聞いており、過去に本市が行っていた補助制度よりも、市民にとってメリットが大きいものとなっておりますことから、本事業を実施し、その効果を見極めてまいりたいと考えております。以上

 

Q11 尼崎市も、再エネの地産地消を本気ですすめるのであれば、自治体新電力を検討したらどうでしょうか。

 

答弁要旨

 本市では、令和2年度から「エネルギーの地産地消促進事業」を実施しております。当事業は、小売電気事業者と連携することで、クリーンセンターの廃棄物発電による余剰電力を、Co2排出量ゼロのクリーンな電気として、市内事業者に一般的な電気料金よりも安価で提供し、さらには連携事業者のリソースを活かし、AIを用いた省エネ診断や省エネコンサルティング、設備導入に対する融資等、事業者自らによる脱炭素経営・SDGs経営を支援するもので、全国的にも新しい取組でございます。

 再エネの地産地消を開始するにあたっては、議員ご指摘の地域新電力も含め、様々な手法を比較検討する中で、今回は現行のスキームを選択したものでございます。現在の取組につきましては、連携事業者との協定期間が令和8年3月までとなっていることから、以降の点かいについては、それまでの取組を検証し、検討してまいります。以上

 

 9月議会で再生可能エネルギーの「優先利用原則」を国の責任でつくるよう求めました。当局答弁では、関西電力管内では問題がないことと、国の第6次エネルギー計画に取り組みが示されているとのことでした。しかし、私の知人で豊中市内の中小企業に勤める方の話では、国からの補助で工場の屋根に太陽光パネルを設置し、必要な電力はすべて自社でつくることができるようになっているとのことです。しかし、工場が休みの土・日につくられた電気は関電が買い取ってくれず、すべて放電している。関電とそういう契約になっているとのことです。

 また、昨年の国会で日本共産党の笠井亮衆院議員が追求しましたが、九州電力は2011年以降、原発再稼働には5800憶円を投じる一方、送電設備の投資額は3215憶円しか充てられておらず、原発優先の下で昨年4月以降ほぼ連日、再エネの出力抑制を行っているとのことです。

 地域で再生可能エネルギーをつくり利用を拡げるには、再エネ電力の優先接続を義務化することや、小規模な再エネ発電事業者の接続線を、大手の送電事業者の責任で設置させるなどが課題としてあります。

国の計画に明記されているならなおさらのこと、しっかりと計画の実行を国に求めていただきたいです。それが、尼崎で再エネの地産地消を促進する保障にもなります。

 

Q12 あらためてお尋ねします。国に対し再エネ「優先利用原則」の実行を求めるべきです。いかがですか。

 

答弁要旨

 9月議会における総括質疑でもご答弁申し上げたとおり、本市が含まれる関西電力(株)管内においては、再生可能エネルギーによる発電の出力抑制が行われた実績はございません。

 さらに、10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの最大限の導入に向け系統の増強などについても取り組むものとされていることから、現状において国に再エネの「優先利用原則」を求めることは考えておりません。以上

 

これで第2問目を終わります。

 

 

第3登壇

 

 指摘にとどめます。

 再生可能エネルギーの地産地消の取り組みは、様々な未来への展望を開きます。産業革命以来の目覚ましい産業発展は、私たちのくらしだけでなく民主主義も大きく向上させてきました。

その一方で温室効果ガスを多量に排出し続け、地球の平均気温は当時よりすでに1.1~1.2度上昇し、2030年までに1.5度以下に抑えなければ日本全土を覆いつくすような巨大台風が毎年発生し、小さな島の国では海面上昇で国自体が大半、海に沈んでしまう事態へと進みます。

 人類的課題に尼崎市が気候非常事態行動宣言を全国に発信し、具体的に再エネの地産地消を進めることは、環境未来都市あまがさきのイメージをグッとアップします。

 また、地産地消は利益が大企業に吸い上げられてきたこれまでの仕組みを変え、地域に新たな地場産業を作っていくチャンスにもなります。

 市民や市内事業者とタッグを組んで再エネの地産地消に取り組む尼崎市へと進化することを切に願い、私のすべての質問を終わります。