2025年10月決算特別委員会 意見表明【川崎としみ】

日本共産党議員団の川﨑敏美です。議員団を代表して、本委員会に付託された2024年度の決算について意見表明を行います。

1、物価高騰対策について

 私たち共産党議員団は、今年の4月21日市長に対して市独自でも実行出来る様々な物価高騰対策を求めました。その中でお米券の配布は市民からも好評で大変評価するものです。

 また一般質問で熱中症対策について松澤議員が取り上げ、財政調整基金の活用も視野に入れた取り組みを行うことを求めました。市は「今後、様々な不測の事態や更なる物価高騰対策などが必要になった場合には、財政調整基金の活用も念頭におきながら、市民ニーズに応えていく」と述べられました。市民の暮らしに寄り添う市政運営をめざして、今後とも柔軟な対応を求めます。

2、財政調整基金について

 財政調整基金の目標設定が近隣類似市の平均の164億円とされていますが、他市に遅れを取ってはいけないでは根拠が希薄です。それぞれの市の成り立ち、財政力も違うわけですから、例えば各自治体の財政力に応じて、または災害時に想定される費用の算出の数値とかで、目標値が設定されるべきであると思います。目標値の設定の根拠を明確にした見直しをもとめます。

3、公共施設のマネジメント

 この計画を最初に策定したときに、向こう35年間で30%の公共施設の削減ということでした。この目標値は国の推奨するものを機械的に定めたということではなかったでしょうか、今後の計画の策定にあたっては、実際の公共施設の再編が面積的にもエリア的にも必要性の点からの検証を加えること、市民の意見を取り入れたものにしていくことを要望します。また市営住宅など必要度の高いものは新たな基準を設定して市民ニーズに応えることも検討すべきです。

4、指定管理者制度と請負等契約

 自治体労働者の労働組合では指定管理者制度について問題点を指摘しています。これまで、自治体の首長は、「公の施設」の管理運営状況を議会に報告する義務があり、住民は監査請求や情報公開請求ができました。しかし、指定管理者制度では、首長の議会への報告義務はなくなり、情報公開も対象外となります。施設利用者の苦情等に対する自治体の責任が後退し、また市政とのゆ着などのチェックも困難となります。

管理者を指定する際、一般の施設であれば3年~5年の期限が議会で決められます。つまり、期限が切れれば、そのたびに公募が行われ、指定が継続される保障はありません。管理者は、経営不安と収益性のため、パートや派遣労働など非正規職員でまかなうことになります。一方、労働者は、不安定で劣悪な条件で働かされることになります。また、市民にとっては、義務の継続性、安定性、専門性の確保が難しくなり、住民サービスの低下となることが危惧されます。倒産や撤退による施設閉鎖もありえます。これらの観点を取り入れた総合的な評価を行い、必要な見直しを体制をつくるべきです。

また自治体がワーキングプアを生まない取り組みとしても、労働者の賃金格差をなくしていくためにも公契約条例の見直しを図るべきです。

5、ワークライフバランスの推進

 職員の超過勤務の時間数が141.8から135.0時間に減少しているものの、目標値は120時間だということですから、働き方改革だけにとどまらず勤務時間の見直し等の検討が必要になってきています。かつての働き方は9時から17時であったものが、現在では8時45分から17時30分となっています。市民との窓口対応を行う部署では超過勤務が常態化しているのではないでしょうか。ワークライフバランスを保証していく一つの方策として、もちろん市民への理解を得ることが前提ですが、窓口対応の時間を1時間切りあげる等の検討を前に進めてください。

 また会計年度任用職員の任期が1年毎では、雇用が安定しません、この雇用形態は抜本的に見直すべきだと思います。

6、人権保障と多文化共生の取り組み 朝鮮学校への支援

 一般質問で小村議員が聞きました。外国籍であろうと尼崎に住む人は市民としての位置付けがなされているとの答弁でした。人権保障の観点から、外国人差別を助長させるのではなく、互いの文化を尊重し、分かり合える関係性を作っていくことが大切です。尼崎市においては多文化共生社会の取り組みは緒に着いたばかりです、市民に対する啓発を広げていくことが大変重要です。

 外国人の相談体制を充実させてください。今後、特定技能2号の外国籍労働者が増えていけば、家族をもつ外国籍世帯も増加が予想されます。妊娠、出産、育児、また医療などの相談も多岐にわたり内容も多様化すると思われます。尼崎市のHPのトップ画面ですぐに「外国人SOS」など各リンクにアクセスしやすいよう表示をする、各支援団体・行政機関とのネットワークをつくり、「やさしいにほんご」選択仕様を共有するなど改善を求めます。

 また朝鮮学校への支援については、尼崎市は明治、大正期から朝鮮との関わりが深く、戦争が終わる時期には4万5千人もの人々が暮らしていたという歴史的経緯に着目する必要があります。過去の日本と朝鮮との歴史に学び、これからの関係性をどう作り上げていくかが問われている問題だと思います。朝鮮学校への支援の継続と拡充を求めます。

7、自衛官の募集に係る個人情報の提供

18歳、22歳の若者の個人情報を電子データで自衛隊に引き渡すことは、個人情報保護の観点からも問題です。本人の申し出があれば提供しないという除外申請の規定が、周知不足によってあまり知られてもいません。自衛隊への個人情報提供は見直すべきです。

8、中学校部活動の地域クラブへの移行について

 スポーツ振興事業団に委託する度合いが問題です、丸投げではなく地域や学校との連携が重要で、教育委員会の積極的な関わりを求めます。また文化系のクラブ活動の地域移行については特別な体制をとることを求めます。施設使用料や移動費の負担、体罰やいじめの問題にどう対応していくのか、子どもを中心にした取り組みを求めます。

9、学校トイレの洋式便器化、体育館の空調について

 学校のトイレの洋便器化率が74.8%まで上がってきているということですが、早急に100%の達成率にすることを求めます。またいつまでに行うのか明示してください。体育館の空調整備は今年度の立花中と小田中、常陽中の3校での設計、整備が今後の指針を作る上でポイントになるということでした。国の補助金が断熱化を前提にしている問題があると思います、この補助金制度への柔軟な対応を国に求めていくこと、全体計画を早期につくっていただきたいと思います。

10、トライやる・ウイーク

 トライやる・ウイークで自衛隊に行った学校というのが、2023年度は4校、24年度は3校となっていますが、その体験内容は、AEDの使用、防災訓練、社会人として必要な挨拶などがあるとのことですが、必ずしも自衛隊でなければならないということではないと思います。近年、戦争への臨戦体制がとみに求められている自衛隊とのかかわりを生徒がもつことは、教育的な取り組みとしてはなじまないと思います。自衛隊に行くことは中止すべきです。

11、あまっこステップアップ調査事業

 あまっ子ステップ・アップ調査事業は、児童生徒の学力把握や課題改善を目的としていますが、テスト増加による負担や教員の業務量増大が懸念されています。調査ではなく日常の観察で十分対応できるため、この事業と全国学力テストは中止すべきです。

 12、教員不足、働き方改革

 前年度と比較して教員不足は一定解消されてきていますが、教員の働きがいのある職場の構築が大きな課題となっていると思います。過度の管理体制強化を改め教員の自由度を上げていく取り組み、特に少人数学級への早期の移行を進めていく中で、教育環境を整えていくことを求めます。

13、学校給食

 小中学校への学校給食の無償化の取り組みが全国的にも広がっている中で、物価高騰による食材費の値上げを利用者に求めることはやめるべきです。

14、市立幼稚園の在り方について

3歳児からの受け入れを全ての園で実施すること。また就学前教育ビジョンの3年連続して新入園児が定員数の2分の1を下回る園は原則廃園するとの指針は撤廃すること。公立幼稚園の役割が積極的に果たせるよう、特に近年増加している障害児やグレーゾーンの子どもたちの受け入れ先としての位置づけを強化するべきです。

15.国民健康保険事業

 2027年度より全県統一の保険料となり値上げが予想されます、また均等割は就学前のみの半額が実施されるようになっていますが、18歳まで対象を広げるべきです。国に対し引き続き国庫負担割合を引き上げる取り組みを一層強めてください。      

16、介護保険料

 介護保険が始まった2000年当時の基準額は3000円、今は7.493円で2.5倍となっています。国に対して国庫の負担率や調整交付金の率を上げるとか様々な要望を行なっているということですが、抜本的な改革を求めて国への要望をさらに強めてください。

17.介護保険事業

 全国的にも介護事業所の運営が困難となり、尼崎でも閉鎖の動きが広がっています。ケア労働者の賃金の引き上げ、介護報酬単価の引き上げが求められています。市も実態を調査し、国への要望を強め具体的な独自の支援策を実行すべきです。

18、就学援助

 就学援助の単価が国基準より低く、近隣他都市と比べても低く抑えられている問題について、ようやく3月支給の新入学学用品費の引き上げが検討されているということですが、基本は他都市並み国基準並みにするということです。早期実施のためには、補正予算の実施はできるだけ早期に行ってください。

19、子どもの医療費助成

18歳までの医療費の所得制限なしの完全無料化は市民の長年の願いです、兵庫県下でも、41市町のうち30市町で実施できており7割を超えました。本市も早期の達成を求めます。   

20、民間保育園の障がい児加算

今年の保育所の待機児童が6人、皆さん障害を抱えているということ、受け入れの体制がなかったのは大変残念なことです。ようやく障害児2人に対して保育士を1人配置できる検討がされていることをお聞きしました、是非とも、公私間格差をなくしていく取り組みを充実させ、障害児の受け入れが十分できる体制を早期に実現させてください。

21、アスベスト対策

 アスベストへの不安を抱えている人はたくさんいます。アスベスト検診については特定の自治体だけが実施するものだけではなく、恒久的な全国どこでもアスベストの健康診断ができる国の制度の充実が求められています。

 さらに、一律の助成金103.800円でなく、家計を支えている人が対象になった時には、事情を勘案して助成金の引き上げを図るなどの制度に改めるべきです。これらの要望を国に対して、引き続き強く求めてください。

22、公立保育所の基本的方向

 2007年制定の公立保育所の基本的方向の見直しがされています、2年間にわたって庁内の会義体で検討されていたことが議会に伝わってきたのは、昨年のありかた懇話会が開始されることが公表された時のタイミングであったと思います。もっと事前に検討を始めていることを議会に知らせるべきだったと思います。そして当局内部だけの意見をありかた懇話会にかけるのではなく、市民、保育関係者からの意見も加えて盛り込むべきだったと思います。かつて公立保育所の民間移管をめぐって、市民から直接請求がなされ、議会の審議も深夜まで及ぶといったことがありました。また、大島と立花で二つの民営化反対の裁判が起こされるにまで及び、公的保育をどのように保障していくのかが問われる大変大きな問題であったわけです。あり方懇話会の素案が間もなく提示されるということです。今後の成案に向けては、市民意見の聴収、とりわけ保育関係者の意見を聞くことを重視すべきです。その際、素案策定の経過と内容については詳細かつ市民に対して丁寧な説明を求めます。

23、児童相談所の設置について

 ようやく児童相談所の設置が現実となってきました。適正な人材の確保が課題となっており、万全なる体制整備に取り組んでいただきたいと思います。

24、住宅政策 住宅は権利

住宅確保困難者のための施策が取り組まれるようになったことは評価しますが、まだ対策が不十分です。住宅は権利であり、それを保障するための家賃補助制度などを創設する等、住宅困窮者対策を充実させてください。             

25.じんかい収集等委託事業

 直営がこの4月から24%から15%にまで後退しており、これでは災害時対応ができなくなる、また高齢者の単身世帯に対応すること等もできなくなってしまいます。民間丸投げの方向ではなく直営率を引き上げるべきです。      

26.下水道事業等のウオーターP P Pの推進について

 下水道事業のウォーターPPPの推進は、当面は2028年度から一部の東部処理区からとのことですが、その先はどうなるのでしょうか。技術の伝承や公的な役割を民間が同様に担えるのかという懸念はぬぐえません。導入にはいくつかの深刻な問題点と課題が伴います。「公共性」「財政・料金」「運営・リスク」の3つの側面について、慎重なる」検討、考察が必要です。コスト面だけを見て、全体計画の費用の220億円の2分の1を国が助成するからとの理由で安易に進めてはならないと思います。最大のポイントはこれから先何十年もの将来にわたって公的責任をどう担保していくのかということにあり、この点からこの事業計画の抜本的な見直しを求めます。

27、交通政策推進事業

 路線バスのバス停の上屋とベンチの設置が一向に進みません、対策を求めます。路線バスについては、市バスから民営バスに移譲しても、公共性の高いバス事業は住民の声を反映し、利便性の確保や低廉な料金設定を補償すべきです。高齢化が進む今こそ、路線バスの充実はもちろん、オンデマンド交通も、利用者に高い費用負担を押し付けるのではなく誰もが安心して利用できるものにして、ぜひ実施していただきたいと要望します。