しんぶん赤旗6月16日号より
参政党 戦前の天皇制国家復活めざす
経済で引き込み右翼的主張へ
参政党の神谷宗幣代表は都議選告示第一声(13日)で、都民税や消費税の減税、中小企業支援策で市民の心情に訴える場面もあった一方、「選択的夫婦別姓反対」や日の丸・君が代強制の石原慎太郎時代の都政を持ち上げました。“衣の下に鎧(よろい)”とばかりに、経済政策の下に右翼的主張をしのばせています。
神谷氏は「われわれは外国人差別、外国人排斥ではない」と言いつつ「漠然とした不安」を強調し、政策では「外国人への生活保護支給停止」と外国人への嫌悪をあおり、「LGBT理解増進法を撤回し、同性婚に反対する」とします。なかでも同党の「創憲チーム」による「新日本憲法」(構想案)は、大日本帝国憲法(明治憲法)の復活を想起させる異様な復古的内容となっています。
第1条で「日本は天皇のしらす(治める)君民一体の国家」と規定。統治権の主体は天皇とされ「国民主権」は否定されています。3条は「天皇は…神聖な存在として侵してはならない」と明治憲法の「神聖にして侵すべからず」と全く同じです。天皇が統治し国民は天皇を敬慕する家族国家が「国体」「国柄」であるとされ(前文など)、天皇が元号を決め、「君が代」を国歌、「日章旗」を国旗と定めます。
平和主義の「章」は存在せず、「自衛のための軍隊」の保持を明記。国民には「日本をまもる義務」が課され徴兵制につながります。
自由と「権理」という文言はありますが「基本的人権」の言葉はなく、教育では「教育勅語」などの歴代の詔勅や神話を教えることを義務付け。
「家族は社会の基礎」だとされ、婚姻は「男女の結合を基礎」とし性的マイノリティーの権利は排斥。
「夫婦の氏を同じくすることを要する」と夫婦同姓が憲法上「強制」されます。
外国人の参政権などは否定されます。
参政党の根本目的は、戦前の国家体制の復活にあるようです。
しんぶん赤旗6/16より
尼崎ではその参政党の市議候補がトップ当選しました。
かの政党にはマルチ商法の最大規模の団体が強く関与しているとも耳にします。
一票を投じた有権者の皆さんは、本当に、彼らの言う「基本的人権のはく奪、徴兵制の義務、教育勅語など戦前の教育の復活、夫婦同姓」を望むのでしょうか。
暮らしがくるしく、社会が生きづらくなってくると、
そのうっぷんを晴らすかのように「はっきりと強いことを言う」人に人気が集まったり、その「強く見える姿」に「自分の思うことを代弁してくれる」と投影したりする人が多くなります。
本当は人権を軽んじたり、弱者を切り捨てる内容でも、「はっきり言ってくれる人」に見えてしまう。そんな危うさを持っています。
わたしたちは、市民の皆さんの真の願いは、誰もが生きやすい、まじめにいきるひとたちが報われ、そしてひとりひとりが自由で平和な社会を求めている、と信じています。
わたしたちは、今の社会に欠けている「目をそらさない心」を持ち、そんな市民の皆さんとともに、平和な未来をつくっていくために頑張りたいと思います。