2025年3月21日 尼崎市議会本会議にて
政務活動費着服したとして起訴された元・維新の会 光本圭佑議員に対し、辞職を求める百条委員会の報告書が提出され、川崎としみ議員が賛成の意見表明を行いました。
(全文)
共産党市議団を代表して、百条委員会の報告に賛成することを意見表明します。
人間は社会的動物と言われています、よっぽどの例外以外、人は一人では生きていけない、社会的な関係性で生かされています。だからこそ社会的なルールを守ることが重要視されるのです。
治家には政治倫理というものが課せられています。政治倫理とは政治に携わるものが持つべき行動規範や職業倫理、責任倫理です。政治家として市民の代表者として公正かつ公平に行動することが求められています。政治家は他者の人権を傷つけて平気でいられる神経を持ち合わせてはならないのです。
私はもう何十年も前になりますが、関西大学で桜田ゼミの一員として憲法学を学びました。最初の講義のテーマが自治ということでした。当時まだ学園紛争の余波を受けて学内は荒れており、いろんなセクトがあり、対立抗争がありました。学生の学内におけるいがみ合いに対して教授のアンチテーゼだったと思うのですが、この最初の授業は大変印象深いものでした。学生自治会は自治の精神に基づいて運営されており、外部の干渉から自らを守らなければならない、そのためには自由闊達な議論が保障される環境が必要である。議論が沸騰し、相手の意見に対し殺してやりたいと思うほどに議論が白熱したとしても、今向き合っている相手が権力や何者かの手によって、言論の自由が奪われるような事態が出てきた時には、断固その権利を守るためには死を賭してでもたたかう、それが民主主義であるといった教えでした。
そして、法は現代社会に応じては民主主義の体制を守るためのものである。しかし一方、法は万全のものではありません。社会の全てをコントローするすることはできません。自由な社会を継続させていくためには、人間同士お互いを尊重し、認め合うといったルール、慣習、倫理観が必要です。それが社会的規範であります。何か問題を起こしたらその説明を行い、誤りを正し、その教訓を後世に伝えることは通常当たり前に行われているのではないでしょうか。しかし政治の世界では、この法則がなかなか機能していません。悲劇だと思います。
私たちはこの間尼崎市議会において光本氏が招いた不祥事を検証し、今後二度とこのような不祥事が引き起こされないよう、膨大な時間を使ってきました。政務活動費の使い方の検証を行い、新たなルールを定めてきました。また、政治倫理審査会を設け、議員としてあるべき姿を模索してきました。そしてこの100条委員会へと取り組みを昇華させてきました。
そのために費やされた時間と労力は大変なものでありましたが、決して徒労には終わらないと思います。後世において評価されるべきことであったと自負しています。
個人の意見に固執するあまり、問題の本質を捉えきれていない意見が出たことは残念です。しかしその意見も、今後の検証を踏まえて正されていくであろうと思います。今回のこれらの取り組みを成し遂げた、尼崎市議会に誇りを持ちます。
最後まで光本氏が議員辞職を表明したといえ、何度も説明責任を果たす機会を与えられていたにもかかわらず、説明責任を議会において果たさなかったことを大変残念に思います。また日本維新の会においても、この問題点を明らかにするための検証作業に尽力されたことは評価しますが、これは以前にも指摘したところでありますが、問題を根本的に総括することがなされていないと思います。ぜひとも会派としての正式な声明を出していただきたいと思います。
以上、100条委員会の最終報告を尊重するよう求めて、共産党市議団の賛成意見とします。