日本共産党議員団の真崎一子です。私は「生活保護世帯の熱中症予防について」「低所得高齢者の電気代支援について」「市営住宅のゴミ屋敷問題について」「ゴミ屋敷に関する条例制定について」「高齢者の住宅問題について」質問します。
第一登壇
まずは、生活保護世帯の熱中症予防についてです。
先日の『生活と健康を守る会』の対市交渉があり、そこで協議になったのは物価高騰と電気代高騰による、エアコンの使用控えと熱中症の発症が今年も多くあったということです。現在はエアコンの設置はできやすくなったが、電気代を気にして使えない生活保護利用者がいることの実態が明らかになりました。
エアコンの購入費用については法改正が進み、厚労省は今年5月31日付で各自治体に通知を出しました。その内容はいくつかの要件を満たす必要はあるものの、特に熱中症予防が必要な高齢者や障がい者等は、購入費用が必要と市が認めた場合は、エアコンの購入費用は6万7000円を限度に認定して差し支えないとの通知であったと理解しました。
Q1:本市でこの制度改定後、エアコン購入できたのは何件でしたか?
生活保護世帯でエアコンが壊れて使えない。エアコンを購入していない世帯は何件ありますか?それは全体の何%に当たりますか?
答弁要旨
平成30年度の制度改正により、生活保護の開始時や、転居等により新たに住居を構えた場合など、一定の要件や限度額はありますが、エアコン購入費用の支給が可能となったところです。
なお、ご紹介の令和6年5月31日の国通知は制度改正の周知を図るため、改めて発信されているものです。
これまでの支給実績としましては、平成30年度が38件、令和元年度が83件、令和2年度が99件、令和3年度が101件、令和4年度が100件、令和5年度が132件で、5年間で553件となっております。
制度改正以降、すべての世帯でエアコン設置状況は確認しておりますが、壊れて使用できないものも含めエアコンが設置できていない世帯は、令和5年度末現在で570世帯、全世帯の4.2%となります。以上
低所得高齢者の電気代補助について
今年の夏も暑くて7,8,9月だけではなく、5月から夏日、10,11月になっても日中は25度を上回っており、最近の夏は殺人的です。今年の8月は、熱中症による死亡者は全国で170人、エアコンを使っていない屋内ですごしていた70歳以上がほとんどでした。
消防局でお聞きしたところ、尼崎市内で今年の夏65歳以上の高齢者の熱中症で搬送した人数は、6月21人、7月147人、8月113人、9月33人。エアコンを控えて室内で熱中症になる事例が多くありました。
先日84歳のHさん宅に伺ったところ、隣の方から「Hさんを2か月見ていない。どうしているのだろう」とのことでした。方々調べたら8月に熱中症で救急搬送されていました。知人の訪問で意識がなくなっているのを発見され搬送。重症だったため2か月間入院され、自宅退院はできずどこかの施設に転院となったようです。Hさんは大きな屋敷に住んでおられますが、年金が低く節約の生活でエアコンを消していました。
Q2:低所得高齢者の電気代等の生活支援については、どのように考えますか。
答弁要旨
電気代をはじめとする昨今の物価高騰に対しては、これまでも国において、住民税非課税世帯に対する給付金や電力会社への補助などの対策が講じられていますが、それでもなお、電気代をはじめとした生活費を節約されている高齢者がおられることは認識しております。
そのような高齢者を含め、生活に困窮された方のご相談は南北のしごと・くらしサポートセンターにおいて、ご本人の収支・生活状況などを確認しながら、困り事を整理し、年金などの収入が得られる見込みがある場合は、その申請に同行するなど、ご本人に寄り添いながら支援に努めております。
本市独自での経済的支援策を講じることは困難ですが、しごと・くらしサポートセンターでの各種支援のほか、必要に応じて生活保護制度につなぐなど、生活の安定が図れるよう、今後とも関係機関と連携した支援を行ってまいります。以上
次に市営住宅のゴミ屋敷問題について
Aさんは市営住宅に29年間入居されていましたが、今年1月に倒れ3月に亡くなりました。独居で身寄りがなく、部屋の中はゴミ屋敷状態でした。今回14年前に隣に引っ越ししてきてゴミ問題で迷惑を被ってきたSさんからの相談がありました。先日やっと業者が決まり12月中には解決がつきそうです。
ゴミ屋敷の本人が亡くなったら市が勝手に処分できない。親戚を探すのに戸惑った、見つかった親戚が遠方でまた疎遠であったことで、手続きに時間がかかったとのことでした。しかしSさんは14年間、Aさんのベランダに鳩が住み着き糞やほこりとにおい。またAさんはトイレやふろ場も物がいっぱいで排泄は近くの公園で済ませていたということでした。排泄の垂れ流しもあったのではないか、時にはウジ虫やギンバエ等衛生面でも悩まされてきました。南部管理センターの職員がベランダの状況を見て「こりゃひどい」と言われたそうです。私も見て言いました「こりゃひどい」と。解決までになぜこんなに時間がかかったのか、民間なら住まいのイメージを悪くするゴミ屋敷は、長期間の放置はしないと思います。
Q3:死亡されてから解決までに9か月。こんなに時間がかかったのはなぜですか。
当局はゴミ屋敷の現場を調査されましたか。
14年間我慢してこられた隣のSさんの気持ちをどのように考えますか。
答弁要旨
市営住宅において、名義人が単身でお亡くなりになった場合は、子や兄弟など身近な親族が荷物の処分も含め、返還手続きを行いますが、今回のように身近な親族がいない場合、荷物等が相続財産になるため市が勝手に処分することができません。そのため戸籍調査を行い、相続人となる親族が判明すれば、住宅返還の折衝を行うといった手続きとなるため、時間を要することになります。
また、現場での調査や指導につきましては、指定管理者が業務として実施しており、その報告を適宜受けています。最後に、今回のようなゴミ屋敷については、隣人や他の入居者にご負担をおかけし大変申し訳なく思っておりますが、市営住宅は住宅に困窮する方々のセーフティーネットとしての役割があることから、直ちに退去を求めるのではなく、福祉部局と連携しながら、改善に向けて支援と指導の両面での対応が必要となっています。
しかしながら、今後については、セーフティーネットとしての役割に留意しながら、可能な限り迅速な対応ができるように努めていきます。以上
続いて高齢者の住宅問題についてです。
2019年住宅セフティーネット法、住まいの確保が難しい要配慮者を支援するための法律が制定されました。要配慮者というのは、単身高齢者、障がい者、一人親世帯、外国人等を示しています。
単身高齢者は、大家から入居を拒まれる傾向にあり、その理由として一つに孤独死による物件価値の下落、二つ目に死亡後残った家財の処分コスト、三つめが家賃滞納のリスク、等の不安が挙げられています。今年6月に住宅セフティーネット法が改定され、居住支援法人等が要配慮者のニーズに応じて、居住後も安否確認や見守りを行い、必要とあれば福祉サービスへのつなぎを行う居住サポート住宅の供給を行うというものです。今後この制度が大家の不安の解消や市民のニーズとマッチングしていくのか注目されています。
その一方で、2022年4月からあまがさき住環境支援事業として「REHUL(リーフル)」を開始しました。市営住宅の空き室を活用し、生活困窮者などの居住支援を行う事業を、生活協同組合コープこうべが中心となって創設しました。対象者は外国人労働者やDVシェルターからの住み替えなど住まい困窮者を対象としています。官民の両面から住宅セーフティーネットの取り組みとして、今後の事業の広がりを期待します。質問します。
Q4:住宅セフティーネット法の改定によって、今年から居住支援法人の活用による見守りや相談業務はどのように行われているのでしょうか。
リーフルの対象者は、生活困窮者の居住支援ですが、その中には単身高齢者や障がい者も入っていますか。
住宅セーフティーネット法と住環境支援事業リーフルとの関連性はどのようになっていますか。
これで第1問目を終わります
答弁要旨
改正住宅セーフティネット法の施行に向け、制度の詳細は国において検討中でありますが、本市においては、新たに居住サポート住宅の認定審査や指導監督等の事務が想定されることから、今後、これらの事務に係る住宅と福祉部局の役割分担などについて、検討を進めていきます。
次に、議員ご紹介の、あまがさき住環境支援事業「リーフル」は、募集停止した市営住宅の自治会や入居者の支援のため、自治会活動に参加することを条件に、市が団体に対して空き室を使用許可するものです。これらの空き室を、居住支援団体ではステップハウスとして活用することで自立支援を行っているほか、地域のコミュニティ活性化を図る場として活用している団体もあり、リーフル事業は、市や地域が抱える課題解決を図ることを目的としたものです。
お尋ねの、単身高齢者や障がい者が入っているかにつきましては、当該事業参加団体の中に、障がい者を支援する団体はありますが、単身高齢者を支援する団体の参加はございません。
最後に、住宅セーフティネット法とリーフル事業との関連でございますが、法では、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進に関する施策を総合的かつ効果的に推進することとしており、リーフル事業は、居住支援における課題である「住まい」の確保に取り組むうえで、効果的な施策であると考えております。
具体的には、リーフル事業において低廉な家賃で住宅を提供することにより、住宅の確保が困難な人の自立を支援する取組となっており、行政が主体的に活用できる住まいを利用した新たなセーフティネットとなっております。しかしながら、これらの市営住宅については、活用可能な戸数や期間もありますことから、民間不動産の開拓を進めることにより、こうした取組を民間市場においても実現できるよう取り組んでまいります。以上
第2登壇
はじめは生活保護利用者の電気代扶助についてです。
80歳代のKさんの8月の電気代は1か月12000円でした。高齢者単身世帯の最低生活費は1か月64000円。Kさんの生活費は食費込みで、1日1000円と決めていますが、「食料、日常品等の高騰で1日1000円の生活費ではやっていけなくなった。市役所に来るにも東園田から歩いてきた、節約のため交通費が出せない」と訴えており、自宅では熱中症の危険性からエアコンを使用していますが、電気代が高く食費や生活費を圧迫しています。
2023年9月議会で、山本議員の質問で、冷房機器の設置補助と電気料相当分の扶助制度の整備を求めました。当局の答弁は「エアコンを保有している方でも電気代の負担が気になり控えていたという声は聞いた。全国市長会を通じて冷房機使用、電気料相当分を扶助する要望を行っている。今後も国に要望していく」との答弁でした。緊急を要する問題です。国をしないのであれば、自治体独自で考えていくべきです。
先ほどエアコンのない世帯は○〇と言われました。エアコンがない、電気代負担が気になり使用を控えるというのは、高齢者、障がい者にとっては命を削っているということです。こんなことを放置していいのですか、人の尊厳にかかわることです。また膨大な医療費を見た時、電気代を扶助して健康的に生活できるほうが得策ではないですか。
Q5:国の政策を待つのでなく、市独自で65歳以上の生活保護利用者への、夏季加算の扶助を求めますが、いかがですか。
答弁要旨
生活保護制度については、国によって全国一律で様々な基準が定められており、電気料金等の光熱水費
は、生活扶助として最低生活費に含まれていることから、市独自で夏季加算を設定することは馴染まないものと考えております。
しかしながら、気候変動による近年の熱中症の危険性については、特に高齢者の方にとっては、命に関わる問題であると認識しておりますことから、夏季における冷房器具使用に係る電気代相当分の扶助については、引き続き、国への要望を続けてまいります。以上
ゴミ屋敷に関する条例の制定について
私にはゴミ屋敷の問題で苦い経験があります。県営住宅5階にお住いの高齢者がなくなり、その娘さんから「実家がゴミ屋敷、県から撤去費用に100万円かかると言われた」と相談を受けました。大きな家具の撤去は無理でも経費を減らすために、30年間のたまったゴミを地域の方々で片付けようとなりました。3日間撤去作業しましたが一部屋も片付けることができず、階段で5階までの往復に悲鳴が上がり途中でこれ以上ができないと断念しました。この経験からゴミ問題の困難さと協力いただいた方々の体を酷使した後悔が身に染みています。だからこの問題を取り上げることにしました。
環境省が2023年3月に公表された「令和4年度『ゴミ屋敷に関する調査報告書』」(以後報告書)があります。全国では2018年度~22年度までに認知されているゴミ屋敷の件数は5224件、そのうち改善されたのは2588件(49.5%)でした。兵庫県は認知件数275件、そのうち改善件数は143件(52.0%)でした。
私は本市のゴミ屋敷の認知件数を知るためにまずは住宅政策課、環境保全課に、続いて資源循環課に聞きましたが、いずれもわからないとの返事、福祉課ではないかという話になり重層的支援推進担当課に聞きましたが、詳細については確認できませんでした。ゴミ屋敷問題は一体どこが責任を持って対応しているのかが大変疑問です。
Q6:ゴミ屋敷の問題はどこが責任もって取り組んでいくのですか。
答弁要旨
ごみ屋敷問題の背景には、多様な課題があることから、これまでも課題を把握した部署を中心として、個々の課題に応じた支援機関が連携し、それぞれの責任のもとで解決に向けた取組を進めてまいりました。
しかしながら、ごみ屋敷となる方は、精神疾患、障害など様々な特性等からご自身の抱える課題に気づかず孤立しひきこもる等、支援に拒否的であることも多く、まずは当事者との信頼関係の構築を基本に、支援関係者が連携し、解決に向けて粘り強く、寄り添い続ける支援が必要となります。
こうした支援を円滑に進めるために、福祉局におきましては、アウトリーチにより信頼関係を構築し、支援につなげるためのひきこもり等支援事業の実施や、重層的支援における支援会議等に都市整備局、経済環境局等のごみ問題に関連する部局や弁護士、地域住民など、これまで以上に多様な支援関係者にもこ参画いただきながら、それぞれの知恵や強みを活かして課題解決の糸口を見つけ、支援につなげる取組を進めております。
今後とも、重層的支援を推進する中で、庁内・外の関係機関や地域の支援関係者との連携を強化し、解決に向けて取り組んでまいります。以上
ゴミ屋敷の認知方法は「市民からの通報」が最も多く、次いで「パトロールによる把握」3番目に「原因者の親族等からの相談」となっています。本市はパトロール等を行う課はなく、市民からの通報だけでは極めて限定的です。私も3年ほど前に戸建てのゴミ屋敷を何とかしてほしいと近隣の方からお聞きして、地域振興課に相談しました。地域課の社協の職員は「何度か訪問しましたが住民からの返答はなくポストに返事が欲しいと手紙を入れた」と言われました。敷地内外にあふれるようなゴミに消防署にも指導してほしいと訴えました。今もそのままの状態であり、2階部分が潰れかかっています。この事案は当然認知件数に入っていると思います。
Q7:尼崎市直近の、ゴミ屋敷の認知件数と解決した件数をお答えください。
答弁要旨
昨年度、しごと・くらしサポートセンター等において、生活に困窮する方々からの様々な相談をお聞きする中で、17件のごみ屋敷に関する相談がございました。
これら17件のうち、2件については、ごみ屋敷状態の解消が確認されておりますが、他の15件については未解消状態となっております。以上
8月末の神戸新聞に「総務省はゴミ屋敷に住む人72%が健康問題や貧困を抱えていたと調査結果を公表した。保健師による訪問といった福祉的支援が必要だとして、厚労省など関係省庁に対応を要請した」とありました。私はゴミ屋敷の問題は、基本的には居住者の資質の問題もあると思います、しかしその背景には孤立、貧困、生きにくい社会があります。
報告書によるゴミ屋敷に関する条例の制定には、調査、助言・指導、勧告、命令等、危険な状態を回避するため即時強制や代執行等があり、市長の権限が大きく大変厳しいものです。そんな厳しい条例制定ではなく、ゴミ屋敷解消のために何ができるか、福祉的支援や経済的支援、廃棄物処分の支援等が必要なのではないかと思います。
本市では「尼崎市廃棄物の減量および適正処理に関する条例」や「尼崎市環境を守る条例」等がありますが、その中にはゴミ屋敷に関する規定がありません。重層的支援の取り組みの中に支援のきっかけはゴミ屋敷であっても、一つの担当課に任せるのでなく、複雑な問題として全庁的な取り組みが必要ではないでしょうか。
Q8:本市にはゴミ屋敷に関連した内容の条例はありますか。ゴミ屋敷を社会問題の一つとして、どのようにかかわっていこうとされていますか
答弁要旨
ごみ屋敷について、直接記述した条例はありませんが、「尼崎市廃棄物の減量及び適正処理に関する条例」において、生活環境を保全するため、土地・建物の占有者に清潔の保持を求める規定があります。
また、ごみ屋敷に対する行政の関わり方についてですが、議員ご指摘のとおり、居住者の健康問題や心身の状況など、様々な問題が複合的に絡み合っていることが多いと考えられることから、ごみ処理部門だけでなく、福祉や住宅部門など関係部局が連携して取り組んでいく必要があると考えています。
以上
2018年12月にNHKが主催した「孤立大国ニッポン~私たちは何をすべきか~」シンポジュウムが開かれました。そこでは豊中市の取り組みの紹介をしています。
大阪ベットタウン豊中市、この町では見守りローラー作戦と名付けられたボランティア活動が行われています。小学校区ごとに選ばれた校区福祉委員と呼ばれる住民ボランティアと民生委員がチームを組み、地域の全世帯を回ります。こうした活動を住民と共に進めたのが、豊中社協の職員さんでした。
ゴミ屋敷のかたづけ支援を拒否する人に2年間通い続け、片付けの約束をし、当日はゴミ屋敷近くに住む住民に協力を呼びかけます。パッカー車も準備し費用は補助できる仕組みで、これまで400件以上のゴミ屋敷を住民と共に解決してきました。再発するケースはほとんどありません。片付けを通じて人と人とのつながりが生まれ、地域で助け合う関係ができるからです。まさしく地域力です。行政の地域共生課と社協との協力体制のもと、福祉なんでも相談の一つとしてゴミ問題に取り組んでいます。熱いソーシャルワーカーのマンパワーも大きいそうです。支援に係る財源は、生活保護による免除、社協の貸付金、社会保険事業費の制度によって賄っています。
本市でも医療生協の虹の会がおこなっている「ご近所さん」という、団地の上の階等ゴミ出しが困難な高齢世帯と契約してお手伝いをするというボランティア活動があります。ゴミが玄関先に置かれていない場合は声かけて安否確認をします。しかしマンパワーが少なく、極めて限定的な事業に留まっています。こんな活動をもっと組織的に広げられたら地域力やつながりができるのではないでしょうか。制度として下支えするのが市としての役割だと思います。本市では生涯学習プラザには、住民のお困りごとに対応する地域振興課があり、そこには社協の職員も机を並べています。きめ細やかに地域力を高める組織的な取り組みは可能だと思います。
Q9:ゴミ屋敷防止策を地域丸投げではなく、豊中市のような組織的な取り組みを検討されてはいかがでしょうか。
答弁要旨
本市におきましては、豊中市の事例のように支援を拒否する方にアウトリーチを行う「ひきこもり等支援事業」の実施、地域振興センターや市社協と連携し、課題を抱えた世帯の早期把握とともに支援機関と地域の支援関係者が課題を共有し、解決に取り組む重層的支援を進めております。また、今年8月には居住支援団体に委託し、ゴミ屋敷等で住居を失う恐れのある方が住居を失わないよう、日常のゴミ出し等を支援する「地域居住支援事業」をスタートしたところです。
こうした専門的な支援の充実に加え、高齢者のごみ出しといった生活上の困りごとを地域で助け合う「訪問型支え合い活動」など、地域住民主体の見守り・支え合い活動を市社-協等と連携して推進し、ゴミ問題に関連する地域課題への官民連携の取組の充実に努めているところです。
引き続き、ゴミ屋敷問題をはじめ、複雑・複合化した課題の支援策の充実に向け、関係部局で構成する重層的支援推進会議や多職種の参画する尼崎市医療・介護連携協議会等を通じて、様々な課題の共有・解決に向けた協議を進めてまいります。以上
最後は高齢者の住宅問題です。
尼崎市は、古いアパートや文化住宅が取り壊され、新しい戸建て住宅やマンション等が建設されています。そんな古い住宅に住んでいるのはほとんどが高齢者です。
私も近年、立ち退きや文化住宅がボロボロで安全性に問題があるが大家さんは修繕してくれないとの高齢者からの相談を受け、市営住宅の申し込みをお手伝いしました。
エレベーターのある市営住宅は競争率が高く、入居は極めて難しい状況です。市営住宅の入居状況は、昨年12月から3回の応募で倍率は5.89倍でした。3回合わせて1314世帯応募し、入居できたのは155世帯。倍率が低いのは単身世帯とファミリー世帯との倍率が混ざっているからであり、高齢単身者が決して入居しやすくなったのではありません。すでにあきらめている市民の多いのではないでしょうか。市営住宅を求める市民は多くいます。戸数を減らしては、市民のニーズに応えることはできません。質問します。
Q10:安価で安全安心に暮らせる住宅が求められています。市営住宅の削減計画を見直すべきです。いかがですか。
答弁要旨
本市の市営住宅は、類似都市と比較しても多くの戸数を有しており、持続可能な管理運営の観点から、建替えや廃止により、戸数を削減することとしています。
現状、定期募集では、多くの方からご応募頂いている状況ですが、住宅ごとに応募の偏りが見られ、募集割れ住宅もあり、更にその後の常時募集でも申込みがない住宅もある状況です。
こうしたことから、高齢者をはじめとする住宅確保要配慮者への住宅確保に向けての課題は、戸数の不足ではなく、耐震性能やバリアフリー性能といった建物本体や設備面等にあると考えることから、「尼崎市営住宅建替等基本計画」に基づき、集約建替えや既存住宅へのエレベーター設置を進めているところです。
これらの取組を通じ、課題の解消が図られることで、安全・安心に暮らせる住宅が確保できると考えておりますことから、計画の見直しを行うのではなく、今後も計画を着実に推進してまいります。(以上)
高齢者世帯民間賃貸住宅家賃助成制度について
私の知り合いに85歳で年金月5万円ほどの方が2人おられます。Bさんは週4で掃除の仕事をしています。市営住宅に住み家賃は減免して1万5千円です。Cさんは80歳まで仕事をされていました。月4万5千円の民間借家に住んでおられます。年金はすべて家賃へ、生活費は貯蓄を取り崩す毎日です。低所得者の生活は家賃で生活の質が変わります。
大阪府摂津市では、民間のアパートや借家に住んでいる、高齢者世帯に対して家賃の一部を助成しています。家賃が月額5万円以下の世帯には1万円、市民税非課税世帯には1万1千円を限度としています。対象者は65歳以上の独居世帯、または60歳以上の方のみの世帯で単身者の年収は191万円以下、2人世帯なら276万円以下と収入制限はありますが、申請はいたってシンプルです。最後の質問です。
Q11:高齢者への生活支援策として民間賃貸住宅の家賃助成制度の創設を求めます。摂津市のような制度のとりくみについての見解をお示しください。
答弁要旨
議員ご指摘の摂津市民間賃貸住宅家賃助成制度については、低所得の高齢者に対する生活支援策として、前身となる制度を含めると平成4年度から開始されています。令和5年度の実績は、支給件数は延べ237件、助成金額は全額一般財源で約2,800万円となっており、条件を満たすことで、繰り返し更新できることから、対象となる方への生活の下支えに寄与していると聞いております。
一方、令和5年3月末の本市における高齢者人口は摂津市の5.6倍以上であることなど、仮に尼崎市での実施を想定しますと、相当に事業規模が大きくなると予想されることから、財源面や実施体制面において、制度の実施は困難であると考えております。生活困窮に至る理由は、家賃だけではなく生活全般にわたるものでありますことから、本市ではしごと・くらしサポートセンターにおいて、就労や年金の繰上げ受給等による収入の増加、家計の収支改善等に向けた寄り添い型の支援を実施しております。引き続き、しごと・〈らしサポートセンターで関係機関と連携した丁寧な相談支援を行ってまいります。
以上
これですべての質問を終わります。