2020.9月議会 川崎としみ議員の2019年度決算に対する意見表明

2019年度決算に対する意見表明です          2020/10/6  日本共産党議員団の川崎としみです。

会派を代表して2019年度決算とその他関連諸案件について意見を述べます。

  昨年の決算委員会でも経済情勢について、消費税を増税することによって、家計消費はさらに落ち込み日本の経済をより深刻な状況に追い込み、国民生活と将来に大きな禍根を残してしまう、消費税に頼る税制度のあり方を見直すべきだと、申し上げました。

今年度はそこにコロナ禍が加わり国民総生産GDPは年率換算で28.1%と戦後最低の水準となっています。市税の減収とともに今後の財源対策が大きな課題となってきます。

経済的にも、外需やインバウンド頼みでは、コロナ禍などがおこり一旦国境が閉じられると、経済が立ち行かなくなる、やはり経済の軸足は、内需と中小企業支援策を強めて自国で必要なものは国内で生産する方向に、転換しなければならないということだと思います。

そのためには、すでにコロナ以前から消費税増税によって落ち込んでいた経済を回復させていく有効な手立てとして、消費税の税率を5%に戻し、国民の購買力を増やすことだと考えます。

さらに当面の課題として、万全なるコロナ対策を実施するとともに、コロナ後の市民生活と社会のあり方を見据えていかなければなりません。人間は一人では生きていくことができない、お互いが助け合う社会でなければならないということを私たちはコロナ禍のなかで学んだのではないでしょうか。

イギリスの首相がコロナに感染して、社会が存在したと述べました。サッチャー以来30年も続けてきた新自由主義の考えに基づく、何でも効率化を求め国民に自己責任を押し付ける社会を見直すべきとの考えが、世界的にも広がっています。

日本においては、公衆衛生を守る保健所や公的な医療機関が半分も減らされた結果、コロナ危機に対応できない脆弱な社会、公共のありかたが問われています。何にでも効率化を求め、採算をあげることが目的化される新自由主義の考えを改め、コロナ後の社会を展望していくことが求められています。自己責任を押し付けるのではなく、余裕をもって危機に対応できる社会づくり、社会保障を拡充する方向で根本から見直すことが必要とされています。

尼崎市においてもこれまでの公共に対する考え方を改め、総合計画の見直しをはじめ、行財政改善計画についても再検討していかなければならないと考えます。

それでは2019年度決算の個別の課題について述べてまいります。

 

  • 消費税については、内需を増やす、市民の懐をあたためていくために、消費税の5%への引き下げを国に要請すべきだと考えます。歳入の減少分は地方交付税で措置されるのですから、減税によって地方消費税分が減額されるからという理由で、減税を認めないという姿勢は改めるべきです。

 

  • 財政調整基金の活用については、財源が不足したら緊急的に考えるとのことでしたが、市民にとって必要な施策を実行していくために、積極的な活用を求めます。

 

  • 少人数学級の実現、コロナ禍の分散登校で、少人数学級こそ望ましいとの声が教職員、生徒、保護者の間でも増えています。文科省も中央教育審議会特別部会の「中間まとめ骨子案」で「身体的距離の確保に向けて、教室等の実態に応じて少人数編成を可能とするなど、新時代の教室環境に応じた指導体制や必要な施設の整備を図る」と明記しています。そして文科省は来年度の概算要求に少人数学級の予算を盛り込んでいますが、具体的な実施内容は検討中とされており、10年間かけて整備するとの考えもあるとのことです。市としても早期の実施を求めて県や国に意見をあげ、スピーディに対応することを求めていくべきです。

 

  • こどものいじめ問題について、ストップイットを活用した取り組みが行われていますが、教育委員会の内部的な対応でいいのかという懸念があります。子どもの人権を守り保障するといった観点からの輻輳的な取り組みも検討すべきです。以前一般質問でも紹介した東京世田谷区の「せたホット」など参考に、いじめを根絶させる対策を強化するべきだと考えます。

また不登校になる子どもが増え続けています。「学習支援事業」イースト・ウエストを設置していますが、南部地域にも設置して、全市的に対応するべきです。

  • あまっこステップアップについて、これまで共産党議員団は教職員や生徒に負担を強いる、根底に学力至上主義の考え方があると批判してきました。子どもたちの学力調査は悉皆的に全員に対する調査でいいのかと指摘する研究者の意見もあります。今後の実施について教職員とともに検討すべきです。

 

  • あまようの医療的ケア児に対して、通学の際保護者の付き添いを求めている点について、障害者の家族に大きな負担を押し付けています。保護者以外の人が関係性を築くことは、子どもにとって親子だけの関係から社会へとつながっていくことになり、その子にとって成長・自立に向けた大変重要な一歩となる機会でもあります。他市には公立病院があり看護師の直接雇用ができるから対応できているが、本市では厳しいとのお答えです。早期の改善が必要です。兵庫県と連携し県立尼崎総合医療センターからの看護師派遣を検討できないのでしょうか。

 

  • 中学校卒業までの子ども医療費の無料化の制度は、ファミリー世帯の転入促進、転出防止のための施策として位置付け、早急に実施すべきです。

 

  • 保育所の待機児童対策のために、小規模保育事業や新規の保育所を手当てしても、職員が集まらない状況が続いており、子どもたちを受け入れることができていません。保育士の処遇改善はもとより働きやすい環境を整える必要があります。尼崎ならではの処遇改善策の実行を求めます。さらに公立保育所として残される予定で建て替えが必要とされている武庫南、次屋、杭瀬の3か所は早急に建て替え、ゼロ歳児保育の実施とともに定員拡大で、待機児童対策に資するべきと提案します。

 

  • 保育の病時・病後時保育について、4か所で実施されていますが、県立尼崎総合医療センターでの利用者数が他に比較して低い実施数です。紹介状が必要な病院であるため、それがない場合5000円の負担が生じ、さらに小児科の初診も受けなければならず、保護者は結局丸1日を費やさなければならず、大きな負担となっており利用者が増えない要因となっています。結果立花地域に病時・病後時保育の施設がないため、空白が生じています。新たな協力いただける医療機関の確保すべきです。

 

  • 児童ホームについては様々な課題があります。待機児童、備品の不足、職員の適正配置、子どもクラブとのすみわけ等々です。極めつけは老朽化した施設の建て替えと、国が定めている一か所40人定員の基準を早期に達成していくという問題です。すでに国基準達成のための3年間の猶予期間は過ぎています。このことを計画的に進めることで、児童ホームの問題はおおむね解決できると考えます。空き教室だのみ、民間だのみはやめて抜本的な対策を求めます。

 

  • 新型コロナウイルス対策のための危機管理体制の構築が求められています。保健所の機能強化のためには常勤職員を増員することが必要です。また抗原・抗体検査などの簡易検査の実施を行いそれと組み合わせて、PCR検査をおこない、検査数の大幅な拡充の体制が必要です。臨時的に設置した直営診療所は常設化すべきです。それとともに、コロナ対策を講じた避難所運営の体制強化、ガイドラインの作成、運営マニュアルの徹底と実践的な訓練が必要とされています。

 

  • がん検診は兵庫県下でも大変遅れており、癌による死亡率が高い市となっています。がん検診の受診率は、胃がん2%、大腸がん10.4%、肺がん5.2%、乳がん10.9%、子宮頸がん8.0%となっており、兵庫県下でも一番低いがん検診の受診率となっています。ヘルスアップ事業とタイアップして、積極的な啓発活動でその増進を図るべきです。

 

  • 高すぎる国民健康保険料、介護保険料の引き下げのために、基金の活用や一般会計からの繰り入れなど積極的な対策を講じるべきです。

 

  • 介護予防・日常生活支援総合事業は、サポーターの要請900人目標は4年経っても60人しか確保できていません。今後も事業者が行う研修制度の拡充でサポーターを養成するなど、報酬は1割カットしつつ、事業者により一層の困難を押し付ける方向性は誤っています。国は対象をさらに要介護5まで広げることを計画しています。ますますの介護現場に人員が確保できない状況を作り出すことを危惧します。この事業が成功している自治体はありません、国に抜本的な改革、または中止を求めるべきです。

 

  • 南北の保健福祉センターの設置によって、障害のある人、様々な手続きでここを訪れなければならない事業者さんにとっては、駐車場の料金が大きな負担となっています。駐車料金の減免の制度をつくるべきです。

 

  • 生活保護行政については、ケースワーカーの担当世帯数が既定の80世帯を大きく超えて平均で126世帯となっています。正規職員の増員を求めます。

 

  • 職員の働き方が部署によっては、ワークライフバランスを大切にする働き方になっていない実態があります。残業が月80時間を超えた職員は産業医と面談するとなっていますが、カウンセリングだけで、根本的な原因を取り除く実質的な効果が得られていないのではないかと疑問があります。はなから残業手当の予算10億円が計上されていますが、必要な部署に人員を確保するなど、本腰を入れて職員の働き方改革に取り組むべきです。

 

  • 業務執行体制の見直しアウトソーシング

市民課窓口の委託は、民間活力が業務に精通しているとか、経費削減につながるとかはすでに幻想であったことが明らかになっています。委託はすぐにでもやめて、正規職員で対応すべきです。市職員のスペシャリストを養成することが、市民の個人情報を守り、将来も市民サービスを後退させないということになります。またすでに実施済みの他の業務執行体制の検証を行うことを優先させるべきで、新たな93業務に及ぶ業務については凍結すべきだと考えます。

 

  • マイナンバーカードは、国民の個人情報の漏えいという不安感という問題があります。さらに国によって情報の一元化が進み、個人情報がすべて管理されることに対する不満、政府をを信頼できないということがその普及が伸び悩んでいる原因だと考えます。やみくもな普及推進策には反対します。

 

  • 市営住宅

耐震化ができていない住宅から優先して建て替え計画が作られているとのことですが、そもそもその計画自体の説明が住民にされていません。ようやく具体的な計画となった段階で、住民に説明を行うという手法が間違っています。計画の策定段階からの意見公募を行うべきだったのではないでしょうか。また耐震化や立地場所等のハード優先の考えで、集約化されようとしています。常光寺改良、常光寺北、常光寺第二改良住宅は、今ある所に建て替えるべきで、遠く離れて建設されると住民の住環境が大きく変わってしまいます。あらためて住民意見を真摯に受け止め計画をみなおすべきです。

 

  • 園田西武庫線は、県の事業であるからといって県任せの事業となっており、市はもっと県に地元の要求に沿う計画にすべきであることを強く申し入れるべきです。住民との合意ができるまで、安易な工事強行を行なうべきであはありません。

 

  • 総合治水対策について市民に対する啓発をもっと積極的に行うべきです。具体的な施策、例えば、校庭、公園貯留、浸透桝などの施策についても、それぞれの計画と目標を設定し、年度的に検証を行い、行政の縦割りの区分を超えた取り組みを行うべきです。また貯留管が10年降雨確率の2万立方メートルの容量でいいのか、今後の気象条件が変わることを前提にした、考察、検証が必要だと考えます。

 

  • モーターボート事業について、センプルピアの開催日数は、ここ数年来地元合意の180日間を大きく超えており、なし崩し的な開催は問題があることを指摘します。

 

 以上で2019年決算と関連する案件についての日本共産党の意見表明を終わります。ご清聴ありがとうございます。