2020.9月議会 まさき一子議員の一般質問と当局答弁概要

第一登壇

 

 日本共産党議員団のまさき一子です。コロナウイルス関連について、武庫川氾濫防止対策について質問します。

 

まず最初はコロナウイルス関連の医療体制の強化についてです。

 

新聞報道によると「日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が8月6日におこなった、4~6月期の経営状況の調査の報告でコロナ感染患者の入院を受け入れた病院などでは、6月も10%を超える大幅な赤字が継続し、診療報酬引き上げが行われたものの、経営状況の悪化に歯止めがかからなかった。コロナ患者を受け入れていない病院でも対前年では経営状況が悪化。4分の1を超える病院で夏期賞与が減額支給せざるを得ないとしている」とありました。

 

 日本共産党議員団は、発熱外来を行っているA病院と懇談をしました。発熱外来は月~金曜日まで毎日午前中で20人ほどの患者が受診します。PCR陽性者は5・6月ゼロ、7月検体採取者の9%が陽性、8月1日~14日までの2週間で22%まで上昇しました。

衛生研究所に検体を依頼しますが、以前は翌日に結果がでていましたが最近では2~3日かかり、発熱や風邪症状がある人を家や施設に帰すわけにもいかずに、個室入院で結果を待っている。そのために看護師の負担と入院にかかる費用がともないます。また多量に使用するガウンやマスクは洗濯・消毒して再利用している、とのことでした。

一般の患者受診が減り、特に小児科の受診が最高で6割減であり、病院管理者は「病院経営が昨年比4ヶ月で2億円も減っている(3割減)。職員にボーナスを渡せる状況ではなかったが、コロナ禍でがんばっている職員の意気が下がるのを避けるために無理して出した」と言っておられました。

今政府がすることは医療機関が十分に力を発揮できる支援、公衆衛生の整備、PCR検査の拡充への支援です、しかし政府は今やるべき支援ができていない実態があります。

 

 Q1:国費投入して医療機関への減収補填を行うことを国に強く求めてほしい。いかがですか?

 

答弁

新型コロナウイルス感染症への対応や、受診控えなどにより、医療機関の経営状況が厳しくなっていることいついては、市としても各医療機関からお聞きしております。こうした厳しい状況については、全国的な課題であることから、国の感染症対策に係る補正予算の中で、

・新型コロナウイルス感染疑いの患者を受け入れる医療機関へのマスクや防護服などの 支給

・動線を分けるなどの感染予防対策器材の補助

・医療機関への資金繰り支援の融資

・医療従事者への慰労金支給など、様々な支援策が順次示されております。

本市におきましては、引き続きこうした国からの支援策に注視しながら、医療機関への速やかな情報提供に努めてまいります。

 

また市は国からの補助金を待つのではなく、設備も人員も不充分、減収に苦しみながらぎりぎりのところでがんばっている医療機関を崩壊させないことです。

5年ほど前までは尼崎市は市立病院がないからと救急、高度医療に携わっていた県立尼崎病院と塚口病院、労災病院には医療機器の購入費用を補填していましたが、県立総合医療センターができてからその制度はなくなりました。コロナ禍において、少なくとも発熱・接触者外来をやっている3つの民間病院にはその施策を復活してほしいとおもいます。

 

Q2:市長は市の要請でコロナ診断、PCR検体採取している病院への支援をするべきではありませんか?

 

答弁

当初、民間病院の帰国者・接触者外来で一日各3名程度の感染疑いの患者を診ていただいておりましたが、4月16日からは、尼崎市医師会に協力いただき、臨時診療所で1日15名程度の感染疑い患者の検査をしてまいりました。

また、更なる感染拡大に備え、市内の各病院や多くの診療所においても、行政検査を行っていただくための手続きを進めていまs。

本市としましては、こうした医療機関に対する支援について国の動向を注視するとともに必要な支援の在り方についても検討してまいります。

 

保健所機能の強化について

 新型コロナ感染症の危機では、1980年代以降自民党政治が続けてきた、社会保障のなどの公的責任を弱め、自己責任を強調する新自由主義的改革の弊害が次々と明らかになっています。

新自由主義によるリストラが公衆衛生の分野にも及んでいます。その結果全国の保健所数は1990年代の850カ所から2019年には472カ所へと激減しました。6月議会で松沢議員が示したように尼崎市も6カ所の保健所が1カ所に集約されました。

コロナ禍では4・5月は南北保健福祉センター、ヘルスケア担当の保健師の応援でどうにか乗り越えることができました。6月からは一旦はコロナ感染が収まった時期があり、緊急事態宣言が解除され、両保健福祉センターの事業が再開始となり保健師の応援体制がとれなくなりました。

7月に東京等大都市中心に感染が広がり、尼崎市もPCR陽性者が4・5月は一日5人がMAXだったのが、8月には一日17人MAXという想定外な状況に、8月後半になっても毎日5~8人の陽性者が発生しています。保健所職員、他部署からの応援とOB保健師が一体となり、この窮状を乗り越えようと必死で踏ん張っています。週30~50人の陽性者数とそれにともなう濃厚接触者の割り出し等、先が見えない状況で職員の心が折れるくらい疲弊している状況です。市長に伺います。

 

Q3:保健所職員の心が折れるくらいの身体的・精神的負担について、この現状をどのように見ておられますか?

答弁要旨

本市においても特に7月以降、要請患者が急増し、入院調整や疫学調査に基づく濃厚接触者の特定、臨時診療所の運営、電話対応等において、職員に多大な負担が生じていることは事実でございます。

こうした事態に対応するため、これまで保健所内外から保健師や環境衛生職等の応援職員を配置するとともに、OB保健師等の活用を図ることで、職員ここの負担軽減に努めてまいりました。

次の波に備え、引き続き、庁内の応援体制の整備を図るとともに、外部委託を活用し、業務の簡素・効率化を図るなど、職員の身体的・精神的負担の軽減に向けては、更に意を用いてまいりたいと考えております。

  

感染震源地(エピセンター)を明確にしたPCR検査の拡大

 感染震源地(エピセンター)とは、感染力の強い無症状の感染者が集まり、そこが震源地となって他の地域にもクラスターを拡大させるような特定の地域のことです。

東京医師会尾崎会長は、「感染拡大を抑えるためには、3つのポイントがある。①無症状者を含めて感染者をできるだけ拾い上げて隔離すること。②感染震源地に対する徹底した対策。③感染震源地から周囲への感染拡散を防ぐことです。また対策にかかる費用は、国が責任をもって負担をするべきです」とのべておられます。

超党派の「医師国会議員の会」や日本医師会COVID(コビッドナイティン)―19有識者会議は、同趣旨を盛り込んだ緊急提案を提出しました。

東京都世田谷区の保坂区長は「PCR検査体制を強化し検査数を一桁拡大する」(世田谷モデル)を発表しました。

 

徹底検査を進める考えかた「検査によって感染拡大を押さえ込む」立場に立つ必要があります。尼崎市は小学校の教師や児童がPCR陽性者と診断されたとき休校となりましたが、すぐに教室や児童ホームの児童全員を検査し、陰性の確認後いち早く開校しました。私はその連絡を受け、子どもや教師、保護者の不安をいち早く取り除いた判断はすばらしかったと思いました。その一方である中学校では、事務員が感染し校長が濃厚接触者でPCR陽性となりました。しかし職員室という空間を共にしている教職員のPCR検査の指示がなく、不安と不満で大混乱を招きました。校長は「PCR陽性に出ても全く無症状。たまたま濃厚接触者で検査できたが、わからないまま仕事していたら大変なことになっていた」と言われました。無症状で発見し、保護することの重要性を改めて認識させられました。

 

Q4:陽性者が出たらその周囲にいる濃厚接触者だけでなく、会社や学校、施設単位で範囲を広げたPCR検査をおこなうことが、無症状の感染者を特定し、保護することで市中感染防止につながると思いますがいかがですか。

答弁要旨

 本市においては、これまでも医療機関、学校及び社会福祉施設等で陽性者が発生した場合、迅速に現地におもむき疫学調査を丁寧いn行うことで、濃厚接触者を特定し、また、年齢や接触状況などから、感染の可能性を否定することができない者に対しても広くPCR検査を実施しております。

今後も、ここオン事例に迅速かつ柔軟に対応することで、感染拡大防止、クラスターの未然防止に努めてまいります。

そのためには、検査体制の拡充が必要です。 

 

Q5:衛生研究所の機器と人員確保の拡充、民間の検査協力も含め、検査体制の強化を求めますが、いかがですか?

 答弁要旨

衛生研究所の検査体制につきましては、これまでも新たな検査機器の導入や人員体制を整備する中で、1日当たりの検査数を44検体とするなど、その充実を図ってまいりました。

今後は次なる波に備え、医療機関へ行政検査を委託するおkとで病院検査室や民間検査機関での検査を増やし、また抗原検査キットの活用を推進し、一日当たりの検査数を100検体まで増加する補正予算を今議会に提案しており、引き続き、検査体制の強化に取り組んでまいります。

 

8月後半になって、全国的にも学校関係者、児童生徒の集団感染者が増えてきています。本市も例外ではありません。

 

Q6:医療機関、介護施設、福祉施設、学校、保育所など集団感染リスクが高い施設の職員などへの定期的なPCR検査の導入はどのように考えておられますか?

答弁要旨

 8月28日に国が「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」を公表しており、その中で、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、医療機関や高齢者施設等に勤務するもの、入院・入所者全員を対象に一斉・定期的な検査の実施を都道府県等に要請することとなっております。

現時点において国から具体的な内容が示されていないため、本市といたしましては、今後の国の動向について注視してまいります。

 

つづいて

 子どものコロナに寄り添う学校、少人数学級の実現についてお聞きします。

少人数学級については、学力向上、いじめや不登校の問題についても、子どもたちの健全な学校生活を営む、教師の働き方を是正する効果があることは試され済みの施策です。全国知事会や全国市長会もそろって国に要望してきました。コロナ禍で40人学級の3密が子どもや教師のストレスが爆発しています。すぐにでも少人数学級にしてほしいというのは保護者や教師の共通の思いです。

7月のはじめ、全国知事会会長・市長会会長・町村会会長の3者が連名で「緊急提言」を出し、「少人数編成を可能とする教員の確保」を文科省大臣に要請しました。

さらに同時期に政権の「骨太方針」経済財政諮問会議「経済財政運営と改革の基本方針2020は『少人数指導によるきめ細やかな指導体制の計画的な整備』について関係者間で丁寧に検討する」としました。

そして文科省は8月19日、今後の初等中等教育のあり方について議論している中央教育審議会(文科省の諮問機関)特別部会の「中間まとめ骨子案」を公表し「身体的距離の確保に向けて、教室等の実態に応じて少人数編成を可能とするなど、新時代の教室環境に応じた指導体制や必要な施設の整備を図る」と明記。特別部会分科会での議論を経て今年度中に文科相に答申する予定です。

 私は国の動きをコロナ禍で、子どもたちの生活が一変した、困難さの中に一筋の光がともったような気がしました。市長にお尋ねします。

 

Q7:市長はこれまでも県や国に少人数学級の実現に向けては声を上げてこられました。この国の動きに対してどのような見解をお持ちですか。お聞かせください

Q8:教育長が文科省おつとめの時から、何度も少人数学級についての議論はあったとおもいます。国の制度として少人数学級がなぜ進まなかったのか、その障壁とは何であるとお考えでしょうか?教育長の少人数学級に対する 思いも併せてお答えください。

答弁要旨

子どもの学習環境の質は、教師によるところが大きいことは言うまでもなく、少人数学級を含めて、教員体制が充実することは大変重要なことと考えています。

もちろん、文部科学省においても、長年、教員数確保に向けて努力はしてきており、教員定数も50人学級から40人学級へと、徐々に改善が図られてきています。

一方で少子高齢化の進行による社会保障関係経費の増加などもあり、定数改善は、平成23年度に10年ぶりに小1の35人学級を実現するにとどまっており、その後はいわゆる「加配」という形で、その都度、予算を確保している状況です。

兵庫県では、実際にはこの「加配」を活用する形で、小学校4年生までの35人学級の実現、そして、5,6年生における算数党の少人数指導の推進を図っているところですが、きめ細やかな学習支援のためには、さらなる定数改善が必要であるものと思っています。

その上で、例えば、学級編成基準についても、ある程度、裁量を持たせる形にして、各学校や設置者の判断でメリハリのある教員配置をするなどの工夫も必要ではないかと考えています。

また教師の業務は際限のない側面もございますので、行事の精選など、学校の業務の負担軽減に向けて自治体でできることはしっかりと進め、それと並行して教員定数の充実に向けて、県および国に対して要望をしていきたいと考えております。

 

武庫川氾濫時の対応について

 武庫川流域にすむ住民にとって、台風や大雨時川の氾濫は他人ごとではなく、大きな心配事です。2018年の岡山県真備川の氾濫、昨年の千曲川の決壊、今年は球磨川・最上川の氾濫でおおきな被害がありました。球磨川の氾濫で浸水した建物の補修も、コロナ禍ではボランティア手配ができずに復興までにはほど遠い状況です。昨年の12月兵庫県は、台風19号級が襲った場合、武庫川は決壊・氾濫の危険があることをシュミレーションで解明しました。

  2015年に水防法の一部が改正されたのを受け、兵庫県は2018年に、これまでの30~100年に一度の大雨を前提とした浸水想定区域図を、想定最大規模降雨である千年に一度程度の大雨を前提とした想定区域図に見直しました。また国土交通省は「全国各地で頻発・激甚化する豪雨に対応する『施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生する』との考えに立ち、ハード・ソフト対策を一体として社会全体でこれにそなえる水防意識社会の再構築への取り組みが必要」と洪水等からの逃げ遅れゼロ、社会経済被害の最小化を実現するというものです。

 先日武庫川について知りたいと思い、地域住民と出前講座をお願いしました。兵庫県から西宮土木事務所武庫川事業課、尼崎市から災害対策課、河港課の職員さんにきていただきました。大変有意義な講座だったと参加者は満足し、それと同時に災害時河川の氾濫への危機感が高まり「避難するしかないのか」という感想が寄せられました。

武庫川の整備工事について、県の土木事務所武庫川事業課は「河床の掘削、河幅の拡幅、堤防の強靱化(矢板を入れる・ドレーン法・ブロックによる補強等)をやっている。国から財源が降りない、県だけでは限界がある」と言うことでした。

 

Q9:2018年の想定区域図の見直しを受けて武庫川の整備工事について、県との協議はどのようになっていますか?

答弁要旨

平成27年に一部改正された水防法では、河川整備において基本となる降雨に対して浸水想定区域を定めていたものを、ハード整備では限界があることから、より一層の避難体制等の充実や強化を目指して、1000年確率規模の想定し得る最大規模の洪水に対して浸水想定区域を見直したものであり、武庫川につきましても、兵庫県が平成30年度に策定しております。

武庫川のハード整備については、水防法で想定している1000年確率に対応した整備には費用と時間を要することから、まずは平成23年度に策定した河川整備計画に基づき、戦後最大洪水を目標に兵庫県が工事を進めているところでございます。

本市としましては、兵庫県と事業内容、進捗状況について協議を行っており、財政確保においても武庫川下流の協議会を構成する4市で国に要望を行っております。

現在の工事の進捗上位協は、国道43号以南において河床の掘削を行っているほか、武庫川橋から下流にかけて川幅を広げる工事を実施しているところであり、武庫川全体では令和13年度の整備完了を目指して整備を進めております。

 

尼崎市の災害対策課によると、武庫川には大雨時の水位を測る場所が、武庫地域の「甲武橋」と大庄地域の「小曽根」があります。2018年7月5日の豪雨の時、小曽根の最大水位4.62mまで上昇、避難判断水位4.70mまでわずか8㎝と迫りました。避難勧告のスイッチを入れる寸前で雨の状況が弱まってきた。とお聞きしました。同時刻の甲武橋では避難水位までには88㎝ありました。武庫川流域では氾濫に弱い箇所があることがよくわかります。

Q10:今後また同じようなそれ以上の事が起こることが十分に考えられます。決して想定外ではありません。その後、市にできる氾濫を避けるための対策は、検討されたのでしょうか?

答弁要旨

武庫川におきましても整備水準を超える想定外の降雨により、氾濫が起こる可能性があります。

本市におきましても、そうした想定外の豪雨にも対応できるよう「尼崎市総合治水対策基本ガイドライン」を平成29年8月に策定しており、河川・下水道などの“流す”対策のみで対応することには限界があることから、学校・公園貯留や透水性舗装などの“ためる”対策、また避難行動のための情報発信や防災教育などの“そなえる”対策などのソフト対策を組み合わせ、庁内一体となって総合治水対策に取り組んでおります。

ガイドライン策定後に実施した具体例としては、各地域振興センターや市営住宅の建て替え時における駐車場の透水性舗装、雨水貯留タンクの設置などの貯留浸透施設の整備や、地域による自主防災活動への支援などを行っております。                 これで第1問目を終わります

 

第2登壇

 PCR検査体制について、1日100検体採取できるPCR検査の拡充はとっても良いと思います。東京医師会会長が「無症状の感染者をできるだけ拾い上げて保護する」と言われているように濃厚接触者だけではなく、関わりある無症状者も組織的に検査をする。点や線ではなく面でのPCR検査が必要なのではないかと思います。

 第2問目の最初は地域医療体制から、共産党議員団は、自主的に発熱外来を行っているBクリニックとも懇談をしました。一日1時間予約制で2名の患者を受け入れています。理事長は「駐車場にユニットハウス3戸建てクーラー設置し、看護師2人とられ、通常の診療なら1時間で20人見るところ、発熱外来は社会的責任で行っている。市からの事業継続支援給付金の申請を行っているがましゃくに合わない」とクリニックレベルでは経済的・人員的負担が大きいと言われていました。市が医療関係者等を支援するために、市民から募った寄付金580万円を含めた「みんなで応援寄付金」は3000万円あり、そのうち約1400万円を活用しクリニック等にマスク・衛生用品を提供するとしています。

 

Q11:ここでお伺いします。県の支援がなかなか届かないクリニックのさらなる支援を市が行ってほしいと思います。いかがですか。

答弁要旨

 発熱患者などへの診療を行っていただいているクリニックなどに対しましては、市としても支援が必要であると考えており、今議会への補正予算にて「みんなで応援寄付金」を活用した医療資材の配布を提案しております。

 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、医療機関の経済的・人員的な負担は大きいことから、今後も必要な支援策について、検討していきたいと考えています。

次に保健所職員の人的支援

  電話相談の数は週に700件一日平均100件、多い時には300件の相談があり、職員は主にOB保健師2名と保健師が対応します。17時から19時までは正規保健師が交代で1名が対応しますが、他の職員も仕事が終わるわけではなく、電話相談の補助、検査結果の連絡、陽性者の状況聞き取り・記録に残す等22時頃まで仕事が続く状況です。

土日は感染者担当の事務員と保健師が交代で担当しています。職員の代休は、丸1日はとれず多忙具合を見て半日単位で取ったり、時間給に換算したりしています。夏季休暇は今のところとれていないということです。

PCR陽性者の聞き取り、濃厚接触者の対応は所長や保健師が行います。濃厚接触者も自宅待機2週間、観察の電話やメールでのやり取りで状態把握。日々新陽性者が累積される中で、かなりの数の様子観察者がいる。保健師3名、応援者3名、6名で常時おこなっているが、対象者が多くなると他部署(結核担当の保健師等)からの応援要請を行うとのこと。

民間の検査会社の活用は行っているが、衛生研究所の一日44検体以上になると結果が遅れる。検体が88件を超すと当然2~3日の遅れが生じる。早くに結果がほしいのはわかるが限界がある。ということです。

災害時のコロナを見据えた対応、インフルエンザ感染との併発等、大変な状況が予想される。コロナ感染は一時的なものではなく、長期的な災害と位置づける公衆衛生の充実が必要です。今回のことで、人々の命と健康を守るためには、医療体制の充実とともに、保健所、衛生研究所等の公衆衛生の人員を増やすことが必要不可欠であることは明らかです。

 

Q12:市長は保健所職員の人的支援はどのように考えておられますか。

答弁要旨

 今回の新型コロナウイルス感染症への対応を含め、災害等の発生時には全庁からの応援職員により体制を強化するなど、状況に応じて柔軟に対応していくことが基本と考えております。

このため、今年4月に新型コロナウイルス感染症対策担当を局内外の応援などで立ち上げ、疫学調査等については、保健所内や南北保健福祉センターの保健師が輪番制で応援体制を組み対応してきたところです。

 また疫学調査結果に基づくデータ分析や予算・施策調整、市立臨時診療所の運営補助、検体搬送・検査など、多岐にわたる新型コロナウイルス対策の業務執行体制を強化するため、その都度、局内外からの兼職発令及び事務従事命令により対応してきたところです。

 今後も、感染者数の動向や業務の繁忙状況の把握に努め、保健所とも連携を密にしながら、柔軟かつ機動的に対応してまいります。

 

 共産党議員団は、6支所にあった地域保健担当の南北の保健福祉センターの集約には最後まで反対し。各地域にある生涯学習プラザ内に保健窓口と保健師を残すように訴えてきました。私たちにしかいえないことをあえて質問します。災害時のコロナ対応、インフルエンザ流行時のコロナ対応と課題が山積です。誰も経験したことのない事態となります。

Q13:たとえば南北の保健福祉センターに公衆衛生機能を持たせる等、人員の増員も含めた保健所機能の拡充が必要なのではないでしょうか。市長の見解をお聞かせください。

 答弁要旨

 保健所は健康危機管理上の拠点であり、その機能としましては、個人情報も含めた情報の収集や共有、国・県・他保健所との情報交換、施策の企画・立案が最も重要なものであり、一つの組織に集約することで、より効果的に機能を発揮できるものと考えております。

一方、南北保健福祉センターには、公衆衛生の中核を担う保健師をはじめ、管理栄養士や歯科衛生士など多くの専門職を配置し、日ごろから地域の皆様に寄り添った公衆衛生課t同を続けているところです。

 議員ご指摘のとおり、インフルエンザの流行に備えた体制整備は必要ですが保健所及び保健福祉センターがそれぞれの役割を果たしていくことが重要であり、保健所機能自体を見直す考えはありません。

 

コロナ禍における少人数学級について                                           

 現在の国の方針では1クラス40人(小1・2は35人)。尼崎市は小1~4年生までは35人、5年生から40人学級です。コロナ禍でのこの学級編成では3密を回避するために、分散登校から始めました。少人数学級を求める市民団体によるアンケートでは、分散登校で保護者から「少人数なので先生が一人一人丁寧に教えてくれる」「今は少人数なので先生といろいろな話ができている。これを機に少人数制にしてほしい」、教師からは「子どもが集中して授業を受けてくれる」「教師にゆとりができ、子どもの状況がよくわかる」等の意見でした。

ある学校では「少人数学級は、だれが見ても良い制度だ」と校長自ら声をあげられています。私がいいなと思ったある女性のSNSの発信です。「子どもたちの学びの多様性に応えら

れる教育を可能とするために、少人数は重要な第一歩だと思う。それぞれの子を子どもとい

う塊・集合体として教育するんじゃなくA君、Bさん、Cちゃんそれぞれの成長を支える教

育であってほしい」私は本当にその通りだと思います、本質を突いた言葉にドキッとしまし

た。

 Q14:尼崎市としては少人数学級に向けて、どんな準備をすすめますか

答弁要旨

 市教育委員会といたしましても、少人数学級の実現に向けて、教員や教室の確保等の課題があることは認識しておりますが、小中学校は県費負担教職員であり、国の制度と大きく連動していることを踏まえれば、本市単独での早期の実現は、現実的には困難であると考えております。

 そのような中、現在、本市ではスクールサポートスタッフや学習支援員、そだち指導補助員等の人的配置を進めており、児童生徒一人に係る支援の充実や教員の負担軽減を進めているところでございます。子どもたちの学びと育ちのためのゆとりある教育環境は何よりも重要であり、望まれるものです。今後も、国や県の動向を注視し、課題等を踏まえ、必要に応じて教育環境の充実に努めてまいります。

 

小1年生の問題

特に今回コロナ禍では、小1年生の問題は深刻です。小1を担任している教師は「1年生は大変、入学式をして6月まで休校。6月になって登校して1ヶ月過ぎたらひらがなの小文章、カタカナが入ってくる。子どもは『先生(な)ってどう書くの?(み)ってどう書くの』っていってくる。集中でなくて4時間目になったら『うちに帰る』って教室飛び出す。それが一人ではない。捕まえるのが必死」と大変な状況です。

入学時には小学生になって友達たくさん作るんだと希望でいっぱいだった子どもたちです。休み時間もお友だちと話もできない、マスクで顔も見えない。お友だちができないと小1の子が家で母親に言います。このままでは学校嫌いな子どもになるのではと心配しています。

 

 Q15:コロナ禍で犠牲になった子どもたちです。特に小学1年生は教育課程の押しつけではなく、もっと少人数学級で丁寧な教育等、早急な手立てが必要なのではありませんか?

答弁要旨

 現在、小学校1年生におきましては、国の施策を活用して、35人学級を推進し、きめ細やかな指導に努めているところでございます。

 各学校においては、授業時数の確保のみにとらわれるのではなく、必要とされる「学習内容」を保障する観点に立った学習活動の重点化による、教育課程の見直しを行い、実施しているところでございます。

 現在のところ、小学1年生において、より少人数の学級を編制する考えはございませんが、今年度はコロナ禍における対応について、学習支援員の追加配置を行い、より丁寧な支援ができるよう、教育環境の充実を進めているところでございます。

 

公立高校の学区拡大について

 私は、これまでもずーと公立高校学区拡大について、尼崎の子どもが、尼崎の高校からはじき出される事の弊害を訴えてきました。しかし教育委員会は「高校の選択肢が広がった。尼崎の高校が選ばれる高校になった」と繰り返されていました。教育委員会においては尼崎の子どもが行きたい学校からはじかれて、市外の私学や高校に行くことについて、また公立高校に受かったにもかかわらず尼崎出身の生徒の満足度が低かったという結果についても、県が調査を中止したら追跡調査すらしようとしない、中学を卒業したらあとは知りません。という姿勢が見受けられました。

中学3年生の子どもを持つ母親は、「コロナ禍で中3の受験生はどうなるのか」と不安を募らせています。「まだ何も聞かされておらず不安で仕方ないです。テストもなく夏休みに入り、高校のオープンスクールもなく、どのように志望校を決めていくのか何も示されていない」と言われています。従来なら夏休み前に進路相談を行い、オープンスクールで志望校を選ぶ参考にするという、スケージュールが今年はできなくなりました。

学区拡大による高校の情報収集を行い。志望校を決める事が受験の鍵となります。中3の保護者が集まれば受験の話になり、不安やイラつきを口にする保護者が多くいます。

Q16:コロナ禍での中学3年生の進路に対する準備が遅れている問題をどのように解決していきますか。

答弁要旨

 まず、学習面におきましては、学習内容を保障する観点から、下記長期休業期間を短縮したほか、各中学校においては、高校受験を意識した指導内容の重点化を図りながら、教育課程を見直しているところでございます。

 また、学校再開後に進路説明会や個人懇談を実施して進路指導を行っているほか、6月に予定されていた尼崎市立公立高等学校合同説明会が中止となった代替として、尼崎市内の公立高等学校の特色を紹介した資料を中学校3年生全員に配布するなど、情報提供にも努めております。

 なお、「オープンハイスクール」につきましては、9月以降、各高等学校で順次開催される予定であり、希望する中学生の参加が可能となっております。これらを通じまして、中学生一人ひとりの希望や適性に合った進路選択ができるよう、今後もきめ細かな支援に努めてまいります。

 

 前川喜平前文科省事務次官は「人間は教育によって成長する。人間らしく生きるために学習する」と講演会で話しされます。競争だけをあおる教育、勝ち組・負け組を生み出すのが義務教育や高校の目的ではないということです。

 高校の教師は「学区拡大になってから尼崎の公立高校が、学力によるランクづけが顕著に表れてきており、大学受験の予備校化している」と言われていました。

 これらを是と見るか、非と見るかは個人の考えがあるとは思いますが、競争教育が一層激しくなってきたと現場の教師は危惧しています。

教育長が赴任してこられてから、私は公立高校学区拡大について質問をしましたが、まだ教育長から見解を聞いていないように思います。

 

Q17:教育長にお聞きします、公立高校学区拡大について、どのような見解をお持ちですか?

 答弁要旨

 高校教区に求められる役割としては、個々の生徒が学校生活を通じて、自らの進路を考え、決めていく機会を提供するとともに、将来生きていくうえで、必要な知識や技能を身に付けられるようにすること、さらには、個人がそれぞれの持つ持続可能なものとしていくための基礎を培うことと考えております。

 その意味では、高等学校が受験一辺倒となるのではなく、学習内容が多様化し、その選択しが充実することが大切であり、また、私立学校でなければ希望する大学に入学できないといった格差も作ってはならないと考えております。現在の学区制度の中で、本市のみ市内での高校教育に限定されれば、選択肢の充実や、他市で育った生徒から刺激をもらいながら学ぶ機会の確保、さらには、私立高校との格差の観点からも逆に課題も生じる可能性もあろうかと思っております。

現在、中央教育審議会においても、高等学校の普通科の見直しに向けて検討が進められているものと認識しておりますが、高校教育は、偏差値がすべてではありません。入試も多様化しております。

市教委としては、各人の進路選択が納得いくもおんとなるよう、中学校段階における丁寧な進路指導を充実してまいりたいと考えております。

 

最後は総合治水「ためる」について

 ある市民の方が「これからの浸水被害は、内水・外水を一体に考えないといけない」と言われました。これは誰もがそう感じているところです。私は武庫分区雨水貯留管の計画について、反対をするつもりはありません。しかしながら近年のゲリラ豪雨に対応するため、6年確率から10年確率にするためのものであり、現在また将来的には浸水被害に対応できるのか?と疑問視するのは当然のことだと思います。

7月あった発進立て坑の地元説明会では雨水貯留管は総合治水の一つの手法であると強調されていました。それにしては100億円という大規模な工事、またできあがりが7・8年後というのもましゃくに合いません。他に短い期間で、経費を最小限にする方法はいくらでもあります。

 武庫川河川の氾濫を防ぐ方法の一つに「ためる」総合治水の考え方です。武庫分区(武庫・立花地域)だけの洪水対策でなく、小曽根地点の水位でも武庫川に流れる雨量を「ためる」手法で負担を軽減できたら、武庫川の氾濫も引き延ばすことができるのではないかと思います。

地上や地中に雨水を一時的にためることで、下水・川に流す負担を軽減する。たとえば武庫分区の小中学校の校庭貯留で約9000t、公園貯留を加え約9000tの雨水を一時的にため、流域からの雨水の流出量を減らします。もちろん浸透管・浸透ます等についても積極的な拡充を求めます。

雨水貯留管をはじめとする、「尼崎総合治水対策基本ガイドライン」は2017年に計画されたものであり、この4年間で気象状況は恐ろしいほどの変化です。総合治水計画のバージョンアップが必要です。

 

Q18:現在の異常気象はめまぐるしく変わってきています。もっと具体的に総合的に見直し、将来を見通した計画にするべきと思いますがいかがですか?

答弁要旨

 ご指摘のとおり、気候変動の影響による降雨量の増大等、近年の気象状況は大きく変化しております。

 本市が平成29年8月に策定した「尼崎市総合治水対策基本ガイドライン」は、こうした気候変動による想定外の豪雨への対応や、水防法などの考え方も含めtえ策定されているものであり、今のところ改定する考えはございませんが、今後、新たな事象があれば柔軟に対応していきたいと考えております。

                   これで第2問目を終わります

 

第3登壇

本市は市立病院がないために、地域医療を充実させるという位置づけが弱いのではありませんか。地域住民の命を守り、安心して暮らせるようにと赤字覚悟でがんばっている地域医療をしっかり応援する公的責任を果たしてほしいと思います。

保健所職員の増員については、残念ながら直接保健師に話を聞くことはできませんでした。他都市の保健師は「今コロナ対策で保健所に何が必要なのかと聞かれたら『応援部隊や兼務、委託、人材派遣ではなく正規保健師の増員と地域活動できる時間と心に余裕をもてること』と答える」といいます。尼崎市の保健師もおなじ思いではないかとおもいます。保健所職員が心がおれないよう、精神的身体的に安定した職場つくりを切に望みます。

 小学1年生の問題は深刻です。教室を走り回る子、幼児がえりで先生に甘える子、『学校も児童ホームもいや、保育所にも帰れない』と叫ぶ子。入学と同時に自分の居場所を失う子。

8月からは漢字が出てきましたが、ひらがなの書き順もめちゃくちゃです。字を読むのではなく文章を丸暗記する子。このままでは決していいはずがありません。早急な手当てを求めます。

これで私のすべての質問を終わります。