2020.3月 松澤ちづる議員の総括質疑の発言と答弁要旨

国民健康保険についておたずねします。

 新年度予算において、これまで一般会計から繰り入れを行っていた法定外繰入の内特別減免を除いて削減するとしています。金額にして約1.5億円の削減です。その理由は2つあって、①財政が厳しい、②いずれ県下で減免制度が統一され財源が保険料となるからとのことです。代表質問で一般会計からの繰入を削減することについて取り上げましたが、あまりにざっくりとした答弁だったので、総括質疑で再度お聞きしていきたいと思います。

国民健康保険加入者は約市民の5人に1人、新年度の保険料については6月の所得が確定して決まるので今年の保険料でみても、民間で働くサラリーマンが加入する協会けんぽと比較して、40歳未満・年収400万円の夫婦と子どもが2人の場合国保は約41万円、協会けんぽで20.2万円、年収240万円の単身高齢者で国保は24万円協会けんぽは14万円という状況です。所得は同じなのに保険料負担は大きな差があり、高すぎる国保料を引き下げて欲しい、払える国保料にして欲しいと願う市民の声が常にあるのは当然と言えます。

一方で、新年度県への納付金は約8700万円増になっており、保険料の引き上げをせざるを得ない状況があります。

そこで、市長に繰り入れを止めたことについての考え方についてお尋ねします。

国保加入者にとってただでさえ高すぎるのに、納付金の増に加え一般会計からの繰入が削減されたらダブルパンチです。市民の保険料引き下げの願いに冷水を浴びせる対応ではありませんか。

 

次に、いずれ県下で減免制度は統一されるので今から他自治体に合わせておくと言いますが、統一されるのは6年先か9年先か、はたまたもっと先か決まっていないものです。

 尼崎市は全国市長会を通じて、国庫負担率の引き上げを要望しています。また、全国知事会が、統一するにしても国保を安定的に運営していくには国費を更に1兆円投入し、せめて協会けんぽ並みの国保料にすることを強く求めていますが、国はそれに応えようとしていません。国がやらない間は、市独自で国保加入者の暮らしと健康を守る施策を進めるべきです。そこで、市長にお尋ねします。 

 高すぎる保険料の引き下げは尼崎市の政策課題の一つであり、いつ統一されるか決まっていないのに今から他自治体に合わせるのではなく、しっかりと国保加入者の実態を受け止めるべきではないですか。

 次に子どもの均等割減免についてお聞きします。

負担能力のない子どもにまで負担を負わせる均等割は、国保だけにある制度です。今、子育て支援施策として、全国で子どもの均等割減免が進んでいます。尼崎の均等割は現在一人当たり年3.6万円、18歳までの子どもの国保加入者は約8000人ですから5割減免であれば1.4億円で実現可能です。新年度予算で一般会計からの繰入を1.5億円削減しようとしていますが、削減せずに今までどおり繰り入れを行えば、穴埋め補てんに国保基金から約1.5億円取り崩しをしようとする分を、子どもの均等割5割減免の財源に活用できます。お伺いします。

子どもの均等割減免は子育て支援策になります。国保の基金36億円は、保険料全体の急激な上昇を抑えるとともに、子どもの均等割減免の財源に活用すべきではないでしょうか。

答弁要旨

県下の減免制度の統一を見据えた一般会計からの繰入れの見直しにつきましては、これにより被保険者の保険料が上昇することのないように、失業・廃業などの一般的な減免に係る費用相当額として、国民健康保険事業基金から約1.5億円を活用することとしております。加えて、令和2年度予算においては、県への納付金が増加している状況の中で、制度移行の過渡期における激変緩和として、国民健康保険事業基金から7.5億円を活用することにより、保険料の上昇抑制を図ることとしております。以上