2018.9月議会・真崎一子議員の一般質問の発言と答弁概要です

第一登壇

日本共産党市議団のまさき一子です。

今日は「保育の無償化」「子育て世帯の定住・転入」「中高生の居場所づくり」について質問を行います。

 

まず最初に<保育の無償化と保育所保育指針等>についてです。

 

政府は2019年10月、消費税を8%から10%に引き上げる際に、保育の無償化を提案しています。

保育の無償化は高額な保育費用、それに続く教育費に頭を抱える子育て家庭にとって非常に魅力的な政策です。しかし保育や幼児教育について、危惧する問題もあります。

その一つが教育への国家介入、二つ目に女性の働き方に関するものです。

まず一つ目の、教育への国家統制、国家介入への懸念です。

「人づくり改革」として今年度より幼稚園教育要領および保育所保育指針が改定されましたが、その内容は「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として、道徳性・規範意識の芽生えをはじめとして10項目が提示されています。保育者は子ども一人一人に対して、その姿に到達しているか否かを評価し、不十分であれば改善することを求められます。3歳からの幼児教育・保育の無償化は、小学校義務教育の就学前教育として位置づけられます。乳幼児期は固有の発達課題を有する時期であり、小学生に向けた準備期間ではありません。

日本体育大学教授の野井真吾氏は「子どもの脳の発達にはワクワク・ドキドキがとっても大切」だと語っています。ワクワク・ドキドキがどんなときか、男の子は圧倒的にいたずらだそうです。

たしかにいたずらの時の、あのワクワク感はだれでも覚えがあることです。いたずらして叱られて、失敗したと思うことも貴重な体験です。子どもにも大人にも失敗が許されない雰囲気が広がってきています。子どもには失敗しないようにあれもダメ、これもダメと押さえつけられようとしています。時には叱られ、ドキドキしながら成長する。その権利を子どもたちから奪ってはなりません。

 

「幼稚園教育要領・保育所保育指針」について、市長・教育長にお聞きします。幼児期はわがまま、自己主張、反抗期と甘え、失敗を経験しながら成長していきます。道徳心や規範意識は大切なことだとは思いますが、度が過ぎると保育・幼児教育の民主性、自由・自己の尊厳が奪われます。道徳教育・規範意識をこの幼児期に「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」としていることについてどのように取り組むとお考えですか?

答弁

幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、幼児期の特性を踏まえ、環境を通しておこなうものであることが基本とされています。従って本市の公立幼稚園においても、幼児が身近な環境に主体的に関わり、環境との関わり方や意味に気付くために、試行錯誤したり、考えたりすることができるための教育環境を整えるべく努めています。

また、実際の指導にあたっては「遊びを通した指導」、「幼児一人一人の特性に応じ、発達の課題に即した指導」などに努めているところです。ご指摘の「道徳性や規範意識の芽生え」については、教師が指導する際に考慮するものとして、今年度施行の幼稚園教育要領に盛り込まれた「幼児期の終わりまでに育ってぽしい姿」の一つとして位置づけられたものですが、これらの指導にあたっては、議員ご指摘の通り、幼児期の特性を踏まえた指導を行う必要のあるものと考えています。以上

 

(まさき)二つ目は女性の働き方についてです。

 

子育て家庭を含む大人たちの働き方にかかわるものです。

政府が掲げている「働き方改革」のなかで、女性活躍は一つの主要な政策課題であり、それとセットで保育整備も進められてきました。名城大学教授の箕輪明子氏は「2000年以降、低年齢児童を持つ母親の就業率は大幅に上昇している、その背景には1990年代以降の男性労働者の賃金抑制にある。労働者全体の賃金が下がる中で、高騰する教育費を捻出するためにも、既に女性の稼ぎは家計の補助的位置ではなく、不可欠なものとなっている。そしてそれは乳幼児期を抱える女性も例外ではなく、子育て期にある保護者たちの長時間労働が常態化している」といわれています。

南オーストラリア大学ワークアンドライフ研究所長のバーバラ・ポーコック博士は、オーストラリアにおける子育て家庭を対象にした調査をされています。バーバラ博士は「子どもたちは親が仕事をしているかどうかで孤独を感じるかどうかに差は見られず、子どもたちが望んでいるのは、親が『穏やかでいること』『整えられた部屋で生活すること』など当たり前のことです。そのためにも貧困などによるお金の心配がないこと、仕事による親の不在時間が長すぎないこと、そして仕事から親がイライラしないで帰ってくることが重要だ」と指摘されています。

ある保育士さんが言われていました。小学生に保育園時代の思い出は?と聞くと「お母さんが保育園に迎えに来てくれたこと」と答えるそうです。そんな当たり前の日常が子どもにとってはうれしいことなのです。さて、尼崎市も少子高齢化に伴って、子育て世帯の定住・転入をめざし、この町で安心して子育てができるよう子育て支援の充実、市職員のワークライフバランスをめざしています。

 

市長にお尋ねします。市職員だけではなく、公立小中高等学校の教職員、市業務の委託事業所職員等のワークライフバランスの一層の拡充と徹底に努力していただきたいと思います。女性の働き方と仕事と育児の両立についての、市長のめざす方向性をお示し下さい。

答弁

複雑化する学校教育の課題に対応しつつ、教職員が児童生徒と生き生きと向き合う時間を確保するためには、教職員自身のワークライフバランスの確保は必要不可欠であると考えております。これまでも校務支援システムの導入などにより、教職員の事務負担軽減を図るとともに、会議時間や会議そのものの見直し、学校行事の整理や外部人材の導入などにより、勤務時間の削減に取り組んでまいりました。また、こうした取組に加え、本年1月には、教育委員会として「教職員の働き方改革第一次プラン」を作成し、「ノー部活デー」の徹底などに取り組むほか、これらの取組にご理解を頂くため、保護者や地域への周知を行いました。引き続き、教員事務サポーターや部活動の外部指導員の導入、給食費の公会計化の検討にも取り組み、教職員のワークライフバランスの徹底を図り、児童生徒に向き合う時間をより一層確保することにより、尼崎市の教育のさらなる充実を図ってまいります。以上

 

(まさき)続いて「子育て世帯の定住・転入」についてです。

これは市長の2期目の公約でした。たしかにハード面では、尼崎北部では利便性を生かして公団住宅の集約や、大企業の撤退による土地利用、駅前開発による広大な土地の住宅整備等で子どもの数が増えています。しかし尼崎市内では南部と北部の格差が生じており、全体では子育て世帯の転出に歯止めがかかっていません。やはり、市長の公約実現はソフト面の充実が課題です。

「子育て世帯の定住・転入」をめざすためには、いろいろな施策はあります。中学校給食の実施はもちろんですが、子どもの医療費助成と待機児解消・保育の充実は欠かせないものです。

兵庫県の自治体で子どもへの医療費助成が広がっています。2018年度で中学生までの通院費の兵庫県87%で無料化が進み、尼崎市以外すべてのところで助成制度を充実しています。

子どもの医療費の無料化が進んだその背景には、子育て世帯の貧困と子育て応援の政策として保護者・市民の強い要望があるからです。毎年のように陳情と多くの署名が議会に提出されるのも、その表れです。

今年の3月議会では、医療費の無料化の要望に対して「現在、所得制限の可否や一部負担金の支払い回数や金額、さらにはどの年齢層で拡充するのかなど、本市の厳しい財政状況の中で、効果的で持続可能な政策とするために充分な検討が必要である」との当局答弁がありました。私は尼崎市もやっと「子どもの医療費の無料化」に重い腰を上げたなと感じた次第です。          

尼崎市は「H30年度施策評価」の中で「子どもにかかる医療費助成制度が、経済的弱者を対象とする「福祉施策」から、子ども全体を対象とする「子育て施策」へと移行してきている中、近隣都市との比較において、助成内容に差が生じている」と述べています。私はこの言葉で市は子どもの医療費は所得制限なしですべての子どもに対して無料化を考えているのだと思いました。

さて私は、3月議会で「子どもの医療の無料化」を市長に公約に掲げてほしいと要望しました。市長は「与えられた任期に全力を尽くしているところであり、現時点では、市長選挙の公約を詰めるような段階ではない。」との答弁でした。

 

市長にもう1度お聞きします。子どもの医療費の無料化は、子育て世帯にとっては切実な願いです。子どもがこの尼崎で生きていくために必要な政策です。

3までの通院費の無料化を公約に掲げ実現してください。11月が市長選挙です。この時点で公約はまだ考えていないとの答弁はないと思います。市長の見解をお示しください。

答弁

従来から申し上げておりますとおり、自治体の財政力や優先すべき都市課題の差異により、年々その助成内容に格差が生じていることは課題であると認識しております。こうしたことから、これまで、他都市調査や制度拡充案に係る事業費試算、また、制度格差のある他都市と本市との転出入状況における相関関係の調査等、検討を進めてまいりましたが、その結果として医療費助成の充実という特定の事業だけで、子育て世代の定住・転入促進効果が明確に表れるものではないことが分かってまいりました。しかしながら、医療費助成の充実は、子育て世代への支援につながるとともに、子育て支援に取り組む市の姿勢としての評価や、市のイメージアップにつながり、そのことが、ひいては子育て世代の定住・転入促進にも資することになると考えており、限られた財源の中ではありますが、効果的で持続可能な制度の在り方について、引き続き検討を重ねてまいります。

 

(まさき)続いて、待機児解消と保育士の処遇改善についてです。

子ども子育て新制度が4年目を迎え、国、自治体の政策が大きく影響する保育現場では人材不足が深刻です。低い賃金や配置基準の低さ、長時間過密労働など、保育士の働く環境の悪さも保育士不足に拍車をかけています。国が定めた基準の賃金額自体が低すぎること、公定価格が、配置基準通りの職員数でしか算定されていないことから、保育士の賃金は他の産業と比べて月額約9~10万円低い状態に置かれています。乳幼児期のいのちと成長をあずかる専門性の高い職業として、賃金水準の向上に向けた取り組みが急がれます。

昨年の12月に尼崎保育運動連絡会から「保育士の処遇改善と保育単価の引き上げ」の陳情が議会に提出。今年の6月には法人園長会から「保育士が集まらず、保育の定員縮小に追い込まれている」という市長要望が。そして8月は福祉保育労働組合尼崎支部から「保育士の処遇改善」の市長要望が出されました。待機児解消に大変頑張っている全法人保育園の切実な願いです。尼崎市は「H30年度施策評価」では、「民間の保育施設等の保育士不足が顕著となっており、さらなる保育士確保策の充実が求められていることから、法人の意見を聞く中で、より効果的な支援策を考えていく」主要取り組み項目に位置づけています。保育園からは「新卒保育士も集まらず、元園児や知り合いに頼んで紹介してもらって、やっと雇用しても、2・3年したら条件の良いところへ移ってしまう」「合同就職フェアで学生は尼崎のブースは素通りしていく。ハローワークに求人登録しても全く来ない」と大変苦労しています。

質問します。民間の保育園にとって保育士不足は待機児解消するどころか、存続さえ難しい状況になっています。市も保育士確保に協力してほしいと声が上がっています。

どのように応えますか?

答弁

保育士確保が厳しい状況は年々深刻になっており新たな保育事業の参入に影響を与えているほか、今後は定員を下回る児童の受入れといった事態も想定され、待機児童の解消や保育内容の質に大きな影響を与えかねません。このようなことから、当該課題に重点的に取り組むため、本年度は新卒保育士確保事業や官民による合同就職フエアの新規事業化、保育士宿舎借り上げ支援事業の拡充を行ったところです。今後も引き続き、より効果的な保育士確保に係る効果的な施策について、各法人とも協調する中で取り組んでまいります。以上

 

これで第1問目を終わります

 

2登壇

 

子どもの医療費の無料化は、公約の入れるか、市長に応えてほしかったのですが、私の質問が悪かったのでしょうか。この街で子育てしてよかったと思ってもらうこと、市民の要望が実現するのが、市長選挙です。私は子どもの医療費の無料化、待機児解消は市長の公約にしていただくことを大いに期待します。

 

第2問目の初めは、「保育の無償化」における、自治体の財政負担がどれくらいになるのか、という問題です。

保育の無償化の対象とされるのは、現在公的に徴取される保育料のみであり、それ以外の負担は対象から外されます。現在は保育の公定価格以外に、国の制度として延長保育、一時預かり保育は国庫と県支出金が3分の1づつ、残りの3分の1が市の支出です。また幼稚園・保育所の「実費徴収に係る補足給付事業費」として生活保護世帯の児童一人当たり、給食費、教材費・行事費等については上限を決め補助する制度があります。

質問します。公立・民間保育所・幼稚園等について、これまで通りの延長・一時預かり保育、また実費徴収に係る補足給付事業費等に関しては、国県からの補助金として交付されるのですか

答弁

今回国において示された幼児教育・保育の無償化は、幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までのすべての子どもたちの保育料を無償化するものですが、その詳細については国から未だ十分に示されておりません。また、お尋ねの延長保育や一時預かり保育、実費徴収にかかる補足給付につきましても、一時預かり保育についてのみ一部無償化の対象になることが示されているものの、これらにかかる現在の国や県の補助率の見直しも含め、現時点ではその詳細な情報は示されていない状況でございます。以上

(まさき)また、公立保育所運営事業費は、国の補助はありません。21か所ある公立保育所の必要経費は市の一般財源から支出されます。保育の無償化によって、保育料を徴収できない分すべての保育に係る費用を市が負担をすることになるでしょうか。これまで以上に保育に係る市の負担が増えるのではないかと思います。私は国は消費税増税分で、保育の無償化をやるのであれば、公立・民間に関わらず国の責任で無償化にしなければならないと思います。

 

質問します。保育の無償化によって、公立保育所・幼稚園への市の財政負担は、現在よりどれくらい増加すると試算されますか?また、地方交付税としての財源措置はあるのですか。あるとすればどれくらいですか?

答弁

公立保育所及び幼稚圏における保育の無償化については制度の詳綱が示されていないことから、本市の財政負握の増加額のぼか、これらの財源について、地方交付税において措置されるのか国庫支出金等による措置となるのかどうかも含め、現時点では不明となっております。なお、幼児教育・保育施策に係る財政負担につきましては、本年の8月16日に『幼稚園、保育所、認定こども園以外の無償化措置等に関する緊急提言」として、地方に新たな財政負担を生じることなく、必要な財源を確保することなどについて、中核市市長会を代表して本市の稲村市長から、文部科学省・厚生労働省・内閣府ほか関係機関に対しまして、要望書の提出を行ってきたところでございます。以上

(まさき)すでに2017年4月から保育の無償化を行っている大阪府守口市では、公立幼稚園・保育所が認定こども園に集約・統廃合されました。公立は認定こども園3園のみとなり、幼稚園・保育所がなくなりました。また、保育士の配置基準が国基準よりも、手厚くしてきたものが見直されました。1歳児3人に対して保育士1人だったものが、国基準の6:1に。3歳児は20:2だったものを国基準の20:1に変えられました。無償化に伴い守口市の人口が微増、0歳~5歳児の人口が増加し、待機児受け入れを保育の弾力化と小規模保育事業で乗りきろうとしましたが、待機児は増え、保育の質が低下している状況です。

 

質問します。尼崎市も保育の無償化になると、存続を決めている公立保育所9か所、幼稚園9園を将来的には市の財政負担が大きいからと、廃止がされるのではと大変危惧します。どのように考えておられますか?

答弁

公立保育所の適正規模については、平成19年9月に定めた「公立保育所の今後の基本的方向」において、公私の役割分担や市域の配置バランス等を基本に、当時9か所という考え方を示しておりますが、現時点でこの考えを見直す予定はございません。なお、今後の社会情勢や保育需要等の状況によりましては、将来的にこの「基本的方向」を見直す可能性も否定できませんが、保育料の無償化自体はそれに影響するものではないと考えております。

公立幼稚園につきましては、平成24年8月に策定いたしました「尼崎市立幼稚園教育振興プログラム」に基づき、プログラム策定当時の18園から段階的に9園に再編し、平成31年4月には再編が完了する予定であります。また、現在同プログラムに基づき、幼児教育の更なる充実に努めているところであり、現時点におきましては、公立幼稚園の更なる再編等について、新たな計画策定の予定はございません。今後につきましては、本市の就学前児童の人口推移と併せまして、幼児教育無償化の影響なども注視しながら、公立幼稚園のあり方につきまして、検討していくことになるものと考えております。以上

 

(まさき)次に保育料以外に主食や行事などの諸経費、いわゆる「隠れ保育料」が発生する問題です。

今年5月に国は「保護者から実費として徴収している通園送迎費、食材料費などの経費については、無償化の対象から除くことを原則とすべきである」と改めて公表しました。どんな費用があるかと言えば「主食費・教材費・宿泊合宿・制服・通園バス代等」があげられ、個別の希望に関わらず多様なオプションが発生する可能性もあります。

給食や行事ごとに実費徴収が発生する、いわゆる「隠れ保育料」については、所得に関わらず一律の負担を求められます、多子世帯や低所得世帯ほど負担が重くなります。

 

質問します。保育の無償化により、低所得世帯や多子世帯には、現保育料より負担が大きくなることも考えられます。いわゆる隠れ保育料の実態と対応はどのように考えておられますか。

答弁

実費徴収とは、園外保育にかかる交通費や卒園アルバム代等、保育料以外で必要に応じ保護者の皆様に求めている実費負担であり、その種類や金額は法人により異なります。今回の保育料無償化に当たっては法人の新たな負担を伴わないことから、そのこと自体は当該実費額に影響を与える性質のものではないと考えております。なお、これまでから実費徴収した金額の一部を補助する実費徴収に係る補足給付事業を実施しており、今後も同事業による補助は行っていくこととしております。以上

(まさき)保育の無償化に反対するものではありません。しかしやるべきは国は無償化する前に、高い保育料に苦しむ世帯階層の軽減策、保育士の賃金アップと処遇改善、認可保育所の増設、保育の質に十分な財源を投じる等、待機児解消の環境整備をやるべきです。

国の計画で行くと来年10月から、尼崎市も保育の無償化が実施されます。保育所や保護者、子どもたちが困らないよう準備がされているのか。国から細かいところまで、保育所に財政的支援があるのかどうかの確認ができているのか、大変危惧されます。

 

質問します。尼崎市は無償化について、現実に即した議論と環境整備が必要でないかと思います。保育に携わる市職員、保育・幼稚園園長会、子ども子育て審議会等、保護者も交えた。議論とシュミレーションが必要です、現段階でどのような議論がされていますか?

答弁

来年10月実施から予定されている幼児教育・保育の無償化に関しては、準備期間が短い中で未だ国から制度の詳細が示されていない部分も多く、現在関係課が連携し、情報の共有化や実施体制等の検討を進めているところです。また、中核市市長会の幹事市長の立場から、無償化にかかる財源負担のあり方や並行した待機児童等対策等一層の推進について他市と共に調査研究を進めており、8月には国に対して、具体的な内容の早期明示や利用者に分かりやすい制度設計、地方に対する財源確保等について緊急提言を行ったところです。更には、市長の諮問機関である子ども・子育て審議会におきましても無償化が与える影響等について御審議いただくなど、円滑な実施に向け、現在、庁内あげて全力で取り組んでいるところでございます。以上

 

(まさき)最後は「中高生の居場所づくり」についてです。

「H30年度施策評価」で、「青少年の居場所づくりについては市内10か所となった。2019年秋にオープンする(仮称)尼崎市ユース交流センターと連携し、若者の成長を手助けするユースワークの視点をより一層強め、取り組んでいく必要がある」と書かれています。共産党議員団は、明石市の駅前にある「中高生世代交流施設、ユーススペース」の視察に行きました。そこでは①駅前という人が集まりやすいところにある。➁若者へ理解がある専門的知識を持った職員がいる。③若者が学習・読書・音楽・ダンス等、用途に応じて活用できるスペースがある。家でもない学校でもない、気軽に立ち寄れる若者たちの快適な居場所です。職員さんは中高生、誰でもウエルカムで迎えていました。

尼崎市のひと咲プラザに開設される中高生の居場所が、青少年の健全な育成と学びの場になることを大変期待しています。しかし武庫・大庄地域から行くのには、自転車で40~50分かかります。市内に複数の中高生の居場所が必要です。

来年秋、ひと咲プラザに機能移転が決まっている青少年センターに通っている、子どもの保護者から「なくなる青少年センターの、跡地に建設される新しい複合施設に、子どもの居場所を設けてほしい」という声があります。

 

子ども青少年本部事務局に質問します。ひと咲プラザのユース交流センターを拠点として、地域の公共施設を活用して、中高生の活動の場として展開していくとの方針を立てておられます。

6行政区にある支所・地区会館・公民館等の活用を考えておられるのでしょうか?

答弁

来年秋に、ひと咲きプラザ内に開設予定のユース交流センターにつきましては、さまざまな青少年を対象とした事業を実施し、青少年施策の拠点施設に位置付けることにしております。また、平成29年3月に策定しました「尼崎市における子どもの育ち支援・青少年施策の今後の方向性」におきましても、青少年センター機能をひと咲きプラザに移転することにあわせて、青少年施策を全市展開することをうたっているところでございます。こうしたことから、地域におきましても、各地域の公共施設において、青少年施策の実施に努めることとしておりますが、単に居場所を設定しましても中高生が集わないことも想定されますので、実施内容や実施手法、実施場所については、今後、各地域の事情を考慮して、検討してまいりたいと考えております。以上

 

(まさき)青少年課のHPには、子どもの居場所紹介で、地域総合センターや民間施設での催しを掲載されています。これでは「すでに居場所は確保しているやん」というふうに思えてしまいます。しかし実際は、民間は月2回ほどの開催であったり、地域総合センターは以前から地域活動として、小学生を対象に独自で開催されています。市がめざすユースワークの視点ではありません。   

今年から「地域振興体制の再構築」を政策に掲げられ、武庫地区においては体制をモデル化し、地域に密着した施策を行うと、地域振興センターと公民館の連携体制を強化されました。その方針上に「中高生の居場所」があります。武庫地域にはいち早く、新しい武庫支所・地区会館(以後複合施設と言います)が出来ました。ロビーには、毎日のよう高校生が勉強したり、語り合ったりしています。とても微笑ましい風景です。学習室にも多くの中高校生や大人が静かに学習していますが、声を出すことが出来ません。立派な音楽室もありますが、料金が高くで中高生が気軽に使うことができません。複合施設の所管は、市民協働局であり、ユースワークの視点で地域公共施設を中高生の居場所として活用するのは子ども青少年本部事務局です。そして学習室や音楽室を管理しているのは指定管理者です。どのように方向性を一致させるのか?局を超えた地域振興体制の中での取り組みが期待されます。

 

市民協働局に質問します。地域振興体制の再構築の中で、ユースワークの視点を取り入れた中高生の居場所づくりをどのように支援していこうと考えておられるのでしょうか?

答弁

先ほども副市長からご答弁いたしましたとおり、本市では、青少年施策の全市展開を方針に掲げており、中高生の居場所づくりにつきましては、市民協働局においても取り組むべき地域課題であると認識しております。しかしながら、一概に中高生の居場所づくりと申しましても、その目的や対象によって、実施手法や形態が異なりますことから、地域振興体制の再構築の取組を進める中で、地域の方々とともに地域の中高生が抱える課題や実態を十分に把握したうえで、その実施手法、形態や支援策について、関係部局と協議してまいります。以上

 

(まさき)武庫支所では市民課窓口がなくなり、保健福祉の相談窓口もなくなり、乳幼児健診もなくなり市民の出入りが少なくなりました。でも青少年が複合施設に行き来する姿を見たら、活気があり市民として励まされます。地域活性化のためにも公共施設を最大限に活用するべきです。

 

市民協働局に質問します。まずは、新しく出来る大庄、武庫地区の複合施設を、ロビーの活用も含めた交流スペースを設け、音楽室ももっと利用できるよう、空いている時間帯は無料で開放するなど、ユースワークの視点を取り入れた中高生の居場所にしてほしいと思います。いかがですか?

答弁

議員ご指摘のように、武庫地区の新施設においては、現在でも、ロビーが中高生の居場所の一つとなっているほか、個人学習ができる学習室を備えております。音楽室につきましては、特定の用途に使用される部屋であり、一部屋しかないことから、開放することは困難でございますが、必要に応じて学習室以外の部屋の開放も行っております。いずれにしましても、先ほどもこ答弁申しましたとおり、中高生の居場所には、さまざまな実施手法や形態がございますことから、地域の課題や実態を十分に把握し考慮する中で、実施手法等について、関係部局と協議してまいります。以上

 

(まさき)尼崎市青少年課の主催でユース交流センターを開設するにあたって、ユースワークについての講演会がありました。講師をされた、京都市ユースサービス協会事業部長の水野あつおさんの言葉を紹介します。

「ヤンチャな子がセンターにやってきてトラブルをおこします。注意すると『うるさい、死ね、放っとけ』と言います。でも決して排除はせず、粘り強く係わり、だんだん会話が成立するようになります。つながると、周囲からいらん事ばかりする、本当に迷惑な奴らだな、ヤンキーって怖いなと、言われてしまう彼らの背後にあるしんどさややさしさが見えてきます。厳しい環境でしたが逃げなくてよかった」と報告されました。だから「誰でもウエルカム」のユースワークには、子どもの事を理解しようとする大人の存在が必要です。

 

質問します。各地域の中高生の居場所に、子どもたちの様々な悩みに寄り添える、人の配置をしてほしい。と思いますが、こども青少年本部事務局はどのようにしようとされていますか?

答弁

青少年が社会性を身につけ、自己肯定感を育むためには、様々な人と接し、様々な経験を積むことが有効であることから、青少年自身が社会との関わりを知り、社会の中での役割を果たすことができるように寄り添いながら青少年を導いていくことが必要と考えております。従いまして、今後検討を行ってまいります各地域の公共施設を利用した中高生の居場所におきましても、あらゆる青少年を受容し、より添った支援を行うことができるよう、行政だけでなく、地域の方々も含めた人材の養成及び配置の方法などについて検討してまいります。以上

 

これで第2登壇を終わります

 

3登壇

 

保育の無償化については、国からの詳細が決まっていないとのことです。でもこの決算議会が終わったら、来年度の予算を決めていかなければなりません。今の時点で何もわからないというのは、国はあまりにも無責任です。尼崎市で子育てをして思うのは、保育園で子どもとともに親育てもしてもらい、子どもが小学校に入ったら児童ホームで多くの仲間と知り合い、一緒に育ちました。でも中学生以上になったら、学校でもない、家でもない心地の良い場所がありませんでした。子どもにとって保育園、児童ホーム、そして中高生が過ごす居場所というのは、故郷のような存在です。これこそシビック・プライドです。そんな場所が自分らの暮らす身近な場所にあったら、子育ての環境として素晴らしいことと思います。これで私のすべての質問を終わります。