2018.9月議会・広瀬若菜議員の一般質問の発言と答弁概要です

【第1登壇】

日本共産党議員団の広瀬若菜です。本日最後の質問となります。どうぞ最後までおつき合いというふうに思っております。

 きょうは、1点目、PFI事業について、中学校給食と、そして尼崎の水道事業、水道ビジョンについての考え方、さらには公共施設のあり方についてお伺いしていきたいというふうに思っております。

 今年の1月に市から「尼崎市PPP/PFI手法導入優先的検討方針」が示されました。

その中で目的について「新たな事業機会の創出や民間投資の喚起を図り、効率的かつ効果的に社会資本を整備するとともに、市民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保し、地域経済の健全な発展に寄与すること」と述べられています。 

内閣府の特別機関である民間資金等活用事業推進会議が2013年6月に決定した「PPP/PFIの抜本的改革に向けたアクションプラン」の中では「事業件数418件のうち約4分の3は、PFI事業者が整備した施設等の費用と事業期間中の管理費等を、公共施設等の管理者、要するに市が税財源から延払いで支払う方式であり、この方式によらず税財源以外の収入(利用料等)により費用を回収する事業はわずか21件にすぎない。民間の資本、経営能力及び技術的能力を活用して、効率的かつ効果的に社会資本を整備するとともに、国民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保するというPFI法本来の目的が必ずしも十分に達成されているとは言い難い状況にある」と指摘されています。ここにPFI事業の根幹的な矛盾があります。 

中学校給食の実施にPFIの導入がいま検討されています。PFIを導入する理由に、財政的な負担が少ないことが挙げられています。

 

Q1お尋ねします。PFIを導入すれば従来の分離分割発注方式より安くなるとする根拠を示してください。

政府の推進会議がまとめたPPPPFIの抜本的改革に向けたアクションプランでは、本来の目的が十分に達成されているとは言い難いと結論付けながら、2022年までの10年間に12兆円規模に及ぶ事業を重点的に推進するとし、空港、上下水道、道路等の分野で導入を進めています。

この重点的な推進の中で、尼崎市に関わるのが水道です。水道事業の方針を決めている水道ビジョンは次期計画の策定が始まります。庁内には次期水道・工業用水道ビジョン策定を審議する公営企業審議会が設置される予定です。

答弁

給食センターPFI事業につきましては、実施方針を公表済みのもので、平成29年12月時点で66件の事例があり、全国的に増えてきております。近年、他都市で実施された給食センターPFI事業では、VFMと呼ばれる、支払いに対して最も価値の高いサービスを供給するという考え方で、従来方式と比較して、総事業費をどれだけ削減できるかを示す割合が、10%以上の効果が出ている事例もあることなどから、PFIなどの官民連携手法の導入を基本に進めることとしたものでございます。以上

Q2お尋ねします。市の水道事業における課題はなんですか。

答弁

水道事業では、給水人口の減少、節水機器の普及などにより水需要が減少傾向にあり、これに伴い給水収益も、減少していくことが見込まれます。

また、本市の水道施設の更新需要の増大、耐震化などの危機管理対策を推進するための財源確保を図らなければならず、同時に、阪神水道企業団からの受水を含めた施設能力は、水需要に対して過大な状況にあることから、将来に向け、厳しい事業運営に直面していくことが予測されます。こうした中、水需要や給水収益の減少に見合う施設能力への見直しや老朽化に対応した施設更新と、耐震化などの危機管理対策を着実に推進するために、長期的な視野に基づく財政計画を策定し、財源の確保にも留意した、安定的な事業運営が出来る体制を図っていかなければならないと考えております。以上

 

(広瀬)今回の災害を通じて公共施設のあり方が問われていると考えています。

台風による停電が長引くなか、市民は公共施設が身近な市の施設だと思っているので、なんか情報が入るかもしれへんと行ったら、担当を置いているのか、誰が担当なのか、施設にいる職員に聞いてもなにもわからなかったという話を聞きました。

 

Q3お尋ねします。災害時、公共施設が果たす役割について、市はどのように考えていますか。

答弁

公共施設には、防潮堤や水門などの海岸保全施設や道路、水道等のインフラ設備、公園、公民館等の施設・建物が含まれておりますが、これらは市民生活を支える重要な施設でございます。災害時において、これらの公共施設が果たす役割は幅広く、特に、市民に身近な施設である学校や公民館等は避難所として活用するなど、被災した住民を支援する役割を果たすとともに、職員にとっては、被災者支援や復旧複興などの活動拠点となるものと考えております。以上

 

以上で第1登壇を終わります。第2登壇からは一問一答方式で行います。

 

2登壇

 

台風21号は市民の生活に大きな影響を及ぼしました。

市民の方からは停電がいつ復旧するかわからない、2日待てと言われたら待つから、見通しを知りたいという声を多く聞きました。

わたしは東園田に住んでるんですけど、藻川と猪名川に囲まれていて、島之内と言うところです。園田地区会館も避難場所に追加してほしいと市民の方から電話があったので、危機管理に相談しましたが、追加されませんでした。

 

Q4-1 お尋ねします。わたしは園田地区会館が指定管理者制度で運営しているから、緊急時柔軟な対応が出来なかったのではないかと考えているんですけど、いかがでしょうか。

また、質問通告していませんが、小西議員の質問で「小学校に避難しに行ったけど、開設してもらえなかった」事例も合わせて答弁頂けますか。

答弁

先ほどの小西議員のお尋ねの事例がいつのものなのかはわかりませんけれども、今回はもともと台風第21号が非常に大型ということで、4日の朝、警報が出てから市内の小学校を対象に避難所開設しておりまして、避難したいというお声をいただきましたらその小学校をあけるということで、結果的には非常に大きな災害でしたので、たくさんの方が避難されました。 そこから台風が過ぎ去りますと、台風そのものの脅威は減りましたので1回避難所を閉めたんですが、おっしゃるとおり、途中から停電がございましたので、雨ではなくて暑さ、それからトイレの使用、また携帯電話などの電子機器のバッテリー充電という、またちょっと雨とは違うニーズの避難所が必要になりました。そういったことで、4日に限って申しますと、台風の避難所は開設して1回閉めましたが、夜に、具体的には小田公民館ですが、それを避暑といいますか暑さ、停電対策の避難所として開設しました。そういったことがございます。

 

 (広瀬)停電は東園田も長く続きました。東園田8丁目、9丁目から地域振興センター園田支所まで直線距離でも3キロあるんです。給水車を配置した基準は1キロの範囲内と前日に答弁されていました。実態に合った避難所の設置をしてほしいと思います。

災害時は市民にとって、公共施設にいったらなんとかなるという非常に身近な場所です。今回の災害の検証と改善を市もしていきますが、この視点もぜひ取り入れて頂きたいと思います。

 

中学校給食のPFI事業について続けます。

 

第1登壇のPFI事業が安くなるという理由に、民間のノウハウを発揮されることでVFMの効果がでて総事業費が削減できると答弁されました。PFI法では、民間に任せた場合、競争原理が働いて、VFMの効果があると言われています。多くの自治体で給食をセンター方式のPFI事業で実施していますが入札に参加した企業体が1社の自治体もありました。

 

Q5お尋ねします。1社の応募に競争原理は働いていないと考えるが、いかがでしょうか。

答弁

市で把握しております状況といたしましては、近年、他都市で実施された給食センターPFI事業の事業者募集では、複数の企業グループによる応募があった、と認識しております。本市において、PFIにより給食センターを整備することとなった場合は、多くの企業グループの参加があるよう、実施方針や要求水準書を定めてまいりたいと考えております。以上

 

 (広瀬)複数業者が入札している自治体もあるとのご答弁でした。

尼崎市では市営住宅建て替えをPFIで実施しており、3期まで入札が完了しています。ただ1期、2期は1社しか応募がなくて委員会でも問題になったと聞いています。わたしは、地元業者のキャパを超えた事業になっているんじゃないかと思っています。昔は公共施設の建設があったら、畳屋さんからふすまやさんに仕事が降りてきたそうですが、いまは全然仕事がないと聞きました。市のPPP/PFI手法導入優先的検討方針では、地域経済の健全な発展に寄与すると書かれてありますが、この点でも疑問です。

 

質問を続けます。

 

市の中学校給食の概算経費試算の内訳にある調理・洗浄・配膳業務費は給食センター方式の場合年間2億8千万です。担当者に「この金額は必要と考えられる経費を積み上げた数字ですか」と聞くと、「いえ、複数の事業者の見積もりにより決めました。」という答えでした。 ここにPFI事業の大きな問題があると考えます。

Q6お尋ねします。安心安全な給食を実現するために必要な経費が計上されているか、市はどう確認するのでしょうか。

答弁

事業者選定にあたりましては、本市において必要な経費を試算し、予定価格として公表するとともに、落札者決定基準を定め、価格も含めた応募事業者からの提案書について審査確認する中で、評価し、事業者を選定してまいります。以上

(広瀬)質問に答えてません。

安心安全な給食に必要な経費が計上されているか確認できるか聞いています。

PFIは、民間の自由な裁量ができることで効果が発揮されると言いますが、安心安全な給食を実施するには、細かい基準を求めていく必要があって、そうなるとPFIの優位性であると言われている自由な裁量によるノウハウ発揮を制限してしまって、安心安全な給食という点で中学校給食にPFIを導入することに疑問を持っています。

続けます。市の中学校給食の概算経費試算の内訳では、給食センター方式の修繕費として年間5,000万円計上されています。大規模修繕にかかる費用は市が別途負担します。修繕は時間が経ってみないと、どこがどれだけ痛んで、どれだけお金が必要かわかりません。必要に応じた支出ではないので、結果実際に使った修繕費より先に払っている金額の方が高くなる可能性も考えられます。

Q7お尋ねします。PFI事業は必ずしも安くないと考えますが、いかかでしょうか。

答弁

先ほどもこ答弁申し上げましたとおり、他都市の給食センター-PFI事業において、10%以上のVFMの効果が出ている事例もあることから、一定の財政効果があるものと考えております。なお、ご指摘の修繕費につきましては、基本計画策定時の経費試算において、事業期間を15年間と仮定し、その間に必要と考えられる費用を割り戻して算出したものでございます。以上

 

(広瀬) 全体としては安くなるかもしれません。いま言っているのは、市が必要な経費をチェックできるかということです。いま言ったようにもうひとつの問題点がチェック機能です。

ある自治体の総務部長は「PFIだと個々の費用がわからずブラックボックスのようになっており、安いのかわからん。お互いの会社同士が儲かるように費用が上乗せされていてもわからん」と市がひとつひとつをチェックできない仕組みに疑問と不信を持ってらっしゃると聞きました。

Q8 お尋ねします。企業は利益を上げることが求められますが、給食は儲かる事業でしょうか。企業はどこで利益を確保するのでしょうか。

答弁

事業者は市の求める水準を満たしつつ、事業者の持つノウハウを活用し、効率的かつ効果的に整備・運営等を行うことにより、利益を確保するものと考えております。以上

 

(広瀬)ノウハウ活用で利益をだすと言われましたが、つぎに続けます。 

 

近江八幡市は公立病院の建設にかかる事業と医療行為以外の病院運営をPFI事業のひとつBOT方式で実施しました。BOT方式は施設の所有権を運営業務期間満了まで事業者が持つものです。当時の議会では市長がPFI事業について「財政健全化と行政サービスの維持向上を両立させる方法として最善」と説明してきました。ところが、わずか2年後、市は支払い不能となりPFI事業は契約期間満了を待たず解除されました。

この中で明らかになったのは、高い金利の中に事業者が儲かる仕組みが隠れていたことです。近江八幡市の事業契約書に記された利息は利率5.37%、うち基準利息が1.82%、スプレッドと呼ばれる上乗せ金利が3.55%、建て替えから運営まで合わせた総額148億円に対して利息98.5億円、うち上乗せ利息分65億円がまるごと企業の儲けになりました。

 

Q9お尋ねします。儲ける箇所のない事業の儲けを確保するのに、税金がつかわれるPFI事業は市のPPPPFI手法導入優先的検討方針に書かれた、効率的・効果的に社会資本を整備し、市民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保するという目的を達成できると中学校給食でもお考えですか。

答弁

PFI事業は、民間企業の資金や技術、ノウハウを活用し、設計・建設・維持管理・運営を一体的に扱うことや、事業全体のリスク管理を効率的に行うことにより、事業コストを削減できるというメリットがあります。ただし、給食事業の全てを民間事業者に任せるのではなく、献立作成や食材の選定及び調達、食物アレルギ一対応など行政が強く関与する必要がある事項は、市が責任を持って実施してまいりますことから、PFI法の「低廉かつ良好なサービスの提供を確保する」という目的を達成できる事業手法であるものと考えております。以上

 

(広瀬)これは教育委員会にも資料をお渡ししているんですけど、他市でPFI事業で給食センターを建てる経費を見ると、確かに全体ではPFIは安いんです。でも、従来方式より金額が増えているのが利息とSPC手数料という項目。民間がお金借りるほうが金利高いし、近江市で問題になった上乗せ利息分がやっぱりある。これが税金の使い方としていいの?という思いがあります。

あと、近江八幡市の病院PFIでは、業務の改善をしようと思っても、市が直接言えないんです。

SPCという会社をPFIのときはつくるんですけど、そこを通さないといけない。SPCに伝えたとしても改善されるかはわからない、ということで非常に問題になりました。安心安全な給食を実施する上で食材の調達や献立、アレルギー対応だけでなく、調理も重要です。PFIでやったとき、そこがどう守れるのかと思っています。

 

 中学校給食最後の質問です。

 

 市の検討方針では、民間のノウハウ活用により財政的な負担が抑えられるのがPFI事業だと述べられています。一方で、PFI事業は契約時に総額が決まり定められた支払いが保障されるので民間の能力を引き出す仕組みになっていないと近江八幡市の公立病院のPFI事業の振り返りでは述べられています。

 

Q10お尋ねします。給食センターのPFI事業において、民間のノウハウ活用による財政的な負担軽減はどの時点で発揮されるのでしょうか。

答弁

 先ほどこ答弁申し上げましたとおり、PFI事業は、民間企業の資金や技術、ノウハウを活用し、設計・建設・維持管理・運営を一体的に扱うことや、事業全体のリスク管理を効率的に行うことにより、事業コストの削減を図るものであることから、PFI事業を実施する時点から、財政的な負担軽減が図られるものでございます。

また、設計・建設・維持管理運営費をサービス購入費として、事業期間を通して割賦払いで支払うことにより、財政負担を平準化できるメリットがございます。以上

 

 (広瀬)ぜったいにつぶれない、ほぼつぶれる心配のない自治体は、企業から見て仕事相手として非常に魅力的だと思います。確かに、いまの時点では安いかもしれません。でも、変化の激しい時代です。中学校給食を運営も含めて契約期間はどれくらいですか?と担当者に聞くと、「検討中ではっきりしたことは決まっていないが、他市の例や大規模修繕が必要になる時期を考えると15年程度だろう」との答えでした。いまは安いかもしれませんが、15年後になってみないと、本当にPFIが一番安かったかは誰にもわかりません。中学校給食だけを見たとき、何よりも安心安全な給食を実施するという点で、PFIはそぐわないと考えます。

 

 水道事業の質問を続けます。

 

今年6月13日にPFI法は改定されて、公共施設等運営権設定による運営方式であるいわゆるコンセッション方式による水道の民間による運営を前提として、ほかにも要件はあるものの「水道事業等に係る旧資金運用部資金等の繰上償還に係る補償金の免除」として、水道を民間に運営させて、繰上償還したら借金の返済は元金だけでいいよという内容が新しく盛り込まれました。日本では、コンセッション、広域化が多くの自治体で議論されています。

一方で世界では、水道事業に運営権設定によるコンセッション方式や民営化が1990年代に導入されましたが、いま民営化から公営事業に戻す動きが強まっています。

わたしはいままで世界の水道事業でコンセッション方式が成功した事例を聞いたことはありません。大きな原因は水道サービスの本質と企業の責務がまったく違うことです。水道事業は、安全な水をなるべく安い料金でサービスを提供するよう、基本的に儲けないようにしてきた事業です。だからこそ公的機関が運営してきました。一方で企業の責務は儲けること、利益を出すことです。利益を出すために考えられるのは①水道料金を上げる、あるいは利用水量を増やす②職員を減らす、給料を下げる、正社員を非正規に変える③水道設備の管理水準を下げ管理費用を削減する④税金で補てんすることです。

 

Q12お尋ねします。コンセッション方式は水道事業の本質を変えることにつながると考えます。

見解をお聞かせください。

答弁

コンセッション方式とは、一般的に、国や自治体が当該事業に係る施設などの所有権を持ち続けたまま、事業の運営権を民間事業者に与え、「経営」を任せるものです。

多くの公共施設等が老朽化による更新時期を迎える中、従来からの事業運営方式に加えて、公的負担の抑制などが図れる新たな選択肢として、平成23年のPFI法の改正により、取り入れられたものです。現在、国においては、市町村が水道事業を経営するという原則は変えずに、国の許可を受けて公共施設等の運営権を民間事業者に設定できる水道法の改正の動きもありますことから、制度の内容や導入に係る課題も含めて、十分に研究してまいりたいと考えております。

 

 (広瀬)所有権は市が持って、運営権を企業が持つとのことですが、失敗したら責任は自治体が負うんです。リスクは全部自治体です。

総務省だったと思うんですが、「最終責任は自治体だ」とはっきり言われています。

水道事業でもうひとつ言われているのが広域化です。兵庫県の「水のあり方検討会」でも広域化が議論されています。奈良市では、水道の広域化でスケールメリットが活かせると説明されています。でも、実際なにをするかと言えば、自主水源といって、自治体は水を採るところを持っているんですが、まずこれをなくす。で、水を採るために山を越えたところまで新しく施設を整備するんです。山に水を上げるために、ポンプを新しく付けたりするんですけど、これにたくさんお金がかかります。施設整備・更新にお金がかかるからスケールメリットを活かす広域化と言われていますけど、これがスケールメリットなら、わたしは必要ないと思います。

 

 最後の質問です。

2017年決算の審査意見書では水道事業について「市民生活にとって最も重要なライフラインであることに鑑み、経済合理性以上に重視すべき災害時の危機管理対応力」の視点にも十分意を用いることと述べられています。

 ここで述べられている災害時の危機管理対応力とは、現在水道管は市内全域がつながっているので、1ヵ所が破れたら広範囲に被害が及ぶ仕組みになっているのを、水道管のつながる範囲をもっと小さな区域にわけて、災害で水道管に被害が及んでも、できるだけ小さく被害を納めるようにするものです。

外国のコンセッション方式では、こういった危機管理も含めた施設整備が計画通り進まない場合が多く、その際に行政が口を出すことができませんでした。市の監査報告で述べられている災害時の危機管理対応力の実行も不透明です。また、企業秘密だとして投資計画や財政報告が公開されないので、行政が収支をチェックできなかったことが大きな問題でした。

 

Q13お尋ねします。コンセッション方式では尼崎の水道は守れないと考えますが、いかがでしょうか。

答弁

コンセッション方式の導入に当たっては、整理すべき課題などがあり、議員御指摘の危機管理対策もその一つであります。 先ほど答弁でも申し上げましたように、コンセッション方式は、将来に向け安定的、持続的な水道事業の運営を図っていく上で、その手法の一つとして今後研究してまいりたいと考えております。

 

 (広瀬)第1登壇の答弁で、水道事業の課題として、水需要が減っている中で施設更新にお金がかかる、財源の問題を仰っていました。確かにそうなんです。でも、なんでそうなったのか、どこに問題があるのか。

有川公営企業管理者が仰っていた水道法の改定ですが、この水道法の中では、水道事業の国と自治体の役割について、自治体は地域の実情に合わせて施設整備をして、国は財政的技術的な支援をすると書かれてあります。兵庫県が実施した水のあり方懇話会の資料に「国の施設整備予算」がありますが、18年前と比べて6分の1、3000億円が500億から600億円まで減ってるんです。わたしは、ここが一番問題やと思います。施設整備費を減らしておいて、コンセッションには7兆円出してるんです。お金なかったら、施設更新できるし、コンセッションやろうと思いますよ。

地方自治法には、住民福祉の増進が自治体の責務であると書かれています。市だけではできないこともあるし、県、国と協同して市民サービスを低下させないことが重要です。市で努力されていると思いますし、議会も、いやわたしは市と一緒に頑張っていきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします。