2018.9月議会・小村潤議員の一般質問の発言と答弁概要です

日本共産党議員団のこむら潤です。

はじめに、今年の夏は大阪北部地震、西日本豪雨災害、猛暑による熱中症、台風20号、21号と、大きな災害が相次いで起こりました。さらに北海道でも大きな地震が発生しました。

会派を代表し、犠牲となられた皆様にお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様に、お見舞いを申し上げます。

 

それでは、台風21号の影響による被害状況と本市の災害対策について質問します。

この度、9月4日に近畿一円を直撃した非常に強い勢力の台風21号の影響により、市内全域で大きな被害が出ました。特に、停電による被害が広範囲、長期にわたり発生しました。

関西電力の発表では、最大で16万世帯が停電、復電が長引いた地域では、3日以上、電気のない生活を強いられることとなりました。

 

Q1 おたずねします。今回の台風で、このように停電の状態が長く続いた原因は何でしょうか。

Q2 この度の台風被害全般に関して、本市の水防本部の対応が適切であったかどうか、市長の見解をお聞かせください。

 答弁

関西電力によりますと、①強風による飛来物や構造物等の倒壊により、電力設備に多くの支障をきたし、広範囲に渡っての復旧作業となったこと。②高圧線による大部分の送電が完了した後も、電柱の引き込み線の断線等による一軒一軒の停電について、把握が出来なかったことが、停電長期化の原因と伺っております。以上

(こむら)市民からは、我が会派にも市内の被害状況やライフライン復旧の見通しについて、どうなっているのか、という声があちこちから寄せられました。

停電については、関西電力は8日の午後9時15分時点で、全面復旧したとホームページで公表したとのことですが、本市では市内全域から「停電したままだ」という連絡が相次ぐなど、関西電力が実態を把握できていない状況が明らかになりました。

Q3 おたずねします。停電発生期間中、関西電力や本市の水防本部から、復旧のめどや今後の見通しなどをどのような方法で市民に周知しましたか。

答弁

関西電力のHPに公表されておりました停電軒数は、高圧線によって送電されている地域のみであり、市内全域の停電軒数を正確に表すものではございませんでした。

このことを受け、本市では関西電力による市内未復旧地区一覧のリストと軒数を市HPに掲載いたしました。また、リスト以外でも停電箇所があれば情報提供いただくよう、市民の皆様へ尼崎市防災ネット、SNS、広報車等で情報発信いたしました。そうして寄せられた個別の停電情報を関西電力へ伝達し、現場に向かっていただくといった停電解消に向けた取組を連携して行ってまいりました。

 

Q4 関西電力と本市の間で、情報伝達の連携はどのようにとっていましたか?

 

答弁

今回の大規模な停電被害を受け、本市では、いち早く関西電力に連絡員の派遣を要請し、県内で最も早い9月5日(水曜日)の朝から一昨日まで、本庁8階の危機管理安全局に24時間体制で常駐いただきました。

市民の皆様から本市へ寄せられた停電箇所を、即時関西電力の連絡員へ伝達し、その連絡を受けた関電の現場部隊が復旧対応に当たる、といった体制を構築し、停電地域を情報共有しながら、停電解消に向けた取組を行ってきたところでございます。以上

 

(こむら)避難所や臨時給水ポイントの設置、学校の休校連絡など、市民への情報発信は、電子メールと公式ホームページによる発信が主な手段であったと認識しています。

平常時には、ひろく、すばやく情報を拡散できますが、今回のように停電が長期間に及んだ場合、インターネットも役に立たなくなります。せっかくの情報も届きません。

また、一人暮らしの高齢者には、インターネットが使えない人も多くいます。固定電話ですら停電によって電話機が使用できなくなり、連絡手段として利用できませんでした。

 

Q5 災害時の情報伝達は、防災対策において、もっとも基本的な重要事項だと思いますが、この度の情報の発信方法について適切であったか、市長の見解をお聞かせください。

 

答弁

本市では、様々な媒体で多層的に災害情報の発信を行うこととしており、今回の台風におきましても、市HPや尼崎市防災ネット、SNS等による情報発信に加え、防災行政無線戸別受信機や広報車、FMあまがさきでも情報発信を行う等、出来る限りの発信を行ってきたところです。しかしながら、停電により携帯電話の充電が切れ、使用が出来なかった方や、携帯電話をお持ちでないご高齢の方等、今回の本市からの情報の取得が困難であったとのご意見を多く頂戴しております。議員ご指摘の停電が長期間にわたる場合等、ライフラインが被害を受けた際にどのような情報発信方法が効果的であるのかを検証して参りたいと考えております。

 

 (こむら)つぎに、武庫川河川敷の浸水被害についてです。

阪神武庫川駅付近の武庫川河川敷は、大雨で浸水被害が起きやすいところです。

河川のカーブの影響で、毎回同じ地点で川の水が河川敷に上がり、遊歩道部分が浸食されています。7月に起きた集中豪雨、8月・9月の台風と、度重なる水害で、遊歩道の土砂が流されて道が深く掘り下がっており、路面は水の流れで波打ったり溝ができたりし、上流から来た流木や葦などのゴミが河川敷に打ち上げられたり、樹木や公園遊具にひっかかったりしています。武庫川の河川敷は、上流から下流にかけて、遊歩道が続いており、ウォーキング、ジョギング、マラソンなど市民の健康づくり、憩いの場として活用されています。流域に近い学校のマラソン大会、市民のロードレース会場としても使われています。芝生広場やグラウンドは、体操やグラウンドゴルフ、野球、サッカーなどのスポーツに利用されています。

今年は台風で中止になりましたが、浸水被害が起きる地点では、武庫川盆踊りも毎年盛大に開催されるところです。本市では、この河川敷の浸水被害により、遊歩道が頻繁に土砂をえぐられるので、砂にセメントを混ぜたもので道を補強改善することを国土交通省の了承を得て進めようとした経緯があります。しかしながら、国への補助金申請の際、財務省から「補修はあくまでも原状復旧であり、セメントを混ぜる手法は補強とみなし補助金は出せない」と指導があり、補強改善はなされませんでした。わが会派では、過去にも河川敷の環境改善を要望しており、2015年9月の建設企業常任委員会で、辻おさむ前議員は「河川敷の被害の原因は、阪神電車高架の上流にある段差が原因ではないか」「旧国道より南の、西宮側の川底に堆積している砂を浚渫(しゅんせつ)するよう、県に求めるべき」と発言しています。

 

Q6 その後、河川敷の段差、西宮側の砂の堆積について、県に対して改善を要請しましたか?

 

答弁

武庫川における護岸の段差解消や河床の掘削などの治水対策につきましては、現在兵庫県が武庫川総合治水計画に基づく河川対策事業として、通常時に水を流す低水路の拡幅工事に着手しており、そのなかで河床の掘削などによる流下断面の拡大や護岸の段差解消を進めているところでございます。進捗としましては、現在西宮市側の南武橋下流側から国道43号線にかけての区間が完了しており、ご質問の阪神電鉄から旧国道の区間については、今後順次着手する予定となっております。なお、武庫川の治水対策の推進につきましては、今後も引き続き、兵庫県に要望を行ってまいります。以上

 

Q7 河川敷をいくら原状復旧させても、災害のたびに土砂が流されるのは実証されており、同じことの繰り返しは国の補助金の無駄遣いになるのではないでしょうか。

市が独自で予算を組むなどしてでも、原状復旧ではなく、補強改善するべきではありませんか?

 

答弁

7月に起きた集中豪雨、8月・9月の台風と、度重なる水害で、洗掘された武庫川河川敷の園路については、現在、国からの補助を受けるため、災害報告を行い、災害査定の事務を進めております。査定事務を進めるなか、現段階で国からは原則、原状復旧と言われておりますが、再度災害防止のため、国庫補助による補強改善できるかについて、国と協議しているところでございます。以上

 

 (こむら)次に、子どもの虐待問題について、質問します。

8月31日の新聞によれば、全国の児童相談所が2017年度に対応した児童虐待件数は、13万3778件。1990年度、厚生労働省の統計開始以来、27年連続で最多を更新しました。

本市の「平成30年度第2回尼崎市子ども・子育て審議会」に提出された「児童虐待相談件数の推移」の資料をみても、「児童虐待の相談件数は年々増加傾向にあり、児童虐待に対する市民の認知度の向上等の要因もあり、5年前と比べて約2.4倍と急増している。」と報告されています。

児童虐待の相談内容は、「身体的虐待」「ネグレクト」「心理的虐待」「性的虐待」の4つに分類されています。「身体的虐待」は、「殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、おぼれさせる」など、「ネグレクト」は「家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない」など、「心理的虐待」は「言葉による脅し、無視、兄弟間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう」など、「性的虐待」は、子どもへの性的行為、性的行為を見せる、ポルノグラフィの被写体にする」などの内容です。

この資料で特徴的なのは、身体的虐待が、児童虐待全体の中で占める割合が年々減少しているのに対し、育児を放棄するいわゆるネグレクトが、尼崎市では年を追うごとに割合が増加していることです。これについて「ネグレクトの構成比が増加傾向なのは、近頃増えている泣き声通報を調査していった結果、「心理的虐待」ではなく、「ネグレクト」に分類されるものが多くなったためで、2016年度で全国と比べて約2.8倍となっている」と説明されています。

しかしながら、いずれにせよ見た目に分かりやすい身体的虐待より、目に見えにくいところで行われるネグレクトや心理的虐待が多くなっている事には要注意です。虐待は複雑な家庭事情や貧困問題などが絡み合うことが多く、根本解決が困難なうえ、表に出にくいものは発見そのものが見過ごされがちです。こうして通報される虐待行為は、氷山のほんの一角であり、数字の裏に隠れた現状を重く受け止める必要があると思います。

Q8 子どもの虐待被害が増えている現状について、市長の見解をお聞かせください。

 

答弁

議員ご指摘のとおり、本市においても、児童虐待の相談件数は、年々増加しており、平成29年度は2,321件となっています。

近年の増加要因としましては、子どもの面前でのDVが心理的虐待に該当し、警察からの通告が増加したことや、児童相談所全国共通ダイヤル「189」の周知がいきわたり、児童虐待に関する市民の意識が高まり、通報件数が増加していることが挙げられます。以上

 

Q9 現在、子どもへの虐待が疑われる場合、本市ではどのような体制、手順で臨んでいますか?また、子どもの育ち支援センターが2019年より開設される予定です。

虐待問題への対応はどんな計画で準備をすすめているか、おしえてください。

 

答弁

虐待が心配される通報が入った場合、まず、児童専門ケースワーカーや家庭児童相談員が対象児童の特定や家族構成、保育所や学校等の在籍先、過去の乳幼児健診の受診状況など、可能な限り詳細な調査を行った上で、当面の方針決定、緊急性・送致の必要性の判断、子どもの安否確認方法の検討を行い、48時間以内に子どもの安全確認を行うこととしております。

こうした過程で子どもの安全が確保できないと判断される場合、兵庫県の西宮子ども家庭センター(児童相談所)へ当該ケースを引き継ぎ、対応を協議していくこととしております。

児童虐待の問題の背景に、保護者の養育力の低下や経済的問題のほか、子ども本人の育てにくさなどの問題が複合的に絡み合っている場合があります。こうした課題に対応するため、平成31年秋の開設に向け準備を進めております子どもの育ち支援センターでは、児童等に対する必要な支援を行うための拠点として、児童専門のケースワーカーなどの福祉、保健、教育分野に精通した専門職員を配置し、支援体制を整えるとともに、西宮こども家庭センター(児童相談所)や医療機関など、様々な専門機関と連携を図りながら、官民連携して、子どもや子育て家庭の支援を行ってまいります。いずれにしましても、虐待が発生する要因はさまざまであることから、これらのひとつひとつに丁寧に取り組んで、子どもの安全を守り、子どもと子育て家庭に支援が届くようケースワークを行ってまいりたいと考えております。以上

 

 これで、第一登壇の質問を終わります。

 

第二登壇

 

 武庫川河川敷については、これまでも水害のたびに市民から改善要望がありますので、是非とも安全で快適な河川の環境改善をお願いしておきます。

台風の災害対策について、続けます。

災害時の、学校から保護者への連絡についても、電力に頼る状況が浮き彫りになりました。

尼崎市の小中学校では平常、各学校の判断にはなりますが、学校から「ミマモルメ」等の無料メール配信サービスによる緊急連絡を採用実施していることが多く、保護者の登録率は8割~9割です。臨時休校や学校行事の中止等について、不審者情報について等の連絡に利用されています。

今回の台風のような災害時にこそ、本領を発揮するべきメール配信ですが、インターネットの通信環境に問題があると情報がまったく発信されず、保護者から「情報がわからない」と不安の声が聞かれました。例えば、大庄北中学校では、学校自体の停電が長引き、インターネット通信はもちろん、電話も使用できない状態が続き、保護者への情報発信ができなくなりました。

結果、育友会からSNSを利用して臨時休校や翌日の予定について保護者同士で伝達し情報が届きました。発信者、受信者が共に被災した場合の連絡方法を準備しておくべきだったと感じました。

 

Q10 学校の緊急連絡の現状とあり方について、教育委員会の見解をお聞かせください。

 

答弁

気象警報発令に伴う学校の対応は、「学校教育法施行規則」に基づき、各学校園長が、状況に応じて臨時休業等の決定をしております。

どのような場合に、臨時休業とするかについては、あらかじめ予想される災害ごとに臨時休業の基準を定め、児童生徒や保護者に対して、通知文を事前に配布するとともに、学校のホームページにも掲示し、周知しているところでございます。

また、緊急時には、市のメール配信システムや民間企業が運営する登下校メールサービスを利用する等、各学校園の実情に合わせた方法で、情報を発信しております。

しかしながら、今回の台風では、停電の状態が長引き、電話やパソコンが使用できず、情報伝達が不十分な学校園もありました。今後につきましては、SNS等の活用も含めて、児童生徒や保護者に、正確で迅速に情報が伝達できるような方法を研究し.より有効な情報発信に努めたいと考えております。以上

 

 

(こむら)高層のマンションや集合住宅に住む、高齢者や障碍者の災害対策も課題です。

今回の停電により、高層のマンションや集合住宅で断水被害が発生しました。

上水道を屋上のタンクにくみ上げる電動ポンプが停電により停止し、水が上がらなくなったことが原因です。停電が解消されるまでにタンクの水は底をつき断水。停電のためエレベーターが停止し、高齢者や障碍者は水や食料を調達するために階下に降りることができない状態になりました。

市は臨時給水ポイントを設けるなど対応しましたが、問題の解決策は水の供給というよりは、エレベーターが停止している高層の建物で、身体の弱い者がどうやって高層階を昇り降りするか、どうやって重い水を自宅まで運び上げるか、という支援策が必要だったと思います。

水堂町の県営住宅では、11階に住む高齢者世帯が食べるものもなくなり、尼崎医療生活協同組合が炊き出しを届けるという支援をおこなったそうですが、2日、3日となると継続した支援が難しくなり、行政で何とかできないかと相談がありました。

 

Q11 本市では、高齢者や障碍者の災害時の支援に、エレベーター停止時の援護はどのように想定していますか?

答弁

本市におきましては、『1.17は忘れない』地域防災訓練や地域の防災訓練において、高齢者や障碍者の方が、市民の皆様の協力で3階以上へ垂直避難する訓練を実施しております。

この訓練では車椅子や担架、素手による搬送方法を市民の皆様に周知し、体験してもらっていることから、エレベーター停止時の援護についても応用できるものであると考えております。

今後もこの訓練を継続して実施し、市民の皆様に対し、自助・共助の意識を啓発して参ります。以上

 

Q12 一人暮らしの高齢者、車いすを利用している障碍者などの要援護者が、どこに住んでいて、どんな援護が必要か、等についての情報は、本市が要援護者名簿を作成しています。今回それが対象者の支援に活用されたのでしょうか?

答弁

避難行動支援者名簿は東日本大震災を契機として改正された災害対策基本法をもとに、洪水や高潮、地震、津波などの自然災害からの避難誘導を目的として作成しております。

現在、確認できている範囲となりますが、避難行動要支援者名簿を受け取っていただいております地域のうち、6地域から自主的に声かけや戸別訪問による安否確認、水の運搬を行ったとお聞きしております。また、今回の台風では、9月5日の関西電力の記者会見により、停電が広範囲でかつ長期化することがわかりました。

こうしたことから、日頃から避難行動要支援者名簿をもとに地域の要援護者宅に訪問している民生児童委員に改めて要援護者の安否確認の依頼とともに、高齢世帯等に対し臨時給水ポイントや停電時に利用できる公共施設、地域振興センター等での避難所開設等についての情報提供を依頼しました。名簿を活用したこうした取組みにより、安否確認や災害時に必要な情報の市民周知が進んだものと考えております。以上

(こむら) 次に、子どもの虐待問題について続けます。

今年の2月、私のもとに子どもの虐待についての相談が寄せられました。親から当たり前の愛情ある生活を送らせてもらえていない、という三人の兄弟についてです。話を聞くだけでも、身体的虐待、ネグレクト、心理的虐待が重なりあってました。しかも家庭内や親族関係が複雑な人間関係にこじれており、当事者たちだけでは解決できない問題に発展しており、行政的な支援、公的機関からの働きかけを求める段階にありました。

特に、子どもの健全な育成を考えると、長期にわたって行われている暴力や暴言による虐待や育児放棄は、一刻も早く遠ざけなければならないところでした。

相談を受けた虐待について、本市の子ども総合相談と兵庫県西宮子ども家庭センターに子どもの保護をうったえましたが、半年ほどの時間がかかった上、現時点では「命の危険に及ぶ緊急性に欠ける」として保護に至りませんでした。しかし、当事者の第一子である高校生の少年は、何年にも渡り親から愛情のある養育を経験させられず、近年は兄弟児の世話も任されていました。幼児期から日常化している虐待に精神的に耐えられず、「このままでは自殺とか相手を傷つけることを考えてしまいそうだ」というところまで緊迫した状況になり、家庭から祖父母のもとへと緊急に一人で避難しました。残された小学生や未就学児の兄弟については、現在は十分な食事や快適な住環境を与えられているのか、様子を知るすべがなく、家族や親せきからの冷静な話し合いはできない状況にあります。

私は、この夏の酷暑で、この幼い兄弟が熱中症にならないか心配で何度か家の前まで見に行ったものですが、尼崎市子ども総合相談は、「西宮に案件を引き渡したため、独自には動けない。指示を待っている」という答えで、動きは見えませんでした。

 

Q13 本市の子ども総合相談と兵庫県西宮子ども家庭センターは、どのような場合に連携体制がとられ、それぞれの役割はどのように区別されているのでしょうか?

答弁

本市のこども総合相談では、児童家庭相談機能を担っており、虐待の未然防止、早期発見・早期対応、その後の支援を行うこととし、比較的軽微なケースが重篤な状態に陥ることのないよう支援を行っているものでございます。

一方、ケースの緊急度や困難度等を判断するために情報収集を行い、立入調査や一時保護、専門的な判定、あるいは児童福祉施設の入所等の行政権限の発動を伴うような対応が必要と判断される困難なケースについては、兵庫県の西宮こども家庭センター(児童相談所)に送致することとしております。以上

 

Q14 親族での解決が難しい場合は、より踏み込んだ行政的な支援が必要だと考えますが、市長の見解はいかがでしょうか。

答弁

児童虐待の恐れのある家庭に支援を行う際には、虐待が発生しやすい要因を持ち、養育支援を必要としている家庭であるかどうかを判断する中で、関係機関が連携してリスク要因を有している家庭の事情を収集することが必要となります。さらに、リスク要因の洗い出しだけではなく、親族での解決が難しい場合、行政といたしましては、保護者・子ども・養育環境のそれぞれの側面に着目するなかで、支援の入りやすい環境を生み出し、家族の成長や変化しようとする自ら解決できる力を引き出すことが重要だと考えております。そのために、要保護児童対策地域協議会の各関係機関の役割を有効に活用する中で、支援に繋げていきたいと考えております。以上

 

Q15 保護の必要性がないと判断された場合、この虐待案件はこの後どのように処理されますか?市は、これで解決ととらえているのですか?

答弁

今回、この案件につきましては、兵庫県の西宮こども家庭センター(児童相談所)において保護者である両親および対象児童らとの面談を行った上で、一時保護は必要がないと総合的に判断したものと聞いております。

現在、当該児童につきましては、本市の要保護児童対策地域協議会において対象児童ケースとして管理しており、学校や保育所等関係機関と情報交換・情報共有を行っております。従って、本市としても、今回の案件については、これで解決したとは考えておりません。

今後とも引き続き、要保護児童対策地域協議会の対象児童として管理する中で、関係機関と情報交換・情報共有に努め、当該児童の状況を把握し、適切な支援につなげてまいります。以上

 

(こむら)この度のケースのように、直ちに命の危険に及ぶものではないと判断される場合でも、児童虐待を受けている子どもは実際に存在します。保護に至らないことで、この虐待行為はさらに日常的に続けられることになります。

幼い子どもにとっては一日一日が貴重な成長の一歩一歩であると、私自身の子育ての経験からも痛感するところです。今回の相談は2月から7月まで5か月もかかり、しかも行政は何の手立てもなかったということで、「なぜもっと素早く対処できないのだろう?」という残念な気持ちでいっぱいです。

一刻も早く、一人でも多く虐待に苦しむ子ども達が、安全で平和な環境に置かれるよう社会全体で保障されるべきではないでしょうか。

 

Q16 なぜ、相談への対応がこんなに時間がかかったのでしょうか?行政機関のスピード感のある対応と緊急性の認識改善を求めますが、いかかですか?

答弁

虐待の相談・通告を受けた場合には、まずは、子どもの安全確認を第一に行う必要があります。今回の相談につきましては、家庭訪問による対象児童の目視および学校や保育所等の関係機関に状況を確認する中で、外傷等の客観的な虐待痕が確認されなかったことや、帰宅しぶりもなく、本市で調査把握した事柄からは緊急性を見出すことはできませんでした。

その後、調査内容を兵庫県の西宮子ども家庭センター(児童相談所)に報告し、同センターが関係者と面談等行う中で、一時保護の必要がないと総合的に判断されたものと伺っております。

しかしながら、本件にかかる当事者との間で緊急性について温度差が生じていたことについては認識しており、引き続き関係機関、当事者等とも必要に応じて情報共有を行い適切な支援につながるよう取組んでまいります。以上

 

Q17 今後、子どもの育ち支援センターの開設により、対応は改善されるのでしょうか? 

答弁

子どもの育ち支援センターは、子どもと子育て家庭の総合支援拠点として、子どもの成長段階に応じて、切れ目なく総合的かつ継続的に支援を行うこととしております。そのために、まずは、予防的観点から、児童虐待や不登校に陥らないようにするため、例えば、発達障害やその疑いのある子どもの早期発見・早期支援を行うとともに、就学時には、その子どもの特性などを教育委員会や学校に伝え、学校での適切な対応につなげてまいりたいと考えております。

また、家庭環境などとも複雑に関係しているケースなどについては、新たに導入する電子システムを活用しつつ、子どもやその家庭の最新の状況や子どもの支援歴等も参考にしながら、児童専門のケースワーカーなど、様々な専門家が集まったケース会議等を開催し、子どもだけでなく、家庭への支援も行ってまいりたいと考えております。

こうした取組みにより、子どもや子育て家庭が抱える多様な課題に迅速かつ的確に対応していきたいと考えております。また、引き続きハイリスク家庭の情報を要保護児童対策地域協議会の構成機関を通じて得るために、日々の情報交換を確固たるものとしていくことや、虐待の程度、緊急度、当該世帯の強みなどを総合的に判断する専門性を高め、兵庫県の西宮子ども家庭センター(児童相談所)に送致する見極めなどを行ってまいりたいと考えております。以上

 

第三登壇

 最後は意見・要望にとどめます。

子どもが生活する環境とは、どんなところでしょう。

周囲に愛され、元気で大きく育つことを願って大切にされる、子どもの存在そのものを認められる、温かく、豊かな心でくつろぐことのできるところが生活の拠点であるべきではないでしょうか。常に親の顔色をうかがう、いつ怒鳴られたり、殴られたりするかわからない状態ですごす、お腹がすいてもおこられるのが怖くて「お腹がすいた」と言えない、冷房のない部屋で暑さやのどの渇きを我慢してすごし、外にも自由に遊びにいけない。虐待を受ける子どもは、こんな状態が毎日続くのです。あってはならないことだと私は思います。子どもは自分の環境を選べません。どんな子どもも、笑顔で過ごせる環境を社会で保障するべきだと思います。

子ども・子育て支援の今年度施策評価結果の中には、「児童虐待の相談業務等に注力できる体制にしていく必要があることから、子どもの育ち支援センターに配属される児童専門のケースワーカーの育成が急務である」とあります。私は、急務どころか今すぐ整えていくべきだと思います。子どもの育ち支援センターが人員配置、連携マニュアル等しっかりと体制を整えること、そして虐待相談にきめ細かく対応できるセンターにするよう要望いたします。

 

 台風の影響による災害対策については、すべてを事前に想定することは不可能だとは思いますが、尼崎市民が困ったとき、頼りにするのは尼崎市です。

もっと行政がリーダーシップをとり、市民の被災状況を知り、市民が必要とする情報が正しく、素早く、広く周知されることが重要だと感じました。広報車がどれだけ出ていたのか、というお声にも表れています。

また今回の大規模な停電により、災害時は電力を頼れないことがあらためてわかりました。

人と人との生のコミュニケーション力が街の安心安全の基盤です。

今回の台風被害を教訓に、地域コミュニティの中で情報伝達をどのようにおこなっていくか、個人単位ではなく地域単位で情報を伝える仕組み作りを要望して私の質問を終わります。以上