第1登壇
日本共産党議員団のこむら潤です。今日は、公共施設のあり方について、老人福祉センターと身体障害者福祉会館の機能移転について、尼崎市における性の多様性にかかわる取り組みについて質問いたします。
まず、尼崎市の公共施設のあり方についてお尋ねします。尼崎市は、今後の人口減少、少子高齢化を予測し、人口減少問題について、何も手をほどこさなければ、本市の人口は現在の45万4千人から、2040年には25万6千人まで減少すると推計を出しています。
それに基づいて本市が出している「尼崎人口ビジョン・尼崎版総合戦略」では、人口減少を最小限度の34万1千人までにくい止めるよう、取り組みをおこなうとともに、人口が減少したときにも機能するコンパクトなまちづくりを計画的におこなっていこうとしており、人口的にも財政的にも無理のない規模で公共施設のあり方を考えていく、としています。 本市は2014年度6月に公共施設マネジメント基本計画を策定し「35年後の2048年までに公共施設の床面積を30%以上削減する」ことを目標に掲げ、具体策として今年度5月には第一次尼崎市公共施設マネジメント計画が立てられました。方針1には公共施設の圧縮と再編のとりくみとして「10年間で公共施設の床面積をおおむね10%削減する」目標を立てています。
また施設の集約化、統廃合の取り組みを早期に明らかにし、計画的に進めていく、としています。人口推計からみた将来の人口減少社会にむけて、それに見合ったまちづくりとして、一定の公共施設の見直しは、やむを得ないかもしれません。しかし、すでに「公共施設の最適化に向けた取り組み」が実施され、『労働福祉会館や公民館分館の廃止』『支所と地区会館の複合化』『保健福祉センターの二所化』がおこなわれる中でも、地域住民からは「まちの中から拠り所がなくなっていく」「住民が見捨てられている」という不安がうまれています。子育て世代からは「乳幼児健診や予防接種が地域で受けられないのは不便」、高齢者からは「歩いて行けるところに施設がなくなったら、遠距離の移動ができないので困る」「気軽に利用できなくなる」といった声が上がっています。
市長にお尋ねします。こうした市民の声を聞いて、市長はどう思われますか。お聞かせください。
公共施設マネジメント計画(圧縮と再編)の実施により、現在の市民にとって使いにくい街となることで、かえって人口の減少を早めてしまいませんか。市長はどうお考えか、お聞かせください。
答弁
本市が保有する公共施設は、高度経済成長期からバブル経済期にかけて整備されたものが多いことから、建築後30年を経過したものが6割を超え、老朽化の進行への対応が大きな課題となっているところでございます。このような中で、人口減少や少子高齢化の進展、更には今後も厳しい財政状況が予測されることから、今ある全ての施設を保有し続けることは事実上不可能な状況となっております。こうしたことから、量、質、運営コストの最適化を目指した公共施設マネジメントに係る取組は、将来世代に過度な負担を転嫁することのないよう、持続可能な財政基盤の確立を目指していくためにも、必ず進めていかなければならない取組であると認識しております。その取組を推進するにあたりましては、公共施設の「量」の縮減による経費削減のみならず、新たな交流の創出や市民活動の一層の促進など、市民・利用者のご意見を踏まえながら、今後のまちづくりに活かすべく効果的に進めていくこととしております。現在、進めている具体的な取組といたしましては、旧梅香小学校跡地を活用した複合施設、中央を除く5地区における地域振興センター及び地区会館の複合施設、保健福祉センターの2所化がございますが、今後とも、市民の皆様のご理解が得られるよう、引き続き取組の趣旨や実施内容について、丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。以上
(小村) 一昨年度、本市の議員研修会の講師にもお越しいただきました、奈良女子大学教授の中山 徹氏の著書「人口減少と公共施設の展望」では、「公共施設の統廃合は市民生活と地域を破壊する」と警告を発しています。
この中で中山教授は、「市民生活の中で日常的に使う公共施設は、日常的に使える場所に必要で、その範囲は小学校区です。子どもと地域にとって、小学校区はもっとも重要な単位で、地域コミュニティ組織の基本単位として機能しています。学校の統廃合や、公共施設の集約化は、これまで醸成してきたコミュニティの単位を変えてしまうことになり、人口減少問題の事態は悪化し、少子化に歯止めがかからなくなります。高齢者が安心して自宅で暮らし続けるのも夢におわるでしょう」と危惧しています。
次に、尼崎市における性の多様性にかかわる取り組みについてお尋ねします。
昨日、綿瀬議員がLGBTについて取り上げられましたが、私なりの視点であらためて質問いたします。どのような人も、自分らしく生きる事ができる社会を作る上で、性的に多数の人とは異なった感覚や好みを持つ、性的少数者(以下、性的マイノリティと言います)の方の人権問題が、わが国でも今日的課題として注目されています。まず、巷で見聞きする機会が多くなった「LGBT」という言葉について、説明します。性的マイノリティとよく似た言葉で、しばしば混同される概念・言葉として「LGBT」があります。これは、レズビアンのL、ゲイのG、バイセクシャルのB、トランスジェンダーのTという、4つのタイプの性的マイノリティの頭文字からつくられた言葉です。
それぞれについて、簡単に説明しますと、レズビアンは、女性の同性愛者、ゲイは、男性の同性愛者、バイセクシャルは両性愛者、トランスジェンダーは、心と体の性別が一致しない状態です。性的マイノリティには、ほかにもLGBTのカテゴリーに属さない様々なタイプの方がいますが、当事者の皆さんが心に負担を感じない適切な名称がまだ一般化しておらず、社会的にも理解がされていない状態です。現時点では、当事者の団体が連帯をとって人権獲得の運動を、世界に広めた呼び名「LGBT」が広く知られていますので、ここでも使わせていただきますが、今回は「LGBT」以外の性的マイノリティの範囲も含むものとしてお聞きください。
このたびLGBT当事者の方から、「ぜひとも尼崎市でもLGBTについて知ってもらい、性の多様性について取り組みを広げてほしい」とお話をうけ、議会で取り上げさせていただいた次第です。LGBT人口について、本市の「人権尊重」施策評価結果によりますと、「LGBT調査では、わが国の7.6%、すなわち約13人に1人がLGBTを含む性的少数者とされている。」ということです。この割合でみれば、例えば学校ならば学級に3人は何らかの当事者がいるということになります。この議場ですと、この中で6人は当事者、という感覚です。私の周辺では、小学生の女の子ですが、スカートを履いたり髪を長く伸ばしたりすることを嫌がるので、母親が「中学生になったら女子の制服を着てくれるか、思春期がどうなるのか心配だ」と悩んでいるケースがあります。
こうした事例は、皆さんの身近なところにも経験がおありではないでしょうか。
お尋ねします。このLGBT当事者が「約13人に1人」という調査結果について、市長はどのように思われますか。見解をお聞かせください。
答弁
株式会社電通の「性的マイノリティ」の調査によりますと、約13人に1人が「LGBT」を含む性的マイノリティに該当ずるとの結果ですが、その比率の大小よりも、性別に関係なく、性の多様性が尊重され、誰もが自分らしく生きていくことができる社会の実現を目指し、孤立感を抱えている可能性のある「LGBT」の方々についての理解を促進することが、重要であると認識しております。以上
(小村)私たちの暮らす社会の中では、意識的または無意識に「男か、女か」をはっきりと分ける仕組みがたくさんあり、LGBT当事者は、大変な精神的苦痛や生きにくさを日常的に感じて生活しています。また、周囲の理解を得られず、社会から排除されるかもしれないという恐れから、自分がLGBTであるとカミングアウトすることができず、ありのままの個性を押し隠して生きている方が多数です。
先ほど引用しました本市の施策評価にも「性的マイノリティ当事者の約7割が学校でのいじめや暴力を受けたことがあり、そのうち3割が自殺を考えたという深刻な実態がある」とあります。LGBT当事者の方のお話によれば、例えば公衆トイレに入る時、男女の選択を強いられる、役所などで書類に個人情報記入欄に性別を書く欄がある、など一つ一つの何気ないところにも生きづらさがあるということです。
私の周辺では、男性保育士の方が、保育士をやめて性転換をした例があります。性の悩みを、女性の多い職場でも解決できなかったこと、夢をもって目指したはずの保育士という職業を全うできなかったことは、残念でなりません。その後は風俗業で働いているとのことでしたが、人生の選択肢が社会的に制限されてしまうのが性的マイノリティの現状です。地域、職場、学校など、あらゆる場において、まずは性の多様性についての現状を知ってもらうことが求められています。とりわけ、こうした性的な好みや感覚は、趣味嗜好ではなく生まれつきその人が持つ個性であり、人口に一定の割合で存在すること、生まれ持った性の多様性によって差別的な扱いを受けることはあってはならないという点は重要です。
そこで市長にお尋ねします。本市は性の多様性にかかわる社会的問題について、どのように取り組んでいますか。これまでの取り組み状況をお聞かせください。
答弁
性の多様性に関する取組につきましては、平成29年3月に策定いたしました「第3次尼崎市男女共同参画計画」において、「性の多様性に配慮した人権の尊重」を方針に盛り込み、性の多様性について理解を深めるための啓発等に取り組んでいるところでございます。啓発の具体的な取組としましては、平成26年7月に女性センタートレビエにおいて市民向けの講演会の実施をはじめ、昨年は地域総合センター神崎での講演会や、女性センタートレビエと園田学園女子大学との「つながりプロジエクト」として、性的マイノリティの方々が、差別や偏見にさらされることなく、自分らしく生きていける社会の実現を考える機会となるよう授業を実施するなど、これまで400名を超える方々の参加をいただいたところでございます。今年度につきましても、その取組をさらに強めるため、公益社団法人尼崎人権啓発協会が中心となり、トレビエ、地域総合センターが連携し、市民向けの連続した講演会を実施する予定でございます。また、その他の取組といたしましては、武庫支所をはじめ、新たに設置する公共施設において、性の多様性に配慮した多目的トイレの設置を進めているほか、申請書や公文書等の性別記載欄を設けるにあたっては、その必要性について十分検討を行うよう周知徹底を図るなどの取組を進めているところでございます。
これで一回目の質問を終わります。
第2登壇
第一登壇の質問にご答弁をいただき、ひきつづき性の多様性にかかわる取り組みについて質問を続けます。
わが国では、ごく近年になってから、性的マイノリティ当事者への人権差別をなくし、市民権を獲得する運動が広がってきました。
民間企業においては、2013年の男女雇用機会均等法の改正により、性的マイノリティに対する、差別的な言動や行動についても、ハラスメントであるということが認められ、職場の対応が義務付けられました。2015年には、東京都渋谷区で、自治体で初めて「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が施行され、世田谷区では区長裁量による同性パートナーシップ制度の取り組みが発表されました。県内では、宝塚市が2016年6月より同性カップルをパートナーとして認める「受領証」を交付する制度を始めました。申請したカップルはまだゼロ件ですが、同市は電話相談、職員や教員向けの研修会を開き、LGBTへの理解や支援を進めており、「制度があることで当事者の安心感につながる」といった評価もあるそうです。
そのほか、札幌市、那覇市など全国の自治体で、性の多様性を尊重した社会づくりの取り組みが広がってきています。また今年の7月にはLGBT自治体議員連盟が発足しました。地方議会議員の5人のLGBT当事者を世話人として、すでに北海道から沖縄まで78名の自治体議員(県議会議員8名、市区町議員が70名)が趣旨に賛同し、名を連ねています。性的マイノリティ当事者と、支援者の希望の光となる、画期的な一歩だと思います。
そこで市長にお尋ねします。本市においても、LGBT当事者の実情や要望を聞く機会を作ること、LGBT当事者が相談できる場所や居場所を作ること、市民へと性の多様性尊重について周知・啓発を行うこと、些細なことからでも性の多様性に対応した行政サービスを実施していくことが必要だと思いますが、いかがですか。市長の見解をお聞かせください。
答弁
性の多様性に関する取組につきましては、平成29年3月に策定いたしました「第3次尼崎市男女共同参画計画」において、「性の多様性に配慮した人権の尊重」を方針に盛り込み、性の多様性について理解を深めるための啓発等に取り組んでいるところでございます。
啓発の具体的な取組としましては、平成26年7月に女性センタートレビエにおいて市民向けの講演会の実施をはじめ、昨年は地域総合センター神崎での講演会や、女性センタートレビエと園田学園女子大学との「つながりプロジエクト」として、性的マイノリティの方々が、差別や偏見にさらされることなく、自分らしく生きていける社会の実現を考える機会となるよう授業を実施するなど、これまで400名を超える方々の参加をいただいたところでございます。今年度につきましても、その取組をさらに強めるため、公益社団法人尼崎人権啓発協会が中心となり、トレビエ、地域総合センターが連携し、市民向けの連続した講演会を実施する予定でございます。また、その他の取組といたしましては、武庫支所をはじめ、新たに設置する公共施設において、性の多様性に配慮した多目的トイレの設置を進めているほか、申請書や公文書等の性別記載欄を設けるにあたっては、その必要性について十分検討を行うよう周知徹底を図るなどの取組を進めているところでございます。
(小村) さて次に、第一次公共施設マネジメント計画の中の、旧耐震基準で老朽化のすすんでいる、老人福祉センターおよび身体障害者福祉会館の機能移転についてお聞きします。
本計画によりますと、老人福祉センター千代木園と福喜園、身体障害者福祉会館は、この先10年の間に他の公共施設などへ機能移転する対象となっています。老人福祉センターの二園については、陳情が出されていますので、ここでは基本的な考えについて市長におうかがいします。これらの施設の圧縮と再編計画には、2つの点について考える必要があります。一つは施設の老朽化の問題。もう一つは施設の存在価値の問題です。
一つ目の老朽化については、建物自体が築40年を超えており、旧耐震基準の建造物ということは現実問題として対処が急がれます。市民が安心して利用できる環境を整えるべきです。
二つ目の施設の存在価値について、まず老人福祉センターは、高齢化の進むこれからの社会に欠かせない施設です。利用者の方からの声をご紹介します。「千代木園の体操教室に通うことで膝の痛みがなくなり、元気になった。」「毎日通って卓球するのが生きがいだ。ここで仲間とおしゃべりできるのが楽しみ。」「一人暮らしのため、家でお風呂に入るのが怖い。千代木園では仲間と入れるから安心。少ない年金生活なので、無料で入れるのが本当にありがたい。」このように、老人福祉センターに来れば複数のサービスを利用でき、仲間と様々な交流ができる。高齢者の皆さんの心の拠り所、生きがいとして、たいへん存在価値が大きいことがわかります。
お尋ねします。市長は、老人福祉センター利用者の声にどう答えますか。お聞かせください。
答弁
公共施設の圧縮と再編の取組を進めるにあたりましては、今後も厳しい財政状況が見込まれる中、老朽化が著しい公共施設が数多くあり、早期に取組内容を明らかにしていく必要があることや、可能な限りサービス水準を低下させないよう慎重に進めていかなければならないと認識しております。おたずねの老人福祉センターにつきましては、様々な意見をいただいておりますが、千代木園、福喜園についての具体的な対応策をお示しし、両施設の利用者の皆様方への説明会を開催し、改めてご意見を伺うこととして、公共施設マネジメントの取組について一定のご理解をいただけるよう努めてまいります。以上
介護に頼らない高齢者の自立サポート、居場所づくりという観点からも、老人福祉センターの「スポーツや文化的な活動が多数用意され、仲間と集う憩いの空間が保障され、衛生的で無料の入浴施設がある」現在の姿は、今こそ地域に求められる公共施設だと思います。たとえば、「体操教室は地区会館に」「文化教室は公民館に」「入浴施設は銭湯があるから廃止」などと切り離したとすれば、各機能を移転させた時点で、老人福祉センターという機能はなくなります。
市長にお尋ねします。もしそのような機能移転をお考えなら、機能移転といいながら、実質は施設の廃止と同じではないでしょうか。お答えください。
答弁
先ほどもこ答弁いたしました通り、今後も厳しい財政状況が見込まれており、今あるすべての施設を建替えることは事実上不可能であります。このような中で、圧縮と再編の取組において、建物性能や他の公共施設への代替性、利用実態や将来的なニーズなど客観的な評価を行い、老人福祉センター2施設を含めて、見直しの対象施設を抽出しております。ご質問の老人福祉センターについては、高齢者の健康の増進や教養の向上に資する各種事業を提供し、多くの方々にご利用いただくとともに、介護予防活動の促進にも寄与している施設であると認識しております。こうしたことから、老人福祉センター-2施設につきましては、そのあり方について見直しを行い、可能な限りサービス水準の低下をきたさないよう慎重に検討を進め、存続する機能については、他の公共施設へ機能移転していくこととしております。今後は、具体的な取組内容をお示しした上で説明会を開催し、十分な調整を行いながら着実に進めていきたいと考えており、両施設につきましては、存続する機能を移転した上で廃止していきたいと考えております。以上
(小村) 次に身体障害者福祉会館ですが、我が議員団は、この施設が機能移転の対象になっていることをうけ、6月に会派視察をおこないました。当施設の充実したバリアフリー機能は、本市の貴重な資産として非常に存在価値が大きいと感じました。建設当時、身障者の声を取り入れて作られた当施設は、バリアフリーの概念が常識となった現在でも、新鮮な感動を覚えるほどの、様々な工夫がほどこされており、おどろきました。
市長にお尋ねします。市長が身体障害者福祉会館を視察されたことがあれば、感想をお聞かせください。
答弁
市長は、平成23年12月に身体障害者福祉会館で開催された懇談会に出席するため訪れたことがございますが、施設の状況について、詳細に視察したものではございません。以上
利用者の皆さんは、「会館1階の大ホールは、特に身体障害者にとって重要な施設だ」と訴えています。「車いすでもスムーズにたどり着くことができ、障害を持つ人たちが自主的に活動でき、飲食も可能なホールはここしかない。身体障害者の中には生活困窮者も多く、施設利用料の面でも、とても助かっている。まさにかけがえのない施設」ということです。
市長にお尋ねします。身体障害者福祉会館利用者の方の声に、どう答えますか。お聞かせください。
答弁
市長は、平成23年12月に身体障害者福祉会館で開催された懇談会に出席するため訪れたことがございますが、施設の状況について、詳細に視察したものではございません。以上
これで二回目の質問を終わります。
第3登壇
第2登壇の老人福祉センター、身体障害者福祉会館の機能移転についての質問に、ご答弁いただきました。どの施設にも、血の通った利用者がいます。数字のデータだけでなく、ぜひとも稲村市長には施設利用者の声、市民の声によく耳を傾けていただきたく、よく話し合い、市民と合意の上で、まちづくりを進めるよう求めます。残余の疑義については、委員会にて所属の会派議員より質問いたします。
さて、性の多様性にかかわる取り組みについて、LGBT当事者の方がお話されていた中で大変印象深い一言がありましたので、ご紹介します。「LGBTの問題解決には、まず男女が平等に扱われる社会基盤が必要なんです」まったくその通りだと共感しました。大切なのは、どんな人も人間として尊重され、自分らしく生きる事の出来る世の中になっていくことです。本市でも、今日的な人権問題施策として取り組みを進められているとのことですので、今後の発展に期待したいと思います。まずは市職員、教職員を対象に、性の多様性についての認識と理解を深める研修会や学習会を、今後も積極的に行うことを求めます。
最後に、公共施設は、市民の生活圏の中にあってこそ、その機能を発揮し、有意義なものとなります。市民の生活圏とは、おおむね1平方キロメートル、先ほども申したとおり小学校区の範囲とされています。これは地域コミュニティの単位としても重要です。
小学校区とは、子どもでも歩いて行ける距離で、この中に日常生活に必要な公共施設がそろっていることが市民にとって「住みやすいまちづくり」の条件といえます。また小さな子どもを伴った子育て世帯の移動、身体障害者や高齢者の移動は、さらに範囲が狭まると考えられませんか。本市の総合戦略・3つの基本目標の中に掲げられた「ファミリー世帯の定住・転入の促進」「超高齢化における安心な暮らしの確保」という観点からも、地域のあちこちに存在する小さな公共施設は、尼崎の財産であり自慢できるところだと思います。まずはこれを活かすこと。そして地域住民や利用者の声をよく聞き、対話し合意の上で進めることを求めます。安易に施設の集約化や統廃合を進めるのではなく、耐震化・補修をおこなって、今ある公共施設の長寿命化に取り組むことも視野に入れていただきたいと強く求め、私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。