日本共産党議員団の辻おさむです。議案第125号、127号、129号について、反対討論を行います。まず議案第125号、一般会計補正予算案についてです。新たに導入される、介護ロボット導入への補助、従業員の奨学金返済負担軽減制度や、かねてから共産党議員団も要求していた潮小学校、児童ホームの設計予算には賛成です。しかし、学校給食調理業務の民間委託事業費を債務負担行為とする内容も含まれています。学校給食は教育の一環であり、子供たちの健康と安心、安全を提供することになり、市民への奉仕を基本とする身分の安定した公務員が調理業務に当たるべきと考えており、一般会計補正予算(4号)には反対をいたします。
次に、議案第129号、市立地区会館の設置・管理条例の一部改正案についてです。武庫地区の複合施設の完成に伴い、武庫地区会館の位置を新しい場所に変更するとともに、貸し部屋の料金を改定するものです。武庫地区に続いて、大庄、小田、園田、立花と複合施設が建てられます。その皮切りとなる料金体系ですから、本来、充分な市民的検討が必要なはずです。それは行われずに、機械的に従来の料金を20%増額し、床面積によって各部屋の料金を決めたものです。しかも、市民には議会で決めたのちに説明するとのことです。私も大庄の複合施設説明会を傍聴しました。いまでも「料金が高すぎる、年金ぐらしのわしらには、数百円の値上げでもこたえる」「朝、昼、晩で何でこんなに料金が違うんや。夜が高すぎる」「社交ダンスなど、少人数で広い場所が必要なグループは大変や」。などなどでした。朝・昼・晩の料金体系は、労働福祉会館の料金体系をもとに設定されたという答弁もありました。
いまだにそれを引きずっている意味の説明はありません。かつての労働福祉会館には運営協議会があり、少なくとも利用者・利用団体の声を聞くシステムがありました。すでに労館はなくなり、地区会館に利用者の意見を聞いて料金体系を設定するシステムがありません。市民のニーズに合った料金設定をもとめ、議案第129号には反対します。
次に、議案第127号、市立幼稚園の設置・管理条例の一部改正についてです。「幼稚園教育振興プログラム」にもとづいて、園和幼稚園を廃園にする条例案です。同時に、「請願第2号 園和幼稚園の耐震化工事の早期実施等についての請願」も審査されました。同請願は、「市立幼稚園教育振興プログラムの運用改善等」をもとめた陳情10号とは違って、「1 市立幼稚園教育振興プログラムにおいて、27年度までに判断するとしていた暫定園(園和幼稚園)の耐震化工事を、今年度の園児募集結果に関わらず、直ちに着手すること」と、「2 園和幼稚園の存廃の判断を耐震化工事完了後まで留保し、入園募集者数の増加に向けた積極的な取り組みを進めること」を求めたものであり、共産党議員団は、公明党、緑のかけはし、維新の会の議員とともに紹介議員となりました。
平成24年に「教育振興プログラム」が打ち出されて4年。故・田村征雄議員も園和幼稚園の存続をもとめ続けました。なによりも、4年間、園和幼稚園を残してほしい、なんとかして存続させるために園児募集に、教育委員会との対話に、努力を重ねてこられた市民のみなさんに敬意を表するものです。とかく、公務員への風当たりが強い昨今の風潮の中で、公立幼稚園の存続を願う市民がおられることは、本来、公務員冥利につきるものではないでしょうか。教育委員会の仕事は、保護者の願いを最大限尊重し、良い教育施設で良い教育をすすめることだと思います。委員会の中で、「請願趣旨が事実と異なる」という指摘がありました。趣旨に書かれたのは、請願者の認識であることは事実です。審査を通じて当局の動きが報告されましたが、請願者には伝わっていなかったことになります。伝わっていなければ、請願者らが不信感をもつのは当然です。請願者がまとめられた「園和幼稚園に関する資料」を見させていただきました。教育委員会の行動に対して、請願者らがどう受け止めたのか、不信に思った数々がつづられています。
9月議会で「尼崎市自治のまちづくり条例」が可決され、10月8日から施行されました。条例の前文では「ともに学び、考え、それぞれの力を出し合い、誰もが希望と誇りを持って健やかに暮らしていくことができる尼崎を築いていきましょう。」「基本理念」としては、「対話を重ねること及び合意に向けて努力を積み重ねることを、まちづくりへの参画及び協働によるまちづくりの基本とすること。」また責務についての市長等の項では、「まちづくりに関して、知識を深め、及び技能を向上させるとともに、市民等の立場を理解し、柔軟な発想を持つこと。」と書かれています。「自治まちづくり条例」が施行されて、初めての議会で不信を持たれる対応であったことを反省すべきだと指摘するものです。
「H27年度までに耐震化の判断をする」ということが、議論になりました。平成25年の田村議員の質問にたいしての答弁が発端ですが、当局は「判断結果がおくれたこと」をくり返しお詫びをする一方で、結局は、ずるずると引き延ばし、2年連続の定員割れを待っていたのではありませんか。委員会では、答弁内容を履行することなく、ころころと変えることへの指摘もありました。議員は、いったい何を信頼すればいいのでしょうか。私は、15日の文教委員会を傍聴に行きました。請願者の方は、泣いておられました。4年間、ず~っと「園和幼稚園を良くしたい」「残したい」との思いで、普通の市民ががんばって来られたんです。4会派が紹介議員になったことは、ひとすじの「希望の光」が見えた思いだったでしょう。前日まで「請願に賛成する」「大丈夫だから」と議員から聞かされ、希望と期待に胸ふくらませ、傍聴した委員会で、奈落に突き落とされました。希望を見せられただけに、その落差は、あまりにも残酷です。今朝も玄関で「最後まであきらめない」とけなげに言われてました。市制100周年の年が、市民の涙で終わっていいのでしょうか。討論の最後に、申し添えます。良心にしたがって、行動されるよう願って、私の討論を終わります。