福島第一原子力発電所事故避難者への支援拡充に関する陳情書と同意見書を全会一致で採択する

 12月21日の本会議において「福島第一原子力発電所事故避難者への支援拡充に関する陳情書」を全会一致で採択し、そして同意見書も全会一致で採択、直ちに大島理森衆議院議長、伊達忠一参議院議長、安倍晋三内閣総理大臣、高市早苗総務大臣、麻生太郎財務大臣、石井啓一国土交通大臣、今村雅弘復興大臣、松本純内閣府特命担当大臣(防災)へ送付しました。

福島第一原子力発電所事故避難者への支援拡充に関する意見書

 東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故の発生から5年8か月が過ぎましたが、政府の原子力緊急事態宣言は未だ解除されていません。原発事故は収束しておらず、多くの避難者は事故前の汚染のない状態に戻ってほしいと願っていますが、残念ながら程遠いと言わざるを得ないのが現実です。しかし、福島県は平成27年6月に自主避難者に対する災害救助法に基づく住宅の無償支援を平成29年3月末をもって打ち切ることを発表しました。健康被害のリスクを考え、様々な困難を抱えながら避難生活を継続せざるを得ない避難者にとって極めて深刻な事態です。平成24年6月に国会で「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が制定され、その第1条において「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「東京電力原子力事故」という。)により放出された放射性物質が広く拡散していること、当該放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険にっいて科学的に十分に解明されていないこと等のため、一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた者及び政府による避難に係る指示により避難を余儀なくされている者並びにこれらの者に準ずる者(以下「被災者」という。)が、健康上の不安を抱え、生活上の負担を強いられており、その支援の必要性が生じていること及び当該支援に関し特に子どもへの配慮が求められていることに鑑み、子どもに特に配慮して行う被災者の生活支援等に関する施策(以下「被災者生活支援等施策」という。)の基本となる事項を定めることにより、被災者の生活を守り支えるための被災者生活支援等施策を推進し、もって被災者の不安の解消及び安定した生活の実現に寄与することを目的とする。」としており、自主避難者への支援も求めています。この法律に基づき、被災者の方々が移動前の地域への帰還、現在の避難生活の継続などの選択を自らの意思で行うことができるよう、そのいずれを選択した場合でも適切に支援するための必要な施策を講じることが重要だと考えます。よって、政府におかれては、各自治体において、避難者の相談窓口を設けるなどの必要な行政サービスが講じられるとともに、長期避難者をはじめ、福島第一原子力発電所事故避灘者への一層の配慮と支援拡充を確固たるものとするため、次の措置を講じられるよう強く要望いたします。

1、災害直後の応急期を想定した災害救助法の枠組みを超えた長期に及ぶ避難者に対して、避難生活の支援を強固にする新たな制度を確立すること。

2、上記制度が確立するまでの間、避難先の自治体が避難者に対する各種支援を行えるよう、自治体への財政措置を速やかに講じること。以上

地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。

平成28年12月日

尼崎市議会議長・、

関係大臣あて

大島理森衆議院議長、伊達忠一参議院議長、安倍晋三内閣総理大臣、高市早苗総務大臣、麻生太郎財務大臣、石井啓一国土交通大臣、今村雅弘復興大臣、松本純内閣府特命担当大臣(防災)様