予算特別委員会での真崎一子議員の総括質疑に対する当局の主な答弁です

質問

子どもを保育所に入れて働かなければならないときに保育所の利用ができない実情をどう思うか。

答弁

保育所をはじめとする保育施設は、保護者の就労や疾病、出産などにより、保育を必要とする児童が安心して生活できる環境を提供する場でございます。そのなかで、すでに働いている方や、これから働こうとする方にとって、安心して働くことができる環境として、保育所の利用は不可欠であると考えております。しかしながら、居住地域の保育環境や、各施設の受け入れ状況、また、保育施設等の利用を希望する方の意向等により、利用に至らない場合があることも実情であり、引き続き、待機児童の解消に向け、取り組むことが重要であると考えております。以上

質問

今後、尼崎市の待機児童の増減について、どのような見通しを立てているか。

答弁

待機児童は、保育への需要に対し、その供給量が不足することにより生じるものでございますが、本市における保育需要の高まりは、新規の申し込み状況をみる限り、なお継続している状況でございます。待機児童の減少、解消に向け、引き続き必要な保育の量の確保を行うことに努める中で、来年度に向けても一定の確保は出来たものと考えておりますが、供給が需要を喚起する状況もあるとともに、具体的な待機児童数につきましては、先ほどこ答弁いたしましとおり、居住地域の保育環境や、各施設の受入れ状況等も影響いたしますことから、その将来的な見通しを見込むことは難しいものがございます。

質問

待機児童への対応は、今後どのようにしていくのか。

答弁

本市では、待機児童の解消を図るため、「子ども・子育て支援事業計画」の確保方策の内容に基づき、必要な地域に必要な保育の量を確保できるよう、「既存保育所の増改築等による定員増」や「認定こども園への移行による保育の量の確保」、「小規模保育事業や認可保育所の設置」などに取り組んでいるところです。また、ひとりでも多くの方に保育施設を利用していただけるよう、定員の弾力化を活用するとともに、利用に至らなかった場合も、アフターフォローとして、他の保育施設等の空き情報の提供のほか、預かり保育を実施している幼稚園や、一時預かり保育等の案内など、幅広い利用者支援を行っております。今後におきましても、利用希望者への丁寧な対応・支援を行うとともに、保育の需給バランスを踏まえるなかで、平成28年4月時点の保育の利用状況や待機児童数の状況を把握・分析したうえで、具体的な確保策を講じてまいります。以上

質問

今後も、公立保育所の建替えの際には、0歳児受け入れや定員増を行う考えか。

答弁

『公立保育所の今後の基本的方向』の中で、公立保育所が担うべき役割を定めており、この考え方に基づき、これまで施設整備を行ってきた園田及び塚ロの両保育所につきましては、それぞれ定員の増及び0歳児保育を新たに実施し、保育内容の充実を図ってきたところでございますが、今後もこの考え方を基本に取り組んでいくことに変わりはございません。以上

質問

残る7か所のうち、建て替えが必要な保育所はどこか。一

答弁

「公立保育所の今後の基本的方向」に基づき、最終的に残る公立保育所9所のうち、既に耐用年数を経過し老朽化が著しい軽量鉄骨造の施設といたしましては、次屋保育所、武庫南保育所、武庫東保育所がございます。以上

質問

これらの保育所の具体的な建て替え計画はどうなっているのか。

答弁

これまで同様、本市の財政状況を踏まえつつ、建替えに必要な用地の確保などの条件を整えた上で、保育所の建替えを進めてまいりたいと考えております。以上

質問

公立保育所の建て替えも公共施設のマネジメント計画の中で余剰地での用地確保も含めて決定されていくのか。それとも条件がそろったところから順次建て替えが行われるのか。市の考えはどうか。

答弁

さきほどこ答弁申し上げましたとおり、建替えにつきましては、基本的には、本市の財政状況を踏まえつつ、必要な用地の確保など条件を整えた上で、進めてまいりたいと考えております。なお、当該取り組みにつきましては、庁内関係部署とも連携する中で用地の確保などに取り組んでまいります。以上

質問

現在、用地の確保等、条件が整っている保育所はあるのか。

答弁

老朽化が著しい軽量鉄骨造の3保育所につきましては、仮設園舎設置や移転に係る用地として、近隣の公園やその他の公共用地で活用できる土地の有無について検討しておりますが、現時点で用地の確保等、条件が整っている保育所はございません。以上

質問

築48年経過した軽量鉄骨は、耐震等子どもたちの安全は確保されるのか。

答弁

耐震診断が義務付けされる建築物の要件について、幼稚園・保育所の場合には、2階建てかつ面積1,500㎡以上が対象となっており(※)、本市の公立保育所はいずれも該当しておらず、耐震診断は実施しておりません。しかしながら、建築基準法に基づく建物・設備の点検結果等を踏まえ、予算の範囲内で必要な補修を行うとともに、保育現場からの報告に基づき保育所運営に支障のないよう、適宜、施設の修繕を実施するなど、子どもの安全確保を図っているところでございます。以上

質問

条件が整っていると考える武庫東保育所の建て替えをどう考えるのか。

答弁

軽量鉄骨造の3保育所の建替えを進めるにあたっては、本市の財政状況を踏まえるとともに、条件を整える必要がございます。公園や学校、住宅に係る用地については、それぞれにおいて定められている法令や計画等に基づいて活用しているものであり、容易に保育所の建替え用地として利用できるものではありません。武庫東保育所につきましては、市営時友住宅の建替えに伴う余剰地の活用に関して、平成25年7月に庁内検討会議が開催されており、その中で、当保育所の建替え用地としての活用案も協議されたところでございます。今後、時友住宅の建て替え事業の進捗状況を勘案しながら、関係部局との調整を図る中で、検討を進めてまいります。以上

質問

子どもの貧困がもたらす状況について、行政が支援に乗り出すことが深刻な虐待や不登校を改善に向かうための手段であると思うが、市長の見解は。

答弁

虐待や不登校などの問題の背景には、複数の要因が複雑に絡み合っているケースが多く、経済的困窮も大きな要因であると認識しています。これらの問題への対応にあたっては、これまでも支援を必要とする子どもの早期発見・早期対応、並びに予防の観点から、庁内外の関係機関による情報共有や連携による支援をはじめ、学校現場にスクールソーシャルワーカーを配置し、教育分野に福祉の視点を取り入れるなど関係機関との連携に努めています。このたびの組織改正は、子どもを取り巻く環境に対して、より改善を図るべく、子どもを主軸に置き、子どもや青少年に係る施策を推進することを意図したものであり、この体制のもと、関係機関の更なる連携強化を図ってまいります。(以上)

質問

尼崎市の子どもの貧困は、全国や近隣市の状況からも深刻である。本市の子どもの貧困をどう思い、どんな対応をしようとしているのか。市長の見解は。

答弁

本市の小中学校の就学援助認定率が近隣他市に比べて高いことなどから、子どもの置かれた経済的状況は厳しいものであると考えております。本市における子どもの貧困対策は、国の定めた「子供の貧困対策に関する大綱」においても重点施策として示しているように、一般的な子ども関連施策をベースとした教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援などを実施しています。今後も子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、現行の子ども関連施策をベースとして多様な主体と連携しながら、子ども・子育て支援の更なる充実に取り組んでまいります。以上

質問

子どもの貧困に対する支援をする上で、個人情報の取り扱いには細心の注意を払いながらも、実態を知ることが必要だと思うが、見解は。

答弁

「子供の貧困対策に関する大綱」にも示されておりますとおり、国は、地方公共団体が子どもの貧困対策を企画・立案し実施できるよう、全国的な子どもの貧困の実態について調査研究するとともに、特色ある先進施策の事例などの情報提供に努めるとしています。本市といたしましては、これら国が行う実態調査等の情報把握に努めるとともに、本市の各種データも含め、関係部署と共有し、本市における子どもの貧困対策の取組に活用したいと考えております。以上

質問

就学援助を早い時期に申し込み、入学準備に間に合うような支援が必要だと思うが、どうか。

答弁

就学援助の申請につきましては、毎年、4月上旬から下旬にかけ、案内等を全児童生徒に配布するなど、周知を図っているところでございます。新入学用品費につきましては、要保護児童生徒には生活扶助費として、3月の生活保護費から支給されておりますが、教育委員会が所管いたします、準要保護児童生徒に対しましては、対象者が市民税非課税世帯等であることから、毎年6月1日に決定されます市民税課税額をもとに、就学援助の審査を経て、毎年7月下旬をめどに支給いたしているところでございます。そのため、ご質問の入学準備に間に合うような時期での支払いは困難でございます。以上

質問

小学校で就学援助を受けている子どもに対し、中学校入学前に新入学用品が準備できるような配慮が必要であると思うが、いかがか。

答弁

文部科学省の取り扱いでは、新年度に支払われるべきものを旧年度中に支払った場合、国庫補助については、対象外となる旨を確認しております。本市におきましては、新年度において、家族構成や税情報などを元に、適正な審査を経て支給すべきものと考えており、旧年度中での支給は、財政上の観点からも困難であると考えております。以上

質問

尼っこ健診の14歳での健診受診率を上げる手立てをどのように考えているのか。

答弁

尼っこ健診の14歳の受診率は、平成22年度18%から、27年度23%へと、5%上昇しており、11歳で健診を受けた児童が14歳に達する平成25年度から、特に増加しております。このような結果は、11歳時の保健指導を通じ、健診意義が伝わったことに加え、教育委員会を通じた、保護者あての文書の配布や、担任教諭を通じた受診勧奨、尼っこ健診の受診意義を伝える授業の実施などによる効果と考えております。さらに、昨年度からは、保護者の都合に関係なく子どもだけでも受診できるよう、一部の中学校に出向き健診も実施しております。受診率向上は、何より子どもや保護者に、健診の意義と、継続受診の重要性を理解してもらうことが重要と考えており、そのためにも引き続き丁寧な保健指導に努めてまいりたいと考えております。以上

質問

糖尿病予備軍の子どもが増えていることに対し、原因と対策はどのように考えるか。

答弁

HbAlcの有所見率増加は我々も憂慮すべき状況であると考えております。この背景には、栄養バランスを欠いた食生活が大きく関係していると考えられ、特に野菜の摂取状況では、健診時の問診結果によれば、必要量を摂っているのは、11歳で6%、14歳で5%にとどまっています。また、保健指導の聞取りでは、糖分を多く含む乳酸飲料や果汁飲料などを摂取している子どもが多い傾向が見受けられます。さらに、身体活動量では、11歳で10人に1人、14歳で5人に1人が1時間未満となっております。この状況を改善するためには、望ましい生活習慣を選択することができるよう、丁寧な保健指導に努めるとともに、独自に作成した副読本を用いた授業などの効果的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。以上

質問

子どもの半分以上が、生活習慣病の予備軍であることの原因と対策はどのように考えるか。

答弁

議員ご指摘のとおり、健診受診児童・生徒の半数が何らの所見がある状況は憂慮すべきものと考えております。このような実態の背景には、先ほどもこ答弁申し上げましたとおり、食生活や身体活動量の低下、糖分の多い飲料の摂取など、生活習慣の偏りが関係していると考えられます。これらの解決に向けては、所見の有無に関わらず、すべての児童・生徒が望ましい生活習慣の選択力を獲得できるよう、その学習環境づくりについて、教育委員会と連携し、進めているところでございますが、ヘルスアツプ尼崎戦略推進会議・保育学校教育部会においても、さらに検討してまいります。以上

質問

国保加入世帯の有所見率が高いことについて、原因と対策はどのように考えるか。

答弁

国保加入世帯とその他世帯との健診結果に関して、お示しできるものとしては、健診時の問診結果がございますが、そのうち、野菜の摂取状況について見てみますと、1日の基準量を摂れている児童・生徒は、国保加入世帯以外では6%で、国保世帯は2%低いでした。平成26年に実施された国の国民健康・栄養調査結果では、所得の低い世帯では高い世帯と比べて、野菜の摂取量が有意に少ない結果となっていることからも、尼っこ健診の結果が所得状況と関係していることが推測されます。しかしながら、まずは望ましい食生活の選択力をつけることが重要と考えており、医療保険に関係なく、学習機会の提供など、生活習慣病対策を進めてまいります。(以上)

質問

有所見の重なりが多い子に対する、継続的な保健指導や医療機関の受診はどうしているのか。

答弁

尼っこ健診の結果、有所見があった児童・生徒に対しては、個別保健指導を行い、その改善効果を確認するため、翌年、再度健診を勧め、保健指導を行うなど、継続的なサポートを行っております。さらに、健診結果でデータが悪いなど、疾病が疑われる児童・生徒に対しては、必ず医療機関を受診するようお伝えするとともに、その後の受療状況を確認しております。以上

質問

今の体制で継続的な保健指導はできているのか。

答弁

尼っこ健診結果で継続的なサポートが必要な児童・生徒があった場合、給食の食べ方や、体の動かし方、保健室での継続的な体重測定など、保健指導の場で本人と確認した生活改善の内容について、各学校養護教諭に情報提供するなど、生活改善を継続的にサポートする仕組みづくりを行っております。しかしながら、学校内では、健康に課題のある子どもだけに指導することが、偏見につながる恐れがあるなど、対応について苦慮している実情もあります。こうしたことから、現在、健康支援推進担当と学校保健課などが参画する「ヘルスアップ戦略会議・子どもハイリスクアプローチ部会」において、本人や保護者に対する継続的なサポート体制や指導方法について、引き続き、協議・検討を行っているところでございます。(以上)

質問

小学校にいる管理栄養士の仕事はなにか。なぜ保健指導に加わってもらわないのか。

答弁

本市の小学校には、栄養士または管理栄養士の免許を持つ、栄養教諭もしくは、学校栄養職員が配置されております。その職務内容といたしましては、大きく分けて「学校給食の管理」と「食に関する指導」の2つがございます。また、各小学校には、「学校保健情報の把握」と「保健指導・保健学習」等を担う養護教諭が配置されており

ます。その両者の事務分担といたしまして、栄養教諭または学校栄養職員につきましては、「学校給食の管理に関すること」を主に行っており、養護教諭につきましては、学級担任と連携しながら「学校における保健指導」に取り組んでいるところでございます。そうしたことから、管理栄養士である栄養教諭または学校栄養職員は保健指導に直接携わっておりませんが、栄養面から子どもたちの健康を支えているところでございます。(以上)

質問

養護教諭、管理栄養士、保健師等の連携により、有所見の重なりが多い子どもが自分で、実行できる手立てがとれないか。

答弁

先ほどもこ答弁申し上げましたように、栄養教諭または学校栄養職員は、「学校給食に関する業務」や「栄養や食事の取り方などの食に関する指導」を行っているところでございます。(ご質問のような肥満などの有所見がある児童生徒に対しましては、養護教諭を中心として、学級担任との連携のもと、児童生徒の日常の健康観察に努めるとともに、食事や運動などの生活面において改善すべき事項など必要な保健指導を行っでおります。いずれにいたしましても、両者が相まって子どもたちの健康を支えているところでございます。以上