12月市議会本会議の松村ヤス子議員の一般質問の発言です

日本共産党議員団の松村ヤス子です。まず初めに、旧開明小学校校舎の更なる活用についてお尋ねします。市は地域学習館の運営を市民団体にゆだね、維持費として、今年度までは、市が年間330万円を負担するが、来年度からは、市の補助金が出されない中で運営ができなければ廃止する計画としています。こんなことでよいのでしょうか。市民の活動・学習の場である12か所の地域学習館を存続できるように支援するべきです。地域学習館で活動をしている市民からは、市の支援を継続して、廃止させないでほしいとの切実な声が上がっています。市民が活動なかまと一緒に積極的・意欲的に活動することは、心身の健康増進にも大きく役立ち、高齢者の引きこもりの防止にも貢献しています。地域学習館の廃止によるマイナス面の大きさを考えるべきだと思います。地域学習館は、ボランティア活動の拠点としても使われています。存続できるよう、市の支援を求める切実な要望があるなか、今年度限りで打ち切られます。地域住民が、維持管理に全責任を負うことは、現実的には無理があり、廃止を余儀なくされるでしょう。地域内の社会福祉協会の会長さは、「開明地域学習館を使用して、地域内の一人暮らしの高齢者の孤立を防ぐために、お茶とお菓子とおしゃべりを楽しんでもらうボランティア活動をしている。廃止しないでほしい」と切実な声をあげておられます。高齢者の健康保持にも貢献しているとの自負も大いに持っておられるのを感じました。しかし、「地域学習館が廃止された場合の対応も考えておかなければならない。廃止されたからと言って、これまで行ってきたボランティア活動をやめるわけにはいかない」と強く言われています。そして、地域振興センターが管理している旧開明小の教室を地域学習館並みの使用料で、使わせてもらえないか」との要望も話されていました。しかし、中央地域振興センターの職員さんからは、もともと、公民館分館であった地域学習館と地域振興センターでは、定められている設置目的が異なるので、受け入れられない。使用目的を定めているルールが違うので」と説明しているのが、たまたま、耳に入り、「これではあかん」と思いました。このように、特に、市民福祉活動に類するボランティア活動は、支援される市民にとっても大変重要な意味を持っていることに配慮し、活動の中止・廃止を防ぎ、継続できるように支援すべきと考えます。とくに、公益的な活動をする場合の使用料は、全額無償にするなどの配慮をすることが必要と考えます。旧開明小校舎は、国による登録文化財に指定されており、現在、外壁の塗装工事をしています。塗装工事で登録文化財らしく保存することも意味あることですが、より大切なことは、有効な使い方がされているか、にあります。中央地域振興センターが管理している旧開明小校舎の3階の55%以上を占める面積が、埃が積もったままで使われないままになっています。使えるスペースがあるにも関わらず、使わせないのは、あまりにも硬直した考え方と言わなければなりません。

お尋ねします。開明地域学習館の閉館に伴い、活動できなくなった市民団体には、旧開明小の空き室を活用できるようにすべきと考えますがいかがでしょうか。ところで、公共施設の最適化の取組みを進めておられる中で、旧開明小校舎は3階部分が未活用になっています。この未活用部分についてはどのように有効活用を図ろうと考えておられますか。答弁願います。

次に、尼崎市バスの運転手の管理に関して質問します。来年度から市営バスを廃止して、阪神バスに移行します。それに関連して、不安をいだいている運転手さんたちもおられます。それだけでなく、あってはならないことですが、3人の任期付き職員の市バス運転手から、パワーハラスメントにあったとして、陳情が出されました。あらためて、パワーハラスメントに関して質問します。以下パワハラと略します。議会に出された陳情の趣旨説明は、以下のとおりです。「現在尼崎市交通局塚口営業所内において、我々任期付職員(バス運転士)が管理職者及び運行管理者からパワハラ行為や暴力的な言動を受け、4名の運転士が自律神経失調症や心的外傷後ストレス障害(PTSD)等の精神疾患に追い込まれ、病気休職を余儀なくされています。病気休職までいかなくとも、精神安定剤などを服用しながらなんとか乗務している運転士も多数います。このような状況では市バスの安全運行にも支障をきたし、市民の安心・安全にも影響がでかねません。早急に職場環境の改善を求めます。という内容のものです。

お尋ねします。陳情内容についての事実調査を行ったのでしょうか、まだ、行っていないのであれば、直ちに、調査すべきです。答弁願います

これで第1問目を終わります。

第2問目

厚生労働省が、ホームページで、パワハラについて掲載しており、それによると、パワハラは、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えることをいう。うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもある、とあります。また、パワハラは、業務の適正な範囲を超えて、言ったり、行動した側が、そんなつもりでなかったとしても、受けた側が、パワハラだと感じた場合は、それがパワハラになります。と説明しています。また、2012年1月30日、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」によると、職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」とされています。大変大事なことは、業務の適正な範囲を超えて、言ったり、行動した側が、そんなつもりでなかったとしても、受けた側が、パワハラだと感じた場合は、それがパワハラになると厚労省がのべていることです。」議長限りになり審議されないことになりましたが、交通局の職場内でおこったことについての陳情書です。任期付き職員からの陳情といえども、交通局の職員からの職場での出来事について述べられているものです。陳情書という形で、議会あてに出されものですが、本来、このような内容のものであれば、市の幹部職員は、真っ先に、調査を行ってしかるべきです。

お尋ねします何よりも、まず、パワハラを受けた本人からの直接聞き取り調査を行うべきと考えます。その際には、本人が信頼できる人を同席してもらうなどの配慮を行うべきと考えます。なお、聞き取りには、厚労省が、パワハラについて定義している立場に基づき、丁寧に、聞き取ることが必要と考えますが、いかがでしょうか。また、このようなパワハラを受けた人は、庁内のどこに相談を持っていけばよいのでしょうか。また、パワハラに対応する市の体制はどうなっているのでしょうか。パワハラは、なぜ発生するとみていますか。発生する要因は、どういうところにあるとみていますか。パワハラの発生予防対策としてどのようなことを行っていますか。それぞれ答弁願います。

次に南海トラフ巨大地震の津波等被害対策などについて質問します。3.11東日本大震災に続く、南海トラフ巨大地震の発生にともなう、津波被害に対する取り組みが国・自治体にとっての重要な課題になっています。まず初めに、南海トラフ巨大地震の津波等被害対策の強化・充実について質問いたします。兵庫県が今年、6月に策定した「津波防災インフラ整備計画」では、南海トラフ巨大地震の発生までの残年数は19.2年、尼崎市の想定最高津波水位は4.0mとしています。尼崎市は、地下水くみ上げによる地盤沈下で、市域の1/3を占めるJR神戸線以南は海抜ゼロメートル地帯で、防潮堤と閘門で守られている都市です。県の「津波防災インフラ整備計画」では、津波による浸水面積は3メートルを超える地域もあり、市域の20%に当たる約1000haにも及んでいます。また、津波到達時間は、117分、約2時間です、死傷者数は1万人を越え、1週間後の避難者は約4万人に達すると想定しています。こうした被害想定から、同整備計画では、防潮堤等の越流対策・引き波対策、防潮堤等の沈下対策として、液状化を防ぐための地盤改良に取り組み、2023年度までに浸水面積を尼崎市全体で91%縮減する対策事業を推進しているとあります。しかし、県の「津波防災インフラ整備計画」には、「実際の災害では、想定以上になる場合がある。命を守るためには「逃げる」ことが基本であり、状況に応じた適切な避難行動ができるよう、日頃から十分準備しておく必要がある」と何よりも「逃げる」ことの大事さを強調しています。本市では、東日本大震災を教訓として、被害が想定される地区では3階建て以上の建築物を津波等一時避難場所に指定し、また、指定避難場所になっている小中学校の耐震化にも取り組み、災害情報の伝達のために防災行政無線の拡声器の増設、防災ブックを作成しての啓発なども推進しています。さまざまな取り組みを進めていることは、大変重要ですが、まだまだ、十分とは言えません。高齢者や障害者も含めて、避難できる体制をどう作るかが、極めて重要です。本市の人口は約44万6千人ですが、そのうち、避難行動要支援者、つまり、一人での避難が困難だと思われる、独居老人、身体障害者など、社会的弱者の方たちが約9万4千人・21%です。そして、その半分の約5万人が避難行動要支援者名簿への記載を希望していると市が説明しています。しかし、ともに考えようと市は地域に言っているが、具体的な避難支援策を示していないと、社協関係者から伺っています。

まず、お尋ねします。避難行動要支援者名簿への記載を希望している要支援者が避難するためには、どのような具体的な避難支援策が立てられているのでしょうか。答弁願います。

兵庫県瀬戸内沿岸に津波警報、大津波警報が発令された場合や洪水が発生し、もしくは洪水の恐れがある場合、避難勧告、避難指示が発表されたときに緊急一時的に避難できる所として「津波等一時避難場所」が指定されています。その指定に当たっては、耐震化工事が完了した建物や昭和56年以降の「新耐震基準」に合致した建物、鉄筋コンクリート造等の建物、3階以上に避難できるスペースがあり、24時間体制での避難が可能であることの4つの条件を満たしている建物です。尼崎市では、この津波等一次避難所に指定されている民間の建物は170か所、公共の建物が154か所、合計、324か所で、28万2050人分を確保しています。多くの民間施設の同意が得られたことはありがたいことです。しかし、いざというときにその「津波等一次避難場所」が、十分利用されなければなりません。

お尋ねします。特に、夜間に地震津波が発生し、電源が喪失し、避難行動要支援者も含めて、津波等一時避難場所に避難する場合、暗い中でも、避難できるように、具体的な手順などについて、地域住民との具体的な協議と訓練が必要だと考えますが、いかがでしょうか。市内全域で、避難勧告、避難指示が短時間で解除されたものの、津波による被害が広範囲におよび、自宅に戻れない場合は、津波等一次避難場所に避難した人は、公的施設等への移動が考えられますが、どのように対処するのでしょうか。今年9月の茨城県の大水害でも経験したように広範囲に亘る浸水状態の回復には数日を要すると想定しておくべきです。その場合の避難者への支援についても検討されているのでしょうか。 それぞれ答弁願います。

また、南海トラフ巨大地震による被害は、歴史に残っている、これまでの被害を越えることも否定できません。巨大地震・津波が発生した場合、自衛隊や全国からの支援が得られる時期は、尼崎市以上の被害が想定される和歌山や四国、大阪市、淡路島などが優先されることになると考えます。それに、都市化が進み、密集市街地がある本市では、鬼怒川水害のようにヘリコプターによる救助も困難が予想されます。地震・津波が発生した場合、各地域が機動力や通信、エネルギー面で孤立する可能性があります。津波等による浸水想定地域における救援・救難活動は、消防団、自主防災組織、尼崎市が相互連携して行えるようにしなければなりません。中央地域以外では、地域振興センターと地区会館を統合して、複合施設を建設し、あわせて、防災機能を整備する計画になっています。

お尋ねします。南海トラフ巨大地震等が発生し、地震の影響により、電源喪失状態であっても、「庁舎を維持するうえで、必要な電力が賄えるよう」蓄電池を装備するなどの対策が必要と考えます。答弁願います。

南部に位置し、高齢者の割合も避難行動要支援者の割合も高い中央地域にある中央地域振興センターと地区会館は、津波浸水に対応できることや救難・救助機能の整備を図ることが優先すべき課題になると考えます。地域住民は、何かあったら日常的に慣れ親しんでいる、中央地域振興センターのある旧開明小学校に避難することが十分に考えられます。

お尋ねします。それだけに、平時の利用においても、バリアフリー化へ配慮として、エレベーターの設置が必要だと考えます。加えて、中央地域振興センターへの避難者が、利用できるエレベーターの設置は、不可欠です。災害対応機能のあるエレベーターを設置することが必要だと考えます。答弁願います。

中央地域以外では、地域振興センターと地区会館を統合する複合施設が概ね300人収容できる災害避難所として計画されており、そのための備蓄も行う計画になっています。複合施設への建て替え完了時には市の南部地域は、中央地域分と合わせて、1千人以上の一時避難者の受け入れが可能となります。津波到達前には、地域の自主防災組織、消防団の活動により、複合施設への避難誘導・支援を実施し、津波後の浸水状態を見定め、消防団、市民、行政が協力して、民間建物の一時避難場所から一定量の物資等の備蓄がある公的な避難場所への誘導等を行うことになると受け止めています。

お尋ねします。南部の複合施設や、中央地域振興センターには、防災機能の一部である人的機能を補完するボートなどの機動力、救難・救助装備、消防団、職員、市民の身体防護機能の配備及び、飲食料、防寒用毛布等の備蓄を図る必要もあると考えます。答弁願います。

2012年の国の南海トラフ巨大地震による最大クラスの津波想定発表以来の具体的対応は国の補助対象となる学校耐震化や被害低減を図る具体的な施策については、民間等の施設を主とした津波等一時避難場所の指定、防災行政無線の屋外拡声器の増設など、突然訪れる地震・津波の発生に対して、市民のいのちを守るために、様々な取り組みをしておられることを心強く思っています。しかし、更なる取り組みの強化も必要だと思います。

そこで、お尋ねします。避難勧告や避難指示が出されたときの避難場所として、小・中・高等学校、地域総合センターなど、81か所を指定避難場所と指定していますが、その指定避難場所では、毛布や飲食料の備蓄は十分されているのでしょうか。しっかりと、備蓄しておくべきと考えます。答弁願います。また、市民の救助にあたる消防団員や自主防災組織、市職員の身体生命の保護対策は検討されているのでしょうか。答弁願います。

本市は過去に台風による大水害により甚大な被害を経験しました。それが契機となり、市民の力も得て、防潮堤が建設されました。市の存亡をかけて取り組んできた歴史です。いつどのような状況下にあっても、「市民の安全を守る」「命を守る」ために、市民とも力を合わせて、取り組みを強められることを求めて2問目の質問を終わります。

第3問目

尼崎市だけでなく、民間職場においても、そこで働く人たちは、通常、責任の重さと権限の大きさによって、縦系列におかれています。何気なく発した言葉もで、傷つく人がいたり、場合によっては、平気な人がいるのも事実です。それだけに、常に、相手の身になって考えることを鍛錬しなければならないと思います。尼崎市役所の職場環境が、仕事には厳しくても、上司の温かさが伝わる職場環境であってこそ、職員の士気も上がると思っています。市民の一人として、そういう尼崎市役所であってほしいと心から願っています。また、市民が主体になっての地域活動が、積極的に行われる時代に変化しつつあります。そういう市民活動を後押しする自治体であってほしいと願っています。毎日の天気予報のように、気象の変化は、ほぼ正確に予知できる時代になりました。しかし、地震の場合は、まだまだ、そういうレベルでの予知は不可能です。それだけに、南海トラフ巨大地震の津波等の被害対策、特に、ゼロメートル地域に住む私たちには、命がかかった問題なのです。自力で避難できる元気な人の命も、自力で避難できない、災害弱者の命も、同じ大切な命として、守りあえる尼崎市でなければと強く願って、質問してまいりました。これで、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。