12月市議会本会議、徳田みのる議員の一般質問の発言です。

第1登壇

日本共産党議員団の徳田稔です。私は、65歳以上の要介護者の障害者控除対象者の認定、休日夜間急病診療所の深夜帯の小児救急社会保障・税番号、いわゆるマイナンバー制度の問題について質問を行います。65歳以上の要介護者の障害者控除対象者認定についてです。所得税、市県民税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に得た所得にかかる税金です。税額の確定方法については、事業をしている人などは、自ら得た所得の確定申告を翌年の3月15日までに行って、所得税、市県民税を納めます。給与所得者は毎月の給料などから税金を源泉所得税として天引で徴収され、勤務先が行う年末調整などで1年間の税額が確定されます。そして市県民税は、翌年に勤務先の給料から天引きされます。納める税額の計算は、1月1日から12月31までの所得総額から、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、損害保険料控除などをまず差し引きます。差し引かれて残った金額に、一定の率をかけて、さらに一定の税額を控除して納める税金が決まります。この差し引く所得控除の1つに障害者控除があります。障害者控除は本人や配偶者、扶養親族が、3級から6級までの障害者手帳を持っている方は普通障害者控除、1級、2級の障害者手帳を持っている方は特別障害者控除を受けることになります。普通障害者控除額は所得税27万円、市県民税26万円、特別障害者控除額は所得税40万円、市県民税30万円、納税者と同居の特別障害者は所得税75万円、市県民税、53万円となり、その分、税金がより安くなります。この障害者控除の取得にはその他に、本人、配偶者、扶養親族が65歳以上で介護保険の要介護認定を受けている場合にも障害者控除を取得できる場合があります。この税法上の65歳以上の要介護認定者の障害者控除対象者の認定は市町村が行います。判定の基準は要介護判定とは異なりますが、普通障害者控除対象者は要介護1から3の方のうち、身体障害者3級から6級に準ずる人、特別障害者控除対象者は、要介護4,5の方で重度の知的障害者に準ずる人、身体障害者1級、2級に準ずる人、ねたきり老人等の人です。この障害者控除を活用することで所得税、市県民税が減税されます。普通障害者控除は1人、所得税。市県民税を合わせて4万円程度、特別障害者の場合には5万円から7万円程度、同居の特別障害者の場合には9万円から15万円程度の税金が安くなります。事業者は確定申告で、給与所得者は勤務先が発行した源泉徴収票をつかって近くの税務署に行って還付申告をおこなって、税金の還付を受けることになります。尼崎市では1から5までの要介護認定者は今年5月末の時点で、1万6千361人となっています。障害者手帳を持っている人は手帳をもとに障害者控除が取得できますので、障害者手帳の取得者を除いても1万人以上の方が、65歳以上の要介護認定者が所得税、市県民税で障害者控除対象者であると推定されます。尼崎市では、この65歳以上の要介護認定者が、その年の所得申告の障害者控除対象の認定を受けるためには、翌年1月に入ってから市役所に申請を行う必要があります。平成27年分の障害者控除対象の認定申請は、来年1月から受付がはじまります。市役所は申請があった人のみ要介護認定の資料をもとに障害者控除対象の認定を行い、認定書を発行します。納税者はこの認定書を使って、減税を受けることになります。尼崎市が障害者控除対象認定書の発行数は、平成23年度は81通、24年度は101通、25年度は170通、26年度は175通となっています。お隣の西宮市では、平成25年は567通、26年は614通です。西宮市の人口は尼崎より4万人も多いのですが、65歳以上の高齢者の人口は1万人以上少ないのです。尼崎市の障害者控除対象認定書の発行数が西宮の3分の1程度では、少ないのではないでしょうか。この制度の周知が市民にされていないと思われます。

そこでお尋ねします、65歳以上の要介護者の障害者控除対象の認定書の発行が少ないのを、市長はどうお考えでしょうか。見解をお答えください

障害者控除対象者の認定は要介護の審査を行う資料と同じ資料で行います。愛知県一宮市、新潟県上越市や新発田市、福島県郡山市など多くの自治体では、申請を待つのではなく、自治体が介護度1から5までの介護認定の一環として障害者控除対象の認定も同時に行い、毎年、すべての65歳以上の要介護認定者の障害者控除対象者には認定書を、翌年の1月末ごろに送付しています。障害者控除対象認定書を受け取った方は、本人の所得があれば、自らの申告に、認定を受けた方が息子さんなどに扶養されている場合は扶養者の申告に活用され、税金が安くなり、たいへん喜ばれています。

お尋ねします、尼崎市でも、愛知県一宮市、新潟県上越市、新発田市、福島県郡山市など多くの自治体が行っているように、申請主義ではなく、自治体が独自に調査、判断して65歳以上の要介護認定者の障害者控除対象の判定を行い、対象者すべてに障害者控除対象者認定書を送付すべきと思いますが、市長の見解をお聞かせください。

次に尼崎市休日夜間急病診療所の小児救急の深夜帯の診療問題について質問します。この問題は6月議会で行いましたが、県立尼崎総合医療センターがオープンし、5か月が経過しました中で、再度質問を行います。尼崎市は今年7月15日から、休日夜間急病診療所の深夜帯、午前0時から6時までの診療を中止し、県立尼崎総合医療センターで受診してもらう事にしました。合わせて、午前0時から6時までの深夜帯に看護師を配置して、あらたに小児救急電話相談を開設、症状が出ている子どもに対する相談を広く受けています。私は、6月議会の一般質問で、この診療体制の変更について、第1に、2次、3次を担うべき県立尼崎総合医療センターに1次救急業務を課すのは同院小児科の疲弊、崩壊につながる可能性がある。第2に、午前0時以降は県立尼崎総合医療センターの小児科で診て貰えることが県民に知れ渡れば、休日夜間急病診療所の受診を控え、県立尼崎総合医療センターを受診する患者が増加、広域化が予測される。第3に、これまで休日夜間急病診療所が1次救急患者の中から2次救急の患者をふるいにかけ、患者の住所地や普段の受診歴などから近隣の各病院に分散転送させていたが、県立尼崎総合医療センターが一手に深夜の2次救急患者を引き受けることで、1次から2次への流れが悪くなることが懸念されると指摘しました。7月16日に開設した、尼崎小児救急相談ダイヤルの7月16日から9月末までの1ヶ月半の集計をいただきました。その集計によりますと、403人の市民から電話があり、そのうち助言・指導を受けた人は144人、翌朝にかかりつけ医を受診するよう勧められた人は20人、119番するよう勧められた人は1人、尼崎総合医療センターを紹介された人は234人です。総合医療センターを紹介された人は全体の6割に上っています。私は、まず深夜帯の電話相談は小児科医師を配置して行い、効果を検証してから、どうするのか考えるべきと質問しました。当局は、尼崎小児救急相談ダイヤルでは、阪神南圏域小児救急医療電話相談を担当している看護師を配置し、兵庫県小児救急医療電話相談を参考に研修を受けるなど経験を積んだ技術のあるスタッフが対応することになっている。相談員が医師にアドバイスを求めたい事例が生じた場合は、県立尼崎総合医療センターの小児科医師に相談できるよう連絡体制をとって、相談員のバックアップができるようにしている。そして、当ダイヤルの開設後には、県立尼崎総合医療センターをはじめ、電話相談の関係者などと検証を行うと答弁されました。

そこでお尋ねします。電話相談開設のあと県立尼崎総合医療センターをはじめ、電話相談の関係者などと検証を行ったのでしょうか。行ったのであれば、検証の結果はどうだったのでしょうか。ご答弁をお願いします以上で第1問を終わります。

第2登壇

答弁ありがとうございました。答弁を踏まえて、第2問に入ります。市では65歳以上の要介護者の障害者控除対象者認定の周知のために、毎年,市報あまがさきやホームページでお知らせを行っていますが、申請が極めて少ないのは市民への周知徹底が不十分であると考えます。先ほど紹介した65歳以上の人口が尼崎市より1万以上少ない西宮市は、この障害者控除対象認定書は、尼崎市の3倍発行しています。西宮市では毎年新たに65歳以上の要介護認定を受けた人に対して、障害者控除の対象を独自に調査して、対象者と思われる人のうち、市県民税が課税されている人には障害者控除対象の認定申請用紙を送付するなどして、市民への周知徹底を図っています。

お尋ねします。対象者すべてに障害者控除対象認定書を送付するのかできなのであれば、少なくとも、65歳以上の要介護認定者のうち障害者控除対象となると思われる方に、認定申請用紙の送付を行って、この制度の利用を図るべきと思いますがいかがでしょうか。市長の見解をお聞かせください

次に休日夜間急病診療所についてです。尼崎総合医療センターのある看護師さんの話では、午前0時から朝6時までの小児救急患者が多い。24時間365日断らない診療を標榜しているので、どんな救急患者も診察をしている。深夜の現場の職員はたいへんであると、語っていました。今年の年末年始12月30日から1月4日は、小児救急患者が非常に増加することが予測されるため、午前0時から6時まで、休日夜間急病診療所の小児救急診療を臨時的に開設すると、市報あまがさき11月号に案内されています。

そこでお尋ねします。休日夜間急病診療所の午前0時から6時までの診療再開を年末年始のみにせずに、7月15日以前の元の診療体制に戻し、午前0時から6時までの小児救急診療を再開して、小児救急体制を強化すべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください。

次に社会保障、税番号いわゆるマイナンバー制度についてお尋ねします。この問題は、昨日,酒井議員が行いましたが、私なりの視点で行っていきます。私はマイナンバー問題を6月議会、9月議会でも質問しました。すべての国民への番号通知が行われ、来年1月からマイナンバーシステムの稼働が始まります.あらためてマイナンバー制度の問題について質問を行います。日本国内に住民登録している人全員に12桁の番号を割り振り、国が情報を一元管理するマイナンバー、社会保障・税番号が施行され、10月末から住民に番号を通知するカードの郵送が始まっています。配達間違いなどの事故が相次ぐ一方、住民が希望してないのに自治体がマイナンバーを住民票に記載したりするなどのミスも起きています。厳重管理が必要な個人のプライバシーを扱う仕組みなのに、始まったとたんにトラブル続きでは国民の不安は募るばかりです。尼崎では通知カードが、国の外郭団体の地方公共団体情報システム機構、ジェイリスから11月19日に郵便局に持ち込まれました。現在、各家庭に配達が行われています。そして来年1月から、税、社会保障や災害対策に限定して、マイナンバーの記入が求められます。通知カードの送付が遅れています。郵送は簡易書留であるから、本人や家族が不在の場合には、一定期間、郵便局に保管され、市民が受け取りにいかなければ市役所へ返送されます。昨日の神戸新聞に、日本郵便が1日に発表したしたとして、通知カードが45都道府県で計653万通が発送できていない。全体では88%が配達を終えた。最も遅れているのが愛知県の69.8%、次に、岡山県、大阪府、そして兵庫県は4番目の77.4%となっていると報道されています。現在、県下全体では2割以上の家庭に届いていません。私が、通知カードが各家庭に届かないで、尼崎市役所に返送されると想定される数についてお尋ねしましたら、当局は先の県会議員選挙の投票入場券の返送から推定して、通知カードの返送は3000通以上と答弁されました。全国的には発送数の5%から10%が届かない、都市部ではもっと多いと想定されています。尼崎市内の通知は22万世帯分ありますから、そこから推計すると尼崎での返送は2万通を越えるのではないかと思われます。市役所に返送された通知カードを、市民に渡すために、市は普通郵便で再度、来庁依頼を行い、市役所で手渡すとしています。

お尋ねします。市役所に返送された通知カードを来庁依頼しても取りに来ない市民に対して、市はどのようにしてすべての市民へ通知カードを手渡すのか、お答えください。

 次に、来年1月からの番号記入の問題です。尼崎市でも障害者福祉や国民健康保険、後期高齢者医療や介護保険などの社会保障の届け出、、地方税の申告や届け出などへマイナンバーの記入を求めることになります。ところがマイナンバーの通知を受けていない人、記入を拒否する市民が出ると考えられます。マイナンバーの記入をしなくても届け出書、申告書などは受付を受理すると聞いています。

お尋ねします。来年1月からマイナンバーの記入を求めたが、拒否する市民に対して、記入を強要をせず、不利益な扱いは行わないのでしょうか。お答えください

次に障害者や要介護者のマイナンバー記入の問題です。通知カードは点字表記がされていないため、一人暮らしの視覚障害者は、だれに番号を教えてもらえばいいのかと困惑しています。障害者や要介護者は本人一人の場合、あるいは同行者がある場合の番号記入の際に番号の漏えいの恐れも危惧されています。市は来年から市民課業務を民間に委託していきます。総務省は平成20年3月21日通達で窓口の受付と証明書引き渡しに限定して民間委託を容認しています。しかし、番号法にもとづくガイドラインでは、職員以外のものが情報提供ネットワークシステムに接続をさせて端末を操作して情報照会などを行うことを禁止しています。

お尋ねします。市民課業務の窓口を民間委託に対する、プライバシーの保護対策はどうされるのでしょうか。また障害者や要介護者の秘密保持はどのように対策をされるのでしょうか。お答えください。

本人が番号を記入しない場合に、自治体は付番機関である地方公共団体情報システム機構から、直接番号の提供を受け利用できます。また自治体内のそれぞれの分野ごとの個人情報をひもづけして管理するため、それぞれマイナンバーが管理されています。そのため番号記入がない書類の番号入手も可能です。番号の記入がない場合にも、マイナンバーが保有されていますので、市が独自に番号記入ができます。そのため市民から番号の提供が必要かどうか疑問が生じます。

お尋ねします。市民の提出の書類に記入がない場合は、本人に承諾なしに付番機関や自治体内から直接番号の提供を受け、記入を行っていくのでしょうか。お答えください以上で第2問を終わります。

第3登壇

 答弁ありがとうございました。3問目は要望にとどめておきます。要介護者の障害者控除対象認定書の発行の問題です。税金の問題はなかなか難しいと敬遠されがちです。ですからなおさら、市民へ丁寧な対応が求められます。その点では、65歳以上の要介護者の障害者控除対象の認定については、他都市でも実施されているように、申請を待つのではなく、独自に調査して、すべての対象者に認定書を交付することは少ない予算ででき、市民にたいへん喜ばれる施策です。ぜひ実施を要望します。できないのであれば、少なくとも対象者に対して、認定の申請用紙を送付すべきではないでしょうか。

 休日夜間急病診療所の小児救急の深夜帯の診療についてですが、常時の再開は難しいとの答弁でした。先日、尼崎総合医療センターの藤原久義院長と懇談しました。藤原院長は7月の病院開院当初はたいへん混乱していた。しかしまだ大変な事態が推移していると述べられていました。私は尼崎総合医療センターのためにも、尼崎休日夜間急病診療所が尼崎の軽い小児の1次救急患者に全面的な責任を持ち、病院、診療所がそれぞれの役割を分担していくことが必要であると思います。その為には尼崎休日夜間急病診療所の深夜帯の救急診療を再開することを重ねて要望致します。

 次にマイナンバー問題についてです。市民が市へ提出の書類へマイナンバーの記入がない場合には、市が独自に番号を入手して記入ができるとの答弁でした。そうであるならば、市へ提出の書類へのマイナンバー記入は、市民に記入を求めず、すべて市が独自に記入し、市民のマイナンバーの所持の機会を少なくして、情報漏えいを防ぐ必要があると思います。今回もマイナンバーについて、様々な問題点を指摘してきました、全国的に多くのトラブルも続いています。マイナンバー制度は、第1に、100%情報漏えいを防ぐ完全なシステムの構築は不可能、第2に意図的に情報を盗み売る人間がいる、第3に一度、漏れた情報は流通・売買され取り返しがつかない、第4に情報は集積されるほど利用価値が高まり攻撃されやすくなるという、4つのリスク、危険性が指摘されています。12月1日に、マイナンバー制度について弁護士や住民ら156人が憲法に保障するプライバシー権を侵害するとして、国を相手にマイナンバーの利用停止や削除などを求める訴訟を、仙台、新潟、東京、金沢、大阪の5つの地方裁判所に起こしました。今後、横浜や名古屋、福岡でも提訴が予定されています。そして東京地裁への原告代理人は「マイナンバーは1億3千万人の個人データをあつかう巨大インフラだ。いったん動き出せば、見直しは事実上、不可能。弊害が社会問題になる前に差し止めて、見直しすべきだ」と述べています。私も、このまま来年1月からの本格運用に突き進むのはあまりに危険であると思います。このようにマイナンバー制度の運用に対して、問題点や不安は完全に取り除かれていません。莫大な費用や手間をかけ、国民のプライバシーを重大な危険にさらすマイナンバー制度の導入よりも、現在使っているシステムを活用しながら、業務の効率化、適正化をはかり、市民の利便性を高めるために努力すべきです。マイナンバー制度を中止したとしても市民生活にはなんの支障も生じません。改めて、政府にマイナンバー制度の運用の中止を申し出ることを強く求めて私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。