9月議会、真崎一子議員の一般質問に対する当局の答弁です

質問

複合施設と保健福祉センターの計画をいつどのように市民に説明し、機能はどう考えているのか。

答弁

地域振興センターと地区会館の複合化や保健福祉業務の集約・再編を含めた「公共施設の最適化に向けた取組」につきましては、平成18年の支所業務再編以降、その実態と課題を検証する中で、平成23年11月に基本的な考え方を取りまとめました。具体的な取組内容につきましては、その後、平成24年2月に素案のたたき台を、さらに同年9月には素案を策定し、複合施設の設置場所候補地をお示しするとともに、福祉事務所を含めた保健福祉業務に係る総合相談窓ロ機能として、市内南北2か所に保健福祉センターを設置することとし、北部は塚ロさんさんタウン内に、南部は市役所第2駐車場において、中央公民館などとともに、複合施設として新たに建設することとしておりました。しかしながら、今後とも厳しい財政状況が続く見通しの中で、市役所第2駐車場の複合施設の建設については、方針変更を行い、南部の保健福祉センターは出屋敷リベルの床を活用するよう検討することといたしました。こうした取組につきましては、それぞれの策定段階において、市民説明会やパブリックコメント、あるいは社会福祉協議会をはじめ、各種団体の会合などを通じて、その都度、適宜ご説明申し上げ、できる限り丁寧にご意見をお聞きする場を設けてまいりました。今年4月の総務消防委員協議会におきましては、そうした市民の方々のご意見を踏まえ、複合施設の設置場所、機能や規模、並びに供用開始時期等をお示しし、5月には各地区において、広く市民を対象に説明会を実施したところであり、最初に建設を予定している武庫地区の複合施設については、防災機能を備えた地区のコミュニティ創造の拠点として、現在、施設のレイアウトや必要な設備など、設計を進めているところでございます。また、集約・再編を予定している保健福祉業務につきましては、保健福祉センターの機能や体制とともに、各地区で引き続き実施していく窓ロ業務など、詳細な内容の検討・調整を進めているところでございます。

質問

「他の保健福祉センターを希望される方は、柔軟に対応する」とは具体的にどういラことなのか。また、柔軟な対応とは、高田町.額田町限定なのか、他地域でも可能なのか。

答弁

新たに設置を予定しております保健福祉センターにつきましては、現在、各支所で実施しています乳幼児健診の環境を改善し、必要なスペースと設備等を確保する中で、より安全・安心に健診等を実施していこうとするものでございます。また、健診の実施にあたっては、健診後の個別的な支援も含めて、担当保健師による継続的な支援が必要であることから、新たな保健福祉センター設置後もこれまでどおりの地区割りで、健診場所を指定させていただきたいと考えております。しかしながら、何らかの事情で指定場所に来られない方につきましては、居住地に関わらず、その事情を十分にお聞きしたうえで、他の保健福祉センターでの受診を調整するなどといった対応に努めてまいりたいと考えております。

質問

今回の学区拡大で生徒や保護者の不安、進路指導等の教師の困惑をどのように把握しているか。

答弁

教育委員会といたしましては、今回の学区再編に向けて、「進路学習ノート」の配布や尼崎市PTA連合会と共催の尼崎市公立高等学校合同説明会の実施などに取り組んでまいりました。また、各学校におきましても、複数回の進路説明会とともに、個人懇談を実施するなど、きめ細かな進路指導を行ってまいりました。それらのこともあり、今回の学区再編につきましては、生徒、保護者、教員の不安解消に一定の役割を果たしたものと考えております。一方で、県教育委員会が実施した「新通学区域実施に関するアンケート」において、本市における複数志願制度の内容に関する生徒及び保護者の理解が、ともに85%であったことや、「どの高校を選ぶか悩む生徒が増えた」と感じた中学校長が多かったことなど、情報提供の課題もあったものと考えております。今後につきましては、中学校長会等とも更に連携し、より丁寧で、きめ細かい説明や進路指導を実施する中で、制度の理解や不安の払拭に努めたいと考えております。

質問

複数志願選抜後の尼崎の公立高校の入試状況をどう評価するか。232人の生徒はどこに行ったのか。さらに、今後どのような対策を考えているのか。

答弁

今回の入試結果につきましては、「第1志望への進学者が増加した」、「県内の他市町への進学者が増加した」ことから、「学びたいことが学べる学校を選ぶ」という学区再編の目的に対して、一定の効果はあったと考えております。一方、他市町から市内公立高等学校へ進学した生徒が増加したことについては、本市の公立高校が多くの中学生に選択されたものであり、尼崎市内の公立高等学校の魅力・特色が一定の評価を得たものであると考えております。ご質問の232人の生徒の進路状況につきましては、結果として、多様化し特色をもった、教育活動を行う私立高等学校の進学者が増加しているところでございます。いずれにいたしましても、生徒が学びたい高等学校へ進学できるよう、更なる学力向上と、個に応じた、きめ細かな進路指導を進めていきたいと考えております。

質問

「子どもの貧困」の背景は、非正規労働の増大と女性の賃金格差に要因があると思うがいかがか。

答弁

国民生活基礎調査をはじめとする各種調査結果では、1世帯あたりの平均所得金額の年次推移が減少傾向、雇用形態別における非正規雇用労働者の占める割合が増加傾向、子どもの貧困率は上昇傾向となっております。その中で、ひとり親世帯における子どもの貧困率が、大人が二人以上いる世帯に比べて大変高いことから、子どもの貧困の背景は、就労の不安定さやひとり親世帯における自立・安定した経済基盤の確保が十分ではないことが要因と考えられます。

質問

「子ども食堂」の実施に向けた取組は本市でも可能か。

答弁

「子ども食堂」の取り組みにつきましては、本市でも地域の自主的な活動として始められているところがあり、「食を通して地域から、ゆるく広くつながる居場所を作る」をコンセプトに、子どもだけではなく地域の大人も集まり、活動の輪を拡げられています。この活動は、子どもの貧困対策としての食の保障だけではなく、地域における子どもの居場所の確保、大人も含めた地域における交流を目的としており、すべての子どもの育ちを地域社会全体で支えるという意味で、有意義な取組みのひとつだと認識しております。そうしたことから、地域社会の子育て機能向上事業において、他都市での事例や活動のために有益な情報の収集や提供、地域に対する周知などの側面支援を行っているところであり、今後も、本市の子ども食堂の取組みが拡がるよう、引き続き、こうした支援を続けてまいります。

質問

南北の保健福祉センターの場所は確定しているのか。具体的な進捗状況はどのようになっているのか。また、塚ロさんさんタウンについては、武庫地区の複合施設供用開始に間に合わない場合、どうするのか。

答弁

「公共施設の最適化に向けた取組」におきましては、市内南北2か所に保健福祉センターを設置することとし、その場所につきましては、交通の利便性や配置バランスなどを考慮する中で、北部は塚ロさんさんタウン内に、南部は出屋敷リベル内に設置することとしております。塚ロさんさんタウンにつきましては、3番館が建替えに向けた検討が進められていることから、1番館での入居を視野に入れて、床の所有者と賃借する方向で協議を続けているところですが、現在のところ、確約をいただくまでには至っておりません。また、出屋敷リベルにつきましては、市の持ち床である駐車場部分を改修して活用するといった考え方のもと、駐車場を事務所機能に転用するにあたっての、技術的、法的な検証をしてきた中においては、設置が可能であると判断しているところでございます。各地区の複合施設の設置につきましては、保健福祉業務の集約・再編と一体的に行っていく必要があるといった認識のもと、これまで各方面との調整に取り組んできたところであり、現在でもそうした考え方に変わりはなく、今後とも保健福祉センターの設置に向けて、精力的に協議を続け、調整を図ってまいりたいと考えております。

質問

保健師が直接家庭訪問等を行うことが困難なケースについては「地域で柔軟に対応する」との答弁があったが、具体的にはどのように対応するのか。

答弁

家庭訪問など直接自宅への訪問を辞退(謝絶)されるケースについては、各地域振興センターなどの公共施設を利用して面接などを行うことで、柔軟に対応することを考えております。

質問

保健師は地域から遠くなり、相談窓ロもなくなることで地域の人との繋がりが薄くなると考えるが見解はどうか。

答弁

2か所の保健福祉センターでは、今までと同様に保健相談を実施するとともに、保健師の地区担当制は継続してまいります。そうしたことから、保健師は必要に応じて、これまでどおり地域に出向き、民生児童委員等とも連携を図りながら、支援を必要とする方々に関わっていくこととなりますので、地域との繋がりが薄くなることはないものと考えております。

質問

現在地域保健担当で行っている精神障害者の交流会や教室はどのように継続するのか。

答弁

精神障害者に係ります自立を支援するための交流会や教室につきましては、各地域の地区会館などの公共施設を活用することにより、今までと同程度のスケジュールで実施することを検討しております。

質問

地域保健・福祉担当の集約によって、障害者や母子、高齢者等の相談窓口が無くなっても良いのか。市民や保健師等の現場の声を聞いて対応すぺと思うがいかがか。また、相談支援の充実を図るということであれば、支所機能の充窯こそ必要なのではないか。

答弁

身近な地域で福祉と保健が一体的に相談を受け、必要な支援を行っていくことは,重要であると考えておりまず。しかしながら、厳しい財政状況と限られた人的資源の中では、6か所愈てにおいて、十分なスペース等を確保するための施設整備や人的配置を行うことは、非常に困難であります。そのため、業務を2か所に集約・再編することによって、保健と福祉が一体的に対応していける総合相談窓口機能の充実や、安全・安心な健診等の環境改善を図っていこうとするものでございます。また、業務を集約・再編することによって、保健部門と福祉部門の職員を一体的に配置することにより、情報共有や連携がスムーズに行え、同行訪問などの機会も増え、迅速な対応や多方薗からの支援が可能になると考えており譲す。さらに、各支所におきましても、社会福祉協議会を身近な地域の相談窓ロとして、簡易な申請受付等ができるよう、調整を進めているとともに、引き続き、地域振興センターとも十分に運携・協力しながら、適切な支援に努めてまいります。こうした取組の内容につ奢ましては、これまで市民説明会やパブリックコメント等を通じて,市民の声をお聞きするとともに、関係職員と協議・検討を行う中で、まとめてきたものであり、今後も引き続き、市民や職員の意見を聞き、対応してまいりたいと考えております。

質問

尼崎の高校は他都市からみても魅力ある高校であることから、今後ますます尼崎の生徒が、尼崎の高校からはじかれる事態が続くと危惧するがどうか。

答弁

本市にある公立高等学校が、他市町の生徒からみても魅力のある高等学校となっていることは、喜ばしいことであると思っておりますが、本市の生徒が、自分の希望する進路を実現することができるよう、更なる学力向上を図るための取組を進めるなど、今後とも教育委員会と連携して取り組んでいく必要があると考えております。

質問

尼崎の子どもたちにとって、学区の拡大が良かったと考えているのか。

答弁

教育委員会といたしましては、今回の結果につきまして、「他市町への進学者が増加した」、「第1志望への進学者が増加した」ことからも、「学びたいことが学べる学校を選ぶ」という学区再編の目的に対して、一定の効果があった反面、「一部の高等学校で定員割れや志望校の偏りがあった」、「他市町等から市内高等学校への進学者が増加した」という状況が生まれました。学区再編により、公立高等学校もそれぞれの魅力や特色を打ち出しており、生徒にとっては、多様な高等学校の選択ができるようになっていることから、今後につきましても、より一層の学力向上と進路指導の充実に取り組むことで、多くの生徒が自分の能力や適性に合った進路が実現できるように、さらに取組を強めてまいりたいと考えております。

質問

市が行っている学習支援事業(無料学習塾)の今後の方向性についてどう考えているか。

答弁

平成24年7月から福祉事務所で実施している学習支援事業は、学力向上を目的とした一般的な塾とは少し性質が異なり、学業や進学の環境が十分に用意されない生活保護世帯の児童に対し、居場所を確保するとともに、学習への動機付けを含めた補助学習の支援などを目的に事業を開始しており、平成27年度からは、生活困窮者学習支援事業として、生活困窮者世帯の子どもも支援対象に加え、教室についても、2箇所から3箇所に増やして実施しているところです。現状においても、ボランティアの学生等の参加により運営を行っておりますが、今後、児童の登録状況、出席状況等をみながら、事業規模について、検討してまいりたいと考えております。