6月議会、松村ヤス子議員の一般質問に対する当局の答弁です

質問

特定健診・保健指導により、重症の生活習慣病を示す検査データが改善した者はどれくらいいるのか。また、その症状や病名はどのようなものか。

答弁

平成20年度の特定健診結果で、収縮期血圧180以上、又は拡張期血圧110以上の重症高血圧者179人の5年後の状況を見ますと、その95%が改善しており、中でも45%は正常範囲内となっておりました。また、HbA1c7%以上、LDLコレステロール180以上の重症者も約7割が改善しておりました。さらに、市民の人口10万対死亡率では、特定健診開始前の5年間と比べて、開始後の5年間では、虚血性心疾患や脳梗塞による死亡率が、男女とも減少しており、特に、虚血性心疾患では、国や県を上回る改善結果でございました。

質問

受診率が低い要因はどこにあると分析しているのか。

答弁

本市の健診受診率は、中核市比較で常に上位に位置しております。受診率向上に向けては、様々な分析を行っているところでございます。平成26年度からは、健診対象者を、過去の健診履歴などから、4つのグループに層別化し、健診受診動向や受療の有無などについて分析を行うとともに、それらの分析結果に応じた対策を講じたところであります。その一部を申し上げますと、「未受診層」のs割は通院中であったことから、通院先で健診を受けていただくよう案内を強化いたしました。また、「未受診層」で医療機関にかかっていない2割に対しては、ローソン健診の活用など、ライフスタイルに応じた健診機会を案内しております。一方、「受けたりやめたり層」のうち、約3割が3年目で健診を中断しており、この層の継続受診が、全体の受診率向上に影響を与える大きな要因と考えております。そのため、連続健診受診者に対する、インセンティブの付与などの対策を講じてきたところでございます。こうした取組の結果、平成26年度は前年と比べ受診率は24ポイント上昇いたしました。

質問

保健指導により改善した市民の声を、市報あまがさきなどでシリーズ掲載してはどうか。

答弁

これまで、健診・保健指導の情報の発信媒体として、「健診べんりちよう」や「健診すすめ通信」を活用し、保健指導により、健診結果が改善された方の、生活習慣改善に向けた取組を、広く市民の皆様に周知してきております。議員ご提案のとおり、保健指導を受けられた市民の状態改善の体験談は、同じように健康増進に取り組む方々のモチベーションの維持はもちろん、特定健診の受診率の向上に繋がるものと考えております。今後、市報やホームページ、フェイスブックなども含めて、効果的な方法を検討してまいりますとともに、健診の意義が伝えられ、健診に価値を見出してもらえる。より充実した保健指導に努めてまいります。

質問

市民の健康の保持・向上に向け、全庁的な連携、特に、健康支援推進担当と保健所が連携して取組むべきだと思うがどうか。

答弁

現在、市民の健康課題について、全庁的な調査や施策化を協議する場として、ヘルスアップ尼崎戦略推進会議を設置しており、健康支援推進担当や保健所も構成員となっております。この会議では、ライフステージ毎に部会を設け、事業連携について協議を進めてきておりますが、例えば、特定健診とがん検診の同時実施やフォローアップの役割分担など、具体的な取組につながってきております。今後も市民の健康寿命の延伸に向け、組織横断的な取組をより一層進めてまいります。

質問

生活保護受給者を対象とした健康増進事業健診を特定健診と同レベルの検査内容にする必要はないか。

答弁

生活保護受給者等を対象とした健康増進事業健診は、国が定める特定健診・特定保健指導に関する基本的な健診項目に順じた内容で実施しておりますが、平成25年度にはHbA1c、心電図検査、眼底検査を追加し、国保特定健診の検査項目に近づける内容で実施しております。対象者の約9割は医療機関を受診し、治療中の疾患があることからざ医療機関との連携により、健診結果もしくは新たに健診を受診しなくても健診と同等の検査結果などの診療情報を健康支援情報提供書により連絡をいただき、主治医の指示のもと生活習慣病に関連する保健指導を行っております。国の基準を超える検査項目のさらなる追加につきましては、引き続き検討してまいります。

質問

健康増進事業健診の受診率引き上げの努力について、受診率引き上げはケースワーカーの任務か、保健所の任務か。

答弁

健康増進事業健診は健康増進法に基づき保健所が実施しております。平成25年度から対象者に受診券を郵送したことにより、受診者数は前年度比27倍の増加があり、平成26年度も前年度比1.3倍と着実に増加しております。また、平成23年度から健診後の保健指導を実施し、受診者には継続した受診を勧奨することにより、約6割の方が継続受診されています。その他、受診率向上の取組として、受診券の個別郵送や未受診者への再通知も行っております。保健指導を通して、対象者の健康には、生活能力、限られた経済状況による食事の偏り、地域社会や人との希薄な関係性による活力・活動量の低さが影響していることを感じており、健康増進と地域社会や人とつながるきっかけとしてもケースワーカーと連携して健診受診を対象者へ勧めております。今後も保健所と保護課が連携して、受診率の引き上げ、対象者の健康増進に取り組んでいきたいと考えております。

質問

特養整備計画は、待機者の状況を勘案して計画されるのか。それとも、社会福祉法人の整備意向を調査し、その範囲内での計画とするのか。

答弁

特別養護老人ホームの整備計画につきましては、特養以外の施設・居住系サービスの整備状況や介護保険料への影響を勘案したうえで、特養入所申込状況調査において、在宅で入所の必要性が高いと判定された待機者数を基本として、整備目標数を設定しております。

質問

公共施設などの跡地を特養用地として積極的に活用することで、特養建設を促進できると考えるが、どうか。

答弁

市域が狭い本市においては、社会福祉法人による特別養護老人ホーム整備に伴う土地の確保が困難であることから、これまでも、市立学校の跡地の一部を売却により活用して整備を行った実績がございます。今後、市立学校の統合や市営住宅の建替えなどにより、大規模な余剰地が発生することが見込まれますので、より一層の活用について庁内合意を進めていく考えでございます。

質問

総合事業の移行にあたり、質の高いボランティアを確保できるのか。

答弁

総合事業においては、住民やNPOなどの多様な主体が地域での支え合いの中で、要支援者等に対する支援を行っていただくこととなりますが、安全なサービスを提供するにあたっては、介護に関する基礎知識なども必要であることから、担い手となっていただく住民の方々などに対する研修によって、質の向上と確保を図るよう検討しております。また、訪問介護員の資格は有していないものの、デイサービスにおいて実務経験がある人なども担い手として参画していただくことができるような仕組みについても、総合事業の枠組みの中で検討してまいります。

質問

総合事業に係る疑問・不安をどう解消するのか。また、サービス提供体制は、いつを目途に構築する予定なのか。

答弁

現在、総合事業の仕組みやサービス提供に係る基準や単価などを定めるガイドラインの策定に向けた検討を始めたところでございます。今後、利用者や事業者、社会保障審議会等の意見も聴きながら、議員ご指摘の点も踏まえて、課題等を整理し、できる限り早い時期に、ガイドラインを策定し、公表できるよう努めてまいります。また、総合事業への円滑な移行に向けて、平成29年度までに事業構築を図るとともに、移行後につきましても、サービス利用の実情などを踏まえ、必要に応じて再構築を図ってまいります。築を図ってまいります。

質問

資格者による支援を前提とし、ボランティアは補完的な役割を果たすことが望ましいと考えるがどうか。

答弁

総合事業は、近隣の住民同士の支え合い活動としてのサービスを利用したい方や、買物だけといった比較的軽易なサービスのみを利用したい方など、要支援者一人ひとりのニーズに合わせたサービスを提供する仕組みであり、住民やNPOなどのボランティアによる生活支援活動なども促進していく必要がございます。また、昨年度に実施した「高齢者利用意向調査」におきましても、要支援者の中には、地域のボランティアによる援助を希望する方もいらっしゃいます。ご質問のボランティアにつきましては、専門的なサービス提供を担う介護事業所とともに、要支援高齢者の多様なニーズに対応していくための一員であると考えております。