予算特別委員会総括質疑での松沢議員への主な答弁です

質問

国等への働きかけで、神戸、西宮と歩調が合っているか。神戸は生保水準と同程度で少額返済をしている人や連帯保証人も免除にすぺきと求めるが、尼崎市はどうか。

答弁

国、県への働きかけにおいて、これまでも神戸市、西宮市のみならず、関係市による協議・連携を図って参りました。平成27年1月に、新たな免除方針として生活保護受給者と自己破産による免責決定を受けている者を加えるという報道があり、その直後から国、県、関係市により断続的に協議を続けております。その中で尼崎市としましては、神戸市と同様に、生活保護水準と同程度で少額償還をしている人や連帯保証人も免除要件にするべきと求めており、さらに行方不明者などを含め、回収が不可能または困難な方への免除の適用拡大も求めております。

質問

現在、少額返済している方の中には、生活保護を受けている方も実際おられる。最低生活費から返済させること自体、矛盾するのではないか。

答弁

生活保護受給者の方は、国が定める最低生活費の基準額内で生活しておられますが、それぞれの生活状況により、月々、実際に要する生活費は異なるものでございます。加えて、責任を持って自ら返済をしたいといわれる方もおられる中、ご本人の同意はもちろんこと、福祉事務所の地区担当のケースワーカーにも相談・連携の上、月々に要する生活費の中で無理のない金額をご相談のうえ、返済していただく事例もあり、さらにその後の状況の変化に応じて、支払猶予するなど柔軟な対応も既に行っており、矛盾するものではないものと考えております。

質問

収納率を新年度に2%アップすることを目標にしているが、具体的にどのようにするのか。

答弁

本市国保の収納率は、平成22年度から4年連続で上昇しており、26年度においては、20年度以降、予算で設定している目標収納率の88%に近い率を確保できる見込でございます。平成30年度の広域化を見据え、滞納額を少しでも解消していく必要があることから、27年度予算の収納率目標を90%に設定したところでございます。平成26年度の目標である88%と比較して、2%の増を達成するための具体的な対策としては、短期被保険者証の交付による納付折衝機会の確保や、保険料徴収嘱託員等による戸別徴収、ロ座振替の原則化、高額滞納世帯への預金調査による納付指導及び差押えの強化などといった従来からの取組みに加え、27年度は、ロ座振替未実施世帯に対する電話勧奨業務やロ座振替キャンペーンの拡充のほか、現在、実施している高額滞納世帯への財産調査の対象範囲を拡充するなど、取組みを強化して参ります。

質問

職員指導について、その後、どのような対策を講じてきたのか。

答弁

本市では、被保険者の皆様に保険料納付の大切さをお伝えできるよう、丁寧な対応に努めておりますが、ご指摘のようなケースをはじめ、窓ロ等でご理解いた・だけない場合などは、速やかに記録を残すことで職員同士が情報を共有できるシステムを取っているほか、管理職からの直接指導、日常的な職場ミーティングによる報告や課内研修を実施しているところでございます。今後とも、被保険者の皆様にご理解いただけるよう、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。

質問

年収400万円、15歳未満の子ども2人の夫婦世帯の保険料はいくらか。

答弁

平成26年度での保険料で試算いたしますと、給与収入400万円で、お子さん2人と40歳以上のご夫婦2人の4人世帯の保険料は、医療分、後期高齢者支援金等分及び介護分を合わせますと、年間で555,952円となります。

質問

保険料を引き下げるため、一般会計から繰り入られているにもかかわらず、それでもなお高すぎて払えない被保険者が多数存在する原因はどこにあるのか。

答弁

本市国保は、被保険者の所得が他都市に比べ低位にあることから所得割料率が大きくなる構造となっており、同一所得・同一世帯人員で比較した場合、阪神間各市より高い保険料となる傾向にあります。

質問

繰入金6億円は、今後も国保料引き下げのため、繰り入れるべきではないか。また、国に対し、国庫負担を元に戻すよう要請すべきではないか。

答弁

本市国保といたしましては、極めて厳しい財政状況ではございますが、少しでもお納めいただき易い保険料設定に向けて、平成27年度予算においても、財政健全化4億円の繰入に加え、基準総所得に占める保険料負担率に着目して、負担率200/oを超える負担感の大きい世帯に対する特別減免のため、約2.3億円を繰入れ、保険料の軽減に努めているところでございます。今後につきましては、広域化の状況を見据え、判断してまいります。また、国庫負担割合の引き上げについては、これまでから全国市長会や近畿都市国民健康保険者協議会を通じて、国へ働きかけており、引き続き要望してまいります。9

質問

新規事業の生活困窮者自立相談支援事業では何を重点的に取り組もうとしているか。

答弁

生活困窮者自立相談支援事業は、生活困窮者自立支援法の目的である、「生活困窮者の自立の促進を図る」ための中核的な事業として位置づけられております。事業の実施に際しましては、そうした役割を担うために、課長のほか、主任相談支援員2人、相談支援員3人、就労自立支援員5人の計11人を相談窓ロに配置し、対象者の抱える課題が複雑化、深刻化する前の早期把握と包括的な支援を目標に、庁内関係各課、関係機関とのネットワークを構築してまいります。これによりまして、生活困窮者が制度の挟間に陥らないよう、できるだけ幅広く、早期に相談をお受けすること、そして、対象者一人ひとりの抱える事情や想いに寄り添いつつ、対象者の抱える多様で複合的な課題に対し、就労支援をはじめとした適切な支援を包括的に提供することを重点に取り組んでまいります。

質問

生活困窮者等就労準備支援事業も一人ひとりに寄り添って、長期の関わりが必要と思うが、その認識はあるのか。

答弁

生活困窮者等就労準備支援事業の利用を必要とされる方につきましては、生活リズムが崩れている、社会とのかかわりに不安を抱えている、社会人としての基礎的な知識・経験が欠けているなど、直ちに一般就労を行うことが困難な方を想定しており、これまでの生活保護受給者への就労支援と同様、就職に結びつくまでに長期の時間を必要とする方も多いと思われます。そうしたことから、生活困窮者自立支援法の施行規則で「1年を超えない期間」とされている就労準備支援事業の利用期間を経過した場合でも、それで支援を終了するということではありません。むしろ次のステップとして、就労準備支援事業の利用後も、中間的就労と言われている就労訓練事業へのあっせんを行うほか、ハローワーク等と連携して就労に結びつけるなど、就労自立支援員を中心にその方の新たな段階に応じた個別的、継続的な支援を行ってまいります。

質問

生活困窮者等就労準備支援事業の対象となった方が、所持金がなくなり、生活保護を必要とする場合にチエックができる体制となっているのか。

答弁

自立相談支援窓ロでは、相談支援員が支援対象者との面談を通じ、就労を阻害する課題やその世帯の生活困窮の程度を包括的に把握したうえで、保護課の職員を含めた関係機関による支援調整会議により、困窮度合いを確認するとともに、就労準備支援事業の利用を含めた支援計画を策定することとしております。また、就労準備支援事業の開始後につきましても、相談支援員や就労自立支援員による定期的な面談や、就労準備支援事業の受託事業者からの報告を通じて支援対象者の状況を把握する中で、困窮度合いが高いと判断される場合は速やかに保護課に引き継ぎを行うことで、生活保護制度の利用が必要な方への支援が適切になされるよう努めてまいります。

質問

特養の入所の必要性が高いという方々は、どのような判断基準で絞り込んだのか。

答弁要旨特別養護老人ホームにつきましては、国の指定介護老人福祉施設の運営等に関する基準において、介護の必要の程度及び家族等の状況を勘案して必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならないとされています。この規定に関する国からの通知に沿って、兵庫県において「介護老人福祉施設・入所コーディネートマニュアル」が策定されております。そのマニュアルを基に、各特養におきまして、入所の必要性を判断しております。具体的には、「本人の心身の状況」、「家族・介護者の介護力」、「在宅生活の可能性」、「住環境の状況」の4項目について、それぞれの評価基準に従って評価を行い、必要性に応じて、3つのグループに区分けをしています。その中で、最も必要性が高く、在宅で支援を受けている方を、本市においては、「特に必要性が高い」としているものでございます。

質問

市内にサービス付き高齢者向け住宅がいくつあり、尼崎市民が何人入居されているか。

答弁

平成27年3月1臼時点で登録されているサービス付き高齢者向け住宅は、30件、1003戸数あり、そのうち、24件、686戸数が入居可能な住宅でございます。ただし、サービス付き高齢者向け住宅は、介護保険施設ではないことから、介護保険法上、入居に対する届出の義務がないため、尼崎市民の入居者数を把握することはできないものでございます。

質問

低所得の高齢者が多い尼崎市では、特養の充足が最優先だと考えるがいかがか。

答弁

居住系のサービスのうち、特養は室料が定まっていることや補足給付の制度などがあるため、費用面で低所得者の方が比較的莉用しやすい仕組みとなっております。しかしながら、特養の整備につきましては、多額の財政負担と保険料への影響も大きいといったことがございますので、効果的な整備を図るといった観点から、待機者の状況を勘案して、より必要性の高い方のための施設数を確保することを目指して、整備目標を定めてまいったところでございます。第6期介護保険事業計画におきましても、同様の考え方で、大規模特養200床と小規模特養29床の整備を予定しております。

質問

要介護高齢者の安全確保、介護労働者の労働環境・処遇の改善は、地方自治体の責務であると思うがいかがか。

答弁

介護職員等の労働環境や処遇の改善がなされることによって、人材が確保されるとともに、適正な介護サービスの提供が行われ、そのことが、要介護高齢者の安全確保につながるものと考えております。また、介護サービス事業所の介護職員等の労働環境や処遇の実態を含めた運営状況を把握するとともに、要介護高齢者の安全確保がなされるよう、法令遵守について指導を行うことが、市の責務であると認識しております。

質問

国に介護報酬の引き下げの中止、介護報酬と別枠で実効性のある介護労働者の処遇改善を行うよう要請すべきではないか。

答弁

介護職員等の労働環境の改善や、賃金体系の整備等も含め、介護サービス事業所の運営上の収入源である介護報酬については、国の社会保障審議会の介護給付費分科会の議論を踏まえて、国の責任において決定されたものと考えております。このため、現時点においては国に要請することは考えておりませんが、事業所指導の機会等を捉えて運営状況の把握に適宜努めてまいります。

質問

要支援認定者へのサービスの受け皿について、市の基本的な考え方と具体策は。

答弁

平成29年4月から、介護予防訪問介護と介護予防通所介護の利用者が順次、総合事業に移行し、平成29年度末には、訪問型・通所型のサービス利用者数がそれぞれ、3,000人以上になると見込んでおります。そのため、事業者によるサービス供給量の確保を基本とし、住民やNPO、ボランティアなどの多様な主体も参画した支援体制の構築を進めてまいります。その体制の整備として、平成27年度から、利用者や事業者、社会保障審議会などのご意見もお聞きしながら、事業者の人員等の基準やサービス内容、事業所に支払うサービス単価など、本市としての具体的な運営基準等を定めたガイドラインの策定に取り組むとともに、生活支援コーディネーターの配置などにより、サービス提供体制の構築に取り組んでまいります。

質問

要支援状態を維持し、重度化させない取組はどうか。

答弁

平成29年度から実施する総合事業においては、介護予防事業の一一層の充実を図るとともに、要支援状態の維持又は改善などの自立支援に資するサービスが提供されるものとなるよう、ガイドラインの策定を進めてまいります。その中で、特に専門的な支援が必要な人については、引き続き、専門職による現行相当のサービスが受けられる仕組みとすることで、重度化の予防を図ってまいります。

質問

高齢者が寄り合える場の確保・日常的な簡単な世話や見守りはどうか。

答弁

現在、地域において、ふれあい喫茶などの取組が行われていますが、高齢者の社会参加は、閉じこもり予防や介護予防などの効果があることから、総合事業においても、交流の場や健康づくりの場など、住民主体の多様な通いの場の充実を図ってまいります。また、地域における見守りや声かけといった見守りの体制づくりを引き続き推進するほか、住民やNPO、ボランティアなどの多様な主体の参画を得て、ごみ出しなどの比較的軽易な手助けなどの生活支援の活動が広まるよう、その担い手の育成や組織化等に取り組んでまいります。