9月議会 決算委員会での松村ヤス子議員の反対討論です

 9月議会の決算委員会が、9月18日(木)19日(金)22日(月)に開かれ、松村ヤス子議員と徳田稔議員が平成25年度の決算審議に参加しました。最終日の採択の前に松村議員が反対討論を行いました。平成25年度決算は市民生活をより苦しめるものとなっているため反対しました。

松村議員の反対討論

 議案、第1号、2013年度尼崎市歳入歳出決算に対する反対討論を行います。

2013年度一般会計予算では、①投資的経費や経常経費など、歳出全般にわたる経費削減、②人件費の削減、③基金の取り崩し、④市債充当率のかさ上げ、⑤退職手当債の活用などの財源対策を行いました。しかし、①臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税、②市税収入、②臨海部の用地売り払い収入などにより、収支が大幅に改善し、19億円近い黒字決算となりました。

 しかし、決算は黒字でしたが、個人市民税の現年課税分では、2億円減額した補正後予算よりも6億1000万円少なくなっており、50万円から30万円の滞納層への集中的な差押えによって6億1000万円が減額分を埋めています。一方、財界の強い要請による法人実効税率の引き下げにより、法人税収は、昨年度決算に比べて5億円も少なくなっています。

 生活保護費の伸びが予算より低かったとしても、無年金・低年金高齢者の増加により、保護率は、4%を超えており、市民の所得が伸びた結果ではなく、低賃金不安定雇用の増加、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療制度などの負担が市民生活をより苦しめているのが実態です。決算が黒字になったからと言って、市民生活は、決して改善していません。

 労働福祉会館も市民の願いに反して、閉館が決定されてしまいました。国民健康保険料は、高くなり、滞納を余儀なくされる世帯が増加しているにもかかわらず、引き下げ努力は、前市長就任後の4億円、そして、現市長就任後の特別減免制度の2億円の繰り入れにとどめられたままです。滞納者には、保険証を国保課に留め置くといった制裁措置が継続されており、病気の重篤化を余儀なくされ、死に至る市民がいることを見過ごすことはできません。

 事業棚卸についてです。市民目線で、市の事業のチェックを目標としていますが、事業についての事前の説明、現地の視察、など、職員に掛かる負担の大きさ、そして、当日、いろいろ質問を受ける担当課長が異動直後で、日が浅く、事業の内容を熟知していない場合は本当に悲惨な状況でした。それだけでなく、質問する市民が事業について正しく理解されていない場合もありました。

 棚卸に参加した市民が、エーリックへの支出について、大きく怒っておられましたが、私が、リサーチコア事業全体の組み立て、つまり、学校でコンピューターの知識をつけ、高度加工技術研究所の成果を活用し、新事業を立ち上げられるように、インキュベーションセンターの部屋を借りて、独立を目指す、そんな構想だった。しかし、コンピューター学校は、建物が建設された頃には、民間で林立状態、その後コロコロと変わり、やっと今落ち着いていること、高度加工技術研究所には、フランスに1台ある高出力CO2レーザー装置の2台目をはじめ、各種の高度な加工機などを尼崎市が購入したけれど、結局ほとんど大企業が使っていたということを説明したところ、呆れ果て怒りをあらわにしていたことをよく覚えています。ということは、市の棚卸では、そんなことまでは、説明されていなかったと推察されました。結局、神戸製鋼の所有地を尼崎市が買ったり、借りたりして、神戸製鋼に尽くしているようなものです。棚卸事業こそ棚卸すべきです。

 また、園田西武庫線事業についてです。車離れが進んでいるとのこと。こんなにも財政が厳しいなか、軍需産業である三菱電機に対する補償費の詳細が一切明らかにされ、市が負担する事業費の詳細が明らかにされないままで、支出することには問題があります。

 尼崎の子どもたち、保護者から、高校の学区拡大の要望があったわけではないにもかかわらず、また、尼崎の子どもたちの高校進学に大きな不安と障害を持ち込むことを承知の上で、県教委の方針に追随する教育委員会の姿勢は、尼崎の子どもと保護者に目を向けているとは言えません。

 中学校給食の実施を求める市民の強い要望に応えて、議会が全会一致で陳情を採択しました。一日も早く具体化することが必要です。

 2012年10月から3校で始められた、注文弁当方式を全中学校に広げるとしています。しかし、2013年度新たに始めた5校を加えた8校の実績を見ると平均利用率が2、3%程度です。なお、今年度から、380円を350円にし、教育委員会の管理栄養士が栄養のバランスを考えた献立をつくるなど、学校給食並みに改善をし、弁当容器にも配慮し、ご飯の量も生徒の要求に沿えるように、3段階にするなど、利用率を上げるための必死の努力がうかがえます。それでも、利用率の伸びは、ほとんど感じられません。注文弁当事業の限界だと思います。やはり、学校給食法に基づく、給食を早期に実施するよう強く求めます。

 大高洲町の尼崎港運㈱所有の倉庫に聖和興業が許可条件を大幅に超える廃棄物を保管し、3回も火災が発生し、聖和興業は、実体がない状況になっています。問題が起こった直後に、自民党国会議員の鴻池氏は会社の役員をおりて責任逃れをし、火災により、焼け残った廃棄物がある状態のまま、いまは、用地所有者が3社になっており、焼け残った廃棄物は、尼崎港運㈱と、自民党の国会議員である泉原氏の泉興業が購入した土地に残されたままになっています。泉原氏は、一般社団法人、兵庫県産業廃棄物協会副会長であり、兵庫県クリーンリサイクル事業共同組合理事長をも務めているとインターネットで紹介されています。国会議員としての見識が強く問われます。幸いにも、市の調査によれば、今のところ、海水への汚染はないとのことですが、土壌汚染から海洋汚染へとつながりかねません。早期の処理を強く求めるべきです。以上、議案第1号に反対する討論を終わります。