「ちょっとあんた、ニュース見た?これな、結構えらい話やねんで。」
「え、なんなん?おばちゃーん、また海外の戦争の話?」
「そうやねん。アメリカとイスラエルがな、イランいう国を先に攻撃したって話なんやけど、そのときに使われたミサイル撃った船がな、実は日本の横須賀(よこすか)ってとこに普段おるアメリカの軍艦やったらしいねん。」
「えっ、日本におる船が?日本から出て行って撃ったん?」
「そうそう。横須賀って神奈川県にあるアメリカ海軍の大きい基地やねんけど、そこを母港にしてる“ミサイル駆逐艦(くちくかん)”いう軍艦がな、中東のアラビア海まで行って、“トマホーク”いうめっちゃ遠くまで飛ぶミサイルを発射してたんやて。」
「トマホークって、よう戦争のニュースで聞くやつやん…」
「そうそれ。何百キロも飛ぶ巡航ミサイルや。
つまりな、日本におるアメリカの軍艦が、遠い国の戦争に使われてるってことやねん。」
「うわ…なんか日本も関係あるみたいやん。」
「そう思うやろ?しかもな、これ今回だけちゃうねん。2003年にアメリカがイラク戦争始めたときも、横須賀の軍艦が70発以上トマホーク撃ってた言われてるんや。」
「そんな昔からなんや…」
「せやねん。ほんで今回ミサイル撃った言われてる船がな、“ミリアス”いう名前の駆逐艦なんやて。アメリカ国防総省が、そのミサイル撃ってる写真まで公開してるらしいわ。」
「そんな堂々と出してるんや。」
「ほんでな、その時アラビア海には原子力空母“エーブラハム・リンカーン”とか、ミサイル駆逐艦が8隻も集まってたんやて。その中で、日本の横須賀を母港にしてる船が2隻あってな、“ミリアス”と“ジョン・フィン”。」
「つまり日本におる船が2隻も行ってたん?」
「そういうことや。しかもジョン・フィンには、神奈川県の厚木基地から来てる攻撃ヘリの部隊まで乗ってるんやて。」
「えぇ…日本の基地ばっかり出てくるやん。」
「そうやろ。ほんでな、2月にイランの南の方で女子小学校が攻撃されて、子どもら含めて175人ぐらい亡くなったってニュースあったんやけど、それもアメリカのトマホークやった可能性がある言われてるんや。」
「子どもが…それはひどいわ。」
「ほんで問題なんが、日本のルールやねん。本来はな、アメリカ軍が日本の基地から日本を守る以外の戦争に出るときは、“事前協議”いうて、日本政府とちゃんと相談せなあかん決まりがあるんよ。」
「ほな日本がOK出さんと出られへんのちゃうん?」
「普通はそう思うやろ?でもな、これがややこしいねん。“戦闘に行く”言うたら協議いるけど、“別の場所に移動するだけ”言うたら、相談いらんっていう密約(こっそり決めた約束)があるらしいねん。」
「え、なにそれ。名前変えただけやん。」
「せやろ?つまりな、“移動ですわ〜”って形にしたら、日本政府に言わんでも基地から出て行ける仕組みになってるらしいんよ。」
「それ、もう好き勝手やん…」
「ほんでな、他の国は結構ちゃんと断ってるんよ。今回アメリカがイラン攻撃するとき、イギリスの基地も使わせてって頼んだらしいんやけど、最初イギリスの首相は“国際法違反かもしれへん”言うて断ったんやて。」
「ちゃんと止める国もあるんやな。」
「スペインもやで。スペインの首相は“それは国際法違反や”言うて、自分の国にあるアメリカ軍基地から出撃するの認めへんかったんや。」
「ほな日本だけ…?」
「そうやねん。だから“日本はちょっと異常ちゃうか”って言われてるねん。」
「そらそう思うわ…」
「しかもな、日本の基地が戦争に使われたら、相手の国から“そこ敵の基地やろ”って思われて、攻撃される可能性もあるやろ?」
「うわ…それ怖いやん。」
「せやろ?だから、“日本の基地を戦争に使わせるかどうか、
ちゃんと日本が断れる政治にせなあかん”って話になってるわけや。」
「ほんまやなぁ…遠い国の話や思ってたけど、日本も結構関わってるんやな。」
「せやねん。ニュースって、よう聞いたら結構ややこしいし大事な話多いねんで。」

