2-25.3月 まさき一子議員「総括質疑」と答弁要旨

総括質疑 

続いて、真崎一子が質問します。

2023年度の中学生の就学援助費は新入学用品費が、国の基準では6万3000円に。近隣都市では伊丹、宝塚、明石市は6万3000円、西宮市は6万円になりました。尼崎市は4万7400円のまま、その差は1万5600円です。

小学校は24年度から新入学用品費は、国の基準では5万7060円に。伊丹、宝塚、明石、西宮市は5万4060円です。ここでも、尼崎市は4万600円でありその差は1万3460円です。

 私は昨年の9月議会で、新入学用品費を他都市並みに引き上げるべきと質問しました。教育委員会は「新入学学用品費は、児童生徒が新しい学校生活をスタートさせる際に、学用品等の調達の一助にしていただくもの。そのため、近年の物価高騰の傾向などから、設定金額の増額は必要であると考えている。しかしながら、設定金額には増額の予算措置が必要となるので、今後、関係部局と協議しながら設定金額の引き上げを検討していく」との答弁がありました。私は来年度の予算に当然反映されていると期待をしていました。ところが小中学校とも据え置きとなりました。

 

質問1:教育委員会は、設定金額の引き上げについて検討をされましたか。

その内容をお示しください。

 

 答弁要旨

令和7年度の就学援助費のうち、新入学学用品費の予算につきましては、令和8年度新入生の入学前支給分について、近隣市の状況などを調査したうえで、小学校新入生は57,060円に、中学校新入生は63,000円になるよう、それぞれ増額を検討したところでございます。

以上

 

先日わが会派にメールがきました。内容の一部を紹介します。

「今年4月から小学校に入学する子どもがいる、ひとり親世帯の母です。就学援助制度のその1つである就学援助に係る小学校新入学用品費のことですが、我が家は本年度、支給認定を受けることができたのでとてもありがたく思っています。この話を伊丹市に住む親せきに話したら、伊丹市と尼崎市では金額が1万円以上違うと教えられました。

 市のHPを確認したら尼崎市は4万600円、伊丹市は5万4060円でした。他の都市はどうなっているのだろうと西宮市も見てみました。伊丹市と同額です。

 市の財政状況により変わるのは仕方ないことだと認識しておりますが、尼崎市だけなぜこのように異様に低額なのでしょうか。せめて隣の市と同じ額まで引き上げることは難しいのでしょうか。これからも尼崎で子育てをしていきたいです。よろしくお願いします。」という内容でした。

 

質問2:教育委員会はこのメールにどのように応えますか。

 

答弁要旨

教育委員会としましては、本市の新入学学用品費の設定金額が近隣市の額より低いという現状を重く受け止めており、今後も、本市の設定金額を近隣市並みに増額するために関係部局と協議を行い、できるだけ早期に取り組んでまいります。以上

 

2025年度入学する就学援助をうける準要保護の子どもは、小学1年は477人

中学1年生は639人です。国基準まで上げる場合、新入学用品費に1781万9820円の上乗せが必要です。

就学援助を必要とする子どもに小中学校入学用品費を国基準まで引き上げて、「ようこそ尼崎の公立学校へ」と一緒にお祝いの気持ちがあってもいいのではないでしょうか。子どもにとっては市の財源の問題は関係ありません、子どもの権利です。

本市は「だれも取り残さない」との方針を掲げているのに、経済的にしんどい家庭の子どもは、小学入学時から社会から置き去りにされているではありませんか。

 

 

次は、公立武庫幼稚園、園和北幼稚園のあり方について

 

 代表質疑で川崎議員は「尼崎就学前教育ビジョン」(以後教育ビジョン)の廃園計画を中止して公立幼稚園を残すべきと質疑をしました。教育長は「教育ビジョンに基づき、9園のうち3園を廃園するとともに、残る6園のうち4園で3年保育等の充実策を実施することとした。幼稚園は、人格形成の基礎を培うとても大切な時期のため、適切な人数の中での保育が望ましいと考えており、丁寧に進めていく」と答弁されました。

 共産党議員団は、廃園計画は中止をして公立幼稚園は残すべきと考えます。そうしなければ、障がい児やグレーゾーンの子どもたちや、民間幼稚園で費用負担に耐えられない子どもたちの行き場がなくなります。またインクルーシブ教育の推進の為にも公立幼稚園は必要であると考えるからです。

就学前教育というのは3歳児からです。公立幼稚園も3歳児から教育を積極的に行うのは当然のことです。そんな思いで今回、2年保育のまま運営される武庫幼稚園と園和北幼稚園についての質問をしたいと思います。

 

 

 武庫幼稚園は、武庫中と武庫小が隣接し、法人保育園もある地域に位置する公立幼稚園です。7,8年前は150~140人を超す子どもの数でにぎわっていました。多くの親子の往来が日常で、地域コミュニティの拠点だったように思います。それがここ数年90~60人台に半減し、昨年には42人、今年4月の新入園児は27人全園で44人。1年前の教育ビジョン策定時に武庫幼稚園に話を聞きに行きました。職員は「これまで子育て支援事業を行ってきた。でも3歳児になったら他の幼稚園に入園し、4歳児の新入園につながらない」と残念そうでした。新入園幼児が年々減っている中、今でも市内でも多く特別支援が必要な幼児 (インクルーシブ教育)の受け入れを行っています。

 

質問4:なぜ、武庫幼稚園を3歳児からの受け入れをされなかったのか。インクルーシブ教育を提唱するのであれば、3歳児からの受け入れが最適ではありませんか。

 

答弁要旨

市立幼稚園では、未就園児を対象に体験保育等の子育て支援事業を実施しておりますが、事業に参加する保護者の中には、3歳児から市立幼稚園に入園したいと考えている方が多くおられます。また、3年間という長い期間、指導計画等に基づく集団保育を経験することは、子どもの育ちの視点からも良い影響があると考えられること等から、3年保育の実施自体は望ましいと考えております。

一方で、人材や財源に限りがあり、どうしても存続する全ての園では3年保育が実施できない状況にある中、少しでも幼児にとって望ましい状況になるよう検討した結果、武庫幼稚園については、近隣に私立幼稚園等の施設数が多く、3年保育を受ける環境が比較的整っていることから、全市的視野のもと現行維持の2年保育としたものでございます。(以上)

 

 

 次に、(旧)園和幼稚園の廃止が議会に上がった時、保護者から「幼稚園残してほしい」いう運動が起った際、耐震化していた園和北幼稚園が残ることになりました。

 そして今、地域の障がいを持つ子どもの保護者や園和北幼稚園を利用している保護者から「園和北を3年保育にしてほしい、橋を渡って園田幼稚園に行くのが困難」との声が上がっています。

園和北幼稚園は、以前は60人以上いた子どもの数が30人台まで減ってきています。今年の4月の新入園児は16人全園で34人。ここで3歳児保育をしなければ公立として生き残れません。

 教育ビジョンでは、公立幼稚園は新入園幼児が3年連続して、定員の半数以下(4歳児の定員は30人)となった場合は原則として廃止するとしています。

 

質問5:この2つの幼稚園、 3歳児の受け入れが出来なければ、この先厳しい現実が待っているのではと危惧します。今からでも3歳児の受け入れは可能だと思います。

教育委員会の見解はいかがですか。

 

答弁要旨

先ほどもこ答弁申し上げましたとおり、人材や財源には限りがあるため、地域ニーズ等を踏まえ、4園での3年保育実施としたものでございます。

しかしながら、これ以上園児数を減らさないという考えから、「尼崎市就学前教育ビジョン」において、3年保育を実施しない2園においても、インクルーシブ教育の充実や一時預かり事業の時間延長といった拡充策等を実施することといたしました。

今後も引き続き、6園全園において、市民が入園したいと思えるような魅力ある園づくりに全力で取り組んでまいります。以上

 

 外国籍の子どもを含めた、インクルーシブ教育を行う役割を担っている公立幼稚園です。すべての幼稚園で3歳児保育を実践し、地元の小学校につなげる公立幼稚園は必要です。

 

加齢性難聴者の補聴器助成制度について

 

高齢者の健康と生活の質を高めるために、これまでも年金者組合の請願陳情を審議し、党議員団として繰り返し、難聴高齢者の補聴器購入費用助成制度(以下、助成制度という)の実施を求めてきました。今回はフレイル対策の観点からお聞きします。

国立長寿医療センターは「①70歳代の男性で1人/5人、女性で1人/10人が日常生活に支障をきたす難聴者。②年を重ねても維持されやすい知的な能力である知識力が、難聴がある場合に低下する。③「情報処理のスピード」は一般的に50歳中ごろ以降に低下を示すが、難聴のある場合はより急速に低下することがわかった。聴力は補聴器など活用すれば知的な能力の衰えを緩やかにすることができる。補聴器が難聴者の認知機能に役に立つのかについては、世界中で精力的な研究が行われている」と見解を述べています。

 

(資料をご覧ください)兵庫県が2023年に補聴器使用前後の社会参加について調査を行いました。その結果は自治会やボランテア、趣味・スポーツ等の活動すべてにおいて「変化なし」が多く。社会参加活動への意欲については「補聴器を使用したことで社会参加活動がしやすくなった」が最も多くありました。質問します。

 

質問6:国立長寿医療センターの研究報告・兵庫県が行った補聴器活用調査の結果についてどのような見解をお持ちですか。

 

答弁要旨

議員ご案内の国立長寿医療研究センターの発表における、「補聴器の使用が認知機能の低下を抑制する可能性」については、期待をもって注視しております。

一方、同センターの発表では、「補聴器が難聴者の認知機能維持に役立つかどうかは研究途上である」といった旨の見解もあり、「高齢難聴者に対する補聴器装着と認知機能低下との相関関係」に係る研究については、未だ結論が出ていない状況となっています。

また兵庫県の調査では、補聴器の使用が社会参加活動日数や活動意欲の維持に繋がった可能性が認められた一方で、「補聴器使用に違和感があり使用しなくなった」といった意見も報告されています。

これらを受け、本市としても、国に対して、全国市長会等を通して、「難聴と認知機能低下との関連性の究明」や「補聴器購入に対する助成制度創設」に係る要請を行っており、引き続き、国の対応を注視する中で、効果的な支援のあり方を研究して参ります。(以上)

 

 私の友人Sさんは、75歳で訪問介護のヘルパーとある病院の役をしています。会議で人の話が聞き取りにくくなり仕事をやめるか、高価な補聴器を購入するか迷ったそうです。思い切って両耳で40万円の補聴器を購入しました。軽症から中等症で装着したため、最初からとっても馴染んでつけることができました。そして今も元気で社会活動やヘルパーの仕事に誇りをもって励んでいます。40万円する補聴器でも保証は5年間。働いているから買えたけど、年金暮らしならとても買える額ではありません。Sさんは「私が仕事や会議に出席できるのは補聴器のおかげ」といいます。

 

 もう一つのケースを紹介します。

Kさんは75歳です。Sさんと同じ高価な補聴器で装着を試みました。重症の難聴で装着時に頭に突き刺さるような不快感があり、一定期間装着し続けなければならないのですが、苦痛に我慢できなくてあきらめました。装着には個人差が大きいようです。

兵庫県の「補聴器使用前後の社会参加についての調査」でも、補聴器に馴染むことができずに途中で辞退された方も多かったようです。人によって難聴の程度や体質にも個人差があったのではと思います。

 

兵庫県は一人2万円、400人限定で始めました。費用は800~1000万円の予算で出来ます。

 

質問7:この事業を実施するのになにが問題なのでしょうか。実施できない理由をお聞かせください。

 

答弁要旨

先程もこ答弁申し上げたとおり、「高齢難聴者に対する補聴器装着と認知機能低下との相関関係」については、期待をもって注視しておりますが、未だ研究途上です。こうした中で、本市独自で助成制度を設計するにあたっては、適切な政策効果の分析はもとより、助成する範囲や条件、継続して使用いただくための対策、さらには財政面についても十分考慮する必要がございます。

従いまして、現時点においては、市単独で助成制度を実施するのではなく、国に対して、「難聴と認知機能低下との関連性の究明」と合わせて、全国一律の「補聴器購入に対する助成制度創設」に係る要望を継続して参りたいと考えています。以上

 

難聴高齢者への助成制度に取り組む自治体が全国で広がっています。2021年には36自治体だったのが、24年5月の時点で286自治体に広がり、東京都では90%をこえる市区町村で実施しています。兵庫県では明石市や相生市をはじめとする14の自治体で助成が行われています。1年前と比べると倍増しすごい勢いで広がっています。

阪神間ではまだまだ普及していませんが、尼崎市が阪神間で一番に始めたら「高齢者を誰も取り残さない、孤立させない」街になるのではないでしょうか。先ほども言いましたが800~1000万円で出来る事業で、自治体として大きなアピールになります。

 

質問8:補聴器助成で、市民一人ひとりが生き生きと社会活動ができる、フレイル予防の一環としてでも、高齢者すべての人を対象にするのでなく、限定的でも実施するべきです。前向きの検討を要望します。いかがですか。

 

答弁要旨

繰り返しになりますが、「高齢難聴者に対する補聴器装着と認知機能低下との相関関係」については、未だ国において研究途上であり、こうした中、本市独自の政策効果の分析は困難です。

そのため、たとえ、限定的であったとしても、市が税を投入し補助制度を実施することには慎重であるべきものと考えております。以上

 

最後は地域クラブ活動の推進についてです。

本市の事業の目的は、「少子化や教員不足で競技種類の減少などにより、部活動での経験の機会が縮小している。尼崎市立中学校の生徒が、将来にわたってスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保するために、学校の部活動から地域移行を進める」とのことです。国が示すガイドラインに沿って原則すべての自治体で、地域移行を目指すものです。

尼崎市の場合直営地域クラブと認定地域クラブに移行をするとされています。

2025年度は、市内3地区(大庄・中央・小田)で先行的に直営地域クラブを設置するとしています。地域クラブの運営はスポーツ振興事業団(以後スポ振)が事務局となり、市との協働のもと、各地域クラブの統括や、指導者の研修、地域クラブの設置・認定等を行う。特に体罰等発生しないよう、指導者の質の確保、研修を徹底していくとあります。これまでスポ振は市民へのスポーツの振興や健康増進の推進に力を入れてきました。

 

質問9:地域クラブに対するスポ振の役割とはなにですか。

 

答弁要旨

スポーツ振興事業団は、市民のスポーツ活動や健康づくりを推進していく上での重要な市のパートナーです。子どもの多様なスポーツ活動等の機会確保を目的とした地域クラブ活動の取組におきましても、クラブの設置・運営や指導者の量と質の確保など、市と緊密に連携する中で、全体をコーディネートする運営主体としての役割を担っていくこととしております。以上

 

質問10:地域クラブへの教育委員会の果たす役割とはなんでしょうか。地域クラブは教育の一環として捉えるのでしょうか。教育委員会は具体的に何をするのですか。

答弁要旨

地域クラブ活動は、学校管理外の活動ではありますが、国において「学校部活動の教育的意義を継承・発展」するものとして位置付けられており、本市においても同様の認識のもとで取組を進めて参ります。

教育委員会といたしましては、活動場所となる学校施設の使用に関する調整や、学校現場と連携した広報支援の実施、指導者の量と質の確保に向けて、希望する教員が関わりやすい環境づくりなどを主導的に担ってまいります。以上

 

質問11:子どもの意見を聞いたということですが、この意見は計画にどう反映されていますか。

答弁要旨

地域クラブ活動に係る取組方針の策定にあたり実施した生徒アンケートでは、子どもたちが興味関心を持つ競技や活動が多岐にわたること、週3回程度の活動を希望する声が多いこと、自分にあった活動を選びたいという意向があることが明らかになりました。

これらを踏まえ、本市では、週3回程度の活動を基本とし、公費を投入して運営する「直営地域クラブ」と、より多様な活動が期待される民間や地域団体などによる「認定地域クラブ」の二本柱で取組を進めることとしております。以上

 

地域移行に際して、指導者の確保や質の保障、処遇については問題が山積されています。

教育委員会として、地域から出てくる要望に対してどのように応えるのか。どうかかわるのかが、問われています。

 

万全な準備と取り組み状況が、学校関係者、地域に共存され、様々な課題、問題解決に協働して取り組む体制構築が必要だと要望します。以上で、私のすべての質問を終わります。

 

 

 

2024.3月 まさき一子議員 総括質疑 質問と答弁要旨

 

 

まず最初は、教員不足の対策についてです。

全国的に公立小中学校の教師不足は大変深刻です。文科省の有識者会議中央教育審議会は2023年8月、教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策として緊急提言を発表しました。具体的には、授業のコマ数をみなおす、学校行事の内容を絞る、保護者からの過剰な苦情には教育委員会などが支援する、小学校高学年の教科担任制の拡充など教職員定数の改善、支援スタッフの配置充実、主任・管理職手当などの改善が24年度概算要求に盛り込まれました。

尼崎市では昨年9月議会に「教職員の未配置問題の解消等についての請願」が提出され、本会議で採択され国に意見書を提出しました。

市内の小中学校では、2023年度当初に小学校では9名、中学校では英語、理科、家庭科の専任教師17名不足するという事態を招きました。この1年間は学校現場や教育委員会では、臨時講師の配置に大変な苦労がありました。教師が未配置という極めて深刻な状況は子どもの成長を妨げるものです。質問します。

Q1 2024年度当初の教員の配置については、提言にもとづいて未配置問題はどのように解決しますか?

答弁要旨

教員の未配置問題は、本市のみならず、全国的な問題であり、現状では教師のなり手としての絶対数が少なく、簡単に解決できる問題ではないと考えております。

教員のなり手不足の問題は、教員の負担の増大がその一因と考えられることから、これまで負担軽減策として様々な取組を行ってきており、できることを直ちに行うという提言の考え方のもと、次年度は、新たに、スクールロイヤーの設置やデジタル採点システムの導入、地域クラブ活動の拡充などで、更なる教員の負担軽減につなげていきたいと考えております。定例の学年会や職員会議だけでなく、学校の実情に応じて、朝や放課後に打ち合わせの時間を設定するなど、教職員の協働体制の整備に努めております。

またそれぞれの学校では、若手教員が孤立しないように、放課後などに年齢の近い教員がメンターとして相談に乗ることや、共同で指導方法の研究を行いながら、先輩からアドバイスをもらうことで、一人で抱え込まずにいつでも相談できる体制づくりに努めているところでございます。

今後とも、校園長会等において、校園長のリーダーシップのもと、教職員のワーク・ライフ・バランスに配慮し、心身ともに健康で、働きがいのある学校づくりに取り組むよう周知してまいります。以上

 

ある教師は「小学校では教師が長時間労働でつぶれるというけど、時間の問題だけでない。保護者からのクレーム処理、子どもたちからの教師いじめもある。若い先生が子どもから『汚い、あっち行け!』 『くそババ』など私たちだったら言い返すけど、若い先生はそんな言葉でつぶれてしまう」といっていました。子どもは特に高学年になると、少年スポーツの指導者や家庭の親からうける暴言や暴力などによるやり場のなさを担任にぶつけるといった状況があるそうです。

今、不登校の急増、子どもの貧困等子どもと保護者の悩みやストレスが積み重なっている時代です。だからこそ寄り添ってともに考えてくれる大人が学校に必要です。しかし今や子どものストレスのほこさきが教師に向けられる現状があります。文教分科会では「新任の先生には何でも相談ができる体制をとっている」と言われていました。

しかし、若い教師が困難を乗り越える手立てを見つけることなく、また乗り越えたという成功を体験することなく辞職に追い込まれる。こんな残念なことはありません。解決していくためには、職員会議や学年ミーテングを毎日短時間でも開いて、教師間での問題の共有が必要だと思います。質問します。

 

Q2 各学校の職員会議や学年会議等はどのように行われているんでしょうか。

 

答弁要旨

本市の小学校教員の約45%、中学校教員の約3分の1が30代前半までの教員であり、40代50代の教員が少ないといった年齢構成でこれは、本市のみならず、全国的な傾向であり、若手教員の育成とメンタルヘルスの保持が課題であると考えております。そのような中で、各校の学年会では、行事や教科指導等の打ち合わせだけでなく、児童生徒の抱える課題やその指導の方向性について協議するとともに、学校全体できめ細かな支援や配慮のもと児童生徒の指導を行うことが必要な場合は、職員会議においても、情報共有し、指導方法について協議し、チーム学校として取り組んでおります。

 

文科省では2022年度教員勤務実態調査を全国小中学校各1200校、勤務するフルタイムの常勤教員(校長・教頭・教諭等)約35,000人を対象に調査を行っています。そこには30歳以下の教師の在校時間が長く授業以外でも多くの業務に時間をさいている。「業務時間が短縮された場合、何に時間を使いたいか」の問いに「仕事以外のプライベートに使いたい」という教師が小学校で48%、中学校で56%でした。気分転換ができずに問題を引きずっていることも多いのではないかと心配になります。

 

 

次に教師の長時間労働についてです。同調査では、中学校教諭では1週間の勤務時間が60時間を超える人が36.6%に上り、8割近くが月45時間を超える残業をしているなど、依然として異常な長時間労働です。

先ほど述べた文科省の調査によると、業務が短縮出来たら何に使う?という質問に、「更なる授業準備、教材研究等に当てたい」と答えた教師が小学校48%、中学校41%でした。

教師は「授業の準備の時間がなければ、授業の質が低下する。教材研究して準備すれば面白い授業となり子どもの目の色が違うことはわかっていても、その時間をとれば過労死するかもしれない」そんなジレンマに苦しんでいます。

 

Q4 本市の小中学校の教職員の長時間労働と働き方はどのように改善されるのか方向性をお示し下さい。

 

答弁要旨

教員が心身ともに健康で充実した教育活動を行うことができるよう超過勤務時間を削減することは悩みやニーズを把握することと同様、大変重要であると考えています。

そのため、各学校では、会議・行事の精選のほか、ICT活用による資料のペーパーレス化、データの共有などにより超過勤務の削減に努めております。また教育委員会におきましても、各学校へのスクールサポートスタッフの配置や、中学校の部活動への外部指導員や部活動指導員の導入など、人的支援を行っているほか、給食費の公会計化、ICT環境の整備、勤務時間外の自動音声サービスの導入、学校閉庁期間の設定等の取組を進めてまいりました。

こうした取組により、学校現場からは一定効果があるといった声も届いているところですが、依然として超過勤務が多い教員もいることから、引き続き学校現場とも連携し、働き方改革に取り組んでまいります。(以上)

 

ひとクラスで教師の目に1度に映る数は20人以下だと言われます。教師が児童生徒個々の表情を見ながら授業ができる、子どもの生活の変化を素早く気づくことができる、丁寧な授業ができる。こんな教育を進めるためにさらなる少人数学級が必要だと思います。

 

 

次に保育士の配置基準についてです

国による保育所の職員配置基準が76年ぶりに見直されます。4・5歳児の基準をこれまでの30人から25人に改めるとしています。3歳児については、2015年度より「3歳児配置改善加算」を措置していますが、今回は4・5歳児同様に最低基準等の改正で20:1を15:1に改めるとしています。しかし1歳児の配置基準は、現在の6人から5人にすることを、2025年以降の早期に改善を進めると先送りしました。基準改正は保育士や保護者が国や自治体に対して長年求めてきたもので、現場の切実な要求と粘り強い運動と世論の広がりの成果だと思います。質問します。

Q5 国の配置基準の改定が、本市の来年度の予算に反映されていませんが、具体的にいつから予算に組み込まれるのでしょうか。年度途中からでも補正を組んで実施するべきと思いますが、いかがですか。

 

答弁要旨

議員御指摘のとおり、来年度から3歳児の職員配置基準が現行の20:1から15:1となり、4・5歳児の職員配置基準が現行の30:1から25:1とそれぞれ改善されることになります。この配置基準の改正に伴い、3歳児の配置改善については、既に公定価格上で平成27年度から「3歳児配置改善加算」が措置されておりますが、4・5歳児の配置改善については、新たに「4・5歳児配置改善加算」が設けられ、30:1の配置に要する経費と、25:1の配置に要する経費との差額に相当する金額が加算されることになります。

現時点では、来年度の公定価格に係る単価が国から示されておらず、また各施設の保育士の配置状況によっても費用が変わりますので、どの程度の規模になるか見通しを立てることができませんが、保育施設の円滑な運営に資することができるよう、予算に不足が生じる場合、必要な時期に補正予算を上程させていただきたいとかなえております。

なお、保育士の配置人数については、保育所の開所時間中に登園している年齢別の児童数に合わせて基準に沿った保育士数を配置することとなっており、それらを踏まえ公定価格は設定されております。

以上

 

公共施設の断熱化について

代表質疑で、会派の川崎議員が体育館の空調設備は断熱化と空調と一体でおこなうことで、国からの補助金があることを紹介しました。市は「体育館の空調について直ちに計画を策定する予定はないが他都市の事例や情報収集を行いより実効性のある空調設備、検討を行う」とのことでした。

文科省は学校体育館の空調と断熱化について次のように説明しています「教育環境改善および避難所としての機能強化を図るため体育館の空調設備について補助対象としている。断熱性の確保されていない体育館の空調を設置した場合過大な能力の空調機が必要となったり、光熱費が過大になったりと効率的・効果的な施設整備ができない。断熱性のない体育館には空調設備と合わせて断熱性確保のための工事を実施する必要がある」とのことです。

しかし普通教室の空調設置率は95.7%と進んでいますが、体育館の断熱化・空調設置はこれからです。

資料1をご覧ください。文科省が作成したものです。東京に立地する面積930㎡の体育館の断熱性確保による電気代削減の試算です。初期費用は空調設備に2600万円、断熱化改修4000万円と大きいのですが、ここには国からの補助金が出ます。冷房能力は小さく、年間の電気代は半分ですみます。15年ごとの空調整備を更新しても、40年間で5500万円の削減を試算しています。

 尼崎市では来年度から下坂部小学校の建て替え計画があります。また市立尼崎高校の体育館の改修が予定されています。視察に行った市尼高校の体育館は夏休みでも一日中部活で使われており、大型の扇風機がフル稼働していました。モデル事業としてでも体育館の空調と断熱化をセットで計画するべきと思います。質問します。

 

Q7 新築する下坂部小学校と改修予定の市尼高校体育館に空調設備と共に断熱化の設置を進めるチャンスです。その上で効果の検証を行うべきと考えますが、いかがですか。

答弁要旨

建替えを予定している下坂部小学校の体育館につきましては、新築時に断熱性能を確保することが可能なことから、空調設備の方式や設置方法などを検証し、設置に向けて検討を進めてまいります。

中規模改修を予定している市立尼崎高校第2体育館につきましては、平成12年に新築されており比較的新しいことから、二重サッシは設置されておりませんが、屋根や床等に断熱材が入っており、一定の断熱性能が確保されていると考えております。

ご紹介いただきましたように、空調整備に合わせて断熱性を確保すれば電気代を削減できるメリットがありますが、多額の初期費用がかかる等の課題もあります。また、断熱性を確保したとしても空調設備にはランニングコストや保守点検などの維持管理費用も大きな課題となりますが、国の補助対象とはなっておりません。

現時点で直ちに体育館の空調設備や断熱化を整備することは困難な状況でございますが、児童生徒の熱中症対策や災害対応の観点から空調整備の必要性は認識しておるところでございます。どの学校でどのようにとは考えておりませんが、試験的実施も視野に入れ、他都市の事例や機器メーカーからの情報収集など実効性のある調査・検討を進めてまいります。

以上

 

 

昨年、自治体学校に参加し、東京都杉並区長岸本聡子さんの話を聞きました。岸本区長は「どれだけ暑くなったら私たちは気象変動が緊急の課題であることを認識するのでしょう。学校の断熱すらできておらずクーラーも効かない状態です。個人の家でも公共施設でも、地域の事業者が一緒に断熱化をすすめればどれだけの経済効果が生まれ、どれだけの命が救え、どれだけの光熱費を下げることができて、CO2の排出を下げることができるでしょうか。エネルギー価格が高騰し、特に低所得者に大きな打撃を与えています。だからこそ断熱をしなくてはいけない」と話されました。

尼崎市では2021年6月に尼崎市気候非常事態行動宣言を表明し、「2050年までに脱炭素社会を実現するため、30年の二酸化炭素排出量を13年比で50%程度削減することを目指す」ことを宣言しました。

これまでの新築された市営住宅や生涯学習プラザ、公立保育所等は太陽光発電やLDE化は進みましたが、断熱化等脱炭素に向けた取り組みはなぜしてこなかったのでしょうか。

公共施設の建設ついて、断熱材、2重サッシ等の断熱化の規定をしっかり打ち出し、業者に資材や建設手法の指導や要望をするなどの積極的な対策を打つべきでした。

今後、建設される北図書館と女性センターの合築施設、大庄ふれあい体育館、公立保育所、市営住宅等の公共施設に断熱化を行うべきです。

質問します。

Q8 新築される公共施設に断熱材や2重サッシを設置し、その効果を検証することについてはどのように考えますか。

 

答弁要旨

近年新築した公共施設につきましては、省エネ適合基準を上回る断熱性能を確保した建物としており、例えば、生涯学習プラザなどにおいては、外壁や屋根内側には硬質ウレタンフォームの断熱材を施工しているほか、必要に応じてサッシには断熱性の高い複層ガラスを採用するなどしております。

さらには、令和4年度向けの主要事業でお示しましたとおり、4年度以降に本市が設計を行う新築建築物については、他都市に先駆けた取組として、原則、「ZEB Ready」を導入しており、より一層の外壁の断熱化や断熱性能の高い窓ガラスの採用、高効率な省エネルギー設備などを備えることにより、ライフサイクルコストの効果を試算のうえ、脱炭素化を推進すべく、省エネ基準より50%以上のエネルギー消費量の削減に取り組んでいるところです。以上

 

最後は高齢難聴者の補聴器購入費用助成制度について

 2018年兵庫県は「国に補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める」意見書を提出。22年都道府県では初の補聴器購入補助事業「高齢者の補聴器活用調査」が実施されました。県内400人を対象に補聴器購入助成を施行し、補聴器に導入による社会参加の状況を調査しました。しかしいまだに調査結果が公表されず、来年度の予算にありませんでした。

兵庫県内では明石市が65歳以上の高齢難聴者を対象に所得制限なく、「認知症あんしんプロジェクトの推進事業」の一つとして、補聴器助成をしています。2021年は180人、22年は300人限定で2万円の補助。事業費だけでは600万円の財源です。

 相生市では、「在宅福祉サービス」の一つとして、22年は市民税非課税世帯を対象に2万円の補助。事業費は38万6千円で25人の方が補助を受けました。23年からは市民税課税世帯の方も対象にしています。県内でも5市3町に助成制度が広がっています。

年齢を重ねることによる難聴は、程度の差こそあれ、誰しも避けられない生理的な変化です。難聴により家族との会話が成り立たなくなったり、テレビ・ラジオの音が聞こえにくくなったりすることは生活の質に関わります。人の話が聞こえにくくなれば人とのコミュニティに参加することも、外出することもおっくうになり、心身の健康に大きく影響します。高齢者の尊厳にかかわる問題です。

県では400人、明石市では300人限定でした。他の自治体でも低所得者対策として市民税非課税世帯から始めています。最初は対象者を限定してでも、市民ニーズがどれほどあるのかの検証が必要です。まずは始めるべきです。質問します。

 

Q9 高齢難聴者補聴器購入費用助成制度は、難聴高齢者に対して社会参加だけでなく、孤独な高齢者の生活の質を高める手助けをする制度です。ぜひとも実施してほしいとおもいますがいかがですか?

 

答弁要旨

加齢性難聴者の補聴器購入費助成につきましては、昨年度から引き続き、兵庫県がモデル事業として、補聴器装具のニーズや社会参加活動の状況等を把握するアンケート調査を実施しております。

また、国立長寿医療研究センターでは、加齢性難聴によりコミュニケーションの低下などが生じ、認知症のリスクが高まる可能性があるとの指摘を受けて「補聴器による認知機能低下予防の効果を検証するための研究」を実施しているところです。

本市としましては、全国市長会を通じ、令和5年11月に令和6年度向け高齢者福祉施策に係る提言の中で、「加齢性難聴者の補聴器購入に対する補助制度を創設すること」これに加え、「難聴と認知機能の低下との関連性の究明」を国に求めているところです。

先程申し上げましたとおり、現在、国における研究や県のモデル事業のアンケート調査結果の検証が途上である中で、現時点において、市単独での事業を実施する状況にはないと考えておりますが、引き続き、国・県の研究・調査結果や他都市の実施状況等を踏まえて効果的な支援のあり方について検討してまいります。

 

これで、日本共産党議員団の総括質疑はおわります。代表質疑、分科会、総括質疑を踏まえまして、意見表明で意見を述べていきます。ありがとうございました。