松村ヤス子の市議会報告2013.3.(予算)
日本共産党尼崎市会議員 松村ヤス子
■松村ヤス子の市議会報告2013.3.はこちら(PDFファイル)
2013年度予算案修正可決 学校開放有料を無料などに
日本共産党議員団は、2013年度予算案について、次の修正案を提案しました。
○学校開放事業…小中学校の運動場を借りてスポーツの練習をする際に、現在の無料から大人の団体1回の1000円、子どもの団体1回500円の利用料とする。これを無料に修正する。(歳入減)
○議員歳費削減…議員定数44人を42人にする条例案に反対し、2人減に匹敵する分、議員歳費を削減する修正。(歳出減)
○仕事支援課業務…労働センターで業務をしていた仕事支援課業務のリベルへの移転をやめる。将来的には、南部の保健福祉センターもリベルの床を借りる計画に変更。床を持っているのは阪神電鉄。阪神電鉄は、自らテナントを誘致できる能力がある。この二つの利用で年間約5600万円もの家賃が必要。どうしても移転というのであれば開明小学校跡を使えばよい。関係経費を削除する修正。(歳出減)
○中学校弁当事業…現在の3校から5校拡大し、8校に拡大しようとしているが、利用率が目標の1割には程遠い状況であり、実施している学校での実績が向上できるのかどうか見極める必要がある。5校分削除する修正。(歳出減)
○学力向上クリエイト事業…どの子も学ぶ喜び、理解するよる喜びを得られるような丁寧な教育が必要。学力向上クリエイト事業については、学校現場が求める補助教員など必要な人材を配置する費用を増額する修正。(歳出増)
○手話通訳者1人配置増…聴覚障害者団体の強い切実な願いである窓口配置の手話通訳者を1人増員する費用を修正。(歳出増)。
日本共産党議員団は、この修正案を提案しましたが、残念ながら、反対多数で否決。しかし、他の3会派が提案した (1)学校開放事業の有料化取りやめ、(2)議員数削減による歳出減、(3)聴覚障害者に対する手話通訳者の配置については、日本共産党議員団も同様なので賛成。ただし、議員定数削減条例には反対だけれど、その分に匹敵する議員歳費の削減は、予算上は変わりがないので賛成。結果、「緑のかけはし」の高浜議員だけが反対し、賛成多数で(1)(2)(3)の修正項目は可決。
■予算案に対する日本共産党議員団の主な主張
長引く不況の大きな原因は、大企業の儲けとは裏腹に、国民の所得が増えていないこと、非正規労働の増大で格差が広がったこと、社会保障の切り下げがくらしを圧迫すると同時に将来不安を増大させていることです。
また、TPP交渉への参加、消費税増税、いっそうの社会保障切り下げという、国民にとって耐え難い苦難を強いる動きも活発です。
いまの政治が続くことを前提とした、尼崎の新しい行革プロジェクトでの財政見通しは、あまり明るいものではありません。国、県に対しても、市民の命とくらしを守る立場で、働きかけることを要望します。
しかしながら、当面の財政状況のもとで、財政の立て直しは必要ですが、その場合も「市民の合意と納得」が、なによりも大切です。
人の育ちと活動を支援する
●尼崎養護学校の市内移転
かねてからの懸案事項であり、梅香小学校跡地が候補地として明らかになった。早急に移転場所を決定し、移転計画を具体化すること。
●中学校給食
弁当事業に固執するのでなく、全国の8割以上の中学校で実施され、近隣各市でも実施にむけて動き出している。「中学校給食のないまち・尼崎」といわれないように、決断すること。
●公立保育所の民間移管計画
9カ所ありきの市立幼稚園教育振興プログラム
保護者、市民の声を聞いて見直すこと。
保育所については、国の保育制度変更の動きを見据え、保育における公的責任を守る立場で民間移管計画を見直すべき。
●防犯、防災の取組を強化と市民生活の安全・安心の構築
南海トラフでの大地震被害想定が発表された。被害の予想が220兆円。対策を講じることによって、被害を減らせることも強調されている。「防災行政無線屋外拡声器」については、できるだけ市内全域をカバーできるように計画的に設置すること。
●糖尿病窓口負担金助成事業
治療中断による重症化を防ぐための対策であり、評価する。
●国民健康保険
払える保険料にすることが不可欠。市独自の努力と合わせて国保会計に占める国の負担割合を従前の50%程度に戻すように、国に強く働きかけること。
●介護保険事業
介護保険料も高い。本来、一般会計で行えるシルバーハウジング生活援助員派遣事業など11事業を介護保険会計で行っているため、総額で約2000万円も介護保険料が引きあがってい。本来、市が負担すべきものであり、介護保険財政に繰り入れができるよう国に働きかけること。
●結核対策
高齢者向けの介護福祉施設、通所や在宅介護サービスを利用する高齢者にたいし、介護保険事業利用の前には、結核検診を行い、財政的に大変な高齢者には、費用を市が負担するよう検討すること。
産業に活力を まちに魅力を
●産業振興に関する基本的な考え方を定める条例
圧倒的な事業所数を有する中小零細業者の意見を十分に聞いて、中小零細業者に光をあてたものにすること。
●環境、自然エネルギーへの転換
臨海部へのメガソーラー建設は、ひょうご環境創造協会による設置などを働きかけること。
「事業者向け10kW以上50kW未満の産業用太陽光発電設備への固定資産税免除制度」の創設は評価できる。
個人向け太陽光発電への優遇措置への拡充、屋根貸し、市民共同発電所などの取り組みを進めること。
●企業立地促進条例
パナソニックは2014年度をメドに、プラズマテレビから撤退する方針を正式に固めたと報道されている。こうした事態のなかで、企業立地促進条例に基づく不均一課税、税の軽減が続けられることになるが、今後、尼崎工場がどうなっていくのか不透明で。労働者の更なる削減が懸念される。雇用を守るための積極的な働きかけを行うこと。
また、県道園田西武庫線が進捗すれば、三菱電機の敷地内移転施設の対象は数十件にも及ぶと予想されるが、尼崎市職員は、現地に入ることすらできない状況である。お金を出すだけの事業となっている。その上、玉突き移転に伴う施設にたいしても、企業立地促進条例による不均一課税が行われることになる。
大企業を対象からはずすなど、企業立地促進条例を早急に見直すこと。
持続可能なまちをめざして
●公共施設の再配置問題
公共施設は、一旦建設すれば、40年、50年と使用し、まちの形にも大きく影響する。配置と機能、数量を総合的に、長期の先を見通した計画が求めらる。
福祉事務所を6か所から1か所に集約したものの、今度は2か所に分散せざるをえないのは、実情に合わない集約化をすすめたことによる。
将来の本庁舎の位置と規模、機能も明らかではない。
地域の身近な窓口をなくして、巨大な本庁舎にするのか、あるいは、身近な窓口を地域に残して本庁舎機能は効率的なものにするのか、その基本的な「まちの形」について、市民的な合意形成がないまま再配置をすすめようとするところに、根本的な問題がある。
公共施設の再配置については、身近な市役所、地域自治の充実という観点で、全体像の市民合意を得た上で再検討すべきです。
●事業たな卸し
事業の効率性を中心にした論議で進めるのではなく、市民サービスの必要性、社会的弱者の実態に応じた社会保障の理念などを踏まえた議論となることが必要。
●時友、西昆陽、宮の北の市営住宅建替事業費
一括してのPFI方式の導入は、財政力のある大手ゼネコンに委ねざるを得ない可能性があり、地元業者の仕事確保の機会を奪いかねない危険がある。そうした観点からもPFI方式を再検討すべき。
●競艇場事業
年間180日を超える開催日数は、地域住民の合意が得られていない。
さらに、年間360日開設の競艇場外向け発売所を前提にした予算となっているが、360日というのは1年間で休むのは、メンテナンスに必要な5日間になる。「せめてお盆、正月は、ギャンブルのない静かなまちを」という願いにも反するものである。
●市制100周年
100周年は節目の大切な年であり、世紀単位で尼崎市政を考える機会でもある。過去の100年を振り返り、反省すべきは反省してこそ未来に生かすことができる。
戦争の惨禍と戦後の復興
企業の地下水くみあげと地盤沈下
防潮堤建設と財政負担の苦渋
働く市民の要求で尼崎の町をつくり上
げてきた歴史
公害とそれを克服してきた歴史
水害や地震による大規模災害と救援・
復興のとりくみ、などなど、
尼崎には多くの歴史がある。それらの根底には、国の政策や企業に翻弄されながらも、たたかい、克服してきた市民運動、尼崎市民のエネルギーがある。それらをきちんと評価し、生かした100周年事業を求める。
日本共産党議員団は、これらの意見を述べました。今後とも、市民の皆さんの声に耳を傾け、より良い行政になるよう、努力します。