夢洲が「産廃処分や港湾用地として作られた」ってことは
前回の記事でお伝えしました。
さて、そこで登場する疑問。
なぜ万博やIR(カジノ)?が出てきたの??
夢洲が万博・IRに転用されるようになった理由
① 当初の計画が行き詰まった
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夢洲・咲洲・舞洲は「大阪湾ベイエリア開発構想」(1970〜80年代)でつくられた人工島群。
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港湾・物流・産業用地として整備されましたが、バブル崩壊後に企業誘致がうまくいかず、開発が停滞。
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大規模な区画が“更地のまま長年放置”される状態に。
そういえば…咲洲の「WTC(大阪府咲洲庁舎)」も、売れずに最終的に大阪府が買い取ったというエピソードがありますね~
② 埋立コストの回収が難しくなった
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埋立には莫大なコストがかかっています。
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しかし企業も住宅も来ない → 用地を売れない → 赤字&税金負担へ
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何とか土地を「活かす」方法を探る必要があった
③ 「起死回生」策として万博・IRが持ち上がった
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2000年代後半〜:「夢洲を使って何か“目玉”事業をやらないとマズい」という空気
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2010年代に入り、大阪維新の会が政権を取ると、IR(カジノ含む統合型リゾート)を積極推進
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→「夢洲は海に隔離されていてアクセスも管理しやすい。カジノにぴったり」?!
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万博も「IR整備と合わせてインフラが一気に進むならお得では?」とセットで進行
④ 国家的イベントで国費を引き込める
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万博やIRを夢洲に誘致すれば、国の支援や民間投資も呼び込める
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「更地の埋立地を国際的拠点に変える」という構想がうまれた
要するに…
夢洲はもともと「何に使うかあやふやなまま広大に作られた埋立地」で、長年放置された結果、“起死回生の使い道”として万博やIRが選ばれたというわけです。
ただし、その前提には「土地が使えるレベルなのか?」「市民の理解はあるのか?」「財政は大丈夫なのか?」といったツッコミどころが今も山ほどあるんですね。
多くいるとは思いますが!
「維新の政治戦略としての夢洲活用」
これはめちゃくちゃ大事で、維新が夢洲をどう“政治の舞台装置”として活用しているかを見ると、色んなことが見えてきます。
◉ アピールポイントとしての「改革」や「成長戦略」
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「大阪を成長させる」「世界と戦う都市にする」っていうスローガンに夢洲はうってつけ。
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しかも「ゼロから作る」という開発は、目に見えて“成果”として演出しやすい。
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万博・IR=“夢洲の再生”=“維新の実績”という政治パッケージになる。
◉ 中央政府とのパイプ作り
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維新は国政でも影響力を高めたい。
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万博・IRのような国家的プロジェクトを進めることで、自民党との協調や存在感をアピール。
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実際、政府の予算や省庁の支援も維新ルートで引き込まれてる側面がある。
◉ 反対派へのレッテル貼り
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「反対するやつは成長を止める」「夢のない人たちだ」といったフレーズで反対意見を封じる傾向も。
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特に共産党や市民団体は「何でも反対」として片づけられがちですが、実際は“中身への批判”が多い。
だからこそ重要なのは…
「始まったから賛成する」のではなく、
“どうしてそれが始まったのか”“そのプロセスに市民の声はあったのか”を問う視点なんですよね。
「前提に疑問を持つ」姿勢は大事なんじゃないかなあ?って
わたしたちは考えます。