使い道のない埋立地に「なんで万博・IR建設」が出てきたの?【万博について考える③】

夢洲が「産廃処分や港湾用地として作られた」ってことは
前回の記事でお伝えしました。

さて、そこで登場する疑問。

なぜ万博やIR(カジノ)?が出てきたの??

夢洲が万博・IRに転用されるようになった理由

当初の計画が行き詰まった

  • 夢洲・咲洲・舞洲は「大阪湾ベイエリア開発構想」(1970〜80年代)でつくられた人工島群。

  • 港湾・物流・産業用地として整備されましたが、バブル崩壊後に企業誘致がうまくいかず、開発が停滞

  • 大規模な区画が“更地のまま長年放置”される状態に。

そういえば…咲洲の「WTC(大阪府咲洲庁舎)」も、売れずに最終的に大阪府が買い取ったというエピソードがありますね~

埋立コストの回収が難しくなった

  • 埋立には莫大なコストがかかっています。

  • しかし企業も住宅も来ない → 用地を売れない → 赤字&税金負担へ

  • 何とか土地を「活かす」方法を探る必要があった

「起死回生」策として万博・IRが持ち上がった

  • 2000年代後半〜:「夢洲を使って何か“目玉”事業をやらないとマズい」という空気

  • 2010年代に入り、大阪維新の会が政権を取ると、IR(カジノ含む統合型リゾート)を積極推進

  • →「夢洲は海に隔離されていてアクセスも管理しやすい。カジノにぴったり」?!

  • 万博も「IR整備と合わせてインフラが一気に進むならお得では?」とセットで進行

国家的イベントで国費を引き込める

  • 万博やIRを夢洲に誘致すれば、国の支援や民間投資も呼び込める

  • 「更地の埋立地を国際的拠点に変える」という構想がうまれた

 

要するに…

夢洲はもともと「何に使うかあやふやなまま広大に作られた埋立地」で、長年放置された結果、“起死回生の使い道”として万博やIRが選ばれたというわけです。

ただし、その前提には「土地が使えるレベルなのか?」「市民の理解はあるのか?」「財政は大丈夫なのか?」といったツッコミどころが今も山ほどあるんですね。

 
もう始まっているのに、ゴタゴタ反対するのはおかしいという人も
多くいるとは思いますが!
 
そもそも“どう始まったか”“誰が決めたか”を問わずに
「始まったから正しい」とするのは、ちょっと危ういですよね。
 
 

「維新の政治戦略としての夢洲活用」

これはめちゃくちゃ大事で、維新が夢洲をどう“政治の舞台装置”として活用しているかを見ると、色んなことが見えてきます。

◉ アピールポイントとしての「改革」や「成長戦略」

  • 「大阪を成長させる」「世界と戦う都市にする」っていうスローガンに夢洲はうってつけ。

  • しかも「ゼロから作る」という開発は、目に見えて“成果”として演出しやすい

  • 万博・IR=“夢洲の再生”=“維新の実績”という政治パッケージになる。

◉ 中央政府とのパイプ作り

  • 維新は国政でも影響力を高めたい。

  • 万博・IRのような国家的プロジェクトを進めることで、自民党との協調や存在感をアピール

  • 実際、政府の予算や省庁の支援も維新ルートで引き込まれてる側面がある。

◉ 反対派へのレッテル貼り

  • 「反対するやつは成長を止める」「夢のない人たちだ」といったフレーズで反対意見を封じる傾向も。

  • 特に共産党や市民団体は「何でも反対」として片づけられがちですが、実際は“中身への批判”が多い。

だからこそ重要なのは…

「始まったから賛成する」のではなく、

“どうしてそれが始まったのか”“そのプロセスに市民の声はあったのか”を問う視点なんですよね。

「前提に疑問を持つ」姿勢は大事なんじゃないかなあ?って

わたしたちは考えます。