核兵器禁止条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすことを求める意見書 採択 賛成討論 川﨑としみ

核兵器禁止条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすことを求める意見書案に対する賛成討論(本文1607字)2023/10/11日本共産党議員団 川崎敏美

 

日本共産党議員団を代表して、私、川崎敏美が核兵器禁止条約の実効性を高めるための主導的役割を果たすことを求める意見書案に対し、賛成討論を行います。

核兵器を全面的に禁止する核兵器禁止条約は、2020年10月に批准国が50カ国に達し、2021年の1月に発効しました。2023年1月に新たに ジブチ共和国が署名し、署名国は92か国、批准国は68か国となっています。

また2022年6月にオーストリアの首都ウイーンで開かれた第1回締約国会議には、条約を批准した65の締約国のほか、NATO加盟国のドイツ・ノルウェー・オランダなどを含む34カ国がオブザーバー参加しています。

 

そして、今年11月から12月にかけて第2回締約国会議が開かれます。

この会議にむけて、原水爆禁止日本協議会常任理事会は、日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める署名500万人分を目指すことなどを決め、署名の集約は現在、約250万人分に達しています。

また、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会は、代表委員と事務局長の2人の被爆者を派遣することを決めました。
現地では被爆者の代表として発言を要請するほか、各国の出席者などに被爆体験を証言するなど、核兵器の脅威を国際社会に訴えかけることにしています。
また、日本被団協は政府に対し、条約の批准のほかオブザーバーとして会議に参加するよう求めています。

日本共産党は、今年8月5日広島で行われた核兵器廃絶日本N G O(非政府組織)連絡会が主催した討論会で、核兵器廃絶にむけ「日本政府に三つの要求」を発表しています。 

第一は、「核抑止力」論を見直すことです。

 (5月の「G7(主要7カ国)首脳広島ビジョン」が「核抑止力」論を公然と宣言したことに、被爆者をはじめ強い批判が寄せられました。「核抑止力」論はいざという時には、核兵器を使用し、広島・長崎のような非人道的惨禍を引き起こすことをためらわないという議論であって、こうした立場を被爆地から発信したことは恥ずべきことだと思います。日本政府に対して、「核兵器のない世界」をつくるうえで最大の障害物となっている「核抑止力」論を見直し、その呪縛を断ち切ることを求めます。)

 第二は、核兵器禁止条約の存在に正面から向き合うことです。

 第三は、NPT「核兵器の不拡散に関する条約」第6条の義務の履行を核保有国に迫ることです。(現在開かれている準備委員会でも厳しく指摘されているように、NPT体制の信頼を揺るがせている最大の問題は、核保有国が第6条に基づく義務、すなわち「核軍縮・撤廃のための誠実な交渉を行う」という義務を果たしていないことであります。日本政府は、条約第6条に基づく一連の合意を再確認し、具体化し、実行すべきだということを、アメリカをはじめとした核保有国に強く迫るべきです。)

 禁止条約は、その機能を発揮し始めています。条約6条と7条に基づいて、核兵器の被害者を支援し、環境修復をはかる非公式作業部会が、日本の被爆者や核実験被害者の報告を受け、国際的な支援基金の創設に向けた検討を始めています。日本政府がすみやかに禁止条約に参加することを求めますが、11月の第2回の締約国会議に少なくともオブザーバーとして参加し、核兵器の被害者支援をはじめ、現時点でも協力できることを行うことを強く求めます。

 

私たちは今日21世紀を生きています。しかし、いつまで20世紀の負の遺産、核兵器問題を抱え続けていかなければならないのでしょうか?

ストックホルム国際平和研究所は、2023年1月時点の核兵器保有数は推定で12,512発あると発表しています。これは一説には人類を20回も滅亡させると言われています。一刻もはやく核兵器をこの地球上から一掃する取り組みを前に進めようではありませんか。

この意見書採択が、その一助となればとの思いを込めて、皆さんのご賛同をお願い申し上げ、私の賛成討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

 

註)  ( )内は実際は発言していませんが、議員団の見解です