2023.9月議会 まさき一子の一般質問と答弁要旨【子どもの権利擁護委員会の活動・公立校施設改修】

 

日本共産党議員団のまさき一子です。

私は尼崎子どものための権利擁護委員会の活動についてと公立小中高等学校施設改修についてお聞きします。

 

まず最初は尼崎市子どものための権利擁護委員会の活動について

 

尼崎市子どものための権利擁護委員会は「尼崎市子どもの育ち支援条例」に基づき、2021年4月1日に発足し、同年7月1目から活動を開始しました。

子どものための権利擁護委員会似後権利擁護委員会と言います)とは、体罰事案等の子どもの権利が著しく侵害される重大な事案が発生したことから、子どもの権利をしっかり守る仕組みを作るために、調査審議を行う独立性と専門性有する機関です。

委員会の組織は、弁護士、大学教員等子どもの人権擁護について知識と経験を有する専門家3名と相談窓口の相談員4名で組織されています。その機能は調査・調整、提言、広報・研修の機能を有しています。

 

権利擁護委員会の活動報告書のはじめに「日本が1994年に批准した子どもの権利条約には、子どもが有している諸権利が規定されています。私たちの活動の基本は、子ども一人ひとりが、それらの諸権利を自分のチカラで行使できるようにサポートすることです。子どもの権利条約第12条には、子どもの意見表明権が規定されています。子どもに関わる、あらゆる制度、あらゆる場面で、子どもの声や意見が反映されるよう、子ども自身が参画することが必要です。これにより、子どもの最善の利益は実現されます」とあります。

 

Q1ここで言われている子どもの意見表明権とは何ですか。

子ども自身が参画するための、具体的な方策はどのようにされていますか?

 

答弁要旨

児童の権利条約は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約で、4つの大きな原則があり、その一つに「子どもの意見表明権」があります。

これは、「子どもは自分に関係のある事柄について、自由に意見を表すことができ、大人はその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮する」というものです。子ども自身が意見を表明する権利を保障するには、子ども自身が社会参画するための環境を整える必要があり、そのため、子どものための権利擁護委員会では、「子どもの話をしっかり聞く」、「子どもの意思や意見を尊重する」、「子どもにとって一番いい解決策を一緒に考える」といったスタンスでその活動を行っているところです。以上

 

 

次に公立学校の施設整備についてです。

 

共産党議員団は、冬休みに続いて、今年も夏休みに40年以上経過した公立小中学校施設の視察に行きました。各学校の問題は山積していますが、今回問題が多いと思ったのが、武庫の里小学校でした。築42年になる児童数500人。武庫地域では比較的新しい学校です。

しかしその傷み具合が尋常でなく、比較的新しい建物ということで置き去りにされてきた学校なのだろうと思わざるを得ません。

 

資料をご覧ください。

①建物の外壁はクリーム色のはずなのに黒ずんでいます。今年の8月15日の台風で玄関ひさし部分の瓦がはがれていました。

②校舎の窓に「この窓はひらきません」という張り紙があちこちにありました。

③廊下の壁にひびがあり、雨もりがありました。

「尼崎学狡施設マネジメント計画」では学校施設については、施設の構造躯体の状況において、文科省が作成した「学校施設の長寿命化計画策定に係る解説書」に基づいて、構造躯体の健金度を評価しています。結果大半の施設の躯体は概ね健全と評価されています。

 

Q2外壁の汚れ、窓が開閉できない’況壁のひび割れ等この学校の構造躯体の状況はどのように評価されたのでしょうか。

 

答弁要旨

学校施設マネジメント計画では、文部科学省の「学校施設の長寿命化計画策定に係る解説書」に沿って構造躯体の健全性を調査しております。

武庫の里小学校は、平成24年度に耐震化事業で補強工事を実施しており、耐震診断時のコンクリート圧縮強度が基準の13.5ニュートンパー平方ミリメートル(N/m㎡)以上であることから、構造躯体は健全であると評価しております。構造躯体以外の仕上げ材料については、老朽化が進んでいるのが現状で、雨漏りや外壁のモルタル仕上げの剥離などが見られ、その対応が課題であると認識しており調査を行い必要に応じて修繕工事などの対応を行ってまいりたいと考えております。

以上

 

 

これで第一問目を終わります。2問目からは一問一答で行います。

 

2問目の最初は子どものための権利擁護の相談窓口についてです。

尼崎市の2020年度の人口は45万8000人。内19歳未満の人口は7万人です。権利擁護委員会の2021年度の相談件数は、7月から翌3月までに40件でした。相談件数が多い月は7月に9件、10月8件、3月8件です。これについて7Hに相談窓口開設について市報あまがさきで広報したこと、10月は子ども人権アンケートの裏面に案内を掲載したこと、さらに2月末に全児童生徒に対して周知用のカード・リーフレットを配布したことによって件数の増加に繋がったと市は評価しています。

2022年度の相談件数は33件です。今年度は7月末までの相談数は20件です。そのうちリーフレット配布後5月からの約2か月間で相談件数17件ありました。

共産党議員団は、東京都世田谷区の子どもの人権擁護機関「せたがやホッと子どもサポート」(13年度は132件、18年度340件に達し、その後コロナ禍で減少傾向でしたが、22年度367件でした。

せたホッとの相談手段として、電話、メール、来所、はがき、手紙、FAXがあります。

 

2021年度から実施しているはがき相談の効果があり、相談数の増加がみられました。22年度ははがき相談が102件そのうち子どもからIO1件、保護者から1件です。はがきは子どもにおいて初回の相談方法の41.6%を占めており主要な相談方法になっています。特に自分用のスマートフォンを持たない小学3・4年の時期が多いとのことでした。

世田谷区は子どもの人口は本市の約2.3倍ですが、相談件数は本市の約10倍です。本市は制度の周知を公表することで一時的には相談件数が増えますが、まだまだ年間件数が少ないのが現状です。

 

Q3せたホッとに比べると本市の相談数が圧倒的に少ないのは、SOS発信へのハードルが高いということでしょうか?または市民への周知と認知が低いということでしょうか?当局の見解はいかがですか?

答弁要旨

子どものための権利擁護委員会の相談窓口につきましては、令和3年7月に開設後、毎年、学校を通じて全児童生徒及びその保護者のみならず、関係機関に対してリーフレットやカードの配布だけでなく、活動報告会や市政出前講座等を通じて周知を図っているところです。

その相談件数から、まだまだ同委員会の活動内容が子どもたちやその保護者に十分に浸透していないことで、相談への敷居も高く捉えられているのではないかと考え、本年度、リーフレット及びカードを子どもたちの心に響くよう、子どもたちをターゲットにした形に一新したところであり、周知活動を更に強化していきたいと考えております。以上

 

 

Q4本市の相談手段はどんなツールがありますか?

答弁要旨

相談方法としては、来所相談、電話、メール、ホームページの専用フォームのほか、 LINEでの相談受付も行っております。以上

 

せたホッとでは、はがきは学校を通じて年に2回配布されます。配布時期になると子ども自身の相談数が増えます。子どもが記載して返事の送り先に学校または自宅を選ぶことができます。

本市の権利擁護委員会では、2021年は子ども本人からの相談数は40件中8件、保護者から28件、その他4件でした。22年は子どもからの相談は33件中8件でした。

本市では、相談のカードとリーフレットを全児童・生徒に配布されていますが、市民へ周知は不十分です。だから子ども自身の相談は少ないのだと思います。

 

Q5市民への周知と子ども自身がSOS発信できる相談窓口にしていくために、現制度の課題をどのように考えておられますか。

 

答弁要旨

先ほどもこ答弁しましたとおり、現在の課題点としましては、子どものための委員会の活動内容が子どもたちやその保護者に十分に浸透していないことがあげられますが、子ども自身が子どもの意見表明権などについて知るvことができるよう、「児童の権利条約等についての啓発の取組」も必要であると考えております。以上

 

Q6本市としては子ども本人のはがきによる相談については、どのように考えますか。

 

答弁要旨

子ども本人のはがきによる相談も、相談のきっかけとしては有効であるかと考えていますので、子どもにとって相談しやすい窓口となるよう、「せたホッと」のはがきの取組を含めた先進市の取組を調査し、今後の取組の参考としていきたいと考えております。以上

 

子どもにとって本人が相談する行為には勇気がいると思います。でも問題から逃げないでSOSを発信できる、大人を信頼して助けをもとめる、話し合って解決に向かう成功例を体験することは、子どもの自立・成長する上でかけがえのない財産になるのではないでしょうか。

 

つぎに学校に出向いての人権教育についてです。

 

せたホッとでは、設立当初からせたホッと職員自ら学校に出向き、人権のための授業を行う活動をしています。いじめ防止授業や子どもの安全を守るセーフティ教室、子どもの権利についてなどの出前講座を実施してきました。いじめ授業については、世田谷区内の公立小中学校年間1~5校実施しています。せたホッとの中心となっている弁護士が、学年クラス別小人数で実施するために1校でも何回かに分けて実施しているそうです。

本市の権利擁護委員会は8Aにサマーセミナー、校長や教師との懇談会、関係機関との講演会、年間活動報告等啓発活動をしてきました。今後子どもを対象にした活動をどう広げていかれるのか、人権教育についての考えをお聞きします。

 

Q7子どもに対するいじめ防止授業や子ども自身の安全を守る対策等はどのようにされているのでしょうか。

 

答弁要旨

これまで子どもの権利擁護委員会では、市政出前講座のほか、学校や保育園、PTAなど主に大人向けに、委員会の活動内容や子どもの権利についての研修などの活動を行ってきましたが、今後は、教育委員会とも調整し、いじめ防止等をはじめとする子どもの権利擁護について子どもたち向けの活動も行っていくことを確認しているところです。以上

 

先日、市民グリーンの宮城議員、須田議員主催で、女性議員対象に行われた「人権をべ一スにした性教育」の学習会に参加しました。印象的だったのが養護教諭による学習指導要領に書かれている一辺倒の性教育ではなく、人間を理解するうえで大きく踏みこんだ内容でした。

一部紹介します。「顔目耳口と体には名前があります。体の臓器や器官のすべてに名前がありプライベートゾーンの性器にも名前がついています。その部分は常に清潔に保たれるように、自分で洗うんです。そして他人には見せないように大切にして自分の体を好きなってほしい」ということでした。また男女一緒に性教育を行い、女性の生理時の体の苦痛や負担を男児にも理解できるように教える。自分も他人の体もいとしく思う、好きになる。まさしく人権教育でした。教育委員会にお聞きします。

 

Q8性教育を通じた人権教育についてどのようにお考えでしょうか。

権利擁護委員会にお聞きします。

 

答弁要旨

各学校におきましては、教育活動全体を通して、児童生徒が人権の意義・内容等を理解し、人権感覚を身につけ、具体的な態度や行動に表せるように人権教育に取り組んでおります。

性についても、各校で学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階を踏まえて、生活科、体育科、理科等の授業をはじめ、様々な機会を通じて指導しております。また、教育委員会といたしましても、すべて中学校で「予期せぬ妊娠」「デートDV」「性的マイノリティ」について、関係機関との連携や専門家の講演などを通して学ぶことができるよう学校を支援しているところでございます。

議員ご指摘の通り、子どもたちがプライベートゾーン等、性に関する内容を学ぶことは、自分の大切さとともに、他の人の大切さを認めることにつながり、人権教育の一環として非常に大切であると考えております。

以上

 

Q9今後子どもたちへの人権に対する啓発活動の方向性をお示しください。

 

答弁要旨

先ほどもこ答弁しましたとおり、今後は、大人に対する周知啓発活動と並行して、子どもたちに対して、児童の権利条約をはじめとする子どもの権利についての啓発にも取り組んでたいと考えております。

 

 

公立小中学校の学校施設整備について

 

第1問目につづいて、武庫里小学校の廊下についてです。

資料④廊下や階段はモルタル材でありザラザラ感がある素材で、ほこりがしみ込み黒ずんでいます。まるで道路を歩くイメージです。学校の廊下が掃除では汚れが取れず黒く薄汚れていては子どもの学習環境にはそぐはないと思いました。

また、武庫里小学校は南校門から入ると緑の並木があり、メルヘンチックな雰囲気です。

しかし足元を見ると、資料⑤石畳みに樹木の根っこがはり、盛り上がったり段差はあったり、校舎周辺の至る所で石パネルがはがれています。校舎周辺の石畳のゆがみについては、来年度車いすの児童が入学する予定ですが、改修計画はありません。これでは尼崎市が目指すインクルーシブ教育とは相反しています。

今年1月に出された「尼崎学校施設マネジメント計画(実施計画)」には、今年から2032年までの10年間で、・概ね築20年及び60年目に中規模改修を実施。・概ね築40年目に大規模(長寿命化)改修を実施するとしています。しかし計画に挙がっている建替え・大規模改修および中規模改修対象校は、築80年以上の小学校5校の建替え計画と、築20年の明城小学校の中規模改修、市尼高校の中・大規模改修です。計画がない築42年目の武庫里小学校はあと10年間放置状態なのでしょうか。

 

Q10①~⑤について、また表面に見えない配管の劣化もあります。施設全体の問題としてメンテナンスの対象になるのではありませんか?築40年目の大規模改修に挙がらなかったのはなぜですか?

 

答弁要旨

本市の学校施設は、昭和30年代後半から昭和50年代にかけての児童生徒急増期に建設した校舎が多く、築40年以上の校舎が160棟と全体の約6割を占めるなど多くの校舎の老朽化が進んでおります。

このため、学校施設マネジメント計画の実施計画では、築年数や点検調査に基づいて実施した劣化状況の評価を参考に優先順位付けを行い、建替えや改修等を進めることとしています。概ね20年以内に建築された学校については計画的に予防保全を実施し長寿命化を図ることとしています。それ以前に建築された武庫の里小学校などについては、施設の状況について日常点検などにより不具合の兆候を把握するなど、安全性や機能性の確保のため、必要に応じて外壁改修、などの対応工事や修繕を実施してまいります。以上

 

私は武庫里小の体育館の隅に置かれた傷みが激しい跳び箱の数々、校庭の隅に放置されたサッカーのゴールを見たとき、この学校はすべてに対して手を入れることなく放置された学校ではないかと思わざるを得ませんでした。跳び箱はこの冬までに修理することが決まっておりここでは取り上げません。しかし長い間放置されてきたことが一目瞭然です。こんな状況を議員のみなさんと共有したいと思って資料の番外編に挙げさせていただきました。

 

次はトイレについてです。

1棟(1・2・3階)のトイレは改修され、特別支援学級や1年生の児童が使用しています。

しかし資料⑥、あと2棟と体育館横のトイレは42年前のトイレで女子の和式3個・洋式1個の割合で設置されていました。しかしその洋式トイレが使用禁止の張り紙や掃除道具と一緒に置かれたり、子どもが快適に用をたすようになっていません。水洗浄の為にドアが腐食しています。現場の教師によると「低学年では和式トイレを使えなくてお漏らしをする子もいます。学校に行きたくない原因にもなりえる」「トイレの改修が一番の要望です」との話がありました。

資料⑦は、男子トイレに上の階から汚水が漏れてきて大騒ぎになりました。教師は「改修されましたが廊下までアンモニア臭が漂うことがあった」と。今でも隣の女子トイレはにおいがきつくありました。

教育委員会は「2021年度にすべての小中学狡で1棟以上のトイレ等の整備は完了した。今後は洋便器率の低い学校からから順次改修を進める」としています。確かに武庫里小学校は42年前にごく一部洋便器にされましたが使用できない、配管の異常が生じています。

 

Q11武庫里小学校のトイレ改修のスケジュールはどのようになっていますか。

 

答弁要旨

武庫の里小学校につきましては、平成25年に北東棟のトイレ改修を実施し、3か所のうち1か所のトイレが改修済みであり、校内の総便器数に占める洋式便器率は50.80/oとなっております。

他の改修工事との調整や国の交付金を活用することもあるため具体的なスケジュールをお示しすることはできませんが、洋式便器化率の低いところから順次改修を進めているところであり、毎年3~4校程度整備を進めてまいりたいと考えております。以上

 

武庫里小学校だけではなく、多くの小中高校のトイレの洋式化は、児童・教師・保護者の一番の要望です。排泄は人権の問題として保障するべきです。

これまでも国の交付金待ちではなく、市独自でもトイレの改修を急げと要望を繰り返してきました。教育委員会は「トイレ改修は大きな予算がかかる。国の交付金が必要」と繰り返してきました。しかしお金の問題ではなく、これでは未来を担う子どもが大切にされているとは思えません。

文教委員会で市立尼崎高校に視察に行った際、校長は「市尼は洋式トイレがなくすべて和式です。女子生徒がかわいそうで、洋式トイレにしてほしいjと強く要望されていました。

現場での校長の思いはもっともだと思います。

 

本市の教育予算に対する決算では、不用額が2022年度7億1000万円ありました。21年度の不用額は4億6700万円、20年度は3億4000万円、19年度は6億1000万円でした。

 

Q12この不用額の一部でも次年度に繰り越して、トイレの改修を国の交付金待ちではなく市独自でも進めるべきと思いますがいかがですか。

子どもの人権、学ぶ環境、学力向上、健康と健やかな成長のためにも公立小中高校のトイレ改修は最優先で取り組むべきと考えますが。いかがですか。

答弁要旨

多くの要望があるトイレの改修につきましては、現在の洋便器率が7割近くまで進みましたが、今後もまだ多くの学校で改修を進める必要があります。

トイレ改修には多額の費用が必要であり、限られた財源の中で、少しでも多くのトイレ改修を進めるためにも、国の交付金を活用してまいります。以上

 

最後は学校施設でモルタル材の落下について

先日の8月27目付の朝日新聞に、「老朽校舎、危険が降ってくる。軒裏から落下公立小中学校で年1200件」という記事がありました。

北九州市立の小学校で「落ちてきた破片が子どもに当たった」高さ14mの校舎4階部分の軒からモルタル片が落下。児童の5人頭や手足に当たり、1人が足の指を骨折したものです。

昨年の10月には埼玉県久喜市の市立中学校で60kgを超すモルタル片が落下しました。

けが人はいなかったものの、いずれも1970年~80年代に建てられたもので、40年以上経過していました。

文部科学省の調査では、全国の公立小中学校の施設で2021年度、軒裏からモルタル片が落下した事例は1211件発生し、外壁を含むとさらに増えるということです。

 

Q142021年の文科省の調査時、本市も応えていると思いますが、のモルタル落下する恐れがある小中学校はどれほどありましたか?

 

答弁要旨

2021年実施の「公立学校施設の老朽化状況調査及び耐震改修状況フォローアップ調査」において、モルタル片が落下していた事例があると回答した学校数は5校となります。なお、該当の学校に関しましては、現地確認の上、必要な修繕について実施済みです。以上

 

資料の⑧、本市でも七松小学校の4階軒裏のモルタルが落下する恐れがあり、危険範囲付近に近づかないよう赤いコーンが置いてありました。七松小学校は築60年経過した施設です。

 

Q15七松小学校の場合の、対応はどのようにされるのでしょうか?

 

答弁要旨

七松小学校につきましては、平成30年の大阪北部地震の際に議員ご指摘の校舎4階部分の軒裏モルタルが

落下したため、その周辺も含め落下の恐れがある部分についてはモルタル部分を撤去し、補修を実施しております。

その後も、建築基準法に基づく法定点検及び職員による目視点検等を定期的に実施しておりますが、コーンによる安全確保も併せて行っているものでございます。以上

 

外壁の仕上げにモルタルを使っている学校施設が多く時間がたつとひびが生じ、そこから雨水などが入り込み、内部の鉄筋がさびて膨張。外壁のモルタルが押し出され剥離につながります。先ほどの北九州市は対策チームを設置し、ドロ一ンによる赤外線カメラによる壁の浮きを見つける点検方法を研究しています

 

東洋大学名誉教授で工学博士の長沢悟氏は「落下はどこの学校でも起こりうる可能性がある。早急な改修や修繕が必要で、国の財政支援も求められる。財政が難しい場合は専門家を交えた点検を適切に行って、緊急度を判断し、子どもには危険範囲に近づかないように工夫が求められる」とのことです。

 

Q16老朽化した施設の軒裏のモルタルの落下事故防止のために、専門家による診断と対応を検討するべきと考えます。いかがですか。

答弁要旨

現在は、学校職員による日常点検や建築基準法に基づく法定点検等により不具合の兆候を把握し、落下事故防止のために外壁や軒裏のモルタルなどの浮きが見られる箇所は叩いて落とすなど、応急対応を順次行っているところでございます。

外壁の高所部分の詳細調査については、足場等が必要なため費用がかかることから、他都市ではドローンによる赤外線調査の研究も進められています。今後、調査の精度や費用、他都市での事例を含め、効率的かつ効果的に調査する方法を研究してまいります。以上

 

また文科省は長寿命化改良事業として、築40年以上経過した建物については下限額7千万円以上の改修工事については費用の助成があり、かかる費用の3分の1を補助するものです。しかし7千万円以下の日常的な修繕費用は自治体の全額負担となります。最後の質問です。

 

Q17国に対して財政支援をしっかりと求めてほしい、強く要望しますが、いかがですか?

答弁要旨

学校施設の整備については、多額の経費が必要なことからも、国に対し財政支援を要望いたしております。例えば中核市教育長会では、令和6年度文教に関する国の施策及び予算に関する要望事項の中で、学校の施設整備等の推進について、また、全国都市教育長協議会においては、学校施設整備事業の確実な財政措置について、大規模改造・長寿命化事業の補助要件の緩和、学校トイレの洋式化に関する財政措置の拡充などを国に要望しております。今後も引き続き、国に対し要望を続けてまいります。以上

 

 

これで私の一般質問終わります。