23年3月議会 川崎としみ議員の代表質疑と答弁要旨

23年3月議会 代表質疑  23/3/8 川崎  

 日本共産党議員団の川崎敏美です。会派を代表して、2023年度予算並びに関連議案、施政方針についてお聞きします。

 総務省が2月24日発表した1月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104・3と、前年同月比4・2%上昇しました。1981年9月(4・2%)に並ぶ41年4カ月ぶりの高い伸びとなりました。上昇は17カ月連続となります。

 食料品とエネルギーの値上がりが物価全体を押し上げる構図が続きました。具体的には生鮮食品を除く食料が7・4%上昇しました。食料の調査対象品目の9割が高くなりました。電気代は20・2%、都市ガス代は35・2%上昇しました。

 観光需要喚起策「全国旅行支援」の割引率が1月から縮小された影響で、宿泊料の値下がり幅が小さくなったことも物価の押し上げ要因になりました。

 生活実感に近い生鮮食品を含む総合指数は4・3%上昇。生鮮食品とエネルギーを除く総合指数も3・2%上がりました。

 2月以降の物価上昇率は、政府による電気・ガス代の負担軽減策の効果で1月と比べ1・0%程度下落する可能性があります。ただ、食料品では冷凍食品や調味料などの値上げが続く予定で、食料品の上昇幅は拡大しそうです。

 こうした経済情勢のもとで市民の暮らしは大変な状況となっています。市民のくらし

 私が実際に見聞きしたことをお伝えします。ある家庭を訪問したところ、お家の中にいたにもかかわらず、出て来られた方の格好はダウンジャケットをはおり、全身雪だるま状態でした。電気代が高すぎて暖房を一切つけておらず、この格好で寒さに耐えているというお話でした。またある高齢者の方は、良かれと思って3年前にオール電化にしたけど、去年でも電気代は2倍、今年はそのまた倍になって何とかならないのかと言われました。他にも冬の今でも風呂に入らず、週2回のシャワーだけにして倹約しているとかといった話も聞きました。

 コロナ危機、円安と物価高騰に市民のくらしは直撃を受け、大変な状況となっています。コロナ対策や防災対策、中小事業者や貧困家庭への支援などの物価高騰対策など、自治体が取り組むべき課題は山積しています。

 

Q1.市長は今の状況をどうとらえ、市民生活を守る取り組みを進めていくのでしょうか? 具体的に水道料金の基本料減免等、新年度も実施すべきと考えますが、いかがでしょうか?

 

答弁要旨

議員ご指摘の通り、小麦、肉、卵、電気代、都市ガス代等、この1年で多くの物価が上がっており、市民生活は決して余裕がない状況だと受け止めております。

本市における物価高騰等への対応としては、今年度、すべての市民・事業者を対象とした「4ヶ月分の上下水道の基本料金等の減免」や、国の子育て世帯生活支援特別給付金の対象とならない「子育て世帯に対するあま咲きコインの給付」など、様々な支援を実施してきました。

また、令和5年度においては、「あま咲きコイン」を活用した「ポイント還元キャンペーン」の継続実施を予定しています。本市の財源についても限りがありますので現時点では市単独そして独自の追加的な物価高騰対策を講じる予定はありませんが、引き続き市内経済や市民生活への影響をしっかりと注視しつつ、国の動向も踏まえながら、市民の皆さまのニーズを踏まえた機動的な施策を適時、努力してまいります。(以上)

 

市長の施政方針について

 市長は施政方針で、5つの柱を踏まえながら、各分野の政策を前向きに進めていくと述べられています。ここでは3点質問させていただきます。

2つめの柱、誰もが暮らしやすいまちのなかで、最初に重層的支援の取り組みの強化が打ち出され、「地域住民の複雑・複合化した支援ニーズに対応するため、重層的支援推進事業として、支援関係者との役割分担等による伴走支援やアウトリーチ、社会参加支援に一体的に取り組んでいるところです。」と示されています。重層的支援について、昨年12月末時点で、実相談受付人数は71人あり、31人が支援、40人が相談のみの取り組み状況だと担当課からお聞きしています。これまでの取り組みの問題点と課題についてお聞きしたいと思います。

 

Q2.市長が考える重層的支援の取り組みには、これまでの個別施策の対応ではなく、イノベーションともいえるダイナミックな転換がめざされていると思うのですが、市長はこれによって市役所のどのような変革を望んでいますか?

 

答弁要旨

重層的支援が目指す姿は、従来の「縦割り」の分野ごとに課題解決する取組から、個人や世帯の抱える課題を既存の「公的制度」に加え、多様な地域資源と連携して包括的に「丸ごと」支援していく取組です。

そのため、一つひとつの事例を組織横断的に共有し、一歩ずつ解決に向けた知恵を出し合う、その積み重ねを通して、職員一人ひとりの縦割り意識を乗り越えることがまず第一歩だと感じています

市役所のような大きな組織では、こういった縦割り意識を乗り越えるような業務遂行は容易ではなく、そういう意味で、この重層的支援の取組は、大変根気のいる取組だと考えています。

重層的支援の取組を着実に進めることで、各部署が縦割り意識を排除し、これまで以上に市民に寄り添い、未来志向で様々な政策課題を解決していく市役所にしていきたいと考えています。以上

 3つめの柱、住環境整備、まちの魅力とイメージの向上のところでファミリー世帯の定住・転入促進の観点からは、子育て・教育といったソフト戦略に加え、住環境の整備が極めて重要であると述べられています。 決して住環境の整備について、ファミリー世帯を特別にとの考えではないということはわかりますが、しかし忘れてならないのは、住宅確保要配慮者の存在です。

住宅政策として、住宅マスタープラン2011が定められています。そこでは、「住宅確保要配慮者について、従来の低額所得者だけではなく、高齢者や障害者、ひとり親世帯、子育て世帯にたいして、居住における不安定要素を多く抱えており、居住の安定に配慮した住まいづくりが求められています。特に市営住宅については、こうした課題に対応できるよう、適切な供給・管理に取り組むとともに、他の公的賃貸住宅との連携や、民間賃貸住宅の活用に向けた環境整備などを進める必要」とあります。

その後住宅マスタープランは10年後の次計画として、『住まいと暮らしのための2021年から2030年の計画』と名称を変更して策定されています。そのなかで方向性の6として「住宅確保要配慮者の居住の安定の確保」について、(1)民間賃貸住宅を活用したセーフティネットの促進(2)計画的な市営住宅の整備・供給、(3)その他の公的賃貸住宅の有効活用についてと、3つの柱をたてています。その中で、(2)の計画的な市営住宅の整備・供給では、「②建て替え等に伴う管理戸数の見直しで、平成26年度に策定した公共施設マネジメント基本方針に基づいて市営住宅の管理戸数の削減」を言いつつ、「⑤管理運営のありかたの見直しでは、近年応募倍率が5~8倍で推移している中で、著しく住宅で困窮する低額所得者が市営住宅に入居できるよう、より適切な入居機会の提供や入居管理など、その運営の在り方を検討」としています。これは、②と⑤では見方によっては相反する取り組みとなっているとみられても、仕方がありません。一体、住宅確保要配慮者への施策はどこまで前進しているのでしょうか。

 

Q3.住宅確保要配慮者へ対応した取り組みを強化していくためには、市営住宅の適切な供給・管理に取り組むべきです、市営住宅の戸数割合が他市よりも多いから減らすのではなく、ニーズに見合った計画に改めるべきだと考えますが、市の見解は?

答弁要旨

本市の市営住宅は、類似都市と比較して多くの管理戸数を有しているため、持続可能な管理運営の観点から、全体の管理戸数を削減することとしており、計画の見直しは考えていません。一方、議員ご指摘のとおり、市営住宅は、住宅確保要配慮者に対する居住安定の一端を担っていると考えています。

そこで、住宅確保要配慮者への取り組みといたしましては、市営住宅の建替えに際して、高齢者や障害者、子育て世帯などの多様なニーズに対応できる住宅を整備することに加え、入居に際しても、母子・父子や高齢者世帯といった、住宅確保要配慮者が抽選時に優先して入居できる枠を設けるなどの取り組みを行っているところです。

 

 5つめの柱に、市民とともに市民に寄り添う市役所をかかげられています。おおいに歓迎するところです。そこで具体的に掲げられているのが、情報セキュリティ対策、デジタル化ということでした。これはこれでいいのですが、市民に寄り添うと言っているわけですから、そのためにどうするのかということを積極的に打ち出すべきだと思いました。市民との対話等で直接お話を聞いて市政運営に反映させる手段・方法についてどのように考えられているのかお聞きします。

 

Q4.市民との対話の場をどのようにセッティングされようとしていますか、定期的に例えば車座集会等とか市長との懇談の場をもつ計画についてどのようにお考えでしょうか?

 

答弁要旨

私自身、政治活動を通じて、市民の皆様の声を直接伺うことの大切さを実感していますし、今でも、行事やお祭り等で市民の皆様と直接お会いし、お話することは、市政を進めるにあたっても貴重な機会と感じています。このため、車座集会をはじめとした市民との対話の場については、今後積極的に取り組んでいきたいと考えています。

実施に当たっては、参加者の多様性確保の観点などから、オープン型で実施するほか、テーマや対象者を絞って実施するなどの工夫により、効果的に行ってまいります。

また、車座集会に限らず、様々な機会をとらえ、多様な分野で活動されている方々との対話も積極的に行い、そこでいただいた市や事業者の皆様の声を市政に反映してまいります

以上

 

財政問題

次に財政問題についてです。

全国的にここ十数年、地方自治体は「基金」を大幅に積み増しています。コロナ禍のさなか、2021年度の基金は25・8兆円となり、2007年度の13・9兆円の2倍近くに増えています。このうち使い道が自由な財政調整基金だけでも21年度は9兆円で、2007年度4・2兆円の2倍超に達しています。

本市の財政調整基金は、2007年度14億円から2021年度115億円、2023年度の見込み額は110億円となっており約8倍となっています。当局は「基金」を積んでいく基準として類似都市の基金残高の平均値に近づけるとしています。その理由は、例えば災害時の対策の際、類似都市がとる対策と同等のものに遅れをとらないようにするためとの説明がありました。類似都市といってもそれぞれの自治体としての財政状況には成り立ちがあり、また取り組むべき課題はまちまちでしょう。類似都市の平均値に基準を定めることにどんな意味があるのでしょうか。

 

Q5.主要3基金残高がいずれも100億円を超えています。今困っている住民のために、市民のくらし応援のために、基金の思い切った活用をすべきではないでしょうか? 

答弁要旨

主要3基金の残高目標や積立・取崩に係る考え方については、財政運営方針において整理し、お示ししているところであり、こうした中、減債基金は、公債費に起因する収支不足などに対して活用しているほか、近年取崩を行っていなかった公共施設整備保全基金についても、原則として直近3力年における積立平均額の1/2を限度に投資的事業に対して活用するルールに基づき、令和5年度から積極的に活用していきます。

また、財政調整基金につきましては、税収の急変動や大規模災害の発生といった緊急的な事態が生じた場合に備え、類似他都市並の残高の確保を目標としつつも、今般の新型コロナウイルス感染症対策や、物価高騰対策について、時機を逸することなく、迅速に市民生活の支援に対応するといった観点から、活用もしてきたところです。

いずれにしましても基金は単なる貯金ではなく、それぞれに目的を有していることから、今後も引き続きこれらの目的を踏まえる中で適切に活用してまいります。

以上

 

 

コロナ感染症対策について

昨年の代表質疑で、コロナ対策の今後の対応についてお聞きしたところ、市は「今後に備え、新型コロナ対策に関する、一定の方向性を取りまとめる必要があると認識していることから、この第6波が収束した後、これまでの取り組みについて振り返りを行い、疫学調査手法や保健所の体制強化などについて改めて整理し、必要な対応につなげてまいります」と答弁されています。

 

Q6.お尋ねします。これら自ら市が提起していた、『疫学調査手法や保健所の体制強化などについて改めて整理し、必要な対応につなげる』といったことに対して、具体的にどのような取り組みがなされたのか、また今後の取り組みについてお答えください。

答弁要旨

昨年2月に、感染拡大のピークを迎えた第6波におきましては、高齢者施設等におけるクラスターの発生件数の急増などもあり、第5波を大幅に上回る陽性者が発生したことで、疫学調査や健康観察といった保健所業務が一時逼迫する状況が生じました。

このような経験を踏まえ、派遣職員の活用範囲を拡大するなどにより、保健所業務の逼迫状況を緩和し、市民の生命を守る観点から、保健師等の医療専門職が重症化リスクの高い方への対応に専念できるよう見直しを行い、より丁寧な疫学調査や健康観察、入院調整等に努めています。

また、陽性患者に対する保健所からの第一報をすみやかに行うとともに、療養に関する必要な情報などをお伝えするため、携帯電話番号でメッセージの送信ができるSMS(ショートメッセージサービス)を活用した情報伝達を導入するなど、業務の簡素化・迅速化も図ってきたところです。

現時点において、国から感染症法上の位置づけの変更に伴う、具体的な感染症対策は示されていませんが、今後とも国の動向に沿って、保健所体制の整備に努めてまいります。

以上

 

 

岸田文雄首相が新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを、今春に季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げると表明しました。首相は「平時の日本を取り戻す」と主張します。しかし、感染状況は予断を許しません。いま第8波の感染急拡大で医療・救急体制は逼迫(ひっぱく)し、1日の死者数が過去最悪の500人超となるなど深刻な事態が起きています。まだまだ警戒を強めなければいけない時に、首相が5類への引き下げに前のめりとなることは、「コロナは終わった」との誤ったメッセージを社会に広げ、感染状況をさらに悪化させる危険があります。

 感染症法は、感染症を1~5類と「新型インフルエンザ等」などに分類しています。新型コロナは、新型インフル等と同じ位置付けで「2類以上」の措置がとれるとされています。5類に移行すれば、行動制限や入院勧告などができる法的根拠がなくなります。

 岸田政権は5類への移行の際、医療の公費負担を段階的に見直す方針を明らかにしています。ワクチン接種や、患者の入院・外来診療、検査などでの国民負担増が懸念されます。医療費の負担増によって受診控えが広がれば、患者の命と健康にかかわるだけでなく、感染拡大を抑制する上でも大きなマイナスです。医療現場からは公費負担を縮小することに強い懸念が相次いでいます。

 政府は5類移行後、コロナ患者に対応する医療機関の制限をなくすので、受診できる医療機関が増えるという見通しを立てています。しかし、実際に政府の思惑通りにいかないと声が上がります。発熱外来の設置などをためらった医療機関の多くは、一般患者と動線が分けられない設備上の問題などがあったためです。その打開の方策は示されていません。むしろ政府はコロナに対応する医療機関を支える補助金の削減・廃止をすすめるなど、医療体制強化に逆行する動きを強めています。

 入院調整に保健所や自治体が関わらなくなるため、入院先の確保が一層困難になるとの不安は消えません。公的な支援から手を引き、現場に苦難を押し付けることなどあってはなりません。

 政府は5月に5類引き下げをめざすとしていますが、春までに感染が収束する根拠は全くありません。この時期は、年度替わりで入学や就職のシーズンで多くの人が移動します。人の移動が増える時期に感染が広がったことはこれまで何度も経験しています。政治的な思惑から時期を決めて感染対策を緩めることは許されません。

 政府のコロナ対策の専門家有志はコロナのオミクロン株の感染力は季節性インフルよりはるかに高いと警告しています。高齢者を中心に死亡数が増加しているのは、感染力の強さが要因だとされています。その危険を直視せず、国民に正確な情報発信を怠るなど無為無策で感染を拡大させた岸田政権の責任が厳しく問われます。

 

市内の高齢者施設では、慢性的な人手不足で、介護士がコロナ陽性になっても休めない状況がありました。そのためにクラスターがおさまらず施設でパニック状態になりました。こういう状況は第2類から第5類に変更されても必ず起こります。高齢者施設におけるコロナ対応は、国の指示待ちではなく早急の対応が必要だと考えます。

 

Q7.コロナ感染症対策において、分類を変えることによって市民負担が増大すると思われます、また国による医療機関に対する特別な支援策は不十分です。市としての独自の支援策を講じるべきだと思うのですがいかがでしょうか?

 

答弁要旨

現時点において、国から感染症法上の位置づけの変更に伴う、具体的な対策は示されておらず、本市におきましては、その動向を注視しているところです。

国におきましては、医療費に対する公費負担や医療提供体制、ワクチン接種等、位置づけ変更後の様々な

政策について議論されているところであり、本市としましては、こうした動きを踏まえながら、適宜適切な対策を講じていきたいと考えています。

以上

 

発熱外来、検査の体制、夜間診療体制

医療機関で働く看護師さんの声を紹介します。

 コロナで明け暮れた3年間でした。先日、当院のコロナ病棟で総括会議が開かれました。コロナの医療を支えてきた仲間の声を少し紹介します。「コロナの病棟に希望して配置されたけど、どんなことが待っているのか先が見えなくて、使命感だけで頑張ってきた、まるで志願兵のような気持ちだった」

「コロナのピーク時はベッドが満床で、保健所からの入院の依頼にこたえられない場面もあった。断った後でうちが断るとその人はどこにも入院できなかったのではないか、助かるかもしれない命を見捨てることになったのではないかと、とてもつらかった」

「8月のピーク時に発熱外来はパンク寸前、受付の2時間に150人が押し寄せ、防護服が熱くてくらくらした。患者さんも6時間も7時間も待っておられたが、怒り出す人もなく、むしろ、いろいろなところに断られて困っていました。探して探してようやくここで診てもらえて助かりました。ありがとう、大変ですが頑張ってくださいと逆に励まされた」そんな声がありました。

 

消防局から、救急件数と救急搬送困難事案の資料をいただきました。救急搬送困難事案というのは救急現場から医療機関問い合わせ回数4回以上、現場滞在時間30分以上をいいます。2022年2月第6波のピーク時では救急搬送事案が10.2%、8月第7波のピーク時11.1%、2023年第8波のピーク時は12.1%と、平常時の2~4%に比べてグーンと高くなっています。この救急搬送困難事案のすべてがコロナとは言いませんが、コロナ陽性者数と比例していることは明白です。

 

発熱外来に行っても熱が出ていても、診察が受けられない、救急車を呼んでも受け入れる病院等がないということがたくさんあるわけです。特に夜間、子どもが高熱を出しても診察が市内ではできなくて、結局伊丹まで行かなければならないという問題が起こっています。

 

Q8.いつでも、どこでも、誰もが診察を受けられる体制が必要だと思います。受診体制の拡充についての考え、また発熱外来、夜間の診療体制が不十分です、そのための対策をどのようにとられようとしていますか?

答弁要旨

新型コロナウイルス感染症に対する診療・検査につきましては、医師会のご協力により、現在、市内215か所の医療機関で対応いただいています。

また、夜間につきましては、休日夜間急病診療所において、診療・検査を行っており、急病診療所小児科の診療時間外である午前0時以降につきましては、「あまがさき小児救急相談ダイヤル」において、発熱等のご相談をお聞きする中で、必要に応じて対応可能な医療機関を案内し、診療・検査につなげているところです。本市としましては、引き続き、医師会等の関係機関と連携しながら、診療検査体制の確保に努めてまいります。

以上

 

モーターボート事業会計について

今年度よりボート事業会計からの剰余金の運用について、また新たなルールがつくられています。近年コロナ禍の元でモーターボート事業の売り上げは急上昇していますが、これがいつまで続くものでもありません。ギャンブルに頼る市財政のあり方について、先を見通した財政運営、健全な財政運営とはどのようなものであるのかということを絶えず見ていく必要があると思います。

歴史的に見ても、昨年6月議会の一般質問でも述べたように、尼崎市の場合、過去においてこの事業を廃止する動きがありました。

 

私たち共産党議員団は、改めて全国24場でのモーターボート事業を施行している自治体の共産党議員団に問い合わせを行い、この会計に対しどのような考えを持って対処しているのか聞きました。全ての調査が終わってはいませんが、この事業に対して批判的な立場をとっているのが約半数に上っていました。やはりギャンブル依存症等を引き起こす社会問題はなくならない、またギャンブル収入を当てにする自治体財政のあり方は改めるべきだとする意見が多数を占めていました。

 

新市長が誕生するたびにお尋ねしていたのですが、12月の代表質問で松本市長にお聞きすることができていませんでしたので、この際お尋ねします。

 

Q9.ギャンブル収入を市の財政計画に組み込むことについて、健全な財政運営と言えるのか、市長及び財政当局の考えをお示しください。また今後について、いつまでギャンブル収入に頼っていくのか、期限を定めて公営ギャンブルからの撤退の時機等を検討する第三者機関の設置を定めるべきではないのか?

 

答弁要旨

公営競技は、その収益を広く社会に運元し、社会貢献を果たすという大きな役割を担っているところであり、本市においても、これまで収益事業収入を財源として、学校施設をはじめとする公共施設や、下水道の整備など、まちづくりに大きく貢献してきたところです。

こうした役割のもと、令和5年度には、休日夜間急病診療所の整備などのほか、令和6年度以降についても、本市がまちづくりを行っていくための貴重な自主財源として、収益事業収入を有効活用していくこととしています。

従いまして、撤退時期の検討という考えはありませんが、議員ご指摘のギャンブル依存症等の社会問題があることも承知していますので、相談窓口の案内、リーフレットの配布、場内アナウンス、ホームページの活用等により、啓発・周知の取組を今後も引き続き行ってまいります。(以上)

 

 

 以上で第1問を終わります。

 

第2登壇

自治体のデジタル化 マイナンバーカードについて

 誰1人取り残されない社会をデジタルの力でなどと謳うデジタル田園都市国家構想の最大の目的は、どうやって行政の持つデータとサービスを企業の儲け口につなげるかを、財界主導で具体化することです。昨年12月16日、竹中平蔵氏などが名を連ねる、デジタル田園都市国家構想実現会議では、各委員から、「これからは、行政データと民間データにアクセスした個人がはっきり分かるマイナンバーの普及をベースにどう利用できるかの社会づくりだ」、「デジタル社会の見取り図を作成し、官民が大胆に投資を行えるようにする」などの発言が相次ぎ、国民置き去りへの議論に終始しています。

 政府はマイナンバーカードの利活用を無理矢理促進するために、強権的な施策を進めようとしています。2万円のポイントばらまきや、紙の保険証廃止という脅しなど、常軌を逸しているとの指摘が相次いでいます。

 厚生労働省は、23年4月から12月の期間、従来の保険証を使った場合の窓口負担を12円から18円に引き上げ、カードを使った場合は6円に据え置くとしています。(いずれも3割負担の場合)。自治体によっては、様々な住民サービスの提供の際にカードの取得を要件とするところも出ています。岡山県備前市では、市独自の給食費や学用品の無償化を受ける要件に「世帯全員のマイナンバーカード取得」を条件としたため、各メディアが報じる大問題になっています。任意であるはずのカード取得の有無で差別するなど、憲法の「法の下の平等」の原則にも反する大問題です。

 

Q10.マイナンバーカードの取得を条件に、市の施策が受けられないといった状況はありませんか?また今後も、住民サービスの提供に際しカードの取得を要件とすることは行うべきではありません。市の見解は?

 

答弁要旨

本市におきましては、マイナンバーカードの取得を前提とした行政手続のオンライン申請の実施など、カードの取得による利便性の向上といった付加価値のある事業を展開していますが、カードを取得していないことにより、行政サービスが受けられないといったことはありませんし、今後も、法律の根拠なく、市が独自に、市民が必ず利用しなければならないような行政サービスに、カード取得を条件づけるようなことはしないようにしたいと考えています。以上

 

 日本共産党は、デジタル技術の普及そのものには反対ではありませんが、岸田政権が進めるデジタル化は、巨額の税金を投入し、行政サービスの後退や、財界への利益誘導と官民癒着の拡大を招く一方、国民には、個人情報の漏洩の危険や、負担増・ 給付削減が押し付けられる恐れがあります。

 デジタル化の推進と個人情報保護の強化は一体ですすめられるべきです。“本人同意なしに個人情報を提供する”など個人情報の「利活用」をはかる国の改悪の押しつけに反対し、自治体の個人情報保護制度を守り、発展させることが必要です。

自治体の民営化

昨年の代表質疑で、自治体の民営化について、公共サービス基本法に基づく総合的な検証を行うべきだと質問しました。

公共サービス基本法は第3条で基本理念を定めています。第三条 公共サービスの実施は、次に掲げる事項として5つのことをあげています。

  安全かつ良質な公共サービスが、確実、効率的かつ適正に実施されること。

  社会経済情勢の変化に伴い多様化する国民の需要に的確に対応するものであること。

  公共サービスについて国民の自主的かつ合理的な選択の機会が確保されること。

  公共サービスに関する必要な情報及び学習の機会が国民に提供されるとともに、国民の意見が公共サービスの実施等に反映されること。

  公共サービスの実施により苦情又は紛争が生じた場合には、適切かつ迅速に処理され、又は解決されること。

これら5つの事項が、公共サービスに関する国民の権利であることが尊重され、国民が健全な生活環境の中で日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようにすることを基本として、行われなければならない。として、第5条で、地方公共団体は、基本理念にのっとり、公共サービスの実施等に関し、国との適切な役割分担を踏まえつつ、その地方公共団体の実情に応じた施策を策定し、及び実施するとともに、地方公共団体に係る公共サービスを実施する責務を有する。と(地方公共団体の責務)を制定しています。

昨年の代表質疑で、自治体の民営化について、公共サービス基本法に基づく総合的な検証を行うべきだとの私の質問に対する市の答弁は、「本市におきましては、公共サービス基本法等の趣旨を踏まえ、アウトソーシングを適切に活用しながら、市民生活の基盤となる公共サービスの実施に取り組んでいるところです。アウトソーシングに係る検証につきましては、来年度より実施いたします内部統制の取組の一要素として、各業務の実施主体それぞれの役割分担や責任の所在を明確にするとともに、その業務の成果だけでなく、重大なリスクとして考えられるノウハウの維持やコストの妥当性といった項目について適切に評価できる仕組みを構築することで、適法・適正かつ効率的・効果的な行政運営に努めてまいります。」ということでした。

その後、USBメモリー紛失問題が起こったわけですが、その対応策のために検討委員会が設けられましたが、この問題は合わせて検討されたと考えていいのでしょうか?

 

Q11.さて1年を経て、去年の代質への答弁に対する取り組み、アウトソーシングに係る検証はどうなったのか、適切に評価できる仕組みは構築できたのか、適法・適正かつ効率的・効果的な行政運営として成果はあったのかお答えください

 

答弁要旨

本市では、アウトソーシングを推進することにより、限られた職員数で、多様化する行政サービスを、安定的に提供してまいりました。

一方、アウトソーシングの実施にあたっては、本市職員のノウハウの喪失や災害時の対応、コストの妥当性等といった点に課題があると認識しており、これらの課題に、適正に対応できているか検証するため、コンサルティング事業者の専門的知見を活用しながら、業務を限定して試行的に、評価検証の取組を進めているところです。

具体的には、本市職員のノウハウ喪失などの課題に対して、現在の委託内容で適切に対応できているかを確認するための委託評価カルテを活用し、不十分であると確認された点については、適宜、改善を進める取組を実施しており、今後につきましても、引き続き、適法・適正かつ効率的・効果的な行政運営に努めてまいります。

以上

 

 

国民健康保険について

政府は、「国保の都道府県化」により、自治体に公費独自繰り入れをやめさせ、高すぎる国保料のさらなる引き上げとなる圧力を強めています。憲法・地方自治法を踏みにじる不当な圧力をはね返し、全国知事会なども要求する国庫負担の抜本的増額を求め、自治体による国保料の引き下げ・減免を行い、子どもの均等割の廃止をすすめるべきです。

 

国民健康保険の被保険者数は、85.515人で人口比では約18%です。被保険者世帯数は59.898世帯で全世帯の26.7%です。国保を利用する市民の割合は他市と比較しても高く、高齢者など低所得者層が多いという尼崎市の特徴が表れています。2027年に国保料は県下一律となる予定です。市は2023年度会計で、国保事業基金から356.638千円取り崩す予算ですが、基金残高は18億3.607万円となっています。次の年度の国保料は引き上げられる予測となっているようですが、実際の決定は6月の前年度の所得がわかる時期となります。基金残高はむこう3年間で全額処理すると仮定すれば、年間6億円計上できるということになります。引き下げのために取り崩しを先取りして対応することはできないのでしょうか。

 

Q12.基金を活用して、国民健康保険の子どもの均等割と平等割の制度を見直す、全体的に国保料そのものを引き下げる対策を講じるべきだと考えますが、市はどのような対策をとられますか?市の見解を求めます。

 

答弁要旨

国民健康保険事業基金の活用による保険料の抑制については、被保険者の保険料負担に激変を生じさせ

ないことを念頭に、毎年度の予算編成において取崩しの額を決定しており、令和5年度当初予算では、約3億5,600万円を計上しています。一方で、基金には、収支が赤字となった場合の補填財源といった側面もあり、将来にわたって一定額以上を確保する必要があると考えています。

いずれにしましても、限りある財源であることから、基金の取崩しについては、今後とも、条例の定めるところに従い、適切に行っていきます。以上

 

 

保育士の配置基準

 昨年、 尼崎の保育実態調査結果を発表した尼崎都市・自治体問題研究所は、 保育士の国基準に対する実際の配置状況を調べています。12月の代表質問でも紹介しましたが、1歳児の保育士一人が受け持つ児童の配置基準は、国基準が6人であるのに対し、公立保育所が4.7人、私立は4.6人、5歳児では、国基準が30人に対し、公立保育所が10.3人、私立は13.1人となっています。尼崎の公立・私立とも保育士の配置は国基準をかなり上回っています。しかし、配置基準を超える人件費等に対して、補助はありません。結局は運営者の持ち出しとなり、このことが保育士の低賃金やゆとりのない保育士配置を生み出しています。

 

市は一般質問での答弁として、保育士の配置基準の見直しをしない理由として、配置基準を拡充すれば、ただでさえ保育士不足なのに、より大きな保育士不足を引き起こすからと、述べています。市は、保育士を取り巻く劣悪な働き方、労働条件、職場環境が整っていないことが最大の問題だとの認識はないのでしょうか?

保育学研究者・保育問題アナリストの村山祐一さんの意見を紹介します。『保育士の配置基準について、「育ちの保障を国は手だてを早くすべきだ。保育士の配置基準は1948年にできました。当時の実態にあわせて作られた基準で「これだけでは十分ではないから、必要があれば基準以上の配置を」というものでした。それから75年、4歳児以上の基準は変わっていません。2000年以降は低年齢児が大幅に増え、保育時間が長時間化しました。さらに、土曜保育も求められるようになりました。ところが国は、それに見合うお金も人も手だてをしません。保育現場に対するこうした思いやりのなさは「政治のパワハラ」というべきものであり、もう限界です。

 事故や不祥事が相次いでいますが、背景には人手不足もあります。遊ばせながら片付ける、親に対応しながら保育するなど「ながら保育」をせざるを得ないのが現状です。安心安全な保育と、保育士の働き方の改善のために「せめてもう1人保育士を」という願いは本当に切実なのです。

 今の基準では安心した保育所運営が困難なことは、会計検査院も認めていることです。すでに現場では、子どもの命を守り、育ちを保障するために、それ以上の保育士を配置しています。まずはそこに国がきちんと補助を出すこと、そして基準を引き上げることが、どうしても必要です。

 

 Q13.より保育士が不足するから配置基準を増やさないといった考えを改め、保育環境を整えるための市独自の補助金制度を拡充するべきです。

 

答弁要旨

配置基準を見直すことは、保育士の勤務条件の緩和や業務負担の軽減に寄与すると考えますが、待機児童を多く抱える本市においては、国基準を上回る市独自の保育士の配置基準を設定した場合、一層の保育士不足を招きこれまで以上に保育ニーズに応えられなくなるといった課題が、現実として生じることから、現時点において、市独自の配置基準の見直しや補助金制度の創設は困難であると考えています。

なお、市としましても、保育士の負担軽減については課題と認識しており、令和5年度には、保育士が子どもとの関わりを、より専念できるよう、保育士支援者の酉己置補助を行う予定です。また、あわせて、市内保育関係事業者の皆様からも、保育士不足に関する深刻な課題を伺っていることから、こういった声も受け止めながら、必要な対策に努めてまいります。以上

インクルーシブ 就学前教育

インクルーシブ教育について新年度の計画では、一定の構想がしめされています。小中学校では生活介助員を11名増やして新年度は77名体制、特別支援教育支援員を10名増員して全小・中学校58校に配置するとのことです。

就学前については、明確な対策がありません。保育所などでは問題があるとされる子ども、いわゆるグレーゾーンに属していると思われる子どもの対応に一人の保育士がつきっきりにならざるを得ない状況があって、ただでさえ保育士不足に拍車をかけている実態があります。

ここでも、尼崎市都市・自治体研究所が行った調査報告を引用します。障害児と気になる児童の在籍状況も報告されています。

公立では18所全てに障害児が在籍し、平均4人最高7人でした。 気になる児童は18所の平均が7.3人 最高16人でした。私立では、回答のあった23園中19園に障害児は平均3人、最高7人が在籍していました。気になる児童は、回答のあった全ての園に在籍しており、平均4.6人、最高13人でした。障害児加配は公立が障害児2人に対し保育士1人となっているのに、私立では 障害児一人に対し 月額74.140円の補助がありますが、これは障害児3人に対し保育士1人の配置でしかありません。近隣の西宮、宝塚、川西、池田市などの補助金制度は尼崎の約2倍から3倍となっています。

障害児補助適用の児童数は、公立74人、私立59人、小規模0。②気になる児童(配慮を必要とする児童)は、公立131人、私立101人、小規模19人。また③虐待の可能性のある児童は、公立98人、私立47人、小規模4人でした。気になる児童と③虐待の可能性のある児童については、障害児加配の制度が適用されません。これらの児童への対応で逼迫している保育現場では新年度からの障害児や、気になる児童等を受け入れている他施設への措置替えを求めても、要望が完全に満たされるわけでもなく、また結論が出るのは3月初旬といった問題もあり、時間もかかり、新年度対応がなかなかできにくい状況が生まれています。

ここで示している数字は、公立からは全数回答なので実数ですが、私立については、回答数は対象67園中23園の回答なので、実数はこれよりも相当増大すると思われます。

 

Q14.障害児の加配については、当面公私間格差を無くすこと、障害児1人に保育士1人の配置を目指すべきです。また気になる児童や虐待の可能性のある児童もふくめて、調査やイクシアなどが保有している情報を共有し対応策が検討されるべきだと思いますが、市の考えをお示しください?

 

答弁要旨

公立保育所におきましては、概ね障害児2名に対し保育士1名とする配置を標準としております。一方、法人保育施設においては、加配保育士の有無にかかわらず、法人保育施設からの申請等に基づき、市において障害児として判定された児童1人当たり、月額74,140円を補助する制度を活用し、障害児保育に対応されています。障害児若しくは気になる児童の態様も様々あるなか、その実情に即して保育士の配置がなされていると思われますが、法人保育施設においても、障害児若しくは気になる児童が多数在籍していることは認識しており、障害児保育推進の観点から、今後もよりよい保育士確保策を検討してまいりたいと考えております。

なお、保育施設において何らかの課題を抱え「気になる児童」に対しては・必要に応じ子どもの育ち支援センター「いくしあ」などの関係機関と連携しながら必要な支援につなげるほか、虐待の可能性のある子どもに対しては、保育施設からの通告に基づき、「いくしあ」において家庭環境等の必要な調査を行うとともに、適宜、保育施設を含む関係機関と情報を共有しながら、連携した支援を行っています。

引き続き、関係機関による情報共有を進めながら、相互に連携した支援に努めてまいります。

以上

 

 

待機児童対策

2028年(令和10年)をピークに待機児童が増えるからと、それまで民間保育園の増設を市は計画しています。

尼崎市法人保育園会は、この2月14日から17日までの3日間でアンケートを実施、期日が短期間であったにもかかわらず、対象67園に対し64園もからの回答を得て、その回収率95.5%となっています。アンケート内容は主に保育士不足の実態に関する調査でした。その上で、様々な提言を寄せられています。

一部紹介します。「すでに2023年と2024年に5園の新設により450名の 定員増が決定しています。また民間移管、立て替え、分園から本園への移行により定員が65名増える予定になっています。出生数の減少も顕著であり、小規模園ではすでに受け入れ人数に空きが生じてきています。このままでは、定員に満たなくなる施設がさらに増えることが考えられます。今すぐに2025年4箇所の新設を決定するのではなく、利用調整など工夫しながら今後の待機児童の推移を見るべきであると考えます。これ以上の新設は更なる保育士不足を招きます。」「新設という将来負担を増やす政策を決断する前に、一旦立ち止まって現存する施設の有効利用策を検討するべきと考えます。法人保育園会では、保育士確保ができれば、児童の受け入れが可能となる施設が多くあります。公立保育所の定員の見直し、 公設民営、私立幼稚園の空き教室利用など、あらゆる検討を官民関係者で検討して行くことが求められています。」 と述べられています。

 

私たち共産党議員団は、これまで待機児童対策については、施設基準と保育士の配置基準等が明確な認可保育所で対応すべきと要望してきていました。待機児童対策が問題になってきた当初は、市の計画は小規模事業などでの対策が優先的でしたが、今や民間の保育園を誘致する方向に極端に変わってきています。その弊害として、施設的には子どもを受け入れる余裕が市内全体ではあるのに、保育士不足で受け入れ困難ということがあり、過度の施設供給で法人にとって将来に対する経営不安を呼び起こしているという状況となっています。

 

Q15.保育政策についての見直しが必要とされているのではありませんか、官民連携で検討会等を設置すべきと思いますが、市はどう考えますか?

 

答弁要旨

本市の保育ニーズは、令和2年度から5年計画で策定した「子ども・子育て支援事業計画」の策定当初よりも、既に、実績値が600人以上増えていることから、令和5年度及び6年度の保育ニーズと確保策の内容や数値を見直すなどしたところであり、子育てをする保護者の視点から見たら、まだまだ待機児童の課題は多く残っています。

一方で、この計画は法に基づく全国統一で作られる5年計画であるとともにもう少し長期的な目線で見ると、少子化が進む中、近い将来保育ニーズが頭打ちを迎えることも想定される中で、既存保育事業者から見たら、仮に定員が割れたとしても、全国的に展開している競争力の強い保育事業者であれば柔軟な対応が可能である一方、尼崎市のみを拠点とする地元の保育事業者の場合は、柔軟な対応が難しく、今後、園の経営の側面から不安を抱えられているものと認識しています。それに輪をかけて、深刻な保育士不足が課題となっているものと認識しています。

利用者から見た待機児童対策、既存保育事業者から見た運営面の将来不安への配慮の両方を視野に入れる必要が出てきている中で、今後の保育の量の確保と質の向上を進めていかなければなりません。

改めて検討会等の会議体を設置する予定はありませんが、保育政策の推進にあたっては、地元の法人保育園の安定的な運営とご協力は不可欠ですので、今後、より一層丁寧に意見交換を行いながら、検討を進めていきたいと考えています。以上

 

教育 施設整備

尼崎市の教育を考える上で、一般会計に占める2023年度の教育予算について、近隣3市と比較しました。西宮市11.3%、宝塚市11.5%です。伊丹市、大規模改修の予算が含まれているため22.4%と高くなっています。尼崎は8.6%です。それぞれの市の事情もあると思いますが、尼崎の教育予算は全体的にみて割合が低いと言わざるを得ません。

 昨年から学校施設の状態を見ていこうと、共産党議員団として視察を行っています。意外と進んでいないと感じたのがトイレの洋式化でした。2022年度のトイレの洋式化率は、西宮は56.0%、伊丹83.8%、宝塚81.4%、尼崎67.4%でした。

 さらに学校施設の視察の中で気づいたこととして、軽微の修繕を要する床やドアノブの傷み、天井からの水漏れ、屋外の鉄製階段等のサビが多く見受けられたところです。学校の大規模改修や建て替えの計画はこの10年間で5校だけです。それを待つのではなく、今施設改修で困っているところに予算をつける必要性を感じました。毎年、施設維持管理事業費の執行残がかなりあるのも気になるところです。改修工事を実施したくても、それを段取りする手立てがないのではないかとも思いました。すぐにでも治さなければならないところを洗い出し、優先順位を決めて計画的に取り組んでいるのでしょうか。

 

Q16.施設整備のための予算の執行残を活用し、また予算を増やして、大規模改修や建て替えを待つまでもなく、すぐに改修すべきですが、どう考えますか?

 

答弁要旨

学校施設の修繕費用の予算の執行については、学校の裁量で計画的に行えるよう、年度当初に学校へ配分し執行しており、年度途中には各学校の執行状況及び予定を見極め、再配分して必要な修繕に充てるなど可能な限り予算を有効に活用できるよう努めております。

また修繕以外の施設改修工事につきましては、施設の状況について日常点検や法定点検等により不具合の兆候を把握し、安全性や機能性の確保のために必要な場合は大規模改修や建替えを待つことなく、優先順位をつけて行っております。今後とも学校施設の適正な維持管理に努めてまいります。

以上

 

 

気候危機打開

 日本共産党は、思い切った省エネと再エネの推進で気候危機を打開する「気候危機打開の2030戦略」を発表しています。そこでは、地方からも、省エネと再エネを推進する取り組みをすすめれば、地域に仕事と雇用を生み出し、地域経済振興に大きな力となる。さらに自治体のCO2削減計画を、市民参加で実効あるものにしていくために、例えば「気候市民会議」の設置を行うなど提案しています。気候危機打開のための市民意見の反映と協力の場を設け、それを広げていくべきです。

 また市民・住民や中小企業からの省エネ・再エネ推進の相談に応じるために、省エネ診断士や建築士など専門家の力を借りて支援窓口を設置するのも一策であると思います。

 

Q17.市民レベルで気候危機打開のための「気候市民会議」や、省エネ再エネ推進の支援窓口の設置など検討されてはいかがでしょうか?

 

答弁要旨

本市は気候危機を乗り越えるためには、市民、事業者、行政、全員で行動することが肝要であると考えており、気候市民会議は、啓発効果が限定的となることから、現時点では、開催する考えはありません。

また、省エネ再エネの相談窓口の設置につきましては、これまでから、経済環境局が多数の相談をお受けして必要に応じて専門家に引き継いでいます。

具体には、家庭向けでは、ひょうご環境創造協会の専門家による「うちエコ診断」の受診を促しているほか、国や県の制度も含めた省エネ再エネ関連の補助制度等について、市が直接ご案内しています。

また、事業者向けでは、「脱炭素設備等導入促進支援事業」で、省エネセンターの専門家による省エネ最適化診断等をはじめとした伴走型支援を実施しており、引き続き市民、事業者と一丸となって脱炭素社会に向けた取組を推進してまいります。(以上)

 

 

地域経済

長らく続くコロナ禍と政府の経済失政による円安、そしてロシアによるウクライナ侵略の影響で原材料、燃料が値上がりし、かつてない物価高騰が市内中小業者の経営に深い影を落としています。

また、中小企業、小規模事業者がコロナ禍で受けた、無利子・無担保のいわゆるゼロゼロ融資の返済が一部で始まっていますが、これが今、過剰債務問題となって事業者に重い負担となっています。ゼロゼロ融資を別枠の債務にして、新規融資が受けられるようにすることと共に、債務の減免をするよう、中小業者団体などから声が上がっています。今こそ資金繰り、経営に窮する中小業者に抜本的な支援を行うべきです。

国による持続化給付金などの給付金が終了した今でも、依然として残るコロナ禍と物価高騰の影響で苦しめられている事業者に市が直接支援する制度をつくるべきです。そして、これまで「エコリフォーム助成制度」といった、エコロジーを要件とするなどで申請のハードルの高かった助成制度でなく、多くの事業者に恩恵が行き届く制度の創設が必要ではないでしょうか。

 

Q18.市内中小業者に対し、市独自の直接支援金制度と住宅店舗リフォーム助成制度などの助成制度を創設し、困難に直面している中小企業・小規模事業者に手を差し伸べるべきだと考えますがいかがですか。

 

答弁要旨

新型コロナウイルス対策における給付金として、令和2年度に事業継続支援給付金で3,973件、3億9,730

万円、令和3年度に事業継続一時支援金で2,889件、2億8,890万円を支給してまいりました。

また、ゼロゼロ融資の返済を見据え、県の融資制度を活用する場合,信用保証料の3分の2を補助する制度を令和4年10月より実施し、中小企業・小規模事業者向けの資金調達を補う支援を行っています。

そうした中、通常とは別枠の保証が得られるセーフティネット保証の本市認定件数は、新型コロナウイルス感染症流行後に急激に増え、令和2年度が5,126件、令和3年度が878件と、コロナ前の令和元年度の実績354件を大きく上回っており、現段階では、資金的支援の対応は実施してきたと考えています。

 

また、「住宅・店舗リフォーム助成制度」につきましては、受注機会の拡大やリブt一ムに関連した商品等の購買など、一定の経済効果が発生するものと考えられます。

しかしながら、令和5年度予算に計上しています「脱炭素化設備等導入促進支援事業」は、原油価格高騰に直面している中小企業者の設備導入を支援するとともに、新たに市内事業者に担っていただく、簡易省エネ診断を創設し、市内間取引を促進していくことで、市内事業者支援と地域経済振興にもつながるものと考えています。

こうしたことから、新たな給付制度の創設は考えていませんが、今後も事業者の安定的な経営を適時・的確に支援できるよう、市内外の経済情勢の把握に努めてまいります。以上

 

 

 

以上で第2問、私のすべての質問をおわります。ご清聴ありがとうございました。