2022.6月議会 松沢ちづる議員 意見表明「尼崎市総合計画について」

議案第76号 尼崎市総合計画の策定に対し、日本共産党議員団の意見表明を行います。

 計画に示された主要取組項目①から④は、今後の10年を見据えた市民生活を具体的に支え、自治のまちづくりを進める積極的な取り組み方向として評価をします。

 特に①子ども・教育では子どもファーストを基本とした「いくしあ」の取組、市立児童相談所の設置に期待をするところです。

②生きがい、ささえあいでは、重層的支援の推進が当事者やかかわる人たちに勇気と展望を与えるものになると期待をします。

③脱炭素・経済活性では、2021年表明された「尼崎市気候非常事態行動宣言」の具体的取組をスピード感を持って進めることを期待します。

 しかし、2点について重要な視点が欠落していると指摘をします。

1点は、地方公共団体の基本的責務である「住民福祉の増進」についての記載がされていないことです。市長は「住民福祉の増進に責任を持つことは当然」と答弁されましたが、弱肉強食、自己責任の追及ばかりの国の新自由主義経済の下で、市民のくらしや地域経済が痛めつけられ、貧富の格差が増大している現状は、「社会潮流」にも「本市の状況」にも記載されていません。市の最上位に位置づけられる重要な行政計画であるからこそ、市民の生活実態からはじまり、住民福祉の増進に責任を持つ市の姿勢を総合計画に明示すべきです。

 もう1点は、教育分野で少人数学級への移行が全く取り上げられていないことです。2021年3月 国が2025年までに小学校6年生までの35人学級を進めると決めました。中学校の学級編成についても今後検討するとしており、40年ぶりの快挙で、長らく教育関係者が望んできたものが本計画期間中に実現するわけです。教育委員会は「学級編成制度は国や県がやるもの」と答弁されていますが、現状の様々な教育課題が解決の方向に向かう重要な変化と期待できるものであり、また、兵庫県はすでに独自で小学4年まで35人学級を実施しているのだから、前倒しで早期に小学校5年以降の少人数学級を進めるよう要請する姿勢を明確に示すべきです。

以上2点を指摘し、この議案には反対を表明します。