2021.9月議会 まさき一子議員の一般質問と答弁要旨

第1登壇      

日本共産党議員団のまさき一子です。

今日は「新型コロナウイルス感染拡大防止のための、PCR検査の強化について」「公立小中高校の女子トイレに、生理用品の設置を求める」こといて一般質問をします。

 

まず最初は「新型コロナウイルス感染拡大防止のための、PCR検査の強化について」

 

 新型コロナ感染第5波が急速に進み、大阪府に続き兵庫県でも9月12日まで、緊急事態措置が実施されています。

共産党議員団は市長に、希望する市民に対してPCR検査を何回でも受けられるように要請しました。市の回答は「必要とされている方に必要な時に検査を受けていただける体制をとっている。症状がない方には繰り返し検査を受けることについては、まずは感染しないさせない生活様式を啓発することが第一義であると考える。市全体のPCR検査数に限りがあることから現時点では考えていない」ということです。市民はすでにマスク着用、密を避ける、手洗い等感染対策はおこなっております。それでも爆発的な感染拡大が起こっています。

 

Q1:感染者を速やかに発見し保護、治療することが必要です。PCR検査や抗原検査で無症状者を捕捉する、民間の医療機関・検査センター等の協力で、今の衛生研究所の一日検査数88件の限界は越えられると思いますがいかがですか?

 

 答弁要旨

本市におきましては、昨年九月から市内医療機関においてPCR検査等を実施しておりますことから、現在、衛生研究所での検査も併せ、一日あたり最大約800件の検査を行うことが可能になっております。

 

7月下旬に障がい者通所施設でクラスターが起こりました。8月29日の時点で利用者と職員39名がコロナウイルスに感染。自宅療養となった障がい者の家族から話を聞きました。その母親も感染しましたが障害を持つ子どもの看護をしました。重度の障がい者の場合自宅での酸素吸入や点滴治療が理解できずに苦労がありました。母親は「入院だったら治療に協力できる子なので、入院治療を受けたかった。高齢者施設は社会的検査をしている。障がい者施設にも検査をしてほしい」と要望がありました。

第5波の特徴として、デルタ株の出現により感染力が非常に強いこと。20歳代~40歳代の若い世代の感染者が多く、それに伴い子どもへの家族感染が多く出ました。小中学校の2学期が始まったその日に5つの小学校で休校となりました。保育園での園児の感染、そして先ほどの障がい者通所施設でのクラスターが相次ぎました。

神奈川県では9月からワクチン接種対象年齢未満の園児や児童がいる家庭への抗原キット配布を開始します。1人当たり2キットを、学校、保育園・幼稚園を通じて配るとしています。

 

Q2:夏休みが明けて学校が始まりました。でも感染が一層広がるのではないかとたいへん不安な日々です。12歳以上のワクチン接種を勧めながら、学校や保育園、幼稚園、障がい児施設等で、頻回で定期的な検査の実施が必要なのではありませんか?

 

答弁要旨

本市では、クラスターが発生した学校や保育園等があった場合、速やかに濃厚接触者を特定し、必要に応じてPCR検査を実施することが重要だと考えております。

 また、国においても、症状が現れた場合に早期に陽性者を発見することで、感染拡大を防止する観点から学校等へ検査簡易キットを配布しております。

 議員ご提案のような、頻回で定期的な検査の実施につきては、現時点では困難ですが、第五波では蔓延防止状況も変化しており、今後の国の動向も注視してまいります。以上

 

次に小中高校のトイレに、生理用品の設置について

 

 コロナの影響で、収入が減少し、生理用品の購入に困難な女性たちの存在がありました。生理用品までお金が回りづらい。最悪のケースとして「トイレットペーパーで代用する」という話も聞きました。先進国と言われるこの日本でそんなことがあってよいのか?決していいはずがないという思いで質問します。

 新日本婦人の会尼崎支部から教育委員会に対して「小中高校の女子トイレに生理用品を設置してほしい」との要望書が出されました。それに対して「生理用品が学校で必要になったら保健室にもらいに来るようにとなっている。子どもの家庭状況を把握する目的もあり保健室においている」との返答がありました。女子からは「家庭のことは探られたくない」「毎月だと言いにくくなる」等の声があります。

 生理用品が保健室で渡されている現状で、どれほどの女子が利用しているのか教育委員会にお聞きしました。1中学校当たり、月平均4個(枚)でとっても少ない数です。また渡す場合に家庭事情を聞くのは教育的配慮だと言われていました。でもそれでは女子は気軽に保健室にもらいに行きにくくハードルが高い。その表れが月4個という数字に表れていると思わざるを得ません。

 

Q3:学校の保健室に子どもが気軽に生理用品をもらいに行けない、ハードルが高い要因は何だと考えますか。この実情を改善するべきと思いますがいかがですか?

答弁要旨

本市の場合、児童生徒の健康管理もかねて、生理用品を保健室に常備しており、実際に生理用品が必要な児童生徒については、保健室まで取りに来ている者もいますが。一方で抵抗のある者もいると考えられます。

 文部科学省からは、学校における生理用品の提供に関し、生理用品を必要としていることを言い出しにくい児童生徒にも配慮し、必要とする児童生徒が安心して入手できるよう、提供方法や配置場所等の工夫などを検討する旨、通知があったことから、児童生徒への声かけや周知をはじめ、適切な対応をしていくよう学校へも指導していまいります。以上

 

生理の貧困という言葉が全国的に広がっています。生理用品がなければ女子は学校に行くことができない、日常生活ですらまともに営むことができません。

 1年前私にネットでつながっている方から「ある女子中学生が、父子家庭で父親が子どもに食費も渡さず『自分で何とかしろ』と放置されている。時々知り合いの母子家庭のお母さんに『ご飯食べさせて』と言ってくる」と相談がありました。私はいくしあに繋ぎ対応して頂きました。その時は生理用品の対応については考えが及びませんでしたが、そんな女子が生理用品を買えるはずもなく、どのようにしているのかと心配になります。

生理の貧困とは経済的貧困だけではありません保護者からのネグレクト,DV、父子家庭での父親からの理解が得られない。また羞恥心から子どもが購入することが難しいこともあります。

今年から始まった要保護・要支援児童等見守り強化事業は、子どもの安否も含めた食糧支援と相談・見守りの事業です。市から出向いて子どものSOSを聞く積極的な支援で期待しています。

 

Q4:この制度は、食材等の提供などの支援を行い、支援ニーズの高い子どもを見守る制度です。女子小学生の高学年から食材等の中に生理用品を入れる様配慮してほしい。いかがですか?

答弁要旨

要保護・要支援児童等見守り強化事業は、主に食事や食材の提供を行う委託事業であり、事業者との契約内容に、食料以外の物品を事業者が用意・配布することについては盛り込まれておりませんが、事業者が世帯の状況を把握する中で、生理用品に対する需要が認められた場合には、事業者から児童ケースワーカーへ報告をいただき、今年4月から実施している災害備蓄用生理用品の無償配布の仕組みを活用し、支援が行き届くよう取り組んでまいります。

 

今、大学生のアルバイトが減り、生活の困窮が起こっています。若い人が中心になって、フードバンク等で食料品や生活用品を無料で提供するという支援があります。そこでは女子大学生に生理用品を提供すると大変喜ばれるそうです。普段は口にしませんが、生理用品が買えないほど、女性や子ども、学生の貧困はたいへん深刻化しています。

尼崎市でも災害時用の生理用品を、公共施設の窓口に設置して、困っている方に提供しています。

 

Q5:現在、南北保健福祉センター、いくしあ、トレピエ、外国人総合相談窓口での生理用品を提供しています。生活困窮者に対して、今後も恒常的な無償提供を実施するつもりはありますか。

答弁要旨

経済的な理由で生理用品が十分に入手できず、お困りの方に、令和3年4月28日から南北保健福祉センターや子どもの育ち支援センター「いくしあ」、女性センタートレピエなどで、災害用として備蓄している生理用品を活用して、配布する支援を行っております。

今後につきましても、こうした取り組みを継続してまいりたいと考えております。

 

                     これで第1問を終わります

 

 

第2登壇

東京都世田谷区では、社会的検査として、高齢者・障がい者施設、保育園・幼稚園、学校の職員と利用者が対象で、随時検査とスクリーニング検査を行っています。随時検査は濃厚接触者と同居者や長い時間接触し感染に不安がある人が対象で、医師の立会いのもと検査を行う。スクリーニング検査は、社会的検査の対象事業所に対し、定期的に抗原キットを配り検体を検査センターに送る。陽性の疑いと診断されたら、再び医師の診察のもと随時検査を行うというものです。

その目的は①陽性者を早期発見して拡大を防ぐこと。②重症化を防ぐこと。③施設内でのクラスターを防ぐことです。

尼崎市は高齢者施設の職員に対しては、定期的に社会的検査を行っていますが、6000人が対象ですが2400人の実施にすぎません。障がい者施設や子どもを預かる施設の職員や利用者にも範囲を広げ、クラスターを防ぐように要望します。

二問目に入ります

広島県では大規模なPCR検査を継続して行っています。広島県・広島大学・大学病院・医療指定機関、市民が協力して「感染拡大防止対策のエビデンスを出す」という目的で、日本で初めて県内5地域を選んで抗体検査を3回実施しています。資料1をご覧ください。国が昨年12月に行った東京、大阪、宮城、愛知、福岡県の抗体保有調査(過去にウイルスに感染していたことがわかる調査)です。下段は広島県が今年1~2月に行った同じ検査です。この検査で広島県内の陽性者数は、把握された感染者の1.2倍だということです。このことで感染者の80%を捕捉できていたことがわかりました。

厚生労働省が発表した資料3をご覧ください。2020年1月15日~21年9月3日までの陽性者数と検査数、その割合を見てみますと、兵庫県は陽性者数累計6万7417人、検査人数は65万9890人(10.2%)です。広島県は陽性者累計1万9191人、検査人数76万9672人(2.5%)。広島県では検査する数が多く、積極的に無症状者へのPCR検査をしてきたので、兵庫県に比べてコロナの陽性者が顕在化しており、潜在的な陽性者が少ないこと、また早期発見で症状の悪化や死亡を防ぐことにつながっています。

資料2をご覧ください。広島大学の田中純子副学長は「厚労省が実施した他府県における抗体保有検査結果と比較すると、広島県では、人口と把握されている累積感染者と抗体保有者のギャップが小さく、感染者の拾い上げが進んでいることがわかった」と大規模PCR検査の効果を評価しておられます。

 

Q6、広島県のように、PCR検査の拡大と無症状者の割り出しは、早期発見することで感染の広がりを防ぎ、重症化を防ぐことに繋がり、医療のひっ迫も防ぐことになると考えるがどうですか?

答弁要旨

本市では、発熱等の症状がある方など、検査を必要とされている方が必要なときに受けていただけるよう、体制の確保に努めておりますが、衛生研究所や市内医療機関での検査数にも限界があります。

特に感染者数が多い時期には、濃厚接触者においても、症状のない場合は検査をお待ちいただくこともあることから、PCR検査の対象を無症状の方にまで拡大することは考えておりません。

 

PCR検査については、尼崎市は衛生研究所を持つ市として、積極的に拡充をするべきです。そして他都市と協力して感染者が多い阪神間に範囲を広げて行うべきと考えます。衛生研究所だけではなく医療機関、大学も含めた民間の検査機関の協力を求めてほしいと思います。

尼崎市は阪神尼崎でまん延防止重点措置の期間1か月間、モニタリング検査を実施しましたが、緊急事態宣言となって検査を打ち切りました。私は健康福祉委員会で「検査を打ち切ったのはなぜ?」とお聞きしたところ、市は「今日陰性でも明日は陽性になるかもしれない。阪神尼に人を集めるのは緊急事態宣言に反している」等の理由を述べられました。モニタリング検査を中止してまもなく、人の流れが激しくなったこの夏、第5波が強い感染力を持って、行動範囲が広い若い世代や働き盛りの世代を襲っています。若い世代の陽性者をとらえるチャンスがモニタリング検査はありませんか?質問します。

 

Q7 50歳代以下の市民のワクチン接種はまだまだ時間がかかります。若い世代の広がりを防ぐ対策は検査を行うこと、人が集まる駅でのモニタリング検査は今こそ行うべきです。いかがですか。

答弁要旨

 モニタリング検査につきましては、まん延防止等重点措置期間における対応の一つとして、感染リスクが高いとされる繁華街で、陽性患者の早期発見につなげるとともに、感染予防への啓発を目的に実施したものでございます。

 現在、第五波の渦中にあり、本市におきましては、疑似症患者や濃厚接触者等の行政検査を優先する必要があり、モニタリング検査の実施につきましては考えておりません。

 

 広島県では、遺伝子のゲノム分析を行っており昨年の12月に県内で拡大したウイルスは、兵庫、和歌山、奈良県など関西のウイルスと非常に近いこと、GO・TOトラベルキャンペーンと重なることが科学的に証明されています。広島県ではこの夏、帰省する人に対して、帰る直前にPCR検査が出来るように希望者には唾液PCR検査キットを送る等の対策を実施しました。駅前で配布したり、公共施設、病院や医院・院外薬局等にキットを置き、市民の検査に対する啓発を促しています。

 

Q8、唾液PCR検査キットを人が集まる、本庁や公共施設、駅、ドラックストア等に設置し、希望する市民がいつでも検査できるようなシステムづくりが必要だと思いますがいかがですか?

答弁要旨

 これまでもご答弁申し上げましたとおり、希望する市民がいつでも検査できるようなシステム作りは困難でありますが、発熱等の症状がある方など、検査を必要とされる人が必要なときに受けていただける体制の確保に努めてまいります。

 

次は生理用品の学校の女子トイレへの設置することについてです。

 

 現在、多くの自治体で、災害時備品である生理用品の無償配布が行われています。しかし生理は一時的なものではなく、継続的に予算を設け、恒久的な無償配布を実現するべきだと思います。

 神奈川県大和市では県内初めて予算化、市内の全小中学の女子トイレに生理用品が巾着袋に入れて設置され、人目を気にせずに自由に使えるようになりました。保健室に配備するよりトイレに設置すると利用枚数が多くなり「潜在的な利用ニーズが高かったことがうかがえる」子ども達からは「安心して過ごせるようになった」との声が届いています。

 京都市でも別途予算を確保し、市内の学校に4万袋を配布すると発表しました。

SDGsの目標5にかかげられているのがジェンダー平等です。女性の生理現象における、あらゆる負担をみんなで共有、理解し合える、ともに考えることが大切だと思います。

 

Q9:小中高校の女子トイレに生理用品を常備し、誰でもが利用できるようにすることを望みますが、いかがですか?潤沢にある保健室の生理用品を活用して、試験的にでもトイレに設置を試みてはいかがですか?必要と判断されたら、生理用品の設置を予算化していくことを検討してほしい。いかがですか?

答弁要旨

 生理用品については、本当に必要としている児童生徒に確実に渡せるよう配慮すべきであると考えております。

また、学校が、貧困など児童生徒の家庭状況を把握することにより、配慮が必要な児童生徒への支援を行うことも大切であると考えております。

 学校のトイレに生理用品を設置することにより、誰もが利用できる反面、本当に支援が必要な児童生徒について学校が把握できず、体の悩みや生活不安に関する相談など、一人ひとりの状況に応じた支援ができなくなるという面もございます。

 学校においては、発達段階による個々の児童生徒の状況を把握するということも大事にしております。

 そこで、養護教諭のいる保健室に生理用品が常備されていることや必要なときは気兼ねなく取りに来るよう児童生徒への周知を行うこと、使いやすいよう保健室内での設置場所を工夫すること等、児童生徒が保健室に取りに来やすくするための取組をまずは進めたいと考えており、トイレへの設置については、今後、他都市の状況等も勘案して研究してまいりたいと考えております。

 現在、学校予算等での調達により常備できていることから、ご指摘の生理用品設置に係る新たな予算化については、現時点では考えておりません。

 

尼崎の公立小中学校では、生理用品は教材費で購入したり、災害時の備品の提供で十分な個数が保健室に常備されていると教育委員会からお聞きしました。各学校月4個の利用とはあまりにも少ないと思います。もっと必要な女子はいるはずです。

 

                      これで 第2問目を終わります

第3登壇

 生理用品については、今朝のニュースで東京都立高校で、女子トイレのトイレットペーパーの横に生理用品を置くという記事を見ました。校長のメッセージがあり「トイレットペーパーと同じように使ってください」と。これは困窮しているとかではなく誰でも使ってくださいということだと思います。これがジェンダー平等だと思います。

生理用品については、残念なことに日本の社会では、生理は「恥ずかしいこと」という誤った認識があります。女性の生理は子孫を残すため、必要不可欠な生理現象です。私はとってもいとおしくて尊いものだと感じています。本当の意味でのジェンダー平等を実現するためにも、女性が生理を苦痛だと思わないような社会的支えが必要だと思います。だからこそトイレにトイレットペーパーがあることが当たり前のように生理用品も備わっている公共のトイレをめざしてほしいと要望します。

 

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、当初は大規模なPCR検査については否定的な考えをお持ちでした。しかし、今年4月には「病院に行くほどでない軽症者を検査し、感染が確認されれば、その周辺には無症状者がいっぱいいる。PCR検査よりも安価で素早く結果が得られる抗原検査を優先的に拡大するべき」と言われています。

PCR検査にこだわらずとも、効果的な抗原検査を大規模におこない、重症化や命を助ける手段を考えて頂きたいと要望します